JP3971024B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えばストロボ発光装置のような発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラのストロボ発光装置6は、図4に示すように、キセンノン管よりなる発光管7を反射笠8の頂部81付近に固定し、発光管7より発せられた光を反射笠8の内面(反斜面)で反射して、所定の方向(図4中下方)および範囲にストロボ光を照射するよう構成されている。
【0003】
この場合、発光管7を反射笠8に固定する方法は、発光管7の両端部にゴム製のバンド9を引っ掛けることによりなされていた。
【0004】
しかしながら、このような固定方法では、次のような欠点があった。
まず第1に、バンド9がゴム製であるため、経時劣化を生じ、耐久性が劣る。なお、耐久性に優れた材料(例えばシリコーンゴム)のバンド9を使用すると、高価であり、コスト高となる。
【0005】
第2に、バンド9が反射笠8の一方の端部82から頂部81の上方を通って他方の端部83に至るように配置されるため、バンド9の厚さに相当するバンド設置スペースを必要とし、その結果、カメラ内におけるストロボ発光装置6の設置スペースも大きくなり、小型化する上での設計の自由度が狭くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期間安定して発光管を保持することができ、また、小型化に有利な発光装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 発光管と、前記発光管を保持し、前記発光管から発せられた光を反射する反射笠とを備えた発光装置であって、前記反射笠の、前記発光管の両端部のうちの少なくとも一方の端部に対応する位置に係合部を設け、弾性を有する支持部材を前記係合部と前記発光管の端部とに係合させ、前記支持部材の弾性力により前記発光管を支持するよう構成されており、前記支持部材は、板片状をなし、その板面にて前記発光管の外周面に当接して弾性変形した状態で前記発光管を支持し、前記発光管の外周面に面接触していることを特徴とする発光装置。
【0009】
(2) 前記発光管は、放電発光管である上記(1)に記載の発光装置。
【0010】
(3) 前記発光管は、前記反射笠の頂部内面に圧着されて支持される上記(1)または(2)に記載の発光装置。
【0011】
(4) 前記発光管の前記反射笠の頂部内面に圧着される部分の中心角が、20°〜175°である上記(3)に記載の発光装置。
【0012】
(5) 前記支持部材は、前記発光管の前記反射笠の頂部内面に対する接触面圧が0.15〜2kgf/cm2 となるように支持する上記(3)または(4)に記載の発光装置。
【0013】
(6) 前記支持部材は、前記発光管の長手方向とほぼ垂直な方向に配置される上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の発光装置。
【0014】
(7) 前記支持部材は、板片状をなすものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の発光装置。
【0015】
(8) 前記支持部材は、金属材料で構成される上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の発光装置。
【0016】
(9) 前記係合部は、前記支持部材の両端部にそれぞれ係合するように1対設けられ、前記支持部材がその板面にて前記発光管および前記各係合部のそれぞれに対し接触するように、前記1対の係合部が互いに平行に形成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の発光装置。
(10) 前記支持部材は、その両端が折れ曲げられて形成された屈曲部を有し、該屈曲部が前記係合部に係合している上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の発光装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の発光装置を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1および図2は、それぞれ、本発明の発光装置をストロボ発光装置に適用した場合の実施例を示す斜視図および側面図である。これらの図に示すように、本発明の発光装置(ストロボ発光装置)1は、発光管2と、該発光管2から発せられた光を反射する反射笠(反射板:リフレクタ)3と、一対の支持部材5とを備えている。なお、発光装置1は、左右対称の構造であるため、図1では、その一方の端部側のみ示されている。
【0019】
発光管2は、例えばキセノン管のような放電発光管で構成されている。発光管2の両端部に設けられた電極21、21間に所定の電圧(例えば300V)を印加しつつ、発光管2の外周面に励起用の高電圧(例えば5kV)を印加すると、発光管2内に放電が生じ、発光する。
【0020】
反射笠3は、所定形状の金属板を折り曲げる等して形成されたもので、脚部(取付部)31と、側端面を構成する折り曲げ部32と、頂部33とを有している。また、この反射笠3の内面は、発光管2から発せられた光(ストロボ光)を反射する反射面を構成する。
【0021】
頂部33は、円弧状に成形され、その内面の曲率は、発光管2の外周面と等しい曲率とされているのが好ましい(図2参照)。これにより、後述する支持部材5で発光管2を支持したとき、発光管2の外周面が頂部33の内面に密着し、発光管2に対し励起用電圧をより有効に印加することができる。
【0022】
このような励起用電圧の印加を効率的に行うためには、発光管2の頂部33の内面に圧着される面積は、できるだけ大きい方が好ましい。すなわち、図2に示すように、発光管2の頂部33の内面に圧着される部分の中心角θは、20°〜175°程度であるのが好ましく、60°〜160°程度であるのがより好ましい。
【0023】
反射笠3は、例えば、鉄または鉄系合金(ステンレス鋼等)、銅または銅系合金、アルミニウムまたはアルミニウム系合金のような金属材料で構成されており、その外表面には、銅箔34を介してリード線15が接続(半田付け)されている。これにより、反射笠3に励起用電圧を印加することができる。
【0024】
反射笠3の頂部33側(図1中上方側)の両端部には、それぞれ切欠き部4が設けられており、これにより、1つの切欠き部4に対し2つの係合部41、42が形成される。この場合、係合部41と係合部42とは、ほぼ平行に形成されている。発光管2の両端部は、切欠き部4内に露出する。
【0025】
係合部41、42には、支持部材5が係合して発光管2を支持する。支持部材5は、弾性材料で構成された板片状(短冊状)の部材であり、発光管2の長手方向とほぼ垂直な方向に配置される。これにより、発光管2を安定的に支持することができる。
【0026】
支持部材5の両端部51、52は、折り曲げられている。この折り曲げられた端部51、52の屈曲部がそれぞれ係合部41、42に係合することにより、発光管2を離脱することなく安定的に支持することができる。
【0027】
図2に示すように、支持部材5は、図2中下方に凸に湾曲するように変形され、その長手方向のほぼ中央部に発光管2の端部外周面(接触部22)が当接し、支持部材5の持つ弾性力により、発光管2を図2中上方へ付勢し、発光管2の外周面を頂部33の内面に圧着させる。すなわち、発光管2は、頂部33の内面と、両支持部材5の中央部の3箇所で支持されている。
【0028】
発光管2の頂部33の内面に対する接触面圧は、0.1〜3kgf/cm2 程度が好ましく、0.15〜2kgf/cm2 程度がより好ましい。この接触面圧が低過ぎると、支持強度が不足し、振動、衝撃等が作用した場合等に、発光管2が反射笠3から外れるおそれがあり、また、この接触面圧が高過ぎると、発光管2の反射笠3に対する取り付け操作がし難くなる。従って、支持部材5としては、このような接触面圧が得られるような形状、構造、特性のものを使用するのが好ましい。
【0029】
支持部材5を構成する弾性材料としては、例えば、鉄または鉄系合金(ステンレス鋼等)、銅または銅系合金、アルミニウムまたはアルミニウム系合金、ニッケル、チタン、貴金属等の各種金属材料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート等の各種硬質樹脂が挙げられるが、金属材料(導電性材料)が好ましい。その理由は、金属材料は特に耐久性が優れるとともに、発光管2の切欠き部4内に露出した部分においても、支持部材5との接触部22から励起用電圧を印加することができ、発光効率を高く維持することができるからである。
【0030】
支持部材5の板厚は、特に限定されないが、好ましくは0.05〜0.5mm程度、より好ましくは0.1〜0.3mm程度とすることができる。
【0031】
また、支持部材5の板幅は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜2mm程度とすることができる。
【0032】
次に、発光装置1を制御する回路の構成例およびその作動例を図3に基づいて説明する。
【0033】
図示しないカメラの制御部から出力されたストロボの発光トリガー信号Pがトリガー回路11のサイリスタ12へ入力されると、サイリスタ12がオンとなり、コンデンサ13からの放電によって、トランス14の一次側に電流が流れ、よって、その二次側に接続されたリード線15に励起用電圧(例えば5kV)が印加される。この励起用電圧は、反射笠3を介して発光管(キセノン管)2に供給される。
【0034】
一方、発光管2の両電極21、21間には、メインコンデンサ16によって高電圧(例えば300V)が印加されており、励起用電圧の印加によって励起されて発光管2内に放電が生じ、ストロボ光が発光する。メインコンデンサ16へは、昇圧回路17によって昇圧された電荷が蓄積される。
【0035】
また、ストロボの発光トリガー信号Pは、調光回路23のスイッチ25へも入力され、これにより、スイッチ25は開状態となり、光量の積分が開始される。すなわち、被写体からの反射光の受光により受光素子24に電流が生じ、オペアンプ27を介してその受光光量に応じた電荷がコンデンサ26に蓄積される。なお、スイッチ25が閉状態となると、コンデンサ26に蓄積された電荷が放出され、リセットされる(積分値が0となる)。
【0036】
また、オペアンプ27の出力は、コンパレータ28のマイナス端子へ入力されるが、コンデンサ26への電荷の蓄積に伴ってオペアンプ27の出力電圧が減少し、コンパレータ28の基準電圧(プラス端子への入力電圧)以下となった時に、コンパレータ28からクエンチ信号Qが出力される。
【0037】
このクエンチ信号Qは、メインコンデンサ16に並列に接続されたサイリスタ29へ入力され、サイリスタ29がオンとなる。これにより、メインコンデンサ16から供給される電流はサイリスタ29を流れ、発光管2の両電極21、21間への電力供給が断たれるため、発光管2の発光が停止する。
【0038】
なお、発光管2の発光を制御する回路の構成は、図3に示すものに限定されないことは言うまでもない。
【0039】
以上、本発明の発光装置を図示の各実施例について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。特に、反射笠の形状、構造、係合部や支持部材の形状、構造等は、図示以外の任意のものが可能である。
【0040】
また、発光管2の外周面と頂部33の内面や、発光管2の端部外周面と支持部材5の表面は、図示のように直接接触している場合に限らず、これらの間に導電性を有する層(例えばシート状物)が介在していてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の発光装置によれば、反射笠に対し発光管を安定的に保持することができ、特に、支持部材の劣化等がなく、耐久性に優れる。
【0042】
また、発光装置の組み立てに際し、支持部材による発光管の支持、固定の操作も容易に行うことができる。
【0043】
また、従来のように、反射笠の頂部上方箇所にゴムバンドのような発光管支持のための部材が存在せず、特に、支持部材による固定を反射笠に形成された切欠き部内で行う場合等には、反射笠の輪郭から外方へ突出する部分が少なく、よって、装置の小型化、設置スペースの省スペース化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光装置(ストロボ発光装置)の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の発光装置(ストロボ発光装置)の実施例を示す側面図である。
【図3】発光管の発光を制御する回路の構成例を示す回路図である。
【図4】従来の発光装置(ストロボ発光装置)の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 発光装置
2 発光管
21 電極
22 接触部
3 反射笠
31 脚部
32 折り曲げ部
33 頂部
34 頂部
4 切欠き部
41、42 係合部
5 支持部材
51、52 端部
6 発光装置(従来例)
7 発光管
8 反射笠
81 頂部
82 側端部
9 バンド
11 トリガー回路
12 サイリスタ
13 コンデンサ
14 トランス
15 リード線
16 コンデンサ
17 昇圧回路
23 調光回路
24 受光素子
25 スイッチ
26 コンデンサ
27 オペアンプ
28 コンパレータ
29 サイリスタ
P 発光トリガー信号
Q クエンチ信号

Claims (10)

  1. 発光管と、前記発光管を保持し、前記発光管から発せられた光を反射する反射笠とを備えた発光装置であって、前記反射笠の、前記発光管の両端部のうちの少なくとも一方の端部に対応する位置に係合部を設け、弾性を有する支持部材を前記係合部と前記発光管の端部とに係合させ、前記支持部材の弾性力により前記発光管を支持するよう構成されており、前記支持部材は、板片状をなし、その板面にて前記発光管の外周面に当接して弾性変形した状態で前記発光管を支持し、前記発光管の外周面に面接触していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光管は、放電発光管である請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光管は、前記反射笠の頂部内面に圧着されて支持される請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記発光管の前記反射笠の頂部内面に圧着される部分の中心角が、20°〜175°である請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記支持部材は、前記発光管の前記反射笠の頂部内面に対する接触面圧が0.15〜2kgf/cm2となるように支持する請求項3または4に記載の発光装置。
  6. 前記支持部材は、前記発光管の長手方向とほぼ垂直な方向に配置される請求項1ないし5のいずれかに記載の発光装置。
  7. 前記支持部材は、金属材料で構成される請求項1ないし6のいずれかに記載の発光装置。
  8. 前記係合部は、前記反射笠の頂部側の端部に切欠き部を設けることにより形成されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の発光装置。
  9. 前記係合部は、前記支持部材の両端部にそれぞれ係合するように1対設けられ、前記支持部材がその板面にて前記発光管および前記各係合部のそれぞれに対し接触するように、前記1対の係合部が互いに平行に形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の発光装置。
  10. 前記支持部材は、その両端が折れ曲げられて形成された屈曲部を有し、該屈曲部が前記係合部に係合している請求項1ないし9のいずれかに記載の発光装置。
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