JP3973376B2 - 空気浄化機能付収納体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動棚、固定棚、収納棚、陳列棚、クローゼット、靴箱、納戸等の収納体に関し、詳しくは、収納物を収納するための収納部と、収納物を出し入れするための開口とを有し、且つ、収納体の収納部内の空気を浄化する機能を備えた空気浄化機能付収納体に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記移動棚、固定棚、収納棚、陳列棚、クローゼット、靴箱、納戸等の収納体は、図書館、文化財保存館、公文書館、資料館、倉庫、番庫、病院、地下貯蔵庫、美術館、商店、デパート、スーパーマーケット、公衆トイレ等において広く用いられている。
上記収納体としては、その収納部の少なくとも収納物を出し入れする開口部が常時開放された構成のオープンタイプの収納体や、該開口部を開閉するための扉が配設された構成のクローズタイプの収納体などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記オープンタイプの収納体においては、前記クローズタイプの収納体と比較した場合、扉がないため、扉を開閉するための余分なスペースが不要であるとともに、扉が収納物の出し入れの際に邪魔になったりすることもない。その反面、収納部の常時開放された開口部を通して、大気中に浮遊している黴の胞子、バクテリア、花粉、塵埃、ダニの死骸等の微粒子や、蛾、蜘蛛などの害虫がその収納部内に侵入し易い。
【0004】
一方、上記クローズタイプの収納体においては、扉を閉鎖しておくことによって、収納部の開口部からの上記微粒子や害虫等の侵入をある程度防止することはできるが、この収納体においても、扉の開閉時や収納物を出し入れする際の、収納部への上記微粒子や害虫等の侵入を防止することは難しい。
また、このクローズタイプの収納体では、扉が閉鎖されることによって、その収納部内の空気と、新鮮な外気との交換が遮断されるため、収納部内の空気が汚染され易い。
【0005】
このため、この種従来の収納体では、その収納部の開口部を通して侵入した上記微粒子や害虫、あるいは収納部内の汚染した空気の影響によって、収納部に収納された収納物の品質が低下し、また、収納部内の空気や収納物が悪臭を発するという問題点があった。
【0006】
本発明は、収納部の開口部からの微粒子や害虫等の侵入、および収納部内の空気の汚染を防止することができる空気浄化機能付収納体の提供を目的とする。
本発明はまた、収納体内部および収納体周辺の空気を浄化することができる空気浄化機能付収納体の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、収納物を収納するための収納部と、収納物を出し入れするための開口部とを有し、この開口部が常時開放されているオープンタイプの収納体において、上記収納部内の空気を吸入するための吸気口を有する吸気経路と、上記吸気口から上記吸気経路内に導入された空気を排出するための排気口を有する排気経路と、上記吸気経路及び上記排気経路を通して上記収納部内の空気を周辺の空気とともに循環させ収納体内部および収納体周辺の空気を集塵フィルタに通して浄化するための空気浄化手段と、を備え、収納体は収納物を載置する棚板に排気経路が形成されてなる棚板兼用排気ダクトを有し、上記棚板兼用排気ダクトは、上記排気経路から水平方向に空気を排出する排気口と、この排気口から排出される空気の流れを一旦阻止する内側面と、この内側面で阻止されて流速が弱められた空気を下向きに排出する第2の排気口を有し、上記第2の排気口から上記開口部に沿って空気が流れてエアーカーテンが形成されこのエアーカーテンの空気層が棚を包み込むように構成されていることを特徴とする。
【0008】
この空気浄化機能付収納体においては、上記エアー循環手段により上記吸気口から上記吸気経路内に導入された上記収納部内の空気が、上記エアーフィルタによって浄化される。そして、このエアーフィルタによって浄化された空気が、上記排気経路を通して上記排気口から上記収納体の開口部の開口面に沿って排出される。これにより、収納体の開口部に沿って、上記エアーフィルタによって浄化された空気の流れからなるエアーカーテンが形成される。すなわち、この空気浄化機能付収納体においては、上記エアーフィルタによって、収納体の収納部内に浮遊している黴の胞子、バクテリア、花粉、塵埃、ダニの死骸等の微粒子が捕集されて、収納体の収納部内の空気が浄化される。また、この空気浄化機能付収納体においては、上記エアーカーテンによって、その収納部内への蛾、蜘蛛などの害虫の侵入が阻止される。
排気口から排出される空気の流速は棚板の内側面に阻止されて弱められ、第2の排気口から排出されるため、この空気流が収納物に当たっても風害が軽減される。また、第2の排気口から排出される空気流は斜め下方に、収納体外に向かって排出されるため、収納物に当たる排気量が少なく、この点からも風害が軽減される。
【0010】
この空気浄化機能付収納体においては、前記エアーフィルタによって浄化された空気が、上記エアーダクトに形成されている排気口から排出される。該エアーダクトは上記開口部に配設されているので、その排気口から排出された空気が、上記収納体の正面に形成されている開口部を覆うように流れる。これにより、収納体の開口部に沿って、上記エアーフィルタによって浄化された空気の流れからなるエアーカーテンがより確実に形成される。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の空気浄化機能付収納体において、上記エアー循環手段により循環される空気の循環速度が、0.5m/sec以下に設定されていることを特徴とする。
【0012】
一般に、上記エアー循環手段により循環される空気の循環速度が、0.5m/secよりも大きくなると、収納体の収納部に収納される収納物によっては、収納物が風害によって劣化したり、風化したりする虞があるといわれている。そこで、この空気浄化機能付収納体においては、エアー循環手段により循環される空気の循環速度を、0.5m/sec以下に設定した。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の空気浄化機能付収納体において、上記収納体は上記収納部の側面に沿って上下方向に配設された複数本の支柱を有し、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトが、上記支柱の間に配設されていることを特徴とする。
【0018】
この空気浄化機能付収納体においては、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトが、上記収納部の側面に沿って上下方向に配設された複数本の支柱の間に配設されているので、上記収納体のデッドスペースを利用してエアーダクトを配設することができる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の空気浄化機能付収納体において、上記収納体は上記収納部の側面に沿って上下方向に配設された複数本の中空状に形成された支柱を有し、この支柱が上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトを兼ねていることを特徴とする。
【0020】
この空気浄化機能付収納体においては、上記収納部の側面に沿って上下方向に配設された複数本の中空状に形成された支柱が、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトを兼ねているので、上記収納体のデッドスペースを利用してエアーダクトを配設することができ、且つ、収納体の構成が簡素化されて収納体の低コスト化を図ることが可能になる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の空気浄化機能付収納体において、上記収納体は上記収納部の側面を形成する中空状に形成された側板を有し、この側板が上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトを兼ねていることを特徴とする。
【0022】
この空気浄化機能付収納体においては、上記収納部の側面を形成する中空状に形成された側板が、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトを兼ねているので、上記収納体のデッドスペースを利用してエアーダクトを配設することができ、且つ、収納体の構成が簡素化されて該収納体の低コスト化を図ることが可能になる。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の空気浄化機能付収納体において、上記収納体は上記収納部の背面が所定の隙間を隔てて背中合わせになるように併置した複数の収納棚で構成され、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトが、上記背中合わせの背面相互の隙間に配設されていることを特徴とする。
【0026】
この空気浄化機能付収納体においては、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトが、上記収納部の背面が所定の隙間を隔てて背中合わせになるように併置した複数の収納棚の、背面側の隙間に配設されているので、上記収納体のデッドスペースを利用してエアーダクトを配設することができ、且つ、既存の収納体に対しても収納体を分解したり大幅に改造したりせずに該エアーダクトを組み付けることが可能になる。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の空気浄化機能付収納体において、空気浄化手段が、消臭手段を備えていることを特徴とする。
【0028】
この空気浄化機能付収納体においては、上記消臭手段によって前記収納部内の空気中の臭気が除去されるので、収納部内の空気の汚染が防止される。
【0029】
請求項8記載の発明は、収納物を収納するための収納部と、収納物を出し入れするための開口部と、側板とを有し、上記開口部が常時開放されているオープンタイプの収納体において、上記収納部内の空気を吸入するための吸気経路と、上記吸気経路内に導入された空気を排出するための排気経路と、上記吸気経路及び上記排気経路を通して上記収納部内の空気を周辺の空気とともに循環させ収納体内部および収納体周辺の空気を集塵フィルタに通して浄化するための空気浄化手段と、を備え、上記側板は収納体本体の一部をなす支柱の外側面との間に吸気ダクトとしての内部空間を有しており、上記空気浄化手段は上記側板に近接して配置されるとともに上記吸気経路が上記側板と支柱との間の内部空間に連通し、収納体は収納物を載置する棚板に排気経路が形成されてなる棚板兼用排気ダクトを有し、上記棚板兼用排気ダクトは、上記排気経路から水平方向に空気を排出する排気口と、この排気口から排気される空気の流れを一旦阻止する内側面と、この内側面で阻止されて流速が弱められた空気を下向きに排出する第2の排気口を有し、上記第2の排気口から上記開口部に沿って空気が流れてエアーカーテンが形成されこのエアーカーテンの空気層が棚を包み込むように構成されていることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、主に書籍を収納するための収納体である収納棚に適用した実施形態について説明する。
図1は上記収納棚1の正面図、図2は同側面図をそれぞれ示している。同図において、空気浄化機能付収納体としての収納棚1は、棚本体2、空気浄化ユニット3などで主に構成されている。
【0032】
棚本体2は、空気浄化ユニット3が配設される収納棚1の収納部11の下面を形成する下板としての棚板と吸気ダクトとを兼ねた棚板兼用吸気ダクト4、収納棚1の収納部11の上面を形成する上板としての棚板と排気ダクトとを兼ねた棚板兼用排気ダクト5、書籍等の収納物が載置される載置台としての複数の棚板6、収納棚1の天板7、収納棚1の底板8、上記複数の棚板6と天板7及び底板8を支承するための複数の支柱9、収納棚1の、一方の側面の各支柱9間に配設されたエアーダクト10から主に構成されている。
【0033】
本実施形態に係る収納棚1の空気浄化ユニット3は、上記エアーダクト10寄りの上記棚板兼用吸気ダクト4の上部に配置されており、エアー循環手段としてのシロッコファン31、収納棚1の収納部11内の空気中に浮遊している黴の胞子、バクテリア、花粉、塵埃、ダニの死骸等の微粒子を主に捕集するエアーフィルタとしての集塵フィルタ32、収納部11内の空気中の臭気を除去する消臭手段33、上記シロッコファン31の駆動を制御する図示しない駆動回路等からなる制御手段などで主に構成されている。
【0034】
図3に上記収納棚1の収納部11の開口部側(正面側)から見た上記棚板兼用吸気ダクト4及び棚板兼用排気ダクト5の部分破断正面図を、図4に、上記棚板兼用吸気ダクト4及び棚板兼用排気ダクト5の断面図をそれぞれ示す。
【0035】
図3及び図4に示すように、上記棚板兼用吸気ダクト4と上記棚板兼用排気ダクト5とは、各棚板7と略同様の外観を有する形状に形成されており、棚板材4a、5aと、この棚板材4a、5aの下面側に固着された幅広溝形の補強板4b、5bとによって、断面が矩形の中空状に形成された吸気経路4c及び排気経路5cがそれぞれ形成されている。
また、上記棚板兼用吸気ダクト4には、その吸気経路4cを形成する棚板材4aと補強板4bの正面側(図4の右方側)に、吸気経路4cに連通する多数の吸気口4dがそれぞれ形成されている。
一方、棚板兼用排気ダクト5には、その排気経路5cを形成する棚板材5aと補強板5bの正面側(図4の右方側)に、排気経路5cに連通する多数の排気口5dがそれぞれ形成されている。
【0036】
前記支柱9間のエアーダクト10は、図5に示すように、横断面がチャンネル状に形成された2枚の板材10a、10bによって断面が矩形状の送風経路10cを形成するように構成されている。
図6に示すように、上記エアーダクト10の下端部は連通孔10dを介して空気清浄ユニット3に接続され、エアーダクト10の上端部は上記棚板兼用排気ダクト5に接続されている。
【0037】
また、上記棚板兼用吸気ダクト4の空気浄化ユニット3が載置される部分には、図6に示すように、その吸気経路4cを空気浄化ユニット3のケーシング3aの内部空間に連通させるための連通口4eが形成されている。
【0038】
一方、上記エアーダクト10の下端部の、上記空気浄化ユニット3のケーシング3aが接する部分には、図6に示すように、エアーダクト10の送風経路10cをケーシング3aの内部空間に連通させるための連通口10dが形成されている。
また、エアーダクト10の上端部の、上記棚板兼用排気ダクト5が接続される部分には、図3に示すように、エアーダクト10の送風経路10cを棚板兼用排気ダクト5の排気経路5cに連通させるための連通口10eが形成されている。
【0039】
上述のように構成された収納棚1は、上記空気浄化ユニット3のシロッコファン31が駆動されることによって、図6に示すように、上記棚板兼用吸気ダクト4の吸気口4dから吸い込まれた空気が、棚板兼用吸気ダクト4の吸気経路4c及び連通口4eを通って、空気浄化ユニット3のケーシング3a内部に導入される。
【0040】
このようにして空気浄化ユニット3のケーシング3a内部に導入された空気は、まず、ケーシング3a内部に配設されている上記集塵フィルタ32及び消臭手段33を通り、集塵フィルタ32で空気中の黴の胞子、バクテリア、花粉、塵埃、ダニの死骸等の微粒子が捕集されると共に、消臭手段33によって空気の臭気が除去される。
【0041】
上記空気浄化ユニット3により浄化された空気は、上記エアーダクト10の連通口10d及び送風経路10cを通って、エアーダクト10の連通口10eから、上記棚板兼用排気ダクト5の排気経路5c内に送り込まれる。
【0042】
この棚板兼用排気ダクト5の排気経路5c内に送り込まれた清浄な空気は、棚板兼用排気ダクト5の排気口5dを通して排出され、吸気口4dに向かって上記収納棚1の収納部11の開口部に沿って流れる。
【0043】
この収納棚1の収納部11の開口部に沿って流れた空気は、再び、上記棚板兼用吸気ダクト4の吸気口4dから吸い込まれて、上記吸気経路4c、送風経路10c、排気経路5cを通って循環される。
【0044】
これにより、上述の棚板兼用排気ダクト5の排気口5dを通して排出された清浄な空気によって、上記収納棚1の収納部11の前面に位置する開口部にエアーカーテンが形成される。
また、収納棚1の収納部11内の空気、および収納棚1の周辺の空気が、エアーカーテンからなる循環気流に巻き込まれながら循環されることによって浄化される。上記エアーカーテンは、その空気層が棚を包み込むようにして形成され、空気の循環によって棚内部の空気を浄化させていく。また、空気の流れによって害虫忌避効果もある。上記エアーカーテンは棚周辺の空気も巻き込むため、棚周辺の空気も浄化する。したがって、自立棚の場合は、棚と棚との間の通路部分の空気も浄化される。
このように、空気浄化ユニットを棚に取り付け、この棚内およびその周辺の限定された範囲で空気を浄化するようにしたため、部屋全体を浄化する必要がなくなり、エネルギーの無駄がなく、必要な部分の空気のみを効率的に浄化することができる。
【0045】
ここで、上記棚板兼用排気ダクト5の排気口5dは、その排気経路5cを形成する補強板5bのみに形成するようにしてもよい。これにより、棚板兼用排気ダクト5の排気口5dから排出される空気の排出方向が、上記収納棚1の収納部11前面の開口部に略沿った方向になり、上記エアーカーテンをより確実に形成できるようになる。
【0046】
また、上記空気浄化ユニット3により循環される空気の循環速度は、0.5m/sec以下に設定されていることが好ましい。すなわち、一般に、空気浄化ユニット3により循環される空気の循環速度が、0.5m/secよりも大きくなると、収納体の収納部に収納される収納物によっては、この収納物が風害によって劣化したり、風化したりする虞があるとされている。そこで、空気浄化ユニット3により循環される空気の循環速度を、0.5m/sec以下に設定した。
【0047】
また、本実施形態に係る収納棚1においては、図7に示すように、収納棚1の、一方の側面に沿って配設された複数の支柱9間に上記エアーダクト10が配設されている。従来の収納棚では、各支柱9間のスペースは収納物を収納することができないデッドスペースであるが、上記の実施形態では、このデッドスペースを有効に利用して、収納棚1のエアーダクト10を配設している。
エアーカーテンを形成する空気の流れは逆向きであってもよい。すなわち、上記実施の形態において、空気浄化ユニット3のシロッコファン31による空気の流れを逆向きにして、収納棚1の下から上に向かって流れるようにしてもよい。
【0048】
ここで、上記エアーダクト10に代えて、図8に示すように、収納棚の一方の側面に沿って配設された上記複数本の支柱9を中空状に形成し、これらの支柱9を、上記送風経路を形成するエアーダクトとして兼用させるように構成してもよい。
これにより、上記収納棚1のデッドスペースを利用して上記送風経路を形成することができ、且つ、上記エアーダクト10を省略して収納棚1の簡素化及び低コスト化を図ることが可能になる。
【0049】
また、上記エアーダクト10及び各支柱9に代えて、図9に示すように、上記棚板兼用吸気ダクト4、棚板兼用排気ダクト5、棚板6、天板7、底板8を、中空状に形成された左右一対の側板12で支承するように構成し、これらの側板12を、上記送風経路を形成する吸気ダクトあるいは排気ダクトとして兼用してもよい。上記ダクト4を排気ダクトとし、ダクト5を吸気ダクトとしてもよい。
これにより、上記収納棚1の側板12を利用して上記送風経路を形成することができ、かつ、上記エアーダクト10を省略して収納棚1の簡素化及び低コスト化を図ることが可能になる。また、上記収納棚1の側面の見栄えや強度が向上される。
【0050】
さらに、図10に示すように、複数の収納棚1が背中合わせになるように併置され、収納部11の背面が所定の隙間を隔てて配置された構成の収納棚においては、各収納棚1の、背中合わせの背面相互の隙間に、上記送風経路10cを形成するエアーダクト10を配置してもよい。
これにより、上記各収納棚1のデッドスペースを利用してエアーダクト10を配設することができ、かつ、既存の収納体に対しても収納体を分解したり大幅に改造したりせずにエアーダクト10を組み付けることが可能になる。
【0051】
ここで、上記エアーカーテンを形成する循環気流の向きは、図6に示したように収納棚1の上部から下部に向きに代えて、例えば、図11に示すように、収納棚1の一方の側面から他方の側面に向けて循環気流を移動させる方向(図11の実線で示す矢印方向)とし、あるいは収納部11の開口部の斜め方向(図11の破線で示す矢印方向)にしてもよい。
【0052】
また、本実施形態に係る収納棚1では、上記空気浄化ユニット3が、図12に実線で示すように、収納棚1の下部に配設されているが、この空気浄化ユニット3は、同図に一点鎖線で示すように収納棚1の側部に配設したり、同図に二点鎖線で示すように収納棚1の上部に配設したりしてもよい。
吸排気口の形状は、円形であってもよいし、多角形であってもよく、その他どのような形状であってもよい。要するに、必要な風量を吸排気できる面積があればよい。
ダクトの取り付け場所は特に限定されるものではない。上段、下段に限らず、何れかの段の棚板上面又は下面であってもよい。また、棚板兼用ダクトでなくても、チャンネル状のダクトを使用して、棚の隙間あるいはデッドスペースを利用して設置してもよい。例えば、天板の上、地板の下、台枠内などに設置することができる。天板兼用ダクトでも、底板兼用ダクトでもよい。
空気浄化ユニットの配置位置は任意であり、例えば、何れかの棚板上または棚板の下に配置してもよい。
【0053】
次に、本実施形態に係る収納棚1の収納部11の前面(開口部)に形成されるエアーカーテン及び循環気流の様子を、シミュレーションにより解析した結果について説明する。
【0054】
(実施例1)
収納棚の棚形式;開架式(自立式棚)
循環気流の吹出方向;収納棚前後開口部の2方向吹出(下向)
平均吹出風速;0.24(m/sec)
収納棚収容部の書籍積載率;0%
としたとき、収納棚1の前後の開口部に、図13に示すような厚さが約600mm(片側)のエアーカーテン13が形成された。
【0055】
(実施例2)
収納棚の棚形式;開架式(自立式棚)
循環気流の吹出方向;収納棚前後開口部の2方向吹出(水平)
平均吹出風速;0.24(m/sec)
収納棚収容部の書籍積載率;0%
としたとき、収納棚1の前後の開口部に、図14に示すような厚さが約600mm(片側)のエアーカーテン14が形成された。
【0056】
(実施例3)
収納棚の棚形式;開架式(自立式棚)
循環気流の吹出方向;収納棚前後開口部の2方向吹出(下向)
平均吹出風速;0.24(m/sec)
収納棚収容部の書籍積載率;100%
としたとき、収納棚1の前後の開口部に、図15に示すような厚さが約600mm(片側)のエアーカーテン15が形成された。
【0057】
(実施例4)
収納棚の棚形式;開架式(自立式棚)
循環気流の吹出方向;収納棚前後開口部の2方向吹出(水平)
平均吹出風速;0.24(m/sec)
収納棚収容部の書籍積載率;100%
としたとき、収納棚1の前後の開口部に、図16に示すような厚さが約600mm(片側)のエアーカーテン16が形成された。
【0058】
(実施例5)
収納棚の棚形式;閉架式(移動式棚)
循環気流の吹出方向;収納棚開口部の1方向吹出(下向)
平均吹出風速;0.24(m/sec)
収納棚収容部の書籍積載率;0%
空気浄化ユニット;移動式棚を6台隣接して設置し、図17における右端の移動式棚にのみ設置
としたとき、空気浄化ユニットを設置した収納棚1の開口部および隣接する収納棚に、図17に示すような循環流路が形成される。このシミュレーション結果から、1台の空気浄化ユニットによって4台の移動式棚の空気浄化を有効に行うことができることがわかった。
【0059】
(実施例6)
収納棚の棚形式;閉架式(移動式棚)
循環気流の吹出方向;収納棚開口部の1方向吹出(下向)
平均吹出風速;0.24(m/sec)
収納棚収容部の書籍積載率;100%
空気浄化ユニット;移動式棚を6台隣接して設置し、図18における右端の移動式棚にのみ設置
としたとき、収納棚1の開口部および隣接する収納棚に、図18に示すような循環流路が形成される。このシミュレーション結果から、1台の空気浄化ユニットによって4台の移動式棚の空気浄化を有効に行うことができることがわかった。
【0060】
(実施例7)
収納棚の棚形式;閉架式(移動式棚)
循環気流の吹出方向;収納棚開口部の1方向吹出(下向)
平均吹出風速;0.48(m/sec)
収納棚収容部の書籍積載率;100%
空気浄化ユニット;移動式棚を6台隣接して設置し、図19における右端の移動式棚にのみ設置
としたとき、収納棚1の開口部および隣接する収納棚に、図19に示すような循環流路が形成される。このシミュレーション結果から、1台の空気浄化ユニットによって4台の移動式棚の空気浄化を有効に行うことができることがわかった。
【0061】
次に、本実施形態に係る収納棚1の集塵性能について説明する。
上記収納棚1を取り巻く大気の粉塵濃度の減衰試験により該収納棚1の集塵性能を評価した。上記空気浄化ユニット3の集塵フィルタ32としては、フィルタ(JIS比色法90%)とプレフィルタとが一体型のものを用いた。
上記減衰試験の試験方法としては、
(1)オールステンレス張りの壁面からなる試験室(床面積が約4000mm×4000mm、天井の高さが約3000mm)に、前記収納棚1と同様の構成の図20に示す被試験棚1Aを設置した。ここで、試験室内の壁面材としてステンレスを使用することで、壁面への粉塵の付着による粉塵濃度の減衰の影響を少なくできる。
(2)密閉した状態の上記試験室内において線香を焚き、扇風機によって試験室内の空気をよく撹拌した。
(3)デジタル粉塵計(以下、単に「粉塵計」という)により上記試験室内の粉塵濃度を測定し、粉塵濃度が0.3(mg/m3)になった時点で、上記扇風機を止め、上記収納棚1の空気浄化ユニット3を稼動させた。
(4)上記空気浄化ユニット3の稼動と同時に、上記粉塵計により粉塵濃度の測定を開始し、この測定結果を上記試験室外に配置したプロッターにより逐次記録した。
(5)上記収納棚1のエアーダクトの経路数(前記1方向吹出では経路数1、前記2方向吹出では経路数2)と、上記粉塵計の設置場所とを変えて、上記(2)〜(4)の操作を繰り返し行った。
(6)比較評価のために、上記(3)において上記空気浄化ユニット3を稼動させずに、自然減衰する場合の上記試験室内の粉塵濃度も上記粉塵計により測定した。
【0062】
図20に示す被試験棚1Aの2連目・1段目の棚板上(図20(a)に丸付き符号1で示す位置)に、上記粉塵計20を設置して、上記(2)〜(6)の減衰試験を行った。この結果、図21に示す粉塵濃度(mg/m3)と時間(min)の関係を示すグラフを得た。
【0063】
(試験例1)
図21において、黒丸「●」がプロットされた折れ線aは、上記試験室内の粉塵濃度を自然減衰させた場合の試験結果を示している。この折れ線aから、自然減衰の場合には、上記試験室のわずかな隙間などから流出する空気の影響によって、時間経過と共に粉塵濃度が減衰していくことが判る。すなわち、この場合には、測定開始時に0.3(mg/m3)であった粉塵濃度が、測定開始60(min)後に、0.195(mg/m3)の粉塵濃度に減衰した。
【0064】
(試験例2)
図21において、黒三角「▲」がプロットされた折れ線bは、上記試験室内の粉塵濃度を上記空気浄化ユニット3の稼動によって減衰させた場合の試験結果を示している。
この減衰試験では、書籍積載率;100%、エアーダクトの経路数;1、循環気流の吹出方向;下向とした。
この場合には、上記折れ線bから、測定開始時に0.3(mg/m3)であった粉塵濃度が、測定開始60(min)後に、0.07(mg/m3)の粉塵濃度に大きく減衰していくことが判る。
【0065】
(試験例3)
図21において、黒四角「■」がプロットされた折れ線cは、上記試験室内の粉塵濃度を上記空気浄化ユニット3の稼動によって減衰させた場合の試験結果を示している。
この減衰試験では、書籍積載率;100%、エアーダクトの経路数;2、循環気流の吹出方向;下向とした。
この場合には、上記折れ線cから、測定開始時に0.3(mg/m3)であった粉塵濃度が、測定開始60(min)後に、0.043(mg/m3)の粉塵濃度に大きく減衰していくことが判る。
【0066】
上記(試験例2)、(試験例3)の結果から明らかなように、上記構成の収納棚1においては、エアーダクトの経路数が多くなるほど高い集塵性能が得られることが確認された。
また、上記(試験例2)、(試験例3)とも、上記(試験例1)の自然減衰の場合よりも大きな集塵性能が得られることが確認された。
【0067】
次に、図20に示す被試験棚1Aの、丸付き符号1、2、3、4、5で示す位置に、上記粉塵計20を設置して、前記(2)〜(6)の減衰試験を行った。この結果、図22に示す粉塵濃度(mg/m3)と時間(min)の関係を示すグラフを得た。
この減衰試験では、書籍積載率;100%、エアーダクトの経路数;2、循環気流の吹出方向;下向とした。
【0068】
図22において、折れ線aは、上記試験室内の粉塵濃度を自然減衰させた場合の試験結果を示している。
また、図22において、丸付き符号1、2、3、4、5で示す各折れ線は、図21に示した粉塵計20の各設置位置に対応する試験結果を示している。
【0069】
図22のグラフに示すように、上記粉塵計20の設置場所が変わっても、被試験棚1Aの収納部内の粉塵濃度が、略同様な減衰率で減衰され、該収納部内の略全域に亘って、略均一な集塵効果が得られることが確認された。
また、図22の折れ線5に示すように、被試験棚1Aの外部においても、被試験棚1Aの周辺であれば集塵効果が得られることが判明した。その理由は、エアーカーテンによって、被試験棚1Aの周辺の空気も巻き込まれ、巻き込まれた空気が空気浄化ユニット3によって浄化されるからである。
【0070】
次に、上記空気浄化ユニット3の脱臭性能について説明する。
臭気強度を確認する臭気検体としては、オクチルアルコール(2−エチルヘキシルアルコール)を使用した。
このオクチルアルコールの臭気成分については不明な点が多いため、上記脱臭性能を評価する脱臭試験を行うに当たって、まず、合計6名(内女性1名)のパネラーにより、臭気強度確認試験を行った。
【0071】
この臭気強度確認試験の試験方法としては、容積が1m3のSUS容器内にオクチルアルコール0.7gを間歇的に加熱蒸発させ、所定の間隔を空けて官能評価を行った(理論上の検体濃度のピーク値は約120ppm程度になる)。
また、臭気検体としては9個のサンプルで行った。なお、5個目の臭気検体で臭気濃度がピークに達したため、試験データとしては、5個目までの臭気検体のものを使用した。
【0072】
そして、上記6名のパネラーにより、No.1〜5の各臭気検体の臭気強度が、表1に示す「6段階臭気強度表」のどのレベルに該当するかを官能評価した。この官能評価の結果を表2に示す。
【0073】
【表1】
6段階臭気強度表
【0074】
【表2】
官能評価
【0075】
この表2に示す官能評価に基づいて、各臭気検体の検体濃度(ガス濃度)とパネラーによる官能評価の平均臭気強度を表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】
図23は、表3に示す臭気強度確認試験結果、すなわち、上記オクチルアルコールの臭気強度(6段階強度)と臭気濃度(ppm)との関係を示すグラフである。
このグラフから、上記オクチアルコールの臭気成分は、臭気濃度が22ppm程度で、臭気強度が1段階(やっと検知できるニオイ)となることが判った。これは、アンモニアなどの主要な悪臭成分と比較すると非常に高濃度である。
【0078】
次に、上述の臭気強度確認試験の試験結果を踏まえて、オクチルアルコール(2−エチルヘキシルアルコール)を試験臭気とする脱臭試験を行った。
この脱臭試験の試験方法としては、容積が1m3のSUS容器内にオクチルアルコール0.3g(約60ppm)を加熱蒸発させ、安定した後、上記空気浄化ユニット3を稼動して、オクチルアルコールの残存濃度の減衰試験を行った。
上記空気浄化ユニット3の脱臭手段33としては、光触媒(酸化チタン触媒)と特殊INVランプとを併設したものを使用した。
【0079】
この減衰試験を同様の操作により3回繰り返して行った結果、オクチルアルコールの残存濃度が、表4に示すように、時間経過と共に減衰することが明らかとなった。
【0080】
【表4】
【0081】
上記の表4に基づいて、図24に示すような、上記脱臭試験結果、つまり、上記オクチルアルコールの残存濃度(ppm)と時間(min)との関係を示すグラフを得た。
この結果、上記空気浄化ユニット3により、試験開始時に約60ppmであったオクチルアルコールの残存濃度を、開始15分後に、約5ppm(初期濃度の12分の1程度)の濃度まで、急速に減衰できることが明らかとなった。
また、上記3回の試験結果とも、さほどバラツキがなくオクチルアルコールの残存濃度を減衰できることが明らかとなった。
【0082】
上記脱臭試験結果は、図23に示した臭気強度で表すと、試験開始時に約2.5であった臭気強度を、5分後には臭気強度1(22ppm)以下、15分後には臭気強度0.5(8ppm)以下に、減衰できることを示している。
この結果、上記空気浄化ユニット3により十分な脱臭効果を得られることが明らかとなった。
また、上記オクチルアルコールはカビの臭気成分の一つであることから、この空気浄化ユニット3は、カビ臭に対しても非常に効果的であると判断される。
【0083】
次に、図25に示す自立式の被試験棚1Bを使用して、その収納部内の、温湿度、落下菌数、粉塵濃度、環境モニター等の測定を行った結果について説明する。
上記被試験棚1Bの丸付き符号1、2、3、4で示す部位に、温湿度計21a、21b、21c、21d、及び、落下菌用シャーレ22a、22b、22c、22dをそれぞれ設置して、該被試験棚1Bの収納部内外の温湿度及び落下菌数を測定した。
また、上記被試験棚1Bの収納部に、粉塵濃度測定器としてのエアチェッカー23aを設置して、該被試験棚1Bの収納部内外の粉塵濃度を測定した。
さらに、上記被試験棚1Bの外側面に環境モニター24aを、被試験棚1Bの収納部内に環境モニター24bをそれぞれ設置して、該被試験棚1Bの収納部内外の環境清浄度を測定した。
【0084】
図26は、上記温湿度計21a、21b、21c、21dによる上記被試験棚1Bの収納部内外の温湿度測定結果を示すグラフである。
このグラフに示されるように、前記空気浄化ユニット3が稼動する前の、上記被試験棚1Bの収納部内の温湿度環境は、収納部の下段(丸付き符号3)が低温高湿、収納部の上段(丸付き符号1)が高温低湿、収納部の中段(丸付き符号2)が中間の温湿度となる環境を示している。
【0085】
ここで、上記上段と下段とを比較すると、空気浄化ユニット3が稼動する前の、最大温度差が1.9(℃)、平均温度差が1.7(℃)、最大相対湿度差が6(%)、平均相対湿度差が4(%)となっている。
【0086】
これに対し、空気浄化ユニット3が稼動(スイッチON)した後の、上段と下段とを比較すると、平均温度差が0.3(℃)、平均相対湿度差が1(%)に収束され、収納部内の温湿度環境が略平均化された状態に改善されることが判る。
【0087】
また、上記被試験棚1Bの収納部内の温湿度環境(丸付き符号1〜3)と、収納部外の温湿度環境(丸付き符号4)とを比較すると、図26に示すように、空気浄化ユニット3が稼動することにより、収納部内の温湿度環境が、収納部外の温湿度環境の影響を受けつつ推移して収束されることが判明した。これは、被試験棚1Bの収納部内で空気の流れ(対流)が発生していることを示しており、収納物の保存環境が安定した温湿度環境に保たれることを意味している。
【0088】
図27は、上記エアチェッカーで測定した粉塵濃度(mg/m3)と空気浄化ユニットの稼動時間(min)との関係をグラフで表した粉塵濃度減衰曲線である。
このグラフから明らかなように、上記空気浄化ユニット3の稼動後、時間経過と共に粉塵濃度が減衰して、上記収納部内の空気が浄化されており、一般的な環境条件下にある低い粉塵濃度であっても効果を発揮することが判明した。
【0089】
表5に、空気浄化ユニット3の稼動時間(min)と、上記落下菌用シャーレ22a、22b、22c、22dに採取されたカビ及びバクテリアからなる落下菌の数の測定結果を示す。培地はポテトデキストロース寒天培地である。
【0090】
【表5】
【0091】
表5から明らかなように、落下菌数は、空気浄化ユニット3の非稼動時に、シャーレ1個当たりの平均菌数が13.5個であったものが、空気浄化ユニット3を180(min)稼動したとき、シャーレ1個当たりの平均菌数が1.7個に減少した。
【0092】
このように、空気浄化ユニット3は除菌性能も有していることが明らかとなった。
さらに、被試験棚の外の部位でも同様の結果が見られ、空気の浄化範囲が収納棚の外にも及んでいることが判明した。
【0093】
図28(a)は、上記空気浄化ユニット3の稼動前の、上記環境モニター24aによる測定結果である。
また、図28(b)は、上記空気浄化ユニット3の稼動後の、上記環境モニター24bによる測定結果である。
【0094】
この環境モニター24a、24bによる測定結果では、図28(a)に示すように、空気浄化ユニット3の稼動前では、酸性的環境を示すレベル1に反応が見られたものが、図28(b)に示すように、空気浄化ユニット3の稼動後には、清浄環境を示すレベル2〜アルカリ性的環境を示すレベル3程度に環境の清浄度が改善され、酸性汚染物質が除去されていることが判明した。これは、上記収納部が収納物の保存環境として好ましい環境であることを示している。
【0095】
なお、本発明は、本実施形態に係る収納棚1以外に、例えば、図29に示すような展示台101、支柱102、天板103などで構成されたオープンタイプの展示ケース100や、移動棚、固定棚、陳列棚、クローゼット、靴箱、納戸、トイレ等の収納体に、幅広く適用することが可能である。
【0096】
本発明者らは、空気排出口の構造と、この構造の違いによって排出される空気の向きの違い、さらに、排出される空気の向きの違いによる収納部内の空気循環効果および収納部内の空気の浄化効果について検討し、より好ましい空気排出口の構造について検討した。図30は検討した空気排出口の構造の変遷を段階的に示し、図31、図32は空気排出口を望ましい構造にしたときの空気流の様子を示す。
【0097】
図30(a)は、図4に示す棚板兼用排気ダクトと同じ構成のもので、棚板兼用排気ダクト5の排気経路5c内に送り込まれた清浄な空気は、排気経路5cを形成する補強板5bの側面に形成された排気口5dから水平方向に排出され、さらに、棚板材5aの側面(収納棚前面の開口部に沿う面)に形成された排気口5eから水平方向に収納棚の外に向かって排出される構造になっている。排出された空気は、図13以下について説明したように、収納棚の開口部を外側から包み込むようにして流れ、吸気口から吸引され、フィルタで浄化されて再び排気口5eから排出される。
【0098】
このようにして、図30(a)に記載されているような排気口の構造のものであっても、収納棚の周囲にエアーカーテンを作り、収納部の開口部からの微粒子や害虫等の侵入、収納部内の空気の汚染を防止し、かつ、収納体内部および収納体周辺の空気を浄化することができる。しかし、排気口から水平方向に空気を排出するのではなく、吸気口に向かって直線的に空気が流れるような排気口の構造とすれば、効率よくかつ安定したエアーカーテンを作ることができ、効率よく空気を循環させることができるはずである。すなわち、排気口が上、吸気口が下にある場合は、排気口から空気が真下に向かって排出されるようにする。
【0099】
そこで、図30(b)に示すように、棚板兼用排気ダクト5の排気経路5c内に送り込まれた清浄な空気が、排気経路5cを形成する補強板5bの低部に形成された排気口5fから下に向かって排出される構成としてみた。これによっても所期の目的を達することはできる。しかしながら、棚板兼用排気ダクト5の下にある棚板6に収納物40が置かれていると、排気口5fから下に向かって排出された空気が排出時の流速とほぼ同じ流速で収納物40に直接的に当たり、収納物40に風害を与えてしまうおそれがあることがわかった。
【0100】
そこで次に、図30(c)に示すように、棚板兼用排気ダクト5の排気経路5c内に送り込まれた清浄な空気が、排気経路5cを形成する補強板5bの側面に形成された排気口5dから水平方向に排出されたあと、棚板材5aの内側面に当たって水平方向への流れが一旦阻止される構造とし、また、補強板5bの側面と棚板材5aの内側面との間に、棚板材5aの長さ方向(収納体を正面から見て左右方向)にスリット状の空間5gが形成され、この空間5gから空気が排出される構造にした。ここでは、排気口5dを第1の排気口、スリット状の空間5gを第2の排気口とする。図30(c)に示す実施形態によれば、排気口5dから水平方向に排出された清浄な空気は、棚板材5aの内側面に当たって水平方向への流れが一旦阻止されるため、第2の排気口であるスリット状の空間5gから排出される空気の流速は弱められるとともに、排気口5dから排出される空気流の水平方向の成分と、空間5gから下方に向かおうとする空気流の成分とが合わさって、斜め下方に、収納体外に向かって排出される。
【0101】
このように、図30(c)に示す実施形態によれば、スリット状の空間5gから排出される空気の流速は弱められるため、この空気流が収納物40に当たっても風害が軽減される。また、第2の排気口であるスリット状の空間5gから空気が斜め下方に、収納体外に向かって排出されるため、収納物40に当たる排気量が少なく、この点からも風害が軽減される。
【0102】
いずれの実施形態にせよ、収納体の外側を包み込むようにして清浄な空気が流れ、この空気の流れに収納体内部の空気も巻き込まれて循環する。図31、図32は、図30(c)に示す実施形態において、空気がどのようにして流れるかを、シミュレーションによって解析した結果を示す。図30(c)に示す実施形態において、スリット状の空間5gから斜め下方に排出された空気は、収納体1の前面(開口部)に沿って収納体1の下部の吸気口に向かい下方に流れる。図32において符号41は、収納体1の前面に沿って流れる空気流を示す。この空気流41の一部は、上下の棚板6、6間の上部空間に、符号42で示すように空気流41の風圧によって進入する。上下の棚板6、6間の下部空間では、符号43で示すように空気流41に吸引されて、上記下部空間の空気流の向きが変えられ、棚板6、6間の空気の一部が外側に運び出される。このようにして、棚板6、6間の空気も空気流41に誘引されて循環し、収納体内部の空気も浄化される。
【0103】
排気口から排出される清浄な空気は、収納体の開口面から均一に排出されることが望ましく、同様に、吸気口から吸引される空気は、収納体の開口面から均一に吸引されることが望ましい。そこで、排出または吸引される空気量が不足しがちになる部分では、排出口または吸気口の面積を大きくし、あるいは数を多くするなどの対策を施すとよい。図33は棚板兼用排気ダクト5の側面に排出口5dを一定間隔で設けるとともに、空気排出量の多い部分では排出口5dのいくつかを適宜塞ぐことによって、排出量の均一化を図ったものである。吸気口についても同様に構成するとよい。
【0104】
次に、本発明にかかる空気浄化機能付収納体の別の実施形態について図34ないし図36を参照しながら説明する。この実施形態は、これまで説明してきた実施形態と比較して構成が簡略化されているが、これでも初期の目的を充分に達成することができる。
【0105】
図34において、収納棚1は、これまで説明してきた収納棚と同様に、支柱9、天板7、棚板6、側板12等を有してなる。棚板6は複数段にわたって形成される場合もあるし、1段のみの場合もあり得る。いずれにせよ、最上段の棚板6の上には、側板12に近接して、空気浄化手段としての空気浄化ユニット3が配置されている。空気浄化ユニット3は、前述の例と同様に、集塵フィルタ、消臭手段、エアー循環手段としてのシロッコファン31、吸気部、排気部などを有している。排気部には排気経路35が一体に結合されている。
【0106】
側板12は支柱9の外側面との間で幅Gの内部空間を有しているので、この内部空間を吸気ダクトとして利用している。側板12の両側縁部、より正確には、収納棚1を側面側から見たとき、したがって側板12をその正面から見たときの両側縁部は、収納棚1本体に向かって折り曲げられ、この折り曲げ部の端縁が支柱9の外側面にあてがわれている。この折り曲げ部の端縁と、収納棚1本体の一部をなす支柱9の外側面との間には空気が流通可能な隙間を有しているのが普通であり、この隙間が上記側板12内の吸気ダクトに連通している。
【0107】
上記棚板6の一部は側板12内の吸気ダクトに連通する吸気経路を構成していて、この棚板6の吸気経路36は空気浄化ユニット3の吸気部に直結されている。上記棚板6はまた排気ダクトも兼ねていて、この棚板6の排気ダクトに前記排気経路35が直結されている。結果として、空気浄化ユニット3の吸気部には排気経路35と排気ダクトが一体化されている。棚板6に形成されている吸気経路と排気ダクトは仕切り板などによって区切られている。棚板6の前面には適宜数の排気口37が形成され、排気口37は上記排気ダクトに連通している。排気口37は、収納棚1の間口方向全体にわたって形成され、これに応じて棚板6に形成される排気ダクトも収納棚1の間口方向全体にわたる長い排気ダクトになっている。図35に示す例では、収納棚1が3連構成になっていて、3連構成の棚板6の間口方向全体にわたって排気口37が形成され、それに応じた長い排気ダクトが形成されている。
【0108】
このように、図34に示す実施形態によれば、特別の吸気口を有しておらず、収納棚1本体と側板12との間にもともと生じている隙間を吸気口として利用している。また、空気浄化ユニット3から排出される浄化空気は、空気浄化ユニット3が設置されている棚板6のダクトを通じて棚板6の排気口37から排出されるようになっている。したがって、前に説明した実施形態と比較して構成がシンプルになっている。それにもかかわらず、試験した結果、初期の効果を得ることができることがわかった。次に、その試験結果について説明する。
【0109】
図35(a)に示すように、空気浄化ユニットは最上段の棚板6の左端に設置され、浄化された空気が棚板6の排気口から排出される。図35(a)(b)において矢印付きの線は、排気口から排出される空気が流れる向きをシミュレーションによって求めた結果を示している。この図からわかるように、浄化された空気は上段の棚板6から拡散しながらも収納棚1の開口面に沿って流れる。最下段での平均風速は0.04m/min程度の微風速ながらも、開口面を包むように空気流が発生していることが確認された。開口面に沿って流れた空気は、収納棚1本体と側板12との隙間から吸引され、空気浄化ユニットで浄化され、上記のような排気、吸気により循環されつつ浄化される。
【0110】
上記実施形態にかかる空気浄化機能付収納体の空気浄化効果を確認するために、前述のようにエアチェッカーを使用して落下菌測定試験を行った。効果を比較するため、空気浄化ユニット3を図34、図35(a)に示す位置と同じ位置に設けるとともに、特別の吸気口を設けず、排気ダクトを1間口分の棚板のみに設けたものと、図34に示すような、空気浄化ユニット3、全間口分の棚板に排気口を設けたものについて、空気浄化ユニット3を作動させる前と24時間稼動させた直後に測定した。測定に供した収納体は、図35、図36に示すように、間口が3連で、棚板6が6段である。測定点は、図36(a)に四角で囲んだ数字1〜5で示す5箇所、すなわち、上から2段目左端の棚板、最下段左端の棚板、下から3段目中央の棚板、最上段右端の棚板、最下段右端の棚板である。測定項目は、カビと細菌である。
【0111】
表6、表7は、図35に示す例のように、収納棚1の全間口にわたって排気ダクトおよび排気口を有するものの測定値を示すもので、表6は空気浄化ユニット稼動前の、表7は24時間稼動直後の測定結果を示す。表8、表9は収納棚1の1間口分のみに排気ダクトおよび排気口を有するものの測定値を示すもので、表8は空気浄化ユニット稼動前の、表9は24時間稼動直後の測定結果を示す。
【0112】
表6
表7
表8
表9
【0113】
表6、表7からわかるように、収納棚の間口面横方向全体にわたって吸気および排気ダクトを有するものは、空気浄化ユニットを24時間稼動させることによって71.0%の改善効果があることがわかった。一方、表8、表9からわかるように、収納棚の横方向1間口分にのみ吸気および排気ダクトを有するものの場合は、空気浄化ユニットを24時間稼動させた場合の改善効果は17.5%で、収納棚の間口面横方向全体にわたって吸気および排気ダクトを有するものの方が、収納棚の横方向1間口分にのみ吸気および排気ダクトを有するものに比べてその差53.5ポイント分改善効果が高いことがわかった。
【0114】
なお、収納体の上下に、収納体の間口方向のほぼ全体にわたって吸気ダクトと排気ダクトが設けられている前述の実施形態によれば、空気浄化ユニットを180分稼動させることによって87.4%の改善効果があり、即効性があることがわかった。しかしながら、収納体においては、時間をかけてでも徐々に環境を改善できれば十分であり、図34に示すような、特別の吸気口を設けない収納棚においても満足できる効果を得ることができることがわかった。また、収納体の間口方向のほぼ全体にわたって吸気ダクトと排気ダクトを設ければ、十分満足することができる効果を得ることができ、また、排気ダクトおよび排気口を1間口分のみという限られた範囲に設けたものにおいても、即効性はなくても空気浄化ユニットの稼動時間が経過するにともなって満足できる効果を得ることができることがわかった。
【0115】
【発明の効果】
請求項1ないし請求項7記載の発明によれば、収納体の収納部に浄化された空気が循環され、かつ、この浄化された空気からなるエアーカーテンによって上記収納部の開口面が覆われるので、収納部内への微粒子や害虫の侵入が阻止されて、収納物の品質低下を防止することができる。また、排気口から排出される空気の流速は棚板の内側面に阻止されて弱められ、第2の排気口から排出されるため、この空気流が収納物に当たっても風害が軽減される利点がある。また、第2の排気口から排出される空気流は、上記排気口から排出される水平方向の成分によって斜め下方に、収納体外に向かって排出されるため、収納物に当たる排気量が少なく、この点からも風害が軽減される利点がある。
【0117】
請求項2記載の発明によれば、エアー循環手段により循環される空気の循環速度が、0.5m/sec以下に設定されているので、上記収納物の風害による劣化や風化を回避できる。
【0120】
請求項3記載の発明によれば、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトが、上記収納部の側面に沿って上下方向に配設された複数本の支柱の間に配設されているので、上記収納体のデッドスペースを利用してエアーダクトを配設することができる。
【0121】
請求項4記載の発明によれば、上記収納部の側面に沿って上下方向に配設された複数本の中空状に形成された支柱が、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトを兼ねているので、上記収納体のデッドスペースを利用してエアーダクトを配設することができ、かつ、収納体の構成を簡素化して収納体の低コスト化を図ることができる。
【0122】
請求項5記載の発明によれば、上記収納部の側面を形成する中空状に形成された側板が、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトを兼ねているので、上記収納体のデッドスペースを利用してエアーダクトを配設することができ、かつ、収納体の構成を簡素化して収納体の低コスト化を図ることができる。
【0124】
請求項6記載の発明によれば、吸気経路または排気経路を形成するエアーダクトが、収納部の背面が所定の隙間を隔てて背中合わせになるように併置した複数の収納棚の、上記背中合わせの背面相互の隙間に配設されているので、収納体のデッドスペースを利用してエアーダクトを配設することができ、かつ、既存の収納体に対しても収納体を分解したり大幅に改造したりせずにエアーダクトを組み付けることができる。
【0125】
請求項7記載の発明によれば、消臭手段によって収納部内の空気中の臭気を除去できるので、収納部内の空気の汚染を防止できる。
【0126】
請求項8記載の発明によれば、特別な吸気口を有するものではないが、これでも空気浄化手段の稼働時間がある程度以上になれば空気浄化効果が現れるので、この種収納体の空気浄化としては満足する作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る収納棚の正面図である。
【図2】上記実施形態に係る収納棚の側面図である。
【図3】上記収納棚の収納部の開口部側(正面側)から見た該収納部の下板を形成する棚板兼用吸気ダクト及び棚板兼用排気ダクトの部分破断正面図である。
【図4】上記収納棚の収納部の下板を形成する棚板兼用吸気ダクト及び棚板兼用排気ダクトの断面図である。
【図5】上記収納棚の一方の側面の各支柱間に配設されているエアーダクトの断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す空気浄化機能付収納体の一部分を示す斜視図である。
【図7】上記エアーダクトの配設位置を説明するための概略図である。
【図8】上記エアーダクトとして支柱を兼用した構成の概略図である。
【図9】上記エアーダクトとして側板を兼用した構成の収納棚の概略斜視図である。
【図10】複数の収納棚を背中合わせに併置した場合の上記エアーダクトの配設位置の説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る収納棚の概略正面図である。
【図12】上記収納棚に配設される空気浄化ユニットの配設位置を説明するための概略斜視図である。
【図13】本発明の第1実施例の収納棚開口部に形成されるエアーカーテンを示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施例の収納棚開口部に形成されるエアーカーテンを示す断面図である。
【図15】本発明の第3実施例の収納棚開口部に形成されるエアーカーテンを示す断面図である。
【図16】本発明の第4実施例の収納棚開口部に形成されるエアーカーテンを示す断面図である。
【図17】本発明の第5実施例の収納棚開口部に形成されるエアーカーテンを示す断面図である。
【図18】本発明の第6実施例の収納棚開口部に形成されるエアーカーテンを示す断面図である。
【図19】本発明の第7実施例の収納棚開口部に形成されるエアーカーテンを示す断面図である。
【図20】(a)、(b)は、上記収納棚を取り巻く大気の粉塵濃度の減衰試験に用いられる被試験棚の正面図及び側面図である。
【図21】上記減衰試験の結果を示す粉塵濃度(mg/m3)と時間(min)の関係を示すグラフである。
【図22】上記減衰試験の他の結果を示す粉塵濃度(mg/m3)と時間(min)の関係を示すグラフである。
【図23】臭気強度確認試験結果のオクチルアルコールの臭気強度(6段階強度)と臭気濃度(ppm)との関係を示すグラフである。
【図24】脱臭試験結果のオクチルアルコールの残存濃度(ppm)と時間(min)との関係を示すグラフである。
【図25】(a)、(b)は、自立式収納棚の浄化性能及び上記エアーカーテンの性能を評価する試験に用いられる他の被試験棚の正面図及び側面図である。
【図26】上記自立式試験棚の温湿度の測定結果を示すグラフである。
【図27】上記自立式試験棚の粉塵濃度の測定結果を示すグラフである。
【図28】(a)は、上記空気浄化ユニットの稼動前の、上記自立式試験棚の環境清浄度の測定結果を示す環境モニター・カラースケール、(b)は、上記空気浄化ユニットの稼動後の、上記自立式試験棚の環境清浄度の測定結果を示す環境モニター・カラースケールである。
【図29】本発明の他の実施形態にかかるオープンタイプの展示ケースの概略斜視図である。
【図30】本発明に適用可能な棚板兼用排気ダクトの各種変形例と排気の向きを示す断面図である。
【図31】図30(c)に示す棚板兼用排気ダクトの例において空気の流れによって形成されるエアーカーテンの様子を示す断面図である。
【図32】上記エアーカーテンによって収納体内の空気が誘引されて循環する様子を示す断面図である。
【図33】本発明に適用可能な排気ダクトの部分の変形例を示す正面図である。
【図34】本発明にかかる空気浄化機能付収納体のさらに別の実施形態の要部を拡大して示す正面図である。
【図35】同上実施形態による空気の流れを示す(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図36】上記実施形態の浄化性能を評価するための測定点を示す(a)は正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 収納棚(空気浄化機能付収納体)
2 棚本体
3 空気浄化ユニット
4 棚板兼用吸気ダクト
4a 棚板材
4b 補強板
4c 吸気経路
4d 吸気口
4e、10d、10e 連通口
5 棚板兼用排気ダクト
5c 排気経路
5d 排気口
5g 第2の排気口
6 棚板
7 天板
8 底板
9 支柱
10 エアーダクト
10c 送風経路
11 収納部
12 側板
13、14、15、16 エアーカーテン
20 粉塵計
21a、21b、21c、21d 温湿度計
22a、22b、22c、22d 落下菌用シャーレ
23a エアチェッカー
24a、24b 環境モニター
31 シロッコファン(エアー循環手段)
32 集塵フィルタ
33 消臭手段
Claims (8)
- 収納物を収納するための収納部と、収納物を出し入れするための開口部とを有し、この開口部が常時開放されているオープンタイプの収納体において、
上記収納部内の空気を吸入するための吸気口を有する吸気経路と、
上記吸気口から上記吸気経路内に導入された空気を排出するための排気口を有する排気経路と、
上記吸気経路及び上記排気経路を通して上記収納部内の空気を周辺の空気とともに循環させ収納体内部および収納体周辺の空気を集塵フィルタに通して浄化するための空気浄化手段と、を備え、
収納体は収納物を載置する棚板に排気経路が形成されてなる棚板兼用排気ダクトを有し、
上記棚板兼用排気ダクトは、上記排気経路から水平方向に空気を排出する排気口と、この排気口から排出される空気の流れを一旦阻止する内側面と、この内側面で阻止されて流速が弱められた空気を下向きに排出する第2の排気口を有し、
上記第2の排気口から上記開口部に沿って空気が流れてエアーカーテンが形成されこのエアーカーテンの空気層が棚を包み込むように構成されていることを特徴とする空気浄化機能付収納体。 - 上記空気浄化手段により循環される空気の循環速度が、0.5m/sec以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の空気浄化機能付収納体。
- 上記収納体は上記収納部の側面に沿って上下方向に配設された複数本の支柱を有し、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトが、上記支柱の間に配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の空気浄化機能付収納体。
- 上記収納体は上記収納部の側面に沿って上下方向に配設された複数本の中空状に形成された支柱を有し、この支柱が上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトを兼ねていることを特徴とする請求項1または2記載の空気浄化機能付収納体。
- 上記収納体は上記収納部の側面を形成する中空状に形成された側板を有し、この側板が上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトを兼ねていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の空気浄化機能付収納体。
- 上記収納体は上記収納部の背面が所定の隙間を隔てて背中合わせになるように併置した複数の収納棚で構成され、上記吸気経路または上記排気経路を形成するエアーダクトが、上記背中合わせの背面相互の隙間に配設されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の空気浄化機能付収納体。
- 空気浄化手段は、消臭手段を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の空気浄化機能付収納体。
- 収納物を収納するための収納部と、収納物を出し入れするための開口部と、側板とを有し、上記開口部が常時開放されているオープンタイプの収納体において、
上記収納部内の空気を吸入するための吸気経路と、
上記吸気経路内に導入された空気を排出するための排気経路と、
上記吸気経路及び上記排気経路を通して上記収納部内の空気を周辺の空気とともに循環させ収納体内部および収納体周辺の空気を集塵フィルタに通して浄化するための空気浄化手段と、を備え、
上記側板と収納体本体の一部をなす支柱の外側面との間に吸気ダクトとしての内部空間を有しており、
上記空気浄化手段は上記側板に近接して配置されるとともに上記吸気経路が上記側板と上記支柱との間の内部空間に連通し、
収納体は収納物を載置する棚板に排気経路が形成されてなる棚板兼用排気ダクトを有し、
上記棚板兼用排気ダクトは、上記排気経路から水平方向に空気を排出する排気口と、こ の排気口から排気される空気の流れを一旦阻止する内側面と、この内側面で阻止されて流速が弱められた空気を下向きに排出する第2の排気口を有し、
上記第2の排気口から上記開口部に沿って空気が流れてエアーカーテンが形成されこのエアーカーテンの空気層が棚を包み込むように構成されていることを特徴とする空気浄化機能付収納体。
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