JP3966646B2 - カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラに係り、より詳細には、カメラの複数の動作を一つの駆動源により行う駆動機構、および駆動機構の一方向のみの駆動力によって撮影レンズの位置決めを制御するレンズ位置制御機構を有するカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カメラにおいて、モータのような、駆動源からの駆動力は、それぞれ異なる動作を実行するために各要素に伝達される。例えば、単焦点カメラにおいては、(1)フィルム給送、(2)フォーカスおよび(3)シャッターの各動作がそれぞれ異なるモータの駆動力により実行される。さらに、複数のレンズグループの相対位置調整が行われるズームカメラにおいては、(1)ズーミング、(2)フィルム給送、(3)フォーカスおよび(4)シャッターの各動作がそれぞれ異なるモータの駆動力により実行される。
【0003】
従来、例えば、フィルム給送(巻上げおよび巻戻し)およびフォーカス(レンズの繰り出しおよび繰り戻し)の4つの動作を行うために、2個のモータを用いるものがあった。この場合、各モータは、例えば、モータを一方に回転させてレンズを伸長する位置へ駆動し、そしてモータを他の方向へ回転させレンズを収納するなど、単一の動作のために用いられている。このような従来のカメラにおいては、モータの駆動力は、モータの正逆両方向への回転により部材を、双方向へ移動させるようにして用いている。ここで、双方向とは、往復動作、すなわち前進後退動作を意味している。
【0004】
この例においては、第1のモータの正転(例えば時計方向への回転)によりフィルムを巻き上げ、逆転により巻き戻すとともに、第2のモータの正転によりレンズを初期位置(ホームポジション)からフォーカス位置へ移動させ、逆転によりレンズをフォーカス位置から初期位置へ移動させる。特開平5−181048号公報には、正逆転切換え可能な1個のモータを用いてフォーカスレンズ群を進退方向(双方向)に駆動する光学装置の構成が開示されている。
特開平5−181048号公報には、モータのコスト減および省スペースのために、上述したフィルム巻き上げ/巻き戻し、レンズの進/退移動の4つの動作を行うのに1個のモータと1個のプランジャー、例えばソレノイドプランジャー、を用いる方法が提案されている。
【0005】
すなわち、モータの正転時に、プランジャーがスイッチ−オン、つまり付勢されていると、フィルムの巻上げが行われ、モータの正転時に、プランジャーがスイッチ−オフ、つまり消勢されていると、レンズの初期位置からフォーカス位置への移動が行われる。そして、モータの逆転時に、プランジャーが付勢されていると、フィルムが巻き戻され、モータの逆転時に、プランジャーが消勢されていると、レンズのフォーカス位置から初期位置への移動が行われる。
【0006】
また、特開平5−127236号公報には、二つの動作、例えばフォーカスとフィルム給送を一つのモータによって行うと共に,一方向のみの駆動源の駆動により撮影レンズを適切に進退制御し得るカメラが提案されている。
本発明者の認識によれば、従来の装置および方法では、2方向への可動部材の制御には、1個のモータと1個のプランジャーのような2つの作動部材が必要であると思われる。したがって、ソレノイドプランジャーは、モータの駆動力の状態に応じて、ある回路をオンとし、他の回路をオフとするような機械的2値装置として用いられている。
【0007】
つまり、ソレノイドプランジャーは、等価的に、双方向移動装置をモータにより正方向および逆方向に制御するための機械的な決定ロジックとして機能する。しかしながら、このようにしてモータの正方向と逆方向を用いることは、モータの駆動力の多重化を可能とすることに他ならない。
本発明者は、単一のカメラにモータと他の動力装置を内蔵させることにより、カメラがコスト、重量、および複雑さを増大するとともに、装置のMTBF(mean time between failure〜平均故障間隔時間)を低下させると判断した。また、本発明者は、モータの2方向の駆動力を用いることは、単一のモータの機械的エネルギーの向きを制御するための論理回路を用いるにもかかわらず、多数のモータを用いる従来の装置よりもコスト、重量および複雑さが少ないと認識している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、例えばフォーカスとフィルム給送のような2つの動作を1つのモータによって実現し、安価で且つスペースをとらない構成のカメラを提供することを主たる目的としている。
本発明の他の目的は、駆動方向が1方向のみの駆動源により、撮影レンズを適切に進退制御するなど2方向の駆動制御を実現し得るカメラを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、上述した目的を達成するために、連繋部材を有し、撮影レンズを保持すべく構成されたレンズ保持部材と、
駆動信号に応答して所定方向の回転駆動力を生成するモータと、
前記モータの前記回転駆動力を介して回転させるための歯車部を有する歯車リングと、
前記歯車リングに設けられ、前記レンズ保持部材の連繋部材に摺接する連繋面を有し、該連繋面は傾斜面を有するカムと、
一端において前記カムおよび歯車リングの一方に結合され、他端において前記カムとは分離された可動体に結合されて、前記モータが前記歯車リングを駆動し、前記カムの前記連繋面が前記レンズ保持部材の前記連繋部材を前記撮影レンズの光軸に沿う所定方向に作動させたときに位置エネルギを畜勢するように構成された偏倚部材と、
前記モータを前記歯車リングから切離し制御し得るように構成されたクラッチとを具備し、且つ
前記偏倚部材は、前記クラッチが前記モータを前記歯車リングから切離した場合に、前記カムを、前記モータの回転力によって駆動されたときに移動された方向と反対方向に移動させるのに前記畜勢された位置エネルギを消費して、前記レンズ保持部材を前記光軸に沿う前記所定方向と反対の方向に移動させるべく構成されたことを特徴としている。
【0021】
請求項2に係る発明は、前記カムの前記連繋面は、第1の傾斜部と前記第1の傾斜部よりも大きな傾斜を持つ第2の傾斜部とを有し、前記第1の傾斜部は、フォーカス動作の間、第1の速度で、前記所定方向へ前記レンズ保持機構の前記連繋部材を移動させるべく構成され、前記第2の傾斜部は、フォーカス動作の間、第2の速度で、前記レンズ保持部材の前記連繋部材を移動させるべく構成されたことを特徴としている。
【0022】
請求項3に係る発明は、駆動信号を生成すべく構成された処理装置と、
前記処理装置により実行されたときに、フィルム給送動作、またはシャッタ作動動作を制御する場合には前記処理装置が第1の回転方向にモータを制御するための駆動信号を生成し、フォーカス動作、またはレンズズーム動作を制御する場合には前記処理装置が前記第1の回転方向とは反対方向である第2の回転方向にモータを制御するための駆動信号を生成するコンピュータ読み取り可能な命令がエンコードされたメモリと
をさらに具備することを特徴としている。
【0023】
請求項に係る発明は、前記レンズ保持部材を光軸に沿う所定方向に移動させる場合の回転方向と反対の回転方向に前記モータを駆動することで、フィルムを、フィルム送り動作に従って移動させるフィルム給送機構
をさらに具備することを特徴としている。
【0024】
請求項に係る発明は、ディジタル画像を生成する電子的イメージセンサと、前記ディジタル画像を保持するメモリとをさらに具備することを特徴としている。
【0025】
請求項に係る発明は、前記カムが、第1のモードの動作でフィルムを用い、第2のモードの動作で電子的イメージセンサを用いる2モードカメラにて動作させるべく構成されたことを特徴としている。
【0026】
請求項に係る発明は、前記レンズの初期位置と固定焦点距離との間の所定の移動距離を設定して固定された焦点距離を設定するマニュアルフォーカス制御部をさらに具備することを特徴としている。
請求項に係る発明は、観察している被写体を画像記録媒体に合焦させるのに必要な所定の焦点距離に対応して前記モータの駆動量を決定する駆動信号を生成するように構成された自動焦点機構をさらに具備することを特徴としている。
【0042】
【作用】
すなわち、本発明によるカメラは、連繋部材を有し、撮影レンズを保持すべく構成されたレンズ保持部材と、
駆動信号に応答して所定方向の回転駆動力を生成するモータと、
前記モータの前記回転駆動力を介して回転させるための歯車部を有する歯車リングと、
前記歯車リングに設けられ、前記レンズ保持部材の連繋部材に摺接する連繋面を有し、
該連繋面は傾斜面を有するカムと、
一端において前記カムおよび歯車リングの一方に結合され、他端において前記カムとは分離された可動体に結合されて、前記モータが前記歯車リングを駆動し、前記カムの前記連繋面が前記レンズ保持部材の前記連繋部材を前記撮影レンズの光軸に沿う所定方向に作動させたときに位置エネルギを畜勢するように構成された偏倚部材と、
前記モータを前記歯車リングから切離し制御し得るように構成されたクラッチとを具備し、
且つ前記偏倚部材は、前記クラッチが前記モータを前記歯車リングから切離した場合に、前記カムを、前記モータの回転力によって駆動されたときに移動された方向と反対方向に移動させるのに前記畜勢された位置エネルギを消費して、前記レンズ保持部材を前記光軸に沿う前記所定方向と反対の方向に移動させるべく構成してある。
このような構成とすることにより、一定方向のみに回転駆動されるカムの回転にともない、撮影レンズを保持固定するレンズ保持部材の移動位置が所定のカムの形状に追従するように規制され、クラッチがモータを歯車リングから切り離した場合に、モータの回転力によって駆動されたときに移動された方向と反対方向に移動させるのに蓄勢された位置エネルギを消費して、前記レンズ保持部材を、光軸に沿う前記所定方向と反対の方向に移動させ、前記カムを所定の待機位置に戻す。
したがって、例えばフォーカスとフィルム給送のような2つの動作を1つのモータによって実現し、安価で且つスペースをとらない構成のカメラとすることができ、さらには駆動方向が1方向のみの駆動源により、撮影レンズを適切に進退制御するなど2方向の駆動制御を実現することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のカメラを詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の一つの実施の形態に係る単焦点カメラ(以下単に「カメラ」と称する)の要部の構成を示している。
図1は、撮影レンズ系およびその駆動部に関連するカメラの主要な光学系周辺の構成を示す正面図、図2のうち図2(a)は、図1に示した部分のカム部材のカム面を示す模式的な展開図、図2(b)は、図1に示した部分を側方から見た断面図である。
【0044】
そして図3は、図2とは異なる動作状態を示すものであり、このうち図3(a)は、図1に示した部分のカム部材のカム面を示す模式的な展開図、図3(b)は、図1に示した部分を側方から見た断面図である。特に図2は、カメラにおいてレンズが沈胴位置、すなわち収納位置、にあるときの光学系の状態を示しており、図3は、カメラにおいてレンズが撮影待機位置(詳細は後述する)にあるときの光学系の状態を示している。
【0045】
図1および図2に示すカメラは、撮影レンズ1、レンズ保持部材2、カム部材3、リング4、スプリング5、駆動機構6(図1には駆動機構の一部を示す)および歯車7(図1)を具備している。なお、図2(および図3)にはフィルム面Fを示している。この実施の形態では記録媒体としてフィルムを用いているが他の実施の形態においてはディジタル画像を撮像するのにCCD(固体撮像素子)のようなイメージセンサを用いる。さらに、ユーザがフィルムへ画像を記録するか、ディジタル記録素子を用いるかを任意に選択することができるアナログ(フィルム)およびディジタルのハイブリッドカメラを用いることもできる。現時点では、アナログフィルムはディジタル画像よりも良好な解像度を得ることができる。このため、フィルムを使い尽くしてしまった場合、あるいは撮影者がその後の高解像度撮影のためにフィルムを温存したい場合などに、ハイブリッドカメラは有用である。
【0046】
撮影レンズ1は、1枚以上(図1の場合、3枚)のレンズからなり、被写体からの反射光または透過光からなる被写体光束を集束させ、フィルム、またはCSd等の被写体像形成部材上に被写体像を結像する。レンズ保持部材2は、撮影レンズ1を固定支持するとともに、カメラ筐体に対して撮影レンズ1の光軸方向に沿って進退移動可能に設けられる。すなわち、レンズは双方向に移動する。
レンズ保持部材2は、図示していないスプリング(図1〜図3には示されておらず、詳細は後述する)のような押圧部材10により、レンズ保持部材2がカメラ筐体から突出する方向、すなわち図示左方に向けて付勢されている。また、レンズ保持部材2には、カム部材3のカム面に摺接する突出部2aが外周面上の例えば図示のように等角度間隔で3個所に突設されている。
【0047】
あるいは、カムは、保持筒上に適宜なる手段により取着されており、該カムは、駆動装置、つまりカムの歯車部に歯合するモータ、により回転されるようにしてもよい。望ましい実施の形態においては、3個のカム部材3と連携動作する3個の突出部が用いられているが、カムと突出部の相互作用に充分な安定性が与えられさえすれば、少なくとも1個のカムと突出部を対をなして用いるようにしてもよい。同様に、2個または4個以上のカムを対応する数の突出部と共に用いるようにしてもよい。また、カムおよび突出部の数は互いに等しいことが望ましいが、必ずしもそうする必要はない。
【0048】
カム部材3は、筒状に形成されており、一体化された外側筒とカム筒とを有している。カム筒は、その基部から突出する部分を有し、1つの実施の形態においては、一側縁面の円周上に等角度間隔の3箇所に実質的に台形状をなして形成されている。3個の突出部は、カム筒の相対的に基部となる部分にカム筒の中心に向かう内側位置に配置されている。突出部の縁部が配置される位置の間のカム筒の基部の側面には、傾斜面が形成されている。該傾斜面の端部は、傾斜面の両側において、突出部の端部に連結されている。以後上述した傾斜縁面および突出部の縁面は、一括してカム部材3のカム面、すなわち突出部との境界面と称する。明確にするため、カム部材3のカム面は図2(a)および図3(a)において線3bで示されている。
【0049】
カム筒の基部には、カム部材3の円周方向に延びる突出部の下部に、長さ寸法が突出部の底部の長さに等しくなるように形成したスロットが設けられている。該スロットは外側とカム筒の両方に貫通している。さらに、スロットの一旦近傍にカム筒と一体的にストッパが形成されている。ストッパの詳細な機能については後述する。
図1、図2(a)および図3(a)において、矢印D4で示す方向(以下、「D4方向」と称する)のカム部材3の回転動作により、レンズ保持部材2の突出部2aをカム面に摺接しつつスライド移動させ、レンズ保持部材2を撮影レンズ1の光軸方向に進退移動させる。
【0050】
特にレンズ保持部材2の突出部2aが、カム部材3のカム面のレンズ収納位置P1に接しているとき、撮影レンズ1は、図2(a)に示すように、カメラ筐体の内部に収納されている。突出部2aがレンズ待機位置P2に接しているときには、撮影レンズ1は、図3(a)に示すように、フォーカス動作に備えて待機している。さらに、図2(a)および図3(a)に示すように、カム部材3のカム面にはレンズ沈胴位置P1とレンズ待機位置P2との間に、レンズフォーカス領域A1、レンズ収納領域A2およびレンズ繰り出し領域A3の3つの領域が形成される。
【0051】
フォーカス領域A1は、フォーカシング時に使用されるカム面領域、収納領域A2は、撮影レンズ1をフォーカシング後にレンズ収納位置P1へ移動して収納させる際に使用されるカム面領域、そして繰出し領域A3は、撮影レンズ1をレンズ収納位置P1から撮影待機位置P2へ繰出す際に使用されるカム面領域である。領域A1、A2およびA3の各々において、撮影レンズ1は、上述したような異なる領域A1、A2およびA3のカム部材3の作用面(負荷受圧面)上で摺接する突出部2aによって移動する。
リング4も、筒状をなしてカム部材3に内接し、さらに該リング4の等角度間隔の3箇所の1つの縁部には、突出部2aがカム面のレンズフォーカス領域A1に沿って摺動するときに、突出部2aに係合するように、切欠部4aを形成している(詳細については後述する)。
【0052】
図3(a)は、突出部2aがカム面のレンズ待機位置に位置し、切欠部4aに係合している状態を示している。その他の切欠部もリング4の各切欠部4aの間を等角度間隔として、カム部材3の3つのスロットの各々に対応するように形成される。
位置エネルギーの畜勢および解放を可能とする偏倚部材であるスプリング5は、カム部材3のスロットにカム部材3の円周方向に延設される。スロットにおいて、スプリング5の一端はカム部材3に結合され、他端はリング4に結合される。カム部材3とリング4の相対位置が、駆動機構6によって駆動されるカム部材3の回転によって変化するとき、スプリング5はスロット内において圧縮され、それによってその後の伸長のための偏倚力を得る。スプリング5を伸長する偏倚力は、カム部材3およびリング4を初期位置(すなわちホームポジション)に戻すために用いられる。
【0053】
スプリング5の詳細な動作は後述するが、説明を明確にするため、カム部材3とリング4を初期位置に復帰させるのに、スプリング5の圧縮の偏倚力を用いる場合に基づいて説明する。
駆動機構6(図1には駆動機構6の一部が示されている)は、駆動源となるモータ30(図示せず)、およびカメラにおけるレンズ移動およびフィルム給送のような動作を行うためにモータ30の駆動力を伝達する歯車を有する。駆動機構6の詳細な構成および動作は図4〜図10を参照して後述する。
【0054】
歯車7は、カム部材3の円周面に形成された歯車面に歯合し且つ駆動機構6に結合している。歯車7は、駆動機構6から伝達される駆動力によって図1において矢印D5で示される方向(以下、「D5方向」と称する)に回転し、それによって図1、図2(a)および図3(a)におけるD4方向にカム部材3が回転する。
【0055】
次に、本発明のカメラにおける駆動機構6の詳細な構成および動作について、図4〜図10を参照して説明する。図5〜図10は、駆動機構6の構成およびそれぞれ異なる動作状態を説明するための底面図である。この実施の形態においては、カメラは予備巻上げ法(プリワインド法)を用いている。予備巻上げ法では、未露光フィルムは、フィルムカートリッジ(パトローネ)から引き出されて、フィルムスプール上に予備巻上げされ、そして露光済みフィルムは、撮影のために、1度に1コマずつ、フィルムスプールからフィルムカートリッジへ引き戻される(すなわち巻き戻される)。したがって、以下の記述においては、「巻上げ(ワインド)」という言葉は、フィルムがフィルムカートリッジからフィルムスプールに給送されることを意味し、「巻戻し(リワインド)」という言葉は、フィルムのコマがフィルムスプールからフィルムカートリッジへ給送されることを意味する。なお、本発明は、フィルムを予備巻上げしないタイプのカメラにも適用することができる。
【0056】
すなわち、駆動機構6は、モータ30(図4〜図10には示されていない)、伝達機構、第1/第2/第3の駆動機構およびスイッチ機構を備えている。
伝達機構は、モータ30の回転軸に連動するモータ歯車11、互いに順次歯合する歯車12、13A、13B、14Aおよび14Bを有する。各一対の歯車13A/13Bおよび14A/14Bは遊星歯車装置を構成し、歯車13Aおよび14Aは太陽歯車であり、歯車13Bおよび14Bは遊星歯車である。遊星歯車13Bおよび14Bは、それぞれ太陽歯車13Aおよび14Aの周りで、太陽歯車13Aおよび14Aの軸を中心として動き回る。伝達機構において、モータ30の駆動力は、モータ歯車11、歯車12、13A/13B、および14A/14Bを経由して第1/第2/第3の駆動機構に伝達される。
【0057】
第1の駆動機構は、伝達歯車機構(図示せず)を介して歯車7に結合される歯車15を有する。歯車7は、図1に示されるように、カム部材3の歯車面に歯合している。歯車15は、遊星歯車14Bに歯合することにより駆動され、モータ30の駆動力を歯車7に伝達してカム部材3を回転させる。
第2の駆動機構は、対をなす太陽歯車16Aと遊星歯車16Bを有する。遊星歯車16Bは、太陽歯車16Aの軸を中心として太陽歯車16Aの周りを動き回る。太陽歯車16Aは、伝達歯車(図示せず)を介してフィルムカートリッジ歯車20に結合されている。遊星歯車16Bは、遊星歯車14Bに歯合することにより駆動され、モータ30の駆動力をフィルムカートリッジ歯車20に伝達し、フィルムをフィルムスプール(図示せず)からフィルムカートリッジ(図示せず)に巻き戻す。
【0058】
第3の駆動機構は、互いに歯合する歯車17および18を有する。歯車18は、フィルムスプール歯車19に歯合している。歯車17は、遊星歯車14Bに歯合することにより駆動され、モータ30の駆動力をフィルムスプール歯車19に伝達し、未露光フィルムをフィルムカートリッジからフィルムスプールへ予備巻上げする。
スイッチ機構は、伝達機構を第1/第2/第3の駆動機構の各々に切換え連結するためのレバー21、22、23および爪24を有する。太陽歯車13Aおよび遊星歯車13Bは、レバー21上に設けられ、レバー21は、太陽歯車13Aの軸を中心として回転する。スプリング25は、レバー21の一端部21aに結合され、レバー21に時計方向の偏倚力を与える。
【0059】
太陽歯車14Aおよび遊星歯車14Bは、レバー22上に設けられ、レバー22は、太陽歯車14Aの軸を中心として回転する。太陽歯車16Aおよび遊星歯車16Bは、レバー23上に設けられ、レバー23は、太陽歯車16Aの軸を中心として回転する。爪24は、太陽歯車14Aに設けられ、太陽歯車14Aの軸を中心として回転する。太陽歯車14Aは、太陽歯車14Aの軸上でレバー22と爪24に挟まれている。
【0060】
まず、図4は、カメラの裏蓋(図示していない)が開いているときの駆動機構の状態を示している。裏蓋が開いたとき、レバー23が図示していない機構により引っ張られて、レバー23が時計方向に回転する。それから、レバー23は、レバー23の端部23aが爪24によって係止され保持される所定位置で回転を停止する。そして、レバー23は、裏蓋が開いている間この位置を維持する。さらに、カメラの裏蓋が開いたとき、遊星歯車14Bおよびレバー22は、遊星歯車14Bが歯車15に歯合する初期位置に配置される。
【0061】
次に、図5を参照して、裏蓋を閉じた後の駆動機構6の動作について説明する。裏蓋を閉じる前には、フィルムカートリッジはカメラ筐体内に装着され、フィルムの先端部がフィルムカートリッジから引き出されて、フィルムスプール部にプリセットされているものとする。裏蓋を閉じたときには、レバー23は図示していない偏倚機構により、端部23aが爪24により係止され保持されるように反時計方向に偏倚される。裏蓋を閉じたとき、モータ歯車11は、図5に矢印M2で示す方向(以下、「M2方向」と称する)に回転される。歯車12、13A/13Bおよび14A/14Bは、図5に各矢印で示される方向に回転して、遊星歯車14Bおよびレバー22は初期位置から太陽歯車14Aの軸を中心として歯車17の位置まで移動する。そして、遊星歯車14Bは、歯車17および18を有する第3の駆動機構に歯合する(以下、「第3の位置」と称する)。それから、歯車17および18は、図5に示される矢印の示す方向に回転され、フィルムスプール歯車19は反時計方向へ回転する。それによって、フィルムスプールにプリセットされたフィルムの先端部が、巻上げ駆動され、フィルムがフィルムカートリッジから引き出されて、フィルムスプールに予備巻上げされる。
【0062】
フィルムの端部がフィルムカートリッジとフィルムスプールとの間に引き伸ばされたとき、歯車13A、14A/14B、17、18およびスプール歯車19は、フィルム巻上げの停止によりロックされる。モータ30は、フィルムの予備巻上げが完了してフィルムの張力が増大した状態となっても未だM2方向に回転している。それによって、歯車12が時計方向へ回転され、遊星歯車13Bが反時計方向に回転される。そして、遊星歯車13Bが太陽歯車13Aの周りを反時計方向に動き、それによってレバー21が太陽歯車13Aの軸を中心として反時計方向に回転する。レバー21の反時計方向への動きは、レバー21の左端部分21bを爪24に押しつけ、爪24を太陽歯車14Aの軸を中心として反時計方向へ回転させる。それによって、レバー23の端部23aは、爪24に係止され、保持された状態から解放される。
【0063】
図6は、レバー23の端部23aが、爪24に係止され、保持された状態から解放されたときの状態を示している。
さらに、図7に示すように、レバー21が太陽歯車13Aの軸を中心として反時計方向に回転しているときに、接触センサ、光学センサ等の検出装置(図示せず)がレバー21の中間部の突出部21cを検出すると、モータ歯車11は、図7の矢印M1で示される方向(以下、「M1方向」と称する)に回転するように切換えられる。それによって太陽歯車14Aは時計方向に回転し、遊星歯車14Bとレバー22は、太陽歯車14Aの軸を中心として歯車15に向かって移動する。モータ歯車11は、所定の回転量だけM1方向に回転し、遊星歯車14Bは、歯車15の直前の所定位置へ移動する。遊星歯車14Bが上記所定位置に移動すると、モータ歯車11は回転を停止する。
【0064】
一方、爪24から解放された後、レバー23は、先に述べたようにレバー23は偏倚装置(図示していないが、例えば弾性部材等)により反時計方向に付勢されているので、太陽歯車16Aの軸を中心として反時計方向に回転する。そして、レバー23は、所定位置で適宜なる機構(図示せず)により回転を停止歯、それによって遊星歯車16Bは、遊星歯車14Bの近傍の所定位置に配置される。図7は、遊星歯車14Bが、歯車15の前の所定位置に位置し、遊星歯車16Bも遊星歯車14Bに近い所定位置に位置しているときの状態を示している。
【0065】
次に、図8を参照すると、図7に示した上述の状態の後、太陽歯車14Aが反時計方向に回転し、それによって遊星歯車14Bと歯車22を太陽歯車14の軸を中心として遊星歯車16Bに向かって移動させるため、モータ歯車11が、M2方向に回転するように切換えられ、遊星歯車14Bは、歯車16Aおよび16Bを有する第2の駆動機構に歯合する。遊星歯車14Bが第2の駆動機構に歯合する位置は、図8に示されており、以下「第2の位置」と称する。遊星歯車14Bに歯合した後は、遊星歯車16Bは回転し、それによってフィルムカートリッジ歯車20が時計方向に回転して、フィルムの基端部が、フィルムカートリッジ内に巻き戻されフィルムの第1コマが所定位置にセットされる。上述した動作により、第1コマのセットが完了する。
【0066】
図9においては、上述した第1コマのセットの後、モータ歯車11がM1方向に回転するように切換えられ、太陽歯車14Aが時計方向に回転する。それによって、遊星歯車14Bおよびレバー22は、太陽歯車14Aの軸を中心として歯車15方向に移動し、遊星歯車14Bは、歯車7に結合された歯車15を有する第1の駆動機構に歯合する。遊星歯車14Bが第1の駆動機構に歯合する位置は、図9に示されており、以下「第1の位置」と称する。遊星歯車14Bに歯合した後は、歯車15は回転し、それによって歯車7はD5方向に回転し、カム部材3はD4方向に回転する。カム部材3の詳細な動作は後述する。カメラのシャッタがレリーズされるまで、遊星歯車14Bおよびレバー22は「第1の位置」にとどまる。
【0067】
カメラのシャッタがレリーズされた後、モータ歯車11は、図10に示すように、再びM2方向に回転するように切換えられ、太陽歯車14Aは反時計方向に回転し、レバー22は「第2の位置」に移動する。さらに、フィルムカートリッジ歯車20は、1コマずつフィルムカートリッジに巻き戻すため、時計方向に回転する。フィルムがフィルムスプールからフィルムカートリッジへ1コマずつ最後まで巻き戻されるまで、モータ歯車11は、M1方向とM2方向との間での回転方向の切換えを繰り返し、それによって遊星歯車14Bおよびレバー22は、第1の駆動機構と第2の駆動機構とにそれぞれ歯合するように第1の位置と第2の位置との間で移動する。裏蓋が開かれると、駆動機構6の状態は、図4に示された状態に変わる。
【0068】
上述した駆動機構6の構成および動作により、1個のモータが、(1)第1の駆動機構を介してフォーカス(詳細は後述する)を含むレンズ位置制御動作、および(2)それぞれ第3および第2の駆動機構を介してのフィルム巻上げおよび巻戻しのようなフィルム給送動作を、モータの回転方向を動作(1)のためのM1方向と動作(2)のためのM2方向とに切換えることにより、実行することができる。
先に述べたように、このカメラは予備巻上げ法を採用しており、フィルムは、太陽歯車16Aと遊星歯車16Bを有する第2の駆動機構を介してフィルムカートリッジに巻き戻される。
【0069】
撮影中は、遊星歯車14Bおよびレバー22は、遊星歯車14Bが、歯車7に結合された歯車15を有する第1の駆動機構に歯合する「第1の位置」と、遊星歯車14Bが第2の駆動機構に歯合する「第2の位置」との間を移動して切換えられる。これに代えて、カメラは、フィルムがフィルムカートリッジからフィルムスプールへ1コマずつ巻き上げられ、露光済みフィルムがフィルムスプールからフィルムカートリッジに一度に巻き戻される方法を採用することもできる。この方法では、撮影中、遊星歯車14Bおよびレバー22は、「第1の位置」と、遊星歯車14Bが歯車17および18を有する第3の駆動機構に歯合する「第3の位置」との間を移動して切換えられる。
【0070】
次に、本発明の第1〜第9の実施の形態に係るカメラのレンズ位置決め機構の詳細な動作について説明する。先に述べたように、レンズ位置決め機構の動作を明確に理解できるようにするため、スプリング5を収縮させる偏倚力がカム部材3とリング4を初期位置に復帰させるために用られる場合に基づいて説明する。スプリング5を伸長する偏倚力をカム部材3とリング4を初期位置に復帰させるために用るようにしてもよい。両方の場合のいずれにおいても、スプリング5を使用することの効果は同様である。
【0071】
図11(a)および図12(a)は、第1の実施の形態に係るレンズ位置決め機構の上面図であり、図11(b)および図12(b)は、レンズ位置決め機構の各対応する側面図である。
レンズ位置決め機構は、レンズ保持部材2の突出部2a、カム部材3、リング4、リング4の切欠部4a、スプリング5、ストッパ8および押圧部材10を有している。図11(b)および図12(b)に示されるように、レンズ位置決め機構は、遊星歯車装置14A/14B、歯車15(図4〜図10における第1の駆動機構)およびモータ30(構成および動作については既に述べた)を備える駆動機構6によって駆動される。ストッパ8は、カム部材3とリング4の相対位置を安定化するためにリング4上に設けられ、カム部材3とリング4の所定の初期位置を保持させる。例えばスプリングのような押圧部材10は、カメラ筐体に、レンズ保持部材2の突出部2aを撮影レンズ1の光軸方向に沿ってカム部材3のカム面に押圧するために設けられる。図11(b)および図12(b)における参照符号A1は、図2(a)および図3(a)に示された「レンズフォーカス領域」を示している。
【0072】
図11(a)および(b)は、レンズ保持部材2の突出部2aが、リング4の切欠部4a内にあり、カム部材3のカム面のレンズ待機位置P2(すなわち初期位置)に位置する状態を示しており、この状態は、図3(a)および(b)に示されたレンズ待機状態に対応する。
モータ30の駆動力が、太陽および遊星歯車14A/14Bおよび歯車15を介してカム部材3に伝達されると、カム部材3は、図11(b)における右方向(D4方向)に回転すべく駆動される。カム部材3のこの駆動状態においては、スプリング5を介してリング4がカム部材3に結合されていても、レンズ保持部材2の突出部2aがリング4の切欠部4a内に位置しているので、リング4はカム部材3と共にD4方向へ移動することはできない。
【0073】
被写体距離に対応する所定の回転量だけD4方向にカム部材が回転する間、突出部2aは、カム部材3のカム面に接触しつつ摺動して、図12(a)および(b)に示すように、スプリング5がD4方向に伸長する。それによって、レンズ保持部材2の突出部2aは、レンズ待機位置P2から、図12(b)に示すように、被写体距離に対応する所定のフォーカス位置へ移動する。レンズ保持部材2の突出部2aがレンズ待機位置P2から所定のフォーカス位置へ移動する間、レンズ保持部材2に保持される撮影レンズ1は、図3(a)に示されるカム面の展開図から明確なように、撮影レンズ1の光軸方向に沿う戻り方向に移動する。レンズ位置決め機構の上述の動作により、フォーカシングが行われる。
【0074】
上述した被写体距離については、一般に2つの方法で計測される。自動焦点カメラにおいては、被写体距離は測距装置により自動的に計測され、計測された被写体距離に自動的に合焦される。一方、手動焦点カメラ(マニュアルフォーカスカメラ)においては、被写体距離は、目視または距離の歩測により決定し、決定した距離に従ってカメラのフォーカス設定ダイヤル(距離ダイヤル)を手動にてセットする。
フォーカス調整が済むと、例えばステップモータであればモータ30にさらなるパルスを送らなくなるようにすることによりモータ30が停止する。
【0075】
モータ30が停止すると、カム部材3をモータ30に結合する全ての歯車がロックされるので、レンズ保持部材2の突出部2aは、フォーカス位置を保持する。それにより、カメラ(図示せず)のシャッタがレリーズされると、図10に示したように、モータ歯車11がM2方向に回転するように切換えられ、遊星歯車14Bが、歯車15から切り離されて「第1の位置」から「第2の位置」へ移動する。その結果、カム部材3は、スプリング5の収縮偏倚力により、逆方向、すなわち図12(b)に矢印D6で示される左方向(以下、「D6方向」と称する)、へ回転する。カム部材3がD6方向に回転している間、レンズ保持部材2の突出部2aは、カム部材3のカム面に沿ってレンズフォーカス領域A1の下方に向かって摺動する。そして、カム部材3は、ストッパ8によりD6方向への回転を停止され、切欠部4a内のレンズ保持部材2の突出部2aは、再び、図11(a)および(b)のように、レンズ待機位置P2に戻る。レンズ待機位置P2においては、撮影レンズ1は、図3(a)および(b)に示されたようにカメラの筐体の最前方位置に配置される。第1の実施の形態においては、上述したレンズ待機位置P2とレンズフォーカス位置との間のレンズ保持部材2の突出部2aの上述した往復運動を繰り返すことにより、写真が撮影される都度フォーカス動作が行われる。
【0076】
図13および図14は、図11および図12の実施の形態を変形した本発明の第2の実施の形態を示している。図13(a)、図13(b)、図14(a)および図14(b)における図11(a)、図11(b)、図12(a)および図12(b)の場合との相違は、スプリング、すなわち偏倚付勢部材、5がストッパ8の反対側に配置されていることにある。その結果、傾斜面が突出部2aを上方に押圧するとき、スプリング5は、伸長されずに圧縮される。したがって、一旦、駆動力がカム部材3から取り去られると、スプリング5は、畜勢されていた位置エネルギーを開放し、カム部材3をストッパ8側に押し戻す。
【0077】
次に、図15および図16を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るカメラのレンズ位置決め機構の動作を説明する。図15(a)および図16(a)は、レンズ位置決め機構の上面図であり、図15(b)および図16(b)は、レンズ位置決め機構の各対応する側面図である。図15および図16においては、図11および図12と同様の部分には同符号を付してその詳細な説明を省略している。
第3の実施の形態においては、カム部材3に、カム部材3のカム面に平行な方向に長いスロット3aが形成される。さらに、レンズ保持部材2の突出部2aが、スロット3aに摺動可能に係合しており、レンズ待機位置P2からレンズフォーカス位置まで移動する。
【0078】
図15(a)および(b)は、レンズ保持部材2の突出部2aが、リング4の切欠部4a内にあり、カム部材3のスロット3a内でレンズ待機位置P2に位置する状態を示している。
この第3の実施の形態のレンズ位置決め機構の動作は、第1の実施の形態と同様であるので、簡単化して説明する。
モータ30の駆動力が、太陽および遊星歯車14A/14Bおよび歯車15を介してカム部材3に伝達されると、カム部材3は、図15(b)におけるD4方向に回転すべく駆動される。カム部材3のこの駆動状態においては、スプリング5を介してリング4がカム部材3に結合されていても、レンズ保持部材2の突出部2aがリング4の切欠部4a内に位置しているので、リング4はカム部材3と共にD4方向へ移動することはできない。
【0079】
被写体距離に対応する所定の回転量だけD4方向にカム部材が回転する間、突出部2aは、スロット3aの長手方向面に案内されて摺動して、図16(a)および(b)に示すように、スプリング5がD4方向に伸長する。それによって、レンズ保持部材2の突出部2aは、レンズ待機位置P2から、図16(b)に示すように、被写体距離に対応する所定のフォーカス位置へ移動する。第3の実施の形態に係るレンズ位置決め機構の上述の動作により、フォーカシング動作が行われる。写真撮影の間、突出部2aのスロット3a内におけるレンズ待機位置P2とレンズフォーカス位置との間の上述した往復運動が繰り返される。
【0080】
さらに、図17、図18、図19および図20を参照して、本発明の第4の実施の形態に係るカメラのレンズ位置決め機構の動作を説明する。図17(a)、図18(a)、図19(a)および図20(a)は、レンズ位置決め機構の上面図であり、図17(b)、図18(b)、図19(b)および図20(b)は、レンズ位置決め機構の各対応する側面図である。図17〜図20においては、図11〜図16と同様の部分には同符号を付してその詳細な説明を省略している。第4の実施の形態においては、カメラ筐体に鏡胴部材9を設けている。鏡胴部材9には、撮影レンズ1の光軸方向に延びる3つの案内スリットが等角度間隔に設けられている。レンズ保持部材2の突出部2aは、レンズ位置決めのため、対応する案内スリットに沿って撮影レンズ1の光軸方向に進退移動するように案内される。図2(a)および図3(a)に示したように、A1は「レンズフォーカス領域」を示し、A2は「レンズ収納領域」を示し、A3は「レンズ繰り出し領域」を示している。
【0081】
図17(a)および(b)は、レンズ保持部材2の突出部2aが、リング4の切欠部4a内において、カム部材3のカム面のレンズ待機位置P2に位置する状態を示している。図18(a)および(b)は、レンズ保持部材2の突出部2aが、フォーカス位置に位置する状態を示している。レンズ待機位置からフォーカス位置へのレンズ保持部材2の突出部2aの動作は、図11(a)および(b)の場合と同様であるので、図17および図18における上述の動作についての説明は省略する。
【0082】
図18(b)において、フォーカシングが行われた後、カム部材3は、依然としてモータ30により、D4方向にさらに回転させるべく駆動されており、レンズ保持部材2の突出部2aは、上方に傾斜するカム面に沿って摺動する。そして、突出部2aがスライドして切欠部4aから離脱して、図19(b)に示すようにフォーカス領域A1からレンズ収納領域A2に入り込む。突出部2aがスライドして切欠部4aから離脱するとき、リング4は突出部2aとの係合から解放され、スプリング5の長さが、図17(a)および(b)に示されたカム部材3とリング4との間の元の長さになるようにするための、スプリング5の伸長偏倚力によりD4方向へ引っ張られる。
【0083】
カム部材3が、リング4と共にモータ30によってD4方向へ回転させるべくさらに駆動されている間、突出部2aは、図20(b)に示されているように、カム部材3のカム面のレンズ収納位置P1へスライド移動する。このとき、モータ30は回転を停止して、レンズ保持部材2の突出部2aはレンズ収納位置P1にとどまる。レンズ収納位置P1において、撮影レンズ1は、図2(a)および(b)に示されたようにカメラ筐体における最後方位置に配置される。上述の動作によれば、撮影レンズ1は、フォーカスおよび撮影動作の後、カメラ筐体内に収納される。
【0084】
レンズ保持部材2の突出部2aがレンズ収納位置に位置する状態で、カム部材3が、モータ30によりD4方向へ回転駆動されたとき、突出部2aは、レンズ繰り出し領域A3(図2(a)、図3(a)および図20(b)に示される)においてカム部材3のカム面に沿って摺動し、再度レンズ待機位置P2に戻る。
このように、第4の実施の形態においては、モータ30の1つの駆動方向の駆動力を用いて、レンズ保持部材2の突出部2aが、レンズフォーカス領域A1、レンズ収納領域A2およびレンズ繰り出し領域A3にて、カム部材3のカム面に沿って摺動する。
上述した、第1〜第4の実施の形態に係るレンズ位置決め機構の構成および動作によれば、カメラの撮影レンズ1は、モータ30の一方向の駆動力により、カム部材3のカム面上で繰り出し且つ繰り戻し収納される。
【0085】
さらに、レンズフォーカス領域A1においては、カメラの撮影レンズ1は、モータ30の一方向の駆動力により、レンズ待機位置P2からフォーカス位置へ移動し、そして、撮影レンズ1は、モータ30の駆動力を用いることなくスプリング5の偏倚力によりフォーカス位置からレンズ待機位置P2へ戻る。それによって、モータの一方向回転、すなわち駆動機構6におけるモータ歯車11のM1方向への回転、により双方向フォーカス動作を達成することができる。被写体距離に関連して先に述べたように、本発明のカメラは自動焦点カメラおよびマニュアルフォーカスカメラのいずれにも適用することができる。
【0086】
図21(a)、図21(b)、図22(a)、図22(b)、図23(a)、図23(b)、図24(a)および図24(b)は、本発明の第5の実施の形態に係るカメラのレンズ位置決め機構を示しており、それぞれ上述した図17(a)、図17(b)、図18(a)、図18(b)、図19(a)、図19(b)、図20(a)および図20(b)にそれぞれ対応する。相違は、図21〜図24の構成において、スプリング5およびストッパ8が、図示のようにリング4のスロットに設けられていることである。一方、図21〜図24における原理的動作は、既に図17〜図20について述べたことに対応するので、さらなる説明は省略する。
【0087】
図25(a)、図25(b)、図26(a)、図26(b)、図27(a)、図27(b)、図28(a)および図28(b)は、本発明の第6の実施の形態に係るカメラのレンズ位置決め機構を示しており、この場合もそれぞれ上述した図17(a)、図17(b)、図18(a)、図18(b)、図19(a)、図19(b)、図20(a)および図20(b)にそれぞれ対応する。相違は、図25〜図28の構成において、図17〜図20に示されたように突出部2aと共に押圧部材10を用いる代わりに、カム部材3に溝部3cが形成され、該溝部3cの各側面の間で突出部2aを案内するようにする。このようにすると、溝部3c内で突出部2aが案内されるので、突出部2aに対する圧縮力を与えるスプリングを設ける必要がなくなる。一方、図25〜図28に示される実施の形態における動作は、図17〜図20について既に述べたこととに類似しているので、さらなる説明は省略する。
【0088】
さらに、本発明のカメラの駆動機構は、駆動機構にプランジャーを用いることにより、同様のズーミング操作が可能となる。図29および図30に、2つの例を示す。図29は、第1の例の駆動機構6の一部の底面図であり、図30は、第2の例の駆動機構6の一部の底面図である。図29および図30において、図4〜図10と同一の部分には同符号を付してその詳細な説明を省略する。
図29において、40はズーム歯車であり、41はソレノイドプランジャーである。第1の例において、プランジャー41は歯車18をスプール歯車19に押しつける。遊星歯車14Bが歯車17に歯合しているとき、プランジャー41をオンとして付勢することにより、モータ30(図示せず)の駆動力が歯車18からスプール歯車19に伝達され、プランジャー41をオフとして消勢することにより、前記駆動力を歯車18からズーム歯車40に伝達する。
【0089】
こうして、第1の例においては、遊星歯車14Bとレバー22の位置を切換えることにより、駆動機構が、次のような4つの動作を実行することができる。「第1の位置」(遊星歯車14Bが歯車15に歯合するとき)においては、(1)フォーカス制御を含むレンズ位置決め動作が行われる。「第2の位置」(遊星歯車14Bが遊星歯車16Bに歯合するとき)においては、(2)フィルム巻戻し動作が行われる。「第3の位置」(遊星歯車14Bが歯車17に歯合するとき)においては、プランジャー41をオンとすることにより、(3)フィルム巻上げ動作が行われ、プランジャー41をオフとすることにより、(4)ズーミング動作が行われる。
【0090】
第2の例においては、プランジャー41には、ズーム歯車40を設け、プランジャー41のオン動作によりズーム歯車40を遊星歯車14Bのところへ移動させるようにし、プランジャー41のオフ動作によりズーム歯車40を退避させる。第2の例においても、遊星歯車14Bとレバー22の位置を切換えることにより、駆動機構が、次のような4つの動作を実行することができる。「第1の位置」(遊星歯車14Bが歯車15に歯合するとき)においては、(1)フォーカス制御を含むレンズ位置決め動作が行われる。「第2の位置」(遊星歯車14Bが遊星歯車16Bに歯合するとき)においては、(2)フィルム巻戻し動作が行われる。「第3の位置」(遊星歯車14Bが歯車17に歯合するとき)においては、プランジャー41をオンとすることにより、(3)フィルム巻上げ動作が行われる。遊星歯車14Bがズーム歯車40に歯合する位置において、プランジャー41をオフとすることにより、(4)ズーミング動作が行われる。
【0091】
図31は、本発明のコンピュータベースの制御機構を示している。この制御装置は、CPU(中央処理装置)1002を含む多数の構成要素を相互接続するバス1000を有する。CPU1002は、バス1000を介してメモリ1004から格納されたプログラムを取り出し、一時的な値および閾値等をメモリ1004に格納する。CPU1002がフィルム給送動作、ズーミング動作、フォーカス動作、待機動作またはシャッタ作動機構のいずれを行わせると決定したかに基づいて、CPU1002は、第1の所定方向か第2の所定方向かにモータを駆動するための制御信号を送ることにより、モータ1006を作動させる。CPU1002は、部分的には、シャッタスイッチ1022により与えられるユーザがスイッチを押したか否かを示す情報に基づいて、および裏蓋が開けられたか閉じられたかの場合のように種々の接触および張力センサ1016が作動したことに基づいて、どの動作が行われるべきかを決定する。
【0092】
CPU1002が、駆動信号をモータ1006に供給すべきであると決定すると、CPU命令駆動信号機構1010は駆動信号をモータ1006に送る。モータ1006に供給されるパルスによる移動量は、部分的に、手動か自動焦点機構化によって、提供されるフォーカス調整1018によって設定される。さらに、ズム動作が行われるべきである場合には、ズームセンサ1020が作動される。もしも、ズーミング動作が行われるべきである場合、CPU1002はモータ1006を動かすのに要求されるステップ数を決定し、そして撮影レンズ1のフィルムまたは、ディジタルカメラの場合のCCDに対する位置を動かすのに要求されるステップ数を決定する。
【0093】
一旦、モータ1006がCPU1002によって付勢されると、モータの単一方向の動作が、レンズ保持部材、フィルムスプール、シャッタ機構その他のような双方向移動部材1012のための伝達系1008に伝達される。伝達系1008は、既に述べられて図4〜図10に示されたいくつかの歯車に相当する。プランジャー1014は、図29および図30に関連して既に述べたように、ズーミング動作または多重の動作を行わせるためにモータ駆動力を時分割して時間的に多重化する他の動作を行うために作動する。ディジタルカメラの場合、イメージデバイス1024は、受光したディジタル画像をメモリ1004に与えるとともに、その後に該ディジタル画像を入出力装置に与える。
【0094】
図32は、4個一組のレンズの距離/時間曲線を示している。図32の最下部にはリング4の回転角度を示す軸が示されている。望ましい実施の形態では、3個のカムがリング4上に配置されており、カムの各々は120°間隔となっている。図32の最下部に示されるように、カムの移動は120°回転すると初期位置に戻る。図32に示される4つの曲線の各々は、カム形状、およびそれに対応するモータにより一方向に駆動されたときのレンズ保持部材の一方向移動、の異なる可能性を示している。ホームポジション(初期位置)1としてのHPというラベルが付された第1の曲線は、正弦曲線型の動作となる。
【0095】
これは、カメラから離れる方向にレンズを移動させるための均一速度が、実質的にカメラに向かう方向にレンズを復帰移動させるための速度に等しい。第2の曲線HPは、移動のフォーカス領域(第1の期間の最初の1/3の部分)において、傾斜の大きさ(図32に距離変化の割合として示されている)が、レンズ収納動作に対応する第2番目の1/3の曲線部分より小さい。第2の曲線HPにおける第1の期間の最後の1/3の曲線部分は、比較的急峻な下降急傾斜(収納位置からフォーカス領域への移動)を有する。
第3の曲線HPは、鋸歯状波形を呈しており、図示のようにフォーカスおよびレンズ収納部の期間は、一層緩やかな傾斜を示しそして収納位置において急激な変化を示している。
【0096】
最後の曲線HPは、波形の第2の1/3部分の後において、レンズが収納される安定位置を提供するための短かい平坦部を呈するのを除いて、第3の曲線HPに示されたのと同様の波形を示している。
図33は、本発明による動作の流れを示すフローチャートである。処理は、この実施の形態では、フィルムが予備巻上げされるステップS1において始まる。それから、処理は、フィルム張力が所定のフィルム張力以上であるか否かについての判定を行うステップS2に移行する。この判定は、センサ、またはスプリングにより付勢されまたは偏倚された爪の解放によって行うことができる。ステップS2における判定の答えが、否定であった場合には、処理はステップS1に戻る。しかし、ステップS2における判定の答えが、肯定であった場合には、処理は、モータ方向が反転されるステップS3に移行する。
【0097】
次に、処理は、モータ駆動パルスの数がプリセット値に等しいか否かについての判定を行うステップS4に移行する。ステップS4における判定が、否定であった場合には、処理は、付加的なモータ駆動動作を生じるようにステップS3に戻る。しかし、もしもステップS4における判定が肯定であった場合、モータ駆動力の方向が反転され、そしてフィルムが所定のコマにセットされる。
次に、処理は、シャッタボタンが押されているか否かについての判定を行うステップS6に進む。もしもステップS6の判定の答えが否定であった場合、処理は当該判定に戻る。しかしながら、もしもステップS6の判定の答えが肯定であれば、処理は、モータが反転され且つプリセットされたまたは自動的なフォーカス設定によりフォーカス調整するステップS7に移行する。それから、処理は、画像がフィルムに(またはディジタルメモリに)とらえられた後モータが反転され、次のフィルムのコマがセットされるステップS8に移行する。そして、処理は、フィルムロールの残った写真が撮られステップS9に進み、そして処理が終了する。
【0098】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、例えばフォーカスとフィルム給送のような2つの動作を1つのモータによって実現し、安価で且つスペースをとらない構成のカメラを提供することができる。
さらに、本発明によれば、駆動方向が1方向のみの駆動源により、撮影レンズを適切に進退制御するなど2方向の駆動制御を実現し得るカメラを提供することができる。
【0099】
さらに、具体的には、本発明によれば、連繋部材を有し、撮影レンズを保持すべく構成されたレンズ保持部材と、
駆動信号に応答して所定方向の回転駆動力を生成するモータと、
前記モータの前記回転駆動力を介して回転させるための歯車部を有する歯車リングと、
前記歯車リングに設けられ、前記レンズ保持部材の連繋部材に摺接する連繋面を有し、
該連繋面は傾斜面を有するカムと、
一端において前記カムおよび歯車リングの一方に結合され、他端において前記カムとは分離された可動体に結合されて、前記モータが前記歯車リングを駆動し、前記カムの前記連繋面が前記レンズ保持部材の前記連繋部材を前記撮影レンズの光軸に沿う所定方向に作動させたときに位置エネルギを畜勢するように構成された偏倚部材と、
前記モータを前記歯車リングから切離し制御し得るように構成されたクラッチとを具備し、
且つ前記偏倚部材は、前記クラッチが前記モータを前記歯車リングから切離した場合に、前記カムを、前記モータの回転力によって駆動されたときに移動された方向と反対方向に移動させるのに前記畜勢された位置エネルギを消費して、前記レンズ保持部材を前記光軸に沿う前記所定方向と反対の方向に移動させるべく構成したので、駆動方向が1方向のみの駆動源により、撮影レンズを進退制御するなど2方向の駆動制御を実現することができ、例えば、主として一方向の回転力を持つ駆動源によってフォーカス位置と前記待機位置との間で撮影レンズを往復動作させることができ、従って当該駆動源を他の機能手段の駆動にも共用でき、高価な駆動源を必要とせず、簡単で且つ安価な構成により、待機位置およびフォーカス位置の間で撮影レンズを適切に駆動することが可能で、特に、撮影レンズの移動制御に係る主たる駆動源の駆動方向を一定方向として、一方向のみの駆動源により撮影レンズを適切に進退制御し得るカメラを提供することができる。
【0100】
本発明によれば、手動操作により指定された被写体距離に応じて撮影レンズの位置を制御して被写体像形成部材との間の距離を変動させるカメラであって、カム駆動手段により一定方向のみに回転駆動されるカム部材の回転にともない、撮影レンズを保持固定する撮影レンズ固定部材と一体的に進退動作するレンズ連動部材の移動位置が所定の曲線を追従するように規制し、前記カム部材に対して前記カム駆動手段を接離するカム駆動部切換手段によって、前記カム部材が前記カム駆動手段から切り離されたときには、カム戻し手段によって前記カム部材を所定の待機位置に戻す構成により、主として一方向の回転力を持つ駆動源によってフォーカス位置と前記待機位置との間で撮影レンズを往復動作させることができ、従って当該駆動源を他の機能手段の駆動にも共用でき、高価な駆動源を必要とせず、簡単で且つ安価な構成により、待機位置およびフォーカス位置の間で撮影レンズを適切に駆動することが可能で、特に、撮影レンズの移動制御に係る主たる駆動源の駆動方向を一定方向として、一方向のみの駆動源により撮影レンズを適切に進退制御し得るマニュアルフォーカス式のカメラを提供することができる。
【0101】
また、本発明のカメラによれば、前記カム戻し手段が、前記カム部材の前記待機位置からの変位によって蓄勢されるスプリングを含むことにより、フォーカス位置から前記待機位置までレンズを移動させるのにスプリングを利用して、特に、撮影レンズの逆方向の移動制御に係る駆動力を得るための構成を簡単化することができる。
【0102】
本発明のカメラによれば、モータ等の駆動源による駆動力を前記カム部材に伝達する歯車を含む前記カム駆動手段の前記歯車と前記カム部材との間に、モータの正逆回転により挿脱されて前記駆動力の伝達を断続する遊星歯車を用いて、前記カム駆動部切換手段を構成することにより、駆動源モータ等のカム駆動手段の正転逆転に応動する遊星歯車を用いるカム駆動部切換手段として、フォーカス位置から所定の待機位置に戻す場合におけるカム駆動手段からカム部材を切り離す操作を行なうことができ、特に、撮影レンズの駆動方向の切換制御が容易である。
【0103】
本発明のカメラによれば、前記カム駆動手段の少なくとも一部をプランジャにより移動操作して、前記カム部材への前記駆動力の伝達を断続する前記カム駆動部切換手段を構成することにより、フォーカス位置から所定の待機位置に戻す場合におけるカム駆動手段からカム部材を切り離す操作にプランジャを用いて、特に、撮影レンズの駆動方向の切換制御を確実に且つ容易に行うことができる。
本発明のカメラによれば、前記カム駆動手段の少なくとも一部を切換専用モータにより移動させて、前記カム部材への前記駆動力の伝達を断続する前記カム駆動部切換手段を構成することにより、フォーカス位置から所定の待機位置に戻す場合におけるカム駆動手段からカム部材を切り離す操作にかなり小型のモータを用いて、特に、撮影レンズの駆動方向の切換制御を一層安価に且つ容易に行うことができる。
【0104】
本発明のカメラによれば、前記カム駆動部切換手段が、前記カム部材に対して前記カム駆動手段を切り離さずに接続し続ける動作モードを有し、該動作モードにおいては、前記カム部材の回転により、前記撮影レンズ連動部材を所定の収納位置と前記待機位置とに交互に移動させることにより、単一方向の駆動によって、撮影レンズを、フォーカス位置と待機位置と、さらには収納位置との間で移動させることができる。
【0105】
本発明のカメラによれば、測距結果に基づき実被写体距離に応じて撮影レンズの位置を制御して被写体像形成部材との間の距離を変動させるカメラであって、カム駆動手段により一定方向のみに回転駆動される複数のカム部材の回転にともない、撮影レンズの複数のレンズ群をそれぞれ保持固定する撮影レンズ固定部材と一体的に進退動作するレンズ連動部材の移動位置が所定の曲線を追従するように規制し、前記各カム部材に対して前記カム駆動手段を接離するカム駆動部切換手段によって、前記各カム部材が前記カム駆動手段から切り離されたときには、カム戻し手段によって前記カム部材を所定の待機位置に戻す構成とすることにより、ズームを要するカメラに適用する場合、特に有効であり、主として一方向の回転力を持つ駆動源によってフォーカス位置と前記待機位置との間で撮影レンズの複数のレンズ群を往復動作させることができ、高価な駆動源を必要とせず、簡単で且つ安価な構成により、待機位置およびフォーカス位置の間で撮影レンズを適切に駆動することができ、コストダウンを達成することができる。
【0106】
本発明のカメラによれば、手動操作により指定された被写体距離に応じて撮影レンズの位置を制御して被写体像形成部材との間の距離を変動させるカメラであって、カム駆動手段により一定方向のみに回転駆動される複数のカム部材の回転にともない、撮影レンズの複数のレンズ群をそれぞれ保持固定する撮影レンズ固定部材と一体的に進退動作するレンズ連動部材の移動位置が所定の曲線を追従するように規制し、前記各カム部材に対して前記カム駆動手段を接離するカム駆動部切換手段によって、前記各カム部材が前記カム駆動手段から切り離されたときには、カム戻し手段によって前記カム部材を所定の待機位置に戻す構成とすることにより、ズームを要するカメラに適用する場合、特に有効であり、主として一方向の回転力を持つ駆動源によってフォーカス位置と前記待機位置との間で撮影レンズの複数のレンズ群を往復動作させることができ、高価な駆動源を必要とせず、簡単で且つ安価な構成により、待機位置およびフォーカス位置の間で撮影レンズを適切に駆動することができ、コストダウンを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカメラの要部の構成を示す正面図である。
【図2】図2のうち図2(a)は、図1のカメラの主要な構成要素であるカム面の模式的な展開図、図2(b)は、図1の構成の側面側から見た断面図である。
【図3】図2とは異なる動作位置状態を示すものであり、図3のうち、図3(a)は、図1のカメラの主要な構成要素であるカム面の模式的な展開図、図3(b)は、図1の構成の側面側から見た断面図である。
【図4】本発明に係るカメラにおける駆動機構の底面図である。
【図5】本発明に係るカメラにおける駆動機構による動作に基づく各部の動作方向を示す駆動機構の底面図である。
【図6】本発明に係るカメラにおける駆動機構による他の動作に基づく各部の動作方向を示す駆動機構の底面図である。
【図7】本発明に係るカメラにおける駆動機構によるその他の動作に基づく各部の動作方向を示す駆動機構の底面図である。
【図8】本発明に係るカメラにおける駆動機構によるさらに他の動作に基づく各部の動作方向を示す駆動機構の底面図である。
【図9】本発明に係るカメラにおける駆動機構によるさらにその他の動作に基づく各部の動作方向を示す駆動機構の底面図である。
【図10】本発明に係るカメラにおける駆動機構によるさらにまた他の動作に基づく各部の動作方向を示す駆動機構の底面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構を示しており、図11のうち図11(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図11(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構の他の状態を示しており、図12のうち図12(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図12(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構を示しており、図13のうち図13(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図13(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構の他の状態を示しており、図14のうち図14(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図14(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構を示しており、図15のうち図15(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図15(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構の他の状態を示しており、図16のうち図16(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図16(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構を示しており、図17のうち図17(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図17(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構の他の状態を示しており、図18のうち図18(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図18(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構のその他の状態を示しており、図19のうち図19(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図19(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構のさらに他の状態を示しており、図20のうち図20(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図20(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構を示しており、図21のうち図21(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図21(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図22】本発明の第5の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構の他の状態を示しており、図22のうち図22(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図22(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構のその他の状態を示しており、図23のうち図23(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図23(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図24】本発明の第5の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構のさらに他の状態を示しており、図24のうち図24(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図24(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図25】本発明の第6の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構を示しており、図25のうち図25(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図25(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図26】本発明の第6の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構の他の状態を示しており、図26のうち図26(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図26(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図27】本発明の第6の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構のその他の状態を示しており、図27のうち図27(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図27(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図28】本発明の第6の実施の形態に係るカメラにおけるレンズ位置制御機構のさらに他の状態を示しており、図28のうち図28(a)はレンズ位置制御機構の上面図、図28(b)はレンズ位置制御機構の側面図である。
【図29】本発明の実施の形態に係るカメラにおける駆動機構の第1の例における要部の底面図である。
【図30】本発明の実施の形態に係るカメラにおける駆動機構の第2の例における要部の底面図である。
【図31】本発明の実施の形態に係るカメラにおけるコンピュータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図32】本発明の実施の形態に係るカメラにおける駆動モータが一定の方向に駆動されたときの時間経過に関するレンズ移動距離を示すレンズ駆動図である。
【図33】本発明の実施の形態に係るカメラにおける処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 レンズ保持部材
2a 突出部
3 カム部材
3a スロット
3b カム面
3c 溝部
4 リング
4a 切欠部
5 スプリング
6 駆動機構
7 歯車
8 ストッパー
9 鏡胴部材
10 押圧部材
11 モータ歯車
12 歯車
13A 太陽歯車
13B 遊星歯車
14A 太陽歯車
14B 遊星歯車
15 歯車
16A 太陽歯車
16B 遊星歯車
17 歯車
18 歯車
19 スプール歯車
20 フィルム歯車
21 レバー
21a 端部
21b 端部
21c 突出部
22 レバー
23 レバー
23a 端部
23b レバー
24 爪
25 スプリング
30 モータ
40 ズーム歯車
41 プランジャー

Claims (8)

  1. 連繋部材を有し、撮影レンズを保持すべく構成されたレンズ保持部材と、
    駆動信号に応答して所定方向の回転駆動力を生成するモータと、
    前記モータの前記回転駆動力を介して回転させるための歯車部を有する歯車リングと、
    前記歯車リングに設けられ、前記レンズ保持部材の連繋部材に摺接する連繋面を有し、
    該連繋面は傾斜面を有するカムと、
    一端において前記カムおよび歯車リングの一方に結合され、他端において前記カムとは分離された可動体に結合されて、前記モータが前記歯車リングを駆動し、前記カムの前記連繋面が前記レンズ保持部材の前記連繋部材を前記撮影レンズの光軸に沿う所定方向に作動させたときに位置エネルギを畜勢するように構成された偏倚部材と、
    前記モータを前記歯車リングから切離し制御し得るように構成されたクラッチとを具備し、
    且つ前記偏倚部材は、前記クラッチが前記モータを前記歯車リングから切離した場合に、前記カムを、前記モータの回転力によって駆動されたときに移動された方向と反対方向に移動させるのに前記畜勢された位置エネルギを消費して、前記レンズ保持部材を前記光軸に沿う前記所定方向と反対の方向に移動させるべく構成されたことを特徴とするカメラ。
  2. 前記カムの前記連繋面は、第1の傾斜部と前記第1の傾斜部よりも大きな傾斜を持つ第2の傾斜部とを有し、前記第1の傾斜部は、フォーカス動作の間、第1の速度で、前記所定方向へ前記レンズ保持機構の前記連繋部材を移動させるべく構成され、前記第2の傾斜部は、フォーカス動作の間、第2の速度で、前記レンズ保持部材の前記連繋部材を移動させるべく構成されたことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  3. 駆動信号を生成すべく構成された処理装置と、
    前記処理装置により実行されたときに、フィルム給送動作、またはシャッタ作動動作を制御する場合には前記処理装置が第1の回転方向にモータを制御するための駆動信号を生成し、フォーカス動作、またはレンズズーム動作を制御する場合には前記処理装置が前記第1の回転方向とは反対方向である第2の回転方向にモータを制御するための駆動信号を生成するコンピュータ読み取り可能な命令がエンコードされたメモリと
    をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  4. 前記レンズ保持部材を光軸に沿う所定方向に移動させる場合の回転方向と反対の回転方向に前記モータを駆動することで、フィルムを、フィルム送り動作に従って移動させるフィルム給送機構
    をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  5. ディジタル画像を生成する電子的イメージセンサと、
    前記ディジタル画像を保持するメモリと
    をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  6. 前記カムは、第1のモードの動作でフィルムを用い、第2のモードの動作で電子的イメージセンサを用いる2モードカメラにて動作させるべく構成されたことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  7. 前記レンズの初期位置と固定焦点距離との間の所定の移動距離を設定して固定された焦点距離を設定するマニュアルフォーカス制御部をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  8. 観察している被写体を画像記録媒体に合焦させるのに必要な所定の焦点距離に対応して前記モータの駆動量を決定する駆動信号を生成するように構成された自動焦点機構をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
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