JP3968615B2 - 自動水栓 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗面器・手洗器等に設置される感知式の自動水栓にかかわり、特に電源部やストレーナー部の保守作業性の向上、水栓本体のコンパクト化を狙い、改良した自動水栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、実開平7−44218号に見られるように、同公報に見られるもの図7により詳述すると、以下の通りである。従来のセンサー感知により吐水する自動水栓の水栓本体内部に電磁弁部30と外縁カバー部31と電源部32とセンサーコントローラー部33にて構成される自動水栓において、電磁弁部30、電源部32、センサーコントローラー部33等の高さが一様でないにもかかわらず、横一列に配置しているため、不要な空間が多く、そのため水栓自体が大きくなり、使用者に圧迫感を与える恐れがある。
【0003】
また構成部品を横一列に配置しているために、水栓本体接地面から吐水口34の高さ位置までが25mm程度と極端に低く、洗面器に水溜して使用する場合その洗面器の溜水が吐水口から逆流する恐れがある。その問題を解決する方法として、吐水口を水栓本体の接地面より30mm以上高く設置しなければならないが、吐水口34を高くすることは水栓本体を全体にわたって大きくする必要があり、従来の配置では、さらに使用者に対して圧迫感を増大させることになる。
【0004】
また、上面カバー31を外し、保守作業者が電源部の保守作業を実施する場合において、電源部32以外のセンサーコントローラー部33などの構成部品が露出してしまい、保守作業者により誤った保守作業が行われる可能性がある。本来、保守作業者には、電源部の保守作業を実施する場合においては、前記のセンサーコントローラー部33などは見えない方が望ましい。
【0005】
また、水道水中のゴミを取り除くストレーナーの開閉部分35が上面ケース31内側に格納されているため、保守作業を行う際に上面カバー31を取り外す必要があり、作業上不便であるだけではなく、保守作業中に電磁弁部30、センサー部33、電源部32等電気部品に水が付着し故障の原因となることさえある。
【0006】
さらに、機能部が固定されている筐体36は水栓取り付け面に対し略平行であり、さらには水を排出するための開口部といったものが設けられておらず、一旦水が内部に浸入すると抜けにくい構造になっており、長期にわたって内部に水が滞留し、電気部品が故障したり、腐食をひきおこす可能性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、洗面器等に水溜した汚水を逆流しない吐水口高さを十分有し、電源部やストレーナ部の保守作業が簡単にしかも正確に実施でき、かつ十分な防水性能を兼ね備えたコンパクトな自動水栓の構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、感知により吐水する自動水栓の水栓本体内部に電磁弁部と電源部と感知手段とコントローラー部を組み入れてなる自動水栓において、その内部に供給側管路から出口側管路までを下方から上方に形成するとともに、設けた流路をはさんで、流路と外縁カバー部にて二つの空間を形成し、形成した空間の一方には電源部を収納し、もう一方の空間には感知手段を収納していると共に、電源部収納空間と感知手段収納空間を接続する開口部を設け、前記電源部収納空間に外部より浸入した水を前記感知手段収納空間を通じて外部に排出することを特徴とする。なお、コントローラー部はどちらの空間に収納してもよい。
【0009】
このように、電源部と感知手段部をまったく別の空間に収納したため、誤保守というものが軽減できる。
【0010】
さらに、電源部収納空間と感知手段収納空間を接続する開口部を設けることにより、水栓本体上面より電源部収納空間に浸入した水は、感知手段収納空間を通じて、外部へ排出することが可能であり、電気部品の故障や腐食等を防止することができる。
【0011】
また、本発明においては、電源部収納空間と感知手段収納空間を接続する水排出用の開口部と、電源部収納空間に収納した電気部品と感知手段収納空間に収納した電気部品とを接続する配線用開口部とを共用したことにより、コンパクトな設計が可能となるだけではなく、水栓外郭部の加工行程を低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の発明の実施の形態の一つを図1から図6に基づいて以下に説明する。水栓本体Aは金属で構成されており、乾電池ケース収納用空間3とセンサーコントローラー収納用空間4が下方から上方に形成された流路としての通水路5をはさんで存在している。乾電池ケース収納用空間3内には電源部としての乾電池ケース1とともに開閉弁としての電磁弁10及び乾電池ケース1と感知手段とコントローラー部を一体化したセンサーコントローラー部2を結ぶコネクタ20が収納されており電源部カバーとしての上カバー6にて閉じられており、上カバー6はネジ13によって本体に固定されている。
【0017】
また、乾電池ケース1は上カバー6を外すことにより、上方への脱着が可能である。乾電池ケース1は完全防水構造になっており、ネジ21をゆるめ、乾電池カバー22を引き出すことにより、乾電池8の脱着が容易にできる。さらに乾電池ケース1は引き出す際に乾電池ケース収納用空間3内に引っかからない様に凸凹を押さえた形状をとっており、配線23をテープ24にて結束し、乾電池ケース1の乾電池ケース収納用空間3からの脱着を容易ならしめている。
【0018】
また、センサーコントローラー部収納用空間4にはセンサーコントローラー部2が収納されておりネジ25にて前カバー7に固定されており、センサーコントローラー部カバーとしての前カバー7は本体にネジ14によって固定されている。 前カバー固定用のネジ14は上カバー固定用のネジ13の下側に有り、上カバー6を外さなければ前カバー7を取り外すことはできない。そのため、水栓に不具合が生じた場合、まず、もっとも発生確率の高い乾電池ケース部1の保守作業を実施した後、不具合が解消されない場合、次に乾電池ケース収納空間3に配置されている乾電池ケース1とセンサーコントローラー部2を接続するコネクタ20を外し、その後、前ケース7を取り外しセンサーコントローラー部2の保守作業を実施するという一連の保守作業が保守作業手順書なしでも実施できることになる。
【0019】
さらに、乾電池ケース部収納空間3とセンサーコントローラー部収納空間4を接続する開口部27を設けており、水栓本体上面より乾電池ケース部収納空間3に浸入した水は、センサーコントローラー部収納空間4を通じて、外部へ排出することが可能であり、乾電池ケース収納空間3を絶えず乾いた状態に保つことができる。さらに、乾電池ケース部収納空間3を縦方向に長い構成としており、水の排出機能をさらに上昇させている。また、その開口部27を利用して、乾電池ケースとセンサーコントローラー部の配線を行っている。以上の実施例では感知手段とコントローラー部を一体化したセンサーコントローラー部を用いているが、感知部とコントローラー部を別体とし、コントローラー部はどちらの収納空間に設けてもよい。
【0020】
電磁弁10は水栓本体上部に固定されており乾電池ケース1、センサーコントローラー部2と略平行に配置しており、無駄な空間を排除した構造になっている。水栓本体の形状としては、縦方向に長い形状となっており、洗面器に水溜して使用する場合その洗面器の溜水が吐水口26から逆流するといった恐れが極めて低い。
【0021】
ゴミ収集手段としてのストレーナ11は水栓横側からストレーナー蓋12を外すことにより保守作業ができ、上面からの保守作業が可能である。また、ストレーナ蓋12は、六角形状のレンチにてのみ開閉ができ、いたずらを受けにくい構造になっている。また、開閉工具の形状は、三角形など特殊な形状を呈したものであればよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1では、吐水口の配置を逆流の恐れがないほどに十分高くでき、乾電池の保守作業を極めて容易に、さらに誤保守を低減させる。
【0023】
請求項2では、本体と外周カバーの一部を一体化することで継ぎ目が無くなり見栄えがすっきりするばかりでなく、それら一連の部品を組み立てる必要もなく組立作業性も良い。さらに水栓自体をスリムにできる。
【0024】
請求項3、4では、無駄な空間を排除しコンパクトかつスリムな水栓を提供することができる。
【0025】
請求項5では開口部を設けることにより、乾電池ケース収納空間に浸入した水を外部に排出することが可能であり、電気部品の故障・腐食といったものを防止することができる。
【0026】
請求項6では、開口部を共通化することにより、非常にコンパクトな設計が可能であり、加工工程を低減することができる。
【0027】
請求項7では、洗面器やカウンター上面からの保守作業といったものが可能になり、保守作業者の負荷を極めて低減することができる。
【0028】
請求項8では、ストレーナ蓋を六角形状のレンチのみでしか開閉できないようにすることにより、勝手に開けられるといったいたずらを高い確率で防止することができる。
【0029】
請求項9では、保守作業に関係のない部分を露にすることなく、保守作業が可能となり誤保守を低減することができる。
【0030】
請求項10では、保守作業頻度の高い部分から保守作業が可能であり、極めて効率的に保守作業を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動水栓を設置した状態を示す断面図。
【図2】同自動水栓の概念図。
【図3】乾電池ケースの平面図。
【図4】自動水栓を設置した状態を示す側面図。
【図5】ストレーナ部の分解斜視図。
【図6】カバー取付状態を示す一部切欠きた正面図。
【図7】従来例を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1…乾電池ケース(電源部)
2…センサーコントローラー部(感知手段とコントローラー部)
3…乾電池ケース収納用空間(電源部収納空間)
4…センサーコントローラー格納空間(感知手段収納空間)
5…通水路(流路)
6…上カバー(電源部カバー)
7…前カバー(感知手段部カバー)
8…乾電池
9…周囲外観部
10…電磁弁(開閉弁)
11…ストレーナー(ゴミ収集手段)
12…ストレーナー蓋
13…上カバー固定用ネジ
14…前カバー固定用ネジ

Claims (2)

  1. 感知手段により吐水する自動水栓の水栓本体内部に開閉弁部と電源部と感知手段とコントローラー部を組み入れてなる自動水栓において、前記水栓本体内部に下方から上方に流路を形成し、該流路をはさんで、流路と外縁カバー部にて二つの空間を形成し、形成した空間の一方には電源部を収納し、もう一方の空間には感知手段を収納していると共に、電源部収納空間と感知手段収納空間を接続する開口部を設け、前記電源部収納空間に外部より浸入した水を前記感知手段収納空間を通じて外部に排出することを特徴とする自動水栓。
  2. 請求項記載の自動水栓において、電源部収納空間と感知手段収納空間を接続する水排出用の開口部と、電源部収納空間に収納した電気部品と感知手段収納空間に収納した電気部品とを接続する配線用開口部とを共用したことを特徴とする自動水栓。
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