JP3967992B2 - アルキルチオ及びヒドロキシ置換基を含有するジチオカルバメート - Google Patents

アルキルチオ及びヒドロキシ置換基を含有するジチオカルバメート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は低リン潤滑剤の配合に使用することができる低コストの磨耗防止剤に関する。磨耗防止に加えて、この新しい防止剤は実質的な酸化防止をもたらし、燃料経済性に対して害にならない。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
いくつかの研究は、エンジンオイルから誘導される化合物からの汚染の結果として排気ガスシステムが不活性化され得ることを示唆してきた。他の研究は、高金属/リン比を含む潤滑剤を使用することにより、排気ガスシステムの耐久性が改善されることがあることを示唆してきた。エンジンオイル中のリンのレベルを低減することも触媒コンバーターの効率を延ばす手段として示唆されてきた。エンジンオイル中のこのリンは、磨耗の防止と酸化のコントロールに使用される亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)に主な起源がある。ここ何年にもわたって、ZDDPは信頼性のある磨耗防止剤と酸化防止剤の有効性を示してきた。大多数のエンジンメーカーは、磨耗防止が許容し得るという実験室及びフィールドにおける広範な保証なしで今日のZDDPレベルからの実質的な低減を含むエンジンオイルを推奨しようとしない。APISJの要請に合致する市販のエンジンオイルはZDDPに由来するほぼ0.10重量%のリンを通常含有する。ZDDPの実質的な低減が触媒コンバーターの耐久性に要求されるが、結果として著しく高いエンジン磨耗とオイル酸化を生じる。エンジンオイル中の少量のZDDPの使用を補償するために、補助的な磨耗及び酸化防止剤が必要とされる。
【0003】
少し以前からジチオカルバメートが当該技術において既知であった。種々の構造的に異なるジチオカルバメートの例が次の特許に開示されている:
第3,407,222号、第5,693,598号、第4,885,365号、第4,125,479号、第5,902,776号、第3,867,359号、第5,686,397号、第4,836,942号、第4,758,362号、第3,509,051号、第2,710,872号、第5,789,357号、第4,927,552号、第5,629,272号、第3,356,702号、第5,840,664号、第4,957,643号、第4,876,375号、第5,759,965号、第4,098,705号。
すべての特許、特許出願、及び論文または刊行物はこれらの全面的な開示のために引用によりこの明細書に含められている。
【0004】
アルコキシ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの例が当該技術で知られていて、例が次のリフアレンスに開示されている:Zh.Org.Khim.(1991),27(1),161−170;Zh.Org.Khim.(1988),24(2),286−29l;Z.Chem.(1987),27(1),24−25;Zh.Org.Khim.(1985).21(6),1173−l176;Neftekhim(1983),23(3),409−412;及びNeftepererab.Neftekhim.(Moscow)(1983),(1),20−22。
【0005】
アルキルグリシジルチオエーテルの製造方法は米国特許第4,931,576号と第5,618,778号に記述されている。
【0006】
市販のジチオカルバメートの例は、Vanlube 7723、メチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)、Molyvan A、モリブデンオキシスルフィドジチオカルバメート、Molyvan 822、有機モリブデンジチオカルバメート、Vanlube AZ、亜鉛ジアミルジチオカルバメート、Vanlube 71、鉛ジアミルジチオカルバメート、Vanlube73、アンチモンジアルキルジチオカルバメート、及びVanlube 732、ジチオカルバメート誘導体を含み、これらはすべてR.T.Vanderbilt Company,Inc.から得られる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様によれば、アルキルグリシジルチオエーテルと一級及び/または二級アミン及び二硫化炭素とを反応させることにより、新規なジチオカルバメート組成物が製造される。これらの新しいジチオカルバメートは有効な酸化防止剤と磨耗防止剤であり、低リン潤滑剤中でZDDPに対する部分的な置換物として使用可能である。本発明のジチオカルバメートの追加のメリットは、これらが潤滑剤の摩擦変成特性に害にならないことである。
【0008】
本発明で記述される化合物は、低減されたレベルのZDDPを含有するエンジンオイル、すなわち低減されたレベルのリンを含有するエンジンオイルでの磨耗及び酸化性能を改善するように作用する。
【0009】
これらの本発明の低コストの磨耗防止剤がもたらす更なるメリットは、低レベルのZDDPを含有する完全配合クランクケースエンジンオイルで摩擦を低減し、それによりエンジンに改善された燃料経済性をもたらすことである。
【0010】
本発明は、例えば、クランクケースオイルで磨耗防止剤及び酸化防止剤として有用性を有する新しいクラスのアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメート化合物を記述する。本発明のジチオカルバメートを乗用車エンジンオイル、重作業用ジーゼルエンジンオイル、鉄道用オイル、及び天然ガスエンジンオイルを含む広範で多様なクランクケースオイルで使用してもよい。これらを主要な磨耗防止成分として使用して、追加の磨耗防止添加剤を含有しない潤滑剤において磨耗及び酸化防止を付与してもよい。この場合にはこれらは主要な磨耗防止成分と考えられる。このように使用することにより、これらはゼロリンのクランクケースオイルの開発向けに適用可能である。また、一つあるいはそれ以上の追加の磨耗防止添加剤を含有する潤滑剤で、これらを補助的な磨耗防止成分として使用してもよい。この例は、低減されたレベルのリンを含有する乗用車エンジンオイルでの補助的な磨耗防止成分としてのこれらの使用である。
【0011】
SJオイルに対する低減されたレベルのリンは、1000ppmの最大の現行許容レベル未満の任意のリンレベルとして定義される。通常の低減されたリンレベルは約900ppmのリンから約500ppmあるいはそれ以下のリンといった低いレベルまでの範囲であってもよい。このような場合には、本発明のジチオカルバメートをZDDPと組み合わせて使用して、磨耗及び酸化性能の両方を付与してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の態様に記載のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの化学構造が下記に示される。ここで、R及び/またはR’の少なくとも一つはアルキルであり、R”はアルキルまたはR”'OCOCH2、またはR”'OCOCH2CH2(ここで、R”'はアルキルであり、そしてXはSである)であるという条件で、R及びR’は水素またはアルキルであってもよい。好ましい態様においては、R”はC4ないしC12、更に好ましくはC9ないしC12の鎖長のアルキルである。
【0013】
【化8】
Figure 0003967992
【0014】
本発明の態様においては、この添加剤が低揮発性であり、上昇した運転温度で配合クランクケースオイル中に残留するように、R、R’及びR”中の炭素原子の総合計は10個以上であることが好ましい。10個あるいはそれ以下の炭素の添加剤は、高温クランクケース環境中での使用には揮発性が高過ぎる。使用中に、このような揮発性成分は、磨耗防止及び酸化防止機能を果たすことができないうちに、クランクケースから揮発する。本発明によれば、R、R’、R"及びR”'に対するアルキル基は、炭素原子1から約22個まで変わってもよく、線状あるいはn−及び分岐あるいはi−のすべての可能なアルキル異性体を含むことができる。通常のアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル.ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシルを含み、各アルキルタイプのすべての可能な異性体を含む。例えば、2−エチルヘキシルアルキル基はオクチル基の異性体と考えられる。R及びR’は3ないし8個の炭素原子、好ましくは4ないし6個の炭素原子を有するアルキル基から独立に選択可能である。
【0015】
一つの態様においてはほぼ等しいモル濃度でエポキシド、一級のあるいは二級アミン、及び二硫化炭素を合体させることにより、本発明のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートを製造してもよい。この反応は0ないし30°Cなどの低温で行なわれるが、ここでは例えば、80°Cなどの温度も有効である。
【0016】
かくして、もう一つの態様においては、本発明は、アルキルグリシジルチオエーテルと一級及びまたは二級アミン、及び二硫化炭素とを反応させることを含んでなる組成物を製造する方法を指向する。
【0017】
【化9】
Figure 0003967992
【0018】
等モル濃度のこの3成分(エポキシド、アミン、及び二硫化炭素)を使用するのが好ましい。しかしながら、特にこの反応の完了直後にこの過剰を取り除くことができる場合には、いずれか一つあるいは2つの成分を小過剰で使用してもよい。例えば、エポキシド、アミン、二硫化炭素の通常のモル比は、約1:1:1.2とすることもある。
【0019】
本発明の添加剤の製造に使用可能なエポキシドの例は、メチルグリシジルチオエーテル、エチルグリシジルチオエーテル.n−プロピルグリシジルチオエーテル、n−ブチルグリシジルチオエーテル、s−ブチルグリシジルチオエーテル、n−ヘキシルグリシジルチオエーテル、シクロヘキシルグリシジルチオエーテル、n−オクチルグリシジルチオエーテル、t−ノニルグリシジルチオエーテル、n−ドデシルグリシジルチオエーテル、t−ドデシルグリシジルチオエーテル、及びこれらの混合物を含むことができる。本発明で使用してもよい追加のエポキシドは、次の化学構造のものなどのカルボン酸エステル置換アルキルグリシジルチオエーテルを含む:
【0020】
【化10】
Figure 0003967992
【0021】
ここで、このアルキル基はメチルからドデシルまで変更可能であり、線状及び分岐の両方のアルキル基を含むことができる。
【0022】
アルキルグリシジルチオエーテルの製造方法は、米国特許第4,931,576号及び第5,618,778号に述べられている。
【0023】
この反応で希釈剤を使用してもよいが、このような希釈剤は必ずしも必要でない。事実、製造コストを低くし、製造サイクル時間を短く保つためには、希釈剤を使用しないのが好ましい。希釈剤の例は水、アルコール、炭化水素溶媒、芳香族溶媒、塩素化溶媒、極性非プロトン性溶媒、希釈剤オイル、プロセスオイル、及び基油を含む。希釈剤をエポキシドの製造から持ち越して、アルキルチオ−及びヒドロキシル置換ジチオカルバメートの以降の製造で使用してもよい。例えば、本発明の一つの態様においては、このエポキシドを単離または精製せずにこのメルカプタンとエピクロロヒドリンからこのエポキシドを最初に製造し、続いてこのエポキシドとこのアミン及び二硫化炭素とを反応させることにより、このジチオカルバメートを2ステップで製造してもよい。このような場合には、エポキシドの製造からの水を保持し、この反応に持ち越して、本発明のアルキルチオ−及びヒドロキシル置換ジチオカルバメートの製造で助けとする。この反応によれば、下記に示すように、一つの反応器のみを用いて、2つの反応ステップで容易に入手できる原料から新しいジチオカルバメートの製造が可能になる。
【0024】
【化11】
Figure 0003967992
【0025】
かくして、もう一つの態様においては、本発明は、メルカプタンとエピクロロヒドリンを反応させることによりエポキシドを準備し、そしてこのエポキシドとこのアミン及び二硫化炭素とを反応させるステップを含む方法を指向する。この方法の一つの態様においては、上記アミンと二硫化炭素とを反応させる前にこのエポキシドの単離あるいは精製をしない。
【0026】
この反応で触媒を使用してもよいが、このような触媒は必ずしも必要でない。事実、製造コストを低くし、製造サイクル時間を短く保つためには、触媒を使用しないことが好ましい。
【0027】
しかしながら、アルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの収率を改善するのに、触媒が必要とされることもある。使用してもよい触媒の例は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウムなどのアルカリ及びアルカリ土類金属水酸化物を含む。この濃度がこのアミンに対して化学量論未満であるならば、この触媒を真の触媒として使用してもよく、あるいはこの濃度がこのアミンに対して化学量論あるいはそれ以上であるならば、これを試剤として使用してもよい。
【0028】
アミン、二硫化炭素及びエポキシドの間の反応は発熱的であり、加熱を必要としない。事実、この3つの成分の合体は実質的な熱を発生し、コントロールと揮発性の二硫化炭素の損失防止のためには普通冷却を必要とする。反応温度は、この成分の合体時には0℃から30°Cまで、また成分添加後には20°Cから80℃まで変動可能である。
【0029】
通常の反応は添加速度により0°と5°Cの間でコントロールされた温度で二硫化炭素とエポキシドを含有する攪拌溶液にこのアミンを1時間にわたって添加することを含む。添加後、この反応混合物を60°ないし80°Cで1ないし2時間加熱する。真空ストリッピングを使用して、過剰あるいは残存の二硫化炭素または未反応のアミンを除去してもよい。真空ストリッピングを概ね60°ないし80°Cで1ないし2時間行なう。使用した場合には、溶媒を真空蒸留により除去してもよい。使用した場合には、一連の水洗及び/または濾過を行うことにより、触媒を除去してもよい。再度になるが、溶媒と触媒の不存在下でこれらの反応を行うことが好ましい。
【0030】
生成する製品を実質的に変更することなく、この反応に改変を加えてもよい。例えば、痕跡量の過酸化水素を添加して、ある製品の臭気を低減させてもよい。
【0031】
本発明のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートをこのメルカプタンから2ステップで製造する場合、少量の副生成物が生成することがあり得る。例えば、第1のステップでの未反応のエピクロロヒドリンを2等量のアミン及び2等量の二硫化炭素と反応して、下記に示す新規な生成物を生成してもよく、ここで、R及びR’は上記に定義した通りであり、好ましくはC3あるいはそれ以上である。本発明に対しては、この新規な副生成物をこの明細書では2−ヒドロキシプロピル−1,3−ビス−ジアルキルカルバモジチオエートと呼ぶ。
【0032】
【化12】
Figure 0003967992
【0033】
製品中の少量のこの化合物の存在は害にならず、これはこのアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートに類似した構造的な特徴を持っているので、実際にはメリットをもたらす。所望ならば、この中間体のエポキシドを精製することにより、この化合物を除去することができる。
【0034】
第1のステップでの少量のエピクロロヒドリンは2等量のメルカプタンと反応して、下記に示すタイプの生成物を生成することもあり、ここで、R”は上記に定義した通りである。製品中のこの化合物の少量の存在は害にならず、これは本発明のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートに類似した構造的な特徴を持っているので、実際にはメリットをもたらす。中間体のエポキシドを精製することにより、この化合物の存在を無くすことができる。
【0035】
【化13】
Figure 0003967992
【0036】
従来技術のジチオカルバメートと本発明のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの間の主要な差異は、この同一分子内の2つのタイプのイオウの存在にある。従来技術のジチオカルバメートはジチオカルバメート官能基の形のイオウを含有する。本発明の新しいジチオカルバメートは、ジチオカルバメート官能基として、またスルフィド官能基として2つの形のイオウを含有する。一方の形がスルフィドであり、他方の形がジチオカルバメートである2つの形のイオウの組み合せは、架橋ヒドロキシル基の存在と組み合わさって、これらの新しいジチオカルバメートに酸化防止剤と磨耗防止剤としての独自の性質を与え、一方、それと同時に完成潤滑剤摩擦特性には有害でない。
【0037】
この新しいアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの更なる利点は次の通りである:
無灰性である。これはジーゼルエンジンオイルと天然ガスエンジンオイルなどの低灰分潤滑剤の配合で利点となる。
【0038】
リンを含有しない。これは主に乗用車エンジンオイル用の低リンあるいはゼロリン潤滑剤の配合で利点となる。リンなしの添加剤の使用は触媒コンバーター性能を改善し、結果として、乗用車寿命の続く間NOx排出を低減させる。
【0039】
低熱安定性を有する。これは、磨耗防止添加剤としてこの新しいジチオカルバメートの性能を改善する。ある市販のジチオカルバメートは極めて高い熱安定性を有し、主に高温用途での酸化防止剤として使用される。このような高い熱安定性の市販のジチオカルバメートの例は、メチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)である。
【0040】
XがS以外の基に等しい場合には、得られるジチオカルバメートを含有する潤滑油の性能が著しく低下することも判明した。この潤滑油の性能を最大とするためには、X=Sであることが重要である。下記の実施例で提示される性能ベンチ試験でこのことを示す。
【0041】
本発明のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートを広範で多様な潤滑剤で酸化防止剤と磨耗防止添加剤として使用してもよい。通常の用途の例は、乗用車エンジンオイル、重作業用ジーゼルエンジンオイル、鉄道用オイル、天然ガスエンジンオイル、工業用及び自動車用ギアオイル、自動及び手動伝動装置流体、油圧オイル、防錆及び酸化防止オイル、タービンオイル、及びグリースを含む。これらを広範で多様な粘度グレードの油と基油タイプで使用してもよい。
【0042】
これらのアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートを使用して、現在使用されているZDDPの全部あるいは一部を置き換えることにより、低リン乗用車エンジンオイルを配合することができる。ZDDPを超えるこれらの新しいジチオカルバメートの一つの利点は、本発明の添加剤がこの潤滑剤の摩擦変成特性に害にならないことである。これはあるタイプの乗用車エンジンでの改善された燃料経済性性能と言い換えることができる。もう一つの利点は、これらがリンを含有しないということであり、乗用車オイルで使用されるこのような化合物の量への遵守すべき上限は現在では存在しないことである。
【0043】
このように、本発明は、また、本発明の新規なジアルキルジチオカルバメート、並びにこのような潤滑剤添加剤を含有する潤滑油を含んでなる潤滑剤添加剤も提供する。本発明の潤滑油は、洗浄剤、分散剤、磨耗防止剤、摩擦変成剤、流動点降下剤、発泡防止剤、防食剤、防錆剤、及び粘度指数改善剤の少なくとも一つを更に含有することができる。加えて、本発明の潤滑油は、ジフェニルアミン、フェノチアジン、ヒンダードフェノール、アルキルフェノール、イオウ化ヒンダードフェノール、イオウ化アルキルフェノール、メチレン架橋ヒンダードフェノール、スルフィド及びポリスルフィド、イオウ化オレフィン、イオウ化脂及びイオウ化油から選ばれる少なくとも一つの酸化防止剤を更に含有することができる。
【0044】
本発明の組成物はこの組成物を入れた潤滑油の酸化を低減するのに有効である。加えて、本発明の組成物を含有しないオイルにより潤滑されたエンジン中で生成した堆積物に比べて、本発明の組成物は、この組成物を含有する潤滑油により潤滑されたエンジン中での堆積物生成を低減させる。また、本発明のジアルキルジチオカルバメート組成物を含有するオイルによりこのエンジンを潤滑することにより、エンジン磨耗とエンジン摩擦が低減される。本発明の組成物を含有するオイルにより潤滑されるエンジンに比べて、燃料経済性、色調保持、及び臭気低減もエンジンを潤滑するのに使用されるオイル中で本発明の組成物を使用することから誘導されるメリットである。最後に、このような装置を本発明の組成物とオイルにより潤滑する場合、改善されたエンジン、自動伝動装置、タービン、ギア、及び油圧オイルが本発明により提供される。
【0045】
【実施例】
比較例1
250mLの四つ口丸底フラスコに磁気スターラー、添加用漏斗、温度計、及び窒素入口を設ける。若干陽圧の窒素雰囲気をこの反応フラスコ中で維持する。この反応器に2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(28.0g,0.150モル)と二硫化炭素(13.0g,0.171モル)を装填する。この混合物をほぼ室温(水道水浴)まで冷却により攪拌する。ビス(2−エチルヘキシル)アミン(35.8g,0.148モル)をこの反応物に1時間かけてゆっくりと添加する。発熱が観察され、添加をコントロールして、反応温度を30°C以下に保つ。室温で4時間後、この混合物を50°Cで1時間穏やかに加熱する。この反応混合物を30°C以下に冷却し、追加の量の二硫化炭素(1.2g,0.016モル)を添加する。室温で攪拌を一夜継続する。次の朝、この反応物を50°Cまで加熱し、真空下この温度で1.5時間保持する。黄色の粘稠液体(74.7g,98.7%)を単離する。イオウ含量=12.41重量%(理論=12.72重量%)、窒素含量=2.94重量%(理論=2.78重量%)。この液体の低分子量GPC分析は、単一ピーク(100%,保持時間=22.3分)の存在を示す。FT−IR、13C−NMR及び1H−NMR分析によって、この混合物の主成分が次の化学構造を有する3−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルビス(2−エチルヘキシル)カルバモジチオエートであることが確認される:
【0046】
【化14】
Figure 0003967992
【0047】
比較例2
250mLの四つ口丸底フラスコに磁気スターラー、添加用漏斗、温度計、及び窒素入口を設ける。若干陽圧の窒素雰囲気をこの反応フラスコ中で維持する。この反応器に2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(28.0g,0.150モル)と二硫化炭素(14.3g,0.188モル)を装填する。この混合物をほぼ室温(水道水浴)まで冷却により攪拌する。ジブチルアミン(19.2g,0.149モル)をこの反応物に30分かけてゆっくりと添加する。発熱が観察され、添加をコントロールして、反応温度を30°C以下に保つ。室温で2時間後、この混合物を35°Cで2時間穏やかに加熱し、続いて50°Cで1時間加熱する。揮発性成分を真空下50°Cで1.5時間除去する。黄色の粘稠液体(57.8g,95.7%)を単離する。イオウ含量=16.07重量%(理論=16.37重量%)、窒素含量=3.86重量%(理論=3.58重量%)。この液体の低分子量GPC分析は、主として一つのピーク(99%、保持時間=23.0分)の存在を示す。FT−IR、13C−NMR及び1H−NMR分析によって、この混合物の主成分が次の化学構造を有する3−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルジブチルカルバモジチオエートであることが確認される:
【0048】
【化15】
Figure 0003967992
【0049】
実施例(本発明)1
1000mLの四つ口丸底フラスコに機械的スターラー、添加用漏斗、温度計、及びほぼ5°Cまで冷却した還流コンデンサーを設ける。添加用漏斗からこの反応器に、そして反応器から還流コンデンサーへと乾燥窒素を通す。この反応器を氷水浴により冷やし、これにエピクロロヒドリン(46.3g,0.50モル)とt−ドデシルメルカプタン(101.1g,0.50モル)を装填する。この混合物をほぼ5°−10°Cまで冷却しながら攪拌する。水酸化ナトリウム(21.2g,0.53モル)、水(230g)及び水酸化テトラブチルアンモニウム(水中40%,6.0g,6ミリモル)を混合しながら合体し、このエピクロロヒドリンとt−ドデシルメルカプタンに1時間の時間をかけてゆっくり添加する。発熱が観察され、添加時に反応温度を5°−10°Cの間に維持しながら冷却を継続する。添加後、この反応物を50°Cで2時間加熱し、5°Cまで冷却する。次に、二硫化炭素(40.0g,0.53モル)をこの反応混合物に迅速に添加する。次に、反応温度を5°−15°Cの間に維持しながら、ジブチルアミン(65.0g,0.50モル)を1時間かけてゆっくり添加する。この反応物を一夜で室温まで温める。翌朝、この反応物を80°Cで1時間加熱し、次に0.60gの30%過酸化水素を70°Cで添加する。この反応物を70°Cで更に15分間加熱し、50°Cまで冷却し、相を分離する。この有機部分を2×100mLの水で洗浄する。この有機溶液を500mLの3つ口丸底フラスコに戻し、残存する水を真空下60°Cで3時間除去する。この生成物を粗い燒結ガラス漏斗により濾過して、次の物理的及び化学的性質を持つ220.0g(94.5%)の透明な黄色の粘稠液体を得る:
Figure 0003967992
FT−IR、13C−NMR及び1H−NMR分析によって、この混合物の主成分が次の化学構造を有する3−(t−ドデシルチオ)−2−ヒドロキシプロピルジブチルカルバモジチオエートであることが確認される:
【0050】
【化16】
Figure 0003967992
【0051】
実施例(本発明)2
2000mLの四つ口丸底フラスコに機械的スターラー、添加用漏斗、温度計、及びほぼ5°Cまで冷却した還流コンデンサーを設ける。添加用漏斗からこの反応器に、そして反応器から還流コンデンサーへと乾燥窒素を通す。この反応器を氷水浴により冷やし、これにエピクロロヒドリン(138.9g,1.50モル)と2−エチルヘキシル3−メルカプトプロピオネート(327.6g,1.50モル)を装填する。この混合物をほぼ5°−10°Cまで冷却しながら攪拌する。水酸化ナトリウム(63.0g,1.58モル)、水(700g)及び水酸化テトラブチルアンモニウム(水中40%,18.8g,19ミリモル)を混合しながら合体し、このエピクロロヒドリンと2−エチルヘキシル3−メルカプトプロピオネートに1時間の時間をかけてゆっくり添加する。添加開始時に発熱が観察され、それによってこの温度は80°Cに達する。残りの添加に対して反応温度を5°−10°Cの間に維持しながら、この温度を5°Cまで戻し、冷却を継続する。添加後、この反応物を50°Cで2時間加熱し、一夜冷却する。翌朝、この反応物を5°Cまで冷却し、二硫化炭素(120.0g,1.58モル)を添加する。次に、反応温度を5°−15°Cの間に維持しながら、ジブチルアミン(193.8.0g,1.50モル)を1時間かけてゆっくり添加する。この反応物を80°Cで1時間加熱し、次に5.0gの30%過酸化水素を70°Cで添加する。この反応物を70°Cで更に15分間加熱し、50°Cまで冷却し、相を分離する。この有機部分を400mLの10%重炭素ナトリウム水溶液で洗浄する。トルエン(300mL)を添加して、相分離を改善し、この有機溶液を2×300mLの水で洗浄する。トルエンを水アスピレーターの真空下ロータリーエバポレーターで除去する。次に、この有機生成物を1000mLの3つ口丸底フラスコに戻し、残存する水を真空下60°Cで3時間除去する。この生成物を粗い燒結ガラス漏斗により濾過して、次の物理的及び化学的性質を持つ692.0g(95.2%)の透明な黄色の粘稠液体を得る:
Figure 0003967992
FT−IR、13C−NMR及び1H−NMR分析によって、この混合物の主成分が次の化学構造を有する2−エチルヘキシル3−[[3−[[(ジブチルアミノ)チオキソメチル]チオ]−2−ヒドロキシプロピル]チオ]プロパノエートであることが確認される:
【0052】
【化17】
Figure 0003967992
【0053】
実施例(本発明)3
1000mLの四つ口丸底フラスコに機械的スターラー、添加用漏斗、温度計、及びほぼ5°Cまで冷却した還流コンデンサーを設ける。添加用漏斗からこの反応器に、そして反応器から還流コンデンサーへと乾燥窒素を通す。この反応器を氷水浴により冷やし、これにエピクロロヒドリン(46.3g,0.50モル)とn−ドデシルメルカプタン(101.1g,0.50モル)を装填する。この混合物をほぼ5°−10°Cまで冷却しながら攪拌する。水酸化ナトリウム(21.2g,0.52モル)、水(240g)及び水酸化テトラブチルアンモニウム(水中40%,7.0g,7ミリモル)を混合しながら合体し、このエピクロロヒドリンとn−ドデシルメルカプタンに1時間の時間をかけてゆっくり添加する。発熱が観察され、添加時に反応温度を5°−10°Cの間に維持しながら冷却を継続する。添加後、この反応物を50°Cで2時間加熱し、5°Cまで冷却する。次に、二硫化炭素(40.0g,0.53モル)をこの反応混合物に迅速に添加する。次に、反応温度を5°−15°Cの間に維持しながら、ジブチルアミン(64.6g,0.50モル)を1時間かけてゆっくり添加する。添加後、この反応物を80°Cで1時間加熱し、次に1.0gの30%過酸化水素を80°Cで添加する。この反応物を80°Cで更に30分間加熱し、50°Cまで冷却し、相を分離する。この有機部分を2×100mLの水で洗浄する。この有機溶液を500mLの3つ口丸底フラスコに戻し、残存する水を真空下60°Cで2時間除去する。この生成物を粗い燒結ガラス漏斗により濾過して、次の物理的及び化学的性質を持つ226.6g(97.7%)の透明な黄色の粘稠液体を得る:
Figure 0003967992
FT−IR、13C−NMR及び1H−NMR分析によって、この混合物の主成分が次の化学構造を有する3−(n−ドデシルチオ)−2−ヒドロキシプロピルジブチルカルバモジチオエートであることが確認される:
【0054】
【化18】
Figure 0003967992
【0055】
実施例(本発明)4
250mLの四つ口丸底フラスコに機械的スターラー、添加用漏斗、温度計、及びほぼ5°Cまで冷却した還流コンデンサーを設ける。添加用漏斗から反応器に、そして反応器から還流コンデンサーへと乾燥窒素を通す。この反応器を氷水浴により冷やし、これにエピクロロヒドリン(11.6g,0.125モル)とt−ドデシルメルカプタン(25.3g,0.125モル)を装填する。この混合物をほぼ5°−10°Cまで冷却しながら攪拌する。水酸化ナトリウム(5.2g,0.13モル)、水(60mL)及び水酸化テトラブチルアンモニウム(水中40%,1.75g,1.7ミリモル)を混合しながら合体し、このエピクロロヒドリンとt−ドデシルメルカプタンに1時間の時間をかけてゆっくり添加する。発熱が観察され、添加時に反応温度を5°−10°Cの間に維持しながら冷却を継続する。添加後、この反応物を1−1/2時間かけて室温までゆっくり温める。この反応物を50°Cで更に1時間加熱し、次に5°Cまで冷却する。二硫化炭素(10.0g,0.131モル)をこの反応混合物に迅速に添加する。次に、反応温度を5°−15°Cの間に維持しながら、ビス(2−エチルヘキシル)アミン(30.3g,0.125モル)を1時間かけてゆっくり添加する。この反応物を80°Cで1時間加熱し、60mLのトルエンで希釈する。この相を分離し、この有機部分を50mLの水で洗浄する。この有機溶液をMgSO4で乾燥し、ロータリーエバポレーターで2時間濃縮する。黄色の粘稠な液体(69.9g,96.7%)を単離する。イオウ含量=15.26重量%、窒素含量=2.66重量%。この液体の低分子量GPC分析は、エピクロロヒドリンのジアルキル化により生成する生成物に対応する主ピーク(90.7%,保持時間=22.1分)の存在を示す。FT−IR、13C−NMR及び1H−NMR分析によって、この混合物の主成分が次の化学構造を有する3−(t−ドデシルチオ)−2−ヒドロキシプロピルビス(2−エチルヘキシル)カルバモジチオエートであることが確認される:
【0056】
【化19】
Figure 0003967992
【0057】
実施例(本発明)5
実施例(本発明)4に類似した方法で、2−エチルヘキシルアミンをt−ドデシルメルカプタン、エピクロロヒドリン、及び二硫化炭素と反応させる。黄色の粘稠な液体(56.2g,96.6%)を単離する。イオウ含量=19.43重量%、窒素含量3.37重量%。この液体の低分子量GPC分析は、エピクロロヒドリンのジアルキル化により生成する生成物に対応する主ピーク(79.9%,保持時間=22.5分)の存在を示す。FT−IR、13C−NMR及び1H−NMR分析によって、この混合物の主成分が次の化学構造を有する3−(t−ドデシルチオ)−2−ヒドロキシプロピル2−エチルヘキシルカルバモジチオエートであることが確認される:
【0058】
【化20】
Figure 0003967992
【0059】
この新しいアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの利点を次の実施例で示し、酸化防止剤、摩擦変成剤及び磨耗防止添加剤としての有効性を示す。実施例6ではアルコキシ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートを超える酸化防止剤としてのメリットを示す。実施例7では市販のジチオカルバメートのVanlube 7723(DTC)と亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)を超える摩擦変成剤としてのメリットを示す。実施例8ではDTCを超える磨耗防止剤としてのメリットを示す。実施例9では磨耗促進剤の存在下での磨耗防止剤としてのメリットを示す。実施例10ではTGAを使用して、観察される性能を説明する。
実施例6
種々のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートとアルコキシ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートを表1に示すように、SAEグレード5W−30タイプモーターオイルの中にブレンドした。これらのオイルは通常の分散剤防止剤パッケージを含有し、これをAPI基IIカテゴリーに適合する低イオウ及び低芳香族の水素クラッキング及びイソ脱ワックス処理を受けた基油と配合した。このオイルは二級亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)に由来する500ppmのリンを含有していた。比較のために、R.T.Vanderbilt Company,Inc.から入手できる市販のジチオカルバメート酸化防止剤(DTC)のVanlube 7723、Ethyl Corporationから入手できる市販のイオウ化オレフィン酸化防止剤(SO)のHiTEC 7188、及びEthyl Corporationから入手できる市販の亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)のHiTEC7169をこの試験に含めた。このジチオカルバメート、イオウ化オレフィン及びこの亜鉛ジアルキルジチオホスフェートに対するすべての添加剤トリート率は、等しいイオウ(1500ppmイオウ)をこのオイルに供給することを基準とした。それゆえ、この添加剤のイオウ含量が高い程、完成オイルへの添加剤トリート率は低い。低添加剤トリート率を有することが望ましい。一部のオイルもEthyl Corporationから入手できるアルキル化ジフェニルアミン酸化防止剤(DPA)のHiTEC 4793を含有していた。J.A.Walker及びW.Tsangの「Characterization of Lubrication Oil By Differential Scanning Calorimetry」,SAE Technical Paper Paper Series.801383(Oct.20−23、1980)に記述されているような加圧示差走査型熱量法(PDSC)により、これらのオイルの酸化安定性を測定した。ナフテン酸鉄(III)触媒(55ppm Fe)でオイル試料を処理し、2.0ミリグラムを開放したアルミニウム気密パンの中で分析した。このDSCセルを500psi空気で加圧し、次の加熱シーケンスでプログラムした:(1)室温から155°Cまでのジャンプ昇温、(2)155°Cから175°Cまで10°C/分でランプ昇温(3)175°Cから185°Cまで5°C/分でランプ昇温、(4)185°Cで等温保持(iso−track)する。熱の発熱的放出が観察されるまで、このオイル試料を185°Cで保持した。熱の発熱的放出はこの酸化反応の標識となる。この実験の開始から熱の発熱的放出までの時間は、酸化誘導時間と呼ばれ、このオイルの酸化安定性の目安である(すなわち、酸化誘導時間が長い程、このオイルの酸化安定性は大きい)。すべてのオイルを2回評価し、結果を平均する。表1に示すように、等量のイオウ比較で、この新しいアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートは、アルコキシ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートよりも有効である。
【0060】
【表1】
Figure 0003967992
【0061】
実施例7
実施例6で酸化性能に対して評価した同一のオイルを高周波往復リグ(HERR)を用いた境界摩擦特性についても評価した。この装置では、1−2ミリリットルの試験モーターオイルを温度制御したスチールパン中に入れる。可動腕に取り付けた鋼球をこのパンの中に降ろす。400グラムの荷重をこの鋼球/腕アセンブリーに印加する。この鋼/球腕アセンブリーを1ミリメーターの経路長にわたって20Hzで振動させる。腕を振動しながら、摩擦係数を5秒ごとに求める。この試験を3分間続け、ほぼ30個のデータポイントを平均して、オイルの摩擦係数を求める。この摩擦係数の低減はこのオイルの改善された摩擦特性に対応する。2回の試験を各オイルに対して130°Cで行った。各試料に対する平均摩擦係数を表2に示す。この結果は、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)、またはメチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)(DTC)の添加がこのオイルの摩擦特性に害を及ぼすことを示す。しかしながら、このアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートとこのアルコキシ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートは、このオイルの摩擦特性に害を及ぼさない。
【0062】
【表2】
Figure 0003967992
【0063】
実施例8
ASTMD−4172に定義したような四球磨耗試験を用いて、このアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの磨耗防止特性を示した。評価する添加剤を表3に示すように、SAEグレード5W−30タイプのモーターオイルの中にブレンドした。このモーターオイルは通常の分散剤防止剤パッケージを含有し、これをAPI基IIカテゴリーに適合する低イオウ及び低芳香族の水素クラッキング及びイソ脱ワックス処理を受けた基油と配合した。このオイルは二級亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)に由来する500ppmのリンと0.3重量%のHiTEC 4793、アルキル化ジフェニルアミン酸化防止剤を含有していた。比較のために、R.T.Vanderbilt Company,Inc.から入手できる市販のジチオカルバメート酸化防止剤(DTC)のVanlube 7723をこの試験に含めた。このジチオカルバメートに対するすべての添加剤トリート率は、このオイルに等しいイオウ(750ppmイオウ)を供給することを基準とした。それゆえ、この添加剤のイオウ含量が高い程、完成オイルへの添加剤のトリート率は低い。試験に先立って、すべてのオイルを磨耗促進剤として1.0重量%のクメンハイドロパーオキサイドで処理した。四球磨耗試験での結果をミリメーターの磨耗傷跡として示す。磨耗傷跡に対する低い値は有効な磨耗防止を示し、一方では高い値は劣った磨耗防止を示す。表3の結果は、このアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの添加が四球磨耗試験での磨耗傷跡を低減させることを明らかに示す。この結果は、また、この新しいアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートが市販のジチオカルバメートのVanlube 7723よりも磨耗傷跡の低減において有効であることも示す。
【0064】
【表3】
Figure 0003967992
【0065】
実施例9
若干異なるモーターオイル中で上記に定義したように四球磨耗試験を行った。評価する添加剤を表4に示すように、SAEグレード5W−30タイプモーターオイルの中にブレンドした。このモーターオイルは通常の分散剤防止剤パッケージを含有し、これをAPI基IIカテゴリーに適合する低イオウ及び低芳香族の水素クラッキング及びイソ脱ワックス処理を受けた基油と配合した。このオイルは、また、二級亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)に由来する500ppmのリンと0.4の重量%のHiTEC 4793アルキル化ジフェニルアミン酸化防止剤も含有していた。これらの評価では、色々のレベルのクメンハイドロパーオキサイド(過酸化物)を使用した。このジチオカルバメートトリート率は完成モーターオイルにほぼ1500ppmのイオウを供給することを基準としている。表4の結果は、この磨耗促進剤の存在下では本発明のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートの添加が四球磨耗試験での磨耗傷跡を低減させることを明らかに示す。
【0066】
【表4】
Figure 0003967992
【0067】
実施例10
添加剤の熱安定性を定性的に評価するツールとして熱重量分析(TGA)を使用することができる。この試験は特定のランプ昇温シーケンスに従って添加剤の小さい試料を加熱することを含む。このTGA装置は試料重量減少を温度の関数としてモニターする。ほぼ同一の分子量の材料に対しては、重量減少速度が迅速である程、熱安定性が低いことにおおまかに対応する。本発明の新しいアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートと市販のジチオカルバメートのVanlube 7723(DTC)についてTGAを行った。次の加熱シーケンスを使用した:30°Cで平衡させ、20°C/分で900°Cまでランプさせる。この実験を窒素雰囲気下で行った。特定の重量減少が観測された温度を表5に示す。この結果は、本発明のアルキルチオ−及びヒドロキシル−置換ジチオカルバメートが市販のジチオカルバメートDTCよりも揮発性であることを示す。この新しいジチオカルバメートの分子量はDTCよりも若干高いので、この迅速な重量減少は熱安定性の低下によるものである。このデータは本発明のジチオカルバメートが慣用のDTCよりも低い温度で分解することを示し、そしてこのような特性は、慣用のDTCに比べてこの新しいジチオカルバメートの磨耗防止及び摩擦性能の改善を説明する。
【0068】
【表5】
Figure 0003967992
【0069】
本発明は実施する場合かなりのバリエーションを受けることがある。従って、本発明は上記に述べた具体的な例示に限定されない。むしろ、本発明は、法律の問題として入手可能なこれらの同等物を含む添付の請求項の精神と範囲内である。
【0070】
特許権所有者はいかなる開示された態様も公にゆだねることを意図せず、そしていかなる開示された改変または変更もこの請求項の範囲内に文字通り入らない範囲で同等物の原則の下で本発明の部分と考えられる。
【0071】
本発明の特徴及び態様は次の通りである。
【0072】
1.次の化学構造
【0073】
【化21】
Figure 0003967992
【0074】
(ここで、R及びR’は水素またはアルキルであってもよく、このさいRまたはR’の少なくとも一つはアルキルであり、ここでR”はアルキルまたはR”'OCOCH2、またはR”'OCOCH2CH2(ここで、R”'はアルキルであり、そしてXはSである)である)
を有する組成物。
【0075】
2.R及びR’がアルキルである上記1の組成物。
【0076】
3.R”がR”'OCOCH2である上記1の組成物。
【0077】
4.R”がR”'OCOCH2CH2である上記1の組成物。
【0078】
5.R”がアルキルである上記1の組成物。
【0079】
6.該アルキル基がC4ないしC12である上記5の組成物。
【0080】
7.該アルキル基がC9ないしC12である上記5の組成物。
【0081】
8.R及びR’が3ないし8個の炭素原子を有するアルキル基から独立に選ばれる上記1の組成物。
【0082】
9.R及びR’が4ないし6個の炭素原子を有するアルキル基から独立に選ばれる上記1の組成物。
【0083】
10.アルキルグリシジルチオエーテルと一級及び/または二級アミン、及び二硫化炭素とを反応させることを含んでなる組成物を製造する方法。
【0084】
11.該組成物が潤滑剤添加剤である上記10の方法。
【0085】
12.上記11の方法により製造される潤滑剤添加剤。
【0086】
13.上記10の方法により製造される反応生成物。
【0087】
14.上記1の組成物と潤滑性粘度の基油を含んでなる潤滑油。
【0088】
15.洗浄剤、分散剤、磨耗防止剤、摩擦変成剤、流動点降下剤、発泡防止剤、防食剤、防錆剤、及び粘度指数改善剤の少なくとも一つを更に含んでなる上記14の潤滑油。
【0089】
16.上記12の組成物と潤滑性粘度の基油を含んでなる潤滑油組成物。
【0090】
17.ジフェニルアミン、フェノチアジン、ヒンダードフェノール、イオウ化ヒンダードフェノール、アルキルフェノール、イオウ化アルキルフェノール、メチレン架橋ヒンダードフェノール、スルフィド及びポリスルフィド、イオウ化オレフィン、及びイオウ化油脂から選ばれる少なくとも一つの酸化防止剤を更に含んでなる上記14の潤滑油。
【0091】
18.上記1の組成物を含んでなる乗用車クランクケースエンジンオイル。
【0092】
19.上記1の組成物を含んでなる重作業用ジーゼルエンジンオイル。
【0093】
20.上記1の組成物を含んでなる鉄道用オイル。
【0094】
21.上記1の組成物を含んでなる天然ガスエンジンオイル。
【0095】
22.上記1の組成物を含んでなる油圧オイル。
【0096】
23.上記1の組成物を含んでなるタービンオイル。
【0097】
24.上記1の組成物を含んでなる防錆及び酸化防止オイル。
【0098】
25.上記1の組成物を含んでなる自動伝動装置用流体。
【0099】
26.R、R’及びR”中の炭素原子の総合計が10個以上である上記1の組成物。
【0100】
27.R、R’、R”、及びR”'がアルキルであり、線状及び分岐の異性体から独立に選ばれる上記1の組成物。
【0101】
28.R、R’、R”、及びR”'がアルキルであり、メチル、エチル、プロピル、ブチル.ペンチル.ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシル、及びこれらの異性体から独立に選ばれる上記1の組成物。
【0102】
29.該アルキルグリシジルチオエーテル、一級及び/または二級アミン、及び二硫化炭素がほぼ等しいモル濃度で合体される上記10の方法。
【0103】
30.メルカプタンとエピクロロヒドリンを反応させることによりエポキシドを準備し、そして該エポキシドと該アミン及び二硫化炭素とを反応させるステップを含んでなる上記10の方法。
【0104】
31.上記アミンと二硫化炭素とを反応させる前に該エポキシドを単離あるいは精製しない上記30の方法。
【0105】
32.該エポキシドがアルキルグリシジルチオエーテルであり、そして該アミンが一級アミンである上記10の方法。
【0106】
33.該エポキシドがアルキルグリシジルチオエーテルであり、そして該アミンが二級アミンである上記10の方法。
【0107】
34.該アルキルグリシジルチオエーテルがメチルグリシジルチオエーテル、エチルグリシジルチオエーテル、n−プロピルグリシジルチオエーテル、n−ブチルグリシジルチオエーテル、s−ブチルグリシジルチオエーテル、n−ヘキシルグリシジルチオエーテル、シクロヘキシルグリシジルチオエーテル、n−オクチルグリシジルチオエーテル、t−ノニルグリシジルチオエーテル、n−ドデシルグリシジルチオエーテル、t−ドデシルグリシジルチオエーテル、及びこれらの混合物から選ばれる上記10の方法。
【0108】
35.該アルキルグリシジルチオエーテルがカルボン酸エステル置換アルキルグリシジルチオエーテルである上記10の方法。
36.次の化学構造
【0109】
【化22】
Figure 0003967992
【0110】
を有する組成物。
【0111】
37.R及びR’が独立にC3あるいはそれ以上のアルキル基である上記36の組成物。
【0112】
38.2−プロパノール−1,3−ビス−ジアルキルカルバモジチオエートの組成物。
【0113】
39.3−(t−ドデシルチオ)−2−ヒドロキシプロピル2−エチルヘキシルカルバモジチオエートの組成物。
【0114】
40.次の化学構造
【0115】
【化23】
Figure 0003967992
【0116】
を有する組成物。
【0117】
41.3−(t−ドデシルチオ)−2−ヒドロキシプロピルジブチルカルバモジチオエートの組成物。
【0118】
42.次の化学構造
【0119】
【化24】
Figure 0003967992
【0120】
を有する組成物。
【0121】
43.2−エチルヘキシル3−[[3−[[(ジブチルアミノ)チオキソメチル]チオ]−2−ヒドロキシプロピル]チオ]プロパノエートの組成物。
【0122】
44.次の化学構造
【0123】
【化25】
Figure 0003967992
【0124】
を有する組成物。
【0125】
45.3−(n−ドデシルチオ)−2−ヒドロキシプロピルジブチルカルバモジチオエートの組成物。
【0126】
46.次の化学構造
【0127】
【化26】
Figure 0003967992
【0128】
を有する組成物。
【0129】
47.3−(t−ドデシルチオ)−2−ヒドロキシプロピルビス(2−エチルヘキシル)カルバモジチオエートの組成物。
【0130】
48.次の化学構造
【0131】
【化27】
Figure 0003967992
【0132】
を有する組成物。
【0133】
49.潤滑性粘度のオイルに酸化を低減させる量の上記1の組成物を添加することを含んでなる潤滑油の酸化を低減する方法。
【0134】
50.潤滑油により潤滑されたエンジン中での堆積物生成を低減させる方法であって、上記方法が潤滑性粘度のオイルに堆積物を低減させる量の上記1の組成物を添加し、エンジンを上記潤滑油により潤滑することを含んでなる方法。
【0135】
51.潤滑油により潤滑されたエンジン中でのエンジン磨耗を低減させる方法であって、上記方法が潤滑性粘度のオイルに磨耗を低減させる量の上記1の組成物を添加し、エンジンを上記オイルにより潤滑することを含んでなる方法。
【0136】
52.潤滑油により潤滑されたエンジン中でのエンジン摩擦を低減させる方法であって、上記方法が潤滑性粘度のオイルに摩擦を低減させる量の上記1の組成物を添加し、エンジンを上記オイルにより潤滑することを含んでなる方法。
【0137】
53.潤滑油により潤滑されたエンジン中での燃料経済性を改善する方法であって、上記方法が潤滑性粘度のオイルに燃料経済性を改善する量の上記1の組成物を添加し、エンジンを上記オイルにより潤滑することを含んでなる方法。
【0138】
54.エンジンを上記潤滑油により潤滑することを更に含んでなる上記49の方法。
【0139】
55.ギアを上記潤滑油により潤滑することを更に含んでなる上記49の方法。
【0140】
56.自動伝動装置を上記潤滑油により潤滑することを更に含んでなる上記49の方法。
【0141】
57.油圧機構を上記潤滑油により潤滑することを更に含んでなる上記49の方法。
【0142】
58.上記1の組成物を含んでなるオイルにより潤滑されるエンジン。
【0143】
59.上記1の組成物を含んでなるオイルにより潤滑されるギア。
【0144】
60.上記1の組成物を含んでなるオイルにより潤滑される自動伝動装置。
【0145】
61.上記1の組成物を含んでなるオイルにより潤滑されるタービン。

Claims (8)

  1. 次の化学構造
    Figure 0003967992
    (ここで、R及びR’は水素またはアルキルであってよく、このさいRまたはR’の少なくとも一つは少なくとも3つの炭素原子を有するアルキルであり、ここでR”はアルキル、またはR”'OCOCH2、またはR”'OCOCH2CH2(ここで、R”'はアルキルである)である)
    を有する化合物を含んでなる潤滑剤組成物。
  2. アルキルグリシジルチオエーテルと一級及び/または二級アミン、及び二硫化炭素とを反応させることを含んでなる、潤滑剤組成物を製造する方法。
  3. 次の化学構造
    Figure 0003967992
    (ここで、R及びR’は独立に少なくとも3つの炭素原子を有するアルキル基から選択される)
    を有する化合物を含んでなる潤滑剤組成物。
  4. 次の化学構造
    Figure 0003967992
    を有する化合物を含んでなる潤滑剤組成物。
  5. 次の化学構造
    Figure 0003967992
    を有する化合物を含んでなる潤滑剤組成物。
  6. 次の化学構造
    Figure 0003967992
    を有する化合物を含んでなる潤滑剤組成物。
  7. 次の化学構造
    Figure 0003967992
    を有する化合物を含んでなる潤滑剤組成物。
  8. 次の化学構造
    Figure 0003967992
    を有する化合物を含んでなる潤滑剤組成物。
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