JP3967816B2 - キャピラリーカラムへのゲル充填装置 - Google Patents

キャピラリーカラムへのゲル充填装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマルチキャピラリー電気泳動装置において使用される複数本のキャピラリーカラムに試料が電気泳動する媒体となるゲルを充填するためのゲル充填装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動装置は核酸、タンパク質、ぺプチド、糖などを分離分析するために使用されており、特に、DNAの塩基配列の解析には重要な役割を果たしている。
人ゲノムのような長大な塩基配列をもつDNAの塩基配列決定には、高感度で、高速で、かつ大処理能力をもった電気泳動装置が必要となる。その1つの方法として、平板状のスラブゲルを用いたものに代わってゲルを充填したキャピラリーカラムを複数本配列したマルチキャピラリー電気泳動装置が提案されている。キャピラリーカラムは、スラブゲルに比べて、試料の取扱いや注入が容易であるだけでなく、高速に泳動させて高感度で検出できる。つまり、スラブゲルで高電圧を印加すれば、ジュール熱の影響によりバンドが広がったり、温度勾配が生じるなどの問題が生じるが、キャピラリーカラムではそのような問題は少なく、高電圧を印加して高速泳動をさせても、バンドの広がりが少なく高感度検出ができるのである。
【0003】
複数本のキャピラリーカラムは、試料注入側では二次元的に配列され、検出側では平面上に一列に配列された状態で電気泳動装置に装着される。その複数本のキャピラリーカラムは、操作性の観点から、カセットホルダによって配列が固定されたキャピラリーカセットとすることが検討されている。
キャピラリー電気泳動装置の初期のものは1本のキャピラリーカラムを用いるものである。その場合にはキャピラリーカラムへのゲルの充填方法として、キャピラリーカラムの一端を容器内のゲル溶液に浸し、その容器を密閉してその容器内を加圧することによりゲルをキャピラリーカラムに押し込んで充填している。他の方法として、キャピラリーカラムの一端をゲル溶液に浸し、キャピラリーカラムの他端を減圧してゲルをキャピラリーカラムに吸引することにより充填することも行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
マルチキャピラリー電気泳動においては、複数本のキャピラリーカラムを扱うため、試料注入側では試料注入の際にキャピラリーカラム端面を揃える必要があり、検出側では検出を行なう際のキャピラリー皮膜除去部を揃えて扱う必要があることから、試料注入側、検出側ともに所定の配置関係になるようにカセットホルダによって配列が固定されたキャピラリーカセットとすることが望ましい。
そして、キャピラリーカセットとした状態でキャピラリーカラムの1本ずつにゲルを充填することは非常に手間がかかり、また、現実的には不可能である。そこで、キャピラリーカセットを単位としてそれに含まれる全てのキャピラリーカラムにゲル充填を簡便に行なえるようにすることが望まれている。
そこで、本発明はそのようなキャピラリーカセットに含まれる全てのキャピラリーカラムへゲルを簡便に充填できるようにする装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マルチキャピラリー電気泳動装置に装着される複数のキャピラリーカラムの試料注入側の端部がカセットホルダの保持部材を貫通して2次元的に配列されその保持部材との間に気密を保って固定されたキャピラリーカセットのキャピラリーカラムにゲルを充填するための装置である。
キャピラリーカラムへのゲル充填は吸引又は加圧のいずれによっても行なうことができる。ゲル充填の際、それぞれのキャピラリーカラムを1本ずつシールして吸引又は加圧を行なうのではなく、キャピラリーカラムを気密を保って固定しているカセットホルダにより、そのキャピラリーカセットの全てのキャピラリーカラムをシールし、同時にゲル充填を行なうようにする。
【0006】
吸引によりゲル充填を行なう方式では、本発明は上面に開口が設けられ、その開口にはキャピラリーカラムの試料注入側の端部を内側に入れてカセットホルダによりその開口を密閉する密閉手段が設けられ、さらに排気口及び大気への開放口が設けられたチヤンバと、ゲル溶液を収容し、キャピラリーカラムの試料注入側とは反対側の端部が浸されるゲル容器と、チヤンバの排気口に設けられた排気手段と、開放口に設けられた開閉弁とを備えている。
吸引によりゲル充填を行なう場合、キャピラリーカセットの全てのキャピラリーカラムの検出側(試料注入側とは反対側)の先端をゲル容器に入ったゲルに浸し、チャンバの開口をキャピラリーカセットのカセットホルダで密閉し、排気手段によりチャンバ内を減圧してキャピラリーカラムにゲル溶液を吸入する。
【0007】
また、加圧によりゲル充填を行なう方式では、本発明は上面に開口が設けられ、その開口にはキャピラリーカラムの試料注入側の端部を内側に入れてカセットホルダによりその開口を密閉する密閉手段が設けられ、内部にはその開口がカセットホルダにより密閉された状態でキャピラリーカラムの試料注入側の端部が浸される位置にゲル溶液を収容し、さらに加圧口及び大気への開放口が設けられたチヤンバと、チヤンバの加圧口に設けられた加圧手段と、開放口に設けられた開閉弁とを備えている。
加圧によってゲル充填を行なう場合、チヤンバ内にゲル溶液を入れ、そのゲル溶液に試料注入側のキャピラリーカラムの先端を浸してカセットホルダによりチャンバの開口を密閉し、加圧手段によりチャンバ内を加圧してキャピラリーカラムにゲルを圧入する。
【0008】
【発明の実施の形態】
チャンバの開放口と開閉弁との間には流量を調節する流量調節弁が設けられていることが好ましい。キャピラリーカラムへのゲル充填後、チャンバ内の圧力は大気に開放されるが、この時、チャンバ内が復圧するスピードをその流量調節弁により調整することができる。また、チャンバ内の減圧又は加圧の度合いが大きいときはキャピラリーカラムに充填されたゲルに空気が混入することがあるが、その場合にはその流量調節弁により減圧又は加圧の度合いを調整することができる。
加圧によってゲル充填を行なう方式の場合、チャンバ内にゲル溶液を直接入れてもよいが、チャンバ内に着脱可能な容器を設け、その容器にゲル溶液を収容するようにすれば、チャンバの保守の面で好ましい。
【0009】
【実施例】
マルチキャピラリー電気泳動装置の一例の概略斜視図を図1に示す。
キャピラリーカセット2は複数本のキャピラリーカラム102が配列され、カセットホルダ4、6により固定されてキャピラリーアレイを構成したものであり、そのキャピラリーアレイの一端2aが試料注入側となってカセットホルダ4により二次元的に配列されて固定されており、試料注入後に泳動用のリザーバ62のバッファ液と接触する。そのキャピラリーアレイの終端2bはキャピラリーカラム102が一列に配列されており、先端でリザーバ56のバッファ液と接触する。キャピラリーアレイの終端側にはキャピラリーカラム102が一列に配列されてカセットホルダ6により支持されている被検出部2cが設けられている。キャピラリーカラム102は破損から守るために皮膜により被覆されている。泳動してきた試料を検出するのに蛍光検出法が用いられる場合、その被覆が蛍光を発するものであるときは、被検出部2cではその皮膜を除去しておく。キャピラリーカラム102として、無蛍光材質の被膜により被覆されているものを使用すれば、被検出部2cでもキャピラリーカラムの102の被膜は除去する必要がない。キャピラリーカセット2には多数のキャピラリーカラム、例えば384本のキャピラリーカラムが配列されている。
各キャピラリーカラム102には異なる試料がそれぞれ注入され、同時に電気泳動がなされる。
【0010】
試料又は試料を標識した蛍光物質を励起するための励起光源8として、例えばアルゴンガスレーザ装置が設けられている。10は励起・受光光学系であり、被検出部2cのキャピラリーカラム102に励起光のビームを照射し、試料からの蛍光を検出するものであり、走査機構(図示略)により、被検出部2cでのキャピラリーカセットの配列面に平行で泳動方向に直交する走査方向に走査される。励起光源8からの励起光ビームが励起・受光光学系10の走査によってもずれないようにするために、ここでは一例として励起光源8からのレーザビームがカップラーにより結合された光ファイバ9を経て励起・受光光学系10に導かれている。
【0011】
下側のリザーバ62には泳動用バッファ液が入れられ、キャピラリーアレイの下端2aがそのバッファ液に浸され、そのバッファ液を通してキャピラリーカセット2の下端2aのキャピラリー端に泳動用電圧が印加される。上側のリザーバ56のバッファ液には上側電極54が浸されて接触し、下側のリザーバ62のバッファ液には下側電極58が浸されて接触し、両電極54,58には高圧電源60から泳動電圧が印加される。その電源電圧は例えば30kVで、電流容量は10〜30mAである。
泳動される試料はタンパク質試料や、蛍光物質で標識されたDNAフラグメント試料などである。
【0012】
図2、図3及び図4に本発明によるゲル充填装置に装着されるキャピラリーカセットの一例の概略構成図を示す。図2は正面図、図3は左側面図、図4は上面図である。図1と同一の役割をする部分には同一符号を付す。
試料注入側のカセットホルダ4は、皮膜を有し、外径300μm、内径100μmの石英ガラスキャピラリーカラム102を2次元的に配列するための樹脂製のホルダ板4a、4bの間に、キャピラリーカラム102を挟持して固定する厚さ5mmのシリコーンゴム製のゴム板14が挾み込まれ、固定ネジ4cにより一体化されたものである。ホルダ板4a,4bには、試料導入に使用する384穴マイクロプレートの各穴の位置に対応して、384個のキャピラリーカラム102を通す穴が4.5mmピッチの16×24の2次元に設けられている。それらのホルダ板4a,4bの穴はキャピラリーカラム102の外径よりも大きく設定されている。キャピラリーカラム102は両ホルダ板4a、4b及びその間に挾まれたゴム板14を貫通し、ゴム板14の穴内にゴムの弾性により挟持されることによりカセットホルダ4との間に気密を保って固定されている。ホルダ板4aの一端にはキャリア取付け具20が設けられている。
【0013】
検出側のカセットホルダ6は、密着して平面上に並べられたキャピラリーカラム102を下側からはホルダ板6aにより、上側からは厚さ2mmのシリコーンゴム製のゴム板16により挾むことによって固定している。ゴム板16によりキャピラリーカラム102をホルダ板6aに押しつけて固定するために、キャピラリーカラム102の配列の両側部でゴム板16をホルダ板6aに固定するホルダ板6bが設けられている。
【0014】
カセットホルダ6において384本のキャピラリーカラム102を一列に並べると、密着させて並べても幅が約12cmとなるため、ゴム板16は両端部を固定すると中央部で外側に向かって湾曲し、そのためカセットホルダ6の中央付近でゴム板16がキャピラリーカラム102を保持する力が弱くなる。そこで、ゴム板16がホルダ板6bによりホルダ板6aに固定されている両端部間でゴム板16がホルダ板6aから離れる方向に浮き上がらないように、ホルダ板6bの内側(ゴム板16との対向側)にはキャピラリーカラム102の配列方向に延びる2本の溝17aが設けられ、その溝17aにはゴム板16をホルダ板6aの方向に押すクランプバー18bが数個所、例えば両側にそれぞれ3か所ずつの合計6ヵ所の位置に嵌め込まれ、各クランプバー18bにはホルダ板6bに螺合してホルダ板6bの外側に突出したクランプねじ18aが設けられている。そのクランプねじ18aを調節することにより、ゴム板16を介してキャピラリーカラム102を押しつける締め付け力を調節できるようになっている。
【0015】
キャピラリーカラム102の全長は約500mmであり、インジェクション端から約400mmの位置に被検出部2cが設けられている。被検出部2cに検出用ウィンドウを形成するために、ホルダ板6a、6b及びゴム板16にはキャピラリーカラム102の配列方向に沿った長穴17bがそれぞれ開けられ、長穴17bの重なった部分が被検出部2cとなっている。電気泳動の際の信号検出は、その長穴17bを通して行なわれる。
また、本発明によるゲル充填装置には、後述のように、カセットホルダ4を案内するガイド棒30aと、カセットホルダ4を固定する固定手段11が設けられており、カセットホルダ4にはそのガイド棒30aが通るガイド穴30aと、その固定手段11と係合するように4隅の厚さが外方向に向かって薄くなるように傾斜した固定部4dが設けられている。
【0016】
本発明によるキャピラリーゲル充填装置の一実施例の概略構成図を図5、図6及び図7に示す。図5は密閉手段部及び固定手段部を一部切り欠いて示す正面図、図6はポンプ手段収納ボックスの上部及びその内部に設置されるタイマーユニットを一部を切り欠いて示す平面図、図7はポンプ手段収納ボックスを一部切り欠いて示す図6のA−A線位置での断面図である。
基板1上に、図2、図3及び図4に示す試料注入側カセットホルダ4が固定されて密閉空間を作るチャンバ3と、そのチャンバ3内を加圧又は減圧するポンプ手段を内部に備えるポンプ手段収納ボックス5と、検出側カセットホルダ固定手段7と、検出側ゲル容器固定手段29と、が備えられている。
【0017】
チャンバ3は、上部及び底部を閉じるための厚さ10mm、170mm角のアクリル板3a、3c、及び側部を閉じるための外形165mm、内径145mmのアクリルパイプ3bから構成されている。アクリルパイプ3bの両断面とアクリル板3a、3cとの間はシリコーンゴムパッキンを挾んでシールされている。アクリル板3aには80mm×115mmの角穴の開口13が設けられており、ここに試料注入側カセットホルダ4が装着される。この角穴開口13の周りには溝が掘られ、その溝には環状で断面が円形のシリコーンスポンジ13aが篏め込まれている。シリコーンスポンジ13はアクリル板3aの表面より約半分が出ており、アクリル板3aと試料注入側カセットホルダ4との間をシールする。アクリル板3a上には試料注入側カセットホルダ4をアクリル板3aに固定するための4個のクランプ11が備えられており、試料注入側カセットホルダ4の4隅の固定部4dと係合し、このクランプ11を締めつけることにより、カセットホルダ4がスポンジ13に押しつけられてチャンバ3の空間を密閉する。
【0018】
アクリルパイプ3bの側面(円筒面)には2つのジョイントが設けられており、一方のジョイント15には、チャンバ3内を加圧又は減圧するポンプ19が接続されている。他方のジョイントには、ニードルバルブ17を介して加圧又は減圧されたチャンバ3内の圧力を大気圧に開放する電磁弁21が接続されており、その復圧スピードはニードルバルブ17により調整される。
【0019】
ポンプ手段収納ボックス5には、ポンプ19及び電磁弁21の他に、ポンプ19の作動時間を制御するタイマ23a、電磁弁21の作動時間を制御するタイマ23bが収納されている。
検出側ゲル容器固定手段29には、検出側からゲル溶液を吸入する際にそのゲル溶液を蓄えておく検出側ゲル容器9aが備えられている。ゲル溶液には例えば5%T、5%Cのポリアクリルアミド溶液を使用する。
【0020】
次に、動作について説明する。実施例では図2、図3及び図4に示す384本のキャピラリーカラム102を備えたキャピラリーカセットを用いた。
384本のキャピラリーカラム102の試料注入側は、試料注入側カセットホルダ4によって市販のマイクロプレートに合わせて4.5mmピッチの16×24の二次元に配列されて気密性よく固定され、その検出側は、検出側カセットホルダ6によって平面状に一列に密着して固定されている。
【0021】
チャンバ3内部を減圧することによってゲル充填を行なう場合、検出側ゲル容器29aにゲル溶液を蓄えておく。キャピラリーカラム102の検出側の先端が検出側ゲル容器29aに入ったゲル溶液に浸かるように、検出側カセットホルダ6を検出側カセットホルダ固定手段7に固定する。試料注入側カセットホルダ4の4隅の固定部4dをアクリル板3a上に設けられた4個のクランプ11によって固定し、クランプ11を締め付けることによって試料注入側カセットホルダ4をシリコーンスポンジ13aに押し当て、アクリル板3aに密着固定する。ポンプ19によりチャンバ3内部を減圧してキャピラリーカラム102内部を減圧し、検出側の先端からゲル溶液を吸い込む。キャピラリーカラム102にゲル溶液が充填され、試料注入側からあふれ出す過剰量のゲル溶液は、図示しない容器をチャンバ3内部に備えて受けることが好ましい。
【0022】
チャンバ3内部を加圧することによってゲル充填を行なう場合、ゲル溶液を蓄えた図示しない容器をチャンバ3内部に備え、容器29aは空にしておく。試料注入側カセットホルダ4の4隅の固定部4dをアクリル板3a上に設けられた4個のクランプ11によって固定したとき、そのゲル容器に試料注入側の全てのキャピラリーカラムの先端が浸かるように、カセットホルダ4から突出するキャピラリーカラムの長さ、及びゲル容器を収容した容器の高さを調整しておく。検出側カセットホルダ6は検出側カセットホルダ固定手段7に固定する。この場合も、試料注入側カセットホルダ4は、クランプ11を締め付けることによってシリコーンスポンジ13に押し当てられ、アクリル板3aに密着固定され、試料注入側カセットホルダ4、アクリル板3a、3b及びアクリルパイプ3bで囲まれるチャンバ3内部の空間が密閉される。ポンプ19によりチャンバ3内部を加圧し、その圧力によってゲル溶液をキャピラリーカラム内部に押し込む。キャピラリーカラム102にゲル溶液が充填され、検出側からあふれ出す過剰量のゲル溶液は、検出側ゲル容器29aによって受ける。
【0023】
減圧する場合も加圧する場合も、全てのキャピラリーカラム102にゲル溶液が充填される時間を見計らって、ポンプ19及び電磁弁21の作動時間を予めタイマ23a及び23bによって設定しておく。ゲル溶液の充填がRUNボタンにより開始されると、ポンプ19が作動を始め、チャンバ3内部は減圧又は加圧される。タイマ23aに設定した時間だけ減圧又は加圧を続け、所定の時間でポンプ19は停止する。ポンプ19が停止してもチャンバ3内部は減圧又は加圧されたままなので、タイマ23bに設定された時間が経過すると電磁弁21が開き、ニードルバルブ17を介してチャンバ3内部の圧力は大気に開放される。この時、チャンバ3内部が復圧するスピードはニードルバルブ17により調整されている。
チャンバ3内部の減圧・加圧は、ジョイント15に接続されている配管をポンプ19の排気ポートと吸気ポートのどちらに接続するかによって選択することができる。
【0024】
チャンバ3内部の減圧又は加圧の度合いが大きいために、キャピラリーカラムに充填されたゲルに空気が混入するのを防ぐために、減圧又は加圧の度合いを制御することが好ましい。この制御は、タイマ23aによりポンプ19が作動しているときにも電磁弁21を開いておき、ニードルバルブ17に備えられたしぼりにより行なうことができる。その場合、タイマ23aの設定時間が経過すると電磁弁21は一旦閉まり、タイマ23bに設定された時間経過後、再び開いてチャンバ3内部を大気開放する。
【0025】
実施例ではポンプ内臓タイプであるが、充填するゲル溶液が流動ゲルなど粘性の高いものであり高圧を発生する必要がある場合には、圧力発生源を外部とし、例えば高圧ボンベや真空ポンプに接続することが好ましい。高圧ボンベを使用する際には、新たな電磁弁を設けてタイマーにより制御し、ボンベ内の圧縮ガスをチャンバ内に導入することが好ましい。
実施例では減圧・排気の切り換えを可能にするためにダイアフラムポンプを使用したが、吸引のみ又は排気のみのポンプを用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】
マルチキャピラリー電気泳動装置に装着されるキャピラリーアレイを構成する複数本のキャピラリーカラムにゲル溶液を充填するとき、それぞれのキャピラリーカラムを直接密着固定するのではなく、複数本のキャピラリーカラムを気密性よく固定した試料注入側カセットホルダを用いて密着手段にシールしてゲルの充填を行なうので、複数本のキャピラリーカラムのゲル充填を同時に行なうことができる。また、簡便な装着と、装着した際の気密性を両立することができる。
複数本のキャピラリーカラムへのゲル溶液の充填を同時に行なうことができるため、マルチキャピラリー電気泳動の複数試料の泳動を同時に行なうことによる処理能力の向上という最大のメリットをその前処理であるゲル作成のプロセスで損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によりゲルを充填されるキャピラリーカセットを装着するマルチキャピラリー電気泳動装置の一例の概略斜視図である。
【図2】 本発明によりゲルを充填されるキャピラリーカセットの一例の正面図である。
【図3】 同キャピラリーカセットの左側面図である。
【図4】 同キャピラリーカセットの上面図である。
【図5】 一実施例のキャピラリーカラムゲル充填装置の概略構成を一部切り欠いて示す正面図である。
【図6】 同実施例を一部切り欠いて示す平面図である。
【図7】 同実施例を一部切り欠いて示す図6のA−A線位置での断面図である。
【符号の説明】
1 基板
3 チャンバ
3a、3c アクリル板
3b アクリルパイプ
11 クランプ
13 シリコーンスポンジ
17 ニードルバルブ
19 ポンプ
21 電磁弁

Claims (3)

  1. マルチキャピラリー電気泳動装置に装着される複数のキャピラリーカラムに試料が電気泳動する媒体となるゲルを充填するためのゲル充填装置であって、
    それらのキャピラリーカラムは、その試料注入側の端部がカセットホルダの保持部材を貫通して2次元的に配列され、その保持部材との間に気密を保って固定されてキャピラリーカセットを構成しており、
    このゲル充填装置は、上面に開口が設けられ、その開口には前記キャピラリーカラムの試料注入側の端部を内側に入れて前記カセットホルダによりその開口を密閉する密閉手段が設けられ、さらに排気口及び大気への開放口が設けられたチヤンバと、
    ゲル溶液を収容し、前記キャピラリーカラムの試料注入側とは反対側の端部が浸されるゲル容器と、
    前記チヤンバの排気口に設けられた排気手段と、
    前記開放口に設けられた開閉弁と、を備えたことを特徴とするゲル充填装置。
  2. マルチキャピラリー電気泳動装置に装着される複数のキャピラリーカラムに試料が電気泳動する媒体となるゲルを充填するためのゲル充填装置であって、
    それらのキャピラリーカラムは、その試料注入側の端部がカセットホルダの保持部材を貫通して2次元的に配列され、その保持部材との間に気密を保って固定されてキャピラリーカセットを構成しており、
    このゲル充填装置は、上面に開口が設けられ、その開口には前記キャピラリーカラムの試料注入側の端部を内側に入れて前記カセットホルダによりその開口を密閉する密閉手段が設けられ、内部には前記開口が前記カセットホルダにより密閉された状態で前記キャピラリーカラムの試料注入側の端部が浸される位置にゲル溶液を収容し、さらに加圧口及び大気への開放口が設けられたチヤンバと、
    前記チヤンバの加圧口に設けられた加圧手段と、
    前記開放口に設けられた開閉弁と、を備えたことを特徴とするゲル充填装置。
  3. 前記開放口と前記開閉弁との間には流量を調節する流量調節弁が設けられている請求項1又は2に記載のゲル充填装置。
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