JP3970620B2 - 蓄氷式飲料ディスペンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水槽内に配置した蒸発管の周囲に氷結させた氷塊の潜熱を用いて飲料を冷却する蓄氷式飲料ディスペンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記蓄氷式飲料ディスペンサは、水槽内に冷凍装置の蒸発管を収容してこの水槽内に貯留した冷却水の一部を該蒸発管の周囲に氷結させ、得られた氷塊により冷却された冷却水により、該冷却水に浸漬するよう水槽内に収容した飲料供給用の冷却パイプ内を流通する飲料を間接的に冷却するよう構成されている。また水槽内の冷却水は、撹拌装置により常に撹拌されて、冷却水の温度を水槽内で均一に制御することで、冷却パイプ内を流通する飲料の冷却効率を高めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記蓄氷式飲料ディスペンサでは、前記蒸発管の周囲に所定量の氷塊を氷結させるのに時間が掛かるため、夜間等のように前記冷却パイプと飲料供給源との接続を解除して飲料の注出を行なわない非営業時間帯においても、前記冷凍装置を運転して水槽内に一定量の氷塊が存在する状態を維持している。この場合には前記撹拌装置も運転されて、水槽内の冷却水が撹拌されており、このためせっかく製造した氷塊を融かしてしまい、エネルギーを無駄に消費している問題がある。
【0004】
また、前記飲料供給用の冷却パイプを流通して冷却された飲料は、飲料供給ホースを介して飲料注出口に供給され、該注出口からコップ等の容器に注出される。この場合において、飲料供給ホースは冷却されていないため、飲料の注出間隔が長くなると該ホース内に滞溜している飲料が温かくなってしまい、適温の飲料を注出し得なくなる難点が指摘される。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、従来の技術に係る蓄氷式飲料ディスペンサに内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、省エネルギーを図ることができ、併せて常に適温の飲料を注出し得る蓄氷式飲料ディスペンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る蓄氷式飲料ディスペンサは、
冷却水を貯留する水槽と、冷却水に浸漬した状態で水槽に収容されて飲料が流通する冷却パイプと、水槽内に収容されて前記冷却水の一部を氷結させる蒸発管と、前記冷却水を撹拌する撹拌装置とから構成した蓄氷式飲料ディスペンサにおいて、
前記飲料を注出可能な状態に設定された営業時と、飲料の注出を行なわない状態に設定された非営業時とを切換える切換えスイッチと、
前記切換えスイッチが接続され、該切換えスイッチにより切換えられる営業時と非営業時とに対応して前記撹拌装置を運転制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、営業時には前記撹拌装置を常に運転するよう制御すると共に、非営業時には前記冷却水を氷結させる製氷運転時以外は撹拌装置の運転を停止制御するよう構成されていることを特徴とする。
【0007】
また前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係る蓄氷式飲料ディスペンサは、
冷却水を貯留する水槽と、冷却水に浸漬した状態で水槽に収容されて飲料が流通する冷却パイプと、水槽内に収容されて前記冷却水の一部を氷結させる蒸発管と、前記冷却水を撹拌する撹拌装置とから構成した蓄氷式飲料ディスペンサにおいて、
前記飲料を冷却パイプに供給する炭酸ガス供給源から印加されるガス圧を検知する圧力検知手段と、
前記撹拌装置を運転制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記圧力検知手段がガス圧を検知しているときには前記撹拌装置を常に運転するよう制御すると共に、該圧力検知手段がガス圧を検知していないときには前記冷却水を氷結させる製氷運転時以外は撹拌装置の運転を停止制御するよう構成されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る蓄氷式飲料ディスペンサにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0009】
実施例に係る蓄氷式飲料ディスペンサは、図1に示す如く、筐体10の内部に、断熱材11aで被覆された水槽11が配置されると共に、該水槽11内にカーボネータ12が収容されている。水槽11の内面とカーボネータ12の外面とで画成される貯留空間に、筐体10内に画成した機械室13に収容配置した圧縮機14および凝縮器15等からなる冷凍装置16から導出する蒸発管17が、カーボネータ12との間に所要の隙間を存して取囲む巻回状態で配置され、該冷凍装置16の冷却運転により貯留空間に貯留されている冷却水18を蒸発管17の周囲に氷結させるよう構成される。なお、カーボネータ12の外底面と水槽11の内底面とは所要間隔離間し、カーボネータ12の底部側にも冷却水18が接触するようになっている。
【0010】
前記蒸発管17とカーボネータ12との間における該蒸発管17に当接しない設定氷厚位置に、蒸発管17に氷結する氷塊19の厚さを検知する氷厚センサ20が配設されている。そして、この氷厚センサ20による氷塊19の検知、非検知によって、後述する制御装置21により前記冷凍装置16がON−OFF制御されて、氷塊19の厚みを略一定に保つよう構成される。この氷厚センサ20としては、例えば水没状態に設置された2つの電極からなるものが好適に用いられ、両電極間に氷が生成されていないときは水の低抵抗値によって導通しており(ON状態)、両電極間に氷が生成されて電極間の抵抗が上昇し、所定の高抵抗値になったとき非導通(OFF状態)するよう設定される。
【0011】
前記機械室13には、図示しない飲料水の供給源(飲料供給源)が吸込側に接続された供給ポンプ22が収容配置されており、該供給ポンプ22の吐出側は、図5に示す如く、前記カーボネータ12に管体23を介して接続されている。またカーボネータ12には、図6に示す第1炭酸ガスボンベ24が第1レギュレータ25および第1ガスホース26を介して接続されており、カーボネータ12に飲料水および炭酸ガスを供給することで炭酸水を製造し得るよう構成される。
【0012】
前記カーボネータ12から導出したコイル状の炭酸水用冷却パイプ(冷却パイプ)27が、該カーボネータ12を巻回するよう配設されると共に、該パイプ27は炭酸水供給ホース(飲料供給管)28を介して前記筐体10の前面に配設された注出バルブ29に接続されている。そして、注出バルブ29を開放した際に、前記カーボネータ12内の炭酸水(飲料)が炭酸水用冷却パイプ27を通過する際に所定温度まで冷却され、この冷却された炭酸水が注出バルブ29の炭酸水注出口(注出口)29aを介してコップ等の容器に注出されるよう構成してある。
【0013】
前記蒸発管17と炭酸水用冷却パイプ27との間には、図1および図5に示す如く、両者17,27から離間する位置にコイル状のビール用冷却パイプ(冷却パイプ)30が、炭酸水用冷却パイプ27を取囲む巻回状態で配置され、このビール用冷却パイプ30に、飲料供給源としてのビール樽31がビールホース32を介して接続されている。また、図2に示すようにビールホース32が接続されるビール樽31の接続ヘッド33には、炭酸ガス供給源としての第2炭酸ガスボンベ34が第2レギュレータ35および第2ガスホース36を介して接続されており、該ボンベ34から供給される炭酸ガスの圧力によってビール(飲料)がビール用冷却パイプ30に供給されるようになっている。そして、このビール用冷却パイプ30を通過する際に、ビールは前記冷却水18により間接的に所定温度まで冷却される。
【0014】
また、前記筐体10の前面に配設された注出コック37に、前記ビール用冷却パイプ30がビール供給ホース(飲料供給管)38を介して接続されており、該コック37を開放操作した際に、冷却されたビールが注出コック37のビール注出口(注出口)37aを介してジョッキ等の容器に注出されるよう構成してある。
【0015】
前記水槽11の内底部には、図3に示す如く、略ロ字状の分配管39が配設されると共に、該分配管39には、前記蒸発管17とビール用冷却パイプ30との間に臨む位置に複数のノズル39aが上向きに設けられている。また分配管39には、前記機械室13に配設された撹拌装置としての循環ポンプ40の吐出側から導出する吐出管41が接続されると共に、該ポンプ40の吸込側は分配管39の内側における水槽11の底部に接続されている。すなわち、循環ポンプ40を運転することで、水槽11内に貯留されている冷却水18が循環ポンプ40に吸込まれた後に吐出管41を介して分配管39に供給され、前記各ノズル39aから水槽11内に上向きに吐出され、これにより水槽11内の冷却水18が撹拌されつつ循環される。このとき、冷却水18は蒸発管17の周囲に氷結した氷塊19とビール用冷却パイプ30との間を上昇した後、該ビール用冷却パイプ30と前記炭酸水用冷却パイプ27との間を下降するように流れ、両パイプ27,30内を流通する炭酸水やビールを効率的に冷却し得るよう構成される。なお、前記循環ポンプ40には、露付き対策が施してある。
【0016】
前記循環ポンプ40の吐出管41には、分岐管42の一端が接続されると共に、該分岐管42の他端は水槽11の上部に配設されたジョイント管43に接続されている。またこのジョイント管43には、補助冷却ホース(補助冷却管)44の一端が接続され、該冷却ホース44は、図4に示す如く、前記ビール供給ホース38に沿って注出コック37(ビール注出口37a)の近傍まで配設され、前記吐出管41から分岐管42およびジョイント管43を介して補助冷却ホース44に分岐供給された冷却水18により、ビール供給ホース38内のビールを冷却するよう構成される。なお、補助冷却ホース44の他端は水槽11の上部に接続され、該ホース44を通過した冷却水18は水槽11に回収されるようになっている。また前記循環ポンプ40として、直流駆動のものが採用され、必要揚程、流量に対して交流駆動と比べて省エネルギーを図るようにしてある。
【0017】
前記補助冷却ホース44は、断熱ホース52により被覆されると共に、前記分岐管42は、前記水槽11を被覆する断熱材11aの内部に配管され、ビール供給ホース38内のビールを冷却するための冷却水18の循環路を断熱するために必要となる断熱ホースの量を低減するよう構成してある。
【0018】
前記筐体10には、図1または図2に示す如く、その内部における上側前部に、当該蓄氷式飲料ディスペンサの運転制御を行なう制御装置21を収容したコントロールボックス45が配設されると共に、該筐体10の前面上部には操作パネル46が配設されている。この操作パネル46には、前記ビール用冷却パイプ30にビール樽31を接続して、当該飲料ディスペンサでビールを注出可能な状態に設定された営業時と、該パイプ30とビール樽31との接続を解除して、当該飲料ディスペンサでビールの注出を行なわない状態に設定された非営業時とにおいて切換える切換えスイッチ(判別手段)47が配設され、該スイッチ47は前記制御装置21に接続してある。そして、この切換えスイッチ47を切換え操作して営業時と対応するON状態にしたときには、前記制御装置21は、前記循環ポンプ40を常に運転する制御を行なうよう設定されている。また切換えスイッチ47を切換え操作して非営業時と対応するOFF状態にしたときには、制御装置21は、前記冷凍装置16を運転して冷却水18を蒸発管17の周囲に氷結させる製氷運転時以外は循環ポンプ40の運転を停止制御するよう設定してある。すなわち、制御装置21は、切換えスイッチ47のON−OFF状態により、営業時と非営業時とに対応して循環ポンプ40を運転制御するよう構成されている。なお、操作パネル46には、切換えスイッチ47のON状態で点灯し、OFF状態で消灯するランプ48が設けられ、作業者は該ランプ48の点灯・消灯状態によって営業時であるか非営業時であるかを把握し得るよう構成される。
【0019】
【実施例の作用】
次に、前述した構成の蓄氷式飲料ディスペンサの作用につき説明する。この飲料ディスペンサの運転に先立ち、前記ビール用冷却パイプ30にビール樽31をビールホース32を介して接続すると共に、前記カーボネータ12に第1炭酸ガスボンベ24を第1ガスホース26を介して接続する。このようにビールを注出可能な状態に設定した営業時には、前記切換えスイッチ47を操作してON状態とする。このとき、前記ランプ48が点灯し、作業者は営業時であることを確認し得る。
【0020】
前述した状態のもとで、蓄氷式飲料ディスペンサの運転を開始すると、前記切換えスイッチ47はON状態(営業時)であるから、前記制御装置21は前記循環ポンプ40を常に運転するよう制御し、前記水槽11内の冷却水18の循環が開始される。また前記冷凍装置16の運転が開始され、前記蒸発管17が冷却されることで水槽11内の冷却水18が蒸発管17の周囲に氷結する。そして、前記氷厚センサ20が氷を検知すると、冷凍装置16の運転が停止される。前記循環ポンプ40の運転により常に循環することで撹拌されている水槽11内の冷却水18は、氷塊19により全体が略均一に冷却される。なお、製造された氷塊19が冷却水18の循環により融けて氷厚センサ20が氷を検知しなくなると、冷凍装置16の運転が再開されて氷塊19を製造する製氷運転が繰返される。
【0021】
前述したように冷凍装置16を用いて水槽11内の冷却水18を蒸発管17の周囲に氷結させる製氷運転時には、前記循環ポンプ40が常時運転されて冷却水18が循環して全体が撹拌されることで、蒸発管17の周囲には均質な氷塊19が生成され、該氷塊19による効率的な冷却が達成される。
【0022】
また前記カーボネータ12に炭酸水が貯留されていない場合は、前記供給ポンプ22が運転されて飲料水がカーボネータ12に供給されると共に、前記第1炭酸ガスボンベ24から炭酸ガスがカーボネータ12に供給され、炭酸ガスが飲料水に溶け込むことで炭酸水が製造される。このとき、水槽11内の冷却水18は循環して撹拌されているから、カーボネータ12が良好に冷却され、良質の炭酸水が製造される。なお、カーボネータ12内に貯留される炭酸水の量は、内部に配設された図示しないフーロートスイッチにより制御される。
【0023】
前記蓄氷式飲料ディスペンサからビールを注出する場合は、前記注出コック37を開放操作する。これにより、前記第2炭酸ガスボンベ34からビール樽31に供給される炭酸ガスの圧力によって、該ビール樽31のビールがビールホース32を介してビール用冷却パイプ30に供給され、該パイプ30を通過する過程で所定温度まで冷却される。そして冷却されたビールは、ビール供給ホース38を介して注出コック37のビール注出口37aに供給され、該注出口37aからジョッキ等の容器に注出される。注出コック37を閉成操作すると、ビール注出口37aからのビールの注出は停止される。
【0024】
ここで、ビール注出停止時に前記ビール供給ホース38に滞溜しているビールは、前記循環ポンプ40の運転により前記吐出管41、分岐管42をおよびジョイント管43を介して補助冷却ホース44に循環されている冷却水18により冷却される。すなわち、ビールの注出間隔が長くなった場合においても、ビール注出口37aの直前でビールを冷却しているから、注出コック37からは常に冷たい適温のビールを注出することができる。また、補助冷却ホース44に冷却水18を循環させる循環ポンプ40は、前記水槽11内の冷却水18を循環させるポンプを兼用しているから、製造コストを低廉に抑えることが可能である。
【0025】
次に、前記注出バルブ29を開放操作した場合は、前記カーボネータ12内に貯留されている炭酸水が炭酸水用冷却パイプ27を通過する際に冷却され、注出バルブ29の炭酸水注出口29aからコップ等の容器に注出される。そして、注出バルブ29を閉成操作すると、炭酸水注出口29aからの炭酸水の注出は停止される。
【0026】
前述したビールまたは炭酸水の注出動作時には、前記循環ポンプ40の運転により水槽11内の冷却水18は常に循環することで撹拌されているから、ビール用冷却パイプ30または炭酸水用冷却パイプ27を通過するビールや炭酸水と冷却水18との熱交換が効率的になされ、連続してビールや炭酸水が注出される際にも常に冷めたいビールや炭酸水を注出することができる。
【0027】
蓄氷式飲料ディスペンサが設置される店の営業を終えたときには、前記ビール用冷却パイプ30とビール樽31との接続を解除すると共に、前記切換えスイッチ47を切換え操作してビールの注出を行なわない非営業時と対応するOFF状態とする。このときには前記制御装置21は、前記冷却水18を氷結させる製氷運転時以外は前記循環ポンプ40の運転を停止制御する。すなわち、非営業時においても前記冷凍装置16は、前記氷厚センサ20のON−OFF状態に応じて運転制御されて、水槽11内の氷塊19を一定厚に維持しており、その製氷運転時には前記循環ポンプ40を運転して冷却水18を循環させることにより、均質な氷塊19を製造する。これに対して一定厚の氷塊19が生成されることで冷凍装置16の運転が停止されたときに、前記冷却水18が循環しているとせっかく製造した氷塊19が無駄に融けてしまう。しかるに実施例では製氷運転が行なわれていない間は循環ポンプ40の運転を停止して冷却水18を循環(撹拌)させないから、氷塊19を無駄に融かすことはなく、省エネルギーを達成し得るものである。また営業時と非営業時との切換えは、簡単な構成の切換えスイッチ47の操作で行ない得るからコストを低廉に抑えることができる。なお、非営業時であることは、前記ランプ48が消灯することで確認できる。
【0028】
【別実施例】
図6は別実施例に係る蓄氷式飲料ディスペンサの概略構成を示すものであって、その基本的な構成は前述した実施例と同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。すなわち、前記第2炭酸ガスボンベ34の第2ガスホース36には、分岐ジョイント管49を介して第3ガスホース50の一端が接続されると共に、該第3ガスホース50の他端は、前記筐体10の内部に配設した圧力検知手段51に接続されている。この圧力検知手段51は、第2炭酸ガスボンベ34から印加されるガス圧を検知し、その検知信号を前記制御装置21に出力するよう設定される。そして制御装置21では、圧力検知手段51がガス圧を検知しているときには、前記循環ポンプ40を常に運転して水槽11内の冷却水18を循環すると共に、該圧力検知手段51がガス圧を検知していないときには、前記冷却水18を氷結させる製氷運転時以外は循環ポンプ40の運転を停止制御するよう構成されている。
【0029】
すなわち、前記圧力検知手段51がガス圧を検知していない状態とは、該手段51と第2炭酸ガスボンベ34との接続が解除された状態であり、これは店の営業が終わって前述したようにビール用冷却パイプ30とビール樽31との接続を解除した非営業時の状態である。従って、この場合も非営業時において製造される氷塊19を、冷却水18を循環(撹拌)することで無駄に融かすのを防止でき、省エネルギーが達成される。
【0030】
前述した実施例では、蓄氷式飲料ディスペンサとしてビールと炭酸水とを注出し得る形態の場合で説明したが、何れか一方のみを注出する構成であってもよい。また別実施例の形態においては、非営業時にはカーボネータとの接続が解除される第1炭酸ガスボンベの第1ガスホースから別のガスホースを分岐し、このホースを圧力検知手段に接続してガス圧を検知するようにしてもよい。更に、実施例では循環装置として循環ポンプを挙げて説明したが、水槽内に回転可能に配設した撹拌羽根をモータにより回転させることで冷却水を撹拌する撹拌機を採用することが可能である。なお、この撹拌機を採用する場合は、モータへの露付き対策を施すと共に、前記補助冷却管に冷却水を循環させる別の循環ポンプを設ける必要がある。
【0031】
前記実施例では、切換えスイッチのON−OFF状態により営業時と非営業時とを判別しているが、この判別手段としては、例えば冷却パイプと飲料供給源との接続、非接続状態を検知する手段を採用することができ、該検知手段からの信号に基づいて制御装置が撹拌装置を運転制御する構成となし得る。
【0032】
【発明の効果】
以上に述べた如く、本発明に係る蓄氷式飲料ディスペンサによれば、営業時には、撹拌装置を常に運転することで、冷却水を常に撹拌して蒸発管の周囲に生成した氷塊で全体を略均一に冷却し、冷却パイプを流通する飲料と冷却水との熱交換を効率的に行なって常に冷たい飲料を注出し得る。また、非営業時または圧力検知手段がガス圧を検知していないときには、製氷運転時以外は撹拌装置の運転を停止制御することで、製造した氷塊が無駄に融かされるのを防止して省エネルギーを達成し得る。
【0033】
また飲料供給管における注出口の近傍に、冷却水が循環する補助冷却管を沿うよう配設することで、飲料供給管に滞溜している飲料を補助冷却管を循環する冷却水により冷却することができる。すなわち、注出間隔が長くなった場合においても、常に冷えた適温の飲料を注出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る蓄氷式飲料ディスペンサの内部構成を示す概略図である。
【図2】 実施例に係る蓄氷式飲料ディスペンサの全体構成を示す概略図である。
【図3】 実施例に係る水槽の平面図である。
【図4】 実施例に係る補助冷却ホースの配設部位を示す要部断面図である。
【図5】 実施例に係る蓄氷式飲料ディスペンサのビールや炭酸水等の供給系統図である。
【図6】 別実施例に係る蓄氷式飲料ディスペンサの全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
11 水槽,17 蒸発管,18 冷却水,21 制御装置
27 炭酸水用冷却パイプ(冷却パイプ)
30 ビール用冷却パイプ(冷却パイプ)
34 第2炭酸ガスボンベ(炭酸ガス供給源),37a ビール注出口(注出口)
38 ビール供給ホース(飲料供給管),40 循環ポンプ(撹拌装置)
44 補助冷却ホース(補助冷却管),47 切換えスイッチ
51 圧力検知手段

Claims (3)

  1. 冷却水(18)を貯留する水槽(11)と、冷却水(18)に浸漬した状態で水槽(11)に収容されて飲料が流通する冷却パイプ(27,30)と、水槽(11)内に収容されて前記冷却水(18)の一部を氷結させる蒸発管(17)と、前記冷却水(18)を撹拌する撹拌装置(40)とから構成した蓄氷式飲料ディスペンサにおいて、
    前記飲料を注出可能な状態に設定された営業時と、飲料の注出を行なわない状態に設定された非営業時とを切換える切換えスイッチ (47) と、
    前記切換えスイッチ (47) が接続され、該切換えスイッチ (47) により切換えられる営業時と非営業時とに対応して前記撹拌装置(40)を運転制御する制御装置(21)を備え、
    前記制御装置(21)は、営業時には前記撹拌装置(40)を常に運転するよう制御すると共に、非営業時には前記冷却水(18)を氷結させる製氷運転時以外は撹拌装置(40)の運転を停止制御するよう構成されている
    ことを特徴とする蓄氷式飲料ディスペンサ。
  2. 冷却水(18)を貯留する水槽(11)と、冷却水(18)に浸漬した状態で水槽(11)に収容されて飲料が流通する冷却パイプ(30)と、水槽(11)内に収容されて前記冷却水(18)の一部を氷結させる蒸発管(17)と、前記冷却水(18)を撹拌する撹拌装置(40)とから構成した蓄氷式飲料ディスペンサにおいて、
    前記飲料を冷却パイプ(30)に供給する炭酸ガス供給源(34)から印加されるガス圧を検知する圧力検知手段(51)と、
    前記撹拌装置(40)を運転制御する制御装置(21)とを備え、
    前記制御装置(21)は、前記圧力検知手段(51)がガス圧を検知しているときには前記撹拌装置(40)を常に運転するよう制御すると共に、該圧力検知手段(51)がガス圧を検知していないときには前記冷却水(18)を氷結させる製氷運転時以外は撹拌装置(40)の運転を停止制御するよう構成されている
    ことを特徴とする蓄氷式飲料ディスペンサ。
  3. 前記冷却パイプ(30)が注出口(37a)に飲料供給管(38)を介して連通接続され、注出口(37a)近傍の飲料供給管(38)に沿って、前記水槽(11)内の冷却水(18)が循環ポンプ(40)により循環される補助冷却管(44)が配設されている請求項1または2記載の蓄氷式飲料ディスペンサ。
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