JP3974751B2 - 生物学的プロトン駆動力の発生およびピリジンヌクレオチド補因子再生のための電気化学的方法 - Google Patents
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Description
関連出願の相互参照
この出願は、いずれも1999年7月9日に出願された米国仮特許出願番号60/092,190および60/092,191への優先権を主張するものであり、それらをここで参照して本明細書の記載の一部とする。
【0002】
連邦政府により援助された研究開発に関する陳述
本発明は、合衆国エネルギー省認可DE−FG02−93ER20108により合衆国政府の支持を受けて成された。合衆国は本発明において所定の権利を有し得る。
【0003】
発明の背景
多くの商業的および工業的に重要な産物の製造において、微生物発酵および生体内転換反応が使用されることが増加してきている。廃物の微生物的発酵を通して、別のエネルギー源を開発することへの興味も増している。これらのプロセスの経済的可能性は、発酵または生体内転換反応の効率の最大限化に依存する。
【0004】
細菌種は、成長および代謝のために、光および様々な有機および無機化学物質を含む種々のエネルギー源を利用することができる。これらのエネルギー源が用いられて電気化学的グラジエントが発生し、そのグラジエントが、代謝のための電子供与体を提供すると共に、膜電位およびプロトン駆動力を維持させる。生体系内のエネルギー系は、電子が基質から最終的電子受容体に運ばれ、その基質は電子によって酸化されて、電子受容体は電子によって還元される電子伝達プロセスにより駆動される。
【0005】
微生物代謝において、電子の駆動力から生じるエネルギーは、初期電子供与体(第1の生化学的脱水素反応)と最終的電子受容体(例えば、最終的生化学的水素化反応)との間の電位エネルギー差(ΔE 0’)に正比例する。
【0006】
特定の微生物(例えば、エセリシア属(Escherichia)およびアクチノバチルス属(Actinobacillus))は、無気呼吸プロセスにおいてフマル酸エステルをコハク酸エステルに還元するためにH2を電子供与体として用いて成長ことができる。これらの細菌は、[2H+/H2]および[フマル酸エステル/コハク酸エステル]の連結された酸化還元半反応間のE 0’差異により生じる電子駆動力から、遊離エネルギーおよび還元力を得る。
【0007】
メタン生成古細菌は、H2またはHCOOH酸化を、メタンへのCO2還元に結び付け得る厳格な嫌気性古細菌である。メタン生成は、[2H+/H2]および[CO2/CH4]の半酸化還元反応間のE 0’差異が比較的小さいので、他の無気呼吸プロセス(例えば、フマル酸エステル、硝酸エステルまたは硫酸エステル還元)よりもエネルギー生成が少ない。
【0008】
微生物水素化酵素による水素酸化を、NAD+、シトクローム類およびキノン類を含む種々の生物学的電子キャリアの還元に、またはメチル−ビオロゲンおよびニュートラルレッド(NR)のような特定の人工酸化還元染料に結び付けることができる(アノウス(Annous)ら著、1996年、Appl.Microbiol.Biotechnol.45巻:804〜810頁、キム(Kim)ら著、1992年、J.Microbiol.Biotechnol.2巻:248〜254頁)。代謝物質パターンおよびH2生成に対する、電気化学的還元系を用いるまたは用いない、酸化還元染料の効果が、グルタミン酸エステル(ホンゴ(Hongo)ら著、1979年、Agric.Biol.Chem.43巻:2083〜2986頁)、ブタノール(ギルバール(Girbal)ら著、1995年、Microbiol.Rev.16巻:151〜162頁、およびキムら著、1992年、J.Microbiol.Biotechnol.2巻:268〜272頁)、および酪酸エステル(シェン(Shen)ら著、196年、Appl.Microbiol.Biotechnol.45巻:355〜362頁)の発酵を含む複数の微生物プロセスにおいて試験されている。
【0009】
水素化酵素またはフマル酸還元酵素のような、細菌代謝に含まれる酸化還元酵素の特定の活性を、その生体内電子キャリア(例えばNADまたはメナンキノン)を用いて、または人工的酸化還元染料(例えば、ベンジルビオロゲン)を用いて測定することができる(セッキーニ(Cecchini)ら著、1986年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA83巻:8898〜8902頁、ディキー(Dickie)ら著、1979年、Can.J.Biochem.57巻:813〜821頁、ケムナー(Kemner)ら著、1994年、Arch.Microbiol.161巻:47〜54頁、ペトロブ(Petrov)ら著、1989年、Arch.Biochem.Bio−phys.268巻:306〜313頁、およびビッセンバッハ(Wissenbach)ら著、1990年、Arch.Microbiol.154巻:60〜66頁)。主要代謝最終産物としてコハク酸を生成する細菌(例えば、大腸菌(E.coli)、Wolinella succinogenesおよび他の種)は、メナキノンのフマル酸エステル依存酸化を触媒するフマル酸還元酵素(FRD)を有する。この反応は、成長および代謝機能を支持するために生物により用いられる膜内外プロトングラジエントの発生に連結される(コルトナー(Kortner)ら著、1992年、Mol.Microbiol.4巻:855〜860頁およびビッセンバッハら著、1992年、Arch.Microbiol.158巻:68〜73頁)。大腸菌のフマル酸還元酵素は、4つの非同一サブユニット:FRDA、FRDB、FRDCおよびFRDDからなる。サブユニットは2つのドメインに分類される:(i)それはFRDAB触媒ドメインとFRDCD膜アンカードメインとであり、メナキノンを含む電子伝達およびプロトン転移反応に必須である(セッキーニら著、1995年、J.Bacteriol.177巻:4587〜4592頁、ディキーら著、1979年、Can.J.Biochem.57巻:813〜821頁、およびウエスタンベルグ(Westenberg)ら著、1990年、J.Biol.Chem.265巻:19560〜19567頁)。サブユニットFRDAおよびFRDBは、可溶化膜製剤において触媒活性を維持する。
【0010】
酸化還元染料を用いる電気化学的技術は、生物学的系の酸化−還元特性の検査に有用であり、生物学的エネルギー代謝についての情報を提供する(モレノ(Moreno)ら著、1993年、Eur.J.Biochem.212巻:79〜86頁およびスチェタ(Sucheta)ら著、1993年、Biochemistry32巻:5455〜5465頁)。生物電気化学的系において有用な酸化還元染料は、電極と生物学的電子キャリアとの両方と容易に反応しなくてはならない。多くの生物学的電子キャリア、例えばNAD(ミヤワキ(Miyawakiら著、1992年、Enzyme Microb.Technol.14巻:474〜478頁およびスルヤ(Surya)ら著、1994年、Bioelectrochem.Bioenerg.33巻:71〜73頁)、c−型シトクローム類(キシー(Xie)ら著、1992年、Bioelectrochem.Bioenerg.29巻:71〜79頁)、キノン(サンチェズ(Sanchez)ら著、1995年、Bioelectrochem.Bioenerg.36巻:67〜71頁)、および酸化還元酵素、例えば、亜硝酸還元酵素(ホワイト(White)ら著、1987年、Bioelectrochem.Bioenerg.26巻:173〜179頁)、硝酸還元酵素(ウィルナー(Willner)ら著、1992年、Bioelectrochem.Bioenerg.29巻:29〜45頁)、フマル酸還元酵素(スチェタら著、1993年、Biochemistry.32巻:5455〜5465頁)、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(ミヤワキら著、1992年、Enzyme Microb.Technol.14巻:474〜478頁)、フェレドキシン−NADP還元酵素(キムら著、1992年、J.Microbiol.Biotechnol.2巻:2771〜2776頁)および水素化酵素(シュレレス(Schlereth)ら著、1992年、Bioelectrochem.Bioenerg.28巻:473〜482頁)が、酸化還元染料と電気化学的に反応する。
【0011】
メチルビオロゲン(MV)(キムら著、1988年、Biotechnol.Lett.10巻:123〜128頁、ペキン(Pequin)ら著、1994年、Biotechnol.Lett.16巻:269〜274頁、およびホワイトら著、1987年、FEMS Microbiol.Lett.43巻、173〜176頁)、ベンジルビオロゲン(エムデ(Emde)ら著、1990年、Appl.Environ.Microbiol.56巻:2771〜2776頁)、およびニュートラルレッド(NR)(ギルバールら著、1995年、FEMS microbiol.Rev.16巻:151〜162頁およびキムら著、J.Biotechnol.59巻:213〜220頁)のような、NADの電位よりも低い酸化還元電位を有する特定の酸化還元染料が、生体内(インビボ)での生物学的酸化還元反応の速度の変化に関連付けられた。ホンゴおよびイワハラ(Iwahara)(ホンゴら著、1979年、Agric.Biol.Chem.43A:2075〜2081頁およびホンゴら著、1979年、Agric.Biol.Chem.43B:2083〜2086頁)は、陰極還元条件下に行われる細菌発酵においてΔE0’値が小さい酸化還元染料(例えば、MV、ベンジルビオロゲンおよびNR)が、L−グルタミン酸エステルの終了の増加(約6%)に関係することを見つけた。ホンゴおよびイワハラの方法において、水から水素を発生させるのに充分に高い水準で電気を流すために白金電極を用いた。従って、ホンゴおよびイワハラの方法における増加した還元力の源は知られておらず、試験された染料が、特徴的な発酵を影響する機構も知られていなかった。アセトンーブタノール発酵へのNRの添加は、酸およびH2の生成低下、溶媒の生成増加(ギルバールら著、1995年、FEMS Microbiol.Rev.16巻:151〜162頁、およびキムら著、1992年、J.Microbiol.Biotechnol.2巻:2771〜2776頁)、および電気エネルギー発酵条件下にさらに向上された効果に関連する(ゴーシュ(Ghosh)ら著、1987年、abstr.79.In Abstracts of Papers.194th ACS National Meeting.American Chemical Society)。生体外(インビトロ)および生体内での酸化還元酵素を用いる多くの電気化学的触媒系のために電子媒介物質としてビオロゲン染料が用いられた(ジェームズ(James)ら著、1988年、Electrochem.Bioenerg.20巻:21〜32頁、キムら著、1988年、Biotechnol.Lett.10巻:123〜128頁、モレノら著、1993年、Eur.J.Biochem.212巻:79〜86頁、シュレレスら著、1992年、Bioelectrochem.Bioenerg.28巻:473〜482頁、およびホワイトら著、1987年、FEMS Microbiol.Lett.43巻、173〜176頁)。電気的還元力でThiobacilus ferreoxidansを成長させるために還元された鉄を再生させるのに電気化学的系が用いられた(ロビンソン(Robinson)ら著、1982年、Can.J.Biochem.60巻:811〜816頁)。
【0012】
外部電気化学的系に生化学的プロセスを結び付けることにより代謝を制御または変化させることが可能となり得る。生化学的系および電気化学的系を連結させることにより、細菌成長、生体内または生体外発酵または生体内転換反応のための電子供給源として電気を用いることができる。
【0013】
可逆的生化学−電気化学連結により、微生物代謝または酵素触媒エネルギーを電気に変換させることができる。従来の電気化学的技術を用いて微生物エネルギーを電気的エネルギーに直接変換させる生物燃料電池が、記載されている(ローラー(Roller)ら著、1984年、J.Chem.Tech.Biotechnol.34B:3〜12頁およびアレン(Allen)ら著、1993年、Appl.Biochem.Biotechnol.39〜40巻:27〜40頁)。有機または無機化合物の生物触媒酸化を、陽極と陰極との間の界面におけるオキシダントの化学的還元に結び付けることにより、化学的エネルギーを電気エネルギーに変換させることができる(ウィルナーら著、1998年、Bioelectrochem.Bioenerg.44巻:209〜214頁)。しかしながら、微生物細胞から電極への直接的電子伝達は、非常に低い効率でしか起こらないことが示された(アレンら著、1972年、ジェー.アール.ノリス(J.R.Norris)およびディー.ダブリュー.リボンズ(D.W.Ribbons)(編)、アカデミック・プレス、ニューヨーク、6B巻:247〜283頁)。
【0014】
電子伝達効率は、適当な酸化還元媒介物質を用いることにより向上させることができ(ベネット(Benetto)ら著、1985年、Biotechnol.Lett.7巻:699〜105頁)、研究された微生物燃料電池の大部分が、酸化還元染料チオニンのような電子媒介物質を用いた(サーストン(Thurston)ら著、1985年、J.Gen.Microbiol.131巻:1393〜1401頁)。微生物燃料電池において、2種類の酸化還元連結が要求される:(1)電子媒介物質の還元の、微生物酸化的代謝への連結;および(2)電子媒介物質の酸化の、陰極表面上の電子受容体の還元への連結(電子受容体が大気酸素により再生される)(アルデリーヌ(Ardeleanu)ら著、1983年、Bioelectrochem.Bioenerg.11巻:273〜277頁、およびデアルニー(Dealney)ら著、1984年、Chem.Tech.Biotechnol.34B著:13〜27頁)。
【0015】
正常微生物代謝または微生物燃料電池系により生成される遊離エネルギーは、主に、−ΔG=nFΔE 0(ΔGは自由エネルギーの変動、nは電子モル数、およびFはファラデー定数(96,487J/ボルト)の式に従う電子供与体と受容体との間の電位差(ΔE0’)により決められる(デアルニーら著、1984年、Chem.Tech.Biotechnol.34B巻:13〜27頁)。主要電子供与体(NADH)の代謝的酸化の、最終的電子受容体(例えば、細菌呼吸系における酸素またはフマル酸エステル)の還元への連結は、燃料電池またはバッテリー系における還元剤(電子供与体)の電気化学的半反応の、オキシダント(電子受容体)の半反応への連結に非常に類似している(チャン(Chang)ら著、1981年、第2版、Macmillan Publishing,ニューヨーク)。酸化還元電位の低いNADH(E 0’=−0.32ボルト)、FdH2(E 0’=−0.42ボルト)またはFADH2(E 0’=−0.19ボルト)のような生物学的還元力供給源は、燃料電池の還元剤として作用することができるが、遊離エネルギー(すなわち、ATP)生成に絶対的に必要な膜電位を維持するために非導電性でなくてはならないので、容易に電気に変わらない(ザウアー(Thauer)ら著、1997年、Bacteriol.Rev.41巻:100〜180頁)。
【0016】
微生物電子キャリアから電極への電子伝達が起こるためには、電子媒介物質が必要である(フルツ(Fultz)ら、1982年、Anal.Chim.Acta.140巻:1〜18頁)。アレンら(1993年、Appl.Biochem.Biotechnol.39〜40巻:27〜40頁)は、Proteu s vulgarisまたは大腸菌により代謝的に生成された還元力を、チオニンのような電子媒介物質を用いることにより電気に変換することができる。タナカ(Tanaka)ら(1985年、Chem.Tech.Biotechnol.35B巻:191〜197頁および1988年、Chem.Tech,Biotechnol.42巻:235〜240頁)は、電子媒介物質としてHNQを用いてAnabaena variabilisにより光エネルギーを電気に変換し得ることを報告した。パーク(Park)ら(1997年、Biotech.Techniq11巻:145〜148頁)は、炭素ポリマーと架橋されDesulfovibro desulfuricans細胞質膜に吸着されたビオロゲン染料を、細菌細胞から電極、または電極から細菌細胞への電子伝達を媒介し得ることを確認した。
【0017】
代謝還元力を電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを代謝還元力に変換するための改良された、より効率的な方法が、当該分野においてなお求められている。
【0018】
発明の開示
本発明の一つの局面は、生物学的系における還元プロセスを促進する方法であって、(a)陰極を備える陰極区画および陽極を備える陽極区画を有してなり、陰極および陽極区画はカチオン選択性膜により分離されており、陰極および陽極は導電性材料により電力供給源に接続されている電気化学的バイオリアクター系を提供する工程、および(b)適量のニュートラルレッドおよび生物学的触媒を陰極区画内に配する工程を含んでなる方法である。
【0019】
本発明のもう一つの局面は、生物学的系を用いて電気を発生させる方法であって、(a)カチオン選択性膜で分離された陽極区画および陰極区画を含んでなり、各区画に電極を備え、電極が導線によりマルチメーターに接続されている電気化学的燃料電池系を提供する工程、(b)細菌、古細菌、植物細胞および動物細胞からなる群より選択される生物学的触媒ならびにニュートラルレッドを適当な濃度で含んでなる陽極液を陽極区画内に配する工程、(c)適当な陰極液を陰極区画内に配する工程、および(d)ニュートラルレッドの媒介により化学的還元力を電気に変換させる工程を含んでなる方法である。
【0020】
本発明の目的は、電気化学的バイオリアクターまたは燃料電池において、生化学的還元力(例えば、NADH)、生物学的エネルギー(ATP)および電気エネルギーを相互変換させる方法を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、電気的に還元されたニュートラルレッドを用いて細胞成長または所望の産物の生成を促進する経済的な方法を提供することにある。
【0022】
本発明のさらなる目的は、生物学的還元力を電気に変換する方法を提供することにある。
【0023】
本発明の利点は、ニュートラルレッドの存在下に細胞の成長もしくは発酵または酵素的転換を促進するために電気エネルギーを用い得ることである。
【0024】
本発明のもう一つの利点は、ニュートラルレッドが、混合細菌集合を含む廃物からの電気エネルギーの発生を促進することである。
【0025】
本発明の他の目的、特徴および利点は、明細書および請求の範囲を参考すると明らかとなる。
【0026】
発明の詳細な説明
本発明は、ニュートラルレッドを用いて化学的および電気的エネルギーの効率的な相互変換を達成するための方法を提供する。本発明の一つの局面は、発酵または酵素反応において、還元力の供給源として電気的エネルギーを用いる方法である。本発明のもう一つの局面は、ニュートラルレッドおよび細胞または酵素を用いて電気を生成する方法を含む。
【0027】
本発明は、生物学的系における電子の流れを制御することを意図する方法においてニュートラルレッドを用いると、関連する米国特許60/092,190および60/092,191;パークおよびザイクス(Zeikus)著、J.Bacteriol.181巻:2403〜2410頁、1999年;およびパークら著、Appl.Environ.Microbiol.に開示されている多くの驚くべき利点が提供されるという発見に基づく。全てのこれらの文献を、参考としてその全体を取り込む。
【0028】
発酵または酵素的生体内転換反応における最終産物収率を制御するための重要な因子は、NADH/NAD+比による電子分布の制御である。さらなる還元力(例えば、H2または電気化学的に生成された還元性等価物)が細菌に供給されると、NADH/NAD+比および代謝の増加を期待することができる。しかしながら、電気からNAD+への電子の効率的伝達は、適当な電子伝達物質を必要とする。
【0029】
米国特許60/092,190および60/092,191に詳細に記載されているように、電気化学的バイオリアクター系における電気および代謝還元力の相互変換において用いるのに、ニュートラルレッドが特に優れた電子媒介物質であることがわかった。ニュートラルレッドは、電極において可逆的酸化還元連結を形成することができ、高度に陰性のE 0’を有する。ニュートラルレッドについてのE 0’値は、例えばNADHを含む電子伝達連鎖における生理学的電子キャリアの値に非常に類似している。ニュートラルレッドが、電子伝達連鎖から電子を受け取る性能は、生物燃料電池系における電気生成を高める。ニュートラルレッドは、中性pHにおいて可溶性であり、その酸化状態および還元状態の両方において安定であり、長期酸化還元サイクル中に分解しない。
【0030】
米国特許60/092,190および60/092,191に開示されているように、ニュートラルレッドは比較的非毒性であり、研究用の細胞の細胞質膜に容易に吸着することができ、細胞質膜を通過する電子伝達のための電子団または電子シャトルとして機能する。ニュートラルレッドは、化合物の可逆的酸化または還元において電子媒介物質として機能し、細胞膜中のメナキノンの代用となることが示された。驚くべきことに、電気的に還元されたニュートラルレッドは、他の還元力供給源の不存在下でも、細胞における成長、プロトン転移および代謝産物生成を促進する。
【0031】
本発明の一つの局面は、バイオリアクター系における還元プロセスを促進する方法であって、(a)陰極を備える陰極区画および陽極を備える陽極区画を有してなり、陰極および陽極区画はカチオン選択性膜により分離されており、陰極および陽極は導電性材料により電力供給源に接続されている電気化学的バイオリアクター系を提供する工程、および(b)適量のニュートラルレッドおよび生物学的触媒を陰極区画内に配する工程を含んでなる方法を提供する。
【0032】
好ましくは、生物学的触媒は、微生物細胞、植物細胞、動物細胞、単離無傷細胞質膜、可溶化細胞質膜、およびNADHまたはNADPH補因子を有する酵素からなる群より選択される。生化学的および電気的エネルギーの相互変換の効率を最大にするために、生物学的触媒を陰極上に固定する。
【0033】
好ましい実施形態において、本発明の方法は、さらに、(c)陽極液を陽極区画内に配する工程、(d)陰極に適当な強さの電流を流して、陰極区画内の酸化されたニュートラルレッドの少なくとも一部を還元させる工程、および(e)還元されたニュートラルレッドにより電子を酸化された基質または電子キャリアに伝達する工程を含む。
【0034】
本発明の方法は、非常に用途が広く、微生物、植物もしくは動物の細胞、単離無傷細胞膜、可溶化細胞質膜、または補因子としてNADHもしくはNADPHを利用する酵素の製剤を含む、任意の数の生物学的触媒を用いる用途に適合させることができる。最も好都合には、生物学的触媒は、実質的に純粋または混合された細胞の培地、または酵素製剤を含む。好ましくは、生物学的触媒は、酸化された基質の、コハク酸エステル、メタンまたはアルコール類のような商業的または工業的に重要な産物への還元を促進することができる。
【0035】
生体触媒として全細胞を用いる場合、電気的に還元されたニュートラルレッドが、NAD+またはNADP+補因子を化学的に還元する、または電子団として作用することにより、細胞成長または還元された産物の生成を促進する。好ましくは、バイオリアクター系は、電気的に還元されたニュートラルレッドが、NAD+またはNADP+補因子を化学的に還元する、または電子団として作用することにより、細胞成長、ATP合成または、還元された産物の生成を促進するものである。
【0036】
以下の例において、電気的に還元されたニュートラルレッドが、バイオリアクター系におけるアクチノバチルスコハク酸生成細菌(Actinobacillus succinogenes)を用いる発酵反応でフマル酸エステルを還元してコハク酸を形成する反応を促進することが示される。コハク酸は多くの工業的用途を有する重要な発酵産物であるので、コハク酸収率の高い、より効率的な発酵プロセスを開発することに興味が注がれる。
【0037】
バイオリアクター系においてグルコース培地上のアクチノバチルスコハク酸生成細菌の成長中に電気的に還元されたニュートラルレッドを含むと、化学的還元性NAD+によるフマル酸エステル還元が促進される。さらに、ニュートラルレッドは、電子媒介物質および電子団としてのその機能によりコハク酸生成を促進する。ニュートラルレッド(E 0’=−0.325ボルト)の電気的還元は、NAD+還元に化学的に連結され、これは、プロトン駆動力の発生およびコハク酸エステル生成に生化学的に連結される。ニュートラルレッドは、膜結合フマル酸還元酵素複合体においてメナキノン(E 0’=−0.073ボルト)を置き換えることにより機能するようである。好ましくは、還元されたニュートラルレッドは細胞成長を、ニュートラルレッドを欠く匹敵するバイオリアクター系と比べて、少なくとも10%、20%または、40%以上までも増加させる。電気的に還元されたニュートラルレッドは、グルコースまたはフマル酸エステルの消費を、少なくとも25%、50%または100%以上増加させることができる。コハク酸エステル生成は、ニュートラルレッドを欠く匹敵するバイオリアクター系において観察される生成水準と比較して、約10%または25%以上までも増加される。
【0038】
同様に、電気的に還元されたニュートラルレッドは、メタン生成古細菌の成長およびメタン生成古細菌(Metanogenic archea)によるメタンへのCO2の還元の促進においてH2の代用となり得る。好ましくは、本発明の方法は、古細菌の成長またはメタン生成を、少なくとも約25%、50%、100%または300%以上までも増加させる。
【0039】
広範囲の生体触媒を用いて本発明の方法により、電気化学的バイオリアクター系における細胞成長または還元生成物の形成を促進し得ることを期待するのは合理的である。この方法を種々の細菌、古細菌、植物細胞または動物細胞を用いて使用し得ることが想像される。
【0040】
本発明の実施において酵素製剤も用い得ることが想像される。当業者に知られている標準的方法を用いて、所望の酵素を部分的に精製することができる。酵素を、天然源からまたはトランスジェニック発現宿主から単離する、または市販の販売元から得ることができる。
【0041】
有用な酵素は、電気的に還元されたニュートラルレッドからの還元力を用いて所望の還元産物を形成することができる、または還元力をニュートラルレッドに伝えて所望の酸化産物を形成することができる酵素を含む。最も一般的には、この還元はNADPHまたはNADHにより媒介される。本発明の実施において任意の酸化還元酵素を用い得ることを期待するのは理にかなっている。例えば、電気的に還元されたニュートラルレッド、NADP+またはNAD+、および酵素用の基質として作用し得るケトン、アルデヒドまたはカルボン酸を含んでなるバイオリアクター系において、単離されたアルコール脱水素酵素を用いて、アルコールのような、より還元された最終産物を形成することができる。有用な酵素のもう一つの例は、カルボン酸を還元された産物に転化するためにNADPHおよびATPを用いる、カルボン酸還元酵素である(米国特許5,795,759、ここで参考に取り込む)。当業者は、大部分の酵素触媒される反応が可逆的であり、本発明の方法により所望の酸化された基質を得るために酸化還元酵素を用いることが望まれる用途があり得ることを理解する。
【0042】
本発明において用いられる電気化学的バイオリアクターにおいて、生体触媒およびニュートラルレッドが陰極上に固定されるのが好ましい。全細胞生体触媒の場合、細かく織られたグラファイトフエルト電極上の自己固定が起こることがわかった。生体触媒の固定は、任意の適当な方法により達成することができる。生体触媒を固定するための多くの技術は当該分野において知られている(例えば、ウッドワード(Woodward)およびスポカン(Spokane)のAnalytical Enzymes:工業的酵素学におけるバイオセンサー(Biosensors in Industrial Enzymology)第2版、51〜59頁を参照されたい:これをここで参考に取り込む)。本発明の実施において生体触媒を固定化することを望む者は、電極と膜との間に生体触媒、共因子およびニュートラルレッドが挟まれるように、生体触媒、ニュートラルレッドおよびピリジンヌクレオチド共因子を電極と外側膜(例えば、ポリマー膜)との間に配して、そのようにすることができる。また、生体触媒、ニュートラルレッド、およびピリジンヌクレオチド共因子を、マトリクスポリマー中に埋め、電極上に被覆させることができる。
【0043】
本発明の実施を望む当業者は、ここで開示の技術を用いて電気化学的バイオリアクターまたは燃料電池を容易に調製することができる。開示されたバイオリアクターおよび燃料電池への特定の修正は、当業者の能力に充分含まれることを理解すべきである。
【0044】
電気化学的バイオリアクターまたは燃料電池において使用し得る陰極液および陽極液が、例において提供される。電気化学的バイオリアクターにおいて適しているとわかった陰極液は、細菌成長培地またはリン酸塩緩衝液(50〜100mM、pH7.0〜7.2)を含む。電気化学的バイオリアクターにおいて用いるための他の適当な陰極液緩衝液は、細胞または酵素を変性させないいかなる陰極液も含む。
【0045】
塩水を含むリン酸塩緩衝液は、電気化学的バイオリアクターにおいて用いるのに適していることがわかった(100mMリン酸ナトリウム(pH6.0)および100mM NaCl)。適当な陽極液は、細胞または酵素を変性しないいかなる陽極液も含み得る。
【0046】
燃料電子については、ニュートラルレッド(100μM)および、50mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)中の細菌細胞懸濁液が適当な陽極液であり、100mMのリン酸塩緩衝液(pH7.0)および50mMフェリシアニドが陰極液として適しているとわかった。
【0047】
例に記載されている電気化学的バイオリアクター系および燃料電池系の両方において、陰極区画と陽極区画が、プロトンおよびカチオンのみを通過させるナフィオン(Nafion)カチオン性選択的膜隔壁により分離されていた。陰極区画と陽極区画を分離するために適している膜は、プロトンまたはカチオンのみを膜を通過させるいかなる膜でもあり得る。
【0048】
以下の例に記載の電気化学的バイオリアクタ系において、電極は、細かく織られたグラファイトフエルトから作られる。織られたグラファイトフエルトは、大面積にわたって生体触媒を固定させる大面積電極を提供する利点を提供する。しかしながら、導電性ポリマーおよび金属材料を含む他の材料が電極に適していることがある。
【0049】
電極は、白金導線を用いて電力供給源に、またはマルチメーターに接続した。電極を電力供給源またはマルチメーターに接続させるのに好適な他の材料は、導電性ポリマーまたは金属材料を含む。
【0050】
以下に記載の電気的バイオリアクターにおいて、陽極と陰極との間の電流は約0.4〜約2.0mAであり、電圧は約1.5Vである。本発明は、約0.004〜約200mAの電流を用いて行い得ると考えられる。
【0051】
燃料電池系において、陽極および陰極からの抵抗は約1000オームである。本発明の実施において、約10〜約10000オームの抵抗を用い得ると考えられる。
【0052】
ニュートラルレッドは、電気化学的バイオリアクターの陰極液に、および燃料電子系の陽極液に、約100μMの濃度で含まれる。本発明の実施において、約1〜1000μMのニュートラルレッド濃度が適していると予想される。
【0053】
成長または休止細菌の細胞の代謝から誘導されるエネルギーを電気に変換する際の電子媒介物質としてニュートラルレッドを用いることもできる。
【0054】
ニュートラルレッドを電子媒介物質として有しフェリシアニドを電子受容体として有する燃料電池系においてアクチノバチルスコハク酸生成細菌130Z成長細胞を用いると、閉鎖回路構造において、生成される最大電流は2.17mAであり電位は<100mVであった。20時間培養後、燃料電池系を、閉鎖回路系から開放回路系に変換した。電位は、迅速に、理論的最大値である0.685ボルト(すなわち、NR間の酸化還元電位差)に達した。
【0055】
触媒としてアクチノバチルスコハク酸生成細菌休止細胞を用いて得た電子媒介物質としてのチオニンとNRとの効果を比較すると、電子媒介物質としてNRを用いると、チオニンを用いるよりもかなり大きな電気が発生した。NADH、NRおよびフェリシアニドを電子供与体、電子媒介物質および電子受容体としてそれぞれ用いると、発生する電流はNADH濃度に比例していた。触媒としてEscherichia coliK−12を用いる系において、発生した電流および電圧は、触媒としてアクチノバチルスコハク酸生成細菌を用いて得られたものに類似していた。電流および電圧は、グルコース濃度の上昇と共に増加するとわかった。
【0056】
燃料電池系における触媒として、嫌気性汚水スラッジも用いた。触媒として汚水スラッジを用いる燃料電子において発生した電圧よび電流は、大腸菌およびアクチノバチルス属を用いて発生したものに匹敵しており、2.2Kオームの外部抵抗での閉鎖回路系において120時間安定であった。
【0057】
例に記載のもの以外の成長または休止細胞を、本発明の方法により、燃料電池系における触媒として用いて電気を発生させ得ることが予測される。生体触媒として選択される特定の細胞に依存して、電気の発生において用いられる還元力は、光、無機化合物もしくは有機化合物、または任意の他のエネルギー源を含むことができ、その細胞を成長または代謝に用いることができる。
【0058】
生化学的および電気エネルギーのニュートラルレッド媒介相互変換を、多くの異なる用途に用いるために適合させ得ることが考えられる。例えば、ニュートラルレッド酸化還元を用いて、全細胞または酵素を利用するバイオセンサー系における電気的水準を検出することができる。
【0059】
すなわち、本発明は、サンプル中の特定の有機または無機試験化合物の存在を検出する方法であって、(a)カチオン選択性膜で分離された陽極区画および陰極区画を有してなり、各区画に電極を備え、電極が導線によりマルチメーターに接続されている電気化学的燃料電池系を含むバイオセンサーを提供する工程、(b)サンプルと、適当な濃度のニュートラルレッドと、微生物細胞および酵素を含んでなり試験化合物を酸化し得る生物学的触媒とを含んでなる陽極液を陽極区画内に配する工程、(c)適当な陰極液を陰極区画内に配する工程、(d)サンプル中に存在するいずれかの試験化合物の少なくとも一部を酸化させ、酸化されたニュートラルレッドの少なくとも一部を還元させる工程、(e)還元されたニュートラルレッドから陰極に電子を運ぶ工程、および(f)電流の発生を検出する工程を含んでなる方法を含む。
【0060】
当該分野において知られている細胞または酵素バイオセンサーにおいて、化学物質(例えば、グルコース)の存在が膜系電極系において酵素(グルコースオキシダーゼ)を用いて検出される。グルコースおよびグルコースオキシダーゼの例において、酵素触媒された反応はO2を消費し、過酸化物を生成する。従って、サンプル中のグルコースの存在は、O2濃度の低下、および過酸化物濃度の増加に関連し、そのいずれも特定電極により検出される。本発明の方法により、発生した電流を直接測定することができる。ニュートラルレッド系において、未知の試験サンプル中の特定化合物が、生体触媒による化合物の酸化時に検出可能な電流を発生させるように化合物を酸化することができる細胞または酵素を用いて試験される。従って、化合物の濃度は、試験化合物の酸化時に発生する電気を測定することにより検出することができる。化合物を酸化することができる適当な生体触媒を選択することにより化合物を検出するように本発明の方法を適合させることは、特定化合物の検出を望む当業者の能力に充分含まれる。
【0061】
ニュートラルレッドを用いるもう一つの重要な適用は、廃水中の化学的酸素要求量を測定する方法であって、(a)カチオン選択性膜で分離された陽極区画および陰極区画を有してなり、各区画に電極を備え、電極が導線によりマルチメーターに接続されている電気化学的燃料電池系を提供する工程、(b)適当な濃度のニュートラルレッドと、生物学的触媒を含むまたは補足された廃水とを含んでなる陽極液を陽極区画内に配する工程、(c)適当な陰極液を陰極区画内に配する工程、(d)ニュートラルレッドの媒介により化学的還元力を電気に変換させる工程、および(e)燃料電池系により発生した電流を測定する工程を含んでなる方法を提供する。
【0062】
以下の非限定的例は、説明のみを意図するものである。
【0063】
例
化学物質と結果の再現性
全ての化学物質は試薬グレードであり、ガスはAGAケミカルズ(クリーブランド、オハイオ、アメリカ合衆国)から購入した。全ての個々の実験は、同一の結果を2〜3回繰り返した。
【0064】
電気化学バイオリアクターシステム
ECBシステムI(稼動用量40ml)が酵素的及び化学的還元試験のため使用された。ECBシステムII(稼動用量300ml)が細胞の電気依存的な培養に使用された。嫌気的な条件を維持するため及び細菌を成長させるために特別に設計されたECBシステムはMSUケミストリーデパートメントによりパイレックスガラスから作られた。ECBシステムはカチオン選択性隔膜(タイプI直径[φ]=22mm、タイプII直径[φ]=64mm)(ナフィオン、エレクトロシンセシス、ニューヨーク);Ωcm−2 0.25N NaCl中)によって仕切られている陽極と陰極に分けられた。化学物質と代謝産物はナフィオン膜を通りぬけることができない。プロトンとカチオンだけは通りぬけることができる。陽極と陰極の両方は細かく仕切られたグラファイトフェルトから作られた(厚さ6mm、有効な表面積0.47m2g−1(エレクトロシンセシス、ニューヨーク、アメリカ合衆国)。プラチナワイヤー([φ]Ω0.5mm、<1.0Ωcm−2;シグマ、セントルイス、MO、アメリカ合衆国)はグラファイトエポキシ(<1.0Ωcm−2;エレクトロシンセシス、ニューヨーク、アメリカ合衆国)を用いグラファイトフェルトに接着された。陽極と陰極間の電気抵抗は<1kΩであった。両電極の重さはシステムIは0.4g(表面積0.188m2)に、システムIIは3.0g(表面積1.41m2)に調製された。陽極と陰極間の電流と電圧は正確なマルチメーター(フルケ モデル 45、エヴェレット、WA、アメリカ合衆国)によって測定され、システムIは0.3〜2.0mAと1.5ボルトに、システムIIは1.0〜10.0mAと2.0ボルトにそれぞれ調整された。H2Oの電気化学半酸化はNR(100μM)の半還元と連結され、還元されたNRの酸化はフマル酸エステルの細菌学的な還元と連結された。電気化学的な条件下では生成されないH2はNRもしくはMVを還元するために用いられた。ECBシステムIのテストのため、陰極の区画には細胞懸濁液、膜懸濁液もしくは可溶化膜を含ませ、陽極の区画には50mMリン酸塩緩衝液(pH7.2)と100mM NaClを含ませた。ECBシステムIIにおける成長の研究のため、陰極の区画にはA.succinogenesとインキュベートされた成長培地を含ませ、陽極の区画には100mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)と100mM NaClを含ませた。
【0065】
生物体と成長条件
A.A.succinogenes型株130ZはMBIインターナチョナル(ランシング、MI、アメリカ合衆国)(10,39)に言及されている。細菌は他に言及がなげれば、CO2−N2(20%−80%、20psi)ガス相下で50ml培地を含むブチルゴムで栓をされた158ml血清ビンにて育てた。次を含む成長培地A(二重滅菌水1リットルについて):酵母抽出物、5.0g;NaHCO3、10.0g;NaH2PO4・H2O、8.5g;Na2HPO4、12.5g。培地のpHはオートクレーブ後7.0に調節された。別々にオートクレーブされたグルコース溶液(最終濃度60mM)とフマル酸溶液(最終濃度50mM)が無菌的にオートクレーブ後培地に加えられた。培地は同じ培地で育てられた培養物の5.0%(v/v)試料によって接種され、37℃でインキュベートした。
【0066】
細胞懸濁液の調製
細菌の培養、採取、洗浄は従来技術として記載されているように(39)厳格な嫌気的N2条件下で行われた。16時間培養されたA.succinogenesが4℃で遠心分離(5,000xg.30分間)によって採取され、1mMジチオスレイトール(DTT)を含む50mM リン酸ナトリウム緩衝溶液(pH7.2)1500mlを用い3回洗浄した。洗浄された細菌細胞は2mMDTTを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液で再懸濁された。この懸濁液はフマル酸エステルからコハク酸エステルへのH2依存的な及び電気依存的な還元のための触媒として用いられ、サイクリックボルタンメトリーおよび細胞内へのNR吸収のために用いられた。
【0067】
NAD + もしくはNADP + の電気化学的な還元
ECBシステムIは1mM NAD+もしくはNADP+及び100(ΩM NRもしくはMVを用いたECBシステムIがNAD+もしくはNADP+の電気化学的な還元に使用された。電極電位及び電流が2.0ボルト及び1.0〜3.0mAにそれぞれ調節された。Ag/AgClと白金電極が反応が進行したかどうかを確認するため、反応物酸化還元電位を測定するために用いられた。一般に生化学的もしくは電気化学的な反応の酸化還元電位がAg/AgCl電極([Ag/Ag+]のE 0’=+0.196ボルト)もしくは比較電極として塩化水銀電極([Hg/Hg+]のE 0’=+0.244ボルト)を用いることによって測定される。しかし、それは電位対天然水素電極(NHE)として表わされなければならない。NHEは有機もしくは無機化合物の熱力学的な計算のために用いられる(例えばNADH/NAD+のE 0’が−0.32ボルト及びH2/2H+が−0.42ボルト)。Ag/AgCl電極を用い測定される電位は測定される電位(E 0’対NHE=E 0(対Ag/AgCl+0.196)に+0.196を加えることによって電位対NHEへ変換する。酸素は電流供給前10分間酸素遊離窒素とともに泡立たせることによって50ml Tris−HCl(pH7.5)の酸化還元色素溶液からおよび反応物から追い出された。反応物中のNADH濃度は340nmを分光測光法により測定した。そして、ミリモル吸光係数6.23mM−1cm−1を用いることによって計算された。NADH及びNADPH生成は各サンプリング時間における吸収スペクトルデータにより確認された。
【0068】
精製された膜、可溶化された膜及び膜遊離細胞抽出物
細胞遊離抽出物が先行技術として記載されているように(ファンデルヴェルフら著,1997,Arch,Microbiol,167:332−342)4℃嫌気的N2雰囲気下で調製された。採取され洗浄された細胞は1mMDTT及び0.05mg/mlジオキシリボヌクレアーゼを含む50mMリン酸塩緩衝液(pH7.2)に再懸濁した。細胞は20,000psiのフレンチプレスによって破砕された。細胞残さは30分間40,000xgの遠心分離を3回行うことによって取り除かれた。精製された膜は90分間100,000xgの遠心分離によって細胞遊離抽出物から得られた。上清を別の容器に静かに注がれた。そして、膜遊離細胞抽出物として取っておいた。茶色で透明な沈殿物は50mMリン酸塩緩衝液(pH7.2)で2回洗浄された。そして、ホモジナイゼーションによって同緩衝液に再懸濁された。可溶化膜はトライトン(Triton)X−100抽出による膜分画から得られた(レミレら著,1983,J.Bacteriol.155:391〜397)。トライトンX−100は最終濃度1%(v/v)に加えられた。そして、上清は3時間インキュベートされた。トライトン可溶化タンパク質は90分間4℃100,000xgで遠心分離によって不溶残さを取り除いた後再生された。
【0069】
細胞及び膜に中性赤の結合
細胞及び精製膜の酸化還元色素の吸着が細胞もしくは膜懸濁液を30分間37℃で混合した後、溶液中NR及びMV残基を測定することによって決定された。細菌細胞懸濁液(OD660、0〜3.0)と精製膜懸濁液(0〜10mg/mlタンパク質)が酸化還元色素吸着(結合等)を分析するために用いられた。NR溶液(50μMと25μM)とMV(100μM)が色素の無傷の細胞もしくは膜への結合を測定するために用いられた。MV(100μM)が細胞結合に用いられた。細胞と膜は10分間12,000xgの遠心分離及び20分間150,000超遠心分離のそれぞれによって反応混合液から取り除かれた。NR濃度は分光測光法による前決定された400nm、pH7.2での換算曲線を用いることによって測定された。そして、MVはpH7.2、エレプシデン(Elepsoden)1.5mMジチオネートの添加によって還元した後、ミリモル吸光係数(578)9.78mM−1cm−1を用いて決定された(リソロら著,1984,J.Biol.Chem.259:11725〜11729)。膜懸濁液のタンパク質の濃度はブラッドフォード試薬(バイオ−ラッド、ヘラクレス、CA、アメリカ合衆国)を用いた換算曲線(タンパク質濃度、mg/ml=A595x1.3327)により決定された。
【0070】
プロトン輸送の測定
プロトン輸送は無酸素N2雰囲気下で測定された。細胞懸濁液によるH2依存的プロトン輸送はフィッツ及びキピオンカによって記載されたように測定された(フィッツら著,1989,Arch.Microbiol.152:369〜376)。電気依存的プロトン輸送はプロトン輸送の測定のために設計された電気化学バイオリアクター系において測定された。バイコールチップ(イオン交換できる硬い膜、バス、ウエスト ラファイアティー、イン、アメリカ合衆国)の付いたチューブ([φ]10mmID及び90mm長)が陽極区画として用いられ、グラファイト棒が([φ]7mm×70mm)が陽極として用いられ、そして0.05gグラファイトフェルト(表面積、0.0235m2)陰極として用いられた。pH電極(オリオン8103ロス)は陰極分画に置かれ、プロトンパルスを記録され得る信号に変換するpHメータ(コーニング、130)を経由してレコーダ(リニア)に結合した。細胞懸濁液は100mM KSCN、150mM KCl、1.5mM グリシルグリシンを含むKKG溶液(pH7.1)中で作られ、陰極に置かれた。陽極は陽極液として50mM KClを含む50mMリン酸塩緩衝液を含有した。陰極と陽極分画の総用量及び稼動用量はそれぞれ30mlと5.5mlであった。陽極と陰極の稼動電荷及び電流は電気的還元力及びNRを用いる実験において2.0ボルトと0.3〜0.35mAであった。細菌細胞はフマル酸−H2もしくはグルコースを含む培地A中で16時間培養した。細胞は嫌気下で20℃で30分間の5,000xg遠心分離によって採取され、100mM KClで2回洗浄された。細胞は電気依存的プロトン輸送を測定するために100μM NRで緩和された。洗浄された細胞(OD660n m、10)N2飽和150mM KCl中に再懸濁された。細胞懸濁液は30分間室温で平衡化された。温置された細胞は20℃で30分間の5,000xg遠心分離をして、KKG溶液に再懸濁した。それからH2大気下で30分間インキュベーションが続けられた。フマル酸添加に電気依存的なプロトン輸送を測定するために細胞懸濁液はN2大気下で陰極分画中のHOQNOの存在下もしくは非存在下でインキュベートされ、20分間2.0ボルトで電極電位で満たされた。
【0071】
酵素アッセイ
酵素の活性測定は先行技術として記載されているように嫌気的N2大気下で行われた(ファンデルヴァルフら著、1997、Arch.Microbiol.167:332〜342)。上記の膜遊離抽出物、精製膜、可溶化膜調製物はヒドロゲナーゼ、ジアフォラーゼ及びフマル酸レダクターゼ活性を検定するために用いられた。フマル酸レダクターゼ(EC1.3.)とヒドロゲナーゼ(EC2.12.2.2.)活性はベックマン分光光度計を用いファンデルヴァルフ(1997、Arch.Microbiol.167:332〜342)の記載のように測定した。BV2+及びNR+ジアフォラーゼ活性はプロトン供与体としてH2の代わりにNADH(0.6mM)を用いてヒドロゲナーゼと類似の条件下で測定された(シュナイダーら著、1984、Eur.J.Biochem.142:75〜84)。ベンジルビオロゲン及びNRの酸化及び還元は578nm及び540nmを分光測光法で測定した。NAD(H)の酸化及び還元は340nmを分光測光法で測定した。還元されたベンジルビオロゲンは先行技術として記載されているように調製された(リソロら著、1984、J.Biol.Chem.259:11725〜11729)。ベンジルビオロゲン(578)、NR(540)及びNAD(H)(340)のミリモル吸光係数はそれぞれ8.65mM−1cm−1、7.mM−1cm−1及び6.23mM−1cm−1であった。
【0072】
フマル酸塩還元膜と可溶化膜の酵素分析
膜懸濁液(3.25 mg/ml タンパク質)と可溶化膜(3.2 mg/ml タンパク質)が酵素源として用いられた。血清バイアル(50ml)とECBシステムIがフマル酸塩からコハク酸塩へのH2−依存及び電気的依存還元のためにそれぞれ用いられた。50mM リン酸塩緩衝液(pH 7.2)中の嫌気的に調製された50mM フマル酸塩が反応物及び陰極液として用いられ、100mM NaCl(pH 7.0)とともに100mM リン酸塩緩衝液が陽極液として用いられた。反応は酵素源を添加することによって開始され、37℃に維持された。基質及び生成物の濃度はHPLC(ゲラント(Guerrant)ら、1982年、J.Clin.Microbiol.16:355〜360)によって分析された。細胞懸濁液及び膜中のフマル酸塩還元におけるHOQNOの影響は以下の様に分析された。
【0073】
細胞懸濁液(OD660=4.2)と膜懸濁液(2.65 mg/ml タンパク質)が酵素源として用いられた。血清バイアル(50ml)とECBシステムIがフマル酸塩からコハク酸塩へのH2−依存及び電気的依存還元のためにそれぞれ用いられた。50mM リン酸塩緩衝液(pH7.2)中の嫌気的に調製された50mM フマル酸塩が反応物及び陰極液として用いられ、100mM NaCl(PH7.0)とともに100mM リン酸塩緩衝液が分析液として用いられた。2μM HOQNOがメナキノンの阻害剤として用いられた。反応は酵素源を添加することによって開始され、37℃に維持された。基質及び生成物の濃度はHPLCによって分析された。
【0074】
サイクリック ボルタンメトリー
直径3mmの、電極として働く、グラスカーボン(BAS、ウエスト ラファイエット(West Lafayette)、インディアナ、USA)、プラチナ ワイヤー対電極(BAS)、及びAg/AgCl参照電極(BAS)が2mlの作用体積とともに電気化学的細胞中で用いられた。サイクリック ボルタンメトリーはIBM マイクロコンピューター データ獲得システムにリンクしたサイクリック ボルタンメトリック ポテンシオスタット(potentiostat)(BAS、モデル CV50W)を用いて行った。使用にさきがけて、作用電極は綿上でアルミナ/ウォータースラリーを用いて磨かれ、そして電気化学的細胞は徹底的に洗浄された。酸素は電気化学的測定の前に、10分間酸素フリーN2を泡立たせることによって細胞懸濁液、膜懸濁液、又は可溶化膜懸濁液から取り除かれた。細菌懸濁液(OD660=3.0)、膜懸濁液(2.54 mg タンパク質/ml)、及び可溶化膜(3.2 mg タンパク質/ml)が酵素源として用いられた。使用されたスキャンレートは25mV/sであり、電解質として用いられた5mM NaClを含む、−0.3から−0.8ボルトの範囲を超えた、50mM リン酸塩緩衝液である。NR μ100 (M)及び50mM フマル酸塩がそれぞれ電子媒介物、電子受容体として用いられた。
【0075】
増殖分析
培地中の懸濁された細胞の増殖は懸濁液を測定することによって決定され(660nmにおける吸光度)、電極の上に吸光された細胞の増殖収量はタンパク質濃度を測定することによって決定された。タンパク質濃度は前もって決定された校正曲線(細菌濃度=タンパク質濃度、mg/ml × 1.7556)を用いて、光学密度へ換算された。陰極、それは吸光された細菌におけるものであるが、はリン酸塩緩衝液(50mM、pH7.0)300ml中で30分間、ゆっくりとした攪拌によって、3回洗浄された。細菌の溶解物は1N−NaOHを用い、10分間、100℃でアルカリ処理をすることによって電極から得られた。10,000 ×g 及び4℃、30分間遠心分離をすることによって、溶解物から細胞残さを取り除いた後、細菌溶解物のタンパク質濃度がブラッドフォード(Bradford)試薬(バイオ−ラッド、ハークルス(Bio‐Rad、Hercules、カリフォルニア、USA)、及び前もって決定された校正曲線(タンパク質濃度、mg/ml=A595 × 1.3327)を用いて決定された。
【0076】
メタン細菌顆粒増殖及び代謝分析
脂肪酸−分解栄養共生物(syntrophiles)及びメタン細菌の混合培地を含むメタン細菌顆粒がMBI インターナショナル(ランシング(Laning)、ミシガン)中の50mM 酢酸塩、酪酸塩、及びプロピオン酸塩の混合物によって増殖させられたベンチ(bench)スケールの嫌気的泥反応装置から得られた(ウー(Wu)ら、1993年、Arch.Microbiol.39:795〜803及びウーら、1993年、Appl.Mirobiol.Biotechnol.39:804〜811)。メタン細菌顆粒は有機化合物なしに調製されたPBBM中で培養された(ケニーリー(Kenealy)ら、1981年、J.Bacteriol. 146:133〜140)。培地はリン酸塩なし、NaOHによりpH7.2に調製され、煮沸され、N2−CO2(80:20%)又はH2−CO2(80:20%)により脱気され、158−ml ウィ−トン(Wheaton)血清バイアル中に分注され、ブチルラバーストッパーによってシールされ、そしてオートクレーブにかけられた。リン酸塩、硫化物(0.01%)、N2−CO2(80:20%)又はH2−CO2(80:20%)、及びビタミン溶液がオートクレーブにかけられた後、添加された。培地体積は40mlであり、血清バイアル中のイニシアルヘッドスペースガス圧は30psiに調製された。培地は3.0%(体積として;タンパク質濃度、1.995mg/ml)メタン細菌顆粒を接種され、37℃でインキュベートされた。培地は電気的に還元されているためNa2Sが添加されなかった以外、培地の調製、接種、及び培養の全ての手順は、バイアル培養に用いられた手順と同様になされた。Na2S(2%)が、生成したO2を除去するための還元剤として陽極区画へ添加された。NR(100(M)が電子媒介物として陰極区画へ添加された。陽極と陰極間の電流とポテンシャルは0.4mA及び2.0ボルトであった。CO2及びCH4はカーボスフィア(carbosphere)カラム及びフレームイオン化検出器を備えたガスクロマトグラフを用いて分析された。インジェクターとカラムの温度はそれぞれ50℃と150℃であり、キャリアー(N2)流速は45ml/分であった。気体サンプルは圧力ロックシリンジにより除去された。CO2消費とCH4生成はヘッドスペース中の全ガス組成のパーセンテージとして表される。
【0077】
電流発生(generating)のための細菌増殖と細胞調製
A. succinogenes 130Z及びE. coli K−12を培地A(10g/l グルコース、5g/l 酵母抽出液、8.5g/L NaH2PO4、及び10g/l NaHCO3)中で、嫌気的N2−CO2(80:20)雰囲気下、37℃、150ml血清バイアル又はN2(100%)雰囲気下、pHコントローラー付燃料電池システム(fuel cell system)中で、それぞれ16時間および20時間嫌気的に増殖させた。両者のバイアル及び燃料電池試験のための接種物のサイズは3%(v/v)であった。休止細胞懸濁液は4℃、5000xgで遠心分離を行い、定常期培養物を採取することにより調製された。細胞は100%N2雰囲気下で50mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)を用いて2回洗浄された。洗浄細胞は50mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)中に再懸濁され、その後30分間N2ガスを供給することによってO2を除去した。細胞濃度はOD660 3.0に調製された。
【0078】
増殖又は定常細胞のための燃料電池システム
2つの区画(陽極及び陰極)の電気化学的細胞が細菌電流発生(production)のための燃料電池システムとして用いられた(図1)。スイッチ1及び2をオフにしたとき、開路が存在した。スイッチ1をオンにスイッチ2をオフにしたとき、閉路が形成された。スイッチ1をオフにスイッチ2をオンにしたとき、外部可変抵抗とともに閉路が形成された。電子媒介物として100 uM NR又は300マイクロM チオニンが用いられた。それぞれの区画のトータル及び作用体積はそれぞれ1,600ml及び1,300mlであった。電極、12gの細編グラファイトフェルト(0.47 m2/g、エレクトロシンセーシス(Electrosynthesis)、ニューヨーク)により作られたもの、がエポキシグラファイト(>1.0 Ω cm−2、エレクトロシンセーシス、ニューヨーク)を用いたプラチナワイヤー(直径=0.5 mm;シグマ(Sigma)、セントルイス、ミズーリ、USA)とともに精密多重メーター(フルーク(Fluke)モデル 45、エヴェレット(Everett)、WA)に接続された。陽極と陰極区画はカチオン選択性膜隔壁(直径70mm、ナフィオン(Nafion)、エレクトロシンセーシス、ニューヨーク)によって隔てられている。陽極と陰極間の燃料電池システム自体の電気抵抗はおよそ1,000Ωであった。抵抗は電流発生をコントロールするための可変抵抗を用いて調整されたが、最大ポテンシャル又は電流発生を測定するためには調整されなかった。陽極と陰極間の電流と電圧は精密多重メーター(フルーク モデル45、エヴェレット、WA)により測定された。鉄(III)イオン(ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムとして、 E0(=+0.36 ボルト)−O2(E0’=+0.82 ボルト)によって再酸化されたもの、の電気化学的半還元はニュートラルレッドに結合し又は逆に細菌の酸化的代謝に還元的に結合したチオニン半酸化に結合する。定常細胞を用いる該燃料電池システムにおいて、100マイクロM NR又は300マイクロM チオニンを含む50mM リン酸塩緩衝液(pH7.2)、及び50mM ヘキサシアノ鉄(III)酸塩を含む100mM リン酸塩緩衝液(pH7.0)中の細菌の細胞懸濁液(OD660 3.0)がそれぞれ陽極液、陰極液として用いられた。増殖細胞を用いる燃料電池システムにおいて、新鮮な細菌の接種を含む培地Aは陽極液であり、陰極液は定常細胞の際と同様であった。実験中、陽極区画において、0.8ml/分のN2流速で操作される前に30分間100% N2ガスを供給することによって完全な無酸素状態が維持された。N2ガス中に含まれる微量の酸素は純粋銅充填物が充填された炉中、370℃で除去された。陰極区画は一定の空気供給及び攪拌によって酸素化された。陽極区画は自動pHコントローラー(ニュー ブランスウィック サイエンティフィック社(New Brunswick Scientific Co.)、モデル pH−40、エジソン(Edison)、ニュージャージー)を用いてpH7.0に維持された。
【0079】
NADH酸化物に結合する化学色素化学酸化による電流発生
0.3g細編グラファイトフェルト電極とカチオン選択性膜隔壁(Ω 20mm、ナフィオン、エレクトロシンセーシス)を備えた陽極と陰極区画を含んでなる小化学燃料電池システム(small chemical fuel cell system)(全体積50ml;作用体積 30ml)が用いられた。50mM リン酸塩緩衝液(pH7.0)中の100マイクロM NR溶液及び50mM ヘキサシアノ鉄(III)酸塩を含む100mM リン酸塩緩衝液(pH7.0)がそれぞれ陽極液、陰極液として用いられた。NADH添加前に30分間N2ガスを供給することにより陽極区画から酸素を除去した。50mM リン酸塩緩衝液(pH7.0)中の濃縮NADH溶液にはO2を除去するため前もってN2ガスを供給した。
【0080】
サイクリック ボルタンメトリー
直径3mmの、電極として働く、グラスカーボン、プラチナ ワイヤー対電極、及びAg/AgCl参照電極(全てBAS、ウエスト ラファイエット、インディアナ)が3mlの作用体積とともに電気化学的細胞中で用いられた。サイクリック ボルタンメトリーはIBM パーソナルコンピューター データ獲得システムにリンクしたサイクリック ボルタンメトリック ポテンシオスタット(モデル CV50W、BAS)を用いて行った。使用にさきがけて、作用電極は綿上でアルミナ/ウォータースラリーを用いて磨かれ、そして電気化学的細胞は徹底的に洗浄された。酸素は電気化学的測定の前に、10分間酸素フリーN2を泡立たせることによって反応液から取り除かれた。使用されたスキャンレートは−0.3から−0.8ボルトの範囲を超えた、25mV/sであった。5mM NaClを含む50mM リン酸塩緩衝液が電解液として用いられた。100μM NR及び100μM NADがそれぞれ電子媒介物、電子受容体として用いられた。
【0081】
嫌気的泥を用いた電流の発生
嫌気的泥がイースト ランシング セウェイジ トリートメント プラント(East Lansing sewage treatment plant)(MI、USA)から得られた。新鮮な嫌気的泥は固体粒子を除くため、N2雰囲気下に1日置かれた。生体触媒及び陽極液には、上清(1,200ml)が用いられた。それにはエネルギー源として3g/L グルコースが添加された。触媒は50mM ヘキサシアノ鉄(III)酸塩を含む100mM リン酸塩緩衝液(pH7.0)であった。
【0082】
結果
燃料電池による電気発生
微生物代謝酸化により発生される還元力を電気に変換するために用いられる電子媒介物質のE 0’値は、微生物燃料電池中で生じ得る最大電気量の決めるのに重要である。これらの天然電子媒介物質(すなわち、NAD + およびメナキノン)を用いる人工的電子媒介物質(すなわち、NRおよびチオニン)の化学的特性を表1に示す。NRを用いて生じる電子駆動力は、化学的または微生物学的燃料電池において酸化還元染料をオキシダント(すなわち、フェリシアニド)に連結したときに、チオニンから生じる駆動力よりかなり大きい。この相違は、NRおよびチオニンについてのE 0’値の差によるものである。結果的に、フェリシアニド還元に連結されたNRまたはチオニン酸化から生じるΔE 0は0.645ボルト(NR)および0.296ボルト(チオニン)である。これらのΔE 0値は、これらの電子媒介物質を用いて燃料電池中で生じた理論的最大電位である。
【0083】
行った実験の結果は、電子媒介物質として、チオニンよりもNRが優れていることを示しており、還元されたNRは、微生物燃料電池において電気を発生させるように電子を電極に与えることができる。図2は、化学的燃料電池において電子媒介物質としてNRを用いると、チオニンを用いるよりも高い電流を発生させ、発生した電流が用いられるNADH濃度に依存することを示している。
【0084】
【表1】
【0085】
矢印は、1mM(円)または3.5mM(四角)のNADHの添加を示している。低いNADH濃度において、電流は全く低い。チオニン還元は、NADHを還元剤として用いる場合にNR還元よりも迅速であったが、電極における媒介物質酸化速度は速度が制限されている。それは、電子媒介物質としてNRを用いると、より大きな電流が生じたからである。
【0086】
NAD+の存在または不存在下におけるNR溶液の周期的電圧電流図は、NR酸化(上方)および還元(下方)ピークが、NAD+の不存在下における12回の走査サイクル中にシフトしなかったことを示している(図3A)。いずれのピークも、NAD+添加により増加した(図3B)。NAD+は、より多くの電子を、電極からNRを通してNADに、およびNADHからNRを通して電極に単方向に通過させることができる。
【0087】
図4は、閉鎖回路(電流)(A)および開放回路(電位)(B)構造において100μMのNR(円)または300μMのチオニン(四角)を用いるグルコース(10g/L)燃料電池において大腸菌休止細胞によりグルコースから発生する電流および電位を比較している。矢印マーク(1)は、電子媒介物質の添加、および(2)は開放回路への変換を示している。用いた嫌気性条件下において、電子団としてチオニンを用いるよりも高い電流および電位水準がNRを用いて発生した。嫌気性条件下の対照実験において、O2はより優れた電子受容体である(すなわち、2つの電子媒介物質よりもO2がより高いポジティブE 0’値を有する)ことから、電子伝達系を通してNRおよびチオニンがNADHを酸化できないので、電流または電位の高い水準は検出されなかった。嫌気性条件下において、大腸菌は、通常、NADH酸化を、フマル酸エステルからコハク酸エステル、アセチルCoAからエタノール、またはピルビン酸エステルから乳酸エステルへの還元に連結させる。これらの反応は、燃料電池中のNRの存在により阻害され、これらの正常還元代謝最終産物の代わりに電気が発生する。
【0088】
先の研究(アレンら著、1993年、Appl.Biochem.Biotechnol.39〜40巻:27〜40頁、およびサーストンら著、1995年、J.Gen.Microbiol.131巻:1393〜1401頁)は、電子媒介物質としてチオニンを用いる微生物燃料電池において、休止細胞がグルコースを奪われた場合に電流と電位の両方が低下することを示した。我々は、電子団としてNRを用いる燃料電池において異なるグルコース濃度から休止大腸菌細胞によりどの程度の最大電気生産性および安定低が生じ得るかを決めるために実験を行った。表2は、120オームの外部抵抗を用いるおよび用いない場合の、開放回路とそれに対する閉鎖回路における最大電気生産性および安定性に対するグルコース濃度の効果を示している。燃料電池により生じる最大電流、電位および電気エネルギーは、グルコース(すなわち、燃料)の濃度に比例していた。電子団としてNRを用いて、グルコースから得られた最大電流およびクーロン収率は、他の研究においてチオニンを用いて得られたものを大幅に越えていた(デアルニーら著、1984年、Chem.Tech.Biotechnol.34B著:13〜27頁)。
【0089】
電子媒介物質としてチオニンを用いる微生物燃料電池についての先の研究(ローラーら著、1984年、J.Chem.Tech.Biotechnol.34B巻:3〜12頁、ベネットら著、1985年、Biotechnol.Lett.7巻:699〜105頁)は、休止細胞懸濁液(すなわち、成長の終了後に集めた細胞)のみを用いて行った。NR(100μM)を電子団として用いて、我々は、嫌気性条件下のグルコース(10g/L)微生物燃料電池におけるアクチノバチルスコハク酸生成細菌成長細胞(図5A)および休止細胞(図5B)の電気的生産性(すなわち、電流および電位)を比較した。
【0090】
【表2】
【0091】
対照実験(図5A)は、成長収率および速度(四角)が、電気を発生させた場合(三角)に、NRの不存在の方が、NRの存在の場合よりもかなり高いことを示した。発生した電流(中空円)および電位(中実円)は、細胞成長と共に増加した。成長細胞および休止細胞により発生した電位は、同様であったが、休止細胞により生じた電流は、成長細胞により生じたものよりもかなり高かった(約2倍)。グルコース水準が高い場合、単位時間当たり細胞タンパク質1mg当たりに生じた特定の電流を、成長細胞について10時間(1.235mA/mgタンパク質/時間)でおよび休止細胞について2時間(2.595mA/mgタンパク質/時間)で計算した。20時間(グルコースが除かれた後)において成長細胞により合計68クーロンが発生し、休止細胞は4時間において90クーロンを発生させた。
【0092】
電気発生の存在または不存在下に、嫌気的に成長した大腸菌細胞を用いて同様の実験を行った。電気の発生は、成長収率、ATP収率および代謝的生成を劇的に低下させる(表3)。表4は、指数期対定常期の大腸菌細胞による基質消費、成長および電気生成を比較する。これらのデータは、指数期細胞によるよりも、定常期細胞による方が、かなり大きな電気が生じることを示している。この結果は、電気発生になり得ない細胞成長に大きな還元力が要求されるので、予想されていた。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
電子団としてNRを用いる燃料電池中での電気発生のための触媒としての電位を試験するために、嫌気的スラッジを用いて実験を開始した。図6は、汚水スラッジにより生じる電流および電位に対するグルコース添加の効果、および閉鎖回路構造おいて生じる最大電流に対して開放回路構造において生じる最大電流を示す。番号を付した矢印は、2.2キロオーム抵抗での開放回路かた閉鎖回路への変換(1);3g/Lのグルコースの添加(2);閉鎖回路から開放回路への変換(3);および外部抵抗無しでの開放回路から閉鎖回路への変換(4)を示している。触媒として汚水スラッジを用いるグルコース燃料電池の電気的生産性を計算すると合計で370.8C(162.82JのG)となった。
【0096】
我々は、ここで、燃料としてグルコースを用いる微生物燃料電池において、チオニンよりも、NRが優れた電子団または電子媒介物質として作用することを示した。さらに、我々は、休止細胞が成長細胞よりも大きな電気を発生し、汚水スラッジのような混合培地が、電子媒介物質としてNRを利用する燃料電池における電気発生のための強力な触媒であり得ることを示した。
【0097】
図7は、電子団としてNRを用いる燃料電池における大腸菌またはアクチノバチルスコハク酸生成細菌の正常(A)対電子的グルコース代謝(B)中に対して、電子媒介物質としてNRを用いる燃料電池における大腸菌(またはアクチノバチルスコハク酸生成細菌)代謝特性を説明する我々の作業モデルを要約する。細胞成長、ATP合成および、還元された最終生成物の形成は、発生した電気量に対して低下する。NRの存在下において、細胞成長は大きく低下し、NADHは、正常還元最終産物(すなわち、コハク酸エステル、乳酸エステルおよびエタノール)の製造の代わりにNR−媒介電気発生により酸化される。細胞は、基質水準リン酸化(すなわち、酢酸キナーゼ)によりATPをさらに発生するが、電子伝達媒介リン酸化(すなわち、フマル酸還元酵素)によりATPを生じることができないので、よりゆっくり成長する。
【0098】
NRは、電子伝達の速度(電流)および電子伝達収率(クーロン収率)の両方を向上させるので、チオニンよりも電子媒介物質として優れている。NRを用いる微生物燃料電池において生じる最も高い電流(>17mA)は、電子媒介物質としてチオニンを用いて以前に達成されていたよりもかなり高い(ローラーら著、1984年、J.Chem.Tech.Biotechnol.34B:3〜12頁およびアレンら著、1993年、Appl.Biochem.Biotechnol.39〜40巻:27〜40頁)が、電気的にはなお低い。外部空間を含む離れた領域における電気通信を維持するような、低電力DC微生物燃料電池への適用の可能性がある。
【0099】
本発明は、例示された実施形態に限定されないが、請求の範囲に入るような全ての修正および変更を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子団としてニュートラルレッド(NR)を用いる微生物燃料電池の模式図である。
【図2】 電子媒介物質としてNR(A)またはチオニン(B)を用いる化学的燃料電池におけるNADH酸化からの電流生成を示す図である。
【図3】 電極を100μM NAD+溶液に導入した後の連続サイクルにおける、ガラス状炭素電極を用いて得られる周期的電圧電流図である。
【図4】 大腸菌K−12休止細胞およびニュートラルレッドまたはチオニンを用いるグルコース燃料電池中で得られる電流および電位を示す図である。
【図5】 アクチノバチルスコハク酸生成細菌成長または休止細胞を用いて得られる電流および電位水準を示す図である。
【図6】 触媒として嫌気性汚水スラッジおよび電子団としてNR(100μM)を用いるグルコース(3g/L)燃料電池において発生する電流および電位を示す図である。
【図7A】 正常(A)または電気的(B)グルコース代謝下における細胞内のエネルギー流動の提案されたモデルを示す図である。
【図7B】 正常(A)または電気的(B)グルコース代謝下における細胞内のエネルギー流動の提案されたモデルを示す図である。
Claims (3)
- 生物学的系における還元プロセスを促進する方法であって、
(a)陰極を備える陰極区画および陽極を備える陽極区画を有してなり、陰極および陽極区画はカチオン選択性膜により分離されており、陰極および陽極は導電性材料により電力供給源に接続されている電気化学的バイオリアクター系を提供する工程、および
(b)ニュートラルレッドを1〜1000μMの濃度で含んでなる陰極液および生物学的触媒を陰極区画内に配する工程
を含んでなり、該ニュートラルレッドの少なくとも一部が還元され、前記生物学的触媒として、アクチノバチルスコハク酸生成細菌およびメタン生成古細菌からなる群より選択される細胞を用いる方法。 - 生物学的系における還元プロセスを促進する方法であって、
(a)陰極を備える陰極区画および陽極を備える陽極区画を有してなり、陰極および陽極区画はカチオン選択性膜により分離されており、陰極および陽極は導電性材料により電力供給源に接続されている電気化学的バイオリアクター系を提供する工程、および
(b)ニュートラルレッドを1〜1000μMの濃度で含んでなる陰極液および生物学的触媒を陰極区画内に配する工程
を含んでなり、該ニュートラルレッドの少なくとも一部が還元され、前記生物学的触媒として、細胞を用い、該細胞がメタン生成古細菌である方法。 - 生物学的系における還元プロセスを促進する方法であって、
(a)陰極を備える陰極区画および陽極を備える陽極区画を有してなり、陰極および陽極区画はカチオン選択性膜により分離されており、陰極および陽極は導電性材料により電力供給源に接続されている電気化学的バイオリアクター系を提供する工程、および
(b)ニュートラルレッドを1〜1000μMの濃度で含んでなる陰極液および生物学的触媒を陰極区画内に配する工程
を含んでなり、該ニュートラルレッドの少なくとも一部が還元され、前記生物学的触媒として、細胞を用い、該細胞がActinobacillus succinogenesである、前記細菌がフマル酸エステルを還元してコハク酸エステルを生成する方法。
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