以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の一実施の形態にかかる有価証券転売支援装置100を含む、オンライントレードシステムを示している。有価証券転売支援装置100は、有価証券の転売を支援する装置であり、たとえば、「個人向け利付国庫債券(変動・10年)」(以下個人向け国債という。)の個人間売買を支援する機能を有している。有価証券転売支援装置100は、一例として個人向け国債の売買契約を当事者間で予め交わしている顧客A(譲渡人とする。)と顧客B(譲受人とする。)がその契約に従って行うべき売買手続を支援するものである。
有価証券転売支援装置100は、通信回線の一例であるインターネット201を通じて顧客の端末装置と接続されている。図1は、インターネット201を介して顧客Aの端末装置210や顧客Bの端末装置220が有価証券転売支援装置100と接続された状態を示している。有価証券転売支援装置100は、サーバー110と、これに接続された金融機関のホストコンピュータ130と、ホストコンピュータ130の管理する各種のデータベース141〜144とから構成される。以下、金融機関として証券会社を例にして説明する。
ホストコンピュータ130は、有価証券の取引等に関連するデータを統括的に管理するコンピュータ装置である。ホストコンピュータ130は、顧客データベース141、資金口座データベース142、寄託口座データベース143、及び取引データベース144を管理しており、これらのデータベースはサーバー110からホストコンピュータ130を介してアクセスできるようになっている。このほか、ホストコンピュータ130は、国債(国庫債券)など各種の有価証券についての詳細データが登録された図示省略の銘柄データベース等を管理している。
資金口座データベース142は、顧客から預かっている資金を登録管理するためのデータベースであり、顧客毎に設けた資金口座への資金の入出金の履歴や残高等のデータが登録され、サーバー110は顧客の資金口座番号に基づいて当該顧客資金口座の口座残高データをホストコンピュータ130を介して取得できるようになっている。なお、資金口座は、顧客が指定する銀行の預金口座など他のシステムの管理下にあるものであってもよく、ホストコンピュータ130から資金の振替処理が可能になっていればよい。
寄託口座データベース143は、顧客から寄託された有価証券を登録するための寄託口座にかかわるデータを登録しており、サーバー110は顧客の寄託口座番号に基づいて当該顧客証券寄託口座の口座残高データをホストコンピュータ130を介して取得できるようになっている。寄託口座は、同一の証券会社が管理するものに限定してもよいし、ホストコンピュータ130から振替処理が可能であれば、他の証券会社等が管理するものであってもよい。
顧客データベース141は、顧客情報を登録するためのデータベースであり、顧客の氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、顧客ID、顧客認証情報(パスワード)、顧客の資金口座の口座番号、顧客の寄託口座の口座番号等のデータが登録されている。ホストコンピュータ130は、この顧客データベース141に随時アクセスでき、またサーバー110はホストコンピュータ130を介して顧客データベース141に随時アクセスでき、例えば顧客端末に表示させるための申込内容確認画面のデータを作成する際や寄託口座の振替処理及び資金口座の振替処理を行う際等には、顧客氏名や顧客IDなどのデータに基づいて当該顧客の資金口座番号や寄託口座番号のデータを取得できるようになっており、また顧客氏名や顧客ID等のデータと顧客の資金口座番号のデータに基づいて当該顧客の寄託口座番号のデータを取得できるようになっており、例えば顧客氏名や顧客IDなどのデータに基づいて当該顧客の端末装置に証明書の電子書面を送信するためのメールアドレスを示すデータを取得できるようになっている。
取引データベース144は、顧客間の取引内容を登録する取引内容記憶手段としての機能を果たすデータベースであり、サーバー110はホストコンピュータ130を介して取引データベース144に随時アクセスできるようになっている。取引データベース144のデータ構成は、取引毎にテーブルを有し、各取引テーブルは、譲渡内容データを格納する譲渡内容データ格納フィールド、譲渡確認用フラグ(譲渡申込確認用フラグ)を格納する譲渡確認用フラグ格納フィールド、譲受確認用フラグ(譲受申込確認用フラグ)を格納する譲受確認用フラグ格納フィールド、振替状態判別用フラグを格納する振替状態判別用フラグ格納フィールド、譲渡申込における適正価格のデータを格納する譲渡申込適正価格データ格納フィールド、譲渡申込における乖離率のデータを格納する譲渡申込乖離率データ格納フィールド、譲受申込における適正価格のデータを格納する譲受申込適正価格データ格納フィールド、譲受申込における乖離率のデータを格納する譲受申込乖離率データ格納フィールド、譲渡申込日時(譲渡申込受付日時)を示すデータを格納する譲渡申込日時データ格納フィールド、譲受申込日時(譲受申込受付日時)を示すデータを格納する譲受申込日時データ格納フィールド、取引日時を示すデータを格納する取引日時データ格納フィールド、譲渡人のメールアドレスを示すデータを格納する譲渡人メールアドレス格納フィールド、譲受人のメールアドレスを示すデータを格納する譲受人メールアドレス格納フィールドを含み、取引テーブル毎に通し番号等の取引識別番号が付与されるようになっている。
取引データベース144の譲渡内容データ格納フィールドの構成は、有価証券の銘柄名などの銘柄を示すデータを格納する銘柄格納フィールド、有価証券の取引数量を示すデータを格納する取引数量格納フィールド、売買価格を示すデータを格納する売買価格格納フィールド、譲渡人氏名を示すデータを格納する譲渡人氏名格納フィールド、譲渡人の寄託口座番号を格納する譲渡人寄託口座番号格納フィールド、譲渡人の資金口座番号を格納する譲渡人資金口座番号格納フィールド、譲受人氏名を示すデータを格納する譲受人氏名格納フィールド、譲受人の寄託口座番号を格納する譲受人寄託口座番号格納フィールド、譲受人の資金口座番号を格納する譲受人資金口座番号格納フィールド、有効期間及び有効期間の指定の有無を示すデータを格納する有効期間格納フィールド、証明書発行許諾の有無を示すデータを格納する証明書発行許諾格納フィールドを含む。
ホストコンピュータ130は、サーバー110からの振替依頼を示すデータに応じて、顧客の資金口座間で資金の振替処理を実行する資金振替手段131と、サーバー110からの振替依頼を示すデータに応じて、顧客の寄託口座間で有価証券の振替処理(名義変更)を行う有価証券振替手段132としての機能を有している。すなわち、ホストコンピュータ130は、有価証券の保有者Aの証券寄託口座から特定者Bの証券寄託口座への有価証券の振替処理を行うと共に、特定者Bの資金口座から保有者Aの資金口座への有価証券の代金の振替処理を行う振替手段としての機能を有している。
サーバー110は、インターネット201を通じて顧客の使用するパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置(顧客端末)210,220にHTML(HyperText Markup Language)形式等で記述したホームページ(ウェブページ)のデータを送信したり、顧客端末210,220から返送されてくる各種のデータを受信して処理する通信機能を備えたコンピュータ装置である。
このサーバー110は、個人向け国債等の有価証券の譲渡申込や譲受申込に用いる各種ウェブページを顧客端末210,220のブラウザで表示するためのデータを、顧客端末210,220からの要求に応じてその要求元の顧客端末210,220に向けて送信する機能を有する。サーバー110が顧客端末210,220に向けて送信するウェブページには、CGI(Common Gateway Interface)やJava(登録商標)等のプログラムが埋め込んである。顧客端末210,220のブラウザからCGIを呼び出したりJava(登録商標)プログラムを実行することにより、各種の選択操作を受け付けたり、各種ボタンの操作(例えばクリック等)に応じて、データ等をサーバー110に向けて送信したり、顧客端末210,220から要求された処理をサーバー110で行い、その結果を顧客端末210,220に返送する等の動作が行われるようになっている。
サーバー110は、所定のプログラムを実行することにより、譲渡申込受付手段111と、譲受申込受付手段112と、適正価格通知手段113と、約定成立確認手段114と、証明書発行手段115と、有効期間管理手段116と、報告手段117の各機能を果たすようになっている。譲渡申込受付手段111は、有価証券を特定の譲受人(特定者)へ譲渡するための譲渡申込を、インターネット201を介して顧客の端末装置210等から受け付ける機能を果たす。譲受申込受付手段112は、有価証券を特定の譲渡人(保有者)から譲り受けるための譲受申込を受け付ける機能を果たす。これらは、申込受付用のウェブページデータを顧客端末210,220に送信してブラウザに申込受付画面又は申込内容確認画面を表示し、当該画面を通じて顧客が入力操作した内容を示すデータを顧客端末210,220から返信させることで、譲渡申込や譲受申込を受け付けるようになっている。
例えば、サーバー110は、保有者Aが特定者Bに有価証券を所定金額で譲渡する取引内容を示す譲渡内容データ等を入力するための譲渡申込受付画面を顧客端末210に表示させることができ、また、有価証券の取引内容を保有者Aが確認したことを示す譲渡申込確認データ等を入力するための譲渡申込内容確認画面を顧客端末210に表示させることができ、更には、保有者Aから特定者Bが有価証券を所定金額で譲り受ける取引内容を示す譲渡内容データ等を入力するための譲受申込受付画面を顧客端末220に表示させることができ、また、有価証券の取引内容を特定者Bが確認したことを示す譲受申込確認データ等を入力するための譲受申込内容確認画面を顧客端末220に表示させることができるようになっている。
適正価格通知手段113は、申込に係る有価証券の適正価格に関する情報を申込人に通知する機能を果たす。すなわち、適正価格通知手段113は、申込に係る有価証券のその時点での適正な売買価格(適正価格、時価)を求め、この適正価格を顧客の端末装置の画面に表示したり、申込に係る売買価格と適正価格との比較結果、たとえば、売買価格の適正価格に対する乖離率を示したり、売買価格が適正価格から一定以上乖離している場合に警告や注意文言を表示したりする機能を果たす。例えば、適正価格に対して売買価格が何パーセント乖離しているかなどを数値や色別に表示してもよい。
適正価格は、例えば個人向け国債の場合は、財務省が買取価格を算出する際に用いる以下の計算式(1)に基づいて求めてもよい。
買取価格(適正価格)=(イ)+(ロ)−(ハ) ・・・(1)式
ここで、(イ)は償還金額に相当する金額、(ロ)は買取分の個人向け国債の経過利子に相当する金額であり、取引数量に相当する額面金額×代金受渡日の適用金利×前利払日の翌日から代金受渡日までの日数/365、(ハ)は中途換金手数料(中途換金に対するペナルティに相当)である。
約定成立確認手段114は、譲渡申込受付手段111が受け付けた譲渡申込と譲受申込受付手段112が受け付けた譲受申込とを照合して取引内容の一致を確認する機能を果たす。より詳細には、譲渡申込における譲渡人及び譲受人と譲受申込における譲渡人及び譲受人との一致、銘柄名の一致、取引数量である譲渡数量と譲受数量の一致、売買価格である譲渡価格と譲受価格の一致等が確認される。また譲受人の資金口座の残高を参照し、資金不足か否かのチェックと譲渡人の寄託口座に対象銘柄の有価証券が不足なく登録されているかのチェックも行うようになっている。譲渡申込と譲受申込の内容が一致し且つ有価証券及び資金の残高確認処理を行うと、約定成立確認手段114は、その申込内容に従って、ホストコンピュータ130の振替手段を構成する資金振替手段131に対して資金口座間での資金の振替処理依頼を行うと共に、ホストコンピュータ130の振替手段を構成する有価証券振替手段132に対して寄託口座間での有価証券の振替処理依頼を行うようになっている。
なお、資金振替手段131による資金口座間の資金振替と有価証券振替手段132による寄託口座間の有価証券振替は同時もしくは実質的に同時に行われる構成とすることが望ましく、譲渡人の寄託口座に有価証券があると共に譲受人の資金口座に資金(有価証券の代金)があることを確認したうえで口座間の有価証券と資金の移動を同時もしくは実質的に同時に行うことで決済リスクをなくすることができると共に顧客A,B間の有価証券(例えば個人向け国債等)の譲渡取引の安全性を向上することができる。譲渡人Aの寄託口座に有価証券の残高があると共に譲受人Bの資金口座に資金残高があることの残高確認処理は、約定成立確認手段114で行う構成としてもよく、振替手段131,132で行う構成としてもよい。
証明書発行手段115は、有価証券の譲渡取引が行われた場合に、その取引内容を表した証明書を譲渡人や譲受人に発行する機能を果たす。証明書は、電子発行される電子証明書である。電子発行は、電子メールによるほか、ウェブページからダウンロード可能に構成してもよい。さらに、証明書の郵送を自動手配する構成としてもよい。証明書には、例えば、譲渡人氏名、譲受人氏名、取引の日付、取引数量、売買価格等が表示され、譲渡人寄託口座番号、譲渡人資金口座番号、譲受人寄託口座番号、譲受人資金口座番号、並びに譲渡申込及び/又は譲受申込における適正価格等を更に表示してもよい。なお、顧客からの要求に基づいて、証明書を後日発行することも可能になっている。例えば、顧客端末からのアクセスに応じて所定の証明書発行申込画面をその顧客端末に送信して表示させ、当該発行申込画面を通じて、譲渡人氏名、譲受人氏名、取引の日付、銘柄名などの取引を特定するための情報入力を促し、入力情報を端末装置から受け付けて当該入力情報に基づいて該当する取引を示す譲渡内容データを取引データベース144から取得し、その取得結果を顧客端末にリスト表示させて証明書発行の対象となる取引を顧客に選択させ、この表示リストの中から顧客により選択された取引を証明するための電子証明書を生成して顧客端末に電子交付する構成としてもよい。
有効期間管理手段116は、譲渡申込や譲受申込の有効期間を管理する機能を有している。この有効期間管理手段116は、譲渡申込又は譲受申込を受け付けてから一定の有効期間内にその取引が成立しなかった場合には、有効期間の過ぎた申込を無効にする機能を有している。申込の有効期間は、例えば、申込の当日限り、申込から3営業日などのように設定することができる。また申込人が有効期間を予め用意された複数種類の中から選択したり任意の有効期間を設定したりすることができるように構成してもよい。有効期間の指定が無い場合には、有効期間のデフォルト値として予め設定された期間、例えば半年間とか1年間とかの期間を自動設定する構成としてもよい。
一例として、譲渡申込受付手段111は、譲渡内容データ及び譲渡申込確認データを受け付けた場合にこれらのデータの受付が完了した譲渡申込受付日時を示す第1のデータを生成する処理を行い、譲受申込受付手段112は、譲受申込確認データを受け付けた場合に当該譲受申込確認データを受け付けた譲受申込受付日時を示す第2のデータを生成する処理を行い、有効期間管理手段116は、第1のデータが示す譲渡申込受付日時から第2のデータが示す譲受申込受付日時までの時間間隔が前記所定期間の長さ以下である場合に振替許可信号を生成する処理を行い、振替手段131,132は、有効期間管理手段116で生成された振替許可信号に基づき、取引内容を示す譲渡内容データに従って、保有者の証券寄託口座から特定者の証券寄託口座への有価証券の振替処理を行うと共に、特定者の資金口座から保有者の資金口座への有価証券の代金の振替処理を行う構成としてもよい。
他の一例として、譲受申込受付手段112は、譲渡内容データ及び譲受申込確認データを受け付けた場合にこれらのデータの受付が完了した譲受申込受付日時を示す第3のデータを生成する処理を行い、譲渡申込受付手段111は、譲渡申込確認データを受け付けた場合に当該譲渡申込確認データを受け付けた譲渡申込受付日時を示す第4のデータを生成する処理を行い、有効期間管理手段116は、第3のデータが示す譲受申込受付日時から第4のデータが示す譲渡申込受付日時までの時間間隔が前記所定期間の長さ以下である場合に振替許可信号を生成する処理を行い、振替手段131,132は、有効期間管理手段116で生成された振替許可信号に基づき、取引内容を示す譲渡内容データに従って、保有者の証券寄託口座から特定者の証券寄託口座への有価証券の振替処理を行うと共に、特定者の資金口座から保有者の資金口座への有価証券の代金の振替処理を行う構成としてもよい。
報告手段117は、受け付けた申込の結果を申込人に報告する機能を有している。この報告は、申込人の使用する端末装置への電子メールで行われる。またウェブページを通じて取引の結果を顧客が確認し得るように構成してもよい。報告は、有効期間内に取引が成立しなかった場合、取引が完了した場合、相手方からも申込はあったが、売買条件が一致せずに取引が成立しなかった場合等に行われるようにしてもよい。
次に、個人向け国債の個人間での転売を有価証券転売支援装置100によって行う場合の流れを説明する。図2は、その概略の流れを示している。個人向け国債の売買について予め当事者間で合意している譲渡人と譲受人は、それぞれ、自身の端末装置210,220からそれぞれ適時に有価証券転売支援装置100にアクセスして、譲渡申込あるいは譲受申込を行う(ステップS301、S302)。なお、譲渡申込や譲受申込を行うには、まず、顧客IDとパスワードを用いた顧客認証がサーバー110及び/又はホストコンピュータ130で行われて、申込人が特定されるようになっている(ステップS301)。
図3は、譲渡申込を行う際の流れをより詳しく示したものである。ここでは、譲渡人を顧客A、譲受人を顧客Bとして説明する。譲渡申込人である顧客Aは、自己の端末装置210からインターネット201を介して有価証券転売支援装置100の有するサーバー110の譲渡申込受付ページにアクセスする(ステップS401)。サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡申込受付画面を表示するためのデータをアクセス元の端末装置210に送信する(ステップS402)。このデータを端末装置210が受信して譲渡申込受付画面が端末装置210に表示される(ステップS403)。顧客Aは、この受付画面を通じて銘柄名、譲渡数量、譲渡価格(売買価格)、譲受人氏名、譲受人口座番号などのデータを入力して譲渡申込を行う(ステップS404)。
譲渡申込においては、例えば図4に示すような譲渡申込受付画面230が端末装置210に表示される。譲渡申込受付画面230には、譲渡対象の銘柄名、譲渡数量、譲渡価格(売買価格)、譲受人氏名、譲受人の寄託口座等の入力欄231〜235が設けてあり、それらの項目に関する入力が求められる。また当該申込の有効期間を指定するか否かを選択するための選択欄236や、指定する場合における有効期間の入力欄237が設けてある。更には取引が成立した場合に、その取引内容を表した証明書の発行を許諾するか否かの選択欄238が設けてある。譲渡申込受付画面230には、入力した申込内容をサーバー110へ送信する旨の操作を受け付けるための申込実行ボタン241と、前の画面に戻る旨の操作を受け付けるための戻りボタン242が設けてある。
顧客Aが必要な項目を譲渡申込受付画面230に入力した後、申込実行ボタン241をクリック等して操作すると、入力された譲渡申込の内容を示す譲渡内容データが、サーバー110へ送信される(ステップS405)。サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡申込の内容を示す譲渡内容データを顧客Aの端末装置210から通信回線201を介して受信すると(ステップS406)、譲渡内容データを譲渡申込受付手段111の第1記憶手段(例えば内部メモリ)の取引テーブル記憶領域に保持し、譲渡内容データから銘柄名を示すデータを抽出し、抽出したデータが示す譲渡申込銘柄の現時点での適正価格を導出して第1記憶手段に譲渡申込における適正価格として保持し、この譲渡申込における適正価格と売買価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を求め、譲渡申込みにおける乖離率として第1記憶手段に保持する(ステップS407)。この第1記憶手段の取引テーブル記憶領域には取引データベース144と同様に取引テーブルを記憶することができるようになっている。
また、譲渡申込受付手段111は、端末装置210からの譲渡申込に係る譲受人氏名及び譲受人寄託口座番号に基づき、顧客データベース141から譲受人の資金口座番号及びメールアドレスを取得すると共に、顧客認証で既に認証済みである譲渡人の氏名と寄託口座番号と資金口座番号とメールアドレスを顧客データベース141から取得し、取得した譲受人の資金口座番号及びメールアドレスと譲渡人の氏名、資金口座番号及び寄託口座番号並びにメールアドレスを譲渡内容データの一部として第1記憶手段に保持する。なお、ホストコンピュータ130又はサーバー110に適正価格記憶手段を設けておき、有価証券転売支援装置100での取引の候補となる複数銘柄の適正価格と銘柄名を対応付けて適正価格記憶手段に登録しておき、譲渡申込受付手段111が譲渡申込みに係る銘柄名に基づいて当該銘柄の適正価格のデータを適正価格記憶手段から取得すると共に第1記憶手段に譲渡申込における適正価格として保持し、この譲渡申込における適正価格と売買価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を求める構成としてもよい。適正価格記憶手段を適正価格通知手段113に設けてもよい。
そして、乖離率が一定以内(たとえば適正価格の5%以内)の場合には(ステップS408;N)、図5に示すような譲渡申込内容確認画面250のデータを作成する(ステップS409)。一方、売買価格が適正価格から一定以上乖離している場合には(ステップS408;Y)、図6に示すような警告付きの譲渡申込内容確認画面270のデータを作成し(ステップS410)、作成した画面のデータを顧客端末210に送信する(ステップS411)。これにより、譲渡申込人である顧客Aの端末装置210に譲渡申込内容確認画面250または警告付きの譲渡申込内容確認画面270が表示される(ステップS412)。
図5に示すように、譲渡申込内容確認画面250には、取引対象となっている個人向け国債の銘柄名、譲渡数、譲渡価格、譲渡人氏名、譲渡人口座(資金口座)、譲受人氏名、譲受人口座(寄託口座)、契約有効期間の指定の有無、契約の有効期間、証明書発行許諾の有無等の確認欄251〜260が設けられており、これらに対する申込内容を示す第1記憶手段の譲渡内容データが表示されて申込内容が確認できるようになっている。また、譲渡申込受付手段111は、取引データベース144を検索して、今回の譲渡申込に対応する譲受申込を先に受け付けているか否かを調べ、該当する譲受申込がある場合には、その譲受申込の内容を示すデータを譲受人の申込条件欄262に表示するようになっている。例えば、譲渡人氏名及び譲受人氏名のデータに基づいて譲渡人氏名及び譲受人氏名が一致し、且つ譲渡確認用フラグが譲渡申込未確認を示す値であると共に譲受確認用フラグが譲受申込確認済を示す値である取引テーブルとその取引識別番号を取引データベース144から取得して譲渡申込受付手段111の第2記憶手段に保持し、取得した取引テーブルの譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を譲受人の申込条件欄262に表示する構成としてもよい。
更には、第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に保持された譲渡申込における適正価格及び乖離率のデータに基づき、本日の適正価格、および売買価格の適正価格に対する乖離率がそれぞれ対応する確認欄263、264に表示される。また、譲渡申込内容確認画面250に表示された申込内容に従って譲渡申込を確定する場合に操作するための譲渡実行ボタン265と、譲渡申込をキャンセルする場合に操作するためのキャンセルボタン266が表示される。
図6に示す警告付き確認画面270は、図5の譲渡申込内容確認画面250に加えて、警告欄271が表示される。警告欄271には、たとえば、「ご指定の売買価格は適正価格から5%以上乖離しています。乖離率が大きい場合には、売買価格と適正価格との差額は贈与とみなされ、課税対象になるおそれがあります。上記を了承の上で譲渡申込を継続する場合は、譲渡実行ボタンを、申込をキャンセルする場合はキャンセルボタンを操作してください。」のような注意文言と、大きく「警告」の文字が表示される。
このように、譲渡申込受付手段111は、有価証券の適正価格の情報を顧客Aの端末装置210を介して顧客Aに通知する適正価格通知手段としての機能と、譲渡内容データにおける有価証券の譲渡価格が、有価証券の適正価格から一定以上乖離しているか否かを判定する処理を行う判定手段としての機能とを有しており、また、判定手段により一定以上乖離していると判定された場合に、一定以上乖離している旨の警告情報を顧客Aの端末装置210を介して顧客Aに通知する通知手段としての機能を有している。
譲渡申込人である顧客Aは、自己の端末装置210の譲渡申込内容確認画面上で、譲渡申込の内容や乖離率、あるいは警告の内容を確認した上で、譲渡申込の実行を希望する場合には、譲渡実行ボタン265を操作する。一方、申込内容に誤りがある場合や警告を確認することで、今回の譲渡申込をキャンセルする場合には、キャンセルボタン266を操作する(図3ステップS413)。
サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡実行ボタン265が操作されて取引内容を確認した旨の応答である譲渡申込確認データを顧客Aの端末装置210から受信した場合には(ステップS414;Y)、その受信日時を示すデータを譲渡申込受付日時を示すデータとして第1記憶手段に保持し、この譲渡申込みに係る第1記憶手段の譲渡内容データが示す取引内容と第2記憶手段の先行譲渡内容データが示す取引内容が同じか否かを判定し、同じであると判定した場合には当該先行譲渡内容データに係る取引テーブルの取引識別番号を用いて、取引データベース144の当該取引識別番号の取引テーブル及び第2記憶手段において、譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグを譲渡申込確認済を示す値にする処理と、譲渡申込確認データの受付日時を示すデータを譲渡申込日時データ格納フィールドに格納する処理と、第1記憶手段の譲渡申込みにおける適正価格及び乖離率を示すデータを対応する譲渡申込適正価格データ格納フィールド及び譲渡申込乖離率データ格納フィールドに格納する処理を行う。
一方、譲渡申込受付手段111は、第1記憶手段の譲渡内容データが示す取引内容と第2記憶手段の先行譲渡内容データが示す取引内容が同じでないと判定した場合には、当該譲渡申込に係る第1記憶手段の譲渡内容データ並びに譲渡申込における適正価格及び乖離率、譲渡申込確認データの受付日時を示すデータを取引データベース144の新規取引テーブルの譲渡内容データ格納フィールド、譲渡申込適正価格データ格納フィールド、譲渡申込乖離率データ格納フィールド、譲渡申込日時データ格納フィールドに格納すると共に、この取引テーブルの譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグを譲渡申込確認済を示す値に設定し、譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグを譲受未確認を示す値に設定し、振替状態判別用フラグ格納フィールドの振替状態判別用フラグを振替処理未完了を示す値に設定する処理を行う(ステップS415)。
次に、図示省略の譲渡申込受付完了画面のデータを申込人である顧客Aの端末装置210に送信する。これにより端末装置210には譲渡申込受付完了画面が表示され、申込受付の完了が顧客Aに通知される(ステップS417)。キャンセルされた場合には(ステップS414;N)、譲渡申込受付手段111は、第1記憶手段に保持された今回の譲渡申込の内容を示す譲渡内容データを、取引データベース144に格納することなく受付処理を終了する。なお、キャンセルされた場合には、第1記憶手段に保持された譲渡内容データと第2記憶手段に保持された先行譲渡内容データを消去する構成としてもよい。
譲受申込においては、各画面230、250、270の「譲渡」と「譲受」とを入れ替えた画面が表示される。そして、これらの画面を通じて図3に示したものと同様の手順で譲受申込の受付が行われるようになっている。例えば、以下のような手順で譲受申込の受付を行うようにしてもよい。
譲受申込人である顧客Bは、自己の端末装置220からインターネット201を介して有価証券転売支援装置100の有するサーバー110の譲受申込受付ページにアクセスする(ステップS401と同様)。サーバー110の譲受申込受付手段112は、譲受申込受付画面を表示するためのデータをアクセス元の端末装置220に送信する(ステップS402と同様)。このデータを端末装置220が受信して譲受申込受付画面が端末装置220に表示される(ステップS403と同様)。顧客Bは、この受付画面を通じて銘柄名、譲受数量、譲受価格(売買価格)、譲渡人氏名、譲渡人口座番号などのデータを入力して譲受申込を行う(ステップS404と同様)。
譲受申込においては、例えば図7に示すような譲受申込受付画面730が端末装置220に表示される。譲受申込受付画面730には、譲受対象の銘柄名、譲受数量、譲受価格(売買価格)、譲渡人氏名、譲渡人の寄託口座等の入力欄731〜735が設けてあり、それらの項目に関する入力が求められる。また当該申込の有効期間を指定するか否かを選択するための選択欄736や、指定する場合における有効期間の入力欄737が設けてある。また取引が成立した場合に、その取引内容を表した証明書の発行を許諾するか否かの選択欄738が設けてある。譲受申込受付画面730には、入力した申込内容をサーバー110へ送信する旨の操作を受け付けるための申込実行ボタン741と、前の画面に戻る旨の操作を受け付けるための戻りボタン742が設けてある。
顧客Bが必要な項目を譲受申込受付画面730に入力した後、申込実行ボタン741をクリック等して操作すると、入力された譲受申込の内容を示す譲渡内容データが、サーバー110へ送信される(ステップS405と同様)。サーバー110の譲受申込受付手段112は、譲受申込の内容を示す譲渡内容データを顧客Bの端末装置220から通信回線201を介して受信すると(ステップS406と同様)、譲渡内容データを譲受申込受付手段112の第1記憶手段(例えば内部メモリ)の取引テーブル記憶領域に保持し、譲渡内容データから銘柄名を示すデータを抽出し、抽出した譲受申込銘柄の現時点での適正価格を導出して第1記憶手段に譲受申込における適正価格として保持し、この譲受申込における適正価格と売買価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を求め、譲受申込みにおける乖離率を示すデータとして第1記憶手段に保持する(ステップS407と同様)。この第1記憶手段の取引テーブル記憶領域には、取引データベース144と同様に取引テーブルを記憶することができるようになっている。
また、譲受申込受付手段112は、端末装置220からの譲受申込に係る譲渡人氏名及び譲渡人寄託口座番号に基づき、顧客データベース141から譲渡人の資金口座番号及びメールアドレスを取得すると共に、顧客認証で既に認証済みである譲受人の氏名と寄託口座番号と資金口座番号とメールアドレスを顧客データベース141から取得し、取得した譲渡人の資金口座番号及びメールアドレスと譲受人の氏名、資金口座番号及び寄託口座番号並びにメールアドレスを譲渡内容データの一部として第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に保持する。なお、ホストコンピュータ130又はサーバー110に適正価格記憶手段を設けておき、有価証券転売支援装置100での取引の候補となる複数銘柄の適正価格と銘柄名を対応付けて適正価格記憶手段に登録しておき、譲受申込受付手段112が譲受申込みに係る銘柄名に基づいて当該銘柄の適正価格を適正価格記憶手段から取得すると共に第1記憶手段に譲受申込みにおける適正価格として保持し、この譲受申込における適正価格と売買価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を求める構成としてもよい。適正価格記憶手段を適正価格通知手段113に設けてもよい。
そして乖離率が一定以内(たとえば適正価格の5%以内)の場合には(ステップS408;Nと同様)、図8に示すような譲受申込内容確認画面750のデータを作成する(ステップS409と同様)。一方、売買価格が適正価格から一定以上乖離している場合には(ステップS408;Yと同様)、図9に示すような警告付きの譲受申込内容確認画面770のデータを作成し(ステップS410と同様)、作成した画面のデータを顧客端末220に送信する(ステップS411と同様)。これにより、譲受申込人である顧客Bの端末装置220に譲受申込内容確認画面750または警告付きの譲受申込内容確認画面770が表示される(ステップS412と同様)。
図8に示すように、譲受申込内容確認画面750には、取引対象となっている個人向け国債の銘柄名、譲受数、譲受価格、譲受人氏名、譲受人口座(資金口座)、譲渡人氏名、譲渡人口座(寄託口座)、契約有効期間の指定の有無、契約の有効期間、証明書発行許諾の有無等の確認欄751〜760が設けられており、これらに対する申込内容を示す第1記憶手段の譲渡内容データが表示されて申込内容が確認できるようになっている。また、譲受申込受付手段112は、取引データベース144を検索して、今回の譲受申込に対応する譲渡申込を先に受け付けているか否かを調べ、該当する譲渡申込がある場合には、その譲渡申込の内容を示すデータを譲渡人の申込条件欄762に表示するようになっている。例えば、譲渡人氏名及び譲受人氏名のデータに基づいて譲渡人氏名及び譲受人氏名が一致し、且つ譲渡確認用フラグが譲渡申込確認済を示す値であると共に譲受確認用フラグが譲受申込未確認を示す値である取引テーブルとその取引識別番号を取引データベース144から取得して譲受申込受付手段112の第2記憶手段に保持し、取得した取引テーブルの譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を譲渡人の申込条件欄762に表示する構成としてもよい。
更には、第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に保持された譲受申込における適正価格及び乖離率を示すデータに基づいて、本日の適正価格、および売買価格の適正価格に対する乖離率がそれぞれ対応する確認欄763、764に表示される。また、譲受申込内容確認画面750に表示された申込内容に従って譲受申込を確定する場合に操作するための譲受実行ボタン765と、譲受申込をキャンセルする場合に操作するためのキャンセルボタン766が表示される。
図9に示す警告付き確認画面770は、図8の譲受申込内容確認画面750に加えて、警告欄771が表示される。警告欄771には、たとえば、「ご指定の売買価格は適正価格から5%以上乖離しています。乖離率が大きい場合には、売買価格と適正価格との差額は贈与とみなされ、課税対象になるおそれがあります。上記を了承の上で譲受申込を継続する場合は、譲受実行ボタンを、申込をキャンセルする場合はキャンセルボタンを操作してください。」のような注意文言と、大きく「警告」の文字が表示される。
このように、譲受申込受付手段112は、有価証券の適正価格の情報を顧客Bの端末装置220を介して顧客Bに通知する適正価格通知手段としての機能と、譲渡内容データにおける有価証券の譲受価格(売買価格)が、有価証券の適正価格から一定以上乖離しているか否かを判定する処理を行う判定手段としての機能とを有しており、また、判定手段により一定以上乖離していると判定された場合に、一定以上乖離している旨の警告情報を顧客Bの端末装置220を介して顧客Bに通知する通知手段としての機能を有している。
譲受申込人である顧客Bは、自己の端末装置220の譲受申込内容確認画面上で、譲受申込の内容や乖離率、あるいは警告の内容を確認した上で、譲受申込の実行を希望する場合には、譲受実行ボタン765を操作する。一方、申込内容に誤りがある場合や警告を確認することで、今回の譲受申込をキャンセルする場合には、キャンセルボタン766を操作する(図3ステップS413と同様)。
サーバー110の譲受申込受付手段112は、譲受実行ボタン765が操作されて取引内容を確認した旨の応答である譲受申込確認データを顧客Bの端末装置220から受信した場合には(ステップS414;Yと同様)、その受信日時を示すデータを譲受申込受付日時を示すデータとして第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に保持し、この譲受申込みに係る第1記憶手段の譲渡内容データが示す取引内容と第2記憶手段の先行譲渡内容データが示す取引内容が同じか否かを判定し、同じであると判定した場合には当該先行譲渡内容データに係る取引テーブルの取引識別番号を用いて、取引データベース144の当該取引識別番号の取引テーブル及び第2記憶手段において、譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグを譲受申込確認済を示す値にする処理と、譲受申込確認データの受付日時を示すデータを譲渡申込日時データ格納フィールドに格納する処理と、第1記憶手段の譲受申込みにおける適正価格及び乖離率を示すデータを対応する譲受申込適正価格データ格納フィールド及び譲受申込乖離率データ格納フィールドに格納する処理を行う。
一方、譲受申込受付手段112は、第1記憶手段の譲渡内容データが示す取引内容と第2記憶手段の先行譲渡内容データが示す取引内容が同じでないと判定した場合には、当該譲受申込に係る第1記憶手段の譲渡内容データ並びに譲受申込みにおける適正価格及び乖離率、譲渡申込確認データの受付日時を示すデータを取引データベース144の新規取引テーブルの譲渡内容データ格納フィールド、譲受申込適正価格データ格納フィールド、譲受申込乖離率データ格納フィールド、譲受申込日時データ格納フィールドに格納すると共に、この取引テーブルの譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグを譲受申込確認済を示す値に設定し、譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグを譲渡申込未確認を示す値に設定し、振替状態判別用フラグ格納フィールドの振替状態判別用フラグを振替処理未完了を示す値に設定する処理を行う(ステップS415と同様)。
そして、図示省略の譲受申込受付完了画面のデータを申込人である顧客Bの端末装置220に送信する。これにより端末装置220には譲受申込受付完了画面が表示され、申込受付の完了が顧客Bに通知される(ステップS417と同様)。キャンセルされた場合には(ステップS414;Nと同様)、譲受申込受付手段112は、第1記憶手段に保持された今回の譲受申込の内容を示す譲渡内容データを、取引データベース144に格納することなく受付処理を終了する。なお、キャンセルされた場合には、第1記憶手段に保持された譲渡内容データと第2記憶手段に保持された先行譲渡内容データを消去する構成としてもよい。
図2に戻って説明を続ける。上述したように、譲渡申込もしくは譲受申込を受け付けると、約定成立確認手段114の機能を有する譲渡申込受付手段111もしくは約定成立確認手段114の機能を有する譲受申込受付手段112は、対応する譲渡申込に係る譲渡内容データと譲受申込に係る譲渡内容データとを照合して、取引内容が一致しているか否かを判断する(ステップS303)。例えば、第1記憶手段に保持する今回の譲渡内容データと取引データベース144から取得して第2記憶手段に保持する先行譲渡内容データについて、譲渡人氏名及び譲受人氏名のペアの一致、銘柄名の一致、取引数量である譲渡数量と譲受数量の一致、売買価格である譲渡価格と譲受価格の一致等を判断する。また譲受人の資金口座の残高データを資金口座データベース142から取得して資金口座残高が売買価格(取引申込金額)以上か否かのチェックを行い、譲渡人の寄託口座の残高データを寄託口座データベース143から取得して寄託口座残高に取引対象の銘柄の有価証券が必要数量登録されているか否かのチェックを行う。
譲渡申込と譲受申込の取引内容が一致し且つ資金等が不足していないと判断すると(ステップS303;Y)、有効期間の条件を満たす場合に、約定成立確認手段114は、その取引内容に従って、譲受人である顧客Bの資金口座から譲渡人である顧客Aの資金口座へ売買代金相当額の受渡代金の資金を振り替える旨の資金振替処理依頼をホストコンピュータ130の資金振替手段131に対して行う。資金振替手段131は、この処理依頼に従って顧客Bの資金口座から売買代金相当額の受渡代金の資金を顧客Aの資金口座に振り込む処理を行う(ステップS304)。また約定成立確認手段114は、上記取引内容に従って、譲渡人である顧客Aの寄託口座から譲受人である顧客Bの寄託口座へ指定銘柄の譲渡数量(取引数量)相当数の有価証券を振り替える旨の証券振替処理依頼をホストコンピュータ130の有価証券振替手段132に対して行う。有価証券振替手段132は、この処理依頼に従って有価証券の名義を顧客Aから顧客Bに書き換える振替処理を行う(ステップS305)。
例えば、約定成立確認手段114及び有効期間管理手段116としての機能を有する譲渡申込受付手段111が、譲渡申込と譲受申込の取引内容が一致し且つ資金等が不足していないと判断すると(ステップS303;Y)、第2記憶手段の取引テーブルにおける譲渡申込受付日時と譲受申込受付日時の時間間隔が有効期間の長さ以下であるか否かを判定し、有効期間の長さ以下であると判定したときに振替許可信号を生成し、譲渡申込受付手段111は、その取引内容に従って、譲受人である顧客Bの資金口座から譲渡人である顧客Aの資金口座へ売買代金相当額の受渡代金の資金を振り替える旨の資金振替処理依頼を振替許可信号と共にホストコンピュータ130の資金振替手段131に対して行う。資金振替手段131はこの処理依頼と振替許可信号に従って顧客Bの資金口座から売買代金相当額の受渡代金の資金を顧客Aの資金口座に振り込む処理を行う(ステップS304)。また譲渡申込受付手段111は、上記取引内容に従って、譲渡人である顧客Aの寄託口座から譲受人である顧客Bの寄託口座へ指定銘柄の譲渡数量(取引数量)相当数の有価証券を振り替える旨の証券振替処理依頼を振替許可信号と共にホストコンピュータ130の有価証券振替手段132に対して行う。有価証券振替手段132は、この処理依頼と振替許可信号に従って該当する有価証券(例えば個人向け国債)の名義を顧客Aから顧客Bに書き換える振替処理を行う(ステップS305)。
例えば、約定成立確認手段114及び有効期間管理手段116としての機能を有する譲受申込受付手段112が、譲渡申込と譲受申込の取引内容が一致し且つ資金等が不足していないと判断すると(ステップS303;Y)、第2記憶手段の取引テーブルにおける譲渡申込受付日時と譲受申込受付日時の時間間隔が有効期間の長さ以下であるときに振替許可信号を生成し、譲受申込受付手段112は、その取引内容に従って、譲受人である顧客Bの資金口座から譲渡人である顧客Aの資金口座へ売買代金相当額の受渡代金の資金を振り替える旨の資金振替処理依頼を振替許可信号と共にホストコンピュータ130の資金振替手段131に対して行う。資金振替手段131はこの処理依頼と振替許可信号に従って顧客Bの資金口座から売買代金相当額の受渡代金の資金を顧客Aの資金口座に振り込む処理を行う(ステップS304)。また譲受申込受付手段112は、上記取引内容に従って、譲渡人である顧客Aの寄託口座から譲受人である顧客Bの寄託口座へ指定銘柄の譲渡数量(取引数量)相当数の有価証券を振り替える旨の証券振替処理依頼を振替許可信号と共にホストコンピュータ130の有価証券振替手段132に対して行う。有価証券振替手段132は、この処理依頼及び振替許可信号に従って該当する有価証券(例えば個人向け国債)の名義を顧客Aから顧客Bに書き換える振替処理を行う(ステップS305)。
一例として、有効期間管理手段116の機能を有する約定成立確認手段114は、譲渡申込と譲受申込の内容が一致し且つ資金等が不足していないと判断した場合に、第2記憶手段の取引テーブルにおける譲渡申込受付日時と譲受申込受付日時の時間間隔が有効期間の長さ以下であるときに振替許可信号を生成し、第2記憶手段の先行譲渡内容データとその取引識別番号と振替許可信号を資金振替手段131及び有価証券振替手段132に送る構成としてもよい。資金振替手段131は、第2記憶手段に記憶された取引データベース144の当該取引識別番号の先行譲渡内容データ及び振替許可信号に基づいて顧客Bの資金口座に売買価格相当額の受渡代金の資金を減額記帳する記帳処理を行うと共に、顧客Aの資金口座に売買価格相当額の受渡代金の資金を増額記帳する記帳処理を行い、有価証券振替手段132は、第2記憶手段に記憶された取引データベース144の当該取引識別番号の先行譲渡内容データ及び振替許可信号に基づいて顧客Aの寄託口座に取引数量相当数の有価証券を減額記帳する記帳処理を行うと共に、顧客Bの寄託口座に取引数量相当数の有価証券を増額記帳する記帳処理を行う構成としてもよい。この資金振替手段131と有価証券振替手段132からなる振替手段は、有価証券の口座振替とその代金の口座振替が完了すると、当該先行譲渡内容データに係る取引識別番号を用いて、取引データベース144の当該取引識別番号の取引テーブルにおいて、振替状態判別用フラグ格納フィールドの振替状態判別用フラグを振替処理完了を示す値に変化させる処理を行うと共に、振替処理を行った取引日時を示すデータを取引日時データ格納フィールドに格納する処理を行い、振替処理完了を示す信号とその取引識別番号を示す信号を証明書発行手段115に送る処理を行う。
このようにして資金と有価証券の振替処理が行われて取引が完了すると、譲渡内容データに係る振替状態判別用フラグが振替処理完了を示す値に変更され、証明書発行手段115は、振替処理完了を示す信号と取引識別番号を示す信号に基づいて、振替状態判別用フラグが振替処理完了を示す値に変更された当該取引識別番号の取引テーブルを取引データベース144から取得し、証明書発行許諾データ格納フィールドの証明書発行許諾の有無を示すデータが許諾有りを示す値である場合に、当該取引テーブルの譲渡内容データが示す取引内容に関して、売買の事実および売買価格などを証明するための証明書を譲渡人である顧客Aと譲受人である顧客Bのそれぞれに交付する(ステップS306)。この証明書発行手段115は、電子書面からなる証明書(電子証明書)を、当該取引識別番号の取引テーブルにおける譲渡人メールアドレス及び譲受人メールアドレスに基づき、顧客A,Bの端末装置210,220に電子メールで一斉送信する処理を行う。但し、顧客が望む場合には、紙製の証明書を印刷出力する構成とし、この印刷物を郵便や宅配便等により当該顧客に送付するようにしてもよい。
なお、申込後の有効期間内に、相手方からの一致する申込が確認されない場合には、その旨の情報が申込人の端末装置への電子メールにより申込人に通知される。この際、相手方による申込自体が行われなかったのか、売買条件が不一致のため取引が成立しなかったのか等の詳細情報を報告するようにするとよい。より詳細には、売買条件の不一致箇所を報告したり、両者の売買条件を対比して報告してもよい。また取引が成立した場合には、取引完了の報告が行われる。なお、取引完了後に証明書の交付が行われる場合には、取引完了の報告を省略するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態1を図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
<実施形態2>
上記実施形態1では、譲渡人Aが譲渡申込時に譲渡内容データを譲渡申込受付画面230に入力し、譲受人Bが譲受申込時に譲渡内容データを譲受申込受付画面730に入力する構成としており、譲渡人Aと譲受人Bの双方に譲渡内容データの入力負担が生じることになる。そこで、実施形態2では、譲受人Bが譲渡人Aよりも先に譲渡内容データを入力して申込みを行っていた場合には、当該譲渡内容データが予め入力欄にセットされた譲渡申込受付画面230を端末装置210に表示させる構成とし、譲渡人Aが譲渡内容データを入力する手間を省くことができるようにしてもよい。同様にして、譲渡人Aが譲受人Bよりも先に譲渡内容データを入力して申込みを行っていた場合には、当該譲渡内容データが予め入力欄にセットされた譲受申込受付画面730を端末装置220に表示させる構成とし、譲受人Bが譲渡内容データを入力する手間を省くことができるようにしてもよい。
例えば、譲渡人(譲渡申込人)Aは、自己の端末装置210からインターネット201を介して有価証券転売支援装置100の有するサーバー110の譲渡申込受付ページにアクセスすると、サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡申込受付画面を表示するためのデータをアクセス元の端末装置210に送信する。このときサーバー110は、譲渡人Aによる端末装置210からのアクセスを検出すると、譲渡人Aへの譲受申込みに係る譲渡内容データであって譲渡確認用フラグが譲渡申込未確認を示す値であると共に譲受確認用フラグが譲受申込確認済を示す値である譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を取引データベース144から取得し、この先行譲渡内容データを含む譲渡申込受付画面のデータを端末装置210に送信する構成としてもよい。具体的には、取引データベース144の取引テーブルのうち、譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグが譲渡申込未確認を示す値であると共に譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグが譲受申込確認済を示す値であって、譲渡内容データ格納フィールドの譲渡人氏名格納フィールドの譲渡人氏名を示すデータが譲渡人Aを示す取引テーブルとその取引識別番号を取得し、当該取引テーブルから譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を抽出して取得し、この先行譲渡内容データを含む譲渡申込受付画面のデータを顧客端末210に送信する構成としてもよい。この受付画面のデータを端末装置210が受信して譲渡申込受付画面230が端末装置210に表示される。
この譲渡申込受付画面230では、銘柄名の入力欄231には先行譲渡内容データに含まれる銘柄名のデータに基づいて当該銘柄名がセットされて表示されており、譲渡数の入力欄232には先行譲渡内容データに含まれる取引数量のデータに基づいて当該取引数量がセットされて表示されており、譲渡価格の入力欄233には先行譲渡内容データに含まれる売買価格のデータに基づいて当該売買価格がセットされて表示されており、譲受人氏名の入力欄234には先行譲渡内容データに含まれる譲受人氏名のデータに基づいて当該譲受人氏名がセットされて表示されており、譲受人口座の入力欄235には先行譲渡内容データに含まれる譲受人寄託口座番号のデータに基づいて当該譲受人寄託口座番号がセットされて表示されており、契約有効期間の指定欄236には先行譲渡内容データに含まれる有効期間のデータ内における指定の有無を示すデータに基づいて当該有効期間の指定の有無がセットされて表示されており、有効期間の入力欄237には先行譲渡内容データに含まれる有効期間のデータに基づいて当該有効期間がセットされて表示されており、証明書発行許諾の有無の入力欄238には先行譲渡内容データに含まれる証明書発行許諾の有無を示すデータに基づいて当該証明書発行許諾の有無がセットされて表示されている。
端末装置210を使用する顧客Aは、譲渡内容データが予めセットされた譲渡内容受付画面230により、銘柄名、譲渡数量、譲渡価格(売買価格)、譲受人氏名、譲受人口座番号などの譲渡内容データを、申込実行ボタン241を操作するのみで、端末装置210からサーバー110へ送信することができる。
例えば、譲受人Bは、自己の端末装置220からインターネット201を介して有価証券転売支援装置100の有するサーバー110の譲受申込受付ページにアクセスすると、サーバー110の譲受申込受付手段112は、譲受申込受付画面を表示するためのデータをアクセス元の端末装置220に送信する。このときサーバー110は、譲受人Bによる端末装置220からのアクセスを検出すると、譲受人Bへの譲渡申込みに係る譲渡内容データであって譲渡確認用フラグが譲渡確認済を示す値であると共に譲受確認用フラグが譲受申込未確認を示す値である譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を取引データベース144から取得してこの先行譲渡内容データを含む譲受申込受付画面730のデータを端末装置220に送信する構成としてもよい。具体的には、取引データベース144の取引テーブルのうち、譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグが譲受申込未確認を示す値であると共に譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグが譲渡申込確認済を示す値であって、譲渡内容データ格納フィールドの譲受人氏名格納フィールドの譲受人氏名を示すデータが譲受人Bを示す取引テーブルとその取引識別番号を取得し、当該取引テーブルから譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を抽出して取得し、この先行譲渡内容データを含む譲受申込受付画面のデータを顧客端末220に送信する構成としてもよい。この受付画面のデータを端末装置220が受信して譲受申込受付画面730が端末装置220に表示される。
この譲受申込受付画面730では、銘柄名の入力欄731には先行譲渡内容データに含まれる銘柄名のデータに基づいて当該銘柄名がセットされて表示されており、譲受数の入力欄732には先行譲渡内容データに含まれる取引数量のデータに基づいて当該取引数量がセットされて表示されており、譲受価格の入力欄733には先行譲渡内容データに含まれる売買価格のデータに基づいて当該売買価格がセットされて表示されており、譲渡人氏名の入力欄734には先行譲渡内容データに含まれる譲渡人氏名のデータに基づいて当該譲渡人氏名がセットされて表示されており、譲渡人口座の入力欄735には先行譲渡内容データに含まれる譲渡人寄託口座番号のデータに基づいて当該譲渡人寄託口座番号がセットされて表示されており、契約有効期間の指定欄736には先行譲渡内容データに含まれる有効期間のデータ内における指定の有無を示すデータに基づいて当該有効期間の指定の有無がセットされて表示されており、有効期間の入力欄737には先行譲渡内容データに含まれる有効期間のデータに基づいて当該有効期間がセットされて表示されており、証明書発行許諾の有無の入力欄738には先行譲渡内容データに含まれる証明書発行許諾の有無を示すデータに基づいて当該証明書発行許諾の有無がセットされて表示されている。
端末装置220を使用する顧客Bは、譲渡内容データが予めセットされた譲受内容受付画面730により、銘柄名、譲受数量、譲受価格(売買価格)、譲渡人氏名、譲渡人口座番号などの譲渡内容データを、申込実行ボタン741を操作するのみで、端末装置220からサーバー110へ送信することができる。
<実施形態3>
上記実施形態2では、譲受人Bが譲渡人Aよりも先に譲渡内容データを入力して申込みを行っていた場合には、当該譲渡内容データが予め入力欄にセットされた譲渡申込受付画面230が端末装置210に表示される。当該表示画面の申込実行ボタン241を操作することで、結果的には先に入力された譲渡内容データがセットされた譲渡申込内容確認画面が端末装置210に表示されるが、申込実行ボタン241を操作する手間が生じることになる。そこで、譲受人Bが譲渡人Aよりも先に譲渡内容データを入力して申込みを行っていた場合には、譲渡申込受付画面230を表示せずに、当該譲渡内容データが予め確認欄にセットされた譲渡申込内容確認画面250を端末装置210に表示させる構成とし、譲渡人Aが譲渡内容データを入力する手間と申込実行ボタン241を操作する手間を省くことができるようにしてもよい。同様にして、譲渡人Aが譲受人Bよりも先に譲渡内容データを入力して申込みを行っていた場合には、譲受申込受付画面730を表示せずに、当該譲渡内容データが予め確認欄にセットされた譲受申込内容確認画面750を端末装置220に表示させる構成とし、譲受人Bが譲渡内容データを入力する手間と申込実行ボタン741を操作する手間を省くことができるようにしてもよい。
以下、実施形態3について、顧客の端末装置210から譲渡申込みの確認を受け付ける際の手順を例示して説明する。譲渡人Aから有価証券を所定金額で譲受人Bが譲り受ける取引内容を示す譲渡内容データは、譲受人Bが端末装置220から入力して譲受申込受付手段112に既に受け付けられており、取引データベース144に格納されているものとする。
譲渡人(譲渡申込人)である顧客Aは、自己の端末装置210からインターネット201を介して有価証券転売支援装置100の有するサーバー110の譲渡申込受付ページにアクセスする(ステップS401と同様)。サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡申込内容確認画面を表示するためのデータをアクセス元の端末装置210に送信する(ステップS411と同様)。
このときサーバー110は、譲渡人Aによる端末装置210からのアクセスを検出すると、サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡人Aへの譲受申込みに係る譲渡内容データであって譲渡確認用フラグが譲渡申込未確認を示す値であると共に譲受確認用フラグが譲受申込確認済を示す値である譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を取引データベース144から取得して第2記憶手段の取引テーブル記憶領域に保持し、その先行譲渡内容データに含まれる銘柄名を示すデータに基づき、当該銘柄の現時点での適正価格を導出して第2記憶手段に譲渡申込みにおける適正価格として保持し、この先行譲渡内容データに含まれる売買価格を示すデータに基づいて当該売買価格と適正価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を求め、譲渡申込みにおける乖離率を示すデータとして第2記憶手段に保持する。具体的には、取引データベース144の取引テーブルのうち、譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグが譲渡申込未確認を示す値であると共に譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグが譲受申込確認済を示す値であって、譲渡内容データ格納フィールドの譲渡人氏名格納フィールドの譲渡人氏名を示すデータが譲渡人Aを示す取引テーブルとその取引識別番号を取得して第2記憶手段に保持し、当該取引テーブルから譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を抽出することができる構成としてもよい。
なお、ホストコンピュータ130又はサーバー110に適正価格記憶手段を設けておき、有価証券転売支援装置100での取引の候補となる複数銘柄の適正価格と銘柄名を対応付けて適正価格記憶手段に登録しておき、譲渡申込受付手段111が先行譲渡内容データに含まれる銘柄名を示すデータに基づいて当該銘柄の適正価格のデータを適正価格記憶手段から取得すると共に第2記憶手段に譲渡申込みにおける適正価格として保持し、この適正価格と売買価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を求め、第2記憶手段に譲渡申込みにおける乖離率を示すデータとして保持する構成としてもよい。
そして、譲渡申込受付手段111は、この先行譲渡内容データを含む譲渡申込内容確認画面のデータを端末装置210に送信する構成としてもよい。この確認画面のデータを端末装置210が受信して譲渡申込内容確認画面250が端末装置210に表示される。
この譲渡申込内容確認画面250では、銘柄名の確認欄251には先行譲渡内容データに含まれる銘柄名のデータに基づいて当該銘柄名がセットされて表示されており、譲渡数の確認欄252には先行譲渡内容データに含まれる取引数量のデータに基づいて当該取引数量がセットされて表示されており、譲渡価格の確認欄253には先行譲渡内容データに含まれる売買価格のデータに基づいて当該売買価格がセットされて表示されており、譲渡人氏名の確認欄254には先行譲渡内容データに含まれる譲渡人氏名のデータに基づいて当該譲渡人氏名がセットされて表示されており、譲渡人口座の確認欄255には先行譲渡内容データに含まれる譲渡人資金口座番号のデータに基づいて当該譲渡人資金口座番号がセットされて表示されており、譲受人氏名の確認欄256には先行譲渡内容データに含まれる譲受人氏名のデータに基づいて当該譲受人氏名がセットされて表示されており、譲受人口座の確認欄257には先行譲渡内容データに含まれる譲受人寄託口座番号のデータに基づいて当該譲受人寄託口座番号がセットされて表示されており、契約有効期間の確認欄258には先行譲渡内容データに含まれる有効期間のデータ内における指定の有無を示すデータに基づいて当該有効期間の指定の有無がセットされて表示されており、有効期間の確認欄259には先行譲渡内容データに含まれる有効期間のデータに基づいて当該有効期間がセットされて表示されており、証明書発行許諾の有無の確認欄260には先行譲渡内容データに含まれる証明書発行許諾の有無を示すデータに基づいて当該証明書発行許諾の有無がセットされて表示されており、本日の適正価格の確認欄263には譲渡申込受付手段111の第2記憶手段に譲渡申込みにおける適正価格として保持された適正価格のデータに基づいて当該適正価格がセットされて表示されており、譲渡価格の乖離率の確認欄264には譲渡申込受付手段111で売買価格と適正価格とを比較して求められた売買価格の適正価格に対する乖離率がセットされて表示されている。また、譲渡申込内容確認画面250に表示された申込内容に従って譲渡申込を確定する場合に操作するための譲渡実行ボタン265と、譲渡申込をキャンセルする場合に操作するためのキャンセルボタン266が表示される。
端末装置210を使用する顧客Aは、先行譲渡内容データが予めセットされた譲渡申込内容確認画面250により、銘柄名、譲渡数量、譲渡価格(売買価格)、譲渡人氏名、譲渡人口座番号、譲受人氏名、譲受人口座番号などの譲渡内容データを確認したことを示す譲渡申込確認データを、譲渡実行ボタン265を操作することで、端末装置210からサーバー110へ送信することができる。
なお、乖離率が一定以内(たとえば適正価格の5%以内)の場合には(ステップS408;Nに相当)、図5に示すような譲渡申込内容確認画面250の確認欄に先行譲渡内容データがセットされて表示されるデータを作成し(ステップS409に相当)、一方、売買価格が適正価格から一定以上乖離している場合には、図6に示すような警告付きの譲渡申込内容確認画面270の確認欄に先行譲渡内容データがセットされて表示されるデータを作成し(ステップS410に相当)、作成した確認画面のデータを顧客端末210に送信する(ステップS411に相当)。これにより、譲渡申込人である顧客Aの端末装置210に譲渡申込内容確認画面250または警告付きの譲渡申込内容確認画面270が表示される(ステップS412に相当)。
譲渡申込の申込人である顧客Aは、自己の端末装置210の譲渡申込内容確認画面上で、譲渡申込の内容や乖離率、あるいは警告の内容を確認した上で、譲渡申込の実行を希望する場合には、譲渡実行ボタン265を操作する。一方、申込内容に誤りがある場合や警告を確認することで、今回の譲渡申込をキャンセルする場合には、キャンセルボタン266を操作する(図3ステップS413に相当)。
サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡実行ボタン265が操作されて取引内容を確認した旨の応答である譲渡申込確認データを顧客Aの端末装置210から受信した場合には(ステップS414;Yに相当)、その受信日時を示すデータを譲渡申込受付日時を示すデータとして第2記憶手段に記憶し、当該先行譲渡内容データに係る取引テーブルの取引識別番号を用いて、取引データベース144の当該取引識別番号の取引テーブルにおいて、譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグを譲渡申込確認済を示す値にする処理と、譲渡申込確認データの受付日時を示すデータを譲渡申込日時データ格納フィールドに格納する処理と、第2記憶手段の譲渡申込みにおける適正価格及び乖離率を示すデータを対応する譲渡申込適正価格データ格納フィールド及び譲渡申込乖離率データ格納フィールドに格納する処理を行う。
次に、図示省略の譲渡申込受付完了画面のデータを申込人である顧客Aの端末装置210に送信する。これにより端末装置210には譲渡申込受付完了画面が表示され、申込受付の完了が顧客Aに通知される(ステップS417に相当)。キャンセルされた場合には(ステップS414;Nに相当)、譲渡申込受付手段111は、受付処理を終了する。なお、キャンセルされた場合には、第2記憶手段に保持された先行譲渡内容データを消去する構成としてもよい。
譲受申込においては、各確認画面750、770の「譲渡」と「譲受」とを入れ替えた画面が表示される。そして、これらの画面を通じて図3に示したものと同様の手順で譲受申込確認の受付が行われるようになっている。例えば、以下のような手順で譲受申込確認の受付を行うようにしてもよい。
譲受人(譲受申込人)である顧客Bは、自己の端末装置220からインターネット201を介して有価証券転売支援装置100の有するサーバー110の譲受申込受付ページにアクセスする(ステップS401と同様)。サーバー110の譲受申込受付手段112は、譲受申込受付画面を表示するためのデータをアクセス元の端末装置220に送信する(ステップS411と同様)。
このときサーバー110は、譲受人Bによる端末装置220からのアクセスを検出すると、サーバー110の譲受申込受付手段112は、譲受人Bへの譲渡申込みに係る譲渡内容データであって譲受確認用フラグが譲受申込未確認を示す値であると共に譲渡確認用フラグが譲渡申込確認済を示す値である譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を取引データベース144から取得して第2記憶手段に保持し、その先行譲渡内容データに含まれる銘柄名を示すデータに基づき、当該銘柄の現時点での適正価格を導出して第2記憶手段に譲受申込みにおける適正価格として保持し、この先行譲渡内容データに含まれる売買価格を示すデータに基づいて当該売買価格と適正価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を求め、譲受申込みにおける乖離率を示すデータとして第2記憶手段に保持する。具体的には、取引データベース144の取引テーブルのうち、譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグが譲受申込未確認を示す値であると共に譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグが譲渡申込確認済を示す値であって、譲渡内容データ格納フィールドの譲受人氏名格納フィールドの譲受人氏名を示すデータが譲受人Bを示す取引テーブルとその取引識別番号を取得して第2記憶手段に保持し、当該取引テーブルから譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を抽出することができる構成としてもよい。
なお、ホストコンピュータ130又はサーバー110に適正価格記憶手段を設けておき、有価証券転売支援装置100での取引の候補となる複数銘柄の適正価格と銘柄名を対応付けて適正価格記憶手段に登録しておき、譲受申込受付手段112が先行譲渡内容データに含まれる銘柄名を示すデータに基づいて当該銘柄の適正価格のデータを適正価格記憶手段から取得すると共に第2記憶手段に譲受申込みにおける適正価格として保持し、この適正価格と売買価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を求める構成としてもよい。
そして、譲受申込受付手段112は、この先行譲渡内容データを含む譲受申込内容確認画面のデータを端末装置220に送信する構成としてもよい。この確認画面のデータを端末装置220が受信して譲受申込内容確認画面750が端末装置220に表示される。
この譲受申込内容確認画面750では、銘柄名の確認欄751には先行譲渡内容データに含まれる銘柄名のデータに基づいて当該銘柄名がセットされて表示されており、譲受数の確認欄752には先行譲渡内容データに含まれる取引数量のデータに基づいて当該取引数量がセットされて表示されており、譲受価格の確認欄753には先行譲渡内容データに含まれる売買価格のデータに基づいて当該売買価格がセットされて表示されており、譲受人氏名の確認欄754には先行譲渡内容データに含まれる譲受人氏名のデータに基づいて当該譲受人氏名がセットされて表示されており、譲受人口座の確認欄755には先行譲渡内容データに含まれる譲受人資金口座番号のデータに基づいて当該譲受人資金口座番号がセットされて表示されており、譲渡人氏名の確認欄756には先行譲渡内容データに含まれる譲渡人氏名のデータに基づいて当該譲渡人氏名がセットされて表示されており、譲渡人口座の確認欄757には先行譲渡内容データに含まれる譲渡人寄託口座番号のデータに基づいて当該譲渡人寄託口座番号がセットされて表示されており、契約有効期間の確認欄758には先行譲渡内容データに含まれる有効期間のデータ内における指定の有無を示すデータに基づいて当該有効期間の指定の有無がセットされて表示されており、有効期間の確認欄759には先行譲渡内容データに含まれる有効期間のデータに基づいて当該有効期間がセットされて表示されており、証明書発行許諾の有無の確認欄760には先行譲渡内容データに含まれる証明書発行許諾の有無を示すデータに基づいて当該証明書発行許諾の有無がセットされて表示されており、本日の適正価格の確認欄763には譲受申込受付手段112の第2記憶手段に譲受申込みにおける適正価格として保持された適正価格のデータに基づいて当該適正価格がセットされて表示されており、譲受価格の乖離率の確認欄764には譲受申込受付手段112で売買価格と適正価格とを比較して求められた売買価格の適正価格に対する乖離率がセットされて表示されている。また、譲受申込内容確認画面750に表示された申込内容に従って譲受申込を確定する場合に操作するための譲受実行ボタン765と、譲受申込をキャンセルする場合に操作するためのキャンセルボタン766が表示される。
端末装置220を使用する顧客Bは、先行譲渡内容データが予めセットされた譲受申込内容確認画面750により、銘柄名、譲受数量、譲受価格(売買価格)、譲受人氏名、譲受人口座番号、譲渡人氏名、譲渡人口座番号などの譲渡内容データを確認したことを示す譲受申込確認データを、譲受実行ボタン765を操作することで、端末装置220からサーバー110へ送信することができる。
なお、乖離率が一定以内(たとえば適正価格の5%以内)の場合には(ステップS408;Nと同様)、図8に示すような譲受申込内容確認画面750の確認欄に先行譲渡内容データがセットされて表示されるデータを作成し(ステップS409と同様)、一方、売買価格が適正価格から一定以上乖離している場合には、図9に示すような警告付きの譲受申込内容確認画面770の確認欄に先行譲渡内容データがセットされて表示されるデータを作成し(ステップS410と同様)、作成した確認画面のデータを顧客端末220に送信する(ステップS411と同様)。これにより、譲受申込人である顧客Bの端末装置220に譲受申込内容確認画面750または警告付きの譲受申込内容確認画面770が表示される(ステップS412と同様)。
譲受申込の申込人である顧客Bは、自己の端末装置220の譲受申込内容確認画面上で、譲受申込の内容や乖離率、あるいは警告の内容を確認した上で、譲受申込の実行を希望する場合には、譲受実行ボタン765を操作する。一方、申込内容に誤りがある場合や警告を確認することで、今回の譲受申込をキャンセルする場合には、キャンセルボタン766を操作する(図3ステップS413と同様)。
サーバー110の譲受申込受付手段112は、譲受実行ボタン765が操作されて取引内容を確認した旨の応答である譲受申込確認データを顧客Bの端末装置220から受信した場合には(ステップS414;Yと同様)、その受信日時を示すデータを譲受申込受付日時を示すデータとして第2記憶手段に保持し、当該先行譲渡内容データに係る取引テーブルの取引識別番号を用いて、取引データベース144の当該取引識別番号の取引テーブルにおいて、譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグを譲受申込確認済を示す値にする処理と、譲受申込確認データの受付日時を示すデータを譲受申込日時データ格納フィールドに格納する処理と、第2記憶手段の譲受申込みにおける適正価格及び乖離率を示すデータを対応する譲受申込適正価格データ格納フィールド及び譲受申込乖離率データ格納フィールドに格納する処理を行う。
次に、図示省略の譲受申込受付完了画面のデータを申込人である顧客Bの端末装置220に送信する。これにより端末装置220には譲受申込受付完了画面が表示され、申込受付の完了が顧客Bに通知される(ステップS417に相当)。キャンセルされた場合には(ステップS414;Nに相当)、譲受申込受付手段112は、受付処理を終了する。なお、キャンセルされた場合には、第2記憶手段に保持された先行譲渡内容データを消去する構成としてもよい。
<実施形態4>
上記実施形態1では、1名の譲渡人が複数名の譲受人に有価証券を譲渡する場合に、複数の譲受人に対応して譲渡内容データを複数回入力して譲渡申込確認データを複数回入力する構成としている。そこで、実施形態4として、保有者が有価証券を複数の特定者へ譲渡する取引内容を確認した旨の一の譲渡申込確認データを入力し、当該一の譲渡申込確認データを譲渡申込受付手段111が受け付ける構成としてもよい。
この一括譲渡申込みを行う際の流れを以下に例示して説明する。譲渡人である顧客Aは、自己の端末装置210からインターネット201を介して有価証券転売支援装置100の有するサーバー110の譲渡申込受付ページにアクセスする(ステップS401と同様)。この譲渡申込受付ページには、複数人に対して有価証券を一括譲渡する場合や複数銘柄を一括譲渡する場合に利用できるコーナーが設けてあり、このコーナーに進むための一括取引用ボタンを譲渡申込受付ページ上で顧客Aがクリック操作することで、サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡申込受付画面を表示するためのデータをアクセス元の端末装置210に送信するようになっている(ステップS402と同様)。このデータを端末装置210が受信して譲渡申込受付画面が端末装置210に表示される(ステップS403と同様)。顧客Aは、この受付画面を通じて銘柄名、譲渡数量、譲渡価格(売買価格)、譲受人氏名、譲受人口座番号などのデータを入力して譲渡申込を行う(ステップS404と同様)。
この一括譲渡申込においては、例えば図4に示すような譲渡申込受付画面230において、入力欄231〜238を1セットとして、複数セットが配置された一括譲渡申込用の譲渡申込受付画面が端末装置210に表示される。この譲渡申込受付画面230には、譲渡対象の銘柄名、譲渡数量、譲渡価格、譲受人氏名、譲受人の寄託口座等の入力欄231〜235が複数設けてあり、それらの項目に関する入力が求められる。また当該申込の有効期間を指定するか否かを選択するための選択欄236や、指定する場合における有効期間の入力欄237や、取引が成立した場合における取引内容を表した証明書の発行を許諾するか否かの選択欄238も複数設けてある。一括譲渡申込用の譲渡申込受付画面には、入力した申込内容をサーバー110へ送信する旨の操作を受け付けるための1つの申込実行ボタン241と、前の画面に戻る旨の操作を受け付けるための1つの戻りボタン242が設けてある。
顧客Aが必要な項目を一括譲渡申込用の譲渡申込受付画面に入力した後、申込実行ボタン241をクリック等して操作すると、入力された一括譲渡申込の内容を示す譲渡内容データが、サーバー110へ送信される(ステップS405と同様)。サーバー110の譲渡申込受付手段111は、一括譲渡申込の内容を示す譲渡内容データを顧客Aの端末装置210から通信回線201を介して受信すると(ステップS406と同様)、譲渡内容データから上記複数セットにおける各取引内容を示す個別取引内容データを抽出する処理を行い、譲渡申込受付手段111の第1記憶手段(例えば内部メモリ)における複数の取引テーブル記憶領域を用いて個別取引内容データをそれぞれ保持することで取引テーブル記憶領域毎に1つの個別取引内容データを保持し、個別取引内容データから銘柄名を示すデータを抽出し、その一括譲渡申込に係る各銘柄のその時点での適正価格を個別取引内容データ毎に導出して対応する第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に譲渡申込みにおける適正価格として保持し、この一括譲渡申込における適正価格と売買価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を個別取引内容データ毎に求めて対応する第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に譲渡申込みにおける乖離率として保持する(ステップS407と同様)。
また、譲渡申込受付手段111は、端末装置210からの一括譲渡申込に係る譲受人氏名及び譲受人寄託口座番号に基づき、顧客データベース141から譲受人の資金口座番号及びメールアドレスを個別取引内容データ毎に取得すると共に、顧客認証で既に認証済みである譲渡人の氏名と寄託口座番号と資金口座番号とメールアドレスを顧客データベース141から取得し、取得した譲受人の資金口座番号及びメールアドレスと譲渡人の氏名、資金口座番号及び寄託口座番号並びにメールアドレスを個別取引内容データの一部として対応する第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に保持する。なお、ホストコンピュータ130又はサーバー110に適正価格記憶手段を設けておき、有価証券転売支援装置100での取引の候補となる複数銘柄の適正価格と銘柄名を対応付けて適正価格記憶手段に登録しておき、譲渡申込受付手段111が譲渡申込みに係る銘柄名に基づいて当該銘柄の適正価格のデータを適正価格記憶手段から個別取引内容データ毎に取得すると共に対応する第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に譲渡申込みにおける適正価格として保持し、この譲渡申込における適正価格と売買価格とを比較して売買価格の適正価格に対する乖離率を個別取引内容データ毎に求めて対応する第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に保持する構成としてもよい。
そして、乖離率が一定以内(たとえば適正価格の5%以内)の場合には(ステップS408;Nと同様)、図5に示すような譲渡申込内容確認画面250において確認欄251〜263が複数セット配置された一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面のデータを作成する(ステップS409と同様)。一方、売買価格が適正価格から一定以上乖離している場合には(ステップS408;Yと同様)、図6に示すような警告付きの譲渡申込内容確認画面270において確認欄251〜263が複数セット配置され、一定以上乖離している取引内容についてはその取引内容に対応する確認欄251〜263の表示領域の下側に隣接して警告欄271が配置された一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面のデータを作成し(ステップS410と同様)、作成した画面のデータを顧客端末210に送信する(ステップS411と同様)。これにより、譲渡申込人である顧客Aの端末装置210に一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面または警告付きの一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面が表示される(ステップS412と同様)。
一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面には、取引対象となっている個人向け国債の銘柄名、譲渡数、譲渡価格、譲渡人氏名、譲渡人口座(資金口座)、譲受人氏名、譲受人口座(寄託口座)、契約有効期間の指定の有無、契約の有効期間、証明書発行許諾の有無等の確認欄251〜260が複数セット設けられており、これらに対する申込内容を示す第1記憶手段の上記複数の取引テーブル記憶領域の譲渡内容データに相当する個別取引内容データが表示されて申込内容が確認できるようになっている。また、譲渡申込受付手段111は、取引データベース144を検索して、今回の譲渡申込に対応する譲受申込を先に受け付けているか否かを調べ、該当する譲受申込がある場合には、その譲受申込の内容を示すデータを複数セットの譲受人の申込条件欄262のうち対応する申込条件欄に表示するようになっている。例えば、譲渡人氏名及び譲受人氏名のデータに基づいて譲渡人氏名及び譲受人氏名が一致し、且つ譲渡確認用フラグが譲渡申込未確認を示す値であると共に譲受確認用フラグが譲受申込確認済を示す値である取引テーブルとその取引識別番号を取引データベース144から取得して譲渡申込受付手段111の第2記憶手段に保持し、取得した取引テーブルの譲渡内容データ(先行譲渡内容データ)を譲受人の申込条件欄262に表示する構成としてもよい。
更には、第1記憶手段の複数の取引テーブル記憶領域に保持された適正価格及び乖離率のデータに基づいて、本日の適正価格、および売買価格の適正価格に対する個別取引データ毎の乖離率が複数セットの確認欄263、264の中の対応する確認欄に表示される。また、一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面に表示された申込内容に従って一括譲渡申込を確定する場合に操作するための1つの譲渡実行ボタン265と、一括譲渡申込をキャンセルする場合に操作するための1つのキャンセルボタン266が表示される。
一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面に対し、警告付きの一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面ではさらに警告欄271が表示される。警告欄271には、たとえば、「ご指定の売買価格は適正価格から5%以上乖離しています。乖離率が大きい場合には、売買価格と適正価格との差額は贈与とみなされ、課税対象になるおそれがあります。上記を了承の上で譲渡申込を継続する場合は、譲渡実行ボタンを、申込をキャンセルする場合はキャンセルボタンを操作してください。」のような注意文言と、大きく「警告」の文字が、個別取引内容データに対応する乖離率が一定以内でない場合に当該個別取引内容データに対応して表示される。
一括譲渡申込の申込人である顧客Aは、自己の端末装置210の一括譲渡申込用の譲渡申込内容確認画面上で、一括譲渡申込の内容や乖離率、あるいは警告の内容を確認した上で、一括譲渡申込の実行を希望する場合には、譲渡実行ボタン265を操作する。一方、申込内容に誤りがある場合や警告を確認することで、今回の一括譲渡申込をキャンセルする場合には、キャンセルボタン266を操作する(図3ステップS413と同様)。
サーバー110の譲渡申込受付手段111は、譲渡実行ボタン265が操作されて取引内容を確認した旨の応答である譲渡申込確認データを顧客Aの端末装置210から受信した場合には(ステップS414;Yと同様)、その受信日時を示すデータを譲渡申込受付日時を示すデータとして第1記憶手段の各取引テーブル記憶領域に保持し、この一括譲渡申込みに係る第1記憶手段の各個別取引内容データが示す取引内容と第2記憶手段の先行譲渡内容データが示す取引内容が同じか否かを判定し、同じ取引内容があると判定した場合には当該同じであると判定された先行譲渡内容データに係る取引テーブルの取引識別番号を用いて、取引データベース144の当該取引識別番号の取引テーブル及び第2記憶手段において、譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグを譲渡申込確認済を示す値にする処理と、譲渡申込確認データの受付日時を示すデータを譲渡申込日時データ格納フィールドに格納する処理と、当該同じであると判定された個別取引内容データを保持する第1記憶手段の取引テーブル記憶領域の譲渡申込みにおける適正価格及び乖離率を示すデータを、対応する譲渡申込適正価格データ格納フィールド及び譲渡申込乖離率データ格納フィールドに格納する処理を行う。
一方、譲渡申込受付手段111は、第1記憶手段の各個別取引内容データが示す取引内容と第2記憶手段の先行譲渡内容データが示す取引内容が同じか否かを判定した結果、同じでない取引内容があると判定した場合には、第1記憶手段の複数の個別取引内容データのうち当該同じでないと判定された個別取引内容データに関して当該譲渡申込に係る第1記憶手段の個別取引内容データ並びに譲渡申込における適正価格及び乖離率、譲渡申込確認データの受付日時を示すデータを取引データベース144の新規取引テーブルの譲渡内容データ格納フィールド、譲渡申込適正価格データ格納フィールド、譲渡申込乖離率データ格納フィールド、譲渡申込日時データ格納フィールドに格納すると共に、この取引テーブルの譲渡確認用フラグ格納フィールドの譲渡確認用フラグを譲渡申込確認済を示す値に設定し、譲受確認用フラグ格納フィールドの譲受確認用フラグを譲受未確認を示す値に設定し、振替状態判別用フラグ格納フィールドの振替状態判別用フラグを振替処理未完了を示す値に設定する処理を行う(ステップS415と同様)。
なお、譲渡申込受付手段111は、第1記憶手段の複数の個別取引内容データから銘柄名を示すデータを抽出して当該複数の個別取引内容データ間に同一銘柄の有価証券があるか否かを検出する処理と、同一銘柄の有価証券があることを検出した場合に、一の譲渡申込確認データに基づいて、当該複数の個別取引内容データを対応する譲受人の使用する端末装置に対して第1記憶手段に保持された譲受人のメールアドレスを用いて一斉送信する処理を行う構成としてもよい。
次に、図示省略の譲渡申込受付完了画面のデータを申込人である顧客Aの端末装置210に送信する。これにより端末装置210には譲渡申込受付完了画面が表示され、申込受付の完了が顧客Aに通知される(ステップS417と同様)。キャンセルされた場合には(ステップS414;Nと同様)、譲渡申込受付手段111は、第1記憶手段に保持された今回の譲渡申込の内容を示す個別取引内容データを、取引データベース144に格納することなく受付処理を終了する。なお、キャンセルされた場合には、第1記憶手段に保持された個別取引内容データと第2記憶手段に保持された先行譲渡内容データを消去する構成としてもよい。
上述したように、譲受申込を受け付けると、約定成立確認手段114の機能を有する譲受申込受付手段112は、一括譲渡申込に係る譲渡内容データから個別取引毎に抽出された個別取引内容データと譲受申込に係る譲渡内容データとを照合して、取引内容が一致しているか否かを判断する(ステップS303と同様)。例えば、第1記憶手段の取引テーブル記憶領域に保持する譲受申込に係る譲渡内容データと取引データベース144から取得して第2記憶手段に保持する個別取引内容データからなる先行譲渡内容データについて、譲渡人氏名及び譲受人氏名のペアの一致、銘柄名の一致、取引数量である譲渡数量と譲受数量の一致、売買価格である譲渡価格と譲受価格の一致等を個別取引毎に判断する。また個別取引毎に譲受人の資金口座の残高データを資金口座データベース142から取得して資金口座残高が売買価格(取引申込金額)以上か否かのチェックを行い、個別取引毎に譲渡人の寄託口座の残高データを寄託口座データベース143から取得して寄託口座残高に取引対象の銘柄の有価証券が必要数量登録されているか否かのチェックを行う。
譲渡申込と譲受申込の取引内容が一致し且つ資金等が不足していないと判断すると(ステップS303;Yと同様)、当該個別取引内容データ及び譲渡内容データに関して有効期間の条件を満たす場合に、約定成立確認手段114は、当該個別取引内容データの取引内容に従って、譲受人である顧客Bの資金口座から譲渡人である顧客Aの資金口座へ売買代金相当額の受渡代金の資金を振り替える旨の資金振替処理依頼をホストコンピュータ130の資金振替手段131に対して行う。資金振替手段131は、この処理依頼に従って顧客Bの資金口座から売買代金相当額の受渡代金の資金を顧客Aの資金口座に振り込む処理を行う(ステップS304と同様)。また約定成立確認手段114は、当該個別取引内容データの取引内容に従って、譲渡人である顧客Aの寄託口座から譲受人である顧客Bの寄託口座へ指定銘柄の譲渡数量(取引数量)相当数の有価証券を振り替える旨の証券振替処理依頼をホストコンピュータ130の有価証券振替手段132に対して行う。有価証券振替手段132は、この処理依頼に従って該当する有価証券(例えば個人向け国債)の名義を顧客Aから顧客Bに書き換える振替処理を行う(ステップS305と同様)。
例えば、約定成立確認手段114及び有効期間管理手段116としての機能を有する譲受申込受付手段112が、譲渡申込と譲受申込の取引内容が一致し且つ資金等が不足していないと判断すると(ステップS303;Y)、第2記憶手段の一致していると判定された先行譲渡内容データの取引テーブルにおいて当該取引テーブルにおける譲渡申込受付日時と譲受申込受付日時の時間間隔が有効期間の長さ以下であるか否かを判定し、有効期間の長さ以下であると判定したときに振替許可信号を生成し、譲受申込受付手段112は、当該先行譲渡内容データの取引内容に従って、譲受人である顧客Bの資金口座から譲渡人である顧客Aの資金口座へ売買代金相当額の受渡代金の資金を振り替える旨の資金振替処理依頼を振替許可信号と共にホストコンピュータ130の資金振替手段131に対して行う。資金振替手段131はこの処理依頼と振替許可信号に従って顧客Bの資金口座から売買代金相当額の受渡代金の資金を顧客Aの資金口座に振り込む処理を行う(ステップS304と同様)。また譲渡申込受付手段111は、当該先行譲渡内容データの取引内容に従って、譲渡人である顧客Aの寄託口座から譲受人である顧客Bの寄託口座へ指定銘柄の譲渡数量(取引数量)相当数の有価証券を振り替える旨の証券振替処理依頼を振替許可信号と共にホストコンピュータ130の有価証券振替手段132に対して行う。有価証券振替手段132は、この処理依頼と振替許可信号に従って該当する有価証券(例えば個人向け国債)の名義を顧客Aから顧客Bに書き換える振替処理を行う(ステップS305と同様)。
一例として、有効期間管理手段116としての機能を有する約定成立確認手段114は、譲渡申込と譲受申込の取引内容が一致し且つ資金等が不足していないと判断した場合に、第2記憶手段の一致していると判定された先行譲渡内容データの取引テーブルにおいて当該取引テーブルにおける譲渡申込受付日時と譲受申込受付日時の時間間隔が有効期間の長さ以下であるときに振替許可信号を生成し、当該一致している第2記憶手段の先行譲渡内容データとその取引識別番号と振替許可信号を振替手段131,132に送る構成としてもよい。資金振替手段131は、第2記憶手段に記憶された取引データベース144の当該取引識別番号の先行譲渡内容データと振替許可信号に基づいて顧客Bの資金口座に売買価格相当額の受渡代金の資金を減額記帳する記帳処理を行うと共に、顧客Aの資金口座に売買価格相当額の受渡代金の資金を増額記帳する記帳処理を行い、有価証券振替手段132は、第2記憶手段に記憶された取引データベース144の当該取引識別番号の先行譲渡内容データと振替許可信号に基づいて顧客Aの寄託口座に取引数量相当数の有価証券を減額記帳する記帳処理を行うと共に、顧客Bの寄託口座に取引数量相当数の有価証券を増額記帳する記帳処理を行う構成としてもよい。この資金振替手段131と有価証券振替手段132からなる振替手段は、有価証券の口座振替とその代金の口座振替が完了すると、当該先行譲渡内容データに係る取引識別番号を用いて、取引データベース144の当該取引識別番号の取引テーブルにおいて、振替状態判別用フラグ格納フィールドの振替状態判別用フラグを振替処理完了を示す値に変化させる処理を行うと共に、振替処理を行った取引日時を示すデータを取引日時データ格納フィールドに格納する処理を行い、振替処理完了を示す信号とその取引識別番号を示す信号を証明書発行手段115に送る処理を行う。
このようにして資金と有価証券の振替処理が行われて取引が完了すると、先行譲渡内容データに係る振替状態判別用フラグが振替処理完了を示す値に変更され、証明書発行手段115は、振替処理完了を示す信号と取引識別番号を示す信号に基づいて、振替状態判別用フラグが振替処理完了を示す値に変更された当該取引識別番号の取引テーブルを取引データベース144から取得し、証明書発行許諾データ格納フィールドの証明書発行許諾の有無を示すデータが許諾有りを示す値である場合に、当該取引テーブルの譲渡内容データが示す取引内容に関して、売買の事実および売買価格などを証明するための証明書を譲渡人である顧客Aと譲受人である顧客Bのそれぞれに交付する(ステップS306と同様)。この証明書発行手段115は、電子書面からなる証明書(電子証明書)を、当該取引識別番号の取引テーブルにおける譲渡人メールアドレス及び譲受人メールアドレスに基づき、顧客A,Bの端末装置210,220に電子メールで一斉送信する処理を行う。但し、顧客が望む場合には、紙製の証明書を印刷出力する構成とし、この印刷物を郵便や宅配便等により当該顧客に送付するようにしてもよい。
なお、先に行われた譲渡申込(又は譲受申込)の内容を後から行われる譲受申込時(又は譲渡申込時)に参考表示するために、譲渡申込とその相手方からの譲受申込とを対応付けるための申込番号を割り当てるようにしてもよい。すなわち、譲渡申込と譲受申込のうち、先に行われた申込に対して有価証券転売支援装置100が取引識別番号等の申込番号を割り当てて先の申込人に通知し、先の申込人が当該申込番号を後の申込人に知らせる。後の申込人は、申込時にこの申込番号を申込受付画面に入力する。有価証券転売支援装置100は、申込受付画面に入力された申込番号を通信回線を介して受け取り、当該申込番号に基づいて相手方が先に行った申込内容を取引データベース144で検索して当該申込番号の取引テーブルを取引データベース144から取得し、当該取引テーブルから譲渡内容データを抽出してその内容を後の申込受付画面又は申込内容確認画面において参考表示してもよい。さらに、申込内容に相違が無い場合には、所定の確認操作をすることで、重複した入力を省略できるようにしてもよい。
また実施の形態では、インターネット等の通信回線を介して証券会社の運営するサイトのウェブページで譲渡申込や譲受申込を受け付けるようにしたが、申込を他の方法で受け付けるように構成してもよい。たとえば、証券会社に設置した受付装置から受け付けたり、電子メールで受け付けたりする構成としてもよい。
このほか、証券会社の運営サイトや譲渡申込受付画面230等において、有価証券売買の補助ツールとして、受渡代金(=約定代金+経過利子)の計算機能を付加してもよい。この受渡代金計算には実勢価格(社内価格、適正価格)が自動的にセット(オートプリセット)されている構成としてもよい。申込にかかわる有価証券の適正価格として当該申込を受けた証券会社(金融機関)での社内価格を用いる構成としてもよく、これにより証券会社は当該証券会社の顧客A,Bに対して当該証券会社での当該有価証券の適正価格を知らせることができ、顧客A,Bに対して当該有価証券の取引の参考情報を提供して顧客サービスの向上を図ることができる。
さらに本発明にかかわる技術思想は、実施の形態に示した装置に限らず、有価証券の転売支援方法として捉えてもよい。さらにコンピュータに当該方法を実施させるプログラムやコンピュータを有価証券転売支援装置100として機能させるためのプログラムとして具体化してもよい。