JP3970183B2 - (メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置の閉塞防止方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置の閉塞防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置において、安定かつ低コストの運転を実現するための取り扱い装置の閉塞防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸及びそのエステルは非常に重合しやすく、その製造工程又は該化合物の使用において、しばしば重合が発生して装置の停止を余儀なくされることはよく知られている。このため、異常な重合を防止するために、(メタ)アクリル酸及びそのエステルを取り扱う装置内にハイドロキノン、銅含有化合物等の重合禁止剤を添加することが行われている。
【0003】
しかし、これらの重合禁止剤は液相でのみ重合禁止作用を有することから、気相あるいは気相から液化した液中での重合禁止作用を持たせるために、酸素を含有する気体(空気あるいは空気と窒素あるいは炭酸ガス、アルゴン等の不活性ガスを混合して酸素濃度を調整した気体)を使用して、酸素の重合禁止作用を利用する必要がある。このことから、通常、(メタ)アクリル酸及びそのエステルを取り扱う際に、酸素を含有する気体を装置に吹き込んで運転を行う方法が行われている。
【0004】
通常の化学プラントと同様に(メタ)アクリル酸等を取り扱う装置として、蒸留塔、蒸発器、熱交換器、タンクなどの機器が使用されるが、これらの装置を連続的に運転し低コストで安定運転を実現するためには、圧力や温度、液レベルなどのプロセス状態の測定は必要不可欠である。これらのプロセス状態を測定するためには、前述の機器にノズル等を設置し、測定機器を接続する必要がある。しかしながら、ノズル等については通常プロセス流体が連続的に更新されることが少ないので、滞留時間が長くなり、また禁止剤の供給が十分でなくなるために、この部分での重合体発生が多くみられた。
【0005】
当該場所での重合体の発生は、プロセス状態の正しい測定が出来なくなるばかりでなく、発生した重合体は重合体発生の核となり、プロセス液に同伴して他の部分でも重合体を発生させることがあり、安定した運転が不可能となる。
【0006】
これらを防止するために、気相部に接続されたノズル等に不活性ガス又は酸素を含有する気体を吹き込んだり、液相部に接続されたノズル等には重合禁止剤を含む液を吹き込むことで液滞留を防止する方法がとられている。
【0007】
しかし、気相部に接続されたノズル等に不活性ガス又は酸素を含有する気体を吹き込む方法は、機器が減圧で運転されることが多いため、この場合には真空ポンプ、エジェクター等の減圧発生装置から排気されるガスが多くなり、これに伴って系外に排出される(メタ)アクリル酸等が多くなり、減圧発生装置のサイズが大きくなる、また減圧発生装置あるいはその下流で(メタ)アクリル酸等の重合によるトラブルが発生する問題がある。
【0008】
また、常圧で使用する場合においてもノズル等に上記気体を吹き込むため、機器から排出される気体をスクラバー、燃焼炉等で処理を行う工程が必要となり、処理装置の設置によるコスト高が問題である。
【0009】
液相部に重合禁止剤含有液を吹き込む方法についても、必要以上に液量を増やすことは、その液を送出するポンプのサイズを大きくし、その結果として液を吹き込まない場合に比べ電気、スチーム、ガス等の駆動エネルギーを多く消費し、(メタ)アクリル酸等の取り扱うコストを増加させるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、(メタ)アクリル酸等を取り扱う装置を安定的、効率的に運転し、(メタ)アクリル酸の製造あるいは保管時のコストを低減することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置と、プロセス状態を監視するために該装置と測定装置とを接続するノズル又は配管に、特定の気体又は液体を特定の範囲の流速で吹き込むことにより、(メタ)アクリル酸等の重合発生を抑制して重合物又は固形物でノズルが閉塞するのを防止できることを見出し、本発明に至った。
【0012】
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸及びそのエステルのプロセス状態を監視する測定装置と、(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置とを接続するためのノズル又は配管が重合物又は固形物で閉塞するのを防止する方法であって、
前記ノズル又は配管は、(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置の気相部及び/又は液相部に接続され、
該装置の気相部に接続されたノズル又は配管に、気体吹き込み口を設け、該気体吹き込み口から不活性ガス、酸素及び重合禁止効果を有するガスの少なくとも一種を含有する気体を0.03〜1m/秒の流速で吹き込み、
該装置の液相部に接続されたノズル又は配管に、液体吹き込み口を設け、該液体吹き込み口から液状媒体を0.03〜1m/秒の流速で吹き込むことを特徴とする方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明は、(メタ)アクリル酸及びそのエステルのプロセス状態を監視する測定装置と、(メタ)アクリル酸及びそのエステルを取り扱う装置とを接続するためのノズル又は配管が重合物又は固形物で閉塞するのを防止する方法である。
【0015】
本発明において、「(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置」とは、(メタ)アクリル酸及びそのエステルのいずれか一方又は両方を取り扱うことができる装置を言う。
【0016】
本発明において、「重合物又は固形物」とは、(メタ)アクリル酸及びそのエステルの重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸のエステルとは、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソノニルエステル、n−ノニルエステル、ヒドロキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、ジメトキシアミノエチルエステル等が挙げられ、反応又は蒸留などの取り扱いの際に重合して重合物を生成しやすいエステルが挙げられる。
【0017】
本発明において、「(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置(以下、「取り扱い装置」という)」としては、反応、蒸留、抽出、吸収、貯蔵、熱交換など(メタ)アクリル酸及びそのエステルを製造、保管するときに用いられる全ての装置が含まれる。具体的には、反応器、蒸留塔、捕集塔、蒸発器、熱交換器、タンク、抽出槽等が挙げられる。
【0018】
「(メタ)アクリル酸及びそのエステルのプロセス状態を監視する測定装置」は、圧力、温度、液レベル等の状態を観察するものであり、具体的には、圧力計、液面計、温度計、酸素濃度計やpHメータ等の分析計等がある。より詳しくは、圧力計として、ダイヤフラム式、ベローズ式、ブルドン管式等の圧力計が挙げられる。温度計としては、熱電対温度計、抵抗対温度計、バイメタル式温度計等が挙げられる。液面計としては、圧力式、差圧式、ゲージグラス等の液面計が挙げられる。
【0019】
本発明において、前記取り扱い装置と測定装置とを接続するためにノズル又は配管を設ける。該ノズル又は配管を、取り扱い装置の気相部及び/又は液相部に接続する。取り扱い装置の気相部は、取り扱い装置において、取り扱い装置の運転時に気体で占められる部分であり、取り扱い装置の液相部は、取り扱い装置において、取り扱い装置の運転時に液体で満たされる部分である。
【0020】
そして、該装置の気相部に接続されたノズル又は配管に、気体吹き込み口を設け、該気体吹き込み口から不活性ガス、酸素又は重合禁止効果を有するガスを含有する気体を吹き込み、該装置の液相部に接続されたノズル又は配管に、液体吹き込み口を設け、該液体吹き込み口から液状媒体を吹き込む。すなわち、本発明において、気体吹き込み口は、取り扱い装置に対して、取り扱い装置の気相部に開口する吹き込み口であり、液体吹き込み口は、取り扱い装置に対して、取り扱い装置の液相部に開口する吹き込み口である。これらの吹き込み口には、気体を吹き込むための手段及び液状媒体を吹き込むための手段のうちの適当な手段が接続される。
【0021】
なお、取り扱い装置の運転条件によっては気相部にも液相部にもなり得る部分については、このような部分に設けられる吹き込み口には、気体を吹き込むための手段と液状媒体を吹き込むための手段との両方の手段に接続される吹き込み口を設けることによって、前記気体と液状媒体とのいずれか適当な媒体を吹き込むことが可能である。
【0022】
ノズル又は配管に、気体又は液状媒体を吹き込む方法としては、例えば、図1に示すように、取り扱い装置1と測定装置3を接続するためのノズル2の一部に吹き込み口4を設け、そこから所望の気体又は液状媒体を吹き込むことにより行える。
【0023】
前述のように、特定の気体を気相部に接続されたノズル等に吹き込むだけでは、減圧下で行われる場合、減圧発生装置のサイズが大きくなる、該装置内等で重合が発生する問題があり、常圧下で行われる場合、排出されるガスを処理する工程が必要である等の問題がある。また、特定の液体を液相部に接続されたノズル等に吹き込むだけでは、該液体を送出するポンプのサイズを大きくすることが必要でありコスト高の問題がある。
【0024】
本発明においては、上記問題を解決するために、気体吹き込み口から吹き込む上記気体の流速を0.03〜1m/秒、好ましくは0.15〜0.5m/秒とする。また、液体吹き込み口から吹き込む上記液体の流速を0.03〜1m/秒、好ましくは0.15〜0.5m/秒とする。
【0025】
ノズル、配管は、特に限定はなく通常用いられるものが挙げられるが、具体的には3/4インチ〜4インチの径のものが挙げられる。
【0026】
吹き込む気体の流速が0.03m/秒より小さくなる、あるいはノズル又は配管のサイズが4インチより大きくなると、プロセス流体の排出が不十分となり、重合体が発生しやすい。流速が大きすぎると、当該装置からの排出ガス量が多くなり、製造あるいは取り扱うためのコストが高くなる。
【0027】
吹き込む液状媒体の流速が0.03m/秒より小さくなる、あるいはノズル又は配管のサイズが4インチより大きくなると、プロセス流体の排出が不十分となり、重合体が発生しやすい。流速が大きすぎると、当該液状媒体を送り込むためのポンプサイズが大型化し、その結果、電気、スチーム、ガス等の駆動力も大きくなるので、製造あるいは取り扱うためのコストが高くなる。
【0028】
吹き込む気体あるいは液状媒体の流速が1m/秒より大きくなると、ノズルが設置された取り扱い装置内のガス流速、液流速に影響して乱れを生じるため、当該取り扱い装置内で重合を引き起こすことがあり、また測定装置の測定値に誤差を生じることがある。
【0029】
気相部に接続されたノズル等に、不活性ガス、酸素及び重合禁止効果を有するガスの少なくとも一種を吹き込む。ここで用いることができる不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、二酸化炭素、スチーム等が挙げられる。また、重合禁止効果を有するガスとしては、窒素酸化物(NOx)等が挙げられる。これらのガスは単独で用いても、また組み合わせて用いてもよい。
【0030】
気相部に接続されたノズル等に吹き込む気体に含まれる不活性ガス、酸素、重合禁止効果を有するガスの割合としては、0/100〜80/20が好ましく、0/100〜50/50が更に好ましい。また、不活性ガスと酸素もしくは重合禁止効果を有するガスとを併用する場合の混合割合は、「不活性ガス:(酸素+重合禁止効果を有するガス)=2:98〜96:4」とするのが好ましい。
【0031】
液相部に接続されたノズル等に吹き込む液体は、特定の流速であれば単なる溶媒でも良く、このような液体としては、液状媒体及び重合禁止剤を含む液体が挙げられる。これらのうち、前記液体としては、重合禁止剤を含む液体が好ましい。重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、メトキシハイドロキノン(メトキノン)、ピロガロール、カテコール、レゾルシン等のフェノール化合物;第3ブチルニトロオキシド、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジル−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4,4',4"−トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイト等のN−オキシル化合物;フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α,α’−ジメチルベンジル)フェノチアジン等のフェノチアジン化合物;塩化第2銅、酢酸銅、炭酸銅、アクリル酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅等の銅系化合物;酢酸マンガン等のマンガン塩化合物;p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン類;N−ニトロソジフェニルアミン等のニトロソ化合物;尿素等の尿素類;チオ尿素等のチオ尿素類等が挙げられる。これらの化合物は単独でも、あるいは2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0032】
重合禁止剤は、常温で液体又は固体であるが、少量の存在でアクリルモノマーの重合を防止することができるので、重合禁止剤はそれ自体単独で使用されることはなく、所定の液状媒体の溶液またはスラリーとして使用される。本発明においては、これらをまとめて「重合禁止剤を含む液体」とする。
【0033】
液状媒体としては、水、有機溶媒が使用される。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタアクリル酸等のカルボン酸、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸メチル、酢酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル等が挙げられ、これらは混合物としても使用できる。例えば、水・トルエン混合物、水・アクリル酸混合物、アクリル酸の2量体、3量体を含有する粗アクリル酸(例えば、アクリル酸蒸留塔の塔底液)が使用できる。
【0034】
重合禁止剤を含む液体中の重合禁止剤の濃度は、飽和溶解度の2倍以下、好ましくは1倍以下で用いられる。飽和溶解度以上では、未溶解の重合禁止剤が液中に存在してスラリー液を形成するが、これらは(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置内に残留しても通常の運転中に装置内液に溶解するので問題はない。
【0035】
(メタ)アクリル酸及びそのエステルを製造又は取り扱う装置において、気相部又は液相部に接続されたプロセス状態を監視するための測定装置との接続ノズル又は配管に上記の特定の気体又は液体を上記範囲の流速で吹き込むことにより、当該物質の重合の防止とこれらの取り扱いを低コストで実現することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
【0037】
【実施例1】
塔径1400mmの蒸留塔を用いて、酢酸2.9重量%、トルエン6重量%を含むアクリル酸溶液7.5t/hを、塔頂圧力6kPa、塔頂温度50℃で運転し、塔底よりトルエン及び酢酸を含まないアクリル酸を得た。この蒸留設備の塔上部及び塔下部の気相部に設置された3/4インチのノズルに圧力計を設置し、運転を監視すると共に、空気(酸素濃度21モル%)を1m/秒の流速で連続的に吹き込みながら運転を継続したところ、1ヶ月間安定運転を達成した。
【0038】
【実施例2】
実施例1と同じ蒸留装置を用い、n−ブタノール0.5重量%、水1重量%を含むアクリル酸ブチルエステル溶液7t/hを、塔頂圧力6kPa、塔頂温度52℃で運転し、塔底よりn−ブタノール及び水を含まないアクリル酸ブチルエステルを得た。この蒸留設備の塔下部に3インチのノズルを用いて液面計を設置し運転を監視すると共に、液面計低圧側ノズル(気相部)には酸素を含有する気体(酸素濃度6モル%、窒素94モル%)を0.03m/秒の流速で連続的に吹き込み、液面計高圧側ノズル(液相部)にはアクリル酸ブチルエステルにハイドロキノン3重量%を溶解した液を0.3m/秒の流速で連続的に吹き込みながら運転を継続したところ、1ヶ月安定運転を達成した。
【0039】
【実施例3】
塔径の直径1mの高沸物分解装置を用いて、アクリル酸銅0.03重量%を含むアクリル酸30重量%、アクリル酸ダイマー65重量%の溶液500kg/hを、塔頂圧力70kPa、塔頂温度143℃で運転し、塔頂よりアクリル酸ダイマーを含有しないアクリル酸を得た。この蒸留設備の塔下部に3インチのノズルを用いて液面計を設置し、運転を監視すると共に、液面計低圧側ノズル(気相部)には窒素を0.06m/秒の流速で、液面計高圧側ノズル(液相部)には重合禁止剤としてアクリル酸銅0.1重量%含有する高沸物分解装置塔底液を0.03m/秒の流速で連続的に吹き込みながら運転を継続したところ、1ヶ月間安定運転を達成した。
【0040】
【比較例1】
実施例1の蒸留装置を用い、酢酸2.9重量%、トルエン6重量%を含むアクリル酸溶液7.5t/hを、塔頂圧力6kPa、塔頂温度50℃で運転し、塔上部及び塔下部に設置された3/4インチのノズルに圧力計を設置し運転を監視した。運転開始1週間後から塔底の圧力が徐々に上昇したので、運転開始から2週間後に運転を停止し点検を行ったところ、アクリル酸のポリマーでノズル全体が閉塞していた。
【0041】
【比較例2】
実施例3の分解装置を用い、アクリル酸30重量%、アクリル酸ダイマー70重量%の溶液500kg/hを、塔頂圧力70kPa、塔頂温度143℃で運転し、この蒸留設備の塔下部に3インチのノズルを用いて液面計を設置し、運転を監視した。運転開始2日後から塔底の液面指示が不安定となり、運転開始から1週間後に運転を停止し点検を行ったところ、液面計高圧側ノズルはアクリル酸のポリマーでノズルの一部が閉塞し、液面計低圧側ノズルはアクリル酸ポリマーでノズル全体が閉塞していた。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、(メタ)アクリル酸及びそのエステルのプロセス状態を監視する測定装置と、(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置とを接続するためのノズル又は配管が重合物又は固形物で閉塞するのを効率的に防止できることから、(メタ)アクリル酸等の取り扱い装置を安定的、効率的に運転し、(メタ)アクリル酸の製造あるいは保管時のコストを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の(メタ)アクリル酸及びそのエステル取り扱い装置の閉塞防止方法において、吹き込み口の設置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 取り扱い装置
2 ノズル
3 測定装置
4 吹き込み口

Claims (2)

  1. (メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置と、(メタ)アクリル酸及びそのエステルのプロセス状態を監視する測定装置とがノズル又は配管によって接続され、前記取り扱い装置における前記プロセス状態を前記測定装置によって測定するにあたり、前記ノズル又は配管が重合物又は固形物で閉塞するのを防止する方法であって、
    前記ノズル又は配管は、(メタ)アクリル酸及びそのエステルの取り扱い装置の気相部及び/又は液相部に接続され、
    前記ノズル又は配管内の気相及び/又は液相の状態が前記測定装置によって測定され、
    該装置の気相部に接続されたノズル又は配管に、気体吹き込み口を設け、該気体吹き込み口から不活性ガス、酸素及び重合禁止効果を有するガスの少なくとも一種を含有する気体を0.03〜1m/秒の流速で吹き込み、
    該装置の液相部に接続されたノズル又は配管に、液体吹き込み口を設け、該液体吹き込み口から液状媒体を0.03〜1m/秒の流速で吹き込むことを特徴とする方法。
  2. 重合禁止剤を含む液体を前記液状媒体として前記液体吹き込み口から吹き込むことを特徴とする請求項1記載の方法。
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