JP3970507B2 - バイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、バイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置に係り、特に、オートマチックシフトレバー装置におけるシフトレバー機構部の構成に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、車両用オートマチックシフトレバー装置には、機械的なリンク機構を利用したトランスミッション切換手段が備えられていたが、近年、車載機器の電子化の要請に対処するため、シフトレバーの切換位置を位置センサにて検出し、当該位置センサの出力信号に応じてソレノイドやモータ等のアクチュエータを駆動してトランスミッション切換用のフォークを駆動するバイワイヤ方式のトランスミッション切換手段が提案されるに至っている。
【０００３】
このバイワイヤ方式のトランスミッション切換手段を備えた車両用オートマチックシフトレバー装置によれば、運転席とエンジンルームとの間に大型にして複雑なリンク機構を備える必要が無く、数本の電線を配線するだけでよいので、車両の設計の自由度を格段に高めることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両用オートマチックシフトレバー装置には、シフトレバーの誤操作を防止するため、シフトレバーを「パーキング」から「リバース」に切り換える場合、及び「リバース」から「パーキング」に切り換える場合、並びに「ニュートラル」から「リバース」に切り換える場合に、シフトレバーに備えられたロック解除ボタンを操作しない限りシフトレバーの操作を禁止する操作禁止機構と、シフトレバーの操作性をよくするため、シフトレバーを１のシフト位置から他のシフト位置に操作する際に適度の抵抗感をシフトレバーに付与する抵抗感付与機構を必要とする。
【０００５】
従来より提案されているバイワイヤ方式の車両用オートマチックシフトレバー装置にもこれらの各機構が備えられているが、従来装置には、機械的なリンク機構を利用した車両用オートマチックシフトレバー装置に備えられたものと同様、機械的手段をもって構成された操作禁止機構及び抵抗感付与機構が備えられているため、シフトレバー機構部の構成を十分に簡素化できず、バイワイヤ方式の利点が十分に発揮できないという問題がある。
【０００６】
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型かつ軽量にして操作性に優れたバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置 を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を達成するため、第１に、シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに手指が触れたことを検出して検出信号を出力する手指検出センサと、前記シフトレバーに外力を付与するアクチュエータと、前記位置信号及び前記検出信号が入力され、入力された前記位置信号及び前記検出信号により前記アクチュエータを制御する制御部と、前記制御部に接続されたロック解除スイッチとを備え、前記制御部は、前記シフトレバーが前記ロック解除スイッチを操作することなく予め定められた特定のシフト位置から特定の方向に操作されたことを示す前記位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーの操作方向とは反対方向の外力を付与することにより前記シフトレバーの前記特定の方向への操作を禁止し、前記ロック解除スイッチが操作され、かつ前記シフトレバーが前記予め定められた特定のシフト位置から前記特定の方向に操作されたことを示す位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーの操作を可能にすると共に、前記検出信号の入力があったとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記シフトレバーのシフト位置に応じた特有のモードの振動を付与し、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックするという構成にした。
【０００８】
かかる構成によると、シフトレバーがロック解除スイッチを操作することなく予め定められた特定のシフト位置から特定の方向に操作されたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が付与されて、特定のシフト位置から特定の方向へのシフトレバーの操作が禁止されるので、シフトレバーに機械式の操作禁止機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。また、シフトレバーに操作者の手指が触れたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が付与されて、シフトレバーに各シフト位置に特有のモードの振動が付与されるので、操作者にシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバーの操作を容易化することができる。
【００１１】
本発明は、前記の課題を解決するため、第２に、前記制御部は、前記位置信号の変化に基づき前記アクチュエータを制御し、前記位置信号の変化に応じた抵抗感を前記シフトレバーに付与するという構成にした。
【００１２】
かかる構成によると、シフトレバーが操作されたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーの操作に抵抗感が付与されるので、機械式の抵抗感付与機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００１５】
本発明は、前記の課題を達成するため、第３に、前記制御部は、前記シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記他のシフト位置に特有のモードの外力を付与し、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックするという構成にした。
【００１６】
かかる構成によると、シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーに切り換え後のシフト位置に特有のモードの外力が負荷されるので、操作者に切換後のシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバーの操作を容易化することができる。
【００１７】
本発明は、前記の課題を達成するため、第４に、前記アクチュエータとしてボイスコイルモータを用いるという構成にした。
【００１８】
かかる構成によると、アクチュエータとして回転モータを用いた場合とは異なり、回転運動を直線運動に変換するための機構が不要となるので、回転モータを用いた場合に比べて車両用シフトレバー装置を小型化することができる。
【００１９】
本発明は、前記の課題を達成するため、第５に、前記シフトレバーを所定のシフト位置に保持するための係止手段を備えるという構成にした。
【００２０】
かかる構成によると、シフトレバーを所定のシフト位置に保持することができるので、シフトレバーが係合手段によって保持されている期間はアクチュエータへの通電を断つことができ、車載バッテリーの消費を低減することができる。
【００２１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置の一実施形態例を図１乃至図５に基づいて説明する。図１は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置の構成を示すブロック図、図２は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられるシフトレバーと切換位置表示部の斜視図、図３は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の正面図、図４は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の側面図、図５は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部のシフトレバーを除去した平面図である。
【００２２】
図１に示すように、本例の車両用シフトレバー装置は、制御部１と、シフトレバー２と、シフトレバー２に備えられたロック解除スイッチ３及び手指検出センサ４と、シフトレバー２の操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力するエンコーダ（位置センサ）５と、トランスミッション６のギアを切り換えるソレノイド７及びソレノイドドライバ８と、シフトレバー２に外力を負荷するボイスコイルモータ（アクチュエータ）９及びモータドライバ１０とから主に構成されており、制御部１には、ＣＰＵ１１と、作業プログラム等が予め記憶されたＲＯＭ１２と、演算に必要なパラメータや定数等が記憶されるＲＡＭ１３と、ロック解除スイッチ３、手指検出センサ４及びエンコーダ５の各出力信号を取り込む信号入力部１４と、ソレノイドドライバ８及びモータドライバ１０に制御信号を出力する信号出力部１５が備えられている。
【００２３】
なお、前記ロック解除スイッチ３としては、押しボタンスイッチを用いることができ、前記手指検出センサ４としては、フォトインタラプタなどの非接触式のセンサや静電スイッチ等の接触式のセンサを用いることができる。また、前記エンコーダ５としては、光学式又は電気式のリニア型又はロータリ型のエンコーダを用いることができる。前記ソレノイド７は、トランスミッション６に備えられたギア切換用のフォーク（図示省略）に連結され、当該フォークを操作することによってトランスミッション６のギアを切り換える。
【００２４】
シフトレバー２及びその周辺の機構部は、図２乃至図５に示すように、ベース２１と、ベース２１の上面に備えられたレール２２と、レール２２に沿って直線的に移動するスライダ２３と、スライダ２３に固着されたシフトレバー２と、シフトレバー２の把持部２ａに備えられたロック解除スイッチ３及び手指検出センサ４と、シフトレバー２の軸部２ｂに備えられたエンコーダの操作片２４と、ベース２１上にブラケット２５を介して取り付けられたエンコーダ５と、ベース２１上にブラケット２６を介して取り付けられたボイスコイルモータ９と、ボイスコイルモータ９の駆動軸９ａとシフトレバー２の軸部２ｂとを連結するコネクティングロッド２７と、表面にシフトレバー２の切換位置が表示されたカバー２８とから主に構成されている。なお、図２におけるシフトレバー２の切換位置Ｐはパーキング、Ｒはリバース、Ｎはニュートラル、Ｄはドライブを示しており、操作者から見て前方側にパーキングＰの切換位置が配置され、手前側にドライブＤが配置されている。
【００２５】
次に、前記のように構成された車両用シフトレバー装置の動作について説明する。
【００２６】
車両に備えられたイグニションキーがアクセサリ又はスタートに切り換えられると、制御部１はエンコーダ５から出力される位置信号ａを繰り返し取り込み、シフトレバー２の現在位置を把握する。この状態から操作者がシフトレバー２の把持部２ａに手を触れるか、手を近づけると、手指検出センサ４がこれを検知して制御部１に手指検出信号ｂを出力する。制御部１は、手指検出信号ｂが入力すると、位置信号ａに応じたモードのモータ制御信号ｃを信号出力部１５からモータドライバ１０に出力し、モータドライバ１０は、モータ制御信号ｃに応じたモードのモータ駆動信号ｄを出力する。ボイスコイルモータ９は、このモータ駆動信号ｄによって駆動され、シフトレバー２に現在の切換位置に応じたモードの外力を負荷する。各切換位置における外力のモードは、各切換位置ごとにボイスコイルモータ９より負荷される外力の強さ、外力である振動の周波数、外力である振動の振動モード若しくはこれらの組み合わせを変更することによって調整することができる。操作者は、この外力を感得することによって、シフトレバー２の現在位置をブラインドタッチで知ることができる。
【００２７】
操作者がシフトレバー２にシフト位置を切り換えるための操作力を負荷すると、制御部１は、位置信号ａの変化からシフトレバー２の操作方向を割り出すと共に、位置信号ａの変化の加速度からシフトレバー２に負荷された操作力の大きさと方向を割り出す。そして、その切換操作が、予め定められた特定のシフト位置から特定方向への操作であるパーキングＰからリバースＲへの切り換え、又はリバースＲからパーキングＰへの切り換え、若しくはニュートラルＮからリバースＲへの切り換えである場合、制御部１は、操作力の大きさと方向に応じたモータ制御信号ｃを信号出力部１５からモータドライバ１０に出力し、モータドライバ１０は、モータ制御信号ｃに応じたモータ駆動信号ｄを出力する。ボイスコイルモータ９は、このモータ駆動信号ｄによって駆動され、シフトレバー２に操作力よりも大きく操作力とは反対方向の外力を負荷する。これによって、パーキングＰからリバースＲへの切り換え、又はリバースＲからパーキングＰへの切り換え、若しくはニュートラルＮからリバースＲへの切り換えが禁止され、シフトレバー２の誤操作が防止される。
【００２８】
一方、シフトレバー２がパーキングＰ又はリバースＲ若しくはニュートラルＮにある状態において、シフトレバー２に備えられたロック解除スイッチ３が操作されると、ロック解除スイッチ３から出力されたロック解除信号ｅが制御部１に取り込まれる。この状態から、シフトレバー２にパーキングＰからリバースＲへの操作力、又はリバースＲからパーキングＰへの操作力、若しくはニュートラルＮからリバースＲへの操作力が負荷されると、制御部１は、位置信号ａの変化からシフトレバー２の操作方向を割り出すと共に、位置信号ａの変化の加速度からシフトレバー２に負荷された操作力の大きさと方向を割り出す。そして、制御部１は、操作力の大きさと方向に応じたモータ制御信号ｃを信号出力部１５からモータドライバ１０に出力し、モータドライバ１０は、モータ制御信号ｃに応じたモータ駆動信号ｄを出力する。ボイスコイルモータ９は、このモータ駆動信号ｄによって駆動され、シフトレバー２に操作力よりも小さく操作力とは反対方向の外力を負荷する。これによって、シフトレバー２を１のシフト位置から他のシフト位置に切り換える際に、シフトレバー２に適度な抵抗感が付与され、シフトレバー２の操作性を良好なものにすることができる。シフトレバー２は、レール２２に沿ってベース２１上を摺動する。
【００２９】
また、このようにしてシフトレバー２がパーキングＰからリバースＲへ、又はリバースＲからパーキングＰへ、若しくはニュートラルＮからリバースＲへ操作されると、制御部１は、切換後の位置信号ａから切換後のシフトレバー２のシフト位置を割り出し、位置信号ａに応じたモータ制御信号ｃを出力してボイスコイルモータ９を駆動し、シフトレバー２に切換後のシフト位置に応じたモードの外力を負荷する。切換後の各シフト位置における外力のモードは、シフトレバー２に現在の切換位置に応じたモードの外力を負荷する場合と同様に、各シフト位置ごとにボイスコイルモータ９より負荷される外力の強さ、外力である振動の周波数、外力である振動の振動モード若しくはこれらの組み合わせを変更することによって調整することができる。操作者は、この外力を感得することによって、シフトレバー２の切換後のシフト位置をブラインドタッチで知ることができる。 シフトレバー２をリバースＲからニュートラルＮに切り換える場合、及びニュートラルＮからドライブＤに切り換える場合、若しくはドライブＤからニュートラルＮに切り換える場合もこれと同様であって、シフトレバー２の切り換えに際して、適度の抵抗感がシフトレバー２に付与されると共に、切換後のシフト位置に応じたモードの外力がシフトレバー２に負荷される。
【００３０】
これにより、例えばシフトレバー２をドライブＤの位置からニュートラルＮを通過してリバースＲの位置まで操作する場合、或いはシフトレバー２をドライブＤの位置からニュートラルＮ及びリバースＲを通過してパーキングＰの位置まで操作する場合、途中のニュートラルＮ及びリバースＲを通過する時点でそれぞれ抵抗感が負荷されるためにシフトレバー２の操作にクリック感が感じられ、シフトレバー２の操作が確実に行われているか否かをブラインドタッチで感得することができる。また、シフトレバー２が各シフト位置に切り換えられるごとに、各シフト位置に特有のモードの外力が負荷されるので、今どこのシフト位置を通過しているかをブラインドタッチで感得することができる。
【００３１】
そして、シフトレバー２が所要のシフト位置に到達したことを感得できたとき、操作者がシフトレバー２の操作を終了すると、制御部１はボイスコイルモータ９を制御してシフトレバー２に所要の外力を負荷し、シフトレバー２を当該所要のシフト位置にロックする。
【００３２】
また、シフトレバー２が操作されると、制御部１は、位置信号ａに応じたモードのソレノイド制御信号ｆを信号出力部１５からソレノイドドライバ８に出力し、ソレノイドドライバ８は、ソレノイド制御信号ｆに応じたモードのソレノイド駆動信号ｇを出力する。ソレノイド７は、このソレノイド駆動信号ｇによって駆動され、トランスミッション６に備えられたギア切換用のフォーク（図示省略）を駆動し、シフトレバー２のシフト位置に応じた切換位置にトランスミッション６のギアを切り換える。
【００３３】
本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２がロック解除スイッチ３を操作することなくパーキングＰからリバースＲへ、又はリバースＲからパーキングＰへ、若しくはニュートラルＮからリバースＲへ操作されたとき、ボイスコイルモータ９を駆動してシフトレバー２の他のシフト位置への操作を禁止するので、機械式の操作禁止機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００３４】
また、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２が１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられるとき、ボイスコイルモータ９を駆動してシフトレバー２に適度の抵抗感を付与するので、機械式の抵抗感付与機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００３５】
また、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２に手指検出センサ４を備え、シフトレバー２に手指が触れたとき、手指検出センサ４からの出力信号に応じてボイスコイルモータ９を駆動し、シフトレバー２に各シフト位置に特有のモードの外力を負荷するので、操作者にシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバー２の操作を容易化することができる。
【００３６】
また、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２が１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、エンコーダ５からの出力信号ａの変化に応じてボイスコイルモータ９を駆動し、シフトレバー２に切換後のシフト位置に特有のモードの外力を負荷するので、操作者に切換後のシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバー２の操作を容易化することができる。
【００３７】
また、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２に外力を負荷するためのアクチュエータとしてボイスコイルモータ９を用いたので、回転運動を直線運動に変換するための機構が不要で、回転モータを用いた場合に比べて、車両用シフトレバー装置を小型化することができる。
【００３８】
次に、本発明に係る車両用シフトレバー装置の第２実施例を、図６に基づいて説明する。図６は第２実施例に係る車両用シフトレバー装置の正面図である。
【００３９】
この図から明らかなように、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２の下端部をベース２１上に設定された支軸３１に揺動可能に取り付けると共に、エンコーダ５の操作片２４をボイスコイルモータ９の駆動軸９ａとシフトレバー２の軸部２ｂとを連結するコネクティングロッド２７に取り付けたことを特徴とする。
【００４０】
本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２が支軸３１を中心として揺動する点を除いて、第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置と同様の効果を有する。
【００４１】
次に、本発明に係る車両用シフトレバー装置の第３実施例を、図７及び図８に基づいて説明する。図７は第３実施例に係る車両用シフトレバー装置の正面図であり、図８は第３実施例に係る車両用シフトレバー装置の側面方向から見た要部断面図である。これらの図において、符号４１はシフトレバー２の係合手段、符号４２はベース２１より垂直に起立された面板、符号４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄは面板４２に開設されたボール係合孔、符号４４はシフトレバー２に設けられたボールプランジャ、符号４５はボールプランジャ４４内に設けられたボール、符号４６はボール４５を外向きに付勢するスプリング、符号４７はロック解除スイッチ３及び手指検出センサ４に接続されたリード線を示し、その他、図６に示したと同一の部材についてはそれと同一の符号が表示されている。
【００４２】
図７及び図８から明らかなように、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２の各切換位置、即ち、パーキングＰ、リバースＲ、ニュートラルＮ及びドライブＤにシフトレバー２を保持するための係合手段４１を備えたことを特徴とする。
【００４３】
係合手段４１は、面板４２に開設された４個のボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄと、ボールプランジャ４４内に設定され、スプリング４６によって外向きに付勢されたボール４５とから構成されており、各ボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄの開設位置は、図７に示すように、支軸３１の中心からボール４５の設定位置までの距離ｒを半径とする円弧上であって、ボール４５を係合したときにシフトレバーがパーキングＰ、リバースＲ、ニュートラルＮ及びドライブＤの各シフト位置に保持される位置に調整されている。
【００４４】
その他の部分の構成については、図６の車両用シフトレバー装置と同じであるので、対応する部材に同一の符号を付して説明を省略する。
【００４５】
本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２をパーキングＰ、リバースＲ、ニュートラルＮ又はドライブＤの各シフト位置に切り換えたとき、ボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄのいずれかにボール４５が選択的に係合される。ボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄにボール４５が係合されると、ボール４５を介して面板４２にシフトレバー２が係止されるので、シフトレバー２から手を離した後においても、ボイスコイルモータ９を駆動することなく、シフトレバー２を所要のシフト位置に保持することができる。よって、ボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄのいずれかにボール４５が選択的に係合されている期間はボイスコイルモータ９への通電を断つことができるので、車載バッテリーの消費を低減することができる。
【００４６】
他のシフト位置へのシフトレバー２の切り換えは、第１実施例に係る車両用シフトレバー装置及び第２実施例に係る車両用シフトレバー装置と同様に、操作者がシフトレバー２を所定の方向に操作するだけで行うことができる。即ち、操作者がシフトレバー２に操作力を負荷すると、ボール４５がスプリング４６の弾性力に抗してボールプランジャ４４内に移動するので、ボール４５とボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄとの係合が解除され、シフトレバー２の切り換えが可能になる。かように、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２の係止手段４１としてボールプランジャ４４を利用したので、操作者がシフトレバー２に操作方向の力を加えるだけで簡単に係合を解除することができ、シフトレバー２の操作性が害されることもない。
【００４７】
なお、本例の車両用シフトレバー装置においては、各シフト位置ごとにシフトレバー２を保持できるようにしたが、かかる構成に代えて、各シフト位置から選択された１乃至複数個のシフト位置のみにシフトレバー２を保持するようにすることもできる。例えば、シフトレバー２の各シフト位置のうち、パーキングＰの位置と対応する部分にのみボール係合孔４３ａを開設し、シフトレバー２をパーキングＰの位置にのみ保持するようにすることができる。シフトレバー２がパーキングＰの位置に切り換えられた場合は、通常エンジンが切られるため、ボイスコイルモータ９に常時通電する構成であると車載バッテリーの消費が問題になるが、本例の車両用シフトレバー装置のようにシフトレバー２を機械的な係合手段４１で保持する構成とすれば、かかる不都合を解消することができる。
【００４８】
また、本例の車両用シフトレバー装置においては、面板４２にボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄを開設したが、かかる構成に代えて、面板４２にくぼみを形成する構成とすることもできる。
【００４９】
その他、前記各実施形態例においては、シフトレバー２に外力を負荷するためのアクチュエータとしてボイスコイルモータ９を用いたが、その他のリニアモータ又は回転モータを用いることももちろん可能である。
【００５０】
【発明の効果】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記位置信号が入力され、入力された前記位置信号により前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は前記位置信号により予め定められたシフト位置に前記シフトレバーが位置していると判定するとき、前記アクチュエータを制御して外力を負荷することにより前記シフトレバーを前記シフト位置にロックするという構成を有するものは、シフトレバーが予め定められたシフト位置に切り換えられているとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷され、シフトレバーが当該シフト位置にロックされるので、シフトレバーに機械式の操作禁止機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００５１】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーに備えられたロック解除スイッチと、前記シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記ロック解除スイッチが接続され、かつ前記位置信号が入力されて、前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記シフトレバーが前記ロック解除スイッチを操作することなく予め定めた特定の前記シフトレバーのシフト位置から特定の方向に操作されたことを示す前記位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーの特定の方向への操作を禁止するという構成を有するものは、シフトレバーがロック解除スイッチを操作することなく予め定められた特定のシフト位置から特定方向に操作されたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、特定のシフト位置から特定の方向へのシフトレバーの操作が禁止されるので、機械式の操作禁止機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００５２】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーに備えられたロック解除スイッチと、前記シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記位置信号が入力され、入力された前記位置信号に応じて前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記シフトレバーが操作されたことを示す位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記位置信号に応じた外力を負荷して、前記シフトレバーの操作に応じた抵抗感を付与するという構成を有するものは、シフトレバーが操作されたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーの操作に抵抗感が付与されるので、機械式の抵抗感付与機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００５３】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記シフトレバーに手指が触れたことを検出して検出信号を出力する手指検出センサと、前記位置信号と前記検出信号とが入力され、入力された前記位置信号と前記検出信号とに応じて前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検出信号の入力があったとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記シフトレバーのシフト位置に応じた特有のモードの外力を負荷して、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックするという構成を有するものは、シフトレバーに操作者の手指が触れたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーに各シフト位置に特有のモードの外力が負荷されるので、操作者にシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバーの操作を容易化することができる。
【００５４】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記位置信号が入力され、入力された前記位置信号に応じて前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記位置信号により前記シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記他のシフト位置に特有のモードの外力を負荷して、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックするという構成を有するものは、シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーに切り換え後のシフト位置に特有のモードの外力が負荷されるので、操作者に切換後のシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバーの操作を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置のブロック図である。
【図２】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられるシフトレバーと切換位置表示部の斜視図である。
【図３】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の正面図である。
【図４】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の側面図である。
【図５】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部のシフトレバーを除去した平面図である。
【図６】第２実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の正面図である。
【図７】第３実施例に係る車両用シフトレバー装置の正面図である。
【図８】第３実施例に係る車両用シフトレバー装置の側面方向から見た要部断面図である。
【符号の説明】
１ 制御部
２ シフトレバー
３ ロック解除スイッチ
４ 手指検出センサ
５ エンコーダ（位置センサ）
９ ボイスコイルモータ（アクチュエータ）
２１ ベース
２２ レール
２３ スライダ
２４ エンコーダの操作片
２５ ブラケット
２６ ブラケット
２７ コネクティングロッド
２８ カバー
３１ 支軸
４１ シフトレバーの係合手段
４２ 面板
４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄ ボール係合孔
４４ ボールプランジャ
４５ ボール
【産業上の利用分野】
本発明は、バイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置に係り、特に、オートマチックシフトレバー装置におけるシフトレバー機構部の構成に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、車両用オートマチックシフトレバー装置には、機械的なリンク機構を利用したトランスミッション切換手段が備えられていたが、近年、車載機器の電子化の要請に対処するため、シフトレバーの切換位置を位置センサにて検出し、当該位置センサの出力信号に応じてソレノイドやモータ等のアクチュエータを駆動してトランスミッション切換用のフォークを駆動するバイワイヤ方式のトランスミッション切換手段が提案されるに至っている。
【０００３】
このバイワイヤ方式のトランスミッション切換手段を備えた車両用オートマチックシフトレバー装置によれば、運転席とエンジンルームとの間に大型にして複雑なリンク機構を備える必要が無く、数本の電線を配線するだけでよいので、車両の設計の自由度を格段に高めることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両用オートマチックシフトレバー装置には、シフトレバーの誤操作を防止するため、シフトレバーを「パーキング」から「リバース」に切り換える場合、及び「リバース」から「パーキング」に切り換える場合、並びに「ニュートラル」から「リバース」に切り換える場合に、シフトレバーに備えられたロック解除ボタンを操作しない限りシフトレバーの操作を禁止する操作禁止機構と、シフトレバーの操作性をよくするため、シフトレバーを１のシフト位置から他のシフト位置に操作する際に適度の抵抗感をシフトレバーに付与する抵抗感付与機構を必要とする。
【０００５】
従来より提案されているバイワイヤ方式の車両用オートマチックシフトレバー装置にもこれらの各機構が備えられているが、従来装置には、機械的なリンク機構を利用した車両用オートマチックシフトレバー装置に備えられたものと同様、機械的手段をもって構成された操作禁止機構及び抵抗感付与機構が備えられているため、シフトレバー機構部の構成を十分に簡素化できず、バイワイヤ方式の利点が十分に発揮できないという問題がある。
【０００６】
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型かつ軽量にして操作性に優れたバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置 を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を達成するため、第１に、シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに手指が触れたことを検出して検出信号を出力する手指検出センサと、前記シフトレバーに外力を付与するアクチュエータと、前記位置信号及び前記検出信号が入力され、入力された前記位置信号及び前記検出信号により前記アクチュエータを制御する制御部と、前記制御部に接続されたロック解除スイッチとを備え、前記制御部は、前記シフトレバーが前記ロック解除スイッチを操作することなく予め定められた特定のシフト位置から特定の方向に操作されたことを示す前記位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーの操作方向とは反対方向の外力を付与することにより前記シフトレバーの前記特定の方向への操作を禁止し、前記ロック解除スイッチが操作され、かつ前記シフトレバーが前記予め定められた特定のシフト位置から前記特定の方向に操作されたことを示す位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーの操作を可能にすると共に、前記検出信号の入力があったとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記シフトレバーのシフト位置に応じた特有のモードの振動を付与し、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックするという構成にした。
【０００８】
かかる構成によると、シフトレバーがロック解除スイッチを操作することなく予め定められた特定のシフト位置から特定の方向に操作されたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が付与されて、特定のシフト位置から特定の方向へのシフトレバーの操作が禁止されるので、シフトレバーに機械式の操作禁止機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。また、シフトレバーに操作者の手指が触れたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が付与されて、シフトレバーに各シフト位置に特有のモードの振動が付与されるので、操作者にシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバーの操作を容易化することができる。
【００１１】
本発明は、前記の課題を解決するため、第２に、前記制御部は、前記位置信号の変化に基づき前記アクチュエータを制御し、前記位置信号の変化に応じた抵抗感を前記シフトレバーに付与するという構成にした。
【００１２】
かかる構成によると、シフトレバーが操作されたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーの操作に抵抗感が付与されるので、機械式の抵抗感付与機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００１５】
本発明は、前記の課題を達成するため、第３に、前記制御部は、前記シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記他のシフト位置に特有のモードの外力を付与し、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックするという構成にした。
【００１６】
かかる構成によると、シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーに切り換え後のシフト位置に特有のモードの外力が負荷されるので、操作者に切換後のシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバーの操作を容易化することができる。
【００１７】
本発明は、前記の課題を達成するため、第４に、前記アクチュエータとしてボイスコイルモータを用いるという構成にした。
【００１８】
かかる構成によると、アクチュエータとして回転モータを用いた場合とは異なり、回転運動を直線運動に変換するための機構が不要となるので、回転モータを用いた場合に比べて車両用シフトレバー装置を小型化することができる。
【００１９】
本発明は、前記の課題を達成するため、第５に、前記シフトレバーを所定のシフト位置に保持するための係止手段を備えるという構成にした。
【００２０】
かかる構成によると、シフトレバーを所定のシフト位置に保持することができるので、シフトレバーが係合手段によって保持されている期間はアクチュエータへの通電を断つことができ、車載バッテリーの消費を低減することができる。
【００２１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置の一実施形態例を図１乃至図５に基づいて説明する。図１は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置の構成を示すブロック図、図２は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられるシフトレバーと切換位置表示部の斜視図、図３は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の正面図、図４は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の側面図、図５は本実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部のシフトレバーを除去した平面図である。
【００２２】
図１に示すように、本例の車両用シフトレバー装置は、制御部１と、シフトレバー２と、シフトレバー２に備えられたロック解除スイッチ３及び手指検出センサ４と、シフトレバー２の操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力するエンコーダ（位置センサ）５と、トランスミッション６のギアを切り換えるソレノイド７及びソレノイドドライバ８と、シフトレバー２に外力を負荷するボイスコイルモータ（アクチュエータ）９及びモータドライバ１０とから主に構成されており、制御部１には、ＣＰＵ１１と、作業プログラム等が予め記憶されたＲＯＭ１２と、演算に必要なパラメータや定数等が記憶されるＲＡＭ１３と、ロック解除スイッチ３、手指検出センサ４及びエンコーダ５の各出力信号を取り込む信号入力部１４と、ソレノイドドライバ８及びモータドライバ１０に制御信号を出力する信号出力部１５が備えられている。
【００２３】
なお、前記ロック解除スイッチ３としては、押しボタンスイッチを用いることができ、前記手指検出センサ４としては、フォトインタラプタなどの非接触式のセンサや静電スイッチ等の接触式のセンサを用いることができる。また、前記エンコーダ５としては、光学式又は電気式のリニア型又はロータリ型のエンコーダを用いることができる。前記ソレノイド７は、トランスミッション６に備えられたギア切換用のフォーク（図示省略）に連結され、当該フォークを操作することによってトランスミッション６のギアを切り換える。
【００２４】
シフトレバー２及びその周辺の機構部は、図２乃至図５に示すように、ベース２１と、ベース２１の上面に備えられたレール２２と、レール２２に沿って直線的に移動するスライダ２３と、スライダ２３に固着されたシフトレバー２と、シフトレバー２の把持部２ａに備えられたロック解除スイッチ３及び手指検出センサ４と、シフトレバー２の軸部２ｂに備えられたエンコーダの操作片２４と、ベース２１上にブラケット２５を介して取り付けられたエンコーダ５と、ベース２１上にブラケット２６を介して取り付けられたボイスコイルモータ９と、ボイスコイルモータ９の駆動軸９ａとシフトレバー２の軸部２ｂとを連結するコネクティングロッド２７と、表面にシフトレバー２の切換位置が表示されたカバー２８とから主に構成されている。なお、図２におけるシフトレバー２の切換位置Ｐはパーキング、Ｒはリバース、Ｎはニュートラル、Ｄはドライブを示しており、操作者から見て前方側にパーキングＰの切換位置が配置され、手前側にドライブＤが配置されている。
【００２５】
次に、前記のように構成された車両用シフトレバー装置の動作について説明する。
【００２６】
車両に備えられたイグニションキーがアクセサリ又はスタートに切り換えられると、制御部１はエンコーダ５から出力される位置信号ａを繰り返し取り込み、シフトレバー２の現在位置を把握する。この状態から操作者がシフトレバー２の把持部２ａに手を触れるか、手を近づけると、手指検出センサ４がこれを検知して制御部１に手指検出信号ｂを出力する。制御部１は、手指検出信号ｂが入力すると、位置信号ａに応じたモードのモータ制御信号ｃを信号出力部１５からモータドライバ１０に出力し、モータドライバ１０は、モータ制御信号ｃに応じたモードのモータ駆動信号ｄを出力する。ボイスコイルモータ９は、このモータ駆動信号ｄによって駆動され、シフトレバー２に現在の切換位置に応じたモードの外力を負荷する。各切換位置における外力のモードは、各切換位置ごとにボイスコイルモータ９より負荷される外力の強さ、外力である振動の周波数、外力である振動の振動モード若しくはこれらの組み合わせを変更することによって調整することができる。操作者は、この外力を感得することによって、シフトレバー２の現在位置をブラインドタッチで知ることができる。
【００２７】
操作者がシフトレバー２にシフト位置を切り換えるための操作力を負荷すると、制御部１は、位置信号ａの変化からシフトレバー２の操作方向を割り出すと共に、位置信号ａの変化の加速度からシフトレバー２に負荷された操作力の大きさと方向を割り出す。そして、その切換操作が、予め定められた特定のシフト位置から特定方向への操作であるパーキングＰからリバースＲへの切り換え、又はリバースＲからパーキングＰへの切り換え、若しくはニュートラルＮからリバースＲへの切り換えである場合、制御部１は、操作力の大きさと方向に応じたモータ制御信号ｃを信号出力部１５からモータドライバ１０に出力し、モータドライバ１０は、モータ制御信号ｃに応じたモータ駆動信号ｄを出力する。ボイスコイルモータ９は、このモータ駆動信号ｄによって駆動され、シフトレバー２に操作力よりも大きく操作力とは反対方向の外力を負荷する。これによって、パーキングＰからリバースＲへの切り換え、又はリバースＲからパーキングＰへの切り換え、若しくはニュートラルＮからリバースＲへの切り換えが禁止され、シフトレバー２の誤操作が防止される。
【００２８】
一方、シフトレバー２がパーキングＰ又はリバースＲ若しくはニュートラルＮにある状態において、シフトレバー２に備えられたロック解除スイッチ３が操作されると、ロック解除スイッチ３から出力されたロック解除信号ｅが制御部１に取り込まれる。この状態から、シフトレバー２にパーキングＰからリバースＲへの操作力、又はリバースＲからパーキングＰへの操作力、若しくはニュートラルＮからリバースＲへの操作力が負荷されると、制御部１は、位置信号ａの変化からシフトレバー２の操作方向を割り出すと共に、位置信号ａの変化の加速度からシフトレバー２に負荷された操作力の大きさと方向を割り出す。そして、制御部１は、操作力の大きさと方向に応じたモータ制御信号ｃを信号出力部１５からモータドライバ１０に出力し、モータドライバ１０は、モータ制御信号ｃに応じたモータ駆動信号ｄを出力する。ボイスコイルモータ９は、このモータ駆動信号ｄによって駆動され、シフトレバー２に操作力よりも小さく操作力とは反対方向の外力を負荷する。これによって、シフトレバー２を１のシフト位置から他のシフト位置に切り換える際に、シフトレバー２に適度な抵抗感が付与され、シフトレバー２の操作性を良好なものにすることができる。シフトレバー２は、レール２２に沿ってベース２１上を摺動する。
【００２９】
また、このようにしてシフトレバー２がパーキングＰからリバースＲへ、又はリバースＲからパーキングＰへ、若しくはニュートラルＮからリバースＲへ操作されると、制御部１は、切換後の位置信号ａから切換後のシフトレバー２のシフト位置を割り出し、位置信号ａに応じたモータ制御信号ｃを出力してボイスコイルモータ９を駆動し、シフトレバー２に切換後のシフト位置に応じたモードの外力を負荷する。切換後の各シフト位置における外力のモードは、シフトレバー２に現在の切換位置に応じたモードの外力を負荷する場合と同様に、各シフト位置ごとにボイスコイルモータ９より負荷される外力の強さ、外力である振動の周波数、外力である振動の振動モード若しくはこれらの組み合わせを変更することによって調整することができる。操作者は、この外力を感得することによって、シフトレバー２の切換後のシフト位置をブラインドタッチで知ることができる。 シフトレバー２をリバースＲからニュートラルＮに切り換える場合、及びニュートラルＮからドライブＤに切り換える場合、若しくはドライブＤからニュートラルＮに切り換える場合もこれと同様であって、シフトレバー２の切り換えに際して、適度の抵抗感がシフトレバー２に付与されると共に、切換後のシフト位置に応じたモードの外力がシフトレバー２に負荷される。
【００３０】
これにより、例えばシフトレバー２をドライブＤの位置からニュートラルＮを通過してリバースＲの位置まで操作する場合、或いはシフトレバー２をドライブＤの位置からニュートラルＮ及びリバースＲを通過してパーキングＰの位置まで操作する場合、途中のニュートラルＮ及びリバースＲを通過する時点でそれぞれ抵抗感が負荷されるためにシフトレバー２の操作にクリック感が感じられ、シフトレバー２の操作が確実に行われているか否かをブラインドタッチで感得することができる。また、シフトレバー２が各シフト位置に切り換えられるごとに、各シフト位置に特有のモードの外力が負荷されるので、今どこのシフト位置を通過しているかをブラインドタッチで感得することができる。
【００３１】
そして、シフトレバー２が所要のシフト位置に到達したことを感得できたとき、操作者がシフトレバー２の操作を終了すると、制御部１はボイスコイルモータ９を制御してシフトレバー２に所要の外力を負荷し、シフトレバー２を当該所要のシフト位置にロックする。
【００３２】
また、シフトレバー２が操作されると、制御部１は、位置信号ａに応じたモードのソレノイド制御信号ｆを信号出力部１５からソレノイドドライバ８に出力し、ソレノイドドライバ８は、ソレノイド制御信号ｆに応じたモードのソレノイド駆動信号ｇを出力する。ソレノイド７は、このソレノイド駆動信号ｇによって駆動され、トランスミッション６に備えられたギア切換用のフォーク（図示省略）を駆動し、シフトレバー２のシフト位置に応じた切換位置にトランスミッション６のギアを切り換える。
【００３３】
本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２がロック解除スイッチ３を操作することなくパーキングＰからリバースＲへ、又はリバースＲからパーキングＰへ、若しくはニュートラルＮからリバースＲへ操作されたとき、ボイスコイルモータ９を駆動してシフトレバー２の他のシフト位置への操作を禁止するので、機械式の操作禁止機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００３４】
また、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２が１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられるとき、ボイスコイルモータ９を駆動してシフトレバー２に適度の抵抗感を付与するので、機械式の抵抗感付与機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００３５】
また、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２に手指検出センサ４を備え、シフトレバー２に手指が触れたとき、手指検出センサ４からの出力信号に応じてボイスコイルモータ９を駆動し、シフトレバー２に各シフト位置に特有のモードの外力を負荷するので、操作者にシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバー２の操作を容易化することができる。
【００３６】
また、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２が１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、エンコーダ５からの出力信号ａの変化に応じてボイスコイルモータ９を駆動し、シフトレバー２に切換後のシフト位置に特有のモードの外力を負荷するので、操作者に切換後のシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバー２の操作を容易化することができる。
【００３７】
また、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２に外力を負荷するためのアクチュエータとしてボイスコイルモータ９を用いたので、回転運動を直線運動に変換するための機構が不要で、回転モータを用いた場合に比べて、車両用シフトレバー装置を小型化することができる。
【００３８】
次に、本発明に係る車両用シフトレバー装置の第２実施例を、図６に基づいて説明する。図６は第２実施例に係る車両用シフトレバー装置の正面図である。
【００３９】
この図から明らかなように、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２の下端部をベース２１上に設定された支軸３１に揺動可能に取り付けると共に、エンコーダ５の操作片２４をボイスコイルモータ９の駆動軸９ａとシフトレバー２の軸部２ｂとを連結するコネクティングロッド２７に取り付けたことを特徴とする。
【００４０】
本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２が支軸３１を中心として揺動する点を除いて、第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置と同様の効果を有する。
【００４１】
次に、本発明に係る車両用シフトレバー装置の第３実施例を、図７及び図８に基づいて説明する。図７は第３実施例に係る車両用シフトレバー装置の正面図であり、図８は第３実施例に係る車両用シフトレバー装置の側面方向から見た要部断面図である。これらの図において、符号４１はシフトレバー２の係合手段、符号４２はベース２１より垂直に起立された面板、符号４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄは面板４２に開設されたボール係合孔、符号４４はシフトレバー２に設けられたボールプランジャ、符号４５はボールプランジャ４４内に設けられたボール、符号４６はボール４５を外向きに付勢するスプリング、符号４７はロック解除スイッチ３及び手指検出センサ４に接続されたリード線を示し、その他、図６に示したと同一の部材についてはそれと同一の符号が表示されている。
【００４２】
図７及び図８から明らかなように、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２の各切換位置、即ち、パーキングＰ、リバースＲ、ニュートラルＮ及びドライブＤにシフトレバー２を保持するための係合手段４１を備えたことを特徴とする。
【００４３】
係合手段４１は、面板４２に開設された４個のボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄと、ボールプランジャ４４内に設定され、スプリング４６によって外向きに付勢されたボール４５とから構成されており、各ボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄの開設位置は、図７に示すように、支軸３１の中心からボール４５の設定位置までの距離ｒを半径とする円弧上であって、ボール４５を係合したときにシフトレバーがパーキングＰ、リバースＲ、ニュートラルＮ及びドライブＤの各シフト位置に保持される位置に調整されている。
【００４４】
その他の部分の構成については、図６の車両用シフトレバー装置と同じであるので、対応する部材に同一の符号を付して説明を省略する。
【００４５】
本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２をパーキングＰ、リバースＲ、ニュートラルＮ又はドライブＤの各シフト位置に切り換えたとき、ボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄのいずれかにボール４５が選択的に係合される。ボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄにボール４５が係合されると、ボール４５を介して面板４２にシフトレバー２が係止されるので、シフトレバー２から手を離した後においても、ボイスコイルモータ９を駆動することなく、シフトレバー２を所要のシフト位置に保持することができる。よって、ボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄのいずれかにボール４５が選択的に係合されている期間はボイスコイルモータ９への通電を断つことができるので、車載バッテリーの消費を低減することができる。
【００４６】
他のシフト位置へのシフトレバー２の切り換えは、第１実施例に係る車両用シフトレバー装置及び第２実施例に係る車両用シフトレバー装置と同様に、操作者がシフトレバー２を所定の方向に操作するだけで行うことができる。即ち、操作者がシフトレバー２に操作力を負荷すると、ボール４５がスプリング４６の弾性力に抗してボールプランジャ４４内に移動するので、ボール４５とボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄとの係合が解除され、シフトレバー２の切り換えが可能になる。かように、本例の車両用シフトレバー装置は、シフトレバー２の係止手段４１としてボールプランジャ４４を利用したので、操作者がシフトレバー２に操作方向の力を加えるだけで簡単に係合を解除することができ、シフトレバー２の操作性が害されることもない。
【００４７】
なお、本例の車両用シフトレバー装置においては、各シフト位置ごとにシフトレバー２を保持できるようにしたが、かかる構成に代えて、各シフト位置から選択された１乃至複数個のシフト位置のみにシフトレバー２を保持するようにすることもできる。例えば、シフトレバー２の各シフト位置のうち、パーキングＰの位置と対応する部分にのみボール係合孔４３ａを開設し、シフトレバー２をパーキングＰの位置にのみ保持するようにすることができる。シフトレバー２がパーキングＰの位置に切り換えられた場合は、通常エンジンが切られるため、ボイスコイルモータ９に常時通電する構成であると車載バッテリーの消費が問題になるが、本例の車両用シフトレバー装置のようにシフトレバー２を機械的な係合手段４１で保持する構成とすれば、かかる不都合を解消することができる。
【００４８】
また、本例の車両用シフトレバー装置においては、面板４２にボール係合孔４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄを開設したが、かかる構成に代えて、面板４２にくぼみを形成する構成とすることもできる。
【００４９】
その他、前記各実施形態例においては、シフトレバー２に外力を負荷するためのアクチュエータとしてボイスコイルモータ９を用いたが、その他のリニアモータ又は回転モータを用いることももちろん可能である。
【００５０】
【発明の効果】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記位置信号が入力され、入力された前記位置信号により前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は前記位置信号により予め定められたシフト位置に前記シフトレバーが位置していると判定するとき、前記アクチュエータを制御して外力を負荷することにより前記シフトレバーを前記シフト位置にロックするという構成を有するものは、シフトレバーが予め定められたシフト位置に切り換えられているとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷され、シフトレバーが当該シフト位置にロックされるので、シフトレバーに機械式の操作禁止機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００５１】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーに備えられたロック解除スイッチと、前記シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記ロック解除スイッチが接続され、かつ前記位置信号が入力されて、前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記シフトレバーが前記ロック解除スイッチを操作することなく予め定めた特定の前記シフトレバーのシフト位置から特定の方向に操作されたことを示す前記位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーの特定の方向への操作を禁止するという構成を有するものは、シフトレバーがロック解除スイッチを操作することなく予め定められた特定のシフト位置から特定方向に操作されたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、特定のシフト位置から特定の方向へのシフトレバーの操作が禁止されるので、機械式の操作禁止機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００５２】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーに備えられたロック解除スイッチと、前記シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記位置信号が入力され、入力された前記位置信号に応じて前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記シフトレバーが操作されたことを示す位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記位置信号に応じた外力を負荷して、前記シフトレバーの操作に応じた抵抗感を付与するという構成を有するものは、シフトレバーが操作されたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーの操作に抵抗感が付与されるので、機械式の抵抗感付与機構を備えた場合に比べてその構造を格段に簡略化することができ、車両用シフトレバー装置の小型化を図ることができる。
【００５３】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記シフトレバーに手指が触れたことを検出して検出信号を出力する手指検出センサと、前記位置信号と前記検出信号とが入力され、入力された前記位置信号と前記検出信号とに応じて前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検出信号の入力があったとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記シフトレバーのシフト位置に応じた特有のモードの外力を負荷して、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックするという構成を有するものは、シフトレバーに操作者の手指が触れたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーに各シフト位置に特有のモードの外力が負荷されるので、操作者にシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバーの操作を容易化することができる。
【００５４】
本発明のうち、シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに外力を負荷するアクチュエータと、前記位置信号が入力され、入力された前記位置信号に応じて前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記位置信号により前記シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記他のシフト位置に特有のモードの外力を負荷して、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックするという構成を有するものは、シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、アクチュエータよりシフトレバーに外力が負荷されて、シフトレバーに切り換え後のシフト位置に特有のモードの外力が負荷されるので、操作者に切換後のシフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることができ、シフトレバーの操作を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置のブロック図である。
【図２】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられるシフトレバーと切換位置表示部の斜視図である。
【図３】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の正面図である。
【図４】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の側面図である。
【図５】第１実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部のシフトレバーを除去した平面図である。
【図６】第２実施形態例に係る車両用シフトレバー装置に備えられる機構部の正面図である。
【図７】第３実施例に係る車両用シフトレバー装置の正面図である。
【図８】第３実施例に係る車両用シフトレバー装置の側面方向から見た要部断面図である。
【符号の説明】
１ 制御部
２ シフトレバー
３ ロック解除スイッチ
４ 手指検出センサ
５ エンコーダ（位置センサ）
９ ボイスコイルモータ（アクチュエータ）
２１ ベース
２２ レール
２３ スライダ
２４ エンコーダの操作片
２５ ブラケット
２６ ブラケット
２７ コネクティングロッド
２８ カバー
３１ 支軸
４１ シフトレバーの係合手段
４２ 面板
４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄ ボール係合孔
４４ ボールプランジャ
４５ ボール
Claims (5)
- シフトレバーと、当該シフトレバーの操作方向及び操作量に応じた位置信号を出力する位置センサと、前記シフトレバーに手指が触れたことを検出して検出信号を出力する手指検出センサと、前記シフトレバーに外力を付与するアクチュエータと、前記位置信号及び前記検出信号が入力され、入力された前記位置信号及び前記検出信号により前記アクチュエータを制御する制御部と、前記制御部に接続されたロック解除スイッチとを備え、
前記制御部は、前記シフトレバーが前記ロック解除スイッチを操作することなく予め定められた特定のシフト位置から特定の方向に操作されたことを示す前記位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーの操作方向とは反対方向の外力を付与することにより前記シフトレバーの前記特定の方向への操作を禁止し、
前記ロック解除スイッチが操作され、かつ前記シフトレバーが前記予め定められた特定のシフト位置から前記特定の方向に操作されたことを示す位置信号が入力されたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーの操作を可能にすると共に、
前記検出信号の入力があったとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記シフトレバーのシフト位置に応じた特有のモードの振動を付与し、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることを特徴とするバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置。 - 前記制御部は、前記位置信号の変化に基づき前記アクチュエータを制御し、前記位置信号の変化に応じた抵抗感を前記シフトレバーに付与することを特徴とする請求項１に記載のバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置。
- 前記制御部は、前記シフトレバーが１のシフト位置から他のシフト位置に切り換えられたとき、前記アクチュエータを制御して前記シフトレバーに前記他のシフト位置に特有のモードの外力を付与し、操作者に前記シフトレバーのシフト位置をブラインドタッチでフィードバックすることを特徴とする請求項１に記載のバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置。
- 前記アクチュエータがボイスコイルモータであることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置。
- 前記シフトレバーを所定のシフト位置に保持するための係止手段を備えたことを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のバイワイヤ方式の車両用シフトレバー装置。
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