JP3972692B2 - 複数要素一括選択プログラムおよび複数要素一括選択方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CADシステムの技術に関し、特にソリッド編集コマンドの対象設定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常CADでは三次元物体を表現する図形に対して、これを移動させたり回転させたり変形させるソリッド編集コマンドを用いて図形を編集生成し、これら図形を組みあわせて実在部品を写像する部品モデルを設計する。複数の部品モデルをある配置に組みあわせたものをアセンブリと称する。アセンブリ図形を形成する部品モデルは多くのソリッド編集コマンドによって生成編集されるが、その一つのソリッド編集コマンドによって生成される面や線からなる図形(幾何形状要素)のかたまりをフィーチャと称することが多い。すなわち、部品モデルは通常複数のフィーチャの組合せである。フィーチャに含まれる幾何形状要素のかたまりは別のソリッド編集コマンドの対象単位となる。複数フィーチャのかたまりをまた一つのフィーチャと設定することもできる。このようにしてCAD設計はフィーチャをソリッド編集コマンドの対象単位として行われている。
【0003】
しかし、通常、他のCADシステムで作成された部品モデルデータを自分のCADシステムに取り込む場合に、フィーチャ情報のレベルではデータ構造に互換性がないため、幾何形状要素のかたまりで受け渡しがなされる。この結果、このようなフィーチャ情報のない部品モデルではフィーチャ単位でソリッド編集コマンドを適用することができない。
【0004】
通常フィーチャを形成する幾何形状要素は空間的に近接していることから、従来のCADシステムではこのようなフィーチャ情報のない部品モデルの一部をソリッド編集コマンドの対象とする場合に、これらひとかたまりの幾何形状要素を含むような3Dボックスを設定して複数要素一括選択を行う機能がある。図7によってそのような従来の複数要素一括選択の操作を説明する。
【0005】
図7に示す部品モデルにおいて、ユーザは面Ωをもう少し右方向に伸ばしたいと考えたとする。これを実現するためには面Ωの右部分にある小さな直方体や穴空きの直方体をまとめて右側に移動させる必要がある。すなわち、ソリッド編集コマンドの『移動』を実行する対象としてこれら幾何形状要素を一括選択することが必要となる。
【0006】
従来のCADシステムではこれを3Dボックス設定によって実現する。その操作例を図7で説明すると、まず、ユーザは複数要素一括選択すべき部分を包み込む3Dボックスの底面を作るため、部品モデル上の適当な平面要素を指定する。図7の例では図7(1)のように点pをクリックしてこの点pを含む平面要素を底面作成基準平面とする。次いで、図7(2)のように底面オフセット値を数値入力で設定して、図7で『底面』と示した無限平面を作業平面として獲得する。次いで、図7(3)(4)のようにこの面上の対角位置の二点(図では点Aおよび点H)を指定して、底面EADHを確定する。次に図7(5)のように高さオフセット値を数値入力で指定して、図に示す3DボックスABCDEFGHを完成する。そして『確定』コマンドによって、この3Dボックス内に含まれる幾何形状要素が一括選択され所望のソリッド編集コマンドが実行される。
【0007】
このように、従来の複数要素一括選択方法では、
(1)部品モデル上の平面要素指定
(2)底面オフセット値入力
(3)底面コーナ指定
(4)対角位置の底面コーナ指定
(5)高さオフセット値入力
といった操作が必要であった。
【0008】
このように従来の3Dボックスを設定して複数要素一括選択を行う方法は、汎用的に複数要素一括選択を行うごく自然な方法である。しかし、CAD操作で扱う複数要素一括選択は図7に例示したような面Ωを伸ばしたい、というような図形のまとまった移動を行うソリッド編集コマンドのために用いられる場合が非常に多い。このことに着目して従来の3Dボックスの方法を吟味すると、さらに複数要素一括選択を操作性よく行わせる余地がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来の3Dボックスによる複数要素一括選択操作を行う頻度を調べてみると、3Dボックスの底面で仕切られた幾何形状要素のうち、片側の幾何形状要素の全体を選択するケースが非常に多いが、このような場合、底面を有限のサイズに限定することは無駄である。また、3Dボックスに有限の高さを与える操作も無駄である。すなわち、従来のCADシステムにおける複数要素一括選択の方法には、さらに操作性を改善すべき余地がある、という課題があった。本発明はこのような課題に鑑み、複数要素一括選択の操作性をさらに向上したCADシステムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、図3の複数要素一括選択動作フローにおけるステップS305の部分を詳細化した図4に示す如く、CAD画面上で部品モデルを形成する幾何形状要素の中から、空間的に近接した一部分の幾何形状要素をまとめて選択する複数要素一括選択方法であって、前記幾何形状要素の中から指定された平面要素に基づいて第1の平面を特定する第1平面特定段階(ステップS402)と、対象部品モデルの各頂点から前記第1の平面に至る各距離を比較する距離比較段階(ステップS403)と、前記各距離の比較に基づいて、前記第1の平面に平行な第2の平面を特定する第2平面特定段階(ステップS404)と、前記第1の平面と前記第2の平面とによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素を選択する要素選択段階(ステップS406)と、を有する複数要素一括選択方法によって解決される。
【0011】
すなわち、図7に示す部品モデルの複数要素一括選択問題を、本発明の図4に示す複数要素一括選択手段の動作によって行うと、図1に示す如く、ユーザは伸ばしたい面BEFC上の延長方向側の端に近い任意の一点(図1でpと示す)をクリックすると、第1平面特定段階において点pを含む第1の平面αが特定される。次いで、距離比較段階において部品モデルの各頂点A,B,C,D,E,F,G,...から第1の平面αに至る各距離が比較され、これに基づいて第2平面特定段階において第2の平面βが特定される。そして要素選択段階において第1の平面αと第2の平面βとによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素(図1の例では小さな直方体や穴のあいた直方体に相当する幾何形状要素)の一括選択が完了する。その詳細については後に述べる。
【0012】
また、上記課題は図3のステップS306、310、305のループに示す如く、前記第1の平面は前記指定された平面要素に対応する有限平面を含む平面であること、または、前記第1の平面は前記指定された平面要素に対応する有限平面と直交する平面であることを可能とする複数要素一括選択方法によって解決される。
【0013】
すなわち、図1において面BEFC上の点pをクリックするとき、面BEFCそのものを第1の平面としたり、図1にαで示す面を第1の平面とすることがワンタッチで切り替えられる。このため、ユーザは面BEFCを伸ばしたいときに面BEFCをクリックしてもよく、また先に説明した従来例の場合のように面FCDをクリックしてもよいので、操作性よく複数要素一括選択ができる。
【0014】
また、上記課題は、前記距離比較段階は、さらに、図4の実施例のステップS403の如く、前記第1の平面によって分けられた2つの空間を空間1および空間2と認識する段階と、前記部品モデルの各頂点のうち前記空間1に含まれる頂点の集合を空間1頂点群、前記空間2に含まれる頂点の集合を空間2頂点群と認識する段階と、前記各距離の比較によって前記空間1頂点群中で距離が最大である頂点を最遠点1と決定し、前記空間2頂点群中で距離が最大である頂点を最遠点2と決定する段階と、を含み、前記第2平面特定段階はさらに、図4の実施例のステップS404の如く、前記最遠点1と前記最遠点2とを比較して、より前記第1の平面に近い最遠点である上限点p を含み前記第1の平面に平行な平面を第2の平面と決定する段階と、を含んだ構成によって解決される。
【0015】
この構成における作用を図1の実施例で説明すると、第1平面特定段階で特定された第1の平面αによって空間は図示のように空間1と空間2に分けられ、例えば図1で点A,B,E,...は空間1に属し、点F,C,D,G,J,K,H,I,...は空間2に属している。よって空間1頂点群{A,B,E,...}および空間2頂点群{F,C,D,G,J,K,H,I,...}が認識される。そして、空間1頂点群{A,B,E,...}における第1の平面αまでの距離の最遠点である最遠点1として点A(本例ではB,Eも同等)が、また空間2頂点群{F,C,D,G,J,K,H,I,...}における第1の平面αまでの距離の最遠点である最遠点2としてI(本例ではH,J,Kも同等)が決定され、この両者の比較により、Iの方がAより第1の平面αに近いので、最遠点2の点Iを含み第1の平面αに平行な平面である面βを第2の平面βとして決定するのである。これによってユーザは点pをクリックするだけで所望の複数要素一括選択ができることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の複数要素一括選択方法および複数要素一括選択プログラムの実施例を図1〜図7により説明する。なお、本発明におけるコンピュータ処理は、当該コンピュータの主記憶装置上に展開されたコンピュータプログラムにより実行されるが、このコンピュータプログラムの提供形態は、当該コンピュータに接続された補助記憶装置をはじめ、CD−ROM等の可搬型記憶装置やネットワーク接続された他のコンピュータの主記憶装置及び補助記憶装置等の各記録媒体に格納されて提供されるもので、このコンピュータプログラムの実行に際しては、当該コンピュータの主記憶装置上にローディングされ実行されるものである。
【0017】
図2は本発明の複数要素一括選択方法を用いたCADシステムの実施例のシステム構成例である。入力部10はユーザが所望の部品モデルを構築するためにシステムと対話的にもろもろの指示を与える手段である。形状作成部(モデラー)20は入力部10からの入力指示に基づき、部品モデルを生成編集する。ソリッド編集コマンド制御手段21は個々のコマンドを実行する。複数要素一括選択手段22はソリッド編集コマンド制御手段21に与える対象の幾何形状要素を一括選択する。本発明を実施した図2の実施例では、複数要素一括選択手段22はさらに、第1平面特定手段1、距離比較手段2、第2平面特定手段3、要素選択手段4を含む構成である。幾何形状要素データベース30は形状作成部(モデラー)20の生成編集する部品モデルを格納する。表示部40は形状作成部(モデラー)20がユーザの指示に基づき実行したソリッド編集コマンド等の実行結果を表示してユーザに示す。すでに図1や図7に示した部品モデルの表示はその一例である。
【0018】
次に幾何形状要素データベース30に格納される部品モデルのデータ構造について図5〜6によって説明する。図5は部品モデルの集まりであるアセンブリのデータ構造を示す。図5(a) に示すように、アセンブリは3 次元空間上に複数の3 次元部品モデルを配置し、その組合せと位置を記録するモデルを指す。従って、アセンブリ自身は形状を持たず、形状は配置された部品モデルに依存する。図5(a) では一つのアセンブリが 3つの部品モデルの配置として作られた例を示す。
【0019】
図5(b) にはアセンブリ情報管理構造体のデータ構造例を示す。アセンブリの集まりもアセンブリである。従ってアセンブリはアセンブリまたは部品モデルの集まりである。その構成において最上位のアセンブリを「ルートアセンブリ」という。ルートアセンブリの構成要素であるアセンブリを「サブアセンブリ」と呼び、ルート及びサブアセンブリからみて1レベルだけ下位に位置する構成要素を、そのアセンブリの「第一子」と呼ぶ。図5(b) の例ではルートアセンブリAはサブアセンブリA1、部品モデルP1および部品モデルP2からなる配置として定義されている。アセンブリ情報管理構造体は図5(b) の▲1▼に示すようにPath情報および第一子配置情報からなる。Path情報は図5(b) ▲2▼に示すようにPath管理情報の集合であり、このPath情報をたどることにより、アセンブリを構成するすべての部品モデルとその配置が得られる。幾何形状要素データベース30にはこれらアセンブリ情報管理構造体をディレクトリとして、ここに参照されるすべての部品モデルは幾何形状要素データベース30内の各メンバーとなる。
【0020】
一つの部品モデルを形成する幾何形状要素のデータ構造を図6で説明する。図6はフィーチャ情報のない部品モデルのデータ構造例である。図6(a) の部品モデルの例では矩形断面を押し出すスイープにより生成されたフィーチャ01ソリッドに穴1(フィーチャ02)および穴2(フィーチャ03)を作ったもので、3つのフィーチャからなる。一つのフィーチャは複数の幾何形状要素からなり、幾何形状要素の種類としては「Face−nn」で示す面の幾何形状要素、「edge−nn」で示す稜線の幾何形状要素、および「Vertex−nn」で示す頂点の幾何形状要素がある。
【0021】
図6(b) にはこのような幾何形状要素の集合である部品モデルのデータ構造例を示す。図示のように、図6(a) の部品モデルは図6(b) に示す面「Face−1」〜「Face−L」の幾何形状要素、稜線「edge−1」〜「edge−M」の幾何形状要素、および頂点「Vertex−1」〜「Vertex−N」の幾何形状要素で構成される。
【0022】
「Face−nn」で示す面の幾何形状要素に関し、その内容はさらに図6(b) に示すように、要素id、Faceの種類、基準点の座標、法線ベクトル、基準方向ベクトルの情報をもつ。これによって、当該部品モデルにおいて当該「Face−nn」幾何形状要素が曲面か平面か、モデル内のどの位置にあり、どちらに向いているかを規定している。
【0023】
本発明の複数要素一括選択手段の実施例を図3の動作フロー図により説明する。本実施例では従来の汎用的な3Dボックス設定の機能も残しつつ、さらに操作性の優れた複数要素一括選択を可能とする追加を行っている。
ユーザは入力部10から従来のように複数要素一括選択アイコンをクリックする。ステップS301はこれを待ち受けている。複数要素一括選択アイコンのクリックを検出すると、形状作成部(モデラー)20の複数要素一括選択手段22はステップS302において表示部40に領域幅フォームを表示し、あわせて制御アイコン『next』『decide』表示をして平面部クリックを待ち受ける。領域幅フォームは従来の3Dボックスの高さオフセットのようにマニュアルで領域幅をセットする指示ウィンドウである。制御アイコン『next』『decide』は選択結果への指示ボタンである。
【0024】
ステップS303において複数要素一括選択手段22は部品モデルの平面要素に相当する位置のクリックを検出したならば、複数要素一括選択バッファbuffをリセットし、領域幅指示値wset=0, 作業平面フラグsel=1 と設定する。ここに複数要素一括選択バッファbuffは一括選択された幾何形状要素集合を記録するバッファである。また、領域幅指示値wsetは後述の領域幅フォームによってマニュアルで領域幅が設定された場合はその指示値を格納する。また、作業平面フラグsel は第1の平面および第2の平面を指定するフラグで、sel=1,3,5 は三種類の第1の平面を、sel =2,4,6はそれぞれの第1の平面に対応する第2の平面をあらわすフラグである。本実施例では後述のようにクリックされた平面自身を作業平面1と決め、これに直交する平面を作業平面3、作業平面5としている。ステップS304で作業平面フラグsel =1と初期設定するので、デフォルトでは作業平面1が第1の平面として選ばれていることになる。
【0025】
この状態で複数要素一括選択手段22はステップS305の選択フェーズ処理ルーチンを起動し、図4によって後述する複数要素一括選択を実行する。ステップS305の実行結果は表示部40に表示され、所定の幾何形状要素群が選択強調表示されている。ユーザはその選択に対してステップS306〜308に至る操作によって選択内容の変更を指示できる。
【0026】
ユーザは制御アイコン『next』クリックにより第1の平面を選択し直す指示を与える。複数要素一括選択手段22はステップS306でこれを検出し、ステップS310で作業平面フラグsel の値を1→3→5→1のようにサイクリックに変更する。これによって第1の平面は作業平面1、作業平面3、作業平面5と変化する。
【0027】
ステップS307はユーザがマニュアルで領域幅フォームに領域幅を設定したことを検出する。その場合複数要素一括選択手段22は領域幅指示値wsetを入力値inに書き換える。すなわち、wset=in と設定する。
ステップS308は従来のマニュアルによる幾何形状要素の追加削除であって、複数要素一括選択手段22はこれらのクリックおよび指定(追加/削除)を検出するとステップS312で追加された要素の要素idを複数要素一括選択buffに追加し、削除された要素の要素idは複数要素一括選択バッファbuffから削除する。
【0028】
最終的にユーザが制御アイコン『decide』をクリックすると複数要素一括選択手段22はステップS309でこれを検出し複数要素一括選択内容を確定する。すなわちステップS313で複数要素一括選択バッファbuffの内容をソリッド編集コマンドに渡す。
次に、図3の実施例のステップS305の選択フェーズ処理ルーチンの動作を図4によって説明する。ステップS401で複数要素一括選択手段22は現在表示の作業平面を消し、選択要素の着色を消す。次いで複数要素一括選択手段22は第1平面特定手段1を起動しステップS402で作業平面sel の生成を行う。すなわち、第1平面特定手段1は幾何形状要素データベース30の中の当該平面幾何形状要素(これを「Face−xx」とする) を認識する。そして、平面Face−xxの属性データからその法線ベクトル(V1,V2,V3)および基準ベクトル(v1,v2,v3)を取得し、与えられた作業平面フラグsel によって第1の平面αを特定する。具体的には、sel=1 は選択平面Face−xxそのもの、sel=3 は基準ベクトル(v1,v2,v3)を含んで選択平面にクリック位置で直交する平面、sel=5 はsel=3 の平面と選択平面の両者にクリック位置で直交する平面とする。
【0029】
このようにして第1平面特定手段1が第1の平面αを特定すると複数要素一括選択手段22は次いでステップS403で距離比較手段2を起動し、第1の平面αである作業平面sel の両側の存在要素の両最遠点の近い方の点、点N を求める。このステップS403の段階は以下の手順で実行される。
(s-1) 空間1および空間2の認識を行う。
作業平面sel すなわち第1の平面αによって分けられた2つの空間を空間1および空間2と認識する。
(s-2) 空間1頂点群、空間2頂点群の認識を行う。
対象部品モデルの各頂点のうち前記空間1に含まれる頂点の集合を空間1頂点群、前記空間2に含まれる頂点の集合を空間2頂点群と認識する。
(s-3) 最遠点1、最遠点2を特定する。
前記各頂点から第1の平面α( 作業平面sel ) への各距離を順次求める。これら距離の比較によって前記空間1頂点群中で距離が最大である頂点を最遠点1と決定し、前記空間2頂点群中で距離が最大である頂点を最遠点2と決定する。
(s-4) 近い方の最遠点を点N と設定する。点N の存在方向を正方向と定める。
前記最遠点1と前記最遠点2とを比較して、より前記第1の平面に近い最遠点を点N とし、点N の存在方向を正方向と定める。
【0030】
次いで複数要素一括選択手段22はステップS404で第2平面特定手段3を起動し、先に求めた点N と領域幅指示値wsetとから上限点p および領域幅値width を決定して第2の平面である作業平面sel+1 を決定する。この段階はさらに次の2ステップに分かれる。
(s-1) 上限点p および領域幅値width を決定する。
上限点p は第2の平面を決める点で、自動または手動で決まる。自動とはwset=0の場合、すなわち、領域幅フォームからマニュアル入力設定がなかった場合であり、この場合は先に求めた点N を上限点p と決定し、その距離d を領域幅値width に設定する。一方、領域幅フォームからマニュアル入力設定がされている場合はwset>0,wset<0 であり、この場合、点N から作業平面sel に立てた法線上の正(wset>0 時) または負(wset<0 時) 方向への平面からの長さ|wset|の点を上限点p とし、その距離値( すなわち|wset|) をwidth に設定する。
(s-2) 作業平面sel+1 の生成( 第2の平面の特定)
かくして上限点p が特定されたので、第2平面特定手段3は上限点p を含み作業平面sel に平行な面を作業平面sel+1 、すなわち第2の平面βと特定する。
【0031】
次に、複数要素一括選択手段22はステップS405において領域幅値width をフォームにセットする。すなわち、現在設定された第1の平面αと第2の平面βとの距離である領域幅値width を領域幅フォームに表示して、ユーザに領域幅を数値でわからせる。
次いで、複数要素一括選択手段22はステップS406で要素選択手段4を起動し、現在の領域幅値width を用いて、当該部品モデル中のすべての幾何形状要素を幾何形状要素データベース30から取り出し、この領域幅に含まれる要素を判定抽出し、複数要素一括選択バッファbuffにその要素idを加える。最後に、複数要素一括選択手段22はステップS407で、現在の複数要素一括選択バッファbuff内の要素idに基づき、表示部40上の対応幾何形状要素に着色処理を行う。これによってユーザは現在複数要素一括選択された幾何形状要素群を表示部40上で確認することができる。
【0032】
(付記1) CAD画面上で部品モデルを形成する幾何形状要素の中から、空間的に近接した一部分の幾何形状要素をまとめて選択する情報処理をコンピュータに実行させる複数要素一括選択プログラムであって、
前記幾何形状要素の中から指定された平面要素に基づいて第1の平面を特定する第1平面特定段階と、
対象部品モデルの各頂点から前記第1の平面に至る各距離を比較する距離比較段階と、
前記各距離の比較に基づいて、前記第1の平面に平行な第2の平面を特定する第2平面特定段階と、
前記第1の平面と前記第2の平面とによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素を選択する要素選択段階と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする複数要素一括選択プログラム。
(付記2) 前記第1の平面は前記指定された平面要素に対応する有限平面を含む平面であることを特徴とする付記1記載の複数要素一括選択プログラム。
(付記3) 前記第1の平面は前記指定された平面要素に対応する有限平面と直交する平面であることを特徴とする付記1記載の複数要素一括選択プログラム。
(付記4) 前記距離比較段階をコンピュータに実行させるプログラムは、さらに、
前記第1の平面によって分けられた2つの空間を空間1および空間2と認識する段階と、
前記部品モデルの各頂点のうち前記空間1に含まれる頂点の集合を空間1頂点群、前記空間2に含まれる頂点の集合を空間2頂点群と認識する段階と、
前記各距離の比較によって前記空間1頂点群中で距離が最大である頂点を最遠点1と決定し、前記空間2頂点群中で距離が最大である頂点を最遠点2と決定する段階と、
を含み、前記第2平面特定段階をコンピュータに実行させるプログラムは、さらに、
前記最遠点1と前記最遠点2とを比較して、より前記第1の平面に近い最遠点を含み前記第1の平面に平行な平面を第2の平面と決定する段階と、
を含むことを特徴とする付記1記載の複数要素一括選択プログラム。
(付記5) CAD画面上で部品モデルを形成する幾何形状要素の中から、空間的に近接した一部分の幾何形状要素をまとめて選択する複数要素一括選択方法であって、
前記幾何形状要素の中から指定された平面要素に基づいて第1の平面を特定する第1平面特定段階と、
対象部品モデルの各頂点から前記第1の平面に至る各距離を比較する距離比較段階と、
前記各距離の比較に基づいて、前記第1の平面に平行な第2の平面を特定する第2平面特定段階と、
前記第1の平面と前記第2の平面とによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素を選択する要素選択段階と、
を有することを特徴とする複数要素一括選択方法。
(付記6) CAD画面上で部品モデルを形成する幾何形状要素の中から、空間的に近接した一部分の幾何形状要素をまとめて選択する複数要素一括選択手段を有するCADシステムであって、前記複数要素一括選択手段は、
前記幾何形状要素の中から指定された平面要素に基づいて第1の平面を特定する第1平面特定手段と、
対象部品モデルの各頂点から前記第1の平面に至る各距離を比較する距離比較手段と、
前記各距離の比較に基づいて、前記第1の平面に平行な第2の平面を特定する第2平面特定手段と、
前記第1の平面と前記第2の平面とによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素を選択する要素選択手段と、
を有することを特徴とするCADシステム。
【0033】
(付記7) CAD画面上で部品モデルを形成する幾何形状要素の中から、空間的に近接した一部分の幾何形状要素をまとめて選択する情報処理をコンピュータに実行させる複数要素一括選択プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記幾何形状要素の中から指定された平面要素に基づいて第1の平面を特定する第1平面特定段階と、
対象部品モデルの各頂点から前記第1の平面に至る各距離を比較する距離比較段階と、
前記各距離の比較に基づいて、前記第1の平面に平行な第2の平面を特定する第2平面特定段階と、
前記第1の平面と前記第2の平面とによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素を選択する要素選択段階と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする複数要素一括選択プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、一括選択すべき複数幾何形状要素の中から指定された平面要素に基づいて第1の平面を特定し、対象部品モデルの各頂点から前記第1の平面に至る各距離を比較し、前記各距離の比較に基づいて、前記第1の平面に平行な第2の平面を特定し、前記第1の平面と前記第2の平面とによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素を選択する一括選択方法によって、操作性のすぐれた複数要素一括選択ができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複数要素一括選択方法の実施例の操作例
【図2】本発明の複数要素一括選択手段を含むCADシステムの実施例構成図
【図3】本発明の複数要素一括選択手段実施例の動作フロー図
【図4】選択フェーズ処理ルーチンの動作フロー図
【図5】アセンブリおよびアセンブリ情報管理構造体のデータ構造例
【図6】フィーチャ情報のない部品モデルのデータ構造例
【図7】従来の複数要素一括選択方法の例
【符号の説明】
1 第1平面特定手段
2 距離比較手段
3 第2平面特定手段
4 要素選択手段
10 入力部
20 形状作成部(モデラー)
21 ソリッド編集コマンド制御手段
22 複数要素一括選択手段
30 幾何形状要素データベース
40 表示部
buff 複数要素一括選択バッファ
width 領域幅値
wset 領域幅指示値
sel 作業平面フラグ
{A,B,E,...} 空間1頂点群
{F,C,D,G,J,K,H,I,...} 空間2頂点群
Claims (5)
- CAD画面上で部品モデルを形成する幾何形状要素の中から、空間的に近接した一部分の幾何形状要素をまとめて選択する情報処理をコンピュータに実行させる複数要素一括選択プログラムであって、
前記幾何形状要素の中から指定された平面要素に基づいて第1の平面を特定する第1平面特定段階と、
対象部品モデルの各頂点から前記第1の平面に至る各距離を比較する距離比較段階と、
前記各距離の比較に基づいて、前記第1の平面に平行な第2の平面を特定する第2平面特定段階と、
前記第1の平面と前記第2の平面とによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素を選択する要素選択段階と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする複数要素一括選択プログラム。 - 前記第1の平面は前記指定された平面要素に対応する有限平面を含む平面であることを特徴とする請求項1記載の複数要素一括選択プログラム。
- 前記第1の平面は前記指定された平面要素に対応する有限平面と直交する平面であることを特徴とする請求項1記載の複数要素一括選択プログラム。
- 前記距離比較段階をコンピュータに実行させるプログラムは、さらに、前記第1の平面によって分けられた2つの空間を空間1および空間2と認識する段階と、
前記部品モデルの各頂点のうち前記空間1に含まれる頂点の集合を空間1頂点群、前記空間2に含まれる頂点の集合を空間2頂点群と認識する段階と、
前記各距離の比較によって前記空間1頂点群中で距離が最大である頂点を最遠点1と決定し、前記空間2頂点群中で距離が最大である頂点を最遠点2と決定する段階と、
を含み、前記第2平面特定段階をコンピュータに実行させるプログラムは、さらに、
前記最遠点1と前記最遠点2とを比較して、より前記第1の平面に近い最遠点を含み前記第1の平面に平行な平面を第2の平面と決定する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の複数要素一括選択プログラム。 - CAD画面上で部品モデルを形成する幾何形状要素の中から、空間的に近接した一部分の幾何形状要素をまとめて選択する情報処理をコンピュータが実行する複数要素一括選択方法であって、
該コンピュータが、前記幾何形状要素の中から指定された平面要素に基づいて第1の平面を特定する第1平面特定段階と、
該コンピュータが、対象部品モデルの各頂点から前記第1の平面に至る各距離を比較する距離比較段階と、
該コンピュータが、前記各距離の比較に基づいて、前記第1の平面に平行な第2の平面を特定する第2平面特定段階と、
該コンピュータが、前記第1の平面と前記第2の平面とによってはさまれる空間領域に存在する幾何形状要素を選択する要素選択段階、
とを実行すること特徴とする複数要素一括選択方法。
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