JP3670999B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー収納容器に収納されたトナーを、現像装置へ補給するようにした電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記形式の画像形成装置において、トナー収納容器に収納されたトナーを粉体ポンプにより現像装置へ補給するトナー補給装置を備えたものが知られている。そして、この粉体ポンプとして、貫通孔が形成されたステータ、該ステータの貫通孔に嵌合された回転駆動されるロータを有する1軸偏芯スクリューポンプを用いることも公知であり、1軸偏芯スクリューポンプは高い固気比で連続定量移送が可能であって、ロータの回転数に応じた正確なトナーの移送量が得られるものである。
【0003】
本出願人は、その吸引型の1軸偏芯スクリューポンプによりトナー補給を行うようにした画像形成装置としてのカラープリンタを既に提案しており、その概要を図1に示す。
【0004】
図1に示すカラーレーザプリンタは、装置本体1の下部に給紙部2が配置され、その上方に作像部3を配置した構成となっている。作像部3には、給紙側が下で、排紙側が上となるように傾斜させて配置した転写搬送ベルト装置が設けられている。転写搬送ベルト装置は、複数のローラ、本例では4つのローラに巻き掛けられたエンドレスの転写搬送ベルト12を有し、そのローラの1つが駆動ローラとして構成されることにより矢印方向へ回転駆動される。転写搬送ベルト12には、その上部走行辺に沿って下から順にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(Bk)のトナーを用いて画像形成を行う4つの作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkが並列配置されている。
【0005】
各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkは、像担持体としての感光体ドラム5が設けられ、該感光体ドラム5は図示していない駆動手段によって時計方向へ回転駆動される。感光体ドラム5の回りには、帯電手段としての帯電ロール6、光書込み装置8によってレーザ光による書込みが行われる光書込み部、現像手段として現像装置10、クリーニング手段としてクリーニング装置9が設けられている。現像装置10は、トナーとキャリアからなる2成分現像装置であって、消費されたトナー量に応じてトナー補給装置によりトナーが補給される。
【0006】
次に、図1に示すカラープリンタのフルカラープリントを行う作像動作についてマゼンタ用の作像ステーション4Mにより説明する。
感光体ドラム5が回転駆動されるとき、その表面が帯電ロール6によって帯電され、その帯電領域には図示していないLD(レーザダイオード)を駆動してレーザ光をポリゴンミラー8aに照射し、シリンダーレンズ等を介して反射光を感光体ドラム5上に導く光書込み装置8により、マゼンタトナーで現像する光像の光書込みが行われる。この書込みにより感光体ドラム5上には、パソコン等のホストマシーンより送られた画像データに基づいた静電潜像が形成され、該潜像は現像装置10によってマゼンタトナーの可視像となる。
【0007】
一方、給紙部2からは転写材として指定された用紙が給紙され、給紙された用紙は転写搬送ベルト12の搬送方向上流側に設けられたレジストローラ13に一旦突き当てられる。そして、用紙は上記可視像に同期するようにして転写搬送ベルト12上に給送され、該ベルトの走行により感光体ドラム5に対向する転写位置に到る。この転写位置では、転写搬送ベルト12の裏面側に配置された転写ロール14の作用によりマゼンタトナーの可視像が用紙に転写される。
【0008】
上記作像動作に同様にして、他の作像ステーション4C,4Y,4Bkにおいてもそれぞれの感光体ドラム5の表面に各トナーによる可視像が形成され、これら可視像は転写搬送ベルト12によって搬送される用紙が各転写位置に到来するごとに重ね転写される。したがって、本カラープリンタはタンデムタイプの特徴であるフルカラーの画像がモノクロとほぼ同様な短時間で用紙に重ね転写できるものである。転写後の用紙は、転写搬送ベルト20から分離されて、定着装置15により定着される。定着を終えた用紙は、通常、そのまま機外に排紙されるか、このとき用紙は反転されて装置本体1の上面に設けられた排紙トレイ16に裏面排紙される。
【0009】
次に、トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkに収納されたトナーを各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkに補給するトナー補給装置について、図2を用いて説明する。なお、各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkの現像装置10に補給するトナー補給装置は実質上、同一構造に構成されている。
【0010】
現像装置10には、その近傍または一体に吸い込み型の粉体ポンプ40である一軸偏芯スクリューポンプが設けられている。この粉体ポンプ40の構成は、図2に示すように、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ41と、2条スクリュー形状の貫通孔が形成され、ゴム等の弾性体で作られるステータ42と、該ステータ42が回転しないように保持し、かつ粉体の搬送路を形成する樹脂材料などで作られたホルダ43とを有している。上記ロータ41は、図3に示すように、偏芯運動を吸収するピンジョイントにより連結された連結軸47を介して軸受45に回転自在に支持された駆動軸44と連結され、駆動軸44にはギヤ46が固定されている。このギヤ46は、点線で示すクラッチ49を備えたギヤ付きクラッチであってもよい。
【0011】
また、上記ホルダ43の先端、すなわち、図2の右端にはトナー吸い込み部43aが設けられ、トナー吸い込み部43aと後述するノズル51に設けられたトナー用接続口54とトナー搬送チューブ17によって接続されている。このトナー搬送チューブ17としては、耐トナー性に優れたゴム材料(例えば、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等)から作られたフレキシブルなチューブを用いることがきわめて有効であり、フレキシブルなチューブであれば上下左右の任意方向へ配管が容易に行い得る。
【0012】
一方、上記現像装置10に補給するトナーを収納したトナー収納容器20は図1において画像形成装置本体1の右側上部に設けられたセット部50にセットされ、現像装置10と別体のユニットとして構成されている。セット部50には、トナー収納容器20内に挿入される断面が円形のノズル51が立設され、トナー収納容器20を上方から画像形成装置本体1のセット部50へセットすることにより容器内に差し込まれる。このノズル51は、上部に断面円錐状の尖端部52が形成され、その内部は二重管構造になっており、エアー流入路53とトナー排出路54が隔壁によって形成されている。トナー排出路54は、ノズル51の下端まで延びて左方へ曲げられ、上記したトナー搬送チューブ17が嵌合されている。
【0013】
他方、エアー流入路53はトナー排出路54よりも上方で図の右方へ曲げられ、エアーポンプ30とエアー移送パイプ31を介して接続されている。このエアーポンプ30が作動すると、該ポンプからエアー移送パイプ31およびエアー流入路53を介してトナー収納容器20内に対し下部側よりエアーが噴出される。そして、トナー収納容器20内に噴出されたエアーは、収納されたトナーの層を通過することによりトナーを攪拌しながら流動化させる。なお、ノズル51はエアー流入路53とトナー排出路54が一体となった単管構造のものを用いてもよい。
【0014】
このように構成されたトナー補給装置は、粉体ポンプ40である1軸偏芯スクリューポンプが、高い固気比で連続定量移送が可能であって、ロータ41の回転数に比例した正確なトナーの移送量が得られることが知られている。そこで、トナー濃度検知や画像濃度検知等によってトナー補給指令が発せられると、粉体ポンプ40が作動し、要求された量のトナーが現像装置10に補給される。
【0015】
かかるカラープリンタでは、現像装置は二成分現像装置であって、トナー濃度を一定に保つようにトナー補給が制御しており、このためトナー補給装置は最大サイズの全ベタ画像をプリントしてもそれに追従できるように、トナー搬送性能が設定されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記カラープリンタにおいて、各粉体ポンプ40M,40C,40Y,40Bkのロータ41の回転数を250rpmとし、トナー搬送チューブ17に直径8mmものを使用して単位時間当りのトナー補給量について調べた。その結果、図4のグラフに示すように、各トナー補給装置の補給能力に明らかな差が生ずるとともに、その最大量を補給できるまでの立ち上がりにおいて大きな差異が見られた。このような応答性のばらつきは、各作像ステーション4M、4C、4Y、4Bkにおいて、図5に示すように、トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkのノズル51から粉体ポンプ40までのトナー搬送距離L1,L2,L3,L4、および揚程(高さ差)H1,H2、H3,H4の搬送条件が異なり、トナー補給に対して能力差が生じてしまうことに起因する。すなわち、トナー搬送距離L1,L2,L3,L4が長くおよび揚程(高さ差)H1,H2、H3,H4が大きい程、トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkまでの粉体ポンプ40M,40C,40Y,40Bkの吸引圧力の伝わりが遅くなり、吸引圧力のレスポンスが悪いことに因るものである。
【0017】
このような応答性のばらつきは、各粉体ポンプ40M,40C,40Y,40Bkの回転数や駆動時間を変えることで解消することができるが、この場合駆動装置や制御が複雑になる。したがって、各粉体ポンプの駆動を例えばメインモータで行うことが困難になる。このため、各粉体ポンプ毎に専用のモータを設けて駆動することでも解消できるが、この場合、大幅なコストアップにつながる。
【0018】
本発明は、上記した事情に鑑み、トナーの搬送条件が異なっていても同等で良好な応答性のトナー補給性能が得られる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、複数の現像装置と、該現像装置にそれぞれに補給するトナーを収納する現像装置と同数のトナー収納容器とを有し、該トナー収納容器に収納されたトナーを、貫通孔が形成されたステータ、該ステータの貫通孔に嵌合された回転駆動されるロータを有する粉体ポンプにより搬送チューブを介して前記現像装置へ補給する画像形成装置において、前記トナー収納容器から前記現像装置までの長さ及び揚程の差に基づく搬送条件の違いに応じて前記搬送チューブの内径の大きさが異なることを特徴としている。
【0020】
なお、本発明は、前記粉体ポンプが各現像装置に隣接配置され、前記搬送チューブが前記トナー収納容器のトナー排出部から前記粉体ポンプまでの長さが長く及び揚程高さが高いほど内径の大きさを小さくすると、効果的である。
【0021】
さらに、本発明は、前記搬送チューブの最小内径を直径4mmとすると、効果的である。
【発明の実施の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る画像形成装置は、例えば図1に示すように、複数の作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkを備えて、この各ステーション4M,4C,4Y,4Bkの現像装置10に対し、トナー収納容器20に収納されたトナーを補給するため、ステーション毎にトナー補給装置を用いている。このトナー補給装置は、図2及び図3に示すように、吸引型の一軸偏芯スクリューポンプである紛体ポンプ40の作用によりトナーを補給するもので、具体的にはロータ41を回転することにより発生する負圧によりトナー収納容器20のトナーを吸引して現像装置10に補給するものである。
【0023】
このように負圧によりトナーを搬送する場合、ノズル51から粉体ポンプまでの内部空間が小さい程、ポンプで発生する吸引圧力が伝わりやすい。したがって、トナー搬送チューブ17は短く、かつ細い程応答性が良好になる。
【0024】
そこで、本発明では搬送条件に応じてトナー搬送チューブ17の内径の大きさを異なるように設定している。例えば、図5に示すように、各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkではそれぞれのノズル51から粉体ポンプ40までのトナー搬送チューブ17の長さ及び揚程が異なるため、このような搬送条件の違いに応じて用いるトナー搬送チューブ17の径を変えている。
【0025】
次に、本発明の実施例を説明する。
図5に示すトナー補給装置において、トナーを搬送する長さが最も短く、紛体ポンプ40Mがノズル51Mより下方に位置する作像ステーション4Mでは内径の直径が8mmのトナー搬送チューブ17Mを用いる。トナーを搬送する長さが次に短く、紛体ポンプ40Cがノズル51Cよりやや下方に位置する作像ステーション4Cでは内径の直径が6mmのトナー搬送チューブ17Cを用いる。トナーを搬送する長さが2番目に長く、紛体ポンプ40Yがノズル51Yよりやや上方に位置する作像ステーション4Yでは内径の直径が5mmのトナー搬送チューブ17Yを用いる。そして、トナーを搬送する長さが最も長く、紛体ポンプ40Bkがノズル51Bkよりかなり上方に位置する作像ステーション4Bkでは内径の直径が4mmのトナー搬送チューブ17Bkを用いる。
【0026】
このように、各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkで使用するトナー搬送チューブ17M,17C,17Y,17Bkの直径を搬送条件に応じて8mm、6mm、5mm、4mmのように変え、また各粉体ポンプ40M,40C,40Y,40Bkのロータ41の回転数をすべて250rpmとして単位時間当りのトナー補給量について調べた。
【0027】
その結果は、図6のグラフに示す。該グラフから明らかなように、各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkの補給量特性は図4に示すような立ち上がり時のばらつきがなくなり、ほぼ同等になった。
【0028】
このように、各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkのトナー補給量特性をほぼ同一することで、各粉体ポンプ40M,40C,40Y,40Bkを同一駆動源で駆動することが容易になり、その制御も単純化されるため容易になる。なお、各トナー搬送チューブ17M,17C,17Y,17Bkの内径の変更はその搬送条件に応じて適宜選択すればよく、図6は一つの例示に過ぎない。
【0029】
但し、発明者が行った種々の実験から、トナー搬送チューブ17に直径が4mm未満のものを使用した場合、高温多湿の環境下ではチューブ内に残留するトナー自身の流動性低下や、チューブ内壁へのトナー付着増加により、チューブ内でトナー詰まりを起こし補給不能が発生し易いことが判明した。このため、理論上ではトナー搬送チューブ17の径をできるだけ細くすると応答性が向上できるはずであるが、上記理由からトナー搬送チューブの最小内径の直径を4mmとすることが好ましい。
【0030】
【発明の効果】
請求項1及び2の構成によれば、トナー収納容器から現像装置までの搬送条件に応じて、搬送チューブの内径の大きさが異なるので、搬送条件の異なりによるトナー補給量特性のばらつきを補正してほぼ同一にすることができる。したがって、同一駆動系の使用が容易で、その制御も簡素化される。
【0031】
請求項3の構成によれば、搬送チューブ内径の最小設定値を直径で4mmとすることで、特に顕著に発生する高温多湿時のトナー詰まりを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置としてのカラープリンタを示す全体概略図である。
【図2】 そのカラープリンタのトナー補給機構を示す断面説明図である。
【図3】 そのトナー補給機構の粉体ポンプの駆動系を示す斜視図である。
【図4】 同一径の搬送チューブを用いた場合の各ステーションにおける単位時間当りのトナー補給量を示すグラフである。
【図5】 カラープリンタにおける各ステーションのトナー補給経路の配置例を示す斜視図である。
【図6】 本発明に従った搬送チューブを用いた場合の各ステーションにおける単位時間当りのトナー補給量を示すグラフである。
【符号の説明】
4M,4C,4Y,4Bk 作像ステーション
10 現像装置
17M,17C,17Y,17Bk トナー搬送チューブ
20 トナー収納容器
40M,40C,40Y,40Bk 粉体ポンプ
41 ロータ
42 ステータ
Claims (3)
- 複数の現像装置と、該現像装置にそれぞれに補給するトナーを収納する現像装置と同数のトナー収納容器とを有し、該トナー収納容器に収納されたトナーを、貫通孔が形成されたステータ、該ステータの貫通孔に嵌合された回転駆動されるロータを有する粉体ポンプにより搬送チューブを介して前記現像装置へ補給する画像形成装置において、
前記トナー収納容器から前記現像装置までの長さ及び揚程の差に基づく搬送条件の違いに応じて前記搬送チューブの内径の大きさが異なることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置おいて、前記粉体ポンプが各現像装置に隣接配置され、前記搬送チューブが前記トナー収納容器のトナー排出部から前記粉体ポンプまでの長さが長く及び揚程高さが高いほど内径の大きさを小さくすることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記搬送チューブの最小内径を直径4mmとしたことを特徴とする画像形成装置。
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2001
- 2001-11-08 JP JP2001343272A patent/JP3670999B2/ja not_active Expired - Lifetime
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