JP3966565B2 - フタロシアニン化合物、その製造方法及び中間体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なフタロシアニン化合物に関する。特に、透明基板上に、少なくとも色素を含有する記録層および反射層を有する光記録媒体で、620〜690nmから選ばれた波長のレーザー光で再生または記録再生が可能な光記録媒体の記録層材料に適したフタロシアニン化合物に関するものであり、更に、770〜830nmから選ばれた波長のレーザー光で再生または記録再生が出来る記録可能コンパクトディスク(以下CD-Rと称する)の記録層材料となるフタロシアニン化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
色素を記録層とし、且つ、反射率を大きくするため、記録層の上に金属の反射層を設け、更にこの上に保護層を設けた単板型の記録可能な光記録媒体は、例えば、Optical Data Storage 1989,Technical Digest Series Vol.1 45(1989)に開示されている。又、このような媒体の記録層に、シアニン色素や本発明に用いられるフタロシアニン色素を用いた媒体は、記録可能コンパクトディスク媒体(以下CD-R媒体と称する)として市場に供されている。かかる光記録媒体は、基本的に、基板上に、記録層、反射層、保護層をこの順に形成したものである。この光記録媒体の記録層に半導体レーザー等のレーザー光を高パワーで照射すると、記録層が物理的あるいは化学的変化を起こし、ピットの形で情報を記録する。形成されたピットに低パワーのレーザー光を照射し、反射光を検出することによりピットの情報を再生することが出来る。
【0003】
CD-R媒体はオレンジブック規格に準拠しており、770〜830nmから選ばれた波長(λ1)の光に対して65%以上の反射率を有し、且つ、このλ1の光を吸収する。それ故、780nmの半導体レーザーで記録することが出来、且つ、780nmの半導体レーザーを搭載している市販のCDプレーヤーやCD-ROMプレーヤーで再生できるという特徴を有する。
【0004】
一方、現在の光記録媒体は650MBの容量しか持たず、デジタル動画のような大容量の情報を記録するには記録時間が15分以下と短い。また、機器の小型化が進む中で、従来の記録密度では媒体を小型化にすると容量が不足する。
【0005】
最近、620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の半導体レーザーが開発され、高密度の記録及び又は再生が可能となりつつある。この半導体レーザーを用いて、従来の媒体の5〜8倍の記録容量を有する高密度記録媒体や、この高密度記録媒体を再生することができる高密度記録媒体対応のプレーヤーの開発が検討されている。特に、映画をデジタルで2時間以上収録できるシステムはDVD(degital video disk)として、その再生専用の媒体及び再生プレーヤーの上市が目前に迫っている。
【0006】
この高密度記録媒体の1つとして、従来のCDやCD-ROM媒体と同じように、基板形成時にピットを形成し、アルミ反射層を設けた再生専用媒体が挙げられる。この再生専用高密度記録媒体は70%以上の反射率を有する。それ故、この高密度記録媒体を再生できる高密度対応プレーヤーは、70%以上の高反射率を有する前記再生専用媒体が再生できるように設計されている。そして、例えば、従来のCD、CD-ROMやCD-R等の媒体も、該高密度対応プレーヤーで再生できることが望まれている。
【0007】
従来のCDやCD-ROM媒体は再生専用であり、その製法は前記再生専用高密度記録媒体と同じであって、70%以上の高い反射率を有するので高密度対応プレーヤーでも容易に再生が可能である。
【0008】
一方、現在市場に供されているCD-R媒体は確かに780nm前後の光に対する反射率は65%以上有し、市販のCDやCD-ROMプレーヤーで再生できるが、620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光で再生しようとした場合、反射率が10%以下と非常に小さいことが問題となる。また、変調度も小さく、且つ、記録部の反射率が未記録部より大きくなる、いわゆる、low tohigh記録となり、通常のCD等(high to low記録)とは極性が逆になり好ましくない。更に、記録波形に大きな歪みが観察される。このような数々の欠点のために従来のCD-R媒体は620〜690nmから選ばれた波長(λ2)のレーザーを搭載した高密度対応プレーヤーで再生することは困難であった。
【0009】
例えば、米国特許第5090009号明細書には、色素を含む記録層、反射層、保護層を基板上に順次積層したCD-R媒体、及びこの媒体の基板と記録層の間や、記録層と反射層の間に、干渉層を設けた媒体が開示されている。そして、CDの規格(レッドブック)を満足するためや、記録を可能とするための記録層の光学定数や膜厚が開示されている。確かにここで開示されている媒体は、CDに用いられている780nmの光の一部を吸収すると共に反射率が70%以上得られ、この波長の光で記録及び再生ができる。しかしながら、620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光での記録及び/又は再生を目的としてはおらず、該波長の光に対する反射率や記録層の光学定数、更に干渉層の光路長に関しては何も開示されていない。該特許には記録層にインドジカルボシアニン色素を用い、干渉層を有しない媒体、及び無機化合物やポリマーからなる干渉層を有した媒体の実施例が多数開示されている。しかしながら、この記録層にインドジカルボシアニン色素を用いた媒体は、620〜690nmから選ばれた波長の光に対する反射率が10%以下であり、且つ、記録部の反射率が未記録部より大きくなるlow to high記録となり好ましくない。反射率が小さくなる理由は、CD-R媒体に用いられる色素は光学特性の波長依存性が大きく、前記したインドジカルボシアニン色素は記録膜で測定すると600〜750nmに非常に大きな吸収を有すると共に、CD-R媒体は780nm前後の光に対して反射率が大きくなるように記録層の膜厚や光学定数(屈折率、消衰係数)が設計されているために、620〜690nmでの反射率が小さくなる。また、該特許の実施例8や14には本発明の記録層に用いられるフタロシアニン色素とは異なるt-ブチル置換フタロシアニン色素を記録層とし、ポリマーや無機化合物からなる干渉層を有する媒体が開示されている。しかしながら、これらの媒体は、反射率や変調度はCDの規格を満足するが、CDと同じパルス幅変調(pulse width modulation)により記録された信号を620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光で再生した場合、再生波形には大きな歪みが観察され、エラーレートやジッターが大きく、高密度対応プレーヤーでは再生できない。
【0010】
EP-19329には、VO−フタロシアニン色素を記録層とし、該記録層の上にセルロースからなる300nm干渉層を設けた媒体が開示されている。しかしながら、該特許も特定の1つの波長に対する反射率と記録感度を改良することを目的としたものであり、本発明の様に770〜830nmから選ばれた波長(λ1)の光と620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の2つの光で記録及び再生が出来るように最適化されていない。更に、この媒体もCDと同じpulse width modulationにより記録された信号を620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光で再生した場合、再生波形には大きな歪みが観察され、エラーレートやジッターが大きく、高密度対応プレーヤーでは再生できない。
【0011】
米国特許第5124067号明細書には、本発明の記録層に用いられる色素と同じような色素及び該色素を用いた媒体が多数開示されている。しかしながら、例えばその実施例98、100、102に開示された媒体は、CDの規格は満足するものの、620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光で再生した場合、記録モードはlow to highとなり、且つ、反射率は10%以下と小さく、更に、CDと同じpulse width modulationにより記録された信号の再生波形には歪みが観察され、エラーレートやジッターが大きく、高密度対応プレーヤーでは再生できない。
【0012】
更に、特開平3-281287には、780nmに吸収曲線の長波長側端部を有し、780nmでの複素屈折率(complex refractive index)の虚数部(imaginary part)の絶対値が0.2以下を有する色素(A)と、該色素の吸収極大波長よりも短波長側に極大吸収を有するトリメチンシアニン色素(B)の混合物を記録層とする媒体が開示されている。この媒体は耐久性に優れ、且つ、CD規格を満足する。しかしながら、620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光で再生が出来るように最適化されていない。実施例からも明らかなように、トリメチンシアニン色素の使用割合が50wt%、ペンタメチンシアニン色素が50wt%であり、620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光に対する吸収が大きすぎて、反射率が15%未満となって、高密度対応プレーヤーによる再生は難しい。
【0013】
特開平6-336086には、特定の構造のトリメチンシアニン色素とペンタメチンシアニン色素の混合物を記録層とする媒体が開示されている。この媒体は、780nm及び488nmの光で記録及び再生を目的とし、トリメチンシアニン色素とペンタメチンシアニン色素の割合が1:10である。このように、ペンタメチンシアニン色素の使用割合が多いと620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光に対する吸収が大きすぎて、反射率が15%未満となって、高密度対応プレーヤーによる再生は難しい。
【0014】
特開平6-40162には、記録層にトリメチンシアニン色素を用いた媒体が開示されている。この媒体は、630nmの光での記録及び再生を目的としており、記録層が780nmの光に対する吸収を有しないために780nmの光では記録が出来ない。
【0015】
特開平3-290835には、記録層とアルミ合金からなる反射層との間に低分子有機物からなる干渉層を設けた媒体が開示されている。該媒体は、780nmに於ける反射率を70%以上にするため、反射層に高価な金の代わりにアルミ合金を用いて干渉層を設けたものであり、確かに780nmに於ける反射率は70%以上得られるものの、620〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光に対する反射率は小さく、高密度媒体対応プレーヤーでは再生できない。
【0016】
前記したように、少なくとも色素を含有する記録層、反射層を有する光記録媒体で、770〜830nmから選ばれた波長(λ1)レーザー光に対する反射率が65%以上得られ、高感度であり、記録特性に優れ、市販のCDプレーヤーやCD-ROMプレーヤーで再生することが出来、且つ、620〜690nmから選ばれた波長(λ2)のレーザーを搭載した高密度記録媒体対応のプレーヤーで再生出来る媒体はない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、620〜690nmから選ばれた波長のレーザー光で再生または記録再生が可能であり、更に、現行のCD-R媒体の規格であるオレンジブック(770〜830nmから選ばれた波長の光に対する反射率が65%以上で、該光で記録再生が可能)を満足する光記録媒体の記録層材料に適した新規なフタロシアニン化合物を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題の解決を目的として鋭意検討し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1) 一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物、
【0019】
【化12】
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8はアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基又は下記構造式で表わされる置換基を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子又はアルキルチオ基を示し、Mは2個の水素原子、2価の金属又は3価或いは4価の金属誘導体を示す。但しR1とR2の組み合わせ、R3とR4の組み合わせ、R5とR6の組み合わせ及びR7とR8の組み合わせにおいて、両者が同時にアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合を除く。また、R 1 とR 2 の組み合わせ、R 3 とR 4 の組み合わせ、R 5 とR 6 の組み合わせ及びR 7 とR 8 の組み合わせにおいて、両者が同時にアルコキシアルキル基又はアルコキシアルコキシアルキル基である場合、また、一方がアルコキシアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合、Xはハロゲン以外の基を示す。)
【0020】
【化13】
【0021】
(2) R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8が炭素数1〜15のアルキル基、総炭素数2〜15のアルコキシアルキル基又は下記構造式で表わされる置換基であり、Xが水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルキルチオ基(但し、R 1 とR 2 の組み合わせ、R 3 とR 4 の組み合わせ、R 5 とR 6 の組み合わせ及びR 7 とR 8 の組み合わせにおいて、両者が同時にアルコキシアルキル基である場合、Xはハロゲン以外の基を示す。)である (1)のフタロシアニン化合物。
【0022】
【化14】
【0025】
(3) 一般式(IV)で表わされるフタロニトリル化合物、
【0026】
【化16】
(式中、R9,R10はアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基又は下記構造式で表わされる置換基を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子又はアルキルチオ基を示す。但し、R9とR10の両者が同時にアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合を除く。また、R 9 とR 10 が同時にアルコキシアルキル基又はアルコキシアルコキシアルキル基である場合、また、一方がアルコキシアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合、Xはハロゲン以外の基を示す。)
【0027】
【化17】
【0028】
(4) 前記一般式(IV)で表わされるフタロニトリル化合物と金属又は金属誘導体を反応させることを特徴とする、前記一般式(I)のフタロシアニン化合物の製造方法、に関するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I)で表わされるフタロシアニン化合物について下記に説明する。
【0036】
【化21】
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8はアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基又は下記構造式で表わされる置換基を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子又はアルキルチオ基を示し、Mは2個の水素原子、2価の金属又は3価或いは4価の金属誘導体を示す。但しR1とR2の組み合わせ、R3とR4の組み合わせ、R5とR6の組み合わせ及びR7とR8の組み合わせにおいて、両者が同時にアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合を除く。また、R 1 とR 2 の組み合わせ、R 3 とR 4 の組み合わせ、R 5 とR 6 の組み合わせ及びR 7 とR 8 の組み合わせにおいて、両者が同時にアルコキシアルキル基又はアルコキシアルコキシアルキル基である場合、また、一方がアルコキシアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合、Xはハロゲン以外の基を示す。)
【0037】
【化22】
【0038】
一般式(I)で示されるフタロシアニン化合物において、R1〜R8がアルキル基である場合は炭素数1〜15の直鎖または分岐アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基が特に好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチル−2−ヘキシル基、2,4−ジメチル−3−ペンチル基等が挙げられる。
【0039】
R1〜R8がアルコキシアルキル基の場合は総炭素数2〜15のアルコキシアルキル基が好ましく、特に総炭素数3〜6のアルコキシアルキル基が好ましい。例としてメトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、n−プロポキシエチル基、iso−プロポキシエチル基、1−メトキシ−2−プロピル基、2−エトキシ−2−プロピル基等が挙げられる。
【0040】
R1〜R8がアルコキシアルコキシアルキル基の場合は総炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルキル基が好ましい。例として(2−メトキシエトキシ)メチル基、(2−エトキシエトキシ)メチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(1−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−プロポキシエトキシ)エチル基、3−(2−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2−エトキシエトキシ)プロピル基等が挙げられる。
【0044】
なお、R1とR2の組み合わせ、R3とR4の組み合わせ、R5とR6の組み合わせ、R7とR8の組み合わせにおいて、両者がアルキル基である化合物、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルキル基である化合物、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルコキシ基である化合物は、本発明の化合物に比較して、光記録媒体の記録層を塗布法で形成する場合に使用される各種溶媒に対する溶解度が低くなる。これらの溶媒としてはアルコール系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、セロソルブ系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒があるが、特にアルコール系溶媒に対する溶解度が低くなる。
【0045】
Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキルチオ基であるが、Xがハロゲン原子の例としては塩素、臭素、沸素が挙げられる。
【0046】
Xがアルキルチオ基である場合は炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキルチオ基が特に好ましい。例としてメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−オクチルチオ基等が挙げられる。
【0047】
Mは金属、金属誘導体であるが、Mが2価の金属であるものとしては、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Pbが好ましく、Mが金属誘導体としては金属の塩化物、水酸化物、酸化物が好ましく、3価或いは4価の金属誘導体としては、AlCl、InCl、FeCl、MnOH、SiCl2、SnCl2、GeCl2、Si(OH)2、Sn(OH)2、Ge(OH)2、VO、TiOが挙げられる。MとしてはとりわけCu、Ni、Co、FeCl、Zn、VO、Pd、MnOHが好ましい。
【0048】
本発明のフタロシアニン化合物の好ましい具体例を表−1に示す。但し表−1においてR1=(R3,R4のいずれか一方)=(R5,R6のいずれか一方)=(R7,R8のいずれか一方)であり、かつR2=(R3,R4のもう一方)=(R5,R6のもう一方)=(R7,R8のもう一方)である。化合物(2)、(7)、(10)、(17)、(22)、(24)、(27)、(31)、(35)、(38)、(41)は参考例を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
本発明の一般式(I)で表わされるフタロシアニン化合物は、前記一般式(IV)のフタロニトリル化合物と金属または金属誘導体とを、好ましくは溶媒中で反応させることにより得られる。
【0056】
金属又は金属誘導体としては、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、Pb及びこれらのハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、カルボニル化合物、酸化物、錯体等が好ましい。特に上記金属のハロゲン化物またはカルボン酸塩が好ましい。これらの例としては塩化銅、臭化銅、沃化銅、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、塩化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アルミニウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、アセチルアセトンマンガン、塩化マンガン、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジウム、塩化チタン、塩化スズ等が挙げられる。
【0057】
金属又は金属誘導体の使用量は、一般式(IV)のフタロニトリル化合物の0.2〜0.6倍モル、好ましくは0.25〜0.4倍モルである。
【0058】
反応温度は80〜300℃、好ましくは100〜250℃である。反応温度が80℃より低い場合、反応速度が極めて遅く、300℃より高い場合、生成したフタロシアニン化合物の分解が促進される。
【0059】
溶媒としては沸点100℃以上、好ましくは130℃以上の有機溶媒が用いられる。例えば、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコール溶媒、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、スルフォラン、ニトロベンゼン、尿素等の高沸点溶媒がある。
【0060】
溶媒の使用量は、一般式(IV)のフタロニトリル化合物に対して1〜100重量倍、好ましくは5〜20重量倍である。
【0061】
反応において触媒としてモリブデン酸アンモニウム、或いはDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等を添加しても良い。触媒の添加量は一般式(IV)のフタロニトリル化合物に対して、0.1〜10倍モル、好ましくは0.5〜2倍モルである。
【0062】
反応後、反応液より溶媒を留去するか、又は反応液をフタロシアニン化合物に対する貧溶媒に排出し、析出物をろ取することにより目的とするフタロシアニン化合物の粗製物が得られる。また必要に応じこの粗製物を再結晶或いはカラムクロマトグラフィーにより精製することにより高純度の目的物を得ることができる。
【0063】
本発明のフタロシアニン化合物は記録媒体の記録層を塗布法により形成する場合に使用される前記溶媒に対する溶解度が高く、特に2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のアルコール系溶媒に対する溶解度が高い。
【0064】
本発明の一般式(IV)で表わされるフタロニトリル化合物について以下に説明する。
【0065】
【化25】
(式中、R9,R10はアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基又は下記構造式で表わされる置換基を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子又はアルキルチオ基を示す。但し、R9とR10の両者が同時にアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合を除く。また、R 9 とR 10 が同時にアルコキシアルキル基又はアルコキシアルコキシアルキル基である場合、また、一方がアルコキシアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合、Xはハロゲン以外の基を示す。)
【0066】
【化26】
【0067】
一般式(IV)で示されるフタロニトリル化合物において、R9,R10がアルキル基である場合は炭素数1〜15の直鎖または分岐アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基が特に好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチル−2−ヘキシル基、2,4−ジメチル−3−ペンチル基等が挙げられる。
【0068】
R9,R10がアルコキシアルキル基の場合は総炭素数2〜15のアルコキシアルキル基が好ましく、特に総炭素数3〜6のアルコキシアルキル基が好ましい。例としてメトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、n−プロポキシエチル基、iso−プロポキシエチル基、1−メトキシ−2−プロピル基、2−エトキシ−2−プロピル基等が挙げられる。
【0069】
R9,R10がアルコキシアルコキシアルキル基の場合は総炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルキル基が好ましい。例として(2−メトキシエトキシ)メチル基、(2−エトキシエトキシ)メチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(1−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−プロポキシエトキシ)エチル基、3−(2−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2−エトキシエトキシ)プロピル基等が挙げられる。
【0073】
一般式(IV)で表わされる本発明のフタロニトリル化合物の好ましい例を以下に示す。
3,6−ビス(2−メトキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(2−メトキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジメチルチオ−3,6−ビス(2−メトキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−tert−ブチルチオ−3,6−ビス(2−メトキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−n−オクチルチオ−3,6−ビス(2−メトキシエトキシ)フタロニトリル
3,6−ビス(3−メトキシプロポキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(3−メトキシプロポキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−sec−ブチルチオ−3,6−ビス(3−メトキシプロポキシ)フタロニトリル
4,5−ジシクロヘキシルチオ−3,6−ビス(3−メトキシプロポキシ)フタロニトリル
【0074】
3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジメチルチオ−3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−tert−ブチルチオ−3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジオクチルチオ−3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3−(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)−6−(2−iso−プロポキシエトキシ)フタロニトリル
3−(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)−6−(2−iso−プロポキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(3−メトキシブトキシ)フタロニトリル
3,6−ビス(3−メトキシブトキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−n−プロピルチオ−3,6−ビス(3−メトキシブトキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−iso−ヘキシルチオ−3,6−ビス(3−メトキシブトキシ)フタロニトリル
3−(3−メトキシブトキシ)−6−(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3−(3−メトキシブトキシ)−6−(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
【0075】
3,6−ビス(1−メトキシブタン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(1−メトキシブタン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジメチルチオ−3,6−ビス(1−メトキシブタン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−tert−ブチルチオ−3,6−ビス(1−メトキシブタン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(2−エトキシエトキシ)フタロニトリル
3,6−ビス(2−エトキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−n−ヘキシルチオ−3,6−ビス(2−エトキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジシクロヘキシルチオ−3,6−ビス(2−エトキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(3−エトキシプロポキシ)フタロニトリル
3,6−ビス(3−エトキシプロポキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−sec−ブチルチオ−3,6−ビス(3−エトキシプロポキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−n−ヘプチルチオ−3,6−ビス(3−エトキシプロポキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]フタロニトリル
3,6−ビス[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]フタロニトリル
4,5−ジエチルチオ−3,6−ビス[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3−(2−エトキシエトキシ)−6−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]フタロニトリル
3−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]−6−(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジメチルチオ−3−(2−iso−プロポキシエトキシ)−6−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(2−iso−プロポキシエトキシ)フタロニトリル
【0076】
3,6−ビス(2−iso−プロポキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−iso−ヘキシルチオ−3,6−ビス(2−iso−プロポキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−sec−ブチルチオ−3,6−ビス(2−iso−プロポキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリル
3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリル
4,5−ジメチルチオ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−6−(4−メチルペンタンー2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジメチルチオ−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−6−(4−メチルペンタンー2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−6−(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−6−(2−iso−プロポキシエトキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシ)フタロニトリル
【0077】
3,6−ビス(1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシ)フタロニトリル
4,5−ジ−iso−ペンチルチオ−3,6−ビス(1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3−(1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシ)−6−(2,4−ジメチルペンタン−3−イルオキシ)フタロニトリル
3,6−ビス[2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ]フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス[2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ]フタロニトリル
3,6−[2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ]フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス[2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ]フタロニトリル
3,6−ビス[2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エトキシ]フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス[2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エトキシ]フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)フタロニトリル
3,6−ビス(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)フタロニトリル
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(1,4−ベンゾジオキサン−2−イルメトキシ)フタロニトリル
3,6−ビス(1,4−ベンゾジオキサン−2−イルメトキシ)フタロニトリル
【0078】
一般式(IV)で表わされるフタロニトリル化合物においてXがアルキルチオ基である場合は、一般式(V)のフタロニトリル化合物と一般式(VI)で表わされるメルカプト化合物を塩基の存在下に反応させて製造することができる。
【0079】
【化29】
(式中、R9,R10はアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基又は下記構造式で表わされる置換基を示す。但し、R9とR10の両者が同時にアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルキル基である場合、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基である場合を除く。)
【0080】
【化30】
【0081】
R11−SH (VI)
(式中、R11はアルキル基を示す。)
【0082】
メルカプト化合物としてはメチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、iso−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、sec−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、n−アミルメルカプタン、iso−アミルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、n−ヘプチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等が用いられる。
【0083】
メルカプト化合物の使用量は前記一般式(V)のフタロニトリル化合物に対し2〜3倍モル、好ましくは2〜2.5倍モルである。
【0084】
塩基としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム等が用いられる。特に好ましくは炭酸カリウム或いは炭酸ナトリムが用いられる。塩基の使用量は前記一般式(V)のフタロニトリル化合物に対し、2〜3倍モル、好ましくは2〜2.5倍モルである。
【0085】
反応に用いられる溶媒の例としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。これらは単独または水との混合系で用いることができ、混合系における混合割合は水が20%以下が好ましい。また水との混合系ではアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒も使用することができる。使用する溶媒の量は前記一般式(V)のフタロニトリル化合物に対し1〜30倍重量、好ましくは2〜15倍重量である。
【0086】
反応温度は0℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは10℃〜溶媒の還流温度である。
【0087】
反応時間は30分〜20時間が好ましい。
【0088】
反応後、水に排出し、濾取或いはトルエン等の芳香族系溶媒にて抽出、濃縮して前記一般式(IV)のフタロニトリル化合物を得る。またこうして得られた粗製物は再結晶或いはカラムクロマトグラフィーにて更に精製しても良い。
【0089】
一般式(IV)のフタロニトリル化合物は一般式(VII)又は(VIII)で表わされるフタロニトリルと一般式(IX)で表わされる化合物とを塩基の存在下に反応させて製造することができる。
【0090】
【化31】
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又はアルキルチオ基を示す。)
【0091】
【化32】
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又はアルキルチオ基を示し、R12はアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基又は下記構造式で表わされる置換基を示す。)
【0092】
【化33】
【0093】
R13−D (IX)
(式中、R13は一般式(VIII)に於けるR12と同じものを示し、Dはハロゲン原子、トリルオキシ基又はメシルオキシ基を示す。但し、R12とR13の両者が同時にアルキル基であること、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルキル基であること、一方がアルキル基で他方がアルコキシアルコキシアルキル基であることはない。)
【0094】
前記一般式(IX)で表わされる化合物としてはハロゲン化アルキル又はp−トルエンスルフォン酸或いはメタンスルフォン酸のエステルが挙げられるが、ハロゲン化アルキルとしては、好ましくは、1−ヨードメタン、1−ブロモエタン、1−ヨードエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1−ヨードプロパン、1−クロロプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1−ブロモペンタン、2−ブロモペンタン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、3−ブロモヘキサン、1−ブロモヘプタン、3−ブロモヘプタン、2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、3−ブロモプロピルエチルエーテル、2−ブロモメチル−1,3−ジオキソラン、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン、2−(2−ブロモエチル)−2−メチル−1,3−ジオキソラン、2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサンが、又、p−トルエンスルフォン酸或いはメタンスルフォン酸のエステルとしては、好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノールn−ヘキサノール、sec−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、2−メトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、3−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−2−ブタノール、2−メトキシ−1−ブタノール、2−エトキシエタノール、2−エトキシ2−プロパノール、2−エトキシ−1−プロパノール、2−iso−プロポキシエタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール、3−メチル−3−オキセタンメタノールとp−トルエンスルフォン酸或いはメタンスルフォン酸のエステルが挙げられる。
【0095】
反応に使用される前記一般式(IX)の化合物の量は前記一般式(VII)又は(VIII)のフタロニトリル化合物に対して、0.5〜20倍モル、好ましくは1.0〜5.0倍モルである。
【0096】
塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリム等が挙げられる。
【0097】
塩基の使用量は一般式(VII)又は(VIII)のフタロニトリル化合物に対して、0.5〜20倍モル、好ましくは1.0〜5.0倍モルである。
【0098】
前記一般式(IV)のフタロニトリルの製造に用いられる溶媒の例としては、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。
【0099】
溶媒の使用量は前記一般式(VII)又は(VIII)のフタロニトリル化合物に対して、1〜30倍重量、好ましくは2〜15倍重量である。
【0100】
反応温度は0℃〜反応溶媒の還流温度の範囲であり、好ましくは15〜90℃の範囲である。
【0101】
反応後、水に排出し、濾取或いはトルエン等の芳香族系溶媒にて抽出、濃縮して前記一般式(IV)のフタロニトリル化合物を得る。またこうして得られた粗製物は再結晶或いはカラムクロマトグラフィーにて更に精製しても良い。
【0102】
本発明の記録層中に前記一般式(I)のフタロシアニン化合物を含有する光記録媒体について下記に説明する。
【0103】
本発明の光記録媒体は、基板上に、記録層および反射層を有する。光記録媒体とは、予め情報を記録されている再生専用の光再生専用媒体、及び、情報を記録して再生のできる光記録媒体、特に基板上に記録層、反射層及び保護層をこの順で形成した光記録媒体に関して説明する。この光記録媒体は、図1に示すような4層構造を有している。即ち、基板1上に記録層2が形成されており、その上に密着して反射層3が設けられており、さらにその上に保護層4が反射層3を覆っている。
【0104】
基板の材質としては、基本的には記録光及び再生光の波長で透明なものであればよい。例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の高分子材料やガラス等の無機材料が利用される。これらの基板材料は射出成形法等により円盤上に基板に成形される。必要に応じて、基板表面に溝を形成することもある。
【0105】
本発明において、記録層中に一般式(I)のフタロシアニン化合物とともに含有される波長630nm未満に吸収極大を有する化合物としては、ペンタメチンシアニン系色素、スクワリリウム系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、ポルフィリン系色素、アゾ系色素などが挙げられる。中でも波長630nm未満に吸収極大を有する化合物として好ましいのは、一般式(X)で表されるアゾ化合物と金属とのアゾ金属錯体化合物である。
【0106】
【化34】
(式中、Eは、それが結合している窒素原子及び炭素原子と一緒になって複素環を形成する残基を表し、Fは、それが結合している2つの炭素原子と一緒になって芳香環を形成する残基を表し、Zは活性水素を有する基を表す。)
【0107】
上記式中、Eはそれが結合している窒素原子及び炭素原子と一緒になって複素環を形成する残基の具体例としては、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリドベンゾチアゾール環、ベンゾピリドチアゾール環、ピリドチアゾール環、ピリジン環、キノリン環、チアジアゾール環、イミダゾール環等を形成する残基が挙げられる。これらの含窒素複素環は、置換基を有してもよく、かかる置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルバモイル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、アミノ基、ヒドロキシル基、フェニルアゾ基、ピリジノアゾ基、ビニル基等が挙げられ、これらの置換基は更に置換基を有してもよい。含窒素複素環上の置換基の中で好ましいものとしては、置換基を有してもよい炭素数1〜25のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜25のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよい炭素数1〜25のアルキルスルファモイル基、置換基を有してもよいフェニルアゾ基、置換基を有してもよいピリジノアゾ基、炭素数2〜26のエステル基、炭素数2〜26のカルバモイル基、炭素数2〜26のアシル基、炭素数1〜25のアシルアミノ基、炭素数1〜25のスルホンアミド基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
【0108】
Fは、それが結合している2つの炭素原子と一緒になって芳香環を形成する残基の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリドン環、テトラヒドキノリン環またはピラゾール環等を形成する残基が挙げられる。これらの芳香環または複素環は、置換基を有してもよく、かかる置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルバモイル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、アミノ基、ヒドロキシル基、フェニルアゾ基、ピリジノアゾ基、ビニル基等が挙げられ、これらの置換基は更に置換基を有してもよい。含窒素複素環上の置換基の中で好ましいものとしては、置換基を有してもよい炭素数1〜25のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜25のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよい炭素数1〜25のアルキルスルファモイル基、置換基を有してもよいフェニルアゾ基、置換基を有してもよいピリジノアゾ基、炭素数2〜26のエステル基、炭素数2〜26のカルバモイル基、炭素数2〜26のアシル基、炭素数1〜25のアシルアミノ基、炭素数1〜25のスルホンアミド基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
【0109】
Zとしては活性水素を有する基であれば特に制限されないが、好ましいものとしては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。
【0110】
前記アゾ化合物と一緒に錯体化合物を形成する金属としては、一般にアゾ化合物と一緒に錯体化合物を形成する金属であれば特に制限されないが、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銅、オスミウム、イリジウム、白金等の遷移金属が好ましい。
【0111】
本発明に用いられるアゾ化合物の金属錯体の中で、特に好ましい具体例としては、下記に挙げられるアゾ化合物の金属錯体が挙げられる。
【0112】
【化35】
上記式(a)において、次に示される置換基を有する化合物と下記金属との錯体。
【0113】
【表7】
【0114】
【化36】
上記式(b)において、次に示される置換基を有する化合物と下記金属との錯体。
【0115】
【表8】
【0116】
本発明の記録層には、耐久性向上が要求されるような場合には、消光剤や紫外線吸収剤等の添加剤を混合してもよい。また、そのような効果を呈する官能基を、式(I)の化合物に置換基として導入して使用することも可能である。
添加剤としては、例えば、以下の一般式(1)〜(5)で示されるものが挙げられる。
【0117】
【化37】
【0118】
これらの式において、G、G´はベンゼン環或いは置換ベンゼン環を形成するか、またはナフタレン環或いは置換ナフタレン環を形成する原子群であり、同種であっても異種であっても良く、また、これらの環はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アリル基、アルキルカルボキシル基、アルキルアルコキシル基、アラルキル基、アルキルカルボニル基、金属イオンと結合したスルホネートアルキル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、フェニル基、フェニルエチレン基等の置換基で置換されていてもよい。R16〜R28は、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アリル基、アルキルカルボキシル基、アルキルアルコキシル基、アラルキル基、アルキルカルボニル基、金属イオンと結合したスルホネートアルキル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、フェニル基、フェニルエチレン基等を表す。Qは、Ni、Co、Mn、Cu、Pd及びPt等の遷移金属を表し、Qは電荷を持ち、カチオンと塩構造をとってもよい。a´はイオン体の電荷数を表し、0を含む正の整数である。dはカチオンを示し、a´=b´×c´であり、a´=0の時、b´×c´=0でdは存在せず、化合物は非イオン性である。
【0119】
これらの色素を含有する記録層は、スピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法、真空蒸着法等によって基板上に厚さ50〜500nm、好ましくは100〜150nmの厚さに形成される。特に塗布法においては色素を溶解或いは分散させた塗布溶媒を用いるが、この際溶媒は基板にダメージを与えないものを選ぶことが好ましい。例えば、メタノール等のアルコール系溶媒、ヘキサンやオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン等の環状炭化水素系溶媒、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒等を1種或いは複種混合して用いる。また、記録層は1層だけでなく複数の色素を多層形成させたり、色素を高分子薄膜等に、例えば、好ましくは50%程度以上分散して用いたりすることもできる。また、基板にダメージを与えない溶媒を選択出来ない場合はスパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法等が有効である。
【0120】
次に記録層の上に、厚さ50〜300nm、好ましくは100〜150nmの反射層を形成する。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を、単独或いは合金にして用いることが可能である。この中でもAuやAlは反射率が高く反射率が高く反射層の材料として適している。これ以外に、下記のものを含んでいてもよい。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、RuW、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属等である。また、Auを主成分としているものは反射率の高い反射層が容易に得られるため好適である。ここで主成分というのは含有率が50%以上のものをいう。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねで多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
【0121】
反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法等が挙げられる。また、反射率を高めるためや密着性をよくするために記録層と反射層の間に、それぞれ反射増幅層や接着層を設けることもできる。
【0122】
このようにして得られる本発明の光記録媒体は、基板上に記録層及び反射層が形成された媒体で、620〜690nm、好ましくは630〜690nmの範囲から選ばれた波長の光に対する基板側からの反射率が15%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは40%以上ある。また、770〜830nmの範囲から選ばれた波長の光に対する基板側からの反射率が65%以上、好ましくは70%以上あるもので、レッドブック(CD)規格及びオレンジブック(CD-R)規格の反射率を満足すれものである。これらの規格を満足すれば、従来より市販されているCDプレーヤーでも良好に再生することができる。
【0123】
更に、本発明の光記録媒体においては、反射層の上に保護層を形成させることもできる。保護層の材料としては、反射層を外力から保護するものであれば特に限定しない。有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができ、中でもUV硬化性樹脂が好ましい。また、無機物質としては、SiO2、SiN4、MgF2、SnO2等が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶剤に溶解して塗布液とし、この塗布液を塗布し、乾燥することによって、保護層を形成することができる。UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調整した後に、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって、保護層を形成することができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート樹脂を用いることが出来る。これらの材料は単独で用いても、或いは、混合して用いても良く、1層だけでなく多層膜にして用いても一向に差し支えない。
【0124】
保護層の形成の方法としては、記録層の場合と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でも、スピンコート法が好ましい。
【0125】
本発明の光記録媒体は、波長620〜690nmの赤色レーザーで少なくとも再生可能であり、再生または記録再生が可能である。さらにまた、770〜830nmから選ばれた近赤外レーザーで少なくとも再生可能であり、再生または記録再生が可能である。赤色レーザーとしては、620〜690nmの波長のレーザーであれば何でもよく、例えば、可視領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザーや、波長633nmのヘリウムネオンレーザー、最近開発されている波長635nmや680nmの高出力半導体レーザー等があるが、装置に搭載することを考えると半導体レーザーが好適である。また、近赤外レーザーとしては、770〜830nmの波長のレーザーであれば何でも良く、市販のCDプレーヤーやCDレコーダーに用いられている半導体レーザーが適している。
【0126】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、以下の実施例2,8は参考例を示す。
【0127】
[実施例1]
3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリルの合成
窒素気流下、ジメチルアセトアミド100mLに3,6−ジヒドロキシフタロニトリル8.0gを溶解し、炭酸カリウム27.6gを加えて60℃に昇温した。この溶液にメタンスルフォン酸−(3−メトキシプロパン−2−イル)エステル28.9gを内温60〜70℃で28分間を要して滴下し、次いで75〜80℃で20時間攪拌した。冷却後、反応液を水1000mLに排出し、トルエン1000mLにて抽出した。トルエン層を分取、水洗、濾過し、溶媒を留去した。残渣に80%IPA水溶液を加え、析出した結晶を濾取、乾燥して白色結晶5.9gを得た。得られた化合物の融点は90.2〜91.7℃であった。
下記分析結果より目的物であることを確認した。また得られた化合物のIRスペクトルを図2に示す。
【0128】
【表9】
元素分析値(C16H20N2O4):
【0129】
[実施例2]
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリルの合成
窒素気流下、ジメチルアセトアミド500mLに4,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシフタロニトリル57.3gを溶解し、炭酸カリウム138.2gを加えて60℃に昇温した。この溶液にp−トルエンスルフォン酸−(3−メトキシプロパン−2−イル)エステル134.4gを内温60〜70℃で25分間を要して滴下し、次いで75〜80℃で27時間攪拌した。冷却後、反応液を水3000mLに排出し、トルエン1000mLにて抽出した。トルエン層を分取、水洗、濾過し、溶媒を留去した。残渣にn−ヘキサン400mLを加えて粉末化し、濾取、乾燥して白色粉末32.7gを得た。得られた化合物の融点は105.8〜106.3℃であった。
下記分析結果より目的物であることを確認した。また得られた化合物のIRスペクトルを図3に示す。
【0130】
【表10】
元素分析値(C16H18N2O4Cl2):
【0131】
[実施例3]
3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリルの合成
窒素気流下、ジメチルアセトアミド50mLに3,6−ジヒドロキシフタロニトリル10.0g、炭酸カリウム21.6g及びp−トルエンスルフォン酸−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエステル48.2gを加えて70〜75℃で25時間攪拌した。冷却後、反応液を水300mLに排出し、析出物を濾取、水洗、トルエン100mL、80%イソプロピルアルコール水溶液100mLにて順次洗浄後、乾燥して白色結晶16.3gを得た。得られた化合物の融点は173〜174.5℃であった。
下記分析結果より目的物であることを確認した。また得られた化合物のIRスペクトルを図4に示す。
【0132】
【表11】
元素分析値(C20H24N2O6):
【0133】
[実施例4]
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリルの合成
窒素気流下、ジメチルアセトアミド200mLに4,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシフタロニトリル50.0g、炭酸カリウム75.4g及びp−トルエンスルフォン酸−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエステル163.4gを加えて80〜85℃で25時間攪拌した。冷却後、反応液を5%NaOH水溶液1000mLに排出し、トルエン800mLにて抽出した。トルエン層を分取、水洗、濾過し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/(エタノール:トルエン=2:100))にて精製し白色結晶31.9gを得た。得られた化合物の融点は115〜123.5℃であった。
【0134】
下記分析結果より目的物であることを確認した。また得られた化合物のIRスペクトルを図5に示す。
【0135】
【表12】
元素分析値(C20H22N2O6Cl2):
【0136】
[実施例5]
4,5−ジメチルチオ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリルの合成
窒素気流下、アセトン80mLに4,5−ジクロロ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリル8.0g、15%CH3SNa水溶液16.3gを加えて20〜25℃にて1時間攪拌した。反応液を20%食塩水1000mLに排出し、トルエン300mLにて抽出した。トルエン層を分取、水洗、濾過し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/(エタノール:トルエン=1:100))にて精製し白色結晶8.1gを得た。得られた化合物の融点は74.5〜79.5℃であった。
下記分析結果より目的物であることを確認した。また得られた化合物のIRスペクトルを図6に示す。
【0137】
【表13】
元素分析値(C22H28N2O6S2):
【0138】
[実施例6]
4,5−ジクロロ−3−(4−メチルペンタン−2−イルオキシ)−6−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリルの合成
窒素気流下、ジメチルアセトアミド30mLに4,5−ジクロロ−3−(4−メチルペンタン−2−イルオキシ)−6−ヒドロキシフタロニトリル10.0g、炭酸カリウム5.3gを加えて70℃に昇温した。この溶液にp−トルエンスルフォン酸−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエステル11gを添加し、70〜80℃で150時間攪拌した。冷却後、反応液を水300mLに排出し、トルエン300mLにて抽出した。トルエン層を分取、水洗、濾過し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン)にて精製し淡黄色オイル9.0gを得た。
下記分析結果より目的物であることを確認した。また得られた化合物のIRスペクトルを図7に示す。
【0139】
【表14】
元素分析値(C20H24N2O4Cl2):
【0140】
[実施例7] フタロシアニン化合物の合成
3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル19.5g、塩化パラジウム(II)4.3g、DBU14.3g、n−オクチルアルコール175mLを混合した後、180〜185℃にて22時間攪拌した。冷却後、減圧下n−オクチルアルコールを留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/(メタノール:トルエン=5:100))にて精製し、緑色粉末7.4gの下記構造式(I−1)で示されるフタロシアニン化合物を得た。
【0141】
【化38】
【0142】
下記分析結果より目的物であることを確認した。なお、本実施例及び以下の実施例において、金属の確認には原子吸光法を用いた。
【0143】
【表15】
元素分析値(C64H80N8O16Pd):
このようにして得られた化合物はトルエン溶液中において724nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.35×105mL/g・cmであった。
【0144】
[実施例8] フタロシアニン化合物の合成
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリル7.2g、塩化パラジウム(II)1.3g、DBU4.3g、n−ペンチルアルコール50mLを混合した後、135〜138℃にて18時間攪拌した。冷却後、減圧下n−ペンチルアルコールを留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/(メタノール:トルエン=5:100))にて精製し、緑色粉末2.3gの下記構造式(I−2)で示されるフタロシアニン化合物を得た。
【0145】
【化39】
下記分析結果より目的物であることを確認した。
【0146】
【表16】
元素分析値(C64H72N8O16Cl8Pd):
【0147】
このようにして得られた化合物はトルエン溶液中において729nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.14×105mL/g・cmであった。
【0148】
[実施例9] フタロシアニン化合物の合成
3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリル7.0g、塩化パラジウム(II)0.8g、DBU4.1g、n−ペンチルアルコール35mLを混合した後、135〜138℃にて21時間攪拌した。冷却後、減圧下n−ペンチルアルコールを留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/(エタノール:トルエン=2:100))にて精製し、緑色粉末1.9gの下記構造式(I−3)で示されるフタロシアニン化合物を得た。
【0149】
【化40】
【0150】
下記分析結果より目的物であることを確認した。得られた化合物のIRスペクトルを図8に示す。
【0151】
【表17】
元素分析値(C80H96N8O24Pd):
【0152】
このようにして得られた化合物はトルエン溶液中において720nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.28×105mL/g・cmであった。
【0153】
[実施例10] フタロシアニン化合物の合成
4,5−ジクロロ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリル9.0g、塩化パラジウム(II)1.1g、DBU3.0g、n−ペンチルアルコール35mLを混合した後、135〜138℃にて1.5時間攪拌した。冷却後、減圧下n−ペンチルアルコールを留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/(ジオキサン:トルエン=2:100))にて精製し、緑色粉末2.4gの下記構造式(I−4)で示されるフタロシアニン化合物を得た。
【0154】
【化41】
【0155】
下記分析結果より目的物であることを確認した。得られた化合物のIRスペクトルを図9に示す。
【0156】
【表18】
元素分析値(C80H88N8O24Cl8Pd):
【0157】
このようにして得られた化合物はトルエン溶液中において719nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.19×105mL/g・cmであった。
【0158】
[実施例11] フタロシアニン化合物の合成
4,5−ジメチルチオ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリル7.8g、塩化パラジウム(II)0.9g、DBU2.5g、n−ペンチルアルコール40mLを混合した後、135〜138℃にて15時間攪拌した。冷却後、減圧下n−ペンチルアルコールを留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/(ジオキサン:トルエン=4:100))にて精製し、緑色粉末3.0gの下記構造式(I−5)で示されるフタロシアニン化合物を得た。
【0159】
【化42】
【0160】
下記分析結果より目的物であることを確認した。得られた化合物のIRスペクトルを図10に示す。
【0161】
【表19】
元素分析値(C88H112N8O24S8Pd):
【0162】
このようにして得られた化合物はトルエン溶液中において746nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.04×105mL/g・cmであった。
【0163】
[実施例12]フタロシアニンの合成
5,6−ジクロロ−4−(4−メチルペンタン−2−イルオキシ)−7−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)フタロニトリル2.1g、塩化パラジウム(II)0.3g、DBU0.8g、n−ペンチルアルコール20mLを混合した後、135〜138℃にて28時間攪拌した。冷却後、減圧下n−ペンチルアルコールを留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/(酢酸エチル:トルエン=5:95)にて精製し、緑色粉末0.8gの下記構造式(I−6)で示されるフタロシアニン化合物及びその異性体を得た。
【0164】
【化43】
下記分析結果より目的物であることを確認した。
【0165】
【表20】
元素分析値(C80H96N8O16Cl8Pd):
【0166】
このようにして得られた化合物はトルエン溶液中において719nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は9.53×104mL/g・cmであった。
【0167】
[実施例13]
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物のうち、前記構造式(I−3)のフタロシアニン化合物の2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール溶液(10g/L)を調製した。
【0168】
基板としては、連続した案内溝(トラックピッチ:1.6μm)を有する直径120mmφ、厚さ1.2mmの円盤状のもの(ポリカーボネート樹脂製)用いた。
この基板上に、色素溶液を回転数1000rpmでスピンコートし、70℃で2時間乾燥して、記録層を形成した。この記録層の上にバルザース社製スパッタ装置(CDI-900)を用いて、Auをスパッタし、厚さ100nmの反射層を形成した。スパッタガス圧1.0×10-2Torrで行った。
【0169】
更に、反射層の上に、紫外線硬化樹脂SD-17(大日本インキ化学工業製)をスピンコートした後、紫外線照射して厚さ6μmの保護層を形成し、CD-R媒体を作製した。
【0170】
この媒体の反射率は71%(775〜790nm)であり、780nmの半導体レーザーを用いて線速1.3m/sでEFM信号を5.5mWのパワーで書き込むことができ、その時のエラーレートは10未満であった。
【0171】
[実施例14]
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物のうち、前記構造式(I−4)のフタロシアニン化合物0.2gと、アゾ化合物の金属錯体(a−1)0.02gを、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール10mLに溶解し、色素溶液を調製した。
【0172】
基板としては、連続した案内溝(トラックピッチ:1.6μm)を有する直径120mmφ、厚さ1.2mmの円盤状のもの(ポリカーボネート樹脂製)用いた。
【0173】
この基板上に、色素溶液を回転数1500rpmでスピンコートし、70℃で2時間乾燥して、記録層を形成した。この記録層の上にバルザース社製スパッタ装置(CDI-900)を用いて、Auをスパッタし、厚さ100nmの反射層を形成した。スパッタガス圧1.0×10-2Torrで行った。
【0174】
更に、反射層の上に、紫外線硬化樹脂SD-17(大日本インキ化学工業製)をスピンコートした後、紫外線照射して厚さ6μmの保護層を形成した。
この光記録媒体を780nm半導体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ライター(CD-521)を用いて、線速2.8m/s、レーザーパワー8mWでFEM信号を記録した。記録後、市販CDプレーヤー(YAMAHA CDX-1050、レーザー波長786nm)を用いて信号を再生し、反射率、エラーレート及び変調度を測定した。いずれもオレンジブック規格を満足した良好な値を示した。次にこの記録した媒体を680nm及び635nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルスチック工業製光ディスク評価装置(DDU-1000)を用いて信号を再生し、反射率、エラーレート及び変調度を測定した。いずれも良好な値を示した。
【0175】
次にこの媒体を680nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルスチック工業製光ディスク評価装置(DDU-1000)及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて、線速5.6m/s、レーザーパワー10mWで記録した。記録後、680nm及び635nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載した評価装置を用いて信号を再生し、反射率、エラーレート及び変調度を測定した。いずれも良好な値を示した。この記録した媒体を、市販CDプレーヤー(YAMAHACDX-1050、レーザー波長786nm)を用いて、前記680nmのドライブ(DDU-1000)で記録した信号の再生を行い、反射率、エラーレート及び変調度を測定した。いずれもオレンジブック規格を満足した良好な値であった。
【0176】
このように、この媒体は複数のレーザー波長で記録及び再生を良好に行うことが出来た。
【0177】
尚、エラーレートはケンウッド社製CDデコーダー(DR3552)を用いて計測し、変調度は以下の式により求めた。
変調度={(信号の最大強度)−(信号の最小強度)}/(信号の最大強度)
【0178】
[実施例15〜24]
フタロシアニン化合物と、アゾ化合物の金属錯体を組み合わせて用いること以外は、実施例14に準じて光記録媒体を作製した。
【0179】
作製した媒体を実施例14と同様に780nm半導体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルスチック工業製光ディスク評価装置(DDU-1000)及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録した。記録後、実施例16と同様の測定を行った結果、いずれも良好な記録特性を示した。
【0180】
以上の各媒体を780及び680nmで記録した各々の場合で、786、680、635nmでの再生時の反射率、エラーレート、変調度を、表2、表3にまとめて示す。
【0181】
[比較例1]
実施例14において、記録層にアゾ化合物の金属錯体(a-1)のみ用いること以外は、実施例14に準じて光記録媒体を作製した。
【0182】
作製した媒体を実施例14と同様に780nm半導体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルスチック工業製光ディスク評価装置(DDU-1000)及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録することを試みたが、780nmでは記録ができず、680nmでも感度が低くきれいに記録することができなかった。
【0183】
[比較例2]
実施例14において、記録層に、USP-5124067の実施例98に開示された下記構造のフタロシアニン化合物のn-オクタン溶液を用いること以外は、実施例16に準じて光記録媒体を作製した。
【0184】
【化44】
【0185】
作製した媒体を実施例16と同様に780nm半導体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルスチック工業製光ディスク評価装置(DDU-1000)及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録した。記録後、実施例16と同様の測定を行った結果、波形が歪み635、680nmでの反射率が低かった。
【0186】
以上の各媒体を780及び680nmで記録した各々の場合で、786、680、635nmでの再生時の反射率、エラーレート、変調度を表−2にまとめて示す。
【0187】
【表21】
【0188】
【表22】
【0189】
【発明の効果】
本発明によれば、620〜690nmから選ばれた波長のレーザー光で再生または記録再生が可能であり、更に、現行のCD-R媒体の規格であるオレンジブック(770〜830nmから選ばれた波長の光に対する反射率が65%以上で、該光で記録再生が可能)を満足する光記録媒体及びこれに好適に使用されるフタロシアニン化合物を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一実施態様を説明する断面構造図である。
【図2】実施例1で合成した3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリルの赤外吸収スペクトルである。
【図3】実施例2で合成した4,5−ジクロロ−3,6−ビス(3−メトキシプロパン−2−イルオキシ)フタロニトリルの赤外吸収スペクトルである。
【図4】実施例3で合成した3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルオキシ)フタロニトリルの赤外吸収スペクトルである。
【図5】実施例4で合成した4,5−ジクロロ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルオキシ)フタロニトリルの赤外吸収スペクトルである。
【図6】実施例5で合成した4,5−ジメチルチオ−3,6−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルオキシ)フタロニトリルの赤外吸収スペクトルである。
【図7】実施例6で合成した4,5−ジクロロ−3−(4−メチルペンタン−2−イルオキシ)−6−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルオキシ)フタロニトリルの赤外吸収スペクトルである。
【図8】実施例9で合成したフタロシアニン化合物の赤外吸収スペクトルである。
【図9】実施例10で合成したフタロシアニン化合物の赤外吸収スペクトルである。
【図10】実施例11で合成したフタロシアニン化合物の赤外吸収スペクトルである。
Claims (4)
- 一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物。
- 一般式(IV)で表わされるフタロニトリル化合物。
- 請求項3のフタロニトリル化合物と金属又は金属誘導体を反応させることを特徴とする、請求項1のフタロシアニン化合物の製造方法。
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