JP2007516577A - 水素および他の物質の産生における光生物燃料電池の使用方法 - Google Patents

水素および他の物質の産生における光生物燃料電池の使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、水素のインサイチュ生成のための方法、および低価値/エネルギー有機物質から高価値/エネルギー化学生成物を合成するための方法を提供する。この方法は、光生物燃料電池を提供する工程であって、この光生物燃料電池は、水性媒体中で作動する色素増感された光電アノードを含む電気化学的半電池であって、この媒体は、NADH、燃料、および酵素を含み、この酵素は、NADHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;電極であって、この電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体によりこの光電アノードに接続される、電極;および光源、を含む、工程;ならびに光を用いてこの光電アノードを照らし、それによって水素を生成する工程、を包含する。

Description

(発明の背景)
光合成の間、植物は、光エネルギーを電気化学的エネルギーに、そして最終的には、炭水化物および他の化合物に貯蔵される化学ポテンシャルエネルギーに変換する。この炭水化物は、必要に応じて酸化され、エネルギーをその生物体に提供する。酵素触媒生物燃料電池と組合せて作用する色素増感されたナノ粒子半導体光電アノードを包含する光合成プロセスの模倣への新しいアプローチが、Gustら、「電流発生のための酵素ベースの光電池」(WO 03/079480)に記載されている。このシステムは、2つの補完的プロセスの簡単かつ直接的な結合を達成し、各アプローチのいくつかの利点を単一のユニットに組合せ、そして原理上は、独立に作用する各プロセスよりも多い電力を提供し得る。
ここで、本発明は、本システムが、水素のインサイチュ生成のために、そして低有用性/低エネルギー有機物質から高有用性/高エネルギー化学的生成物を合成するために使用され得ることを示した。
1つの実施形態において、本発明は、水素を生成するための方法に関し、この方法は、光生物燃料電池を提供する工程であって、この光生物燃料電池は、水性媒体中で作動する色素増感された光電アノードを含む電気化学的半電池であって、この媒体は、NADH、燃料、および酵素を含み、この酵素は、NADHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;電極であって、この電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体によりこの光電アノードに接続される、電極;および光源、を含む、工程;ならびに光を用いてこの光電アノードを照らし、それによって水素を生成する工程、を包含する。
別の実施形態において、本発明は、水素を生成するための方法に関し、この方法は、光生物燃料電池を提供する工程であって、この光生物燃料電池は、水性媒体中で作動する色素増感されたアノードを含む電気化学的半電池であって、この媒体は、NADPH、燃料、および酵素を含み、この酵素は、NADPHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;電極であって、この電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体によりこの光電アノードに接続される、電極;および光源、を含む、工程;ならびに光を用いてこの光電アノードを照らし、それによって水素を生成する工程、を包含する。
別の実施形態において、本発明は、低エネルギー有機物質を高エネルギー物質に変換するための方法に関し、この方法は、電気化学燃料電池を提供する工程であって、この電気化学燃料電池は、水性媒体中で作動する色素増感された光電アノードを含む電気化学的半電池であって、この媒体は、NADH、低エネルギー燃料物質、および酵素を含み、この酵素は、NADHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;電極、NADP依存性ヒドロゲナーゼ、触媒、およびNADP依存性オキシドレダクターゼ酵素を含む区画であって、この電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体によりこの光電アノードに接続され、ここでこの区画は、半透性デバイスによりこの電気化学的半電池に結合される、区画;および光源、を含む、工程;ならびに光を用いてこの光電アノードを照らし、それによってこの低エネルギー燃料物質を高エネルギー燃料物質に変換する工程、を包含する。
さらに別の実施形態では、本発明は、低エネルギー有機物質を高エネルギー物質に変換するための方法に関し、この方法は、電気化学燃料電池を提供する工程であって、該電気化学燃料電池は、水性媒体中で作動する色素増感されたナノ粒子の光電アノードを含む電気化学的半電池であって、この媒体は、NADPH、低エネルギー燃料物質、および酵素を含み、この酵素は、NADPHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;電極、NADP依存性ヒドロゲナーゼ、触媒、およびNADP依存性オキシドレダクターゼ酵素を含む区画であって、この電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体によりこの光電アノードに接続され、ここでこの区画は、半透性デバイスにより該電気化学的半電池に結合される、区画;および光源、を含む、工程;ならびに光を用いてこの光電アノードを照らし、それによってこの低エネルギー燃料物質を高エネルギー燃料物質に変換する工程、を包含する。
(発明の詳細な説明)
例示のために、そして上記説明をより明確にするために、添付の図面に対して参照がなされる。
別な様に定義されない限り、本明細書中で使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者に通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと類似または同等の任意の方法、デバイス、および物質が、本発明の実施または試験において使用され得るが、好ましい方法、デバイス、および物質が、ここで記載される。
本明細書中で言及されるすべての刊行物は、、例えば、ここで記載される発明と関連して使用され得る刊行物に記載される組成物および方法論を記載または開示するために、本明細書中で参考として援用される。上記、下記およびこの本文を通して列挙または考察される刊行物は、本発明の出願日前のそれらの開示のためだけに提供される。本発明者らが、先行発明が理由で、このような開示に先立つ権利が与えられないとの承認として解釈されるべきものは何もない。
(本発明の概観)
本発明者らは、以下に記載され、最初は、電気を提供するために開発された光生物燃料電池が、水素のインサイチュ合成のために使用され得るということを示した。導電体または他の適切な手段を使用して光生物燃料電池の光電アノードに、プロトンと電子とからの水素の合成を触媒する触媒を結合することにより、水素は、その電池の電気化学的ポテンシャルを使用して産生される。産生される水素は、光生物燃料電池の燃料成分の改質に由来していると考えられ得る。この水素生成のためのエネルギーは、光電アノードおよび任意の関連する補助的アンテナシステムにより吸収される光ならびにこの光生物燃料電池の燃料源に固有の化学エネルギーに由来する。記載される方法は、炭素含有不要物質を含む種々の燃料源を、水素という形態の価値ある燃料に変換する。この燃料源としては、脂肪、炭化水素、炭水化物、タンパク質、およびこの光電アノードにより、直接または間接的に酸化される任意の物質が挙げられるが、これらに限定されない。水素のような単一の燃料源が、世界中の将来のエネルギー経済における共通の基準であると予想されるので、このプロセスは、価値がある。
本発明は、以下に記載される光電アノードおよび燃料源ととともに単体として使用され得るか、または太陽光生物燃料電池における酸素還元性カソードと並列に配線され得る。特定のヒドロゲナーゼ酵素が、酸素の存在下でそれらが阻害される点において、自己調節的であるので、このことが可能である。酸素の存在下では、このシステムは、太陽エネルギーを、上記光電アノードから上記カソードへの電流を伴う電気に変換する。酸素の非存在下または低酸素濃度下では、そのカソードへの電流の流れは、緩やかであり、上記ヒドロゲナーゼ酵素の酸素阻害が低下し、水素合成が促進される。
この光電池の任意の表示物において生成される水素は、保存されたエネルギーの形態であり、固体支持媒体がそのエネルギー密度を高めるために使用され得る。
本発明のさらなる実施形態は、以下に考察される光生物燃料電池からのエネルギーにより駆動される閉鎖系において、高価値/エネルギー化学生成物のインサイチュ合成を、低価値/エネルギー反応体化学生成物の酸化に結合するための方法を包含する。これは、NADP依存性ヒドロゲナーゼ酵素を、NADPHが上記高エネルギー水素から生成されるように、上記水素生成電池に付け加えることを伴う。
この方法は、上記光電アノードに配線された電極および水素を発生するヒドロゲナーゼを、NADPに連結したヒドロゲナーゼ酵素とともに別々の区画に置く工程を包含する。この第2の区画は、適切な膜、フリット、または塩橋および上記配線、または上記光電アノードと上記水素発生ヒドロゲナーゼとの間の適切な電気的接続により、上記光電アノード区画に接続される。上記第2の区画中のNADPHに連結したヒドロゲナーゼ酵素は、NADP + H → NADPH + Hのプロセスを触媒する。この反応は、上記光電アノードの出力側に配線された上記水素発生ヒドロゲナーゼからのHの供給により右側へ駆動される。この光電アノードの出力側は、以下に記載される光に駆動されるプロセスにより、高度に負のポテンシャルに保たれている。光電アノードが生成する水素は、この負のポテンシャルを、H → 2H + 2eの半反応における化学ポテンシャルとして運搬する。
NADP + H → NADPH + Hから生成されるNADPHは、NADP/NADPH酸化還元対を、高価値/エネルギー化学化合物の合成のために高度に還元性に保つ。NADPHは、医学的プロセス、生体工学的プロセス、美容整形プロセス、および農業プロセスを含む(しかし、これらに限定されない)無数のプロセスにおいて有用な、実に様々な高エネルギー/価値還元炭素化合物の生合成または生物模倣反応のために必要な還元剤である。得られる特定の高価値/エネルギー生成物は、その合成に使用される、NADPHに連結したオキシド−レダクターゼ酵素により決定される。このプロセスは、閉鎖系において、化合物(不要有機物質を含む)の低価値/エネルギー混合物を、インサイチュ燃料電池のためのエネルギー源として、または価値ある化学生成物として適切な高価値/エネルギーの単一化合物への変換を可能にするので、このプロセスは価値がある。このプロセスは、太陽エネルギーおよびその燃料物質固有の化学エネルギーにより駆動される。上記光電アノードの入力側は、光増感剤のラジカルカチオンの酸化ポテンシャルにより高度に酸化性に保たれるので、上記低価値/エネルギーの燃料物質の転化率は高い。
(光生物燃料電池)
本発明の実施に適切な光生物燃料電池(また、光電気化学電池、光生物学的燃料電池、または光電池とも呼ばれる)は、Gustら WO 03/079480(「Enzyme−based Photoelectrochemical Cell for Electric Current Generation)に記載されており、その全内容は、本明細書により参考として援用される。光電気化学電池は、構成要素として提供される正極および負極を備え、それらの間に電解液が入れられている。光を照射された場合に酸化剤および電子を生成する光感作物質化合物、電子を酸化された光感作物質化合物に提供する酸化還元メディエータ、および炭素含有燃料化合物をの酸化を触媒する酵素を介して炭素含有燃料化合物から、負極が、電子を受け取る場合、起電力が、正極と負極との間で生じる。これは、光照射エネルギーによりバイアスをかけた形態の電気エネルギーとして、炭素含有化合物中に蓄積される化学エネルギーの利用を可能にする。
図1は、光生物学的燃料の構成の概略図を示す。図1は、炭素含有化合物(燃料)により所有されている電子(E)が、どのようにしてその炭素含有化合物から放出され、最終的に、正極から負極へ外部の電流回路を通って流れるかを図示する。電池内の電子流れは、球状形態で示される酸化半導体(MeOx)中または酸化半導体上に維持される光感作物質化合物(S)を介して生じる。光を照射された場合、光感知Sは、励起状態Sを生じる。励起状態Sは、電子を半導体に注入し、酸化剤Sを残す。その電子(E)は、Sの光励起エネルギー(SとSとの間のエネルギー差)までの光照射によりバイアスをかけられる。電子は、外部回路で作動し、正極に達して、そこで材料Mの還元反応に使用される。このようにして、起電力は、正極と負極とを横切って生じ、電気を生じる。このプロセスの間、酸化された光感知式Sは、酸化還元メディエーターRによりその元の形態に還元され、酸化形態のRを生じる。酵素は、酸化された酸化還元メディエータを、その元の形態に還元し、炭素含有燃料化合物の酸化から必要な電子を得る。従って、も、酸化還元メディエーターRも消費されない。
光を照射された場合、酸化剤Sおよび電子を生じる光感作物質化合物Sは、酸化半導体上に配置される。この化合物は、約300nm〜約1,000nmの波長範囲において、単一の光吸収ピークまたは複数の光吸収ピークを有する。このような化合物は、金属錯体色素、有機色素などであり得る。金属錯体色素の例は、ビキノリン、ビピリジル、フェナントロリン、またはチオシアン酸、あるいはそれらの誘導体を配位子として有するルテニウム錯体色素または白金錯体色素である。がある。金属原子もまた含み得る有機色素の例は、ただ1つのポルフィリン環または複数のポルフィリン環を有するポリフィリンベースの色素である。ポルフィリン環は、金属を含まないか、または亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)などを中心原子として含み得る。このようなポルフィリンベースの色素としては、以下の一般式P1〜P6により表される色素が挙げられる。有機色素の例は、9−フェニルキサンテンベースの色素、メロシアニンベースの色素、ポリメチンベースの色素などである。特に、以下に示される構造を有する化合物P1、5−(4−カルボキシフェニル)−10,15,20−(4−メチルフェニル)ポルフィリンは、高い光吸収効率、および酸化半導体に対する高親和性を有し、その結果、この化合物は、電解液により溶容易に出され得ず、従って、電解液と長期に接触した後でさえ安定性を維持し得る。さらに、光の照射により化合物P1から励起した電子の生成が、長期間にわたって起こり得ることから、化合物P1は、有利な光電気変換効率を示し得る。酸化半導体上で光を照射された場合に、酸化剤および電子を生成する化合物の配置は、光の照射により生成される励起した電子が、その酸化物半導体上に素早く移動することを可能にし、そして光の照射により生成される酸化剤および励起した電子の再結合を抑え、それにより炭素含有化合物から外部の電気回路へのより高い電子の受容効率を維持する。
酸化半導体として、二酸化スズ(SnO)、二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO)、またはそれらの複合物(例えば、TiO−WO)が、使用され得る。
Figure 2007516577
Figure 2007516577
光電気燃料電池において使用される炭素含有燃料化合物であって、天然の生活圏で循環再生され得るものの例としては、炭水化物(例えば、糖類、デンプン)、脂質、炭化水素、アルコール、アルデヒド、および有機酸が挙げられる。このような化合物は、光合成により二酸化炭素ガスおよび水より生成され得、次いで堆積される。これらの化合物中に蓄えられる太陽エネルギーは、生物体の代謝を介した化学エネルギーとして使用されて、二酸化炭素ガスを生じる。
酵素の媒介を通して炭素含有燃料化合物から電子を受け取り、電子を光の照射により生成される酸化剤(S)に提供して、元の光感作物質化合物(S)を再生する、酸化還元メディエーター(R)の例は、キノン/ヒドロキノン酸化還元カップル、NAD/NADH酸化還元カップル、NADP/NADPH酸化還元カップル、I/I 酸化還元カップル、および酸化還元能を有する金属タンパク質(例えば、フェレドキシン、およびミオグロビン)がある。
炭素含有燃料化合物から酸化還元メディエータ−Rの酸化形態への電子移動を触媒する酵素は、特に限定されない。しかし、実際には、炭素含有燃料化合物の種類に依存してデヒドロゲナーゼ酵素が、単独か、または組み合せて使用され得る。その燃料がグルコースである場合、少なくともグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を含有する酵素系が、使用され得る。
燃料がD−グルコース−6−リン酸である場合、少なくともD−グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G−6−PDH)または少なくともG−6−PDHおよび6−グルコースリン酸デヒドロゲナーゼ(6−PGDH)を含有する酵素系が、使用され得る。
燃料がメチルアルコールである場合、少なくともアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)を含有する酵素系、少なくともADHおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)を含有する酵素系、あるいは、少なくともADH、ALDH、およびギ酸デヒドロゲナーゼ(FDH)を含有する酵素系が、使用され得る。
燃料がエチルアルコールである場合、少なくともアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)を含有する酵素系、あるいは少なくともADHおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)を含有する酵素系が、使用され得る。複数の燃料が使用される場合において、これらの燃料に対応する酵素が、混合されて使用され得る。
光生物燃料電池に取り込まれるべき電解液として、アニオンおよび/あるいはカチオンの正極から負極への移動および/または負極から正極への移動を可能にして正極および負極において酸化還元反応の連続した進行を引き起こす限り、有機材料、無機材料、液体または気体にかかわらず任意の物質を使用し得る。塩(例えば、KCl、NaCl、MgCl、NHCl、NaHPO)、アルカリ(例えば、NHOH、KOH、およびNaOH)、または酸(例えば、HPOおよびHSO)を水に溶解することにより得られる水溶液は、安全であり、環境汚染を起こさず、そして容易に有利に操作され得る。あるいは、第4級アンモニウム塩(例えば、ヨウ化ピリジニウム)、リチウム塩(例えば、ヨウ化リチウム)、イミダゾリウム塩(例えば、ヨウ化イミダゾリニウム)、アセトニトリル中のt−ブチルピリジンなど、メトキシアセトニトリルまたはメトキシプロピオニトリル、ポリマー材料からなるイオン交換膜(例えば、スルホン酸基、アミド基、アンモニウム基、ピリジニウム基などを有するフルオレセイン)、あるいは、ポリマー電解液(例えば、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、アクリロニトリル、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルアルコールなどの中のLiBF、LiClO、および(CNBFのような塩)の溶液が、使用され得る。
本発明の光生物燃料電池の正極における反応は、負極において光により励起された活性種(S)を介して炭素含有化合物より取り出される電子のポテンシャルよりも大きな(またはよりアノード性の)ポテンシャルで起こる還元反応に関する。取り出された電子が、外部の負荷を介して正極により電気化学的に受容される限り、任意の還元反応が使用され得る。
正極における反応の例としては、水または酸素の還元反応、水酸化物または酸化物(例えば、NiOOH、MnOOH、Pb(OH)、PbO、MnO、AgO、LiCoO、LiMn、LiNiO)の還元反応、スルフィド(例えば、TiS、MoS、FeSおよびAgS)の還元反応、金属ハライド(例えば、AgI、PbI、およびCuCl)の還元反応、ハロゲン(例えば、BrおよびI)の還元反応、有機硫黄化合物(例えば、キノン、および有機ジスルフィド化合物)の還元反応、および電導性ポリマー(例えば、ポリアニリンおよびポリチオフェン)の還元反応が挙げられる。
詳細には、正極は、好ましくは、酸素を還元するための酸素電極である。この配置において、酸素を含むガスは、蓄電池中の正極活性材料(positive active material)を保持する必要性を排除し、従ってより高いエネルギー密度を有する蓄電池を形成可能にする、正極活性物質として使用され得る。
酸素を還元し得る任意の材料は、酸素電極として使用され得る。このような酸素還元材料の例としては、活性炭、酸化マンガン(MnO、Mn、Mn、およびMnを含む)、白金、パラジウム、酸化イリジウム、白金−アミン錯体、コバルト−フェニレンジアミン錯体、金属ポルフィリン(金属:コバルト、マンガン、亜鉛、マグネシウムなど)、およびペロブスカイト酸化物(例えば、La(Ca)CoO、およびLa(Sr)MnO)が挙げられる。
(光電気化学電池の実施例1(Gustら、WO 03/079480より))
光を照射された場合に酸化剤および電子を生成する光感作物質化合物として、5−(4−カルボキシフェニル)−10,15,20−(4−メチルフェニル)ポルフィリン(P1)を、負極を調製するのに使用されるポルフィリン光感作物質の代表例として使用した。
(負極の調製)
10〜12Ω/cmの表面抵抗を有する電導性スズトープ酸化インジウム(ITO)の薄膜を備える1mmの厚さを有する光透過性ガラス基材を、負極を調製するのに使用した。10nmの平均粒子直径を有する粒子状二酸化スズ(SnO)の、1重量%水性分散液を、ホットプレートの上で、層を、噴霧または別のやり方で塗布することにより、ITOフィルム上に堆積した。電極を、80℃の温度において乾燥し、次いで、空気中400℃の温度において1時間焼結し、粒子状SnOのフィルムを形成した。その後、その電極を、1〜5mMの光感作物質P1の溶液に代表的には1時間浸し(ジクロロメタン、トルエンまたはヘキサンに溶解した)、その溶液から引き上げ、清浄な溶媒で洗浄して、そして窒素ガス流で乾燥した。電極粒子両面のP1の存在は、その吸収スペクトルにより確認した。
(試験電池のアセンブリ)
次いで、そのようにして調製した負極を、図2に示される構造を有する発電電池21を構築するのに使用した。
発電電池21において、色素P1が堆積した負極23上の粒子状SnOのフィルムは、電解液26と接触する。電極26中に、負極23と組み合せて蓄電池を形成する対極24、および参照ポテンシャルを与える参照電極25(この参照電位に基づいて、負極23の電位が測定される)が、配置される。さらに堆積したものは、対極24の代わりに負極23と組み合せて蓄電池を形成する、空気電極27である。空気電極27は、Mn粉末、活性炭粉末、アセチレンブラック粉末、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)結合剤の混合物を0.2mmの厚さを有するニッケルスクリーン上に包埋することにより調製した。参照番号22は、発電電池21に対して対極24および参照電極25を固定するためのシリコンプラグを示す。
(光発電電池の操作特性)
発電電池(a)を、負極23、白金(Pt)対極(24)、および酸化還元メディエータ(R)として2.5mM ヒドロキノン(QH)を含有する0.1M の酢酸ナトリウム(NaOAc)水溶液である電解液26を使用して、上記のとおりに組立てた。
発電電池(b)を、負極23、溶存酸素を含まない硫酸カリウムの飽和水溶液に浸し、イオン透過性膜により電解液26から融離した白金(Pt)対極(24)、ならびに酸化還元メディエーター(R)として2.5mMの、還元形態のニコチンアミド−アデニンジヌクレオチド(NADH)を含有する0.1M 酢酸ナトリウム水溶液(NaOAc)である電解液26を使用して、上記のとおりに組立てた。
発電電池(c)を、負極23、イオン透過性膜により電解液26から融離した水銀/硫酸水銀(I)電極である対極24、ならびに酸化還元メディエーター(R)として2.5mMの還元形態のニコチンアミド−アデニンジヌクレオチド(NADH)を含有する0.1M 酢酸ナトリウム水溶液(NaOAc)である電解液26を使用して、上記のとおりに組立てた。
図3は、520nmの波長を有する光で照射される場合、開発された発電電池の電流−電圧の特性を示す。図3において、曲線(a)、(b)、および(c)は、それぞれ、発電電池(a)、(b)、(c)の電流−電圧特性を示す。全ての発電電池(a)、(b)、(c)は、蓄電池として働くが、それらの発電電池は、電流−電圧特性において差異を示す。図3において、曲線(d)は、光を照射されない場合の開発された発電電池(a)の電流−電圧特性を示す。光を照射されない場合、発電電池は、わずかな出力電流を生じるか、または出力電流を生じない。
これらの電池において、負極上に堆積した色素は、照射の際に励起状態(S)を生成する光感作物質化合物(S)として作用する。金属酸化物と接触して、その化合物は、電子を酸化物粒子に注入し、酸化剤(S)を生成する。外部回路は、このようにして生成された電子を取り除き、次いで、それは蓄電池の出力電流として測定される。(c)型の電池において、酸化剤(S)は、酸化還元メディエータ−NADH(またはいくつかの場合においてQH)から電子を受容し、Sを再生する。このようにして、酵素または炭素含有燃料化合物を欠いた電池において、外部回路への電子の供給は、NADH(または、酸化還元メディエーターとして使用される場合、QH)が消費されるまで、継続する。
NADが存在し、メタノールが、炭素含有燃料化合物として使用される場合に、(電池において実施されない)アッセイを、NADHの生成を試験するために行った。1M NaCl、5mM 酸化ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)および0.0 メタノール、および0.05mM 還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、ならびに酵素としてアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)およびギ酸デヒドロゲナーゼ(FDH)の溶液を、添加した。光を照射する間のNADH濃度の変化を、図4に示した。
図4において、記号黒三角は、添加された5.0mM NAD、0.05mM NADH、ADH、ALDH、およびFDHを有する溶液中のNADH濃度の変化を示す。記号黒丸は、添加された5mM NAD、0.05mM NADH、およびADHを有する溶液中のNADH濃度の変化を示す。記号白丸は、(黒丸)における溶液と同じ溶液中のNADH濃度の変化を示すが、NADHおよびADHの添加より所定の時間の経過後に、ALDHを添加する。記号白丸+は、溶液(白丸)中のNADH濃度の変化を示すが、NADH、ADH、およびALDHの添加より所定の時間の経過後に、FDHを添加する。記号黒四角は、5mM NADおよびADHを添加した電解液中のNADH濃度の変化を示す。記号白四角は、溶液黒四角と同じであるが、それにALDHが添加された溶液中のNADHの変化を示す。記号白四角+は、電解液白四角と同じであるが、それにFDHが添加された溶液中のNADH濃度の変化を示す。これら全ての試験では、NADH濃度の増加が観察され、このことは、NADHを生成する酵素の媒介を通してメタノールからNADに電子が移動することを実証した。換言すれば、図4において示されるように、NADHは、メタノールを利用する酵素の媒介を通してNADから形成される。これらの結果は、メタノールが、酵素が媒介したまま、発電電池内に存在する限り、負極により使用されるNADHは再生され、電力発生は、光の照射下において維持され得ることを意味する。
図5は、NADHおよびメタノールを含有する電解液26を有する、(c)型の発電電池において、外部回路により電池より放出された電子量(横軸)と光の照射により消費されるNADHの量(縦軸)との間の関係を示したグラフである。記号白丸は、電極には、酵素が存在しない場合、消費されたNADHの量と外部回路において生成された電子量との間の関係を示す。この関係は、NADHの消費量および電子量は、お互いに比例しており、このことは、NADHより放出された電子は、外部回路により適切に取り出されることを実証する。記号黒丸は、ADH、ALDH、およびFDHが酵素系として電解液に添加された場合の消費されたNADHの量と外部回路において生成された電子量との間の関係を示す。この条件下で、外部回路により取り除かれる電子量にかかわらず、わずかなNADHが消費されるか、または全く消費されない。換言すると、NADHは、電子を放出して、NADを形成し、次いで、添加された酵素の媒介を通してメタノールから電子を受容し、NADHを再生する。メタノールが電解液中に存在する限り、わずかなNADHが消費されるか、または全く消費されないこの状態は継続する。換言すると、電力発生は、メタノールが存在する間、持続する。
これらの実験または他の実験において、電解液中のNADHの濃度は、NADHのUV吸収スペクトルにおける340nm付近に存在するピークの強度により決定される。
本実施例において、二酸化スズ(SnO)を、酸化半導体として使用した。同様の評価を、粒子状TiOにおいて行い、SnOの代わりに粒子状金属酸化物(例えば、ZnOおよびTiO−WO)のフィルムを用いても同様の評価をすることが出来た。SnOを使用した評価もまた、光感作物質として化合物P1の代わりに化合物P2、P3、P4、P5およびP6に対して行った、これらの化合物はまた、光を照射された際に酸化剤および電子を生成する。結果として、これらの発電電池は、P1の動作特性に類似の操作特性を示す。
(実施例2 光電気化学電池(Gustら、WO 03/079480から)
発電電池を、実施例1で使用したのと同じ型の負極23、対極24としてプラチナ(Pt)および電解液において酸化還元メディエータとしてのNADP/NADPHを含むpH8.0の水性緩衝溶液により作製した。D−グルコース−6−リン酸(G−6−P)を、炭素含有燃料化合物として使用した。D−グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G−6−PDH)および6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ(6−PGDH)を、酵素系として使用した。
図6は、電解液から外部回路により除去された電子の量(横軸)と光照射の間に消費されたNADPHの量(縦軸)との関係を示すグラフである。記号白丸は、消費されたNADPHの量と燃料と酵素のない電解液を有する外部回路に注入された電子の量との関係を示す。この関係は、消費されたNADPHの量と生成された電子の量とが相互に比例的であることを示し、NADPHから放出された電子が、外部回路により除去されていることを例証している。記号黒丸は、消費されたNADPHの量と炭素含有燃料化合物としてのG−6−Pおよび上記酵素G−6−PDHを添加された電解液において除去された電子の量との関係を示す。消費されたNADPHの量が、著しく減少した。この結果は、NADPHが、電子を放出してNADPを生成し、その後G−6−Pからの電子を受け取って、添加した酵素の媒介によりNADPHを再生することを示す。消費されるNADPHの量は、外部回路によリ除去される電子の数にかかわらず、ほぼ一定である。この状態は、電解液にG−6−Pが存在する限り持続する。後の時間になってG−6−Pが完全にグルコノラクトン−6−リン酸に酸化される場合、消費されるNADPHの量は、再び上昇する。そのグルコノラクトン−6−リン酸は、電解液中で、6−ホスホグルコン酸(6−PG)に加水分解する。消費されるNADPHの量は、外部回路へと除去される電子の量に比例して増加する。6−PGDH(6−PGを酸化する酵素)を電解液に添加した場合、消費されるNADPHの量は、図6の記号白丸+により示されるように突然の低下を示す。電子は再び6−PG(燃料)によりNADPHを再生するために供給される。外部回路による電子の受領は6−PGが電解液に存在する限り持続する。
この実施例において、酸化物半導体は、酸化スズ(Sn0)であった。同様な評価が、粒子状のTiOまたはZnOおよびTiO−WOのような他の粒子状の酸化金属のフィルムについてなされ得る。
(実施例3 光電気化学電池(Gustら、WO 03/079480から)
発電電池を、実施例1で使用されている負極と同じ負極23、対極24としてプラチナ(Pt)、および電解液として0.5mMのNADHおよび10mMのNAD+を含むpH8.0の緩衝溶液によって作製した。エタノール(CHCHOH)を炭素含有燃料化合物として使用した。上記ニコチンアミド−アデニン−ジヌクレオチド共役対(NADH)/(NAD)を、酸化還元メディエータとして使用した。アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)およびアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)を、酵素系として使用した。
図7Aは、エタノールを含有する電解液における、経時的なNADHの濃度変化を示すグラフである。アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)酵素系を、60分後に電解液に添加した。図7Aにおいて、記号黒三角は、エタノールおよびADHを含有する発電電池における、NADHの濃度変化を示す。上記NADHの濃度は、外部回路により除去される電子の量および電解液中のエタノールの量により決定される値に到達するまで、光照射時間と共に増加する。逆に、記号黒丸は、電極はないが、発電電池におけるのと同じ条件下で添加されたADHを有する、容器に入れられた同一の電解液における、NADH濃度の変化を示す。図7Aにおいて、これらのデータは「コントロール」として記述されている。上記コントロールには電極が無いので、電子は外部回路により除去されない。電解液中のNADは、エタノールから電子を受け取りADHの媒介によりNADHに変換される。このように、NADHの濃度は時間と共に増加し続ける。
発電電池を、負極23、空気電極27およびエタノール,酵素系としてNADHおよびADHを含有する、pH8.0の電解液により作製した。日光で照射された場合、発電電池は、約0.65Vの電圧を有する光生物学的燃料電池として、作動する。
図7Bは、エタノールを含有し、後でアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)およびアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)を酵素系として添加された電解液におけるNADH濃度の経時的な変化を示す図である。
図7Bにおいて、灰色の白抜きの四角は、エタノールの添加後、しかしADHおよびALDHの添加前の発電電池におけるNADH濃度を示す。上記NADH濃度は、一定である。ADHおよびALDHの添加後(灰色塗りの四角)、上記NADH濃度は、外部回路により取られる電子の量ならびに電解液中のエタノールの量およびその酸化生成物であるアセトアルデヒドの量により決定される値に到達するまで増加する。黒の白抜きは、電極のない容器に入れられたエタノールを有する電解液中の、酵素添加前の、NADHの濃度の変化を示す。上記濃度は、一定である。発電電池と同じ条件下でADHおよびALDHを添加後、NADH濃度の上昇は、黒塗り四角で示される。図7Bにおいて、これらの後者のプロットを「コントロール」と同定する。コントロールは電極が無いので、電子は外部回路により除去されない。電解液中のNADは、エタノールおよびアセトアルデヒドから電子を受け取り,ADHおよびALDHの媒介により,NADHに変換される。このようにNADHの濃度は、時間と共に増加し続ける。
発電電池を、負極23、空気電極27、ならびにNADH、NAD、エタノールならびに酵素系としてADHおよびALDHを含有する電解液により作製した。日光に照射されると、発電電池は、約0.65Vの電圧を有する光生物学的燃料電池として作動する。
本実施例において、酸化スズ(SnO)を酸化物半導体として使用した。粒子状のTiOまたはSnOの代わりに、ZnOおよびTiO・WOのような他の粒子状の金属酸化物のフィルムで同じ評価がなされ得る。光増感化合物(光に照射されて酸化物と電子を生成する)としての化合物P1の代わりに、化合物P2、化合物P3、化合物P4、化合物P5および化合物P6についてもまた、同じ評価がなされ得る。
(実施例4 光電気化学電池(Gustら、WO 03/079480から)
発電電池を、実施例1で使用されている負極と同じ負極23、対極24としてプラチナ(Pt)、および電解液中にNAD+/NADH酸化還元メディエータを含むpH7.3の緩衝溶液により作製した。D−グルコースを、炭素含有化合物として使用した。D−グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を、酵素として使用した。
図8は、酵素系としてそこへ添加されたGDHを有する電解液から外部回路により除去された電子の量(横軸)と、光照射の間に消費されたNADHの量(縦軸)との関係を示すグラフである。記号白丸は、酵素の添加前であるが、D−グルコースは存在するときの消費されるNADHの量と、生成される電子の量との関係を示す。この関係は、消費されるNADHの量と電子の量とが互いに比例的であることを示し、これは上記NADHから放出される電子が、外部回路から除去されることを例証している。記号黒丸は、酵素系添加後の消費されるNADHの量と、電解液から外部回路に生成される電子の量との関係を示す。
酵素の添加前、NADHは、消費され、そしてNADに酸化され、同時に外部回路に電子が生成される。酵素の添加後、NADHは、再生され、見かけの消費される量は、元の量より僅かに低下する。言い換えると、NADHは電子を放出してNADを生成し、その後NADHを再生する酵素による触媒作用でD−グルコースから電子を受け取る。このように、酵素の存在下で、消費されるNADHの量は、それとともに取られる電子の数に係わらず、一定に維持される。この状態は、電解液にD−グルコースが存在する限り持続する。
本実施例では、酸化スズ(SnO)を、酸化物半導体として使用した。粒子状のTiO、ならびにSnOの代わりに、ZnOおよびTiO・WOのような他の粒子状の金属酸化物のフィルムで同じ評価がなされ得る。光増感化合物(光に照射されて酸化物と電子を生成する)としての化合物P1の代わりに、化合物P2、化合物P3、化合物P4、化合物P5および化合物P6について、同じ評価がなされ得る。
(光生物燃料電池を使用した水素の合成方法)
本発明は、光電アノードの出力側からの電流および燃料および補酵素NADまたはNADPおよび上で議論された光電アノードの入力成分を準備する関連酵素を使用する、水素のインサイチュ合成の方法からなる。
プロトンと電子からの水素の合成を触媒する触媒は、水素を生成するのに十分な電気化学的電位が提供されるような電気伝導体または他の適切な手段により、以前に開示された電池に使用される光電アノードに取り付けられる。図9を参照のこと。
生成される水素は、以前に開示された光生物燃料電池の燃料成分の改質から発生すると考えられ得る。水素生成のためのエネルギーは、光電アノードおよび任意の関連する補助的アンテナ系により吸収される光および以前に開示された電池の燃料供給源に固有のエネルギーの両方から発生する。記載された上記方法は、炭素含有廃棄物質および低エネルギー含量の燃料を含む種々の燃料供給源を、水素の形態の価値ある燃料に変換するのに有用である。燃料供給源としては、脂肪、炭化水素、炭水化物、タンパク質および光電アノードにより、直接または間接的に酸化される任意の物質が挙げられるが、これらに限定されない。
作動するために、水素生成のための触媒は、適度のpHにおける水溶液からのプロトン源および水素を生成するのに十分な還元電位(pH7でE1/2=−0.42)を有する電子源を持つ必要がある。ヒドロゲナーゼ酵素が、そのような触媒の例であって、非常に種々の生物体で見出され、そしてそれはプロトンおよび電子からの水素の生成の触媒をする。他の触媒としては、E−TEK Pt/Cのような種々のプラチナベースの物質が挙げられる。他の適切な触媒は、当業者には明らかである。
本方法の基礎は、光電気化学燃料電池である。燃料電池は、二つの半電池の中で発エルゴン酸化還元化学反応を行っており、生じるエネルギーを使用し、起電力を発生させ、そしてアノードとカソードの間に流れる電流を発生させる。本発明では、光電アノードからの電子の流れは、カソードから触媒へと転送され、プロトンと電子からの水素の生成を触媒する。上記デバイスは、以下:
a.水性媒体中で作動する色素感受性のナノ粒子光電アノードからなる電気化学的半電池であって、この電気化学的半電池は、光電アノードの光酸化色素に電子を提供し、それによって自身は酸化される還元剤NADHまたはNADPHを含む。この半電池はまた、適切な酵素と合同して、NADHもしくはNADPHレベルを維持するために還元等量を提供する適切な還元炭素または他の燃料物質を含む。
b.任意の分類のヒドロゲナーゼとして公知の水素生成酵素を含む、水素生成のための触媒に電気的に連結した第2電極。その触媒を担持している電極は、電気伝導体により光電アノードに繋がれ、光電アノード区画にあり得るか、または膜、フリットもしくは塩矯のような半透過デバイスを経由して光電アノード半電池に結合され得る。
c.適切な光源
からなるハイブリッド電気化学燃料電池である。
(半電池機能の詳細)
(光電アノード)
光電アノードの一成分(図9の左側)は、導電性表面であり、光に対して透明であり得る。スズドープ酸化インジウム(Indium tin oxide)でコートしたガラスもしくは溶融シリカまたはフッ素ドープ酸化スズ(fluorine tin oxide)でコートしたガラスもしくは溶融シリカ、は透明導電物質の例である。この物質の表面は、広帯域ギャップ半導体ナノ粒子の層で覆われている。適切な物質の例としては、二酸化スズおよび二酸化チタンである。上記ナノ粒子の表面上に、光吸収増感色素(図9のS)の層が沈着される。この物質は、電池が使用される励起源が、顕著な光子束を有するスペクトル領域における、光を吸収する。その最低励起状態(一重項、三重項)のいくつかのエネルギーおよびその第一酸化電位は、一重項状態または三重項状態が、エネルギー的にSを発生するナノ粒子性表面に電子を注入できるようなものである。この事象は、酸化された増感剤、S、およびナノ粒子層を通って上記導電体表面に、従って外部電子回路に移動する、可動性電子の生成につながる。増感剤Sは、適切な効率で上記励起状態のSがナノ粒子層に電子を注入することを動力学的に可能ならしめる構造配置において、ナノ粒子の表面に結合させ得る機能を担持する。
(酸化還元共役対)
酸化還元共役対は、NADH/NADまたはNADPH/NADPからなり、どの種が上記燃料物質を酸化することに対して活性があるかに依存する。混合物を種々の燃料供給源に適応する適切な酵素で、使用され得る。電池は、上記光電アノードの発光時に作動するので、存在するNADHもしくはNADPHは、NADもしくはNADPに変換される。このプロセスにおいて、二つの電子が酸化型増感剤Sにより、NADHもしくはNADPHから除去され、Sが再生され、電子が外部回路を通る。適切な酵素と協調して、上記燃料物質はNADHまたはNADPHを再生し、それら自身は酸化される。このように、Sは光触媒としてリサイクルされ、NADHまたはNADPHはリサイクルされ、上記回路を通って流れる電子は、プロトンから水素を生成するヒドロゲナーゼにより使用される。
(電解液)
半電池の電解液は、本来は水性で、光電アノード、酸化還元共役対およびヒドロゲナーゼが、上記の如く機能できるような環境を提供する。上記電解液は、任意の必要な緩衝液、塩または電池の安定な作動を確実にするのに必要な他の物質を含む。
(触媒)
適切な電気回路を通って光電アノードから触媒へ流れる電子は、化学反応式:2H+2e→Hに従って、プロトンと電子から水素の合成を引き起こすのに十分な還元電位を有する。水素生成のための全ての触媒の中で、上記ヒドロゲナーゼ酵素としては、Escherichia coli、Nostoc muscorum、Rhodospirillum rubrum、Rhodobacter Capsulatus、Chromatium vinosumなどのような生物体由来の[Ni、Fe]ヒドロゲナーゼが挙げられるが、決してこれらに限定されない。Clostridiium acetobutylicumおよび他のような生物体由来の[Fe]ヒドロゲナーゼもまた、使用され得る。上記ヒドロゲナーゼ電極の連結は、Reshadら(Biochemistry 38、8992〜8999(1999))または当業者に理解される改変電極および分子レベルでの電気接触技術を含む他の適切な手段により、記載され得る。
(配置)
本発明は、図9に示されるように単独で、光電アノードと以前に記載した燃料供給源または上述のように、太陽光生物燃料電池において、酸素還元カソードと平行に針金で接続され、使用され得る。特定のヒドロゲナーゼ酵素は、酸素の存在下で、それらが阻害されるという点において自己調節するので、これは可能である。酸化条件下で、上記デバイスは、光電アノードからカソードへ電流を流す、光エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイスとして作動する。酸素が存在しないときまたは酸素濃度が低い場合、カソード(酸素が消費される)への電流は、は遅く、ヒドロゲナーゼ酵素の酸素阻害は減少し、水素合成は加速される。この態様で機能すると、水素はエネルギー貯蔵媒体であり、その系は適切なエネルギー濃度で固体状態の貯蔵媒体を取り込み得る。
暗時または重電流需要下では、生成され、そして貯蔵される水素は、ヒドロゲナーゼにより酸化され、電子をアノードに供給し、それにより光生物燃料電池による電子の光触媒生成にとって換わる。あるいは、この水素酸化は、光電アノードの発光および燃料の消費に加えて使用され得、従って光生物燃料電池の出力を増強する。この態様による作動は、酸素耐性ヒドロゲナーゼまたはヒドロゲナーゼ酵素からの酸素を排除する手段が要求され、この意味で上記の議論された自己調節作動に取って換わるものである。
(実施例1−水素生成の量子収率、TPP−COOH光電アノードからETEK Pt/Cカソード)
A)実験準備
1)Nafion N−112プロトン交換膜により分離された二つの区画の電池。
2)初期アノード溶液:15ml:250mM Tris−HCL pH8。
3)初期カソード溶液:3ml:250mM Tris−HCL pH8。
4)7mm×24mm片のLT 140E−W低温ELATガス拡散電極、織布(De Nora North America Inc,E−TEK Division)上のPt電極を含むマイクロポーラス層を、カソード電池に挿入した。
5)両溶液を、Arで、1時間バブルした。
B)プラチナ表面活性化
1)Arをカソード電池から除去した。カソード電池を、Thermogreen LB−2隔壁(Supelco)でシールした。
2)白地TiO/FTOアノード(ECN)を、アノード電池に挿入した。アノード電池は、実験中ずっとArバブルをした。
3)電極を、Keithley617電位計を通して接続して電流を測定した。
4)上記TiOアノードを、Xeアークランプおよび短パスフィルター(λ<1100nm)で20分間発光させた。
C)TPP−COOH光電アノードからの水素生成
1)上記ブランクTiO/FTOアノードを、上記アノード電池から除去した。43mgのNADHをアノード溶液に添加して、上記アノード溶液中でほぼ4mM NADHにした。
2)TPP−COOH(ポルフィリン)処理TiO/FTO光電アノードを、背後からの照射のために上記アノード電池に挿入した。
3)上記カソード頭隙気体(カソード電池は密封されたまま)をArに交換して、上記活性化時間の間に生成された全ての水素を除去した。
4)上記光電アノードを、520nm単色光源(1.98mW/cm)で140分間照射した。通過した電流を、全体を通して測定した。
5)この照射プロセスの間、水素を、20分間隔で測定した。各水素測定は、0.7ccのArを上記カソード電池に注入する工程、その後の0.7ccの頭隙気体の回収を包含した。上記頭隙気体サンプルを、ガスクロマトグラフィー(Varian 3800−CP)によって分析した。結果を図10に示す。
D)量子収率計算
フォトダイオード電流=242.5マイクロアンペア
光強度(mW/cm)=((242.5E−6A/0.2928A/W)1000)/0.419cm=1.98mW/cm
溶液中のPA領域=2.475cm
入射mW全体=(1.98mW/cm(2.475cm)=4.90mW
光子/秒=[(4.90mW)(520nm)1013]/1.987=1.28E16光子/秒
IPCE:
0分〜140分(8400秒)
1.56マイクロモルの生成された水素
中の3.12E−6mol電子
中の1.88E18電子
0分〜140分(8400秒)
(1.28E16光子/秒)8400秒=1.07E20光子
IPCE=(H中の1.88E18電子)/(1.07E20入射光子)=0.0176
LHE=1−(10−A
光電アノードの520nmでの吸収=0.210
LHE=1−(10−0.120)=0.383
量子収率=IPCE/LHE=0.0176/0.383=0.0460
量子収率=4.6%。
(光生物学的燃料電池閉鎖系における、低価値有機物質の変換)
別の実施形態において、本発明は、上記の太陽エネルギーおよび光電アノード系を用いた、閉鎖系における低価値/低エネルギーの有機物質から高価値/高エネルギーの有機物質へのインサイチュ変換のための方法を含む。上記光電アノードの出力側からの電流、および上記燃料、および補酵素NADまたはNADP、および上記光電アノードの入力成分を構成する関連酵素を用いる水素の合成は、上記で議論されるとおりである。
プロトンと電子からの水素合成を触媒するヒドロゲナーゼ酵素は、電気伝導体または他の適切な手段を用いて、上記される電池において用いられる光電アノードに結合され、それにより、充分な電気化学的電位が提供されて、還元区画において水素を生成する(図12を参照のこと)。この還元区画は、半透過性デバイスによって上記光電アノード区画に連結され、そして、水素生成を担うヒドロゲナーゼ酵素に加えて、補酵素NADPを利用する第2のヒドロゲナーゼを含む。この第2のNADP依存型ヒドロゲナーゼは、上記ヒドロゲナーゼ保持電極によって生成される水素を消費し、上記プロセスにおいて、NADPをNADPHへと還元し、そして、水素イオンを遊離させる。上記NADPHは、使用されて、他の酵素(例えば、オキシドレダクターゼ酵素)に還元力を提供し、これらの酵素は、それらの基質とともに、上記還元区画に存在しても別個の区画に存在してもよい。これらの酵素は、NADPHの還元力を使用して、有用な高価値/高エネルギーの生成物を合成する。
生成された水素は、既に開示された光生物学的燃料電池の燃料成分の改質から得られるものと考えられ得る。上記水素生成のためのエネルギー、そして従って、NADPH生成のためのエネルギーは、上記光電アノードおよび任意の関連する付随するアンテナ系によって吸収される光、ならびに既に開示された電池の燃料源に固有のエネルギーの両方から得られる。記載される方法は、それが、閉鎖系において還元された炭素化合物の形態にある、種々の燃料源(炭素含有廃棄物質および低エネルギー含有燃料を含む)を価値のある燃料または化学物質に変換するという点で、有用である。上記燃料源としては、脂肪、炭化水素、炭水化物、タンパク質および上記光電アノードによって直接的または間接的に酸化される任意の物質が挙げられるが、これらに限定されない。このシステムにおいて、太陽エネルギーの入力は、上記酸化区画と還元区画との間に、酸化還元平衡の化学電位差を与える。この化学電位は、上記酸化区画における低価値/低エネルギー燃料の、上記還元区画における高価値/高エネルギー化合物への最終的な変換のために、利用可能である。これは、各区画において、上記物質の酸化還元状態のみが変化するという点で、閉鎖系であり得る。例えば、メタノールは、上記還元区画においてメタンに還元され、共同して、アルデヒドは、上記酸化区画において酸に酸化される。
ヒドロゲナーゼ酵素は、広範な種々の生物体において見出され、そしてプロトンおよび電子からの水素の形成を触媒する。作動するために、それらは、緩和なpHの水溶液からのプロトン源および水素を形成するために充分な還元電位(pH7でE1/2=−0.42V)を有する電子源を有さなければならない。
NADP依存型ヒドロゲナーゼ酵素(また、NADP連結型ヒドロゲナーゼ酵素としても公知)は、広範な種々の生物体に存在し、そして分子水素によって、NADPのNADPHへの還元を触媒する。
NADP依存型オキシドレダクターゼ酵素(また、NADP連結型オキシドレダクターゼ酵素としても公知)は、広範な種々の生物体に存在し、そして生合成代謝経路において、NADPHによって特定の炭素含有化合物の還元を触媒する。所望される正確な生成物は、上記電池の還元区画において用いられる必要な基質および特定のNADP依存型酵素の存在によって決定される。これらの酵素は、右の上記還元区画におけるNADP連結型オキシドレダクターゼとして、図12に示される。
上記方法の基礎は、2つの区画に分割された光電化学燃料電池である。燃料電池は、2つの半電池において酸化化学反応および還元化学反応を実施し、そして結果として生じるエネルギーを使用して、起電力およびアノードとカソードとの間を流れる電流を生じる。本発明において、上記光電アノード区画(図12の左の酸化区画)からの電子の流れは、上記カソードから酵素へと向けられ、右の上記還元区画において、プロトンと電子からの水素の形成を触媒する。この酵素は、NADP依存型ヒドロゲナーゼとともに、別個の区画である上記還元区画に配置され、上記アノード区画と共役する。この区画における酸化還元平衡は、上記光電アノードが光に曝され、そしてそれが機能するために必要な全ての上記構成要素が存在する場合に、高度に還元に傾ける。上記デバイスは、ハイブリッド電気化学燃料電池であり、このデバイスは、以下からなる:
a.水性媒体中で作動する色素感受性ナノ粒子光電アノードからなる、電気化学半電池であって、この電気化学半電池は、電子を上記光電アノードにおいて上記光酸化色素に付与し、それによってそれ自体は酸化される還元剤NADHまたはNADPHを含む、電気化学半電池。この半電池はまた、適切な酵素(NADHレベルまたはNADPHレベルを維持する還元当量を提供する)と組み合わせて適切な還元炭素または他の燃料物質を含む。光中で、この区画の上記酸化還元平衡は、高度に酸化に傾く。それは、図12において左に示される。
b.上記酸化区画における上記光電アノードおよびヒドロゲナーゼとして公知の任意のクラスの水素生成酵素に電気的に結合される、第2の電極。このヒドロゲナーゼ保持電極は、電気伝導体によって上記光電アノードに繋がれるが、右に示される別個の区画に配置し、そして半透過性デバイス(例えば、膜、フリットまたは塩橋)を介して上記光電アノード半電池区画に結合される。上記ワイアまたは電気伝導体および上記半透過性膜/フリット/塩橋は、上記2つの区画を一緒に共役するために役割を果す。上記光電アノードを化学作用光に曝すことは、この区画の上記酸化還元平衡を高度に還元に傾ける。
c.光電アノードに繋げられたヒドロゲナーゼを含む区画は、また、NADP依存型ヒドロゲナーゼを含む。この酵素は、式NADP+H−+NADPH+Hに従って、NADP+のNADPHへの同時還元を伴う水素のプロトンへの変換を触媒する。高還元電位でのNADPHの生成は、高価値/高エネルギーの化合物の合成を可能にする。
d.合成されるべき化合物は、さらなる特定の酵素であるNADP連結型オキシドレダクターゼ、またはNADPHおよび必要であり得る他の基質によって提供される還元電位を利用することによって、問題の生成物の形成を触媒する酵素の存在によって決定される。
e.適切な光源。
(電池機能の詳細)
(光電アノード)
上記光電アノード(図12の左)の1つの構成要素は、導電性表面であり、この導電性表面は、光に対して透過性であり得る。スズドープ酸化インジウムコーティングガラスまたはスズドープ酸化インジウムコーティング溶融シリカは、透過性伝導材料の例である。この材料の表面は、広帯域ギャップの半透過性ナノ粒子の層で覆われている。適切な材料の例は、二酸化スズおよび二酸化チタンである。上記ナノ粒子の表面上に、光吸収増感色素(図12におけるS)の層が堆積される。この物質は、上記電池が使用される励起光源が顕著なプロトン束を有するスペクトル範囲の光を、吸収する。その最低励起状態(一重項、三重項)のうちのいくらかのエネルギーおよびその第1の酸化電位は、上記一重項または三重項が、電子を上記ナノ粒子表面に注入して、Sを生じることが、エネルギー的に可能であるようなものである。この事象は、上記酸化増感剤S、および上記ナノ粒子層を通って上記導電性表面へ、そして従って、外部の電気的回路へと移動する可動性電子の形成を引き起こす。上記増感剤Sは、適切な効率で電子をナノ粒子層に注入することが動力学的に可能なSの励起状態を与える構造的な配置において、ナノ粒子の表面に結合することを可能にする機能を所持している。
(酸化還元共役対)
酸化還元共役対は、どちらの種が、酸化されるべき燃料物質に対して活性であるかに依存して、NADH/NADまたはNADPH/NADPからなる。混合物は、種々の燃料源に適応する適切な酵素とともに使用され得る。上記電池が、上記光電アノードの照射の際に作動すると、存在するNADHまたはNADPHは、NADかまたはNADPかに変換される。このプロセスにおいて、2つの電子が、上記酸化増感剤SによってNADHまたはNADPHから除かれ、Sを再生し、そして電子は、上記外部回路を通って通過する。上記燃料物質は、適切な酵素と協力して、上記NADHまたはNADPHを再生し、そしてそれ自体は酸化される。従って、Sは、光触媒として再利用され、そしてNADHまたはNADPHは、再利用され、そして上記回路を通って流れる電子は、上記ヒドロゲナーゼによって使用されて、プロトンから水素を生成する。
(電解液)
上記半電池の電解液は、本質的には水性であり、上記光電アノード、酸化還元共役対およびヒドロゲナーゼが、上記のように機能し得る環境を提供する。上記電解液は、任意の必要な緩衝液、塩または上記電池の安定な作動を確実にするために必要な他の物質を含む。上記電解液は、上記2つの区画において異なり得、そして各区画において、上記酸化還元酵素の性能に対して最適化され得る。
(ヒドロゲナーゼ酵素)
適切な電気コンジットを通って、上記光電アノード電子から上記ヒドロゲナーゼ(例えば、図12におけるNiFeヒドロゲナーゼ)へと流れる電子は、化学方程式:2H+2e−→Hに従ってプロトンおよび電子から水素の合成を駆動するために充分な、還元電位を有する。上記ヒドロゲナーゼ酵素としては、例えば、Escherichia.coli、Nostoc muscorum、Rhodospirillum rubrum、Rhodobacter capsulatus、Chromatium vinosumなどのような生物体由来のNiFeヒドロゲナーゼが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Clostridiium acetobutylicumなどのような生物体由来のFeのみのヒドロゲナーゼもまた、使用され得る。上記ヒドロゲナーゼ電極結合は、Reshadら(1999)Biochemistry 38:8992−8999によって、または改変電極および分子レベルの電気的接触技術を含む他の適切な手段によって記載されるようであり得る。
(NADP連結型ヒドロゲナーゼ酵素)
電子は、上記のように生成された水素によって、この触媒へと運ばれ、そして使用されてNADPをNADPHへと還元する。必要な還元電位は、水素を介して上記光電アノードによって提供され、そしてNADP/NADPH酸化還元共役対の還元を平衡に保つために充分である。
(NADPH連結型オキシドレダクターゼ酵素)
広範な種々のこれらの酵素は、生存生物体の還元的生合成経路において見出せる。選択される具体的な1つは、所望される高い値/エネルギーの還元される炭素含有化合物に依存する。
(配置)
本発明は、上記に記載のように、既に開示されたか、または太陽光生物学的燃料電池の還元区画において酸素還元カソードと並行に繋がれた、上記光電アノードおよび燃料源を用いて、図12に示されるように使用され得る。これは、特定のヒドロゲナーゼ酵素は、酸素の存在下ではそれらが阻害されるという点で自己調節性であることから、可能である。酸化的条件において、上記デバイスは、上記光電アノードから上記カソードへの電流を有する光エネルギーから電気エネルギーへの変換デバイスとして作用する。酸素が存在しない場合または酸素濃度が低い場合、上記カソードへ流れる電流は、(酸素が消費される場合に)遅く、上記ヒドロゲナーゼ酵素の酸素阻害は、減少され、そして水素合成およびNADPH生成は、促進される。この様式で、機能すると、上記還元区画において、水素およびNADPHおよび還元される燃料化合物は、エネルギー貯蔵媒体であり、そして上記系は、水素に対する適切なエネルギー密度のための固体状態の媒体を組み込み得る。
暗所においてかまたは大量の電流が要求される場合、生成され、そして貯蔵される水素および還元される燃料化合物は、それぞれ、上記ヒドロゲナーゼおよびNADPH連結型オキシドレダクターゼによって酸化され、そして上記アノードに電子を提供して、それによって、上記光生物学的燃料電池によって電子の光電触媒的生成を置換する。あるいは、このプロセスは、上記光電アノードの照射および燃料消費に加えて使用され得、従って、上記光生物学的燃料電池の出力を増大する。この様式での操作は、ヒドロゲナーゼに耐性の酸素または上記ヒドロゲナーゼ酵素から酸素を除く手段を必要とし、そしてこの意味において、上記で議論された自己調節性操作に対して代替的である。
本発明は、特定の好ましい実施形態に対する参照によって詳細に記載されるが、本発明はそれらの正確な実施形態に限定されないことが、理解されるべきである。むしろ、本発明を実施するための現在の最も良い様式を記載する本開示に照らし合わせて、多くの改変および変更が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者にそれらの改変および変更を示す。特に、本発明は、当業者に理解されるように変化し得るように記載された、特定の方法論、プロトコール、細胞株、動物の種または属、構成および試薬に限定されないことが、理解されるべきである。
図1は、酵素および酸化還元メディエータ(R)の存在下での、光増感剤(S)による炭素含有化合物(燃料)の光電電気化学酸化を示す概略図である。 図2は、上記光電化学特性および電池特性の評価において使用される発電電池の構造を示す図であり、ここで、参照番号21は、発電電池を示し、参照番号22は、シリコーンプラグを示し、参照番号23は、負極を示し、参照番号24は、対極を示し、参照番号25は、基準電極を示し、参照番号26は、電解液を示し、そして参照番号27は、空気電極を示す。 図3は、上記発電電池の電流−電圧特性を示す図である。 図4は、酵素およびメタノールの種々の組み合わせを含む溶液中の、時間に対するNADH濃度の変化を示す図である。 図5は、上記発電電池の上記電解液において消費されるNADHの量と、上記外部回路によって上記発電電池から除去される電子の量との間の関係を示す図である。 図6は、上記発電電池の上記電解液において消費されるNADPHの量と、上記外部回路によって上記発電電池から除去される電子の量との間の関係を示す図である。 図7Aは、上記発電電池の上記電解液における、経時的なNADH濃度の変化を示す図であり;図7Bは、上記発電電池の上記電解液における、経時的なNADH濃度の変化を示す図である。 図7Aは、上記発電電池の上記電解液における、経時的なNADH濃度の変化を示す図であり;図7Bは、上記発電電池の上記電解液における、経時的なNADH濃度の変化を示す図である。 図8は、上記発電電池の上記電解液において消費されるNADHの量と、上記外部回路によって上記発電電池から取り出される電子の量との間の関係を示す図である。 図9は、本発明の1つの実施形態を示す概略図であり、ここで、光生物学的燃料電池は、触媒とともに使用されて、水素を生成する。 図10は、本発明の実施に従う光生物学的燃料電池において生成される水素の量を、クローンの関数および時間の関数として示すグラフである。光電アノードおよびE−TEK Ptカソード、520nm照射、電子供給源としてのNADH。 図11Aは、光電アノードに対して、活性化E−TEK Ptの電池電流を示すグラフである、λ=520nm、電子供給源としてのNADH;図11Bは、TiO/FTO光電アノードにおけるTPP−COOHの吸収、ブランクTiO/FTOベースラインを示すグラフである。 図12は、本発明の別の実施形態の概略図であり、ここで、光生物学的燃料電池は、閉鎖系において、低価値/低エネルギー有機物質を高価値/高エネルギー物質に変換する(covert)ために使用される。

Claims (47)

  1. 水素を生成するための方法であって、該方法は、以下:
    光生物燃料電池を提供する工程であって、該光生物燃料電池は、以下:
    a.水性媒体中で作動する色素増感された光電アノードを含む電気化学的半電池であって、該媒体は、NADH、燃料、および酵素を含み、該酵素は、NADHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;
    b.電極であって、該電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体により該光電アノードに接続される、電極;および
    c.光源、
    を含む、工程;ならびに
    光を用いて該光電アノードを照らし、それによって水素を生成する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記光電アノードが、スズドープ酸化インジウムでコーティングされたガラスを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記光電アノードが、さらに、半導体ナノ粒子の層を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ナノ粒子が、酸化スズを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ナノ粒子が、二酸化チタンを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記光電電極が、スズドープ酸化インジウムでコーティングされた溶融シリカを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記光電電極が、さらに、半導体ナノ粒子の層を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ナノ粒子が、酸化スズを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ナノ粒子が、二酸化チタンを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記触媒が、ヒドロゲナーゼである、請求項1に記載の方法。
  11. 前記デドロゲナーゼが、NiFeヒドロゲナーゼである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記触媒が、白金を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記触媒が、E−TEK Pt/Cである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記触媒結合電極が、光電アノード半電池内に含まれる、請求項1に記載の方法。
  15. 前記触媒結合電極が、半透性デバイスを介して光電アノード半電池に結合される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記半透性デバイスが、膜、フリット、および塩橋からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記燃料が、還元炭素である、請求項1に記載の方法。
  18. 水素を生成するための方法であって、該方法は、以下:
    光生物燃料電池を提供する工程であって、該光生物燃料電池は、以下:
    a.水性媒体中で作動する色素増感された光電アノードを含む電気化学的半電池であって、該媒体は、NADPH、燃料、および酵素を含み、該酵素は、NADPHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;
    b.電極であって、該電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体により該光電アノードに接続される、電極;および
    c.光源、
    を含む、工程;ならびに
    光を用いて該光電アノードを照らし、それによって水素を生成する工程、
    を包含する、方法。
  19. 前記光電アノードが、スズドープ酸化インジウムでコーティングされたガラスを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記光電電極が、さらに、半導体ナノ粒子の層を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ナノ粒子が、酸化スズを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記ナノ粒子が、二酸化チタンを含む、請求項20に記載の方法。
  23. 前記光電電極が、スズドープ酸化インジウムでコーティングされた溶融シリカを含む、請求項18に記載の方法。
  24. 前記光電電極が、さらに、半導体ナノ粒子の層を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記ナノ粒子が、酸化スズを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ナノ粒子が、二酸化チタンを含む、請求項24に記載の方法。
  27. 前記触媒が、ヒドロゲナーゼである、請求項18に記載の方法。
  28. 前記ヒドロゲナーゼが、NiFeヒドロゲナーゼである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記触媒が、白金を含む、請求項27に記載の方法。
  30. 前記触媒が、E−TEK Pt/Cである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記触媒結合電極が、光電アノード半電池内に含まれる、請求項18に記載の方法。
  32. 前記触媒結合電極が、半透性デバイスを介して光電アノード半電池に結合される、請求項18に記載の方法。
  33. 前記半透性デバイスが、膜、フリット、および塩橋からなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記燃料が、還元炭素である、請求項18に記載の方法。
  35. 低エネルギー有機物質を高エネルギー物質に変換するための方法であって、該方法は、以下:
    電気化学燃料電池を提供する工程であって、該電気化学燃料電池は、以下:
    a.水性媒体中で作動する色素増感されたナノ粒子の光電アノードを含む電気化学的半電池であって、該媒体は、NADH、低エネルギー燃料物質、および酵素を含み、該酵素は、NADHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;
    b.電極、NADP依存性ヒドロゲナーゼ、触媒、およびNADP依存性オキシドレダクターゼ酵素を含む区画であって、該電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体により該光電アノードに接続され、ここで該区画は、半透性デバイスにより該電気化学的半電池に結合される、区画;および
    c.光源、
    を含む、工程;ならびに
    光を用いて該光電アノードを照らし、それによって該低エネルギー燃料物質を高エネルギー燃料物質に変換する工程、
    を包含する、方法。
  36. 前記触媒が、ヒドロゲナーゼを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記ヒドロゲナーゼが、NiFeヒドロゲナーゼである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記触媒が、白金を含む、請求項35に記載の方法。
  39. 前記触媒が、E−TEK Pt/Cである、請求項38に記載の方法。
  40. 低エネルギー有機物質を高エネルギー物質に変換するための方法であって、該方法は、以下:
    電気化学燃料電池を提供する工程であって、該電気化学燃料電池は、以下:
    a.水性媒体中で作動する色素増感されたナノ粒子の光電アノードを含む電気化学的半電池であって、該媒体は、NADPH、低エネルギー燃料物質、および酵素を含み、該酵素は、NADPHレベルを維持するために、減少する当量を提供するために選択される、電気化学的半電池;
    b.電極、NADP依存性ヒドロゲナーゼ、触媒、およびNADP依存性オキシドレダクターゼ酵素を含む区画であって、該電極は、触媒に電気的に結合され、かつ電気伝導体により該光電アノードに接続され、ここで該区画は、半透性デバイスにより該電気化学的半電池に結合される、区画;および
    c.光源、
    を含む、工程;ならびに
    光を用いて該光電アノードを照らし、それによって該低エネルギー燃料物質を高エネルギー燃料物質に変換する工程、
    を包含する、方法。
  41. 前記触媒が、ヒドロゲナーゼを含む、請求項40に記載の方法。
  42. 前記ヒドロゲナーゼが、NiFeヒドロゲナーゼである、請求項41に記載の方法。
  43. 前記触媒が、白金を含む、請求項40に記載の方法。
  44. 前記触媒が、E−TEK Pt/Cである、請求項43に記載の方法。
  45. 前記光電アノードが、フッ素酸化スズコーティングされた溶融シリカを含む、請求項1に記載の方法。
  46. 前記光電アノードが、フッ素酸化スズコーティングされたガラスを含む、請求項18に記載の方法。
  47. 前記光電アノードが、フッ素酸化スズコーティングされた溶融シリカを含む、請求項18に記載の方法。
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