JP3970622B2 - 金属リングの熱処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機(CVT)等のベルトに使用されるマルエージング鋼製金属リングの熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の無段変速機用ベルト等に用いられる金属ベルトは、次のようにして製造される。まず、超強力鋼であるマルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接して円筒状のドラムを形成し、該ドラムに対して前記溶接時の熱により部分的に硬くなった硬度を均質化するために第1の溶体化を行う。次に、前記溶体化後のドラムを所定幅に裁断して金属リングを形成し、該金属リングを所定長となるように圧延する。次に、圧延された金属リングに対し、圧延組織を再結晶させ、圧延により変形された金属組織の形状を復元するために、第2の溶体化を行う。そして、前記溶体化後の金属リングを所定の周長に補正し、時効及び窒化処理を施して硬度を向上させた後、少しずつ周長の異なる複数の金属リングを相互に積層して前記金属ベルトを形成する。
【0003】
前記マルエージング鋼は、Mo,Al,Ti等の元素を含み、前記時効処理では該元素がFeMo,Ni3AlTi等の金属間化合物を形成して析出することにより時効硬度が発現する。しかし、前記時効処理前に前記Mo,Ti等の元素が酸化されてしまうと前記時効硬度が発現しない。そこで、前記各溶体化は、前記Mo,Ti等の元素の酸化を避けるために、真空炉等を用いて非酸化雰囲気下に、前記ドラムまたは金属リングを前記マルエージング鋼の再結晶温度以上の温度で所定時間加熱することにより行われる。
【0004】
ここで、前記第2の溶体化では、前記金属リングをフック等に吊り下げた状態で加熱すると、該金属リングに自重によるクリープ変形が発生して該金属リングが極端に細長い楕円形状になり、後工程の周長補正が困難になる。そこで、前記クリープ変形を防止するために、前記金属リングの端面が前記加熱炉の床面または該加熱炉内を移動するメッシュベルトに接触するように該金属リングを平置きして加熱することが行われている。
【0005】
ところが、前記金属を前記のように平置きすると、前記溶体化後に前記金属リングを冷却する際に、前記金属リングが外周側に凸に大きく湾曲するとの問題がある。前記金属リングは、複数の金属リングを相互に積層して前記金属ベルトを形成するためには、ある程度外周側に凸に湾曲していることが望ましいが、該湾曲の程度が大きいと、他の金属リングとの積層が困難になる。また、前記湾曲はは後工程の周長補正で適正な範囲に矯正可能であるが、該湾曲の程度が大きいと前記矯正が困難になる。
【0006】
本出願人は、前記問題を解決するために、前記溶体化後、前記金属リングを冷却する際に、マルテンサイト変態開始温度からマルテンサイト変態完了温度までの冷却を3〜50℃/分の冷却速度で行うという技術を既に特許出願している(特願2000−370597明細書参照)。
【0007】
前記明細書記載の技術は、図6に示すリング保持部材21を用いて金属リングWの溶体化を行うものであり、リング保持部材21は、中央部に立設された円筒状部22を備え、円筒状部22の下部から外周方向に水平に延設された鍔状部23を備えている。前記明細書記載の技術は、1個のリング保持部材11当たり1枚の金属リングWを鍔状部13に平置きして加熱することにより溶体化した後、前記のように冷却するというものである。前記明細書記載の技術によれば、前記溶体化処理が施された金属リングWを前記のようにして冷却することにより、前記金属リングWの湾曲を後工程の周長補正で適正に矯正可能な範囲とすることができる。
【0008】
一方、前記真空炉はそれ自体高価であり、前記金属リングの加熱に使用できる容積が限られているので、量産に当たっては前記真空炉の容積をできるだけ有効に利用することが望まれる。前記真空炉の容積を有効に利用するために、図2に示すように、リング保持部材11の鍔状部13に複数の金属リングWを平置きして加熱することが考えられる。この場合、さらに図3(b)に示すように、複数のリング保持部材11を垂直方向に積層したものを、金属製のフレームを格子状に形成してなるボックス15に複数組収容し、図3(c)に示すように、複数のボックス15を真空炉3に収容して前記溶体化処理を施すことが考えられる。
【0009】
しかしながら、前記のように、1個のリング保持部材11当たり複数の金属リングWを鍔状部13に平置きして溶体化を行い、該溶体化後に金属リングWを冷却する際に、前記明細書記載の技術に従って冷却を行うと、鍔状部13の外周側に置かれた金属リングWは外周側に凸に湾曲するが、内周側に置かれた金属リングWは内周側に凸に湾曲し、他の金属リングWとの積層が困難になるという不都合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、1個のリング保持部材当たり複数の金属リングを載置して溶体化を行う際に、該溶体化後の冷却により、該複数の金属リングの全てに適正な湾曲形状を付与することができる熱処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明者らは、図2に示すように、リング保持部材11の鍔状部13に複数の金属リングWを平置きして加熱することにより溶体化を施したときに、該溶体化後の冷却により鍔状部13の外周側に置かれた金属リングWは外周側に凸に湾曲し、内周側に置かれた金属リングWは内周側に凸に湾曲する理由について鋭意検討し、次の知見を得た。
【0012】
前記検討により判明した知見について、次に図7を参照して説明する。尚、図7は、説明を簡単にするために、鍔状部13に2枚の金属リングWを平置きした場合について、端面図で示している。
【0013】
まず、前記溶体化後、金属リングWの温度がマルテンサイト変態開始温度である450℃より高い範囲では、各金属リングWは熱収縮により変形する。このとき、鍔状部13の外周側に置かれた金属リングWo、内周側に置かれた金属リングWiは、相互の間に蓄熱があるために、互いに対向する面が冷却されにくい。この結果、図7(a)に示すように、金属リングWoは外周面が冷却されやすいために外周面の収縮が大となって内周側に凸に湾曲し、金属リングWiは逆に内周面が冷却されやすいために内周面の収縮が大となり外周側に凸に湾曲する。
【0014】
次に、金属リングWo,Wiの温度が450℃以下になると、マルテンサイト変態が始まり、金属リングWo,Wiが膨張する。ここで、外周面が冷却されやすい金属リングWoにあっては外周面で先に前記マルテンサイト変態が開始され、内周面が冷却されやすい金属リングWiにあっては内周面で先に前記マルテンサイト変態が開始される。従って、図7(b)に示すように、金属リングWoは外周面の膨張が大となって外周側に凸に湾曲し、金属リングWiは逆に内周側の膨張が大となって内周側に凸に湾曲する。
【0015】
次に、金属リングWo,Wiの温度がさらに低下すると、金属リングWoの内周面、金属リングWiの外周面でも前記マルテンサイト変態が開始されるので、金属リングWo,Wiの温度が前記マルテンサイト変態の完了する温度に達した時点では、図7(c)に示すように、それぞれ湾曲の程度が小さくなっている。しかし、金属リングWoの外周側に凸に湾曲した形状と、金属リングWiの内周側に凸に湾曲した形状とには変化がない。
【0016】
そこで、金属リングWo,Wi相互間に蓄熱されないようにすれば、鍔状部13に複数の金属リングWを平置きしたときにも、全ての金属リングWに外周側に凸に湾曲する形状を付与することができるものと考えられる。
【0017】
本発明の金属リングの熱処理方法は前記知見に基づいてなされたものであり、マルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接して形成されたドラムに第1の溶体化を行った後、所定幅に裁断して金属リングを形成し、該金属リングを所定の長さに圧延し、圧延された金属リングをリング保持部材上に平置きして第2の溶体化を施し、第2の溶体化後の金属リングを所定の周長に補正し、時効及び窒化処理を施して硬度を向上させた後、少しずつ周長の異なる複数の金属ベルトを相互に積層して金属ベルトを形成する金属リングの熱処理方法において、前記リング保持部材は、前記金属リングより小径の立設された円筒状部と、該円筒状部の下部から外周方向に水平に延設された鍔状部とを備え、互いに周長の異なる複数の金属リングを該リング保持部材の円筒状部に対して互いに間隔を存して同心円状に配置して、該リング保持部材の鍔状部に平置きして第2の溶体化を施した後、該金属リングを冷却する際に、マルテンサイト変態開始温度からマルテンサイト変態完了温度までの冷却を50〜75℃/分の冷却速度で行うことを特徴とする。
【0018】
本発明の熱処理方法では、マルテンサイト変態開始温度からマルテンサイト変態完了温度までの冷却を前記範囲の冷却速度で行うことにより、前記リング保持部材の鍔状部に平置きされた複数の金属リングについて、相互の間の蓄熱が防止される。この結果、各金属リングは、前記リング保持部材の開放されている側に面する外周面側が、前記円筒状部に面する内周面側よりも冷却されやすくなる。従って、本発明の熱処理方法によれば、前記鍔状部に複数の金属リングを平置きしたときにも、各金属リングに外周側に凸に湾曲した形状を付与することができる。
【0019】
前記冷却速度が50℃/分より小さいと、前記金属リング相互間の蓄熱を防止することができず、前記鍔状部の内周側に載置された金属リングが内周側に凸に湾曲する。また、前記冷却速度が75℃/分より大きいと、前記金属リングの外周側に凸に湾曲する程度が大になり、後工程の周長補正において適正に矯正できる範囲を超えることになる。
【0020】
また、本発明の熱処理方法では、前記のようにして冷却を行うと、前記鍔状部の外周側に載置された金属リングほど湾曲の程度が大きくなり、後工程の周長補正において該湾曲を適正な範囲に矯正できないことがある。
【0021】
そこで、本発明の金属リングの熱処理方法において、前記リング保持部材は、前記鍔状部の外周側に、該鍔状部に平置きされる金属リングを囲繞する壁部が立設されていることを特徴とする。本発明の熱処理方法では、前記鍔状部の外周側に前記壁部を備えることにより、各金属リングの外周面側の冷却を抑制し、前記鍔状部の外周側に載置された金属リングの湾曲の程度を適正な範囲とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は金属リングの製造工程の要部を模式的に示す工程図、図2は本実施形態のリング保持部材に金属リングを載置した状態を示す説明的断面図、図3は図2示のリング保持部材に載置された金属リングを真空炉に収容する状態を示す説明図、図4は本実施形態の熱処理方法により処理した金属リングの形状を示す説明的断面図である。また、図5は他の実施形態のリング保持部材に金属リングを載置した状態を示す説明的断面図である。
【0023】
無段変速機のベルトに用いられる金属ベルトを製造する際には、まず、図1示のようにマルエージング鋼の薄板1をベンディングしてループ化したのち、薄板1の端部同士を溶接して円筒状のドラム2を形成する。このとき、前記マルエージング鋼は溶接の熱により時効硬化を示すので、ドラム2の溶接部分の両側に硬度の高い部分が出現し、これにより溶接歪が発生する。
【0024】
そこで、次に、ドラム2を真空炉3に収容して所定温度に所定時間保持することにより第1の溶体化処理を行い、前記溶接時の熱により部分的に硬くなった硬度を均質化する。前記第1の溶体化処理が終了したならば、ドラム2を真空炉3から搬出し、所定幅に裁断して金属リングWを形成する。
【0025】
前記のようにして形成された金属リングWは、次に圧下率40〜50%で圧延されることにより少しずつ異なる周長とされたのち、再び真空炉3に収容して所定温度に所定時間保持することにより第2の溶体化処理を行う。前記第2の溶体化処理では、圧延結晶が再結晶させ、圧延により変形された金属組織の形状が復元される。
【0026】
前記第2の溶体化処理が終了したならば、金属リングWを真空炉3内で冷却したのち搬出し、周長補正を行う。そして、前記周長補正が施された金属リングWは、次に図示しない熱処理装置に収容して時効処理と窒化処理とが施されたのち、少しずつ周長の異なる複数の金属リングWを相互に積層することにより、前記金属ベルトが形成される。
【0027】
本実施形態の熱処理方法は、前記第2の溶体化処理に適用されるものである。前記第2の溶体化処理は、図2示のリング保持部材11を用いて行う。リング保持部材11は、中央部に立設された円筒状部12と、円筒状部12の下部から外周方向に水平に延設された鍔状部13とを備えている。円筒状部12は、金属リングWより小径に備えられ、上端部に他のリング保持部材11の円筒状部12の底部と係合して嵌合自在の係合部14を備えている。尚、図示しないが、リング保持部材11は、真空炉3内に窒素等の冷却用気体を導入して冷却する際に、前記冷却用気体の流通をよくするために、パンチングプレートにより形成されている。
【0028】
本実施形態の熱処理方法では、前記第2の溶体化処理に当たり、リング保持部材11の鍔状部13に、互いに周長の異なる4本の金属リングWを平置きにする。各金属リングWは、互いに間隔を存して円筒状部12に対して同心円状に配置する。
【0029】
前記金属ベルトでは、少しずつ周長の異なる複数の金属リングWが積層されるが、各金属リングWの直径差は約0.4mmである。そこで、前記第2の溶体化処理の加熱による膨張が直径にして約1.1mmであることを考慮すると、前記金属ベルトを構成する各金属リングWを3本おきに選択し、鍔状部13上に前記のように配置することが望ましい。
【0030】
すなわち、前記金属ベルトを構成する各金属リングWを、内周側から#1,#2,#3,#4,・・・とすると、#1,#4,#7,#10の組、#2,#5,#8,#11の組、#3,#6,#9,#12の組というようにして、各組を構成する4本の金属リングを鍔状部13上に配置する。このようにすることにより、各金属リングWの直径が熱膨張により増大しても、各金属リングWが相互に接触して損傷することを防止することができる。
【0031】
或いは、#1,#3,#5,#7,#9,#11の組、#2,#4,#6,#8,#10,#12の組というようにして、各組を構成する6本の金属リングを鍔状部13上に配置することも可能である。
【0032】
前記リング保持部材11は、図2に示すように、円筒状部12に設けられた係合部14を介して、他のリング保持部材11の円筒状部12の底部に嵌合され、複数段、例えば8段に積層される。リング保持部材11は、前記のように複数のリング保持部材11が垂直方向に積層されたものを1組として、図3(a)に示すボックス15に、複数組、例えば3組が収容される。ボックス15は、金属製フレームを格子状に形成したもので、箱形でリング保持部材11の出し入れのために上方が開放されている本体15aと、本体15aの上方開放部に載置される平板状の蓋体15bとからなっている。
【0033】
積層されたリング保持部材11が、ボックス15に8段に3組収容された状態の正面図を図3(b)に示す。尚、図3(b)では金属リングWを省略して示している。ボックス15は、図3(c)に模式的に示すように、縦横に2個ずつ配置したものを、さらに上下2段に積層して、真空炉2に収容される。
【0034】
本実施形態では、次に、真空炉3内の雰囲気の圧力が10- 2Pa以下の真空状態となるようにして、760〜850℃の範囲の温度に0.5〜4時間保持することにより、図2及び図3のようにして真空炉3に収容された金属リングWに対して第2の溶体化処理を施す。
【0035】
次に、前記第2の溶体化処理が終了したならば、金属リングWが真空炉3内に収容されたままの状態で冷却する。前記冷却は、例えば真空炉3内に窒素ガス等の冷却用気体を導入することにより、前記マルエージング鋼のマルテンサイト変態開始温度である450℃から、マルテンサイト変態完了温度である300℃までの冷却速度が50〜75℃/分の範囲となるようにして行う。
【0036】
この結果、図4に示すように、鍔状部13に載置された4本の金属リングWの全てに、いずれも外周側に凸に湾曲した形状を付与することができる。
【0037】
尚、このとき、ボックス15に収容されたリング保持部材11の円筒状部12の内周側にドラム2を起立状態で配置し、金属リングWに対する第2の溶体化処理と同時に、ドラム2に対する第1の溶体化処理を行うようにしてもよい。
【0038】
また、図5に示すように、リング保持部材11は鍔状部13の外周側に、前記4本の金属リングWを囲繞する壁部16が立設されていてもよい。リング保持部材11が壁部16を備えることにより、各金属リングWの外周面側の冷却を抑制し、鍔状部13の外周側に載置された金属リングWの湾曲の程度を適正な範囲とすることができる。
【0039】
前記壁部16は、円筒状部12、鍔状部13と同一のパンチングプレートにより鍔状部13に接合して形成されていてもよく、ダミーの金属リングを鍔状部13上に載置するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属リングの製造工程の要部を模式的に示す工程図。
【図2】本発明に係る一実施形態のリング保持部材に金属リングを載置した状態を示す説明的断面図。
【図3】図2示のリング保持部材に載置された金属リングを真空炉に収容する状態を示す説明図。
【図4】本発明の熱処理方法により処理した金属リングの形状を示す説明的端面図。
【図5】本発明に係る他の実施形態のリング保持部材に金属リングを載置した状態を示す説明的断面図。
【図6】1個のリング保持部材に1枚の金属リングを載置した状態を示す説明的断面図。
【図7】溶体化後の冷却による金属リングの湾曲の生成過程を示す説明的端面図。
【符号の説明】
1…マルエージング鋼の薄板、 2…ドラム、 11…リング保持部材、 12…円筒状部、 13…鍔状部、 16…壁部、 W…金属リング。
Claims (2)
- マルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接して形成されたドラムに第1の溶体化を行った後、所定幅に裁断して金属リングを形成し、該金属リングを所定の長さに圧延し、圧延された金属リングをリング保持部材上に平置きして第2の溶体化を施し、第2の溶体化後の金属リングを所定の周長に補正し、時効及び窒化処理を施して硬度を向上させた後、少しずつ周長の異なる複数の金属ベルトを相互に積層して金属ベルトを形成する金属リングの熱処理方法において、
前記リング保持部材は、前記金属リングより小径の立設された円筒状部と、該円筒状部の下部から外周方向に水平に延設された鍔状部とを備え、
互いに周長の異なる複数の金属リングを該リング保持部材の円筒状部に対して互いに間隔を存して同心円状に配置して、該リング保持部材の鍔状部に平置きして第2の溶体化を施した後、該金属リングを冷却する際に、マルテンサイト変態開始温度からマルテンサイト変態完了温度までの冷却を50〜75℃/分の冷却速度で行うことを特徴とする金属リングの熱処理方法。 - 前記リング保持部材は、前記鍔状部の外周側に、該鍔状部に平置きされる金属リングを囲繞する壁部が立設されていることを特徴とする請求項1記載の金属リングの熱処理方法。
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