JP3971242B2 - 連続炊飯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊飯釜を搬送しながら加熱して連続炊飯を行う連続炊飯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の連続炊飯装置としては、例えば実公昭60−25954号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この実公昭60−25954号公報に記載の連続炊飯装置は、炊飯釜を搬送するチェーンコンベヤ等の搬送手段と、この搬送手段にて搬送される炊飯釜の底面と対向して位置するガスバーナとを備えている。
【0004】
そして、炊飯釜が搬送手段にて搬送されながら、炊飯釜の底面がガスバーナにて直接的に加熱されることで、連続炊飯が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の連続炊飯装置では、炊飯釜全体において、直接加熱される部分とされない部分とがあり、それによって釜内の被加熱物材料は均等な加熱が行われず、例えば炊飯釜の底面が側面に比べて高温になりがちで、加熱むらが生じやすく、適切な連続炊飯を行うことができないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、加熱むらを生ずることなく、適切な連続炊飯を行うことができる連続炊飯装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の連続炊飯装置は、炊飯釜を搬送方向に搬送する搬送手段と、この搬送手段にて搬送される炊飯釜の底面と対向するように配置され、前記搬送方向に沿って並んで位置し、前記搬送方向と交差する方向にそれぞれ個別的に引出し可能な複数のヒータユニットと、前記搬送手段にて搬送される炊飯釜の側面と対向するように配置され、前記搬送方向に長手方向を有する細長形状の誘導板と、前記ヒータユニットに取り付けられ、このヒータユニットとともに引出し可能で、前記ヒータユニットにて加熱された熱気を前記誘導板および炊飯釜の側面間を通して上向流動させるファンとを具備するものである。
【0008】
そして、ヒータユニットによって炊飯釜の底面が直接的に加熱されるとともに、ヒータユニットにて加熱された熱気によって炊飯釜の側面が加熱されるため、加熱むらを生ずることなく、適切な連続炊飯を行うことが可能となり、しかも、ヒータユニットを引き出すことができるので、例えばヒータユニットの故障に適切に対応することが可能となる。
【0009】
請求項2記載の連続炊飯装置は、請求項1記載の連続炊飯装置において、ヒータユニットは、上方に向って開口した複数の第1孔部および側方に向って開口した複数の第2孔部を有し、ファンからの空気が供給される空気供給室を形成する供給室形成体と、この供給室形成体に取り付けられ、発熱部およびこの発熱部での絶縁抵抗劣化を防止するためのシール材で封口された封口部を有する複数のヒータ本体とを備え、前記ファンからの空気が前記空気供給室に供給されると、その空気の一部が前記第1孔部から前記発熱部に向って排出され、その空気の残部が冷却用送風として前記第2孔部から前記封口部に向って排出されるものである。
【0010】
そして、ファンからの空気の一部を供給室形成体の第1孔部からヒータ本体の発熱部に向けて排出することにより、この空気が効率良く加熱され、また、ファンからの空気の残部を冷却用送風として供給室形成体の第2孔部からヒータ本体の封口部に向けて排出することにより、この空気で封口部が適切に冷却される。
【0011】
請求項3記載の連続炊飯装置は、請求項1または2記載の連続炊飯装置において、搬送手段にて搬送される炊飯釜の上方を覆うように配置された放射防止板を具備するものである。
【0012】
そして、ヒータユニットによって炊飯釜の底面が直接的に加熱されるとともに、ヒータユニットにて加熱された熱気によって炊飯釜の側面および上面が加熱されるため、加熱むらを生ずることなく、適切な連続炊飯を行うことが可能となる。
【0013】
請求項4記載の連続炊飯装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の連続炊飯装置において、各ヒータユニットにファンがそれぞれ取り付けられているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の連続炊飯装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0015】
図1および図2において、1は連続炊飯装置で、この連続炊飯装置1は、加熱室2が形成されかつこの加熱室2に連通した釜入口部3および釜出口部(図示せず)が形成された装置本体4を備えている。この装置本体4の加熱室2の上方は、熱を外部に逃さないための蓋体である放射防止板5にて覆われている。
【0016】
そして、装置本体4には、炊飯釜Wをこの炊飯釜Wの取手部W1を支持した状態で搬送方向Xに載置搬送する無端状のチェーンコンベヤ等の搬送手段7が設けられている。
【0017】
また、装置本体4には、搬送方向Xに沿って並んで位置するユニット状の複数のヒータユニット8が、加熱室2の下部においてガイドレール9上に載置された状態で、搬送手段7にて搬送される炊飯釜Wの底面とわずかな間隙を介して近接して対向するように配置されている。
【0018】
そして、各ヒータユニット8は、ガイドレール9上のスライドにより、搬送方向Xと交差(直交)する水平な方向(図示イ方向)にそれぞれ個別的に引出し可能となっている。すなわち、各ヒータユニット8は、装置本体4の側方に引出し可能となっている。また、各ヒータユニット8は、ユニット状のままガイドレール9に対して脱着可能となっている。ガイドレール9は、水平および高さの調整可能な取付具10を介して装置本体4に固着されている。なお、装置本体4の一側面は、ヒータユニット8を引き出せるように例えば図示しない扉の回動で開閉自在となっている。
【0019】
さらに、装置本体4には、搬送方向Xに長手方向を有する細長形状で断面略L字状に折曲げ形成された搬送方向Xに対して左右一対の誘導板11が、加熱室2の両側部において、搬送手段7にて搬送される炊飯釜Wの両側面と熱気通過用間隙12を介して離間対向するように配置されている。各誘導板11は、図示しない取付具を介して装置本体4に固着されている。
【0020】
なお、ヒータユニット8が引き出される側の一方の誘導板11の縦寸法は、ヒータユニット8を引き出す時、上部が誘導板11と接触しない程度まで他方の誘導板11の縦寸法に比べて小さくなっている。しかし、ヒータユニット8には、ヒータユニット8を設置した時、一方の誘導板11側を他方の誘導板11側と同等とさせるものが取り付けられている。
【0021】
そして、ヒータユニット8にて加熱された熱気を誘導板11および炊飯釜Wの側面間の熱気通過用間隙12を通して上向流動させるシロッコファン等のファン15が各ヒータユニット8にそれぞれ一体的に取り付けられ、このファン15は、ヒータユニット8とともに装置本体4の側方に引出し可能となっている。
【0022】
なお、図2から明らかなように、熱気通過用間隙12を通過した熱気は、その後、搬送手段7にて搬送される炊飯釜Wの上方を覆うように配置された放射防止板5の下面と炊飯釜Wの上面との間に流れ込み、停留する。
【0023】
ここで、各ヒータユニット8は、図3ないし図6に示すように、例えば上方に向って開口した複数の第1孔部21および側方に向って開口した複数の第2孔部22を有し、ファン15からの空気が供給される空気供給室23を形成する供給室形成体24を備えている。
【0024】
そして、この供給室形成体24には、それぞれが取付部26、発熱部27および取付部26と発熱部27の間に位置し発熱部27での絶縁抵抗劣化を防止するためのシール材で封口された封口部28を有する略コ字状の複数のヒータ本体29が供給室形成体24を跨ぐように取り付けられている。
【0025】
この供給室形成体24は、中空形状で断面略凸字状の本体部材31を有し、この本体部材31の両側にはヒータ取付部32が形成されている。この各ヒータ取付部32の上面には、1列状に並んで位置する複数の取付孔33が開口形成されている。そして、このヒータ取付部32の取付孔33にヒータ本体29の取付部26がねじ止めされている。
【0026】
また、本体部材31の相対する2つの側面には、1列状に並んで位置し封口部28の側方近傍で側方に向って開口しそれぞれの封口部28に向けて冷却用の空気を冷却用送風として排出する複数の第2孔部(噴出孔)22が開口形成されている。
【0027】
さらに、本体部材31の上面には、略全体にわたって行列状に並んで位置する複数の連絡孔34が開口形成されている。
【0028】
そして、本体部材31の上面は、パンチング板の凹状に折り曲げて形成した3つの覆い部材36にて覆われており、この覆い部材36と本体部材31とで上層の第1供給室41が形成されている。
【0029】
また、各覆い部材36の少なくとも上面には、略全体にわたって千鳥状に位置し発熱部27の下方近傍で上方に向って開口し発熱部27に向けて空気を加熱用微風として排出する複数の第1孔部(微風孔)21が開口形成されている。
【0030】
また一方、本体部材31には、ファン挿通孔37が略中央に開口形成された底板部材38が取り付けられている。そして、この底板部材38と本体部材31とで下層の第2供給室42が形成されている。なお、連絡孔34を介して連通した第1供給室41と第2供給室42とにて空気供給室23が構成されている。
【0031】
また、底板部材38の上面には、ファン15からの空気を2方向に分流する断面略Ω字状の分流板44が、ファン挿通孔37の上方を覆うように取り付けられている。
【0032】
さらに、底板部材38の下面には、ファン取付部材45が取り付けられ、このファン取付部材45にファン15が取り付けられ、このファン15の吐出口部15aがファン挿通孔37に挿通されている。
【0033】
なお、供給室形成体24は、本体部材31、覆い部材36、底板部材38、分流板44およびファン取付部材45等にて構成されている。
【0034】
また、ヒータ本体29では、ステンレス管内に絶縁物として酸化マグネシウムが充填されており、その酸化マグネシウムを大気中の水分と結合し、絶縁劣化させないため、ステンレス管の開口端部では、シール材によって封口された封口部28が形成されている。
【0035】
次に、上記一実施の形態の作用等を説明する。
【0036】
複数の炊飯釜Wは、釜入口部から加熱室2内に順次供給され、搬送手段7にて搬送方向Xに向けて搬送される。
【0037】
そして、この搬送手段7による搬送時には、ヒータユニット8およびファン15が駆動され、この発熱するヒータユニット8のヒータ本体29の発熱部27によって炊飯釜Wの底面が直接的に加熱される。なお、ヒータ本体29の発熱部27は、発熱して約700〜800℃になる。
【0038】
また、ファン15によって装置本体4外の空気が空気供給室23の第2供給室42に供給されると、このファン15からの空気は、分流板44にて2方向に分流され、第2供給室42全体に向けて均一に行き渡らせる。
【0039】
そして、その空気の一部は、連絡孔34を通って減速して第1供給室41に供給された後、第1孔部21からわずかに漂うように加熱用微風となってヒータ本体29の発熱部27に向って排出される。
【0040】
この第1孔部21から加熱用微風として排出された空気は、ヒータ本体29の発熱部27から下方に向けて放射している熱によって加熱された周辺の熱気を上方の炊飯釜Wに向けて追いやるとともに発熱部27にて直ちに加熱されて高温の熱気となる。
【0041】
また、ファン15からの空気の残部は、第2孔部22から弱い送風である冷却用送風となってヒータ本体29の封口部28に向って排出される。
【0042】
この第2孔部22から冷却用送風として排出された空気によって、空気を排出しない時と比べて、封口部28を約70℃低い状態におさえられる。これによって、例えばヒータ本体29の封口部28がシール材の許容温度を300℃以下としているものが、350℃まで上昇する状態であっても、排出された空気によって、例えば約280〜290℃にまで冷却および維持がされる。
【0043】
この封口部28との熱交換でやや温められた空気は、さらに発熱部27にて加熱されて高温の熱気となる。
【0044】
そして、ヒータ本体29からの熱で高温となった熱気は、自然な対流とともにファン15の駆動に基づき上方に押し上げられるようにして上向流動し、誘導板11および炊飯釜Wの側面間の熱気通過用間隙12を通過し、この通過の際に、その熱気によって炊飯釜Wの側面が加熱される。
【0045】
また、熱気通過用間隙12を通過した熱気は、放射防止板5の下面と炊飯釜Wの上面との間に流れ込んで停留し、この停留する熱気によって炊飯釜Wの上面が加熱される。
【0046】
これにより、炊飯釜W全体は、熱気によって包み込まれた状態となり、炊飯釜W内の被加熱物材料では、全体から加熱が行われる。
【0047】
こうして十分に加熱されて炊飯の終了した炊飯釜Wは、釜出口部から加熱室2外に順次排出され、図示しないローラコンベヤで次工程まで搬送されていく。
【0048】
そして、上記一実施の形態の連続炊飯装置1によれば、ヒータユニット8によって炊飯釜Wの底面が直接的に加熱されるとともに、ヒータユニット8にて加熱された熱気によって炊飯釜Wの側面および上面が加熱される。
【0049】
このため、炊飯釜W全体が略均一に加熱されることとなり、加熱むらを生ずることなく、熱効率よく、適切な連続炊飯を行うことができ、おいしいご飯を炊くことができる。
【0050】
また、各ヒータユニット8をガイドレール9に沿って装置本体4外に個別的に引き出すことができるので、例えばヒータユニット8の故障に適切に対応できる。
【0051】
また、各ヒータユニット8をガイドレール9に対して個別的に脱着できるので、例えばヒータユニット8の交換が簡単にできる。
【0052】
さらに、ファン15からの空気の一部分を供給室形成体24の覆い部材36に形成された第2孔部22からヒータユニット8のヒータ本体29の封口部28に向けて排出することにより、この空気で封口部28を適切な温度に冷却および維持することができ、よってヒータ本体29の寿命を延ばすことができる。
【0053】
なお、ヒータユニット8の供給室形成体24は、3分割された覆い部材36を有する構成には限定されず、例えば分割されていない1つの覆い部材で本体部材31の上面を覆うようにしてもよい。
【0054】
また、各ヒータユニット8には、ファン15がそれぞれ取り付けられているが、この構成には限定されず、複数個のヒータユニット8に対し、1つのファン15から送風を分配して供給するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ヒータユニットによって炊飯釜の底面が直接的に加熱されるとともに、ヒータユニットにて加熱された熱気によって炊飯釜の側面が加熱されるため、加熱むらを生ずることなく、適切な連続炊飯を行うことができ、しかも、ヒータユニットを引き出すことができるので、例えばヒータユニットの故障に適切に対応できる。
【0056】
請求項2の発明によれば、ファンからの空気の一部を供給室形成体の第1孔部からヒータ本体の発熱部に向けて排出することにより、この空気を効率良く加熱でき、また、ファンからの空気の残部を冷却用送風として供給室形成体の第2孔部からヒータ本体の封口部に向けて排出することにより、この空気で封口部を適切に冷却してヒータ本体の寿命を延ばすことができる。
【0057】
請求項3の発明によれば、ヒータユニットによって炊飯釜の底面が直接的に加熱されるとともに、ヒータユニットにて加熱された熱気によって炊飯釜の側面および上面が加熱されるため、加熱むらを生ずることなく、適切な連続炊飯を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の連続炊飯装置の一実施の形態を示す一部を省略した側面図である。
【図2】 同上連続炊飯装置の縦断面図である。
【図3】 同連続炊飯装置のヒータユニットの分解斜視図である。
【図4】 同連続炊飯装置のヒータユニットの平面図である。
【図5】 図4におけるヒータユニットのA−A断面図である。
【図6】 図5におけるヒータユニットのB−B断面図である。
【符号の説明】
1 連続炊飯装置
5 放射防止板
7 搬送手段
8 ヒータユニット
11 誘導板
15 ファン
21 第1孔部
22 第2孔部
23 空気供給室
24 供給室形成体
27 発熱部
28 封口部
29 ヒータ本体
W 炊飯釜
X 搬送方向
Claims (4)
- 炊飯釜を搬送方向に搬送する搬送手段と、
この搬送手段にて搬送される炊飯釜の底面と対向するように配置され、前記搬送方向に沿って並んで位置し、前記搬送方向と交差する方向にそれぞれ個別的に引出し可能な複数のヒータユニットと、
前記搬送手段にて搬送される炊飯釜の側面と対向するように配置され、前記搬送方向に長手方向を有する細長形状の誘導板と、
前記ヒータユニットに取り付けられ、このヒータユニットとともに引出し可能で、前記ヒータユニットにて加熱された熱気を前記誘導板および炊飯釜の側面間を通して上向流動させるファンと
を具備することを特徴とする連続炊飯装置。 - ヒータユニットは、
上方に向って開口した複数の第1孔部および側方に向って開口した複数の第2孔部を有し、ファンからの空気が供給される空気供給室を形成する供給室形成体と、
この供給室形成体に取り付けられ、発熱部およびこの発熱部での絶縁抵抗劣化を防止するためのシール材で封口された封口部を有する複数のヒータ本体とを備え、
前記ファンからの空気が前記空気供給室に供給されると、その空気の一部が前記第1孔部から前記発熱部に向って排出され、その空気の残部が冷却用送風として前記第2孔部から前記封口部に向って排出される
ことを特徴とする請求項1記載の連続炊飯装置。 - 搬送手段にて搬送される炊飯釜の上方を覆うように配置された放射防止板を具備する
ことを特徴とする請求項1または2記載の連続炊飯装置。 - 各ヒータユニットにファンがそれぞれ取り付けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の連続炊飯装置。
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