JP3971002B2 - プリント配線板用レジスト組成物およびプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板用レジスト組成物およびそれを用いたプリント配線板の製造方法に関する。本発明のレジスト組成物は、ソルダーレジスト、エッチングレジスト、耐メッキレジスト、層間絶縁材料などに利用できるものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来からプリント配線板の製造は、写真法でパターンを形成する方法が広く用いられている。この方法の中で、希アルカリ現像型や水現像型のフォトレジストを用いる方法は、有機溶剤現像型フォトレジストを用いるものに比べて人体に対する毒性、環境汚染性、火災の危険性などの問題が少ないという利点がある。そのため、例えばカルボキシル基を有する樹脂を用いて、希アルカリ現像できるフォトレジストが提案されている。例えば、特開昭61−243869号公報にノボラック型エポキシ化合物を不飽和モノカルボン酸と反応させ、生じた水酸基に酸無水物を付加して得られる活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤、エポキシ化合物からなる光硬化性および熱硬化性の液状レジストインキ組成物が開示されている。また、特開平6−324490号公報には多価エポキシ化合物に不飽和モノカルボン酸と多価水酸基含有モノカルボン酸化合物を反応させ、水酸基に酸無水物を付加して得られる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂、光重合開始剤、希釈剤、硬化成分からなるレジストインキ組成物が開示されている。これらの組成物は、ソルダーレジストとしての性能は満足できるが、二液型が主流であり、混合後のポットライフも数時間から1日と短いという問題、さらに、静電スプレー塗装やカーテン塗装する場合、水希釈できないために多量の有機溶剤で希釈しなければならず塗装作業性、環境汚染性、火災の危険性などがあるという問題が存在する。
【0003】
また、水希釈可能なフォトソルダーレジストとしては特開平5−202330号公報に、1分子中に不飽和基およびアミン化合物で中和したカルボキシル基を併せ持つ感光性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、アミノ樹脂および希釈剤からなる光硬化性・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物が開示されている。この場合、補助架橋剤としてアミノ樹脂を用いているためにその製造過程で使用される触媒がイオン汚染物としてレジストインキ組成物内に混入し、電蝕性に悪影響を及ぼすという懸念がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した問題点のない、プリント配線板用レジスト組成物を得るために、鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基をアミン化合物で中和した光重合性樹脂とオキサゾリン基含有化合物を用いることにより、1液安定性に優れ水で希釈でき、かつ水または希アルカリ水で現像可能となり、さらに現像後、加熱することによって、カルボキシル基とオキサゾリン基が反応して架橋塗膜が得られ、この架橋塗膜が耐薬品性、耐熱性、電蝕性などの性能に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
かくして、本発明に従えば、(a)重合性不飽和基とカルボキシル基を含有し、カルボキシル基の一部または全部をアミン化合物で中和してなる光重合性樹脂、(b)光重合開始剤および(c)1分子中に2つのオキサゾリン基を含有する化合物及び/又はオキサゾリン基含有不飽和単量体の重合体を含有することを特徴とするプリント配線板用レジスト組成物およびそれを用いたプリント配線板の製造方法が提供される。
【0006】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0007】
本発明のプリント配線板用レジスト組成物において使用される光重合性樹脂は、下記(1)〜(6)の群から選ばれる樹脂をアミン化合物で中和したものである。
【0008】
(1)一分子中に重合性不飽和基およびグリシジル基または脂環式エポキシ基を有する化合物を高酸価アクリル樹脂に付加させてなる重合性不飽和樹脂;
この重合性不飽和樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸などと他の共重合性モノマーとを共重合させた高酸価アクリル樹脂に、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの一分子中に重合性不飽和基およびグリシジル基を有する化合物を付加させてなるものを挙げることができる。
【0009】
(2)一分子中に重合性不飽和基およびカルボキシル基を有する化合物をグリシジル基を有するアクリル樹脂に付加させた後、生じた水酸基に無水二塩基酸を付加させてなる樹脂;
この重合性不飽和樹脂としては、グリシジル(メタ)アクリレートなどと他の共重合性モノマーとを共重合させたアクリル樹脂に、(メタ)アクリル酸などの一分子中に重合性不飽和基およびカルボキシル基を有する化合物を付加させた後、生じた水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸などの無水二塩基酸をハーフエステル化させてなる樹脂を挙げることができる。
【0010】
(3)一分子中に重合性不飽和基およびカルボキシル基を有する化合物をエポキシ樹脂に付加させた後、生じた水酸基に無水二塩基酸を付加させてなる樹脂;
この重合性不飽和樹脂としては、ビスフェノールA(またはF)型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ基含有樹脂などに、(メタ)アクリル酸などの一分子中に重合性不飽和基とカルボキシル基を有する化合物を付加させた後、生じた水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸などの無水二塩基酸をハーフエステル化させてなる樹脂を挙げることができる。
【0011】
(4)一分子中に重合性不飽和基およびグリシジル基または脂環式エポキシ基を有する化合物を高酸価ポリエステルに付加させてなる重合性不飽和樹脂;
この重合性不飽和樹脂としては、無水マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸などの重合性不飽和基を有する二塩基酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、トリメリット酸などの多塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールとを縮合させてなる高酸価ポリエステルに、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有不飽和化合物を付加した樹脂を挙げることができる。
【0012】
(5)一分子中に重合性不飽和基および水酸基を有する化合物を、酸含有ポリイミドの酸の一部に付加または縮合させてなる樹脂;
この重合性不飽和樹脂としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノン無水テトラカルボン酸などの無水テトラカルボン酸と、4,4′ジアミノジフェニルメタン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノ安息香酸などのジアミンとの反応により得られる酸含有ポリイミドの無水カルボン酸またはカルボキシル基の一部を、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加または縮合させてなる樹脂を挙げることができる。
【0013】
(6)一分子中に重合性不飽和基および水酸基を有する化合物を、酸およびイソシアネート基を有するポリウレタンのイソシアネート基に付加させてなる樹脂;
この重合性不飽和樹脂としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などの水酸基と酸を有する化合物とトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物との水酸基とイソシアネート基により付加させた酸およびイソシアネート基を有するポリウレタンに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをイソシアネート基と付加してなる樹脂を挙げることができる。
【0014】
これら(1)〜(6)の樹脂の不飽和当量は100〜5,000、好ましくは200〜2,000である。不飽和当量が100以下では、酸基を有する不飽和樹脂の合成が困難であり、他方5,000より多くなると光硬化性が低下する。
また、これら樹脂の酸価は20〜300、好ましくは30〜200である。酸価が20より少ないと水希釈や現像することができなくなり、他方300より多いと光硬化膜の水溶性が高くなり、耐現像性が劣ってくる。
【0015】
上記した(1)〜(6)の樹脂のカルボキシル基をアミン化合物で中和することにより、水で希釈することができる光重合性樹脂(a)が得られる。
【0016】
使用されるアミン化合物としては、従来から公知のものを使用できるが、第1級アミンおよび第2級アミンは、不飽和基とマイケル付加反応を起こしやすいため使用が難しい。このため本発明では、第3級アミンを用いるのが好ましい。第3級アミン化合物としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0017】
中和剤の使用量は、光重合性樹脂(a)の骨格中に含まれるカルボキシル基1当量に対して0.1〜1.2当量の範囲、さらに好ましくは0.7〜1.0当量の範囲である。中和剤の使用量が0.1当量より少ないと光重合性樹脂(a)を水希釈できなくなり、他方1.2当量より多いとオキサゾリン基含有化合物のオキサゾリン基との熱硬化が阻害されるという問題がある。
【0018】
本発明に用いることができる光重合開始剤(b)は、従来から公知のものであり、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチル、ヒドロキシベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロ)−S−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどが挙げられる。
【0019】
これらの光重合開始剤は、単独もしくは2種類以上を混合して使用でき、その配合量は前記した光重合性樹脂(a)を基準にして0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
【0020】
また、これらの光重合開始剤による光重合反応を促進させるため、光増感促進剤を光重合開始剤と併用してもよい。併用し得る光増感促進剤としては、例えばトリフェニルホスフィンなどのアルキルホスフィン系、β−チオジグリコールなどのチオエーテル系などが挙げられる。これらの光増感促進剤はそれぞれ単独もしくは2種類以上を混合して使用でき、その配合量は前記した光重合性樹脂(a)を基準にして0.1〜30重量%の範囲が好ましい。
【0021】
本発明で用いられるオキサゾリン基含有化合物(c)としては、例えば2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−メチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−トリメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−デカメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−シクロヘキシレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ジフェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレン−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィドなどを挙げることができる。
【0022】
また、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリンのようなオキサゾリン基含有不飽和単量体の単独重合体および共重合体などもオキサゾリン基含有化合物として挙げることができる。
【0023】
さらに、日本触媒社製のエポクロスWS−500、K2020E、RAS−1005などのオキサゾリン基を含有するポリマーも挙げることができる。
【0024】
これらオキサゾリン基含有化合物は、単独もしくは2種類以上を混合して使用でき、その配合量は光重合性樹脂(a)のカルボキシル基1当量に対してオキサゾリン基0.3〜2.0当量の範囲が好ましく、これ以外の範囲では耐薬品性、耐熱性が低下する。
【0025】
本発明の水溶化または水分散化したレジスト組成物には、その流動性をさらに向上させるために、必要に応じて、親水性溶剤(例えば、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコール、メチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)を加えることができる。親水性溶剤の使用量は光重合性樹脂(a)成分100重量部に対し300重量部以下の範囲内が望ましい。
【0026】
上記した(a)〜(c)成分からなる本発明のレジスト組成物に、光硬化性や硬化膜の機械強度などの性能を向上させるため、光重合性樹脂(a)以外の重合性不飽和基含有樹脂、重合性不飽和モノマーなどを光重合性樹脂(a)100重量部に対して100重量部以下の範囲で配合して塗膜性能を適宜調整することも可能である。
【0027】
重合性不飽和基含有樹脂としては、例えばポリエステルに(メタ)アクリル酸を縮合させた樹脂、不飽和基含有ポリウレタン樹脂、不飽和基含有エポキシ樹脂、不飽和基含有含リンエポキシ樹脂、不飽和基含有アクリル樹脂、不飽和基含有シリコーン樹脂、不飽和基含有メラミン樹脂などが挙げられる。
【0028】
重合性不飽和モノマーとしては、1官能重合性モノマーとして、例えばスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アロニックスM110(東亜合成社製)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
【0029】
2官能重合性モノマーとして、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カヤラッドHX−220,620,R−604,MANDA(以上日本化薬社製)などが挙げられる。
【0030】
3官能以上の重合性モノマーとして、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0031】
その他の添加物としては、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、染料、熱可塑性樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、イソシアネート基含有化合物などの反応性樹脂、各種添加剤(レベリング剤、消泡剤、タレ止剤など)などが挙げられる。着色顔料、体質顔料、防錆顔料、染料としては、インキ、塗料の分野で通常用いられるものが使用でき、組成物の固形分中300重量部以下、好ましくは200重量部以下の範囲で配合することができる。
【0032】
また、本発明樹脂組成物をソルダレジストなどに使用する場合は必要に応じて熱硬化時の触媒やその他の添加剤を配合してもよい。熱硬化時の触媒としては、アルカリ金属(ナトリウム、リチウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)および、ニッケル、銅、モリブデン、鉛、鉄、クロム、マンガン、スズ、コバルトから選ばれる金属の水酸化物、有機酸塩、キレート化合物、およびアルコキシドなどが挙げられる。また、オキサゾリン基とカルボン酸の架橋反応促進のためにアンモニウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ニトロニウム塩、ニトロソニウム塩、ジアゾニウム塩などのオニウム塩を触媒として用いることもできる。これら硬化触媒の添加量は光重合性樹脂(a)成分の100重量部に対して10重量部以下、さらには0.01〜5重量部の範囲が好ましい。
【0033】
かくして得られる本発明のレジスト組成物は基材上にスプレー塗装、ロール塗装、浸漬塗装、シルクスクリーン印刷などの通常の方法に従い塗布される。また、塗布された未硬化塗膜は50〜100℃の温度で溶剤を除去した後、該塗膜にパターンを描いたフィルム(フォトマスク)を介して紫外線などの活性光線を10〜2,000mJ/cm2、好ましくは50〜1,000mJ/cm2照射することによって硬化せしめられる。
【0034】
露光機としては、従来から紫外線などの活性光線用に使用されているものを用いることができ、例えば高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。
【0035】
現像処理は、レジスト塗膜面上に水または希アルカリ水を吹きつけて、塗膜の未硬化部分を洗い流すことによって行うことができる。希アルカリ水は、通常、炭酸ソーダ、カセイソーダ、カセイカリ水など塗膜中に存在する遊離のカルボキシル基を中和して、水溶性にすることのできるものが使用可能である。例えば炭酸ソーダ水溶液の場合は、0.1〜5重量%の濃度が適当である。0.1重量%以下では現像が困難であり、5重量%以上では画像部を侵す恐れがあるので好ましくない。
【0036】
光硬化の後、現像処理した塗板を120〜180℃で10〜60分熱処理を行うことで、塗膜中のアミンが脱離して疎水化が起こり、同時に、樹脂中のカルボキシル基とオキサゾリン基の反応、残存する不飽和基の重合、不飽和基と水酸基の付加反応などが起こり、高い架橋密度の塗膜が形成されるために耐熱性、耐薬品性が向上する。
【0037】
本発明のレジスト組成物は、エッチングレジストなどのパターンを有するレジスト膜を形成する場合には未硬化塗膜は無害な水または希アルカリ水溶液で現像可能であるために安全衛生上の問題が解決できるものである。また本発明の方法によって得られるレジスト膜は基材に対する付着性ならびに耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性に優れているためにソルダレジストやメッキレジスト、層間絶縁材料などとしても使用できる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。以下、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
【0039】
光重合性樹脂の製造
製造例1
ノルマルブチルメタクリレート110部、メチルメタクリレート300部、スチレン158部、アクリル酸432部およびα,α′アゾビスイソブチロニトリル30部からなる混合液を窒素ガス雰囲気下で115℃に保持したプロピレングリコールモノメチルエーテル700部に3時間を要し滴下した。滴下後、115℃で3時間撹拌した(樹脂酸価327)。次にこの樹脂液に、テトラメチルアンモニウムブロマイド4部、グリシジルメタクリレート497部、ハイドロキノン1部を加え、空気を吹き込みながら5時間反応させた(不飽和当量436、樹脂酸価92)。この樹脂液を室温まで冷却し、トリエチルアミン253部を添加して撹拌し、樹脂液Aを得た。なお、この樹脂液は水で任意の濃度に希釈できた。
製造例2
ノルマルブチルメタクリレート150部、メチルメタクリレート150部、スチレン188部、グリシジルアクリレート512部およびα,α′アゾビスイソブチロニトリル30部からなる混合液を窒素ガス雰囲気下で115℃に保持したカルビトールアセテート700部に3時間を要し滴下した。滴下後、115℃で3時間撹拌した。次にテトラメチルアンモニウムブロマイド4部、アクリル酸288部、ハイドロキノン1部を加え、空気を吹き込みながら5時間反応させた。この反応溶液をさらにテトラヒドロ無水フタル酸608部を加え、5時間反応させた(不飽和当量482、樹脂酸価117)。この樹脂液を室温まで冷却し、N−メチルモルホリン404部を添加して撹拌し、樹脂液Bを得た。なお、この樹脂液は水で任意の濃度に希釈できた。
【0040】
製造例3
水分離器付き還流冷却管を取り付けたフラスコ中で、無水トリメリット酸192部、無水フタル酸888部、アジピン酸730部、ネオペンチルグリコール416部、エチレングリコール248部およびジブチルチンオキシド0.5部からなる混合液を4時間かけて室温から240℃まで昇温した。次にキシレン150部を加え、キシレン還流下で240℃に保持したまま縮合反応を3時間行いポリエステルを得た(樹脂酸価231)。室温まで冷却してからプロピレングリコールモノメチルエーテル1,000部、グリシジルメタクリレート426部、ハイドロキノン1部を加え、空気を吹き込みながら60℃で5時間反応させた(不飽和当量967、樹脂酸価129)。この樹脂液を室温まで冷却し、ジメチルエタノールアミン534部を添加して撹拌し、樹脂液Cを得た。なお、この樹脂液は水で任意の濃度に希釈できた。
【0041】
製造例4
エピコート190s80(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;エポキシ当量200)1,000部、ハイドロキノン2.5部およびテトラエチルアンモニウムブロマイド10部をカルビトールアセテート1,000部に溶解させ、100℃に加熱して空気を吹き込みながらアクリル酸360部を3時間を要し滴下した。滴下後、100℃で5時間撹拌した。この反応溶液にヘキサヒドロ無水フタル酸770部を加え、5時間反応させた(不飽和当量426、樹脂酸価132)。この樹脂液を室温まで冷却し、ジメチルアミノエチルアクリレート715部を添加して撹拌し、樹脂液Dを得た。なお、この樹脂液は水で任意の濃度に希釈できた。
【0042】
製造例5
水分離器付き還流冷却管を取り付けたフラスコ中で、N−メチルピロリドン646部およびトリメチルヘキサメチレンジアミン142部を混合し、続いてピロメリット酸230部を加え、160℃まで3時間を要し昇温した。トルエンを70g加え、160℃で還流させ脱水反応を5時間行った。その後、200℃に昇温してトルエンを脱溶剤した。
【0043】
60℃まで冷却し、ハイドロキノン1部、グリシジルメタクリレート42部を加え、空気を吹き込みながら5時間反応させた(不飽和当量1,400、樹脂酸価41)。この樹脂液を室温まで冷却し、トリエタノールアミン45部を添加して撹拌し、樹脂液Eを得た。なお、この樹脂液は水で任意の濃度に希釈できた。
実施例1
製造例1の光重合性不飽和樹脂液A(固形分) 100部
光重合開始剤 Irgacur 907(チバガイギー社製) 5部
2,2′−m−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン) 30部
上記組成物を脱イオン水で希釈し、30%溶液にした。このものを静電スプレー塗装機を用いて、銅厚35μm の銅張積層板(300×250×1.6mm)上に塗装し、80℃の温風乾燥機で10分間乾燥し、15μm 厚の平滑な感光膜を得た。次に室温22℃でライン/スペース=100/100μm のパターンのネガフィルムを真空装置でこの塗板と密着させ、3kwの超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2露光した後、25℃、1%の炭酸ソーダ水溶液で現像した。この塗板をさらに140℃の温風乾燥機で10分間焼き付けた。次いで、55℃、pH8.7の塩化アンモニウム・アンモニア水溶液を圧力2kg/cm2のスプレーで銅をエッチング処理した。次いで水洗した後、50℃、3%カセイソーダ水溶液で硬化膜を除去し、プリント配線板を得た。
【0044】
実施例2
実施例1における樹脂液Aの代わりに製造例3の樹脂液Cを用いる以外は、実施例1と同様の処理を行ってプリント配線板を得た。
【0045】
比較例1
実施例1において、2,2′−m−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)の代わりにエピコート828(油化シェル社製ポキシ樹脂)20部を配合した組成物を用いる以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0046】
比較例2
実施例2において、2,2′−m−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)の代わりにエピコート828(油化シェル社製ポキシ樹脂)20部を配合した組成物を用いる以外は、実施例2と同様の処理を行った。
【0047】
実施例1〜2および比較例1〜2で得られたレジスト膜について現像性、耐エッチング性、剥離について試験を行い、その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
試験方法
水希釈安定性:常温で1日放置した後の性状変化について評価した。
【0050】
○:性状変化なし
×:二相分離した
現像性:露光後のレジスト膜上に現像液として1%の炭酸ソーダ水溶液を用いて、25℃でスプレー圧25kg/cm2の条件で60秒間スプレーして行った。
【0051】
○:膜残りなし、△:若干の膜残りあり、×:現像されない
耐エッチング性:55℃、pH8.7の塩化アンモニウム・アンモニア水溶液を圧力2kg/cm2のスプレーで銅をエッチングしたときのレジスト膜の状態について評価した。
【0052】
○:良好 △:部分的に溶解 ×:全溶解
剥離性:エッチング後のテストピースを50℃、3%のカセイソーダ水溶液にディップしたときのレジスト膜の剥離性について評価した。
【0053】
○:10秒以内に剥離 △:10〜30秒で剥離 ×:30秒以上
実施例3
光重合性不飽和樹脂液B(固形分) 100部
光重合開始剤 Irgacur 907(チバガイギー社製) 5部
2−イソプロペニル−2−オキサゾリン単独重合体(分子量約1万) 30部
フタロシアニングリーン 0.5部
タルク 50部
オクチル酸鉛 0.1部
モダフロー(モンサント社製) 0.5部
上記組成物を脱イオン水で希釈し、40%溶液にした。このものを静電スプレー塗装機を用いて、銅厚35μm のプリント配線されたガラスエポキシ基板(1.6mm厚)上に塗装し、80℃の温風乾燥機で15分間乾燥し、30μm 厚の平滑な感光膜を得た。次にネガ型フォトマスクフィルムを真空装置でこの塗板に密着させ、10kwの超高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2露光した後、25℃、1%の炭酸ソーダ水溶液で現像した塗板を150℃の温風乾燥機で30分間焼き付け、ソルダーレジスト膜を得た。
【0054】
実施例4
樹脂液Bの代わりに製造例4の樹脂液Dを用いる以外は、実施例3と同様にしてソルダーレジスト膜を得た。
【0055】
比較例3
実施例3において2−イソプロペニル−2−オキサゾリン単独重合体(分子量約1万)の代わりにエピコート1009(油化シェル社製エポキシ樹脂)20部を配合した組成物を用いる以外は、実施例3と同様にしてソルダーレジスト膜を得た。
【0056】
比較例4
実施例4において2−イソプロペニル−2−オキサゾリン単独重合体(分子量約1万)の代わりにニカラックMW−30(三和ケミカル社製アミノ樹脂)20部を配合した組成物を用いる以外は、実施例3と同様にしてソルダーレジスト膜を得た。
【0057】
実施例3および実施例4、ならびに比較例3および比較例4で得られたソルダーレジスト膜について試験した結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
試験方法
ハンダ耐熱性:サンプルを水性フラックスCF330VH(タムラ化研(株)製)で処理し、80℃で5分間熱風乾燥し、次いで260℃のハンダ浴に10秒間浸漬される。(フラックス処理−乾燥−浸漬)工程を1サイクルとして、これを3サイクル行い、付着性によって評価した。付着性はJIS K5400 8.5.2(1990)の試験法に従い、テストピースに1mm間隔で100個の碁盤目状のカットを入れ、この部分にセロハン粘着テープを密着させ瞬時に剥がした際に剥離していない桝目の数によって評価した。
【0060】
◎:100個 ○:99〜95個 △:94〜50個 ×:50個未満
耐酸性:テストピースを10%硫酸中に20℃で1時間浸漬させた後、碁盤目状にクロスカットを入れ、セロハン粘着テープを密着させ瞬時に剥がし、レジストの剥がれについて評価した。
【0061】
○:剥がれなし △:わずかに剥がれあり ×:剥がれあり
密着性:JIS D−0202の試験法に従い、碁盤目状にクロスカットを入れ、セロハン粘着テープを密着させ瞬時に剥がし、レジストの剥がれについて評価した。
【0062】
○:剥がれなし △:わずかに剥がれあり ×:剥がれあり
絶縁抵抗:JIS Z 3197、2型のG−10型櫛形テストパターンを用いて評価基板を作成し、100V、1分間印加後の絶縁抵抗を測定した。
【0063】
電蝕性:JIS Z3197、2型のG−10型櫛形テストパターンを用いて評価基板を作成し、DC100Vのバイアス電圧を印加し、40℃、90%R.H.の恒温恒湿槽にて500時間後のデントライトの有無を確認した。
【0064】
○:デントライトの発生が全くなし △:わずかに発生 ×:デントライトが発生
実施例5
光重合性不飽和樹脂液E(固形分) 100部
光重合開始剤 Irgacur 907(チバガイギー社製) 5部
2,2′−テトラメチレン−ビス(2−オキサゾリン) 30部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30部
バリタ 100部
上記組成物を脱イオン水で希釈し、50%溶液にした。静電スプレー塗装機を用いて、銅厚35μm のプリント配線されたガラスエポキシ基板(0.2mm厚)上に塗装し、80℃の温風乾燥機で15分間乾燥し、50μm 厚の平滑な感光膜を得た。次にネガ型フォトマスクフィルムを真空装置でこの塗板に密着させ、10kwの超高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2露光した後、25℃、1%の炭酸ソーダ水溶液で現像した塗板を160℃の温風乾燥機で40分間焼き付け、層間絶縁膜を得た。この層間絶縁膜の表面を公知の方法で粗化し、銅メッキを行い、パターンを形成させ、さらにその上に層間絶縁膜を形成させた。この操作を繰り返して多層基板を得ることができた。
【0065】
比較例5
実施例5において、2,2′−テトラメチレン−ビス(2−オキサゾリン)の代わりにEPPN−201(日本化薬製ノボラック型エポキシ樹脂)20部を配合した組成物を用い、実施例5と同様の処理を行った。
【0066】
実施例5および比較例5で得られた基板について試験した結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
試験方法
耐アルカリ性:テストピースを10%水酸化ナトリウム水溶液中に20℃で1時間浸漬させた後、碁盤目状にクロスカットを入れ、セロハン粘着テープを密着させ瞬時に剥がし、レジストの剥がれについて評価した。
【0069】
○:剥がれなし △:わずかに剥がれあり ×:剥がれあり
銅メッキ密着性:層間絶縁膜上に形成した銅メッキの密着性を90°ピール試験で評価した。
【0070】
実施例6
光重合性不飽和樹脂液D(固形分) 100部
光重合開始剤 Irgacur 907(チバガイギー社製) 5部
2,2′−ヘキサメチレン−ビス(2−オキサゾリン) 30部
上記組成物を脱イオン水で希釈し、50%溶液にした。静電スプレー塗装機を用いて、ガラスエポキシ基板上に塗装し、80℃の温風乾燥機で15分間乾燥し、35μm 厚の平滑な感光膜を得た。次にネガ型フォトマスクフィルムを真空装置でこの塗板に密着させ、10kwの超高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2露光した後、25℃、1%の炭酸ソーダ水溶液で現像した塗板を160℃の温風乾燥機で40分間焼き付け、メッキレジストパターンを得た。この後、公知の方法で無電解銅メッキを施し、銅パターンを形成させた。
【0071】
比較例6
実施例6において2,2′−ヘキサメチレン−ビス(2−オキサゾリン)の代わりにYDF−2004(東都化成社製エポキシ樹脂)20部を配合した組成物を用い、実施例5と同様の処理を行った。
【0072】
実施例6および比較例6で得られた銅パターンについて試験した結果を表4に示す。
【0073】
【表4】
【0074】
試験方法
耐アルカリ性:テストピースを10%水酸化ナトリウム水溶液中に70℃で1時間浸漬させた後、碁盤目状にクロスカットを入れ、セロハン粘着テープを密着させ瞬時に剥がし、レジストの剥がれについて評価した。
【0075】
○:剥がれなし、△:わずかに剥がれあり、×:剥がれあり
【0076】
【発明の効果】
本発明のレジスト組成物は、水で容易に希釈することができ、形成されるレジスト膜は水または希アルカリ水溶液を現像液として用いることができ、しかも現像後加熱処理することによって優れた耐薬品性、耐熱性を有するレジスト膜を形成することができる。
Claims (4)
- (a)重合性不飽和基とカルボキシル基を含有し、カルボキシル基の一部または全部をアミン化合物で中和してなる光重合性樹脂、(b)光重合開始剤および(c)1分子中に2つのオキサゾリン基を含有する化合物及び/又はオキサゾリン基含有不飽和単量体の重合体を含有することを特徴とするプリント配線板用レジスト組成物。
- 光重合性樹脂(a)は、100〜5,000の不飽和当量および20〜300の酸価を有するものである請求項1記載のレジスト組成物。
- 1分子中に2つのオキサゾリン基を含有する化合物及び/又はオキサゾリン基含有不飽和単量体の重合体(c)は、光重合性樹脂(a)のカルボキシル基1当量に対してオキサゾリン基0.3〜2.0当量の範囲で配合される請求項1記載のレジスト組成物。
- 請求項1記載のレジスト組成物を基板に塗布する工程、該基板を乾燥する工程、フォトマスクを介して活性光線を照射する工程、水または希アルカリ水で現像する工程、および現像後基板を加熱する工程を順次行うことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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