JP3971655B2 - 揮発性有機化合物除去シート、積層揮発性有機化合物除去シート、及びフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は揮発性有機化合物除去シート、積層揮発性有機化合物除去シート、及びフィルタに関する。特に、壁紙、建材、家具、接着剤、ワックス、開放型燃焼器具(ストーブ、石油ファンヒーターなど)、溶剤(ヘアスプレー、塗料など)、たばこの煙など建築物内や車室内などの閉鎖空間において発生しやすい揮発性有機化合物の除去に適している揮発性有機化合物除去シート、積層揮発性有機化合物除去シート、及びフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物の気密性が高まったことにともなって、建築物内に揮発性有機化合物(以下、「VOC」と略記することがある)が滞留しやすい状況となっている。このようなVOCは発癌性物質である可能性があり、また、シックハウス症候群の主原因であると考えられているため、建築物内にVOCが滞留していることは、住民にとって好ましい環境ではない。そのため、VOCを分解除去できる粉体を含むシートを用いてVOCによる弊害をなくすことが提案されている。
【0003】
この粉体を含むシートの製造方法として、例えば、VOCを除去できる粉体と接着剤とを混合するか、混合しないで、基材シートへ塗布して前記粉体を基材シートに接着固定する方法、が知られている。
【0004】
しかしながら、前記方法によると、接着剤によってVOCを除去できる粉体の表面の大部分が被覆されてしまい、VOCを除去できる粉体の十分な性能を発揮できないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、十分なVOC除去性能を発揮できる揮発性有機化合物除去シート、積層揮発性有機化合物除去シート、及びフィルタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の揮発性有機化合物除去シートは、「揮発性有機化合物除去粉体と、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維とを分散した状態で含み、前記揮発性有機化合物除去粉体が前記極細短繊維により保持されており、前記極細短繊維が海島型繊維の海成分を除去して得た島成分からなり、極細短繊維の集合体と揮発性有機化合物除去粉体とを圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出し、極細短繊維の集合体から個々の極細短繊維を発生させ、分散させるとともに、揮発性有機化合物除去粉体も分散させて形成した揮発性有機化合物除去粉体含有繊維ウエブから形成した揮発性有機化合物除去シート」からなる。このように、本発明の揮発性有機化合物除去シート(以下、「VOC除去シート」と表記することがある)は、極細短繊維によって保持された状態にあり、揮発性有機化合物除去粉体(以下、「VOC除去粉体」と表記することがある)の表面が、従来のように接着剤によって被覆された状態にはないため、VOC除去粉体の本来有する除去性能を最大限に発揮することができ、十分なVOC除去性能を発揮できるものである。
【0007】
特に、揮発性有機化合物除去シート(VOC除去シート)が湿式法以外の方法により形成した揮発性有機化合物除去粉体含有繊維ウエブ(以下、「VOC除去粉体含有繊維ウエブ」と表記することがある)から形成されたものであると、水を分散媒体とした場合のような界面活性剤や糊剤を使用する必要がないため、VOC除去粉体の表面がこれら界面活性剤や糊剤によって被覆されておらず、VOC除去粉体の本来有する除去性能を最大限に発揮することができる。
【0008】
前記揮発性有機化合物除去粉体(VOC除去粉体)の平均粒径が50μm以下であると、VOC除去粉体の機能を最大限に発揮することができる。また、揮発性有機化合物除去シート(VOC除去シート)の全質量に対する前記極細短繊維の質量比率が5〜40mass%であると、VOC除去粉体量が多いためVOC除去性に優れている。
【0009】
前記極細短繊維が海島型繊維の海成分を除去して得た島成分からなると、極細短繊維が均一に分散しやすいため、VOC除去粉体も均一に分散した状態であることができる。前記極細短繊維が有機成分からなると、極細短繊維が柔軟性に優れているためVOC除去粉体の保持性に優れているとともに、VOC除去シート自体も柔軟性に優れているため、各種形状に変形でき、各種用途に適用できるVOC除去シートである。
【0010】
本発明のフィルタは上記のVOC除去シートを構成材として備えているため、VOCの除去性に優れている。
【0011】
本発明の積層揮発性有機化合物除去シート(以下、「積層VOC除去シート」と表記することがある)は、上記の揮発性有機化合物除去シート(VOC除去シート)と、上記の揮発性有機化合物除去シート(VOC除去シート)とは異なるシートが積層一体化されている積層VOC除去シートである。したがって、VOC除去性に優れている。
【0012】
本発明の別のフィルタは上記の積層VOC除去シートを構成材として備えているため、VOC除去性に優れている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のVOC除去シートはVOC除去粉体の保持性に優れているように、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維を含んでいる。極細短繊維の繊維径が小さければ小さい程、VOC除去粉体の保持性に優れ、より粒径の小さいVOC除去粉体を保持でき、しかもVOC除去シートの厚さを薄くすることができるため、極細短繊維の繊維径は3μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましい。なお、極細短繊維の繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.01μm程度が適当である。
【0014】
本発明における「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形である場合にはその直径をいい、繊維の横断面形状が非円形である場合には横断面積と面積の同じ円の直径をいう。
【0015】
本発明のVOC除去シートを構成する極細短繊維の繊維長は、極細短繊維の分散性に優れているように3mm以下である。より好ましい繊維長は2mm以下である。なお、極細短繊維の繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。また、繊維長が均一であるように、3mm以下の長さに切断された極細短繊維であるのが好ましい。
【0016】
本発明における「繊維長」は、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
【0017】
この極細短繊維は任意の成分(例えば、有機成分又は無機成分)から構成することができるが、柔軟性に優れているためVOC除去粉体の保持性に優れているとともに、柔軟性に優れるVOC除去シートであることができるように、有機成分から構成されているのが好ましい。この好適である有機成分として、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリスチレン系樹脂(例えば、結晶性ポリスチレン、非晶性ポリスチレンなど)、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを挙げることができる。
【0018】
なお、極細短繊維が融着可能であると、極細短繊維の融着によってVOC除去シートの形態を保つことができ、しかも極細短繊維及びVOC除去粉体の脱落も生じにくいため好適である。この融着可能な極細短繊維は、極細短繊維表面を構成する成分の少なくとも一部が熱可塑性樹脂から構成されていれば良い。この熱可塑性樹脂として、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂、或いはポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらの中でも、比較的融点の低いポリエチレン系樹脂やポリ酢酸ビニル樹脂が好ましい。
【0019】
この融着可能な極細短繊維が2種類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融着したとしても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維持することができるため好適である。この2種類以上の成分から構成されている場合、極細短繊維の横断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイドバイサイド型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ、特に芯鞘型、偏芯型、或いは海島型であるのが好ましい。
【0020】
本発明の極細短繊維はVOC除去シートの地合いが優れているように、個々の極細短繊維の直径が繊維軸方向において、実質的に同じであるのが好ましい。このように直径が繊維軸方向において実質的に同じである極細短繊維は、例えば、紡糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を除去して得ることができる。
【0021】
また、極細短繊維は未延伸状態であることもできるが、強度的に優れているように、延伸状態にあるのが好ましい。なお、「延伸状態」とは、紡糸工程とは別の延伸工程(例えば、延伸ねん糸機による延伸工程)により延伸されていることをいい、例えば、メルトブロー法のように溶融押し出した樹脂に対して熱風を吹き付けて繊維化した繊維は、紡糸工程と延伸工程とが同じであるため延伸されているとはみなさない。また、海島型繊維から極細短繊維を発生させる場合には、極細短繊維を発生させた後に延伸工程を経る必要はなく、極細短繊維を発生させる前に海島型繊維が延伸工程を経ていれば、極細短繊維は延伸状態にある。
【0022】
更に、極細短繊維は海島型繊維の海成分を除去して得た島成分からなるのが好ましい。このような極細短繊維は均一に分散しやすく、VOC除去粉体も均一に分散した状態であることができるためである。
【0023】
本発明のVOC除去シートにおいては、繊維径、繊維長、及び/又は成分の点で相違する極細短繊維を2種類以上含んでいても良い。
【0024】
本発明のVOC除去シートは上述のような極細短繊維に加えて、VOC除去粉体を分散した状態で含んでおり、VOC除去粉体が極細短繊維に保持された状態にあることによって、VOC除去粉体のVOC除去作用が阻害されないため、VOC除去性能に優れている。また、VOC除去粉体が極細短繊維に保持された状態にあるため、VOC除去粉体の脱落も生じない。
【0025】
本発明における極細短繊維によるVOC除去粉体の保持状態としては、例えば、極細短繊維を含む繊維により形成された空隙にVOC除去粉体が閉じ込められている状態、極細短繊維とVOC除去粉体とが融着している状態、或いはこれら両方の状態を含む状態などを挙げることができる。これらの中でも、極細短繊維とVOC除去粉体とが融着した状態を含んでいると、VOC除去粉体及び極細短繊維の脱落が生じにくいため好適である。
【0026】
なお、VOC除去シートは湿式法以外の方法により形成したVOC除去粉体含有繊維ウエブから形成されたものであるのが好ましい。湿式法以外の方法により形成したVOC除去粉体含有繊維ウエブは、湿式法により形成したVOC除去粉体含有繊維ウエブのように、界面活性剤や糊剤によってVOC除去粉体が被覆されておらず、優れたVOC除去性能を発揮することができるためである。この湿式法以外の方法とは、界面活性剤及び/又は糊剤を含むスラリーを用いて極細短繊維及びVOC除去粉体を分散させる方法とは異なる方法であり、例えば、気体を分散媒体としてVOC除去粉体含有繊維ウエブを形成する方法を挙げることができる。
【0027】
本発明におけるVOC除去粉体はVOCを吸着、吸収、或いは分解することによって除去できるものであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、酸やアルカリを添着した多孔質粉体(例えば、活性炭)、アミノ基を担持した多孔質粉体、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、ジルコニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、活性白土、イオン交換樹脂、光触媒(例えば、金属酸化物、金属カルコゲイド、第IV族元素、III−V族化合物、有機半導体、これら半導体に、ヒ素、リン、アルミニウム、ホウ素、ナトリウム、ハロゲンなどの不純物をドープしたものなど)、光触媒を担持した多孔質粉体、などを挙げることができる。これらのVOC除去粉体は単独で、又は併用して使用することができる。
【0028】
なお、官能基(例えば、水酸基)を有する多孔質粉体、金属を含有する多孔質粉体をVOC除去粉体として含んでいる場合には、中和反応か酸化還元反応などの化学反応及び/又は物理的な吸着によって、脱臭又は消臭作用も奏するVOC除去シートであることができる。例えば、水酸基を有する多孔質粉体をVOC除去粉体として含んでいると、アンモニアや酢酸などの酸性ガスとイオン結合して消臭又は脱臭作用を奏し、金属を含有する多孔質粉体をVOC除去粉体として含んでいると、硫化水素などの硫黄系ガスと配位結合して消臭又は脱臭作用を奏する。
【0029】
本発明のVOC除去シートはVOC除去粉体以外に各種機能性粉体を含んでいることによって、VOC除去性以外の性能をVOC除去シートに付与することができる。例えば、光触媒又は光触媒を担持した多孔質粉体をVOC除去粉体として含んでいる場合には、VOCの分解により発生する分解物を捕捉できる粉体、例えば、金属(例えば、マンガン、チタン、セリウム、銀、銅、亜鉛、白金、バナジウム、ニッケル、鉄、マグネシウム、アルミニウム、パラジウム、バリウム、ストロンチウムなど)やこれら金属の酸化物を含んでいるのが好ましい。
【0030】
本発明のVOC除去シートを構成するVOC除去粉体の平均粒径はVOC除去粉体の機能を最大限に発揮することができるように、平均粒径が50μm以下であるのが好ましい。本発明のVOC除去シートにおいては、前述のような極細短繊維を含んでいるため、平均粒径が50μm以下のVOC除去粉体であっても脱落することなく保持することができる。このVOC除去粉体は極細短繊維によって保持されているため、極細短繊維の繊維径によって保持することのできるVOC除去粉体も変化する。例えば、極細短繊維の繊維径と最適なVOC除去粉体の平均粒径との関係は表1のようになる。この「平均粒径」はコールターカウンター法によって得られる値をいう。なお、VOC除去粉体の平均粒径が50μmを超えていても、極細短繊維によって保持することができる。また、VOC除去粉体以外の機能性粉体も平均粒径が50μmを超えていても良いが、50μm以下であるのが好ましく、VOC除去粉体以外の機能性粉体の極細短繊維の繊維径との関係もVOC除去粉体の場合と同様の関係を満たすのが好ましい。
【0031】
【表1】
【0032】
本発明のVOC除去シートにおいては、上述のような極細短繊維とVOC除去粉体とを分散した状態で含むため、VOC除去性の均一性に優れている。例えば、極細短繊維が束状の状態にあると、VOC除去粉体の保持にむらが生じてVOC除去性の均一性に劣るが、本発明のVOC除去シートにおいては極細短繊維が分散した状態にあるため、VOC除去性の均一性に優れている。
【0033】
本発明のVOC除去シートにおいて、前述のような極細短繊維の質量比率はVOC除去粉体の平均粒径、比重、或いは極細短繊維の繊維径等によって異なるが、VOC除去シートの全質量に対する極細短繊維の質量比率が5mass%以上であれば、VOC除去粉体が脱落しにくく、実用的な強度を有するものである。また、VOC除去シートの全質量に対する極細短繊維の質量比率が40mass%以下であると、VOC除去粉体量を多くすることができるため、VOC除去性に優れている。より好ましくは30mass%以下であり、更に好ましくは25mass%以下である。このように、本発明のVOC除去シートは極細短繊維を含んでいることによって、VOC除去粉体の保持性が高く、極細短繊維量が少なくてもVOC除去粉体の保持性に優れていることから、VOC除去粉体の量を多くすることができ、結果として、優れたVOC除去性能を発揮できるものである。
【0034】
本発明のVOC除去シートにおいては、前述のような極細短繊維が分散していることによって、VOC除去粉体の保持性に優れているように、VOC除去シートに含まれている繊維の総量の20mass%以上が極細短繊維であるのが好ましく、50mass%以上が極細短繊維であるのがより好ましく、100mass%が極細短繊維であるのが最も好ましい。
【0035】
本発明のVOC除去シートにおいては、前述のような極細短繊維以外の繊維として、(1)繊維径が4μmを超えるが繊維長が3mm以下の繊維、(2)繊維径が4μm以下であるが繊維長が3mmを超える繊維、(3)繊維径が4μmを超え、繊維長が3mmを超える繊維を使用することができる。これらの中でも、極細短繊維の分散性を損ないにくい(1)繊維径が4μmを超えるが繊維長が3mm以下の繊維(以下、「太短繊維」と表記する)を好適に使用できる。
【0036】
前記の太短繊維を使用する場合、繊維径の上限は特に限定するものではないが、極細短繊維と繊維径の差が大きすぎると、VOC除去シートの地合いを損ねる場合があるため、太短繊維の繊維径の上限は50μm程度であるのが好ましい。なお、太短繊維の繊維長は分散性に優れているように2mm以下であるのが好ましい。太短繊維の繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。また、繊維長が均一であるように、3mm以下の長さに切断された太短繊維であるのが好ましい。
【0037】
この太短繊維も極細短繊維と同様の成分から構成することができるが、極細短繊維と同様の理由により、有機成分から構成されているのが好ましい。この好適である有機成分は極細短繊維と同様の有機成分から構成されているのが好ましい。
【0038】
なお、太短繊維が融着可能であると、太短繊維の融着によってVOC除去シートの形態を保つことができ、しかも太短繊維、極細短繊維、及びVOC除去粉体の脱落も生じにくいため好適である。この融着可能な太短繊維は、太短繊維表面を構成する成分の少なくとも一部が極細短繊維と同様の熱可塑性樹脂から構成されていれば良い。極細短繊維と同様に、比較的融点の低いポリエチレン系樹脂やポリ酢酸ビニル樹脂から構成されているのが好ましい。
【0039】
この融着可能な太短繊維が2種類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融着したとしても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維持することができるため好適である。この2種類以上の成分から構成されている場合、太短繊維の横断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイドバイサイド型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ、特に芯鞘型、偏芯型、或いは海島型であるのが好ましい。
【0040】
なお、太短繊維は未延伸状態であることもできるが、強度的に優れているように、延伸状態にあるのが好ましい。
【0041】
本発明のVOC除去シートにおいては、繊維径、繊維長、及び/又は成分の点で相違する太短繊維を2種類以上含んでいても良い。
【0042】
本発明のVOC除去シートは、VOC除去粉体と極細短繊維を分散した状態で含み、VOC除去粉体が極細短繊維によって保持された繊維層は1層である必要はなく、2層以上含んでいても良い。なお、2層以上の繊維層を備えている場合、各繊維層におけるVOC除去粉体の種類(組成、平均粒径など)又は量が異なっていても良い。
【0043】
本発明の積層VOC除去シートは上述のようなVOC除去シートと、上述のようなVOC除去シートとは異なるシート(以下、「非VOC除去シート」と表記する)とが積層一体化されているため、VOC除去性に優れているばかりでなく、非VOC除去シートの存在によって、各種機能を付加することができる。例えば、(A)非VOC除去シートとしてVOC除去粉体の平均粒径よりも小さい平均開孔径を有する非VOC除去シートを積層することによって、VOC除去粉体のVOC除去性を損なうことなく、VOC除去粉体の脱落を確実に防止することができ、(B)VOC除去シートよりも機械的強度的に優れる非VOC除去シートを積層することによって、VOC除去シートの機械的強度を向上させることができ、(C)VOC除去シート中に含まれている粉体(特にはVOC除去粉体)以外の粉体を含む非VOC除去シートを積層することにより、VOC除去性ばかりでなく、非VOC除去シート中に含まれている粉体の機能を付与することができ、(D)粘着性又は接着性を有するシートを積層することによって、積層VOC除去シートの固定を確実に行なうことができ、(E)所望の大きさの開孔を有するフィルムを積層することによって、積層VOC除去シートのVOC除去速度を制御することができる、などの機能を付加することができる。
【0044】
なお、本発明の積層VOC除去シートはいずれの場合も、VOC除去シートの片面又は両面、或いは非VOC除去シートの片面又は両面にVOC除去シートを備えていることができる。なお、VOC除去シートの両面に非VOC除去シートを備えている場合には、同じ非VOC除去シートであっても異なる非VOC除去シートであっても良い。同様に、非VOC除去シートの両面にVOC除去シートを備えている場合には、同じVOC除去シートであっても異なるVOC除去シートであっても良い。
【0045】
本発明のVOC除去シート又は積層VOC除去シートはVOC除去性に優れているため、VOC除去性を必要とする用途、例えば、フィルタ用構成材(例えば、フィルタ用濾過材)、壁紙用素材、建材用素材、カーテン(特にブラインドカーテン)用素材、収納庫(押し入れ、タンス、クローゼット、納戸、引出し、シンク下、下駄箱など)用VOC除去シート、ポスター用紙、各種インテリア用素材などの建築物内や車室内などの閉鎖空間に存在することのできるものの素材として使用することができる。
【0046】
本発明のVOC除去シートは前述のような構造を有する限り、どのような方法により製造しても良い。しかしながら、前述のように湿式法以外の方法により形成したVOC除去粉体含有繊維ウエブからVOC除去シートを製造する方が好ましいため、以下、湿式法以外の方法により形成したVOC除去粉体含有繊維ウエブからVOC除去シートを製造する方法について説明する。
【0047】
まず、前述のような極細短繊維の集合体とVOC除去粉体とを用意する。この極細短繊維の集合体は前述のような極細短繊維が集合したものであり、その数は特に限定されるものではない。また、その集合状態も特に限定されるものではないが、例えば、規則正しく一定方向に極細短繊維が配向した束状態、ランダムに配向した凝集状態、などを挙げることができる。これらの中でも、束状態であると、後述の圧縮気体の作用による分散性に優れているため好適である。
【0048】
なお、極細短繊維が絡んだ状態にあると、後述のような圧縮気体の作用によっても、極細短繊維を個々の極細短繊維に開繊し、均一に分散させるのが困難になる傾向があるため、極細短繊維は絡んだ状態にないのが好ましい。例えば、機械的に分割可能な分割性繊維をビーターなどによって叩解した極細短繊維の集合体、ビーターなどによって叩解したパルプ、或いはフラッシュ紡糸法により得られた極細短繊維集合体は、極細短繊維同士が絡んだ状態にあるため使用しないのが好ましい。なお、圧縮気体の作用によって極細短繊維を発生し、極細短繊維が絡んだ状態となる、極細短繊維を発生可能な繊維(例えば、全芳香族ポリアミド繊維、溶剤抽出法により得られたセルロース繊維など)の集合体は使用することができる。
【0049】
また、極細短繊維の集合体における付着物の付着率が0.5mass%以下(順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下であるのが好ましい)であるのが好ましい。このように極細短繊維の集合体の付着物の付着率が低いことによって、後述のノズルと極細短繊維との摩擦によって静電気が発生し、互いに反発しあって、極細短繊維が均一に分散しやすいためである。
【0050】
この「付着物の付着率」は付着物の質量の極細短繊維の集合体の質量に対する百分率をいう。つまり、次の式により得られる値をいう。
A=(ms/mf)×100 ・・ 式(1)
ここで、Aは付着物の付着率(%)、msは付着物の付着質量(g)、mfは極細短繊維の集合体の質量(g)を、それぞれ意味する。また、「付着物」とは、極細短繊維の集合体を熱水に15分間浸漬することによって得られる抽出物と、極細短繊維の集合体を熱メタノール溶液に15分間浸漬することによって得られる抽出物の、両方の抽出物を意味する。前者の抽出物として、糊剤(例えば、アクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアルギン酸ソーダ、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなど)があり、後者の抽出物として、界面活性剤(親水基と親油基の両方を有する化合物、例えば、ノニオン系界面活性剤)がある。このように付着物量の少ない極細短繊維の集合体は、例えば、メタノールやエタノール、アセトンなどによって洗浄することによって得ることができる。
【0051】
更に、この極細短繊維の集合体として、繊維径、繊維長、或いは成分の点で異なる極細短繊維の集合体を組み合わせても良い。同様に、VOC除去粉体として平均粒径又は成分の点で異なるVOC除去粉体を組み合わせても良い。
【0052】
このような極細短繊維の集合体は、例えば、複合紡糸法又は混合紡糸法により製造した海島型繊維の海成分を除去することによって、島成分からなる極細短繊維を発生させて得ることができる。なお、2成分以上からなる極細短繊維は海島型繊維を紡糸する際に島成分が2成分以上となるように樹脂を供給して得ることができる。また、好適である束状態の極細短繊維の集合体は、複合紡糸法又は混合紡糸法により製造した海島型繊維の海成分を除去することによって、得ることができる。
【0053】
なお、海島型繊維の海成分を抽出して形成した極細短繊維の集合体は付着物の付着率が0.5mass%以下の状態にあるが、この海島型繊維の海成分を抽出して形成した極細短繊維の集合体であっても、アセトン、エタノール、或いはメタノールなどの溶媒によって洗浄し、付着物量を更に少なくするのが好ましい。
【0054】
次いで、極細短繊維の集合体とVOC除去粉体とをノズルへ供給するとともに、圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出し、極細短繊維の集合体から個々の極細短繊維を発生させ、分散させるとともに、VOC除去粉体も分散させる。
【0055】
このノズルは極細短繊維及びVOC除去粉体の供給側から噴出側へ向かって、一定の横断面積を有するものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が小さくなるものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が大きくなるものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が大きくなった後に小さくなるものであっても良いし、或いは連続的に又は不連続的に横断面積が小さくなった後に大きくなるものであっても良い。
【0056】
なお、ノズルへ供給される圧縮気体の流れが渦巻き状であると、極細短繊維同士が絡み合って毛玉を発生させるなど、均一分散させることが困難になる傾向があるため、ノズルへ供給される圧縮気体の流れは実質的に層流であるのが好ましい。このように実質的に層流である圧縮気体を供給できるノズルとして、例えば、ベンチュリー管を挙げることができる。
【0057】
また、ノズルの噴出部の前方に、極細短繊維の集合体、極細短繊維、及びVOC除去粉体と衝突して、個々の極細短繊維の発生を促進したり、発生した極細短繊維及びVOC除去粉体の分散を促進するために、衝突部材を設けるのが好ましい。この衝突部材はどのような形状であっても良いが、前記効果に優れるように、平板状衝突部材、釣鐘状の衝突部材、円錐状の衝突部材、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、或いは円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、などを使用するのが好ましく、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、又は円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材がより好ましい。
【0058】
このような衝突部材は噴出された極細短繊維及びVOC除去粉体と衝突できるように、ノズル噴出口の前方に配置されていれば良いが、開繊性及び分散性に優れているように、この衝突部材の平坦部(例えば、突起部と平板状の衝突部を有する衝突部材においては衝突部のノズル噴出口側表面、円錐状の衝突部材の場合は円錐の底面、釣鐘状の衝突部材の場合は釣鐘の底面)とノズル噴出口との最短距離が1〜100mmであるように設置するのが好ましく、5〜40mmであるように設置するのがより好ましく、5〜30mmであるように設置するのが更に好ましく、10〜30mmであるように設置するのが更に好ましく、10〜20mmであるように設置するのが最も好ましい。
【0059】
また、釣鐘状の衝突部材、円錐状の衝突部材、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化された衝突部材、或いは円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化された衝突部材からなる場合、極細短繊維の開繊性及び分散性に優れているように、釣鐘状、円錐状、或いは突起部の軸がノズル噴出口の中心と一致するように配置するのが好ましい。また、これら衝突部材を設置する場合には、開繊性及び分散性に優れているように、釣鐘状、円錐状、或いは突起部の頂点がノズル噴出口と対向するように設置するのが好ましい。
【0060】
この圧縮気体はどのような気体を利用しても良いが、空気を用いるのが製造上好適である。また、圧縮気体は極細短繊維の集合体から極細短繊維を発生させるとともに、極細短繊維及びVOC除去粉体の分散を十分に行なうことができるように、ノズル噴出口における気体通過速度が100m/sec以上であるのが好ましい。同様の理由で、圧縮気体の圧力は2kg/cm2以上であるのが好ましい。なお、この「気体通過速度」は、ノズルから噴出された気体の1気圧における流量(m3/sec)を、ノズル噴出口における横断面積(m2)で除した値をいう。
【0061】
また、ノズルから噴出された極細短繊維及びVOC除去粉体を分散させる分散媒体としての気体は、特に限定されるものではないが、空気であるのが製造上好適である。
【0062】
次いで、この分散した極細短繊維及びVOC除去粉体を集積してVOC除去粉体含有繊維ウエブを形成する。この極細短繊維及びVOC除去粉体の集積は、例えば、多孔性のロールやネットなどの支持体を利用して実施することができる。なお、極細短繊維及びVOC除去粉体は自然落下させて集積しても良いし、支持体の下方から気体を吸引して集積しても良い。
【0063】
次いで、このVOC除去粉体含有繊維ウエブをそのままVOC除去シートとして使用することもできるが、VOC除去粉体の脱落防止及び機械的強度を高めるために、極細短繊維とVOC除去粉体とを結合するのが好ましい。この結合方法は特に限定されるものではないが、例えば、極細短繊維を融着する方法、水流などの流体流やニードルにより絡合する方法、などを単独で、或いは併用して結合することができる。これらの中でも極細短繊維を融着させる方法であると、VOC除去粉体の分散性が損なわれず、しかもVOC除去粉体のVOC除去性能が損なわれないため好適である。
【0064】
以上は、VOC除去シートの基本的な製造方法であるが、極細短繊維がより均一に分散しやすいように、極細短繊維の集合体を圧縮気体の作用によりノズルから気体中へ噴出させる前に、ミキサーなどを利用して極細短繊維の集合体をほぐすのが好ましい。
【0065】
次に、本発明のVOC除去シートの製造方法について、本発明のVOC除去シートを製造することのできる製造装置の模式的断面図である図1をもとに説明する。
【0066】
まず、極細短繊維の集合体は混合装置10によって適度に解される。同時にVOC除去粉体とある程度混合される。
【0067】
次いで、圧縮気体導入口20からノズル30へ圧縮気体を導入することによって、前記解された極細短繊維の集合体とVOC除去粉体とはノズル30へ供給される。この解された極細短繊維の集合体とVOC除去粉体とは圧縮気体導入口20から導入された圧縮気体の作用によって、ノズル30から勢いよく気体40へと噴出される。この気体40へ噴出される際に、ノズル30内と気体40との気圧差、噴出された圧縮気体と気体40との間に形成される乱流、圧縮気体の膨張力、或いはノズル30の噴出口前方に設けた衝突部材45との衝突、などの相互作用によって、極細短繊維70を発生するとともに、極細短繊維70及びVOC除去粉体71は分散する。
【0068】
この気体40中に分散した極細短繊維70及びVOC除去粉体71は多孔性の支持体50上に集積して、VOC除去粉体含有繊維ウエブ80を形成する。この製造装置においては、支持体50の下方に位置する気体吸引装置60によって気体を吸引できる。
【0069】
このように形成したVOC除去粉体含有繊維ウエブ80はそのまま熱融着装置90へ供給され、この熱融着装置90の熱の作用により極細短繊維70とVOC除去粉体71とが融着してVOC除去シート83を形成する。そして、このVOC除去シート83は巻き取り装置100により巻き取られる。
【0070】
以上は、極細短繊維とVOC除去粉体とからなるVOC除去シートの製造方法であるが、太短繊維を含むVOC除去シートは前述のような極細短繊維の集合体及びVOC除去粉体に加えて、太短繊維の集合体をノズルへ供給することによって製造することができる。なお、太短繊維の集合体も極細短繊維の集合体と同様に束状に集合しているのが好ましく、太短繊維同士が絡んでいないのが好ましい。また、太短繊維の集合体における付着物の付着率(前述の式(1)において、mfを太短繊維の集合体の質量(g)とした時の値)も0.5mass%以下(順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下であるのが好ましい)であるのが好ましい。このように付着物の付着率の少ない太短繊維の集合体はアセトン、エタノール、或いはメタノールなどの溶媒によって洗浄することによって得ることができる。また、太短繊維の集合体として、繊維径、繊維長、或いは成分の点で異なる太短繊維の集合体を組み合わせても良い。更に、太短繊維が融着可能である場合は、極細短繊維に替えて、或いは極細短繊維に加えて融着させるのが好ましい。
【0071】
本発明の積層VOC除去シートは上述のようにして製造したVOC除去シートの片面又は両面に、別途製造した非VOC除去シートを積層した後に、これらを結合して製造することができる。或いは、別途製造した非VOC除去シートの片面又は両面に、上述のようにして製造したVOC除去シートを積層した後に、これらを結合して製造することができる。この結合方法は特に限定されるものではないが、例えば、VOC除去シート及び/又は非VOC除去シートを構成する樹脂を融着する方法、水流などの流体流やニードルにより絡合する方法、などを単独で、或いは併用して結合することができる。これらの中でもVOC除去シート及び/又は非VOC除去シートを構成する樹脂を融着する方法であると、VOC除去粉体の分散性が損なわれず、しかもバインダー等に被覆されておらず、VOC除去粉体のVOC除去性能を損なわないため好適である。
【0072】
別の積層VOC除去シートの製造方法として、例えば、上述のように分散した極細短繊維及びVOC除去粉体を多孔性の支持体上に集積して、VOC除去粉体含有繊維ウエブを形成する際に、支持体上に非VOC除去シートを積層しておき、非VOC除去シート上に極細短繊維及びVOC除去粉体を集積してVOC除去粉体含有繊維ウエブを形成した後に、極細短繊維とVOC除去粉体とを結合してVOC除去シートを形成すると同時又は別に非VOC除去シートと結合する方法を挙げることができる。なお、両面に非VOC除去シートを有する積層VOC除去シートは、続いて非VOC除去シートを積層し、上述と同様に結合して製造することができる。また、非VOC除去シートの両面にVOC除去シートを有する積層VOC除去シートは、続いて、非VOC除去シートのVOC除去シート積層面とは反対面上に、上記と同様に極細短繊維及びVOC除去粉体を集積してVOC除去粉体含有繊維ウエブを形成した後に、極細短繊維とVOC除去粉体とを結合してVOC除去シートを形成すると同時又は別に非VOC除去シートと結合するか、続いて、非VOC除去シートのVOC除去シート積層面とは反対面上に、別途製造したVOC除去シートを積層し、上述と同様に結合して製造することができる。
【0073】
更に別の積層VOC除去シートの製造方法として、例えば、VOC除去粉体を含まない繊維ウエブを、VOC除去粉体を含むVOC除去粉体含有繊維ウエブと同様にして支持体上に形成した後、VOC除去粉体を含まない繊維ウエブ上にVOC除去粉体含有繊維ウエブを形成し、VOC除去粉体含有繊維ウエブを結合してVOC除去シートを形成すると同時又は別にVOC除去粉体を含まない繊維ウエブと結合することができる。この場合、VOC除去粉体を含まない繊維ウエブは同時に又は別に結合しても良い。なお、両面に非VOC除去シートを有する積層VOC除去シートは、続いて非VOC除去シートを積層し、上述と同様にして結合するか、VOC除去粉体含有繊維ウエブ上に更にVOC除去粉体を含まない繊維ウエブを、VOC除去粉体を含むVOC除去粉体含有繊維ウエブと同様にして形成した後に、VOC除去粉体含有繊維ウエブを結合してVOC除去シートを形成すると同時又は別に結合して製造することができる。また、非VOC除去シートの両面にVOC除去シートを有する積層VOC除去シートは、続いて、非VOC除去シートのVOC除去シート積層面とは反対面上に、別途製造したVOC除去シートを積層し、上述と同様にして結合するか、非VOC除去シートのVOC除去シート積層面とは反対面上に、更にVOC除去粉体含有繊維ウエブを同様にして形成した後、VOC除去粉体含有繊維ウエブを結合してVOC除去シートを形成すると同時又は別に結合して製造することができる。
【0074】
本発明のフィルタは上述のようなVOC除去シート又は積層VOC除去シートを構成材として備えているため、VOC除去性に優れている。なお、VOC除去シート又は積層VOC除去シートを濾過材として備えている場合には、汚染物質の除去性能も優れている。
【0075】
より具体的には、(1)VOC除去シート又は積層VOC除去シートをシート状の濾過材として枠材で固定したシート状フィルタ、(2)VOC除去シート又は積層VOC除去シートを1つ以上の袋状に成形又は縫製した濾過材として枠材で固定した袋状フィルタ、(3)VOC除去シート又は積層VOC除去シートをジグザグ状に襞折り加工した濾過材を枠材で固定した襞折フィルタ、(4)VOC除去シート又は積層VOC除去シートをジグザグ状に襞折り加工した濾過材を更に湾曲させて円筒状とし、その状態を枠材で固定した円筒状フィルタ、(5)VOC除去シート又は積層VOC除去シートをお椀状に成形して濾過材としたお椀状フィルタ、(6)VOC除去シート又は積層VOC除去シート自体をコルゲート又はハニカム状に成形した構成材を積層し、枠材で固定したフィルタ(構成材により形成される空間を流体が通過するように使用、いわゆる平行流フィルタ)、或いは(7)VOC除去シート又は積層VOC除去シート間にコルゲート又は凹凸状に成形した非VOC除去シート又は積層非VOC除去シートを介在させて積層し、枠材で固定したフィルタ(構成材により形成される空間を流体が通過するように使用、いわゆる平行流フィルタ)、などを挙げることができる。
【0076】
なお、枠材は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、紙、木、或いは各種樹脂で構成することができる。また、枠材による固定は、例えば、ポリ酢酸ビニルなどの熱可塑性ホットメルト樹脂により実施することができる。
【0077】
本発明のフィルタは、例えば空気清浄機などの用途に好適に使用することができ、より具体的には、自動車室内用空気清浄フィルタ、ビル又は居住用空気清浄フィルタ、エアコン用空気清浄フィルタなどとして好適に使用できる。
【0078】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0079】
【実施例】
(実施例1)
ポリ乳酸からなる海成分中に、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとからなる島成分が25個存在する、複合紡糸後の延伸工程により延伸して得た海島型短繊維(繊度:1.7dtex、長さ1mmに切断されたもの)を用意した。この海島型短繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成分であるポリ乳酸を抽出除去した後、風乾して、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混在し、高密度ポリエチレンが繊維表面を構成する極細短繊維(繊維径:2μm、切断繊維長:1mm、フィブリル化していない、延伸状態にある、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する、付着物の付着率:0.02mass%未満、断面形状:海島型)の束状集合体を得た。
【0080】
また、VOC除去粉体として、シリカ系粉体(登録商標:ケスモンNS−103、東亜合成(株)製、平均粒径:4μm)を用意した。
【0081】
次いで、図1に示す製造装置と同様の装置を用いて、本発明のVOC除去シートを製造した。つまり、極細短繊維の束状集合体とVOC除去粉体とを25:75の質量比でミキサーへ供給して、極細短繊維の束状集合体を解すとともにVOC除去粉体と混合した後、噴出口における横断面形状が円形(直径:8.5mm)のベンチュリー管へ圧縮気体導入口から圧縮空気(圧力:6kg/cm2、実質的に層流)を導入することにより、前記極細短繊維の束状集合体とVOC除去粉体とをベンチュリー管へ供給して、前記ベンチュリー管から前記極細短繊維の束状集合体とVOC除去粉体とを空気中に噴出(ベンチュリー管の噴出口における気体通過速度:147m/s、噴出口からの噴出量:約0.5m3/min.)し、前記ベンチュリー管の噴出口前方に、噴出口の中心と一致し、突起部が噴出口と対向するように設けた衝突部材(円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、衝突部材の衝突部のノズル噴出部側表面との距離:15mm)に衝突させて、極細短繊維及びVOC除去粉体を分散させた。
【0082】
次いで、この分散させた極細短繊維とVOC除去粉体とを、移動する支持体(ネット)上に載置しておいたポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布(目付:30g/m2)上に集積させ、VOC除去粉体含有繊維ウエブ−スパンボンド不織布積層体を形成した。なお、集積させる際には、支持体の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸引(0.7m3/min.)した。
【0083】
次いで、VOC除去粉体含有繊維ウエブ−スパンボンド不織布積層体を温度150℃に設定されたオーブンへ供給し、3分間熱処理を実施して、極細短繊維の高密度ポリエチレン成分を融着させ、VOC除去シート−スパンボンド不織布積層体を製造した。このVOC除去シート層は極細短繊維及びVOC除去粉体が均一に分散しており、極細短繊維の高密度ポリエチレン成分によって、極細短繊維同士が融着しているとともに、極細短繊維表面にVOC除去粉体が融着した状態にあった。
【0084】
その後、VOC除去シート−スパンボンド不織布積層体からスパンボンド不織布を剥離して得たVOC除去シートを、温度80℃のカレンダーロールで圧延処理して、単層VOC除去シート(目付:40g/m2、厚さ:0.14mm、見掛密度:0.29g/cm3、極細短繊維のVOC除去シートにおける質量比率:25mass%)を製造した。
【0085】
この単層VOC除去シート33.33cm2(VOC除去粉体量:0.1g)を1リットルのガラス容器に入れ、ホルムアルデヒドガス(初期濃度:30ppm)を注入し、1時間後の残存ガス濃度と、単層VOC除去シートをガラス容器に入れないでホルムアルデヒドガス(初期濃度:30ppm)を注入し、1時間後の残存ガス濃度(ブランク濃度)を測定した。その結果、ブランク濃度が28ppmであったのに対して、単層VOC除去シートを入れた場合は0.1ppm以下であった。
【0086】
同様に、ホルムアルデヒドに替えて、アセトアルデヒドガス(初期濃度:30ppm)を注入した場合、ブランク濃度が29ppmであったのに対して、単層VOC除去シートを入れた場合は1ppm以下であった。
【0087】
(実施例2)
VOC除去粉体として、ジルコニウム系粉体(登録商標:ケスモンNS−10C、東亜合成(株)製、平均粒径:0.9μm)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にして、VOC除去シート−スパンボンド不織布積層体を製造した。このVOC除去シート層は極細短繊維及びVOC除去粉体が均一に分散しており、極細短繊維の高密度ポリエチレン成分によって、極細短繊維同士が融着しているとともに、極細短繊維表面にVOC除去粉体が融着した状態にあった。
【0088】
その後、VOC除去シート−スパンボンド不織布積層体からスパンボンド不織布を剥離して得たVOC除去シートを、温度80℃のカレンダーロールで圧延処理して、単層VOC除去シート(目付:40g/m2、厚さ:0.14mm、見掛密度:0.29g/cm3、極細短繊維のVOC除去シートにおける質量比率:25mass%)を製造した。
【0089】
この単層VOC除去シート33.33cm2(VOC除去粉体量:0.1g)を1リットルのガラス容器に入れ、メチルメルカプタンガス(初期濃度:10ppm)を注入し、10時間後の残存ガス濃度と、単層VOC除去シートをガラス容器に入れないでメチルメルカプタンガス(初期濃度:10ppm)を注入し、10時間後の残存ガス濃度(ブランク濃度)を測定した。その結果、ブランク濃度が9ppmであったのに対して、単層VOC除去シートを入れた場合は0.1ppm以下であった。
【0090】
また、この単層VOC除去シート33.33cm2(VOC除去粉体量:0.1g)を1リットルのガラス容器に入れ、硫化水素ガス(初期濃度:100ppm)を注入し、20分後の残存ガス濃度と、単層VOC除去シートをガラス容器に入れないで硫化水素ガス(初期濃度:100ppm)を注入し、20分後の残存ガス濃度(ブランク濃度)を測定した。その結果、ブランク濃度が92ppmであったのに対して、単層VOC除去シートを入れた場合は0.1ppm以下であった。
【0091】
(実施例3)
VOC除去粉体として、ジルコニウム系粉体(登録商標:ケスモンNS−10、東亜合成(株)製、平均粒径:0.9μm)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にして、VOC除去シート−スパンボンド不織布積層体を製造した。このVOC除去シート層は極細短繊維及びVOC除去粉体が均一に分散しており、極細短繊維の高密度ポリエチレン成分によって、極細短繊維同士が融着しているとともに、極細短繊維表面にVOC除去粉体が融着した状態にあった。
【0092】
その後、VOC除去シート−スパンボンド不織布積層体からスパンボンド不織布を剥離して得たVOC除去シートを、温度80℃のカレンダーロールで圧延処理して、単層VOC除去シート(目付:40g/m2、厚さ:0.14mm、見掛密度:0.29g/cm3、極細短繊維のVOC除去シートにおける質量比率:25mass%)を製造した。
【0093】
この単層VOC除去シート33.33cm2(VOC除去粉体量:0.1g)を1リットルのガラス容器に入れ、トリメチルアミンガス(初期濃度:210ppm)を注入し、1時間後の残存ガス濃度と、単層VOC除去シートをガラス容器に入れないでトリメチルアミンガス(初期濃度:210ppm)を注入し、1時間後の残存ガス濃度(ブランク濃度)を測定した。その結果、ブランク濃度が200ppmであったのに対して、単層VOC除去シートを入れた場合は1ppm以下であった。
【0094】
また、この単層VOC除去シート33.33cm2(VOC除去粉体量:0.1g)を1リットルのガラス容器に入れ、アンモニアガス(初期濃度:220ppm)を注入し、1時間後の残存ガス濃度と、単層VOC除去シートをガラス容器に入れないでアンモニアガス(初期濃度:220ppm)を注入し、1時間後の残存ガス濃度(ブランク濃度)を測定した。その結果、ブランク濃度が200ppmであったのに対して、単層VOC除去シートを入れた場合は1ppm以下であった。
【0095】
【発明の効果】
本発明の揮発性有機化合物除去シート及び積層揮発性有機化合物除去シートは十分なVOC除去性能を発揮できるものである。
【0096】
本発明のフィルタは上記の揮発性有機化合物除去シート及び積層揮発性有機化合物除去シートを構成材として備えているため、揮発性有機化合物の除去性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の揮発性有機化合物除去シートを製造することのできる製造装置の模式的断面図
【符号の説明】
10 混合装置
20 圧縮気体導入口
30 ノズル
40 気体
45 衝突部材
50 支持体
60 気体吸引装置
70 極細短繊維
71 揮発性有機化合物除去粉体(VOC除去粉体)
80 揮発性有機化合物除去粉体含有繊維ウエブ(VOC除去粉体含有繊維ウエブ)
83 揮発性有機化合物除去シート(VOC除去シート)
90 熱融着装置
100 巻き取り装置
Claims (7)
- 揮発性有機化合物除去粉体と、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維とを分散した状態で含み、前記揮発性有機化合物除去粉体が前記極細短繊維により保持されており、前記極細短繊維が海島型繊維の海成分を除去して得た島成分からなり、極細短繊維の集合体と揮発性有機化合物除去粉体とを圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出し、極細短繊維の集合体から個々の極細短繊維を発生させ、分散させるとともに、揮発性有機化合物除去粉体も分散させて形成した揮発性有機化合物除去粉体含有繊維ウエブから形成した揮発性有機化合物除去シート。
- 前記揮発性有機化合物除去粉体の平均粒径が50μm以下である、請求項1記載の揮発性有機化合物除去シート。
- 揮発性有機化合物除去シートの全質量に対する前記極細短繊維の質量比率が5〜40mass%である、請求項1又は請求項2記載の揮発性有機化合物除去シート。
- 前記極細短繊維が有機成分からなる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の揮発性有機化合物除去シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の揮発性有機化合物除去シートを構成材として備えているフィルタ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の揮発性有機化合物除去シートと、請求項1〜4のいずれかに記載の揮発性有機化合物除去シートとは異なるシートが積層一体化されている、積層揮発性有機化合物除去シート。
- 請求項6に記載の積層揮発性有機化合物除去シートを構成材として備えているフィルタ。
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