JP3967144B2 - おしめ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗濯をして繰返し使用することができる布製のおしめ、特に老人介護施設などで好適に使用することができる大人用のおしめに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のおしめとして、図4に示すように、綿糸を主体にした柔軟性のある厚手の方形状織布を用い、中折目線21から二つに折り重ね中央縫合線22、耳部縫合線23で縫合し一体化したものが普及している。
【0003】
ところが、このおしめは、吸水性を高めるため、甘撚の紡績糸を用い、粗い織り組織の織布からなるもので、股部への装着、洗濯、乾燥を繰返すに従って、左右両端縁が摩擦で摩耗しほつれやすく、全体としては、まだ、使用可能であるのに廃棄処分しなければならず不経済であり、ごみが増えて環境悪化につながり、また、乾燥速度が遅い等の問題点があった。
【0004】
さらに、耐久性を高めるため、綿にポリエステル等の合成繊維を混ぜた混紡糸からなる織布を用いたものもあるが、吸水性が低下し、汚物中の脂肪分がポリエステルの繊維内部に溶け込んで吸着する、所謂黒ずみ現象が発生しやすく、この黒ずみは洗濯しても落ちにくく、同じように、臭気が繊維内部に吸着しやすく、洗濯後も臭く、また、股部へ装着中動くことによって静電気が発生し不快感を生じることがある等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の課題は、綿100%の織布からなるものに比べて耐摩耗性の向上を図り、また、ポリエステル等の合成繊維を混紡した織布からなるものの黒ずみ現象、残臭気現象、静電気発生現象等の不良現象を無くし、さらに、吸水性の向上を図ったおしめを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、多数本の綿糸の経糸の間に、少数本の綿・合成繊維混紡糸の経糸を介在させた経糸群と、綿糸の緯糸とを用いて股当部本体を製織し、前記股当部本体の左右両端縁に綿・合成繊維混紡糸の経糸からなる小幅の耐摩耗帯を設けたのである。
【0007】
【作用】
この発明に係るおしめは、摩耗してほつれやすい左右両端縁に小幅の耐摩耗帯が設けてあるため、この部分の耐久性が向上し、長期間にわたって使用できて経済的であり、また、略全体が綿であり、綿の特性の吸水性、柔軟性、抗静電気性が保持され、強靱な綿・合成繊維混紡糸が少数本均等に織込まれているため、全体として優れた耐久性を備え、かつ、合成繊維特有の黒ずみ現象、残臭気現象、静電気発生現象等の不良現象が起きにくい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明のおしめは、図1、図2及び図3に示すように10本の20番手綿糸の経糸1の間に、1本の綿70%・ポリエステル30%の21番手混紡糸の経糸2を介在させた経糸群と、10番手綿糸の緯糸3とを用いて布部中央の股当部本体4が製織され、前記股当部本体4の左右両端縁に、綿70%・ポリエステル30%の21番手混紡糸の経糸5からなる幅1/2インチの耐摩耗帯6、6が設けられた厚手織布から形成されている。
【0009】
さらに、前記織布には、二つに折り重ねて使用するため、耐摩耗帯6に対応して中折目線7を中心に、上記と同じ綿70%・ポリエステル30%の21番手混紡糸の経糸8からなる幅1インチ(二つ折り状態で幅1/2インチになるように)の耐摩耗帯9が設けられており、前記両耐摩耗帯6、9には10番手綿糸の緯糸3が交錯している。
【0010】
前記織布は、ドビー織機等によって製織された表面が滑らかで経糸・緯糸が複数本交錯した凹凸感のある厚手のものであり、この織布を所要長さにカットしておしめ用布10となり、このおしめ用布10を中折目線7から二つ折り重ね、中央縫合線11、耳部縫合線12で縫合し一体化しておしめが形成される。
【0011】
前記おしめは、乾燥を早めるため上下の端縁が開口状態となっており、かがり縫いミシン目によって縁取り13が施されている。
【0012】
前記おしめのうち寝たきり老人等の大人用のものは、織り幅33インチ(約84cm)の長尺の原反を、長さ130cmにカットしておしめ用布10が形成され、製品化したものは、横幅約40cm・長さ約130cmとなる。
【0013】
また、ベビー用のものは、中間に設ける幅1インチの耐摩耗帯の数を増やすと共に、横幅を適宜カットし、長さも縮小して形成される。
【0014】
なお、前記おしめは、上下の端縁を端ミシン目によって縫合閉鎖してもよく、サイズも大人用のものでは、横幅40cm・長さ130cmに限定するものではなく、例えば、S、M、L等用途に対応してその大きさを適宜選択することができる。また、織布に設ける左右両端縁の耐摩耗帯6の幅寸法1/2インチや中央部の耐摩耗帯9の幅寸法1インチも、この寸法に限定されるものではなく、用途に対応して適宜選択することができる。
【0015】
さらに、股当部本体4において、10本〜15本の多数本の綿糸の経糸の間に、1本〜3本の少数本の綿・ポリエステル混紡糸の経糸を介在させて経糸群を形成する等、両糸の本数比率も適宜選択することができる。
【0016】
つぎに、この実施例のおしめを形成する織布の各種性能試験結果と従来品の織布の各種性能試験結果をまとめてみると、表1の通りで、この発明に係るおしめの耐久性の大幅向上が明瞭である。
【0017】
【表1】
Figure 0003967144
【0018】
この発明に係るおしめは、使用する織布として、上述のように、ドビー織機によるドビー織物のほか、織り目が荒く柔軟性、吸水性に富んだガーゼ織物やパイル織物等も用いられ、また、綿・ポリエステル混紡糸において、ポリエステルに限定せず、ナイロン等の他の合成繊維を用いることもでき、綿・合成繊維の混紡比率も綿70%・ポリエステル30%に限定せず、綿65%・ポリエステル35%等両者の混紡比率を適宜選択することができる。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、以上のように、要所に強靱な綿・合成繊維混紡糸の経糸を用いて、左右両端縁に小幅の耐摩耗帯を設けて補強したり、全域に綿・合成繊維混紡糸の経糸を少数本均等に介在させて全体を補強したものであって、耐久性が著しく向上し長期間にわたって使用できて経済的であり、使い捨ての紙おしめと違い、ごみが大幅に減少して環境改善につながり、また、合成繊維特有の黒ずみ現象、残臭気現象、静電気発生現象等の不良現象が防止でき、使用して快適である等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のおしめの一実施例を示す一部切欠平面図
【図2】同上の一部切欠展開図
【図3】同上の股当部本体を示す組織図
【図4】一従来例を示す一部切欠平面図
【符号の説明】
1、2、5、8 経糸
3 緯糸
4 股当部本体
6、9 耐摩耗帯
7、21 中折目線
10 おしめ用布
11、22 中央縫合線
12、23 耳部縫合線
13 縁取り

Claims (2)

  1. 多数本の綿糸の経糸の間に、少数本の綿・合成繊維混紡糸の経糸を介在させた経糸群と、綿糸の緯糸とを用いて股当部本体を製織し、前記股当部本体の左右両端縁に綿・合成繊維混紡糸の経糸からなる小幅の耐摩耗帯を設けたおしめ。
  2. 上記合成繊維としてポリエステルを使用する請求項1記載のおしめ。
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