JP3973146B2 - 吹出口装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和対象空間に面して配置され、この空間に空気調和用の気体を適切な吹出パターンで吹出せる吹出口装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和設備において、ダクトを通じて送られる調和空気を室内空間に吹出す吹出口装置のうち、システム天井用として使用される吹出口装置の一例として、従来、図7及び図8に示すものがあった。この図7は従来の吹出口装置の概略構成断面図及び一部省略底面図、図8は従来の吹出口装置における要部の概略構成斜視図である。
【0003】
前記各図において従来の吹出口装置100は、天井50内でダクト51と接続され、室内側に向けて拡開状となる外コーン部101aを形成されてなる略方形開口断面の開口枠体101と、複数の拡開状の羽根体を同心配置で一体化させて形成され、開口枠体101の開口領域に配設される中コーン102と、この中コーン102の上流側表面に配設される気流偏向板103とを備える構成である。
【0004】
前記気流偏向板103は、中コーン102の上流側表面に沿う略方形拡開状に形成されてなる板状体で、この板状体に各コーナ部に関して対称をなす所定形状の切込みを複数形成し、この切込みに基づいて前記板状体の複数の所定部分を所定角度に折曲して複数の気流偏向片103a、103b、すなわち、中コーン102の各羽根体間にあたる部分に略放射状に配置され、コーナ部に向って傾斜するよう折曲形成されてなる気流偏向片103aと、最外周の羽根体における各傾斜面上で傾斜方向に直交して起立するよう折曲形成される気流偏向片103bとを備える構成である。
【0005】
上記構成に基づく従来の吹出口装置100では、ダクト51から送られた調和空気が開口枠体101の開口領域を流れ、中コーン102に達した気流が気流偏向片103a、103bで偏向されて各コーナ側に流れ、外コーン部101aと中コーン102の各コーナ部分から斜めに傾いた向きへ広がりをもって室内に吹出す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の吹出口装置は以上のように構成されていたことから、冷房及び暖房に関わりなく吹出角度を斜め下方向に固定して一定の斜め気流とすることができるため、ドラフトを感じさせずに室内空間における到達範囲を広くでき、効率よく空気調和が行え、また、天井付近へ室内空気を誘引しにくく、室内空気中の塵埃等による天井面の汚染も発生しにくい等の特長を有していた。また、斜め吹出し以外の他の吹出パターンへの変更も容易で、汎用性に優れていた。
【0007】
しかし、中コーン102の外側傾斜面上で気流偏向片103bが上方へ突出しているため、開口枠体101への中コーン102取付時に、気流偏向片103bが誤って化粧面となっている外コーン部101a内面に接触し、損傷を与える危険性が極めて高いという課題を有していた。
また、中コーン102に沿う気流が気流偏向板103に当って進む向きを偏向されることから、圧力損失が大きく、風切り音等の騒音も大きくなるという課題を有していた。さらに、気流偏向板103は構造が複雑で、切断・曲げ加工に手間がかかり、製造コストが高くなってしまうという課題を有していた。
【0008】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、容易な調整で多様な吹出パターンを得られ、様々な空気調和状況に対応して空気調和性能の向上が図れると共に、構造が簡略で取扱い性も優れる吹出口装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る吹出口装置は、略矩形又は略方形断面形状の開口領域を囲む開口枠体で形成され、空気調和の対象となる空間側へ向けて配設される一の開口端部を外コーン部として拡開状に形成されてなり、空気調和用の気体を他の開口端部から供給されると共に前記外コーン部側開口から前記空気調和対象空間へ吹出す外側枠体と、当該外側枠体の開口領域に配設され、前記外コーン部内側面に対向する複数の傾斜面を拡開状に配置されてなる気流案内手段とを備える吹出口装置において、前記外コーン部より前記他の開口端部寄りに位置して外コーン部に隣接する外側枠体の所定内周面に一部を固定され、外コーン部各内側面における前記他の開口端部寄り端辺の各中央部分所定範囲から、前記所定内周面の前記空気調和対象空間側への延長方向に突出させて配設される複数の気流偏向板を備え、当該各気流偏向板が、前記外コーン部各内側面における前記他の開口端部寄り端辺方向について当該端辺長さより小さい寸法とされると共に、前記気流案内手段との間に常に隙間が生じる状態で前記開口領域に所定長さ突出させて配設され、前記外コーン部と気流案内手段の傾斜面との間に進もうとする気流の一部を偏向させて開口領域各コーナ部へ導くものである。
【0010】
このように本発明においては、気流案内手段より上流側の外側枠体内周に開口領域へ突出する気流偏向板を配設し、外コーン部と気流案内手段との間へ進もうとする気流を気流偏向板で一部偏向させて、気流を外側枠体の開口領域コーナ部へ導き、斜め下方向へ吹出せることにより、コーナ部からの斜め吹出しを簡略な構造で実現することができ、製造・組立も容易でコストダウンを図れる。また、外側枠体への気流案内手段取付時に外コーン部内側面に誤って接触しやすい気流案内手段側からの突出物等を一切設けずに済み、損傷を未然に防げ、取扱性に優れる。さらに、気流が気流偏向板に当って進む向きを偏向されるものの、気流案内手段に沿って流れる一部の気流はそのまま抵抗無く進めることから、圧力損失は小さく、風切り音等の騒音発生も抑えられると共に、気流案内手段に沿って外側枠体外縁側にも気流が若干達することで、外側枠体外縁部への室内空気の付着を抑えられ、外縁部での結露を防止できる。
【0011】
また、本発明に係る吹出口装置は必要に応じて、前記気流偏向板が、それぞれ前記外側枠体に対し前記開口領域に突出する長さを調整可能に配設されるものである。このように本発明においては、気流偏向板がそれぞれ開口領域への突出量を調整可能に外側枠体に配設され、気流案内手段と外側枠体との間の各気流通路の遮蔽具合を制御して各コーナ部へ向う気流の割合を調整することにより、各気流偏向板毎の突出長さの設定で空気調和対象空間へ吹出す気流の吹出パターンを制御できることとなり、所定の方向への吹出制限など、設置箇所や空気調和状況に応じて気流の吹出状態を様々に変化させて適切な吹出パターンを得ることができ、空気調和能力を高められる。
【0012】
また、本発明に係る吹出口装置は必要に応じて、前記気流偏向板が、互いに摺動可能に重ねた複数枚の薄板の組合せで形成され、前記外側枠体に対し前記各薄板を位置調整可能に取付けて配設され、各薄板同士の重なり状態を変えて前記開口領域に突出する長さ及び/又は突出する幅を調整可能とされてなるものである。このように本発明においては、気流偏向板を複数枚重ねた薄板の組合せとし、外側枠体に対し気流偏向板をなす薄板の重なり状態を調整し、開口領域への突出長さ及び幅を変化させて、気流案内手段と外側枠体との間の気流通路の遮蔽具合を細かく変化させられることにより、各気流偏向板毎に、気流案内手段に沿って進む気流の流量を調整・制限したり、気流のコーナ部へ向う割合を変化させたりして、空気調和対象空間へ吹出す気流の状態を自由に設定でき、吹出口全体で様々な気流吹出パターンを実現できることとなり、設置箇所や空気調和状況に応じて最も効率的な吹出パターンを得ることができ、様々な状況で空気調和能力を向上させられる。
【0013】
また、本発明に係る吹出口装置は必要に応じて、前記気流偏向板が、前記外側枠体に取付けられる非可撓性板状材製の取付用基部と、当該取付用基部の前記気流案内手段寄り端部に配設される可撓性シート材製の先端可撓部との組合せ構造とされてなるものである。このように本発明においては、気流偏向板を非可撓性の取付用基部と先端可撓部との組合せ構造とし、気流案内手段寄りに可撓性を有する先端可撓部を配置することにより、外側枠体への気流案内手段取付時に、気流偏向板先端の先端可撓部が気流案内手段に接触しても速やかに撓んで気流案内手段を傷付けず、気流案内手段における損傷等をなくせる。また、気流案内手段と外側枠体との間を通る気流により先端可撓部が適度に撓んで抵抗を減らすことにより、風切り音が発生しにくく、空気調和対象空間側へ漏れる騒音を減少させられる。
【0014】
また、本発明に係る吹出口装置は必要に応じて、前記気流偏向板の先端可撓部が、前記取付用基部に対し少なくとも気流偏向板の突出する方向へ位置調整可能に配設されてなるものである。このように本発明においては、気流偏向板をなす取付用基部に対し先端可撓部を位置調整可能に配設し、取付用基部に対し先端可撓部を位置調整して気流偏向板としての開口領域への突出量を変化させられることにより、外側枠体と気流案内手段との間を通過しようとする気流のコーナ部へ進む割合を変化させるのを、先端可撓部位置調整で適宜変えられ、状況に応じて最適な吹出パターンを容易に得ることができると共に、気流偏向板による調整時に、気流偏向板先端が気流案内手段に誤って接触しても先端可撓部が容易に撓んで気流案内手段の損傷を防止する。
【0015】
また、本発明に係る吹出口装置は必要に応じて、前記気流偏向板の先端可撓部が、吸音性及び断熱性を有する不織布であるものである。このように本発明においては、気流偏向板の先端可撓部として不織布を用い、可撓性と共に吸音性や断熱性等を合せ持つ先端可撓部とすることにより、気流偏向板における風切り音の発生を防ぐと共に、上流から伝播する音を吸収でき、空気調和対象空間側へ漏れる騒音を大幅に低減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係る吹出口装置を図1〜図6に基づいて説明する。この図1は本実施の形態に係る吹出口装置の冷気吹出し状態における概略構成断面図、図2は本実施の形態に係る吹出口装置の暖気吹出し状態における概略構成断面図、図3は本実施の形態に係る吹出口装置における気流偏向板の斜視図、図4は本実施の形態に係る吹出口装置における気流偏向板突出量小状態での吹出パターン説明図、図5は本実施の形態に係る吹出口装置における気流偏向板突出量大状態での吹出パターン説明図、図6は本実施の形態に係る吹出口装置における垂直方向の吹出パターン説明図である。
【0017】
前記各図において本実施の形態に係る吹出口装置1は、天井50内でダクト51と接続され、室内側に向けて拡開状となる外コーン部2aを形成されてなる略方形開口断面の外側枠体2と、拡開状の羽根体及びその昇降機構を一体化して形成されて外側枠体2の開口領域に配設される前記気流案内手段としての中コーン3と、外側枠体2の外コーン部2a各内側面における上流側端部位置の各中央部分所定範囲からそれぞれ室内空間側へ向けて所定長さ分突出配設される四つの気流偏向板4とを備える構成である。
【0018】
前記外側枠体2は、略方形断面形状の開口領域を囲む開口枠体で形成され、空気調和の対象となる室内空間側へ向けて配設される一開口端部を外コーン部2aとして拡開状に形成されると共に、この外コーン部2aの下端に開口断面に対し垂直に起立する直立部2bを形成され、さらに外側に所定幅の額縁部2cを形成されてなる構成であり、他の開口端部をダクト51と接続されて調和空気を供給されると共に、外コーン部2a側開口から室内空間へ吹出す仕組みとなっている。
【0019】
前記中コーン3は、外コーン部2a内側面に対向する四つの傾斜面を拡開状に配置された羽根体3aと、複数本を十字形に配置されて各先端部を外側枠体2内側に着脱自在に保持される棒状の支持部材3bと、羽根体3aを支持部材3bに対し昇降可能に連結する昇降機構3cとを備えてなり、外側枠体2の開口領域中央に配設される構成である。この中コーン3の羽根体3a傾斜面には、取付時等に外側枠体2の外コーン部2a内面と接触する危険性のある突出物等は一切なく、接触による吹出口外観の劣化を未然に回避できる。
【0020】
羽根体3aを昇降させる昇降機構3cは、所定温度範囲内で周囲の温度変化に応じて全長を変化させる公知の温度感応型アクチュエータを中心とし、この温度感応型アクチュエータ両端をそれぞれ羽根体3aと支持部材3bに固定してなる構成であり、暖房時に温度感応型アクチュエータの全長が伸びると羽根体3aが支持部材3bに対し上昇して暖房対応位置(図2参照)に達する一方、冷房時は温度感応型アクチュエータが縮んで羽根体3aを支持部材3bに対し下降させて冷房対応位置(図1参照)とする公知の機構である。
【0021】
前記気流偏向板4は、外コーン部2aより前記他の開口端部寄り、すなわち上流側の外側枠体2内周面中央部に固定される非可撓性矩形板材製の取付用基部4aと、この取付用基部4aの前記中コーン3寄り端部に配設される不織布製の先端可撓部4bとを備える構成であり、外コーン部2a各内側面における上流側各端辺部分の中央部から室内空間側へ向けて開口領域に突出する状態となっている。
この気流偏向板4の先端を先端可撓部4bとしていることで、中コーン3を外側枠体2に対し着脱する際、気流偏向板4の先端可撓部4bが誤って中コーン3に接触しても、先端可撓部4bは容易に撓んで中コーン3表面を傷付けることはない。
【0022】
次に、前記構成に基づく吹出口装置における気流吹出状態について、まず、冷房時で調和空気の温度が低く、これに感応した中コーン3の昇降機構3cが支持部材3b及び外側枠体2に対して羽根体3aの位置を下げている場合について説明する。気流偏向板4の外コーン部2a上流側からの突出する大きさ(幅、長さ)によって吹出パターンが変化するので、突出量が異なる二つの例についてそれぞれ説明する。
【0023】
気流偏向板4の突出量が小さい配設状態では、外コーン部2aと中コーン3との間に流れ込む気流の一部が各気流偏向板4により偏向されて開口領域のコーナ部に案内されることから、気流は中コーン3の各傾斜面のある四方向へそのまま水平に吹出すのに加えて、各コーナ部から斜め下方に傾いた向きへも吹出す計八方向への吹出パターンとなる(図4参照)。気流は室内の空気を誘引しつつ室内にまんべんなく拡散し、調和空気を天井50から居住域まで十分に送込めることとなる。中コーン3の傾斜面に沿って吹出す水平気流とコーナ部から吹出す斜め下方への気流との割合は、気流偏向板4の大きさで変化し、幅及び長さが大きいほどコーナ部から吹出す気流の割合が多くなる。
気流偏向板4の突出量が大きい配設状態では、外コーン部2aと中コーン3との間に流れ込む気流の大部分が気流偏向板4に遮られて両脇に流れ、各コーナ部へ向うことにより、天井面から室内に向けて各コーナ方向の四方向へ斜め下方に吹出せる(図5参照)。
【0024】
気流を天井50から斜め下向きに吹出すことで、吹出気流の下方への到達距離は短く、居住域におけるドラフトを感じにくいものの、気流は水平方向に拡散し且つ室内空気を誘引してこれらと混合することで、室内における到達範囲は広く、デッドゾーンをほとんど発生させずに効率よく空気調和が行える。また、斜め下方への吹出のために天井付近への室内空気の誘引量が少なく、汚れた室内空気による天井面の汚染が発生しにくい。さらに、一連のシステム天井として吸込口を近傍に配設されても、コーナ部から吹出すため、吸込口によるショートサーキット量が少なくなる。
この時、一部の気流は気流偏向板4と中コーン3との隙間を抜けてそのまま中コーン3の各傾斜面に沿って水平に吹出すこととなり、外側枠体2の額縁部2c側にも気流が若干達することで、額縁部2c表面への室内空気の付着が起らず、額縁部2c表面への結露や汚れの付着を防止できる。
【0025】
一方、気流偏向板4の前記各例において、暖房時で調和空気の温度が高く、これに感応した中コーン3の昇降機構3cが支持部材3b及び外側枠体2に対して羽根体3aの位置を上げた場合(図2参照)、中コーン3各傾斜面に沿って進んだ気流が、外コーン部2a下側の直立部2bに達して流れの方向を下向きに偏向されることにより、前記水平に吹出す気流は垂直下向きの吹出状態に、斜め下に吹出す気流はさらに斜め下方に傾斜した向きへ吹出す状態へと変化する。室内の空気より軽い暖気を天井50から下向きに偏向して吹出して確実に居住域まで到達させることができ、室内空気の温度を上げる能力が向上する。
【0026】
このように、本実施の形態に係る吹出口装置では、中コーン3より上側の外側枠体2内周に気流偏向板4を突出配設し、外コーン部2aと中コーン3との間へ進もうとする気流を気流偏向板4で一部偏向させ、外側枠体2の開口領域コーナ部へ気流を導いて斜め下方向へ吹出せることから、コーナ部からの斜め吹出しを簡略な構造で実現することができ、製造・組立も容易でコストダウンを図れる。また、気流が気流偏向板4に当って進む向きを偏向されるものの、中コーン3に沿って流れる一部の気流はそのまま抵抗無く進むことから、圧力損失は小さく、風切り音等の騒音発生も抑えられる。さらに、気流偏向板4を取付用基部4aと先端可撓部4bの組合せ構造とし、中コーン3寄りに先端可撓部4bとして不織布を配置することから、気流偏向板4における風切り音の発生を防げると共に、上流側から伝播する音を吸収でき、開口部分から室内空間側へ漏れる騒音を減少させられる。
【0027】
なお、前記実施の形態に係る吹出口装置において、気流偏向板4を外側枠体2に固定する構成として、外コーン部2a上流側からの突出量の異なる気流偏向板4をそれぞれ取付けた二つの例について説明しているが、この他、気流偏向板4を外側枠体2に対し位置調整可能に取付けたり、また、気流偏向板4を複数枚の薄板を互いにスライド可能として重ね合せた組合せ構造とし、各薄板の重なり具合を変えて外コーン部2a上流側からの突出長さ及び/又は突出幅について調整可能としたりして、気流偏向板4の突出状態を変化させられる構成とすることもでき、気流偏向板4の突出量を大きくしたり小さくしたりする調整で前記実施形態での二つの吹出し例を一つの気流偏向板で実現できることに加え、外側枠体2内側の四箇所にある各気流偏向板4それぞれについて異なる突出状態設定で吹出す気流の向きを種々変化させられ、吹出口全体で様々な気流吹出状態を実現できることとなり、コーナ部からの斜め吹出しをコーナ部四箇所のうち特定のコーナ部からのみに制限したりなど、設置箇所や空気調和状況に応じて最も効率的な吹出パターンを得ることができ、様々な状況に柔軟に対応して空気調和能力をより一層向上させられる。
【0028】
また、前記実施の形態に係る吹出口装置において、気流偏向板4は取付用基部4aの先端側に不織布製の先端可撓部4bを固定状態で一体化して形成される構成としているが、これに限らず、先端可撓部4bを取付用基部4aに対してスライド自在に配設することで気流偏向板4としての外コーン部2a上流側からの突出量調整を可能にする構成とすることもでき、外側枠体2と中コーン3との間を通過しようとする気流のコーナ部への偏向割合を、先端可撓部4aの位置調整で適宜変えられ、状況に応じた最適な吹出パターンを容易に得ることができると共に、調整時に先端可撓部4b先端が中コーン3に誤って接触しても中コーン3の損傷はない。さらに、先端可撓部4bには不織布に限らず、これ以外の可撓性シート材を用いる構成とすることもできる。
【0029】
また、前記実施の形態に係る吹出口装置において、気流偏向板4の外側枠体2取付部分は非可撓性板材製の取付用基部4aとする構成としているが、この他、気流偏向板4全体を不織布等の吸音性シート材製とする構成や、取付用基部4aとして板材表面に不織布が貼設されたり、表面に静電植毛が施されたりしたものを用いる構成とすることもでき、気流偏向板4全体で風切り音等の騒音の発生を抑えられると共に、吸音性を与えて上流側からの騒音の室内側への伝播を防止できる。
【0030】
また、前記実施の形態に係る吹出口装置において、気流を偏向させてコーナ部へ導く気流偏向板4を外側枠体2内周にのみ配設する構成としているが、これに限らず、外側枠体2の開口領域における気流案内手段としての中コーンが、外コーン部2a内側面に対向する四つの傾斜面を拡開状に配置された複数の大きさの異なる羽根体を同心配置で一体化されて形成される場合、中コーンの各羽根体内周にも外側枠体2内周同様に気流偏向板を配設する構成とすることもでき、中コーンの各羽根体間に流れ込む気流も中コーン内周側の気流偏向板により中コーンのコーナ部に偏向させられることとなり、吹出口全体で気流の吹出方向を様々に変化させることができ、より多様な吹出パターンが得られると共に、誘引気流も確実に発生させられ、空気調和能力を大幅に高められる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、気流案内手段より上流側の外側枠体内周に開口領域へ突出する気流偏向板を配設し、外コーン部と気流案内手段との間へ進もうとする気流を気流偏向板で一部偏向させて、気流を外側枠体の開口領域コーナ部へ導き、斜め下方向へ吹出せることにより、コーナ部からの斜め吹出しを簡略な構造で実現することができ、製造・組立も容易でコストダウンを図れるという効果を奏する。また、外側枠体への気流案内手段取付時に外コーン部内側面に誤って接触しやすい気流案内手段側からの突出物等を一切設けずに済み、損傷を未然に防げ、取扱性に優れるという効果を有する。さらに、気流が気流偏向板に当って進む向きを偏向されるものの、気流案内手段に沿って流れる一部の気流はそのまま抵抗無く進めることから、圧力損失は小さく、風切り音等の騒音発生も抑えられると共に、気流案内手段に沿って外側枠体外縁側にも気流が若干達することで、外側枠体外縁部への室内空気の付着を抑えられ、外縁部での結露を防止できるという効果を有する。
【0032】
また、本発明によれば、気流偏向板がそれぞれ開口領域への突出量を調整可能に外側枠体に配設され、気流案内手段と外側枠体との間の各気流通路の遮蔽具合を制御して各コーナ部へ向う気流の割合を調整することにより、各気流偏向板毎の突出長さの設定で空気調和対象空間へ吹出す気流の吹出パターンを制御できることとなり、所定の方向への吹出制限など、設置箇所や空気調和状況に応じて気流の吹出状態を様々に変化させて適切な吹出パターンを得ることができ、空気調和能力を高められるという効果を有する。
【0033】
また、本発明によれば、気流偏向板を複数枚重ねた薄板の組合せとし、外側枠体に対し気流偏向板をなす薄板の重なり状態を調整し、開口領域への突出長さ及び幅を変化させて、気流案内手段と外側枠体との間の気流通路の遮蔽具合を細かく変化させられることにより、各気流偏向板毎に、気流案内手段に沿って進む気流の流量を調整・制限したり、気流のコーナ部へ向う割合を変化させたりして、空気調和対象空間へ吹出す気流の状態を自由に設定でき、吹出口全体で様々な気流吹出パターンを実現できることとなり、設置箇所や空気調和状況に応じて最も効率的な吹出パターンを得ることができ、様々な状況で空気調和能力を向上させられるという効果を有する。
【0034】
また、本発明によれば、気流偏向板を非可撓性の取付用基部と先端可撓部との組合せ構造とし、気流案内手段寄りに可撓性を有する先端可撓部を配置することにより、外側枠体への気流案内手段取付時に、気流偏向板先端の先端可撓部が気流案内手段に接触しても速やかに撓んで気流案内手段を傷付けず、気流案内手段における損傷等をなくせる。また、気流案内手段と外側枠体との間を通る気流により先端可撓部が適度に撓んで抵抗を減らすことにより、風切り音が発生しにくく、空気調和対象空間側へ漏れる騒音を減少させられるという効果を有する。
【0035】
また、本発明によれば、気流偏向板をなす取付用基部に対し先端可撓部を位置調整可能に配設し、取付用基部に対し先端可撓部を位置調整して気流偏向板としての開口領域への突出量を変化させられることにより、外側枠体と気流案内手段との間を通過しようとする気流のコーナ部へ進む割合を変化させるのを、先端可撓部位置調整で適宜変えられ、状況に応じて最適な吹出パターンを容易に得ることができると共に、気流偏向板による調整時に、気流偏向板先端が気流案内手段に誤って接触しても先端可撓部が容易に撓んで気流案内手段の損傷を防止するという効果を有する。
【0036】
また、本発明によれば、気流偏向板の先端可撓部として不織布を用い、可撓性と共に吸音性や断熱性等を合せ持つ先端可撓部とすることにより、気流偏向板における風切り音の発生を防ぐと共に、上流から伝播する音を吸収でき、空気調和対象空間側へ漏れる騒音を大幅に低減できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る吹出口装置の冷気吹出し状態における概略構成断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る吹出口装置の暖気吹出し状態における概略構成断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る吹出口装置における気流偏向板の斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る吹出口装置における気流偏向板突出量小状態での吹出パターン説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る吹出口装置における気流偏向板突出量大状態での吹出パターン説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る吹出口装置における垂直方向の吹出パターン説明図である。
【図7】従来の吹出口装置の概略構成断面図及び一部省略底面図である。
【図8】従来の吹出口装置における要部の概略構成斜視図である。
【符号の説明】
1、100 吹出口装置
2 外側枠体
2a 外コーン部
2b 直立部
2c 額縁部
3、102 中コーン
3a 羽根体
3b 支持部材
3c 昇降機構
4、103 気流偏向板
4a 取付用基部
4b 先端可撓部
50 天井
51 ダクト
101 開口枠体
103a、103b 気流偏向片

Claims (1)

  1. 略矩形又は略方形断面形状の開口領域を囲む開口枠体で形成され、空気調和の対象となる空間側へ向けて配設される一の開口端部を外コーン部として拡開状に形成されてなり、空気調和用の気体を他の開口端部から供給されると共に前記外コーン部側開口から前記空気調和対象空間へ吹出す外側枠体と、当該外側枠体の開口領域に配設され、前記外コーン部内側面に対向する複数の傾斜面を拡開状に配置されてなる気流案内手段とを備える吹出口装置において、
    前記外コーン部より前記他の開口端部寄りに位置して外コーン部に隣接する外側枠体の所定内周面に一部を固定され、外コーン部各内側面における前記他の開口端部寄り端辺の各中央部分所定範囲から、前記所定内周面の前記空気調和対象空間側への延長方向に突出させて配設される複数の気流偏向板を備え、
    当該各気流偏向板が、前記外コーン部各内側面における前記他の開口端部寄り端辺方向について当該端辺長さより小さい寸法とされると共に、前記気流案内手段との間に常に隙間が生じる状態で前記開口領域に所定長さ突出させて配設され、前記外コーン部と気流案内手段の傾斜面との間に進もうとする気流の一部を偏向させて開口領域各コーナ部へ導くことを
    特徴とする吹出口装置。
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