JP3972440B2 - 樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有しかつ密着性および機械強度の優れた塗膜を形成可能な樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の小型化薄型化が進み、それらの部品に適用される材料に対しては応力をいかに緩和するかが重要な検討課題となってきた。
例えば、電子部品を直接コーティングする材料に対しては、高い応力緩和性が要求される。特に部品全体のサイズは小型化してきているが、それに搭載されるチップは大型化・薄型化してきており、硬化時あるいは硬化後の応力によるダメージをいっそう受け易くなっている。こうした背景から樹脂自体の低応力化がより要求されるようになってきた。
特に、ICカードの様に同一基板上に複数のベアチップが搭載された製品やリードフレームの樹脂ダムの形成においては、硬化の際のわずかな応力が配線の断線や基板のソリ、フレームの歪みの原因となる。
【0003】
これらの製品には従来エポキシ樹脂が用いられてきたが、この樹脂は硬化時の収縮に伴う応力が大きく、硬化後のヒートサイクル試験や、半田リフロー試験において、配線の断線や、硬化物のクラック発生等が問題となっている。また、リードフレーム上に樹脂ダムを形成する際の歪みに関しては、歪みの発生した箇所からモールド樹脂が流出しモールド時の成形不良が問題となっている。
これらの問題を解決するために、特開平2−311520号公報にはエポキシ樹脂組成物にシリコーンゴム弾性体を添加することで、可撓性を付与し応力を緩和しようとする試みがなされているが、基材に対する密着性が低下したり、樹脂強度が低下するといった問題がある。
【0004】
一方、ゴム弾性を有するモノマ成分をエポキシ樹脂に添加することで弾性率を低下させ、応力を緩和しようとする試みもなされている(特公昭61−48544号公報)が、これらの成分を組み合わせることで、樹脂の耐熱性が低下するといった問題点がある。
【0005】
一般に高耐熱性の熱可塑性樹脂は、樹脂弾性率が高く機械強度はあるが脆いため、そのまま電子部品に適用した場合、硬化後の基材の反りや熱衝撃試験での樹脂クラックの発生等の不具合が発生する可能性が高い。そこで、特開平1−123824号公報には樹脂中にゴム弾性を有するモノマ成分を共重合する方法が提案されているが、これらの方法は樹脂自体の耐熱性を低下させる原因となり好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは上記問題点を解決するために種々検討を重ねた結果、耐熱性および可撓性を有する熱可塑性樹脂と、ゴム弾性を有する粉体を組み合わせることにより密着性および耐熱性に優れ、かつ応力緩和性に優れた硬化物を得られる樹脂組成物を見いだし、本発明をなすに至った。 本発明は、塗布硬化時の硬化収縮が少なく、外部からの応力の緩和性に優れ、基材との密着性が良好でかつ高耐熱性を有する硬化物を得ることができる樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂、表面がエポキシ基で化学修飾されたゴム弾性を有する粉体及び有機溶剤を含有してなる無機充填剤非含有の樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置に関する。
【0008】
本発明においては、熱可塑性樹脂が、アミド基、エステル基、イミド基、またはエーテル基を生成する反応により得られる樹脂であるポリアミドまたはポリアミドイミドが用いられる。
【0009】
また本発明においては、アミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られる熱可塑性樹脂であるポリアミドまたはポリアミドイミドは下記一般式(I)または(II)で表される構造単位を有する樹脂組成物であることが好ましい。
【化8】
(式中、R1,R2,R3およびR4はそれぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、Xは化学結合、−O−、
【化9】
または
【化10】
を表し、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、低級アルキル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基またはフェニル基を表す。)
、または
【化13】
(式中、Xは−O−または
【化14】
を表し、ここでR10およびR11はそれぞれ独立に水素、低級アルキル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基またはフェニル基を示し、R7、R8およびR9はそれぞれ独立して低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン基を示し、x,yおよびzはそれぞれ置換基数を示す0〜4の整数であり、2個のXは同一でも異なっていてもよく、R7、R8およびR9がそれぞれ複数個結合しているときは、各々において、同一でも異なってもよい)
【0010】
本発明においては、上記のゴム弾性を有する粉体の平均粒径が、0.1〜50μmであることが好ましい。
【0011】
本発明においては、上記のゴム弾性を有する粉体の表面がエポキシ基で化学的に修飾されていることが好ましい。
【0012】
また本発明においては、上記の樹脂組成物を基板またはリードフレームに塗布または張り付けた後チップを接着してなる半導体装置に関する。
【0013】
また、本発明は、上記の樹脂組成物をチップ表面に塗布または張りつけた後、リードフレームまたは基板に接着してなる半導体装置に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置について詳しく説明する。
本発明においては、熱可塑性樹脂100重量部に対して、有機溶剤、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N−メチルピロリドン、またはトリエチレングリコールジメチルエーテル等の極性溶剤200〜3500重量部を加えて溶解しワニス化したものに、ゴム弾性を有する粉末20〜 700重量部を添加して、分散させた樹脂組成物であることが好ましい。
【0015】
上記の繰り返し単位は芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸またはそれらの反応性酸誘導体と反応して耐熱性の熱可塑性樹脂を製造する。本発明における一般式(I)で表される繰り返し単位としては、例えば、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロペンタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル,ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、4,4’−カルボニルビス(p−フェニレンオキシ)ジアニリン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等が好ましい。これらの中では、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンが特に好ましい。
【0016】
本発明における一般式(II)で表される繰り返し単位としては、例えば、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン等が好ましい。また上記反応性成分以外にも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテル、2,2’−[4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニル]プロパン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン等が使用でき、これを併用することもできる。
【0017】
本発明における芳香族ジカルボン酸としては、芳香族環に2個のカルボキシル基が結合したものであり、芳香族トリカルボン酸は芳香族環に3個のカルボキシル基が結合し、かつ3個のカルボキシル基のうち2個は隣接炭素原子に結合しているものが好ましい。また上記の芳香族環はヘテロ原子が導入されたものでも良く、あるいは芳香族環同士がアルキレン基、酸素、カルボニル基などを介して結合されても良い。さらに、上記の芳香族環はアルコキシ基、アリルオキシ基、アルキルアミノ基、ハロゲン等の縮合反応に関与しない置換基が導入されてもよい。
【0018】
本発明における芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸−4,4’、ジフェニルスルホンジカルボン酸−4,4’、ジフェニルジカルボン酸−4,4’、およびナフタレンジカルボン酸−1,5−等を挙げることがテレフタル酸およびイソフタル酸が入手容易で廉価であるから好ましい。特にテレフタル酸とイソフタル酸との混合物の使用は生成する重合体の溶解性の点からさらに好ましい。なお、本発明における芳香族ジカルボン酸の反応性誘導体とは、上記の芳香族ジカルボン酸のジハライド、例えば、ジクロライドあるいはジブロマイド、ジエステル等を意味する。
【0019】
また本発明における芳香族トリカルボン酸としては、トリメリット酸、3,3,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸、2,3,4’−ジフェニルトリカルボン酸、2,3,6−ピリジントリカルボン酸、3,4,4’−ベンズアニリドトリカルボン酸、1,4,5−ナフタリントリカルボン酸、2’−クロロベンズアニリド−3,4,4’−トリカルボン酸等が好ましい。また、上記芳香族トリカルボン酸の反応性誘導体とは、上記の芳香族トリカルボン酸の酸無水物、ハライド、エステル、アミド、アンモニウム塩などを意味する。
【0020】
本発明における芳香族トリカルボン酸としては、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物モノクロライド、1,4−ジカルボキシ−3−N,N−ジメチルカルボモイルベンゼン、1,4−ジカルボメトキシ−3−カルボキシベンゼン、1,4−ジカルボキシ−3−カルボフェノキシベンゼン、2,6−ジカルボキシ−3−カルボメトキシピリジン、1,6−ジカルボキシ−5−カルボモイルナフタリン、上記芳香族トリカルボン酸塩類とアンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン等からなるアンモニウム塩などが好ましい。これらの内、トリメリット酸無水物及びトリメリット酸無水物モノクロライドが入手容易で廉価であるため好ましい。
【0021】
本発明においては、芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸またはこれらの反応性誘導体は、ジアミンの総量100モル%に対して総量で80〜120モル%使用するのが好ましく、特に95〜105モル%使用するのが好ましい。ジアミン100モル%に対して芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸またはこれらの反応性誘導体が80モル%未満または120モル%を越えると、いずれも分子量が低下し、機械強度、耐熱性などが低下する傾向がある。
【0022】
本発明における有機溶剤としては、例えば、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、グリコールカーボネート等の極性溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等のエ−テル化合物、2−シクロヘキサノン、4−メチル−2−シクロヘキサノン等の脂環式ケトン化合物などが挙げられる。
【0023】
本発明で使用される表面が化学修飾されたゴム弾性を有する粉体としては、特に制限はないが、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム等の弾性体の粉末が挙げられる。これらの弾性体は、平均粒径が0.1〜50μmで球状或いは不定形に微粒子化したものが好ましい。平均粒径が平均粒径が0.1μm未満では粒子間の凝集が起き、充分な分散ができず、ペーストの経時安定性が低下する傾向があり、また、50μmを越えると、塗膜の表面が荒れ、かつ皮膜強度が低下する傾向がある。
【0024】
本発明で使用される表面が化学修飾されたゴム弾性を有する粉体の表面は、エポキシ基で化学的に修飾されたものが好ましい。上記のエポキシ基の代わりにアミノ基、アクリル基、フェニル基等の官能基で化学的に修飾されたものを使用することもできる。これらのゴム弾性を有する粉体を耐熱性を有する熱可塑性樹脂に添加することにより、樹脂の耐熱性および密着性を損なうことなく、弾性率を下げることが可能となる。
【0025】
本発明の樹脂組成物においては、塗布性、経時安定性からアミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られる熱可塑性樹脂100重量部に対して有機溶剤200〜3500重量部を使用することが好ましい。熱可塑性樹脂100重量部に対して有機溶剤200〜1000重量部が使用されることがより好ましく、300〜600重量部使用することがさらに好ましい。
【0026】
本発明の樹脂組成物においては、上記の熱可塑性樹脂100重量部に対して表面をエポキシ基で化学的に修飾されたゴム弾性を有する粉末が20〜700重量部使用されることが好ましく、50〜300重量部の使用がより好ましく、80〜150重量部の使用がさらに好ましい。
【0027】
上記の熱可塑性樹脂100重量部に対してゴム弾性を有する粉体が20重量部未満では、弾性率が1GPaを越え、電子部品に適用した場合、反りが発生し応力緩和性が著しく低下する傾向があり、また700重量部を越えると、塗膜の機械的強度が低下し塗膜としての機能が低下する傾向がある。
【0028】
本発明の樹脂組成物の好ましい態様としては、例えばアミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られる熱可塑性樹脂100重量部を有機溶剤200〜3500重量部に溶解させたワニスに表面をエポキシ基で化学的に修飾されたゴム弾性を有する粉体50〜700重量部を添加し、らいかい機、3本ロール、ボールミル等で混合混練することにより樹脂組成物を製造することができる。
【0029】
また、本発明の樹脂組成物を製造する際に、着色剤、カップリング剤等を添加してもよい。着色剤としてはカーボンブラック、有機染料、無機顔料等が挙げられ、カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等が使用でき、上記の熱可塑性樹脂100重量部に対して30重量部以下の配合量で添加することが好ましい。
【0030】
本発明の樹脂組成物を用いた半導体装置は、基板またはリードフレームに塗布または張り付けた後チップを接着して得られる。例えば上記の樹脂組成物を半導体部品の表面に塗布乾燥して保護膜を形成し、製造することが出来る。この樹脂組成物をチップ表面に塗布または張りつけた後、リードフレームまたは基板に接着してもよい。塗布乾燥は公知の方法によって行うことができる。形成された保護膜のガラス転移温度は180℃以上であり、十分な耐熱性を有する。その際、塗膜の弾性率は100MPa〜1GPaの範囲にあり、十分な応力緩和性を有することが好ましい。
【0031】
本発明の樹脂組成物は、上記の熱可塑性樹脂を溶剤に溶解して、表面が化学修飾されたゴム弾性を有する粉体を分散して得ることができる。塗布後、加熱乾燥して、溶剤を揮発させるのみで、容易に塗膜を形成することができ、乾燥時に硬化反応を伴うことは無い。加えて、上記の熱可塑性樹脂はこのゴム弾性体の粉体に対して高い親和性を有するため、ペースト中での両者の含有量を高くすることができ、密着性および耐熱性を低下させることなく弾性率を落とすことが可能となる。その結果、基板などの反りを防ぎ、可撓性を付与した応力緩和性に特に優れた半導体装置を製造することができる。
【0032】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
【0033】
合成例1
温度計、攪拌機、窒素導入管および冷却管を装着した1リットルの4口フラスコ中に窒素ガス雰囲気下でジアミンとして2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン82.0g(200ミリモル)を入れ、ジエチレングリコールジメチルエーテル335gに溶解した。この溶液を−10℃に冷却し、この温度でイソフタル酸ジクロライドを、温度が−5℃を越えないように添加した。その後、プロピレンオキシド23.2gを添加し、ジエチレングリコールジメチルエーテル96gを添加し、室温で3時間撹拌を続けた。反応液をメタノール100g中に投入して重合体を単離した。これを乾燥した後、再びジメチルホルムアミドに溶解し、再びジメチルホルムアミドに溶解し、これをメタノール中に投入してポリアミド重合体を得た。
【0034】
合成例2
温度計、攪拌機、窒素導入管および冷却管を装着した3リットルの4口フラスコ中に窒素ガス雰囲気下でジアミンとして2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン205.0g(500ミリモル)を入れ、ジエチレングリコールジメチルエーテル1177gに溶解した。この溶液を−10℃に冷却し、この温度でトリメリット無水物モノクロライド105.3gを温度が−5℃を越えないように添加した。その後、プロピレンオキシド87gを添加し、室温で3時間撹拌を続け、反応液の粘度が上昇し液が透明になったところで、ジエチレングリコールジメチルエーテル841gを追加し、更に1時間撹拌を続けた後、無水酢酸128gおよびピリジン64gを加え、60℃で1昼夜撹拌を続けた。得られた反応液をメタノール250g中に投入してポリアミドイミド重合体を単離させた。これを乾燥した後、N,N−ジメチルホルムアミドに再度溶解し、メタノール中に投入してポリアミドイミド重合体の生成物を得た。
【0035】
実施例1〜3
合成例1で得たポリアミド重合体100重量部をジエチレングリコールジメチルエーテル230重量部に溶解させワニス化した。これに平均粒径2μmの表面にエポキシ基を導入したシリコーンゴム弾性体の微粉末(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「トレフィルE601」)を50、80または100重量部加え、3本ロールで混練してペースト組成物を調製した。
得られた組成物を脱泡した後、ペーストをテフロン板上に薄く延ばし、70℃で30分予備加熱した後、更に180℃で60分加熱乾燥させ、フィルム状の硬化物(膜厚200μm)を得た。得られた硬化物を用いて弾性率、皮膜強度、ガラス転移温度、ヒートサイクル性及び基板のソリを測定した結果を表1に示す。
【0036】
ここで、弾性率は岩本製作所製スペクトロメータを用いて空気中、昇温速度2℃/分、周波数10Hzで測定した。皮膜強度は今田製作所製の引張り試験機を使用して測定した。ガラス転移温度は常法に従って測定した。
一方、耐クラック性を調べるために、ヒートサイクル性としてペーストを42アロイ基板上に一定量滴下し、上記乾燥条件にて乾燥硬化(10mmφ×1.2mm)したものをヒートサイクル試験(−40℃/30分→150℃/30分,500サイクル)にかけ、試験後の剥離またはクラックの有無を調べ、剥離またはクラックの発生しないものをOK、剥離またはクラックの発生したものをNGとした。
また、ペーストを厚さ0.4mmの20×20mmの42アロイ基板上に全面塗布し、上記と同じ加熱条件で加熱硬化し(硬化物膜厚50〜100μm)、下記基準に基づいて基板のソリを観察した。
○:基板のソリ0〜100μm未満
×:基板のソリ100μm以上
【0037】
実施例4
合成例2で得たポリアミドイミド重合体を用いた以外は実施例3と同様にして樹脂組成物を作製した。特性評価結果を表1に示す。
【0038】
比較例1
シリコーンゴム弾性体の粉体を添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を作製した。特性の評価結果を表1に示す。
【0039】
比較例2
合成例2で得た重合体を用い、シリコーンゴム弾性体の粉体を添加しない以外は、実施例3と同様にしてペースト組成物を作製した。特性の評価結果を表1に示す。
【0040】
比較例3
合成例2で得た重合体を用い、粉体表面を化学修飾していないシリコーンゴム微粉末を添加した以外は、実施例1と同様にしてペースト組成物を作製した。特性の評価結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
実施例5
実施例1で得られた樹脂組成物を42アロイ製のリードフレーム表面にシリンジを用いて50mg塗布した。その後、100℃で10分間予備加熱した後、10mm角のシリコンチップを張り付け、更に180℃1時間加熱乾燥した。得られたリードフレームの反りを表面荒さ計を用いて測定した。その結果、リードフレームの反りは5μm以下となり、ほとんど反りは見られなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、可撓性を有し、かつ均一で基材との密着強度に優れた硬化物を得ることが出来る。その硬化物は応力緩和性に優れており、熱ストレスのかかる半導体製品に対する保護膜材として好適である。また、従来使用されている、エポキシ系材料と比較して硬化収縮がほとんどないため、基材に対するストレスがなく、電子部品の小型化、薄型化に充分対応できる。
本発明の樹脂組成物を用いた半導体製品は、耐湿性、外部ストレスへの耐性、耐熱衝撃性に優れた高信頼性を有するものである。
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂、表面がエポキシ基で化学修飾されたゴム弾性を有する粉体を熱可塑性樹脂100重量部に対して20〜700重量部、及び有機溶剤を熱可塑性樹脂100重量部に対して200〜3500重量部、含有してなる樹脂組成物であって、
熱可塑性樹脂が、ポリアミドまたはポリアミドイミドであり、下記一般式(I)または( II )で表される構造単位を有する樹脂である、無機充填剤非含有の樹脂組成物。
、または
- 塗布乾燥後の塗膜の弾性率が100MPa〜1GPaの範囲にある、請求項1に記載の樹脂組成物。
- ゴム弾性を有する粉体の平均粒径が、0.1〜50μmである請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物を基板またはリードフレームに塗布または張り付けた後チップを接着してなる半導体装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物をチップ表面に塗布または張りつけた後、リードフレームまたは基板に接着してなる半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01844898A JP3972440B2 (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP01844898A JP3972440B2 (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 |
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