JP3974969B2 - 線状の非置換β−相キナクリドン顔料の製造方法 - Google Patents

線状の非置換β−相キナクリドン顔料の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、キナクリドン顔料の工業分野にあり、優れた堅牢性を示す線状の非置換β−相キナクリドン顔料を高純度で製造する環境汚染のない方法に関する。
【0002】
【従来技術】
キナクリドン顔料は過酷な需要に対応する高堅牢性顔料である。実際にはそれの堅牢性および着色特性に厳しい要求がある。それ故に製法および微細分法は非常に重要である。
線状の非置換β−相キナクリドン顔料の製法は久しい以前から公知である。工業的規模の場合、この顔料は溶剤の存在下にアルカリ性媒体中でジヒドロキナクリドンを酸化し、得られる粗大結晶の粗顔料を次いで乾式−または湿式微粉砕することによってまたは2,5−ジアニリノテレフタル酸をポリ燐酸またはポリ燐酸エステル中で閉環し、次いで相転換しそして得られる微細分した粗顔料を有機溶剤で仕上げ処理することによって製造される。
【0003】
米国特許第2,844,485号明細書によると、溶剤の存在下にアルカリ性媒体中でジヒドロキナクリドンを酸化することによって製造された粗大結晶のα−相粗顔料を、塩および液状炭化水素にて乾式微粉砕して製造される。その際に生じる廃水が多量に塩を含有しているので、この方法は衛生上問題があり、かつ非常に多大な費用が掛かる。米国特許第2,844,485号明細書の方法は、行わないとβ−相への転換ができない、粗顔料の乾燥を必要としている。
【0004】
ドイツ特許出願公開第1,150,046号明細書には、2,5−ジアニリノテレフタル酸をポリ燐酸またはポリ燐酸エステル中で加熱し、次いで得られた湿った微細分α−相粗顔料を該粗顔料を基準として少なくとも8倍量の少なくとも5% 濃度のアルカリ溶液の存在下に処理してβ−相に転換する、非置換β−相キナクリドンの製法が開示されている。次いで微細分β−相粗キナクリドン顔料を溶剤仕上げ処理によって顔料に転換する。その際に生じる多量のアルカリが廃水を汚染し、このことがこの方法を不経済なものとしている。
【0005】
米国特許第5,591,258号明細書には、2,5−ジアニリノテレフタル酸をポリ燐酸またはポリ燐酸エステル中で加熱し、氷水中での加水分解の過程で得られる湿った微細分α−相粗顔料を次いで少量のアルカリおよび溶剤にて処理して、β−相への転換および顔料状態への転換を行うことにより線状の非置換β−相キナクリドンを製造する方法が開示されている。有利にはこの微細分α−相粗顔料を相転換以前に分散させる。この衛生上に問題のない手順で得られ顔料は、堅牢性および色調に関する今日の要求を全く満足していない。
【0006】
カナダ特許出願公開(A)第2,141,725号明細書には、ジヒドロキシキナクリドンをニトロベンゼンスルホン酸の塩にてアルカリ性媒体中で溶剤の存在下に酸化することによって米国特許第2,969,366号明細書に従って製造された粗大結晶の粗キナクリドン顔料をビーズミル水中微粉砕することによるβ−相キナクリドン顔料の微細分法が開示されている。粗キナクリドン顔料を製造する間に発生する廃水汚染のために、この方法は今日の観点からは不経済であり、衛生上に問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、優れた堅牢性のβ−相キナクリドン顔料を高純度で製造する環境に優しく、かつ経済的である、従来技術の欠点を克服した方法を提供することであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、2,5−ジアニリノテレフタル酸を少なくとも84% の五酸化燐含有量のポリ燐酸またはポリ燐酸エステル中で閉環させそしてその際に高純度で得られる専らα−相顔料の状態で存在する粗顔料を120〜200℃で0.1〜3重量% の濃度の無機塩基水溶液およびアルカリ安定性溶剤中で処理して相転換し、溶剤を分離しそして粗大結晶のβ−相粗顔料を乾式−または湿式微粉砕によって顔料に転換することによって、優れた堅牢性のβ−相キナクリドン顔料が高純度で得られることを見出した。相転換前または後にペルオキシ二硫酸塩での処理を実施してもよい。顔料分散剤の存在下で湿式微粉砕を実施するのが有利である。乾式−および湿式微粉砕に続いて溶剤での仕上げ処理および/またはペルオキソ二硫酸塩での処理を行ってもよい。
【0009】
本発明の方法は、線状の非置換β−相キナクリドン顔料または顔料調製物の製造方法において、
a)2,5−ジアニリノテレフタル酸を少なくとも84重量% の五酸化燐含有量のポリ燐酸またはポリ燐酸エステル中で環化してキナクリドンを生成させ、
b)次にこのキナクリドンを水でまたは鉱酸水溶液、好ましくはオルト燐酸溶液で少なくとも40℃、好ましくは60〜105℃の温度で加水分解して、専らα−相で存在する粗キナクリドン顔料を生成させ、
c)次いで粗大結晶の粗β−相顔料に相転換するために、この粗α−相キナクリドン顔料を0.1〜3重量% 、好ましくは0.2〜2重量% の無機塩基の存在下に水およびアルカリ安定性有機溶剤中で120〜200℃の温度に加熱し、
そして
d)粗大結晶のβ−相キナクリドン粗顔料を、微細分散して顔料または予備顔料とするるために、乾式微粉砕または湿式微粉砕に付し;そして次いで得られる微細分β−相顔料を分離するか;または
e)d)で得られた微細分β−相予備顔料を溶剤の存在下に仕上げ処理に付し、
そして顔料を分離する
ことを特徴とする、上記方法に関する。
【0010】
a)およびb): この新規の方法の場合には2,5−ジアニリノテレフタル酸の環化は五酸化燐含有量が少なくとも84重量% 、好ましくは84.1〜85重量% ──115% より多いの燐酸当量に相当する──であるポリ燐酸またはポリ燐酸エステル、例えばポリ燐酸メチル中で実施する。本発明で使用される少なくとも84重量% の五酸化燐含有量のポリ燐酸(エステル)は、市販のポリ燐酸(エステル)を、反応混合物が以下の反応条件のもとで未だ攪拌可能であるような量の五酸化燐と混合することによって製造する。
【0011】
加水分解は水または希釈した(30重量% までの濃度の水性の)オルト燐酸中で実施する。その際に高純度のα−相キナクリドン粗顔料が得られる。
c): β−相に相転換させるために、α−相キナクリドン粗顔料が不活性の液状媒体に懸濁された懸濁物をアルカリ安定性溶剤および無機塩基の存在下に120〜200℃、好ましくは130〜160℃の範囲内の温度に加圧下に1〜12時間維持する。供給される溶剤量は広い範囲で変更できる。α−相粗顔料の重量を基準として0.5〜10倍の重量のアルカリ安定性有機溶剤を使用し、結果として上記の溶剤を、液相を基準として少なくとも5重量% 濃度で水中に存在させ、それによってβ−相への完全な相転換が有利に行われる。更に、α−相の微細分粗顔料を基準として0.01〜0.5倍の重量の無機塩基(100% )を添加し、結果として水性相として無機塩基の0.1〜3重量% 濃度水溶液を存在させる。相転換の終了後に、使用した溶剤を好ましくは回収しそして再度使用する。
【0012】
相転換のための適する無機塩基として苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよびアンモニアが適している。これらの塩基の混合物も使用することができる。
相転換のための適する溶剤にはアルカリ安定性溶剤、例えばC1 〜C8 −アルカノール類および非環状アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールまたは第三ブタノール、ペンタノール類、ヘキサノール類、シクロヘキサノール;グリコールエーテル、例えばエチレングリコールまたはプロピレングリコールのモノメチル−またはモノエチルエーテル、またはブチルグリコール、エチルジグリコールまたはメトキシブタノールがある。有利な有機溶剤にはC1 〜C6 −アルカノール類、特にエタノール、プロパノール類、ブタノール類およびペンタノール類が有利であり、ブタノール類が特に有利である。
【0013】
d): 乾式微粉砕は不連続−または連続振動ミルまたはロールミルで静かな微粉砕条件のもとでおよび少ない被微粉砕基材装填度で行う。被微粉砕基材装填度は被微粉砕基材量と粉砕媒介物ベッドの自由容積との比として規定される。被微粉砕基材装填度は一般に1リットルの粉砕媒介物ベッド自由容積当たり被微粉砕基材250g 以下、好ましくは50〜150g/リットルである。勿論、更に多くともよい。更に多い装填度では技術的な問題が生じ得る。例えば多くの場合には所期の色調が得られない。振動ミでの粉砕は、粉砕媒介物が実質的に回転運動だけを行うように実施し、そしてその動的エネルギーを材料および大きさの選択によって並びに回転数および振幅によってできるだけ低く維持する。更に微粉砕は粉砕媒介物の割合を多くしそして低い被微粉砕基材装填度で運転する。被微粉砕基材装填度は粉砕媒介物ベッドの容積と粉砕容積との比で規定される。これは60容量% より大きい。
【0014】
回転粉砕は40〜60容量% の粉砕媒介物装填度および臨界回転速度の70% で実施するのが有利である。粉砕媒介物の物質および大きさの選択によって運動エネルギーをできるだけ小さく保つ。更に粉砕機は低い被微粉砕基材装填度で運転する。
使用される粉砕媒介物にはスチール、コランダム、磁器、ステアタイト、アルミナ、混合酸化物または石英で作られた直径3〜20mmの球状物または円筒状物がある。粉砕温度は一般に100℃以下である。
【0015】
上記の成分の他に被微粉砕基材は慣用の添加物、例えば少量の水、顔料を基本構成成分とする顔料分散剤、樹脂、樹脂の塩および増量剤も含有していてもよい。これら添加物は、粉末状物質が粉末状物質としての性質を直ちに著しく失うことなしに少量(約5% まで)の液体を吸収し得るので、乳化した、懸濁したおよび液状の状態で使用することもできる。粉塵爆発の危険を低減するために少量の無機塩を添加してもよい。微粉砕後に顔料中に残留し得る添加物を使用するのが特に有利である。脂肪酸の塩および樹脂の塩は微粉砕後にそれぞれ遊離の酸および樹脂に転化することができる。微粉砕時間は要求される微細度に依存している。振動ミル中での被微粉砕基材の滞留時間は要求される微細度に依存して一般に1〜25時間である。1〜15時間、特に2〜8時間の期間が有利である。
【0016】
ロールミル中の被微粉砕基材の滞留時間は要求される細度に依存しており、一般に5〜100時間である。10〜30時間、特に15〜25時間の期間が有利である。
湿式微粉砕のためには、粉砕可能なコンシステンシーとなる様に水で──直接的にまたは湿った濾過ケーキ状物の状態でまたは乾燥した粗大結晶の粗β−相顔料として単離した後で──希釈する。
【0017】
あらゆる不連続−および連続ボールミル、ロールミルおよび振動ミルが湿式微粉砕に適している。本発明においては微粉砕作用が高いことが有利である。使用される粉砕媒介物には酸化ジルコニウム、ジルコニウム混合酸化物、アルミナ、スチールまたはまたは石英で作られた0.2〜20mmの直径のボールである。ボールミルが特に適している。キナクリドン顔料の新規製造法では高い微粉砕作用が必要であり、これはボールミルの特別な実施態様のものによって達成される。所望の効率をもたらす微粉砕に適するボールミルの例には、水平−または垂直構造の円筒状または中空円筒状の粉砕室を持つ不連続運転または連続運転用に設計され、かつ1リットルの粉砕空間当たり2.5kWより大きい比出力(specific power)で運転できそして攪拌機周速が12m/秒より大きいボールミルがある。この構造設計は、高い微粉砕エネルギーを粉砕基材に伝達することを保証する。これに適するミルの例はドイツ特許出願公開第3,716,587号明細書に開示されている。ミルの粉砕強度が低過ぎる場合には、本発明の顔料の良好な性質、特に高い色強度および優れた着色特性が得られない。単位時間当たりに攪拌機によって得られるエネルギーは粉砕仕事量としておよび摩擦エネルギーとして熱の形で粉砕基材に伝達される。多量の熱量を容易に消散するためには、粉砕空間と粉砕室表面積との比をできるだけ小さく維持する様に構造的対策を取る必要である。装填量が多い場合には循環的に微粉砕を実施しそして熱は専ら被粉砕基材を介して外部に消散させる。
【0018】
微細微粉砕するために連続式ボールミルを使用する場合には、粉砕媒介物は好ましくは遠心分離によってボールミルから分離されるので、分離装置と粉砕媒介物との間で実質的に接触がなく、分離装置が閉塞するのをこれによって充分に防止できる。この場合にはボールミルは大きい粉砕媒介物装填度で運転する。連続式ボールミルの場合には、粉砕室を粉砕媒介物で殆ど完全に満たす。
【0019】
このミルで使用される粉砕媒介物の例には酸化ジルコニウム、ジルコニウム混合酸化物、アルミナ、スチールまたはまたは石英で作られた1mmより小さい直径のビーズであり、好ましくは使用される粉砕媒介物は0.2〜1mm、特に0.3〜0.6mmの直径を有している。
湿式微粉砕を実施する場合には、少量の有機溶剤および/または無機塩基および/または界面活性剤および/または顔料分散剤を場合によって添加する。適当な粉砕条件を確かめるためには予備実験が必要である。微粉砕は水性媒体中でアルカリ性pH域で実施するのが有利である。少量の、好ましくは全粉砕基材を基準として10重量% までの有機溶剤を添加した水性媒体中で実施してもよい。有機溶剤中で微粉砕を実施してもよい。
【0020】
粉砕基材中の顔料濃度は懸濁物の流動性に左右され、有利には粉砕基材懸濁物の30重量% より多くなく、好ましくは5〜30重量% 、特に好ましくは5〜20重量% である。
安定な無機塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウムおよびアンモニアがある。これらの塩基の混合物も使用できる。
【0021】
粉砕基材懸濁物に添加するのが有利である適する有機溶剤には以下のものがある:水混和性C1 〜C8 −アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第三−ブタノール、イソブタノール、ペンタノール類、ヘキサノール類またはアルキルヘキサノール類;環状アルカノール、例えばシクロヘキサノール;C1 〜C5 −ジアルキルケトン類、例えばアセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはメチルエチルケトン、およびシクロヘキサノン;エーテルおよびグリコールエーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、メチルグリコール、エチルグリコール、ブチルグリコール、エチルジグリコール、メトキシプロパノールまたはメトキシブタノール;脂肪酸アミド、例えばホルムアミドまたはジメチルホルムアミド;環状カルボン酸のアミド、例えばN−メチルピロリドン、バレロラクタムまたはカプロラクタム;ヘテロ環式塩基、例えばピリジン、モルホリンまたはピコリン;およびジメチルスルホキシドまたはこれらの溶剤と水との混合物。
【0022】
水および水にC1 〜C4 −アルカノールを溶解した溶液、特に水にイソブタノールを溶解した溶液が微粉砕に特に有利である。
微粉砕は0〜100℃、好ましくは10〜60℃、特に好ましくは20〜50℃の範囲内の温度で実施する。
微粉砕の期間は用途分野、例えば塗料、印刷または合成樹脂の分野で要求される微細度に左右される。要求される微細度次第でボールミル中の粉砕基材の残留時間は一般に5〜150分である。5〜45分の期間、特に10〜30分の期間が有利であることが判っている。
【0023】
微粉砕の過程で、使用される粗顔料の相は維持される。微粉砕工程の後、粗顔料は微細分された予備顔料または顔料として存在している。
(予備)顔料の粒度は0.2μm 以下である。
e): 微細分予備顔料の状態で存在する微粉砕済基材を、無機塩基を添加してまたは添加せずに、有機溶剤の添加後に水性懸濁状態で熱処理(溶剤仕上げ処理)に付す。仕上げ処理に適する溶剤はアルカリ安定性の溶剤、例えばC1 〜C8 −アルカノールおよび脂環式アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−またはイソプロパノール、n−、イソ−または第三ブタノール、ペンタノール類、ヘキサノール類、シクロヘキサノール;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールまたはプロピレングリコールのモノメチル−またはモノエチルエーテルまたはブチルグリコール、エチルグリコールまたはメトキシブタノールがある。有利な有機溶剤にはC1 〜C6 −アルカノール類、特にエタノール、プロパノール類、ブタノール類およびペンタノール類があり、ブタノール類が特に有利である。
【0024】
溶剤仕上げ処理を実施する時に守るべき条件は、顔料の所望の性質に著しく左右され、何れの場合にもそれに合わせる。予備顔料の懸濁のためまたは続くそれの分離のためには、一般に、湿った予備顔料濾過ケーキ状物を50〜200℃の温度で不活性の液状媒体中で1〜12時間の間処理し、顔料の状態に転化する。添加される溶剤の量を広い範囲で替えることができる。予備顔料の重量を基準として1〜5倍の重量の溶剤を使用するのが好ましい。アルカリ性の水性有機媒体中での熱処理は50〜150℃で、1〜6時間実施するのが好ましい。仕上げ処理が完了した後に、使用した溶剤を回収しそして再び使用する。同じ溶剤を相転換のためおよび溶剤仕上げ処理のために使用するのが特に経済的である。
【0025】
特別な着色効果を得るためには、相転換c)の前または後で60℃以上でペルオキシ二硫酸塩での処理を実施してもよい。この場合には、顔料を基準として1〜20重量% のペルオキソ二硫酸塩を添加するのが有利である。ペルオキソ二硫酸塩は固体の状態またはアルカリ性水溶液として添加することができる。ペルオキソ二硫酸塩での酸化によって消費されるアルカリの量は、酸化の前または間にアルカリを添加することによって補充する。この酸化にはペルオキソ二硫酸ナトリウム、−カリウムまたは−アンモニウムが適している。
【0026】
着色特性を向上させるためには、界面活性剤および/または顔料分散物を添加することも可能である。界面活性剤および顔料分散剤は一度にまたは数度に分けて添加することができる。この添加は微粉砕の前、間または後、仕上げ処理の間または後、または分離の間または後で行うことができる。最も適する時点は予備実験によって予め決めるべきである。
【0027】
適する界面活性剤の例には、カチオン−、アニオン−または非イオン界面活性剤、好ましくは脂肪酸タウリド類、脂肪酸サルコシド類、脂肪アルコール−ポリグリコールエーテル、アルキルフェノール−ポリグリコールエーテル、アルカンスルホン酸およびそれらの塩、アルキルフェニルスルホン酸およびそれらの塩およびアルキルフェノール−ポリグリコールエーテルスルファートがある。流動活性添加物、キナクリドン顔料を基材とする顔料分散剤、消泡剤およびエキステンダーも適している。
【0028】
キナクリドン顔料を基礎構成成分とする適する顔料分散剤は式(1)
P ─── 〔X〕m (I)
〔式中、Pはm−価の線状の非置換キナクリドン残基であり、
mは1〜4の数であり、
Xは式(II)
【0029】
【化2】
【0030】
(式中、R2 およびR3 は互いに無関係にそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数2〜20のアルケニル基または炭素原子数5〜7のシクロアルキル基であるか、または
2 およびR3 は隣接する窒素原子と一緒に脂肪族または芳香族の五員−または六員のヘテロ環を形成しそして該環は窒素−、酸素−および硫黄原子より成る群から選ばれる同一または異なる1〜3個の環構成員を有しており、
1 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
nは1〜6でありそして
oは0または1である。)
で表される基である。〕
で表される化合物である。
【0031】
顔料分散剤の添加によって顔料調製物が得られる。本発明の関係では、顔料分散剤は顔料を基準として1〜10重量% の量で添加するのが有利である。
微粉砕条件、有機溶剤および無機塩基およびそれの濃度、選択される温度および仕上げ処理の期間の選択によって、所望の用途次第で比較的に高い透明度または比較的に高い不透明度を有するβ−相キナクリドン顔料を製造することができる。酸化剤の量によって色の濃さまたは色調を調整することができる。同時に色強度が高められる。
【0032】
新規の方法によるβ−相キナクリドン顔料の製法は、相転換の際に化学品および溶剤を僅かしか使用せず、かゝる化学品および溶剤は後処理でき、完全に回収できまたは問題なしに廃棄できるので、廃棄処理の問題が全く生じず、特に経済的であり且つ環境に優しい。
純粋な粗顔料が少なくとも84重量% の五酸化燐含有量のポリ燐酸またはポリ燐酸エステルを用いて得られることは驚くべきことであった。更に、粗α−相顔料をβ−相顔料に完全に転換することが溶剤の存在下に少量のアルカリを用いて成功したことは、ドイツ特許出願公開第1,150,046号明細書に記載された条件のもとでは多量のアルカリを使用しても相転換に成功していないので、予期出来なかった。本発明に従って製造される顔料は高純度であるために、その着色性および堅牢性に関して米国特許第5,591,258号明細書の方法よりも著しく優れている。
【0033】
本発明に従って得られる顔料は、優れた色特性および流動特性、特に耐凝集性、分散性、流動性、光沢特性、色強度および卓越した耐候性、耐溶剤性および隠蔽力に特徴がある。
本発明に従って製造された顔料は天然源または合成源の高分子量有機物質の着色に使用することができる。上記の顔料を用いて着色できる高分子量有機物質の例にはセルロールエーテルおよびセルロールエステル、例えばエチルセルロール、ニトロセルロース、セルロース−アセテートまたはセルロース−ブチラート、天然樹脂または合成樹脂、例えば付加重合−または縮合樹脂、例えばアミノ樹脂、特に尿素/ホルムアルデヒド−およびメラミン/ホルムアルデヒド−樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリカルボナート、ポリオレフィン、例えばポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルエステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリエステル、ゴム、カゼイン、シリコーンおよびシリコーン樹脂のそれぞれまたは相互の混合物がある。
【0034】
上記の高分子量有機化合物が樹脂組成物、溶融物または紡糸溶液の状態、ラッカー、ブレンド(extended formulation)、塗料または印刷インキの状態で存在しているかどうかは重要でない。意図する用途次第で、本発明に従って得られる顔料をトナーとしてまたは調製物または分散物の状態で使用するのが有利であることが判っている。本発明に従って製造される顔料調製物および顔料は、着色すべき高分子量有機物質を基準として0.1〜10重量% の量で使用するのが有利である。
【0035】
特に有利な被覆剤系には近頃の水性塗料および高固形分含有量で低溶剤のハイソリッド塗料がある。アルキッド/メラミン樹脂被覆剤および、アクリル樹脂とアルキッド樹脂とを基礎とし、多官能イソシアネートで架橋し得る二成分被覆剤よりなる群の内の慣用の被覆剤系も適している。
本発明に従って製造される顔料は、多くの適用媒体中に高度の細度で容易に分散し得る。かゝる顔料分散物は高い耐凝集性を有しそして相安定性および、高顔料含有量でも優れた流動特性を示す。これらは高い色強度、高い光沢および高い透明度および優れた堅牢性の被覆物および印刷物をもたらす。
【0036】
本発明に従って製造される顔料を塗料分野で性質を評価する為に、沢山の公知の塗料の内、中油のアキッド樹脂とブタノールでエーテル化したメラミン樹脂を基礎としそして芳香族化合物を含有するアルキッド-/メラミン樹脂塗料(AM)並びにポリウレタン(PUR)をベースとする水性塗料を選択する。
本発明に従って製造される顔料を合成樹脂分野で性質を評価する為に、沢山の公知の合成樹脂の内から、可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)を選択した。
【0037】
色強度および色調はDIN55986に従って測定した。分散後の微粉砕済基材の流動性(mill base rheo1lgy)を以下の五段階スケールを用いて評価する:
5 高い流動性あり 2 僅かに固化している
4 流動性あり 1 固化している
3 粘稠
被微粉砕済基材を最終的な顔料濃厚液に希釈した後に、粘度をErichsen社(Iserlohn)のロスマン(Rossmann)式粘度スパチュラ(Viscospatula)、301タイプを用いて測定した。
【0038】
光沢測定はDIN67530(ASTMD523)に従って20°の角度でByk−Mallinckrodt社(Wesel)のmultigloss(R) −光沢測定装置を用いて注型成形フィルムについて行った。
耐溶剤性の測定はDIN 55976に従って行った。
耐ブリード性(bleed fastness)の測定はDIN 53775に従って行った。
【0039】
粗顔料、予備顔料、顔料および顔料調製物の結晶相の測定はX線分光分析によって実施した。X線スペクトルはCu Kα放射線を用いて記録した。α−相キナクリドン顔料とは回折角度6.12;12.36;13.94;25.59および27.94〔2θ〕を有するものである。β−相キナクリドン顔料は回折角度5.65;15.89および26.99〔2θ〕を有するものである。相応するX−線回折スペクトル図は米国特許第5,591,258号明細書に記載されている。
【0040】
この明細書において部および百分率はいずれの場合にも重量に関する。
【0041】
【実施例】
後記の実施例において、記載した物質の部および% はそれぞれ重量部および重量% である。
実施例1
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0042】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% の純度)を添加し、そしてこの混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0043】
β−相である116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水と6.4部の粗大結晶の非置換キナクリドン粗顔料(β−相)より成る懸濁物を供給しそして15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分運転する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材を吸引濾過し、そして固体生成を水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0044】
6.1部の顔料(β−相)が得られる。6.1部の顔料を0.61部の式(I)の顔料分散剤と機械的に混合する。この式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす顔料調製物が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.1秒でありそして光沢測定では78の値が得られる。耐溶剤性は問題がない。
【0045】
実施例2
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0046】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% の純度)を添加し、そしてこの混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0047】
β−相である116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水酸化ナトリウム(1% 濃度)と6.3部の粗大結晶の非置換キナクリドン粗顔料(β−相)より成る懸濁物を供給しそして15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分運転する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0048】
6.1部の顔料(β−相)が得られる。PVCに容易に分散し、優れて耐ブリード性の強い着色が得られる。
キナクリドンの純度の測定:上記の通りに製造された10部の顔料を<10℃で200部の濃硫酸中に導入し、溶解する。56部の水を1時間にわたって滴加する。次いでこの混合物を3時間にわたって80℃に加熱する。25℃に冷却しそして沈澱物を吸引濾過し、75% 濃度硫酸にて、洗浄物が透明になるまで洗浄し、次いで中性になるまで洗浄しそして80℃で乾燥する。9.77部の純粋なキナクリドンが得られる。従って、得られたキナクリドンは97.7% の純度である。
【0049】
実施例3
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0050】
専らα−相が存在する19.4% の純度の顔料濾過ケーキ状物693部が得られる。
c)相転換:
127.9部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、147部の水、2.6部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および75部のイソブタノール(100% の純度)を添加し、そしてこの混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで1時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0051】
β−相である21.16部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水酸化ナトリウム(1% )、6.3部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)および0.32部の式(I)の顔料分散剤より成る懸濁物を供給する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。微粉砕は15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分運転する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0052】
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす6.2部の顔料調製物(β−相)が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.2秒でありそして光沢測定では84の値が得られる。
実施例4
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0053】
専らα−相が存在する19.4% の純度の顔料濾過ケーキ状物693部が得られる。
c)相転換:
127.9部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、147部の水、2.6部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および75部のイソブタノール(100% の純度)を添加し、そしてこの混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって130℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0054】
β−相である22.9部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水酸化ナトリウム(1% )、6.3部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)および0.32部の式(I)の顔料分散剤より成る懸濁物を供給する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。微粉砕は15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分運転する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0055】
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす6.2部の顔料調製物(β−相)が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.4秒でありそして光沢測定では84の値が得られる。
実施例5
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0056】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
138部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、137部の水、2.6部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および12.3部のイソブタノール(100% の純度)を添加し、そしてこの混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0057】
β−相である24.4部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水酸化ナトリウム(1% )、6.3部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)および0.32部の式(I)の顔料分散剤より成る懸濁物を供給する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。微粉砕は15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分運転する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0058】
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす6.2部の顔料調製物(β−相)が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.4秒でありそして光沢測定では84の値が得られる。
実施例6
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を2270部の燐酸(13.9% 濃度)を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0059】
専らα−相が存在する16.15% の純度の顔料濾過ケーキ状物815.6部が得られる。
c)相転換:
185.8部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、144.2部の水、0.3部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および90部のイソブタノール(100% の純度)を添加し、そしてこの混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0060】
β−相である24.14部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水酸化ナトリウム(1% )、6.3部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)および0.32部の式(I)の顔料分散剤より成る懸濁物を供給する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。微粉砕は15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分運転する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0061】
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす6.1部の顔料調製物(β−相)が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.2秒でありそして光沢測定では79の値が得られる。
実施例7
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0062】
専らα−相が存在する17.4% の純度の顔料濾過ケーキ状物760部が得られる。
c)相転換:
718部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入する。次いで656部の水および32.7部の水酸化ナトリウム(98% の純度)を添加する。この混合物を90℃に加熱し、そしてこの温度で31.2部の水、1.45部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および8.33部のペルオキソ二硫酸ナトリウムの溶液を添加する。この混合物を90℃で1時間加熱する。次に375部のイソブタノール(100% の純度)を添加し、そしてこの混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0063】
β−相である120.75部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、80部の水酸化ナトリウム(1% )および6.3部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)より成る懸濁物を供給する。微粉砕は15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分運転する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0064】
5.6部の顔料調製物(β−相)が得られる。この5.6部の顔料を0.28部の式(I)の顔料分散剤と機械的に混合する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす顔料調製物(β−相)が得られる。この塗膜は実施例1に従って製造された顔料を用いた場合よりも多少純粋な色調である。
【0065】
実施例8
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0066】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加する。この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0067】
β−相である116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
1400部のステアタイト製円筒状物(直径12mm、長さ12mm)が粉砕媒介物として容量の80% まで充填されている合成樹脂製容器に30部の粗大結晶粗顔料(β−相)を充填する。微粉砕を振動ミル(Vibratom:製造元:Siebtechnik Muehlheim)中で1400回転/分で4mmの振幅で振動させながら4時間実施する。微粉砕済基材を分級して粉砕媒介物を除く。23.2部の微粉砕済基材が得られる。
【0068】
e)仕上げ処理:
この仕上げ処理のために、22部の上述の微粉砕済基材を220部のイソブタノール(85% )に導入し、そして1.1部の式(I)の顔料分散剤を添加する。この式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。この混合物を沸騰温度に加熱しそして沸騰温度で5時間攪拌する。次いでイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで加熱することによって、同時に水の添加下に共沸留去する。60℃冷却し、顔料調製物を吸引濾過し、水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0069】
AMラッカーにおいて不透明な膜をもたらす22.8部の顔料調製物(β−相)が得られる。
実施例9
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0070】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入する。次いで670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0071】
β−相である116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
336部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、76部の水酸化ナトリウム(1% 濃度)、19部のイソプロパノールおよび6部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)より成る懸濁物を供給しそして15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で30分粉砕する。微粉砕済基材の懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。6.0部の顔料(β−相)が得られ、これを次に0.15部の式(I)の顔料分散剤と機械的に混合する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。
【0072】
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす顔料調製物が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.1秒でありそして光沢測定では86の値が得られる。
実施例10
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0073】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0074】
β−相である116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
336部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、79部の水酸化ナトリウム(0.3% 濃度)、6部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)および0.24部のアルキルフェノール−ポリグリコールエーテルスルファートのナトリウム塩より成る懸濁物を供給する。15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で10分粉砕する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を塩酸(10% 濃度)で酸性にし、吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0075】
5.8部の顔料(β−相)が得られ、これを次に0.15部の式(I)の顔料分散剤と機械的に混合する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす顔料調製物が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.1秒でありそして光沢測定では81の値が得られる。
【0076】
実施例11
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0077】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0078】
β−相である116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
336部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、79部の水酸化ナトリウム(1% 濃度)および6部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)より成る懸濁物を供給する。15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で30分粉砕する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0079】
5.9部の顔料(β−相)が得られ、これを次に0.3部の式(I)の顔料分散剤と機械的に混合する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす顔料調製物が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.6秒でありそして光沢測定では84の値が得られる。耐候性、凝集安定性および分散性が非常に良好である。耐はみ出し被覆性(fastness to overcoating)が優れている。
【0080】
実施例12
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0081】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0082】
β−相である116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
336部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、73部の水酸化ナトリウム(1% 濃度)、4部のイソブタノール(100% )、6.3部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)および0.32部の式(I)の顔料分散剤より成る懸濁物を供給する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分粉砕する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0083】
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす6.0部の顔料調製物(β−相)が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.0秒でありそして光沢測定では82の値が得られる。
実施例13
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0084】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0085】
β−相状態で存在する116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
3200部のスチール製球状物(直径10mm)が粉砕媒介物として容量の55% まで充填されているスチール製容器に、119.7部の水酸化ナトリウム(1% 濃度)、9.8部の粗大結晶の非置換粗顔料(β−相)および0.5部の式(I)の顔料分散剤より成る懸濁物を充填する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。微粉砕をローラーベンチ(roller bench)の上で臨界回転速度の75% にて24時間実施する。次に微粉砕済基材懸濁物を分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0086】
AMラッカーにおいて不透明な被覆物をもたらす9.7部の顔料調製物(β−相)が得られる。
実施例14
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0087】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0088】
β−相状態で存在する116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
1200部の石英ビーズ状物(直径2〜3mm)を粉砕媒介物として容量の90% まで充填した磁器製容器に、200容量部のイソブタノール(85% )、10.0部の粗大結晶の非置換粗顔料(β−相)および0.5部の式(I)の顔料分散剤より成る懸濁物を充填する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。微粉砕を振動ミル(Vibratom:製造元:Siebtechnik Muehlheim)中で1400回転/分で4mmの振幅で振動させながら12時間実施する。微粉砕済基材を分級して粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、イソブタノールを共沸蒸留によって、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物から、同時に水を添加しながら、ブリッジ部が100℃となるまで加熱することによって除く。60℃に冷却した後に、顔料調製物を吸引濾過し、水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0089】
AMラッカーにおいて高い色強度の不透明な被覆物をもたらす8.4部の顔料調製物(β−相)が得られる。
実施例15
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0090】
専らα−相が存在する17.75% の純度の顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0091】
β−相である116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
360部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水酸化ナトリウム(1% 濃度)、6.4部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)および0.64部の式(I)の顔料分散剤より成る懸濁物を供給する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。粉砕を15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分実施する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄する。
【0092】
39.7% の純度の予備顔料濾過ケーキ状物34.0部が得られる。
e)仕上げ処理:
この仕上げ処理のために、34.0部の上記の予備顔料濾過ケーキ状物を、75.5部の水酸化ナトリウム(1.75% 濃度)と40.5部のn−ブタノール(100% )との混合物中に導入する。この混合物を沸騰温度に加熱しそして沸騰温度で3時間攪拌する。次にn−ブタノールをブリッジ部が100℃となるまで加熱することによって共沸留去する。60℃冷却し、顔料調製物を吸引濾過し、水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0093】
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な塗膜をもたらす13.8部の顔料調製物(β−相)が得られる。
実施例16
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0094】
専らα−相が存在する18.15% の純度の顔料濾過ケーキ状物724部が得られる。
c)相転換:
686部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。1456部の8.3% の粗顔料懸濁物が得られる。
【0095】
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、83.5部の上記の粗顔料懸濁物および0.35部の式(I)の顔料分散物を供給する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。粉砕は15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分実施する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0096】
AMラッカーにおいて高い色強度の透明な被覆物をもたらす6.5部の顔料調製物(β−相)が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.4秒でありそして光沢測定では89の値が得られる。
実施例17
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0097】
専らα−相が存在する17.75% の純度の粗顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0098】
β−相の状態で存在する116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水酸化ナトリウム(1% 濃度)、6.3部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)および0.32部の式(I)の顔料分散物より成る懸濁物を供給する。但しこの式(I)中、R1 は水素原子で、R2 およびR3 はそれぞれエチル基で、nは3.0で、oは1.0でそしてmは2.0である。粉砕を15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で7.5分実施する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して、粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成物を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0099】
AMラッカーにおいて高い色強度の不透明な被覆物をもたらす6.2部の顔料調製物(β−相)が得られる。流動性は5と評価される。粘度は3.1秒でありそして光沢測定では82の値が得られる。
実施例18
aおよびb)閉環および加水分解:
150部の2,5−ジアニリノテレフタル酸を84〜85% のP2 5 含有量のポリ燐酸750部中に攪拌下に80〜90℃で導入し、この混合物を125℃に1時間加熱し、その際に閉環してキナクリドンが得られる。次にこの反応混合物を3375部の水を用いて80℃の温度で攪拌下に加水分解する。この工程の間に温度は105℃に上昇する。この混合物を105℃で1時間攪拌し、次いで粗顔料を吸引濾過しそして中性になるまで洗浄する。
【0100】
専らα−相が存在する17.75% の純度の粗顔料濾過ケーキ状物754部が得られる。
c)相転換:
704部の粗顔料濾過ケーキ状物を攪拌機付容器に導入し、670部の水、12.9部の水酸化ナトリウム(98% の純度)および375部のイソブタノール(100% )を添加し、この混合物を、閉じた容器内で生じる圧力のもとで5時間にわたって150℃に加熱する。90℃に冷却した後にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで共沸留去する。懸濁物を60℃に冷却し、粗顔料を吸引濾過し、中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0101】
β−相の状態で存在する116.5部の高結晶質粗顔料が得られる。
d)微粉砕:
354部のジルコニウム混合酸化物ビーズ(直径:0.3〜0.4mm)が粉砕媒介物として充填されているボールミル(製造元:Draiswerke GmbH、マンハイム)に、77部の水酸化ナトリウム(1% 濃度)および6.3部の粗大結晶の非置換粗キナクリドン顔料(β−相)より成る懸濁物を供給する。粉砕を15.6m/秒の攪拌機周速および1リットルの粉砕空間当たり3.1kWの比出力密度で25℃で15分実施する。微粉砕済基材懸濁物を次いで分級して粉砕媒介物を除き、それを水で洗浄し、一緒にした微粉砕済基材の懸濁物を吸引濾過し、そして固体生成を中性になるまで水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0102】
32.4% の純度の予備顔料濾過ケーキ状物18.3部が得られる。
e)仕上げ処理:
この仕上げ処理のために、18.3部の上記の予備顔料濾過ケーキ状物を、48.3部の水酸化ナトリウム(1.25% 濃度)と3部のn−ブタノール(100% )との混合物中に導入する。この混合物を沸騰温度に加熱しそして沸騰温度で2時間攪拌する。次にイソブタノールをブリッジ部が100℃となるまで加熱することによって共沸留去する。60℃冷却し、顔料調製物を吸引濾過し、水で洗浄しそして80℃で乾燥する。
【0103】
5.9部の顔料(β−相)が得られる。PVC中に容易に分散し得る高い色強度および優れた耐ブリード性の着色物が得られる。PU−ラッカーにおいては非常に高い色強度および良好な光沢の塗料が得られる。

Claims (11)

  1. 線状の非置換β−相キナクリドン顔料または顔料調製物の製造方法において、
    a)2,5−ジアニリノテレフタル酸を少なくとも84重量% の五酸化燐含有量のポリ燐酸またはポリ燐酸エステル中で環化してキナクリドンを生成させ、
    b)次にこのキナクリドンを水でまたは鉱酸水溶液で少なくとも40℃の温度で加水分解して、専らα−相で存在する粗キナクリドン顔料を生成させ、
    c)次いで粗大結晶の粗β−相顔料に相転換するために、この粗α−相キナクリドン顔料を0.1〜3重量% の無機塩基の存在下に水およびアルカリ安定性有機溶剤中で120〜200℃の温度に加熱し、そして
    d)粗大結晶の粗β−相キナクリドン顔料を、微細分して顔料または予備顔料とするために、乾式微粉砕または湿式微粉砕に付し;そして得られる微細分β−相顔料を分離するか;または
    e)d)で得られた微細分β−相予備顔料を溶剤の存在下に仕上げ処理に付し、
    そして顔料を分離する
    ことを特徴とする、上記方法。
  2. ポリ燐酸またはポリ燐酸エステル中の五酸化燐含有量が84〜85重量% である請求項1に記載の方法。
  3. 相転換を粗顔料の重量を基準として0.01〜0.5倍の量の無機塩基を用いて実施する請求項1または2に記載の方法。
  4. 相転換過程での水中の無機塩基の濃度が0.2〜2重量% である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 相転換を粗顔料の重量を基準として0.5〜10倍の量のアルカリ安定性有機溶剤の存在下に実施する請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 使用するアルカリ安定性有機溶剤がアルカノール、特にイソプロパノールまたはイソブタノールである請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 相転換を130〜160℃の温度で実施する請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  8. ペルオキソ二硫酸塩を相転換の前または相転換に続いて添加する請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 湿式微粉砕をボールミル中で1リットルの粉砕空間当たり2.5kWより大きい出力密度で、かつ12m/秒より大きい周速で実施する請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 溶剤仕上げ処理を50〜200℃でn−ブタノールまたはイソブタノール中で実施する請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
  11. プロセスの工程の所望の時点で、式(I)
    P ─── 〔X〕m (I)
    〔式中、Pはm−価の線状の非置換キナクリドン残基であり、
    mは1〜4の数であり、
    Xは式(II)
    (式中、R2 およびR3 は互いに無関係にそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数2〜20のアルケニル基または炭素原子数5〜7のシクロアルキル基であるか、または
    2 およびR3 は隣接する窒素原子と一緒に脂肪族または芳香族の五員−または六員のヘテロ環を形成しそして該環は窒素−、酸素−および硫黄原子より成る群から選ばれる同一または異なるヘテロ原子を含有する1〜3個の環構成員を有しており、R1 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
    nは1〜6でありそして
    oは0または1である。)
    で表される基である。〕
    で表される1種類以上の顔料分散剤を添加する請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
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