JP3966373B2 - 段付き形状粉体成形方法及び段付き形状粉体成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、粉体の成形方法に関し、詳しくは、ダイに充填された粉体を上下パンチにより圧縮して、圧縮方向に厚さが異なる段付きの形状を有する成形体を成形するための段付き形状粉体成形方法及び段付き形状粉体成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
(1)バランス機構で動作するプレス機械を用いて行う多段プレス法
粉体を圧縮成形して、圧縮方向に厚さが異なる段付き形状の成形体を得るための従来の成形方法の一つに、バランス機構で動作するプレス機械を用いて多段プレスを行う方法がある。
【0003】
この方法は、上下一軸ずつの主圧力に対して、他の分割金型の駆動や粉体の加圧を、エアー圧、バネ、油圧などの力を用いたバランス機構により調整して、粉体の充填、圧縮開始位置までの移送、及び加圧(圧縮)の基本プロセスを実行することにより多段成形を行う方法である。
【0004】
しかし、この方法の場合、
(a)粉体の充填、圧縮開始位置までの移送、加圧(圧縮)の各動作が不安定になるばかりでなく、原料の性状の変化や、型面積の違いなどに対しても、その都度、製品の形状や寸法に関するデータを得るための先行試験を行うことが必要で、効率が悪い、
(b)また、例えば、金型が破損しないように、安全な条件から徐々に目標とする密度に到達するように、粉体の充填量や可動パンチの移動距離(加圧量)を調整して、成形条件を段階を追って決定して行くことが必要となり、手間がかかる、
(c)専門的な技能に精通した作業者が高度な調整技術と煩雑な確認作業を繰り返すことを必要とする
などの問題点がある。
【0005】
(2)CNC多段プレス法
粉体を圧縮成形して、圧縮方向に厚さが異なる段付き形状の成形体を得るための成形方法として、上記のバランス機構で動作するプレス機械を用いて行う多段プレス法の他に、コンピュータを用いて数値制御することにより多段プレス成形を行う方法(CNC多段プレス法)がある。
【0006】
このCNC多段プレス法の場合、粉体の充填、圧縮開始位置までの移送、加圧(圧縮)の各動作を確実に定義することができるので、上述のようなバランス機構で動作するプレス機械を用いて行う多段プレス法のように粉体の充填、圧縮開始位置までの移送、加圧(圧縮)などをバランス機構により調整することが不要になるという特徴がある。
【0007】
しかし、このCNC多段プレス法の場合、
(a)粉体の供給位置、移送位置、圧縮の際のパンチの位置などをあらかじめ正確に決定しておくことが必要になるが、この事前の各動作域ごとの詳細な位置決定を行うためには、高度の成形の知識や経験に基づいた煩雑な確認作業を行うことが必要であるばかりでなく、位置決定の後に成形体のバランスを確認し、位置の調整を行うことが必要になる、
(b)特に、ダイフロート方式の場合とダイ固定方式の場合で、実際の動作が異なるので、相対的な動作を実際の駆動軸に置き直した考え方をとることが必要となり煩雑である
という問題点がある。
【0008】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、数値制御による多段プレス成形を行って、圧縮方向に厚さが異なる段付き形状の成形体を成形する場合において、粉体の充填、圧縮開始位置への粉体の移送、加圧(圧縮)の位置決定などを、成形体の寸法を主にして、簡単な変数情報から容易に行うことが可能で、調整作業を簡素化することが可能な、段付き形状粉体成形方法及び段付き形状粉体成形装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の段付き形状粉体成形方法は、
粉体が充填されるダイと、成形体の段数に対応する複数対の上下パンチを備えた成形装置を用い、
ダイに粉体を充填し、上下パンチを上下方向に移動させることにより、ダイに充填された、各成形体構成部分を構成する粉体を圧縮開始位置まで所定の距離(移送距離)だけ移送した後、前記各成形体構成部分について、対応する上下パンチを上下方向に所定の距離(移動距離)だけ移動させることにより、粉体を圧縮して、上下非対称の段付き形状に成形する段付き形状粉体成形方法において、
前記粉体の移送距離と、前記成形体構成部分に対応する各上下パンチおよび前記ダイの移動距離を、以下の[ 式1 ] および [ 式2]の条件をともに満たすような値として求め、前記複数対の上下パンチの各軸間の圧縮速度比を一定にして圧縮することにより、各成形体構成成分のニュートラルライン(加圧中心)を1つの水平ライン上に位置させるようにしたことを特徴としている。
[式1]
F1:圧縮前の第1の成形体構成部分の高さ
F2:圧縮前の第2の成形体構成部分の高さ
Fn:圧縮前の第nの成形体構成部分の高さ
H1:圧縮成形後の第1の成形体構成部分の高さ
H2:圧縮成形後の第2の成形体構成部分の高さ
Hn:圧縮成形後の第nの成形体構成部分の高さ
S2:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第2の成形体構成部分の下端部までの距離
Sn:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第nの成形体構成部分の下端部までの距離
R1a:第1の上パンチP1aによる圧縮係数
R1b:第1の下パンチP1bによる圧縮係数
R2a:第2の上パンチP2aによる圧縮係数
R2b:第2の下パンチP2bによる圧縮係数
Rna:第nの上パンチPnaによる圧縮係数
Rnb:第nの上パンチPnbによる圧縮係数
X1a・1b:第1の上パンチP1a及び下パンチP1bによる総圧縮量
X2a・2b:第2の上パンチP2a及び下パンチP2bによる総圧縮量
Xna・nb:第nの上パンチPna及び下パンチPnbによる総圧縮量
XD:ダイの移動距離、ただしXD≠0
M1:圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離
M2:圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離
Mn:圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離
プラス(+)の符号:上向きの移動
マイナス(−)の符号:下向きの移動
とした場合において、
(1)第1の上下パンチP1の移動距離
(a)第1の上下パンチP1の総圧縮量(総移動距離)(X1a・1b)
X1a・1b=F1−H1
(b)第1の上下パンチP1のうちの上パンチP1aの移動距離(X1a)
X1a=−X1a・1b+X1a・1bR1b+XD
または、
X1a=−X1a・1bR1a+XD
(c)第1の上下パンチP1のうちの下パンチP1bの移動距離(X1b)
X1b=X1a・1b−X1a・1bR1a+XD
または、
X1b=X1a・1bR1b+XD
(ただし、R1a+R1b=1)
(2)第2の上下パンチP2の移動距離
(a)第2の上下パンチP2の総圧縮量(総移動距離)(X2a・2b)
X2a・2b=F2−H2
(b)第2の上下パンチP2のうちの上パンチP2aの移動距離(X2a)
X2a=−X2a・2b+X2a・2bR2b+XD
(c)第2の上下パンチP2のうちの下パンチP2bの移動距離(X2b)
X2b=X2a・2b−X2a・2bR2a+XD
(ただし、R2a+R2b=1)
(3)第nの上下パンチPnの移動距離
(a)第nの上下パンチPnの総圧縮量(総移動距離)
Xna・nb=Fn−Hn
(b)第nの上下パンチPnのうちの上パンチPnaの移動距離(Xna)
Xna=−Xna・nb+Xna・nbRnb+XD
(c)第nの上下パンチPnのうちの下パンチPnbの移動距離(Xnb)
Xnb=Xna・nb−Xna・nbRna+XD
(ただし、Rna+Rnb=1)
(4)圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離(M1)
M1=Fs−F1−(Xsb+S1−X1b)
(5)圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離(M2)
M2=Fs−F2−(Xsb+S2−X2b)
(6)圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離(Mn)
Mn=Fs−Fn−(Xsb+Sn−Xnb)
(ただし、(4)〜(6)において、
Fs:F1からFnのうち任意に選ばれる成形体構成部分の基準高さ
Xsb:X1bからXnbのうち任意に選ばれる下パンチの基準移動距離)
[式2]
R1bH1=R2bH2+S2=……=RnbHn+Sn
【0010】
粉体の移送距離と、成形体構成部分に対応する各上下パンチの移動距離(圧縮量)を、上記の各式により求めることにより、粉体原料の充填、移送、加圧(圧縮)の基本工程を、成形体の寸法から容易に決定することが可能になり、成形体を成形するための調整作業を飛躍的に簡素化して、効率よく所望の品位の成形体を成形することが可能になる。
【0011】
また、[式2]:R1bH1=R2bH2+S2=……=RnbHn+Snの条件を満たすようにしているので、各成形体構成部分のニュートラルライン(加圧中心)を一致させる、すなわち、1つの水平ライン上に位置させることが可能になり、ニュートラルラインが一致しないことによる成形体の歪みや成形密度の偏りなどを抑制、防止して、さらに寸法精度及び形状精度の高い成形体を確実に製造することが可能になる。
【0012】
また、複数対の上下パンチの各軸間の圧縮速度比を一定にするようにしているので、ある時点において、一方の上下パンチの加圧比と他方の上下パンチの加圧比とが異なるということがなくなり、一定の加圧比で加圧することが可能になる。その結果、加圧比が大きい上下パンチ間の粉体が、加圧比の小さい上下パンチ間に流入することを防止して、圧縮むらの発生を防止し、得られる成形体の粉体密度を一定にすることが可能になる。
【0013】
また、請求項2の段付き形状粉体成形方法は、前記複数対の上下パンチのうち、任意の1軸の下パンチを固定軸とし、前記固定軸の移動距離を0とすることを特徴としている。
【0014】
ダイを移動させるダイフロート方式の場合においては、複数対の上下パンチのうち、任意の1軸の下パンチを固定軸とし、前記固定軸の移動距離を0とすることにより、ダイの移動距離を求めることができる。
【0015】
また、本願発明(請求項3)の段付き形状粉体成形装置は、
粉体が圧縮されるダイと、
成形体の段数に対応する複数対の上下パンチを備え、
上下パンチが上下方向に移動することにより、ダイに充填された、各成形体構成部分を構成する粉体が圧縮開始位置まで所定の距離(移送距離)を移送された後、前記各成形体構成部分に対応する上下パンチが上下方向に所定の距離(移動距離)だけ移動することにより、粉体が圧縮され、圧縮方向に厚さが異なる、上下非対称の段付き形状に成形されるように構成された段付き形状粉末成形装置であって、
前記粉体の移送距離と、前記成形体構成部分に対応する各上下パンチおよびダイの移動距離が、以下の[ 式1 ] および [ 式2]の条件をともに満たすような値として求められ、前記複数対の上下パンチの各軸間の圧縮速度比が一定になるように圧縮が行われることにより、各成形体構成成分のニュートラルライン(加圧中心)が1つの水平ライン上に位置するように構成されていることを特徴としている。
[式1]
F1:圧縮前の第1の成形体構成部分の高さ
F2:圧縮前の第2の成形体構成部分の高さ
Fn:圧縮前の第nの成形体構成部分の高さ
H1:圧縮成形後の第1の成形体構成部分の高さ
H2:圧縮成形後の第2の成形体構成部分の高さ
Hn:圧縮成形後の第nの成形体構成部分の高さ
S2:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第2の成形体構成部分の下端部までの距離
Sn:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第nの成形体構成部分の下端部までの距離
R1a:第1の上パンチP1aによる圧縮係数
R1b:第1の下パンチP1bによる圧縮係数
R2a:第2の上パンチP2aによる圧縮係数
R2b:第2の下パンチP2bによる圧縮係数
Rna:第nの上パンチPnaによる圧縮係数
Rnb:第nの上パンチPnbによる圧縮係数
X1a・1b:第1の上パンチP1a及び下パンチP1bによる総圧縮量
X2a・2b:第2の上パンチP2a及び下パンチP2bによる総圧縮量
Xna・nb:第nの上パンチPna及び下パンチPnbによる総圧縮量
XD:ダイの移動距離、ただしXD≠0
M1:圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離
M2:圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離
Mn:圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離
プラス(+)の符号:上向きの移動
マイナス(−)の符号:下向きの移動
とした場合において、
(1)第1の上下パンチP1の移動距離
(a)第1の上下パンチP1の総圧縮量(総移動距離)(X1a・1b)
X1a・1b=F1−H1
(b)第1の上下パンチP1のうちの上パンチP1aの移動距離(X1a)
X1a=−X1a・1b+X1a・1bR1b+XD
または、
X1a=−X1a・1bR1a+XD
(c)第1の上下パンチP1のうちの下パンチP1bの移動距離(X1b)
X1b=X1a・1b−X1a・1bR1a+XD
または、
X1b=X1a・1bR1b+XD
(ただし、R1a+R1b=1)
(2)第2の上下パンチP2の移動距離
(a)第2の上下パンチP2の総圧縮量(総移動距離)(X2a・2b)
X2a・2b=F2−H2
(b)第2の上下パンチP2のうちの上パンチP2aの移動距離(X2a)
X2a=−X2a・2b+X2a・2bR2b+XD
(c)第2の上下パンチP2のうちの下パンチP2bの移動距離(X2b)
X2b=X2a・2b−X2a・2bR2a+XD
(ただし、R2a+R2b=1)
(3)第nの上下パンチPnの移動距離
(a)第nの上下パンチPnの総圧縮量(総移動距離)
Xna・nb=Fn−Hn
(b)第nの上下パンチPnのうちの上パンチPnaの移動距離(Xna)
Xna=−Xna・nb+Xna・nbRnb+XD
(c)第nの上下パンチPnのうちの下パンチPnbの移動距離(Xnb)
Xnb=Xna・nb−Xna・nbRna+XD
(ただし、Rna+Rnb=1)
(4)圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離(M1)
M1=Fs−F1−(Xsb+S1−X1b)
(5)圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離(M2)
M2=Fs−F2−(Xsb+S2−X2b)
(6)圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離(Mn)
Mn=Fs−Fn−(Xsb+Sn−Xnb)
(ただし、(4)〜(6)において、
Fs:F1からFnのうち任意に選ばれる成形体構成部分の基準高さ
Xsb:X1bからXnbのうち任意に選ばれる下パンチの基準移動距離)
[式2]
R1bH1=R2bH2+S2=……=RnbHn+Sn
【0016】
上記のように構成された段付き形状粉体成形装置を用いることにより、本願発明(請求項1)の段付き形状粉体成形方法を確実に実施して、歪みが少なく、寸法精度及び形状精度の高い成形体を確実に製造することが可能になる。
【0017】
また、[式2]:R1bH1=R2bH2+S2=……=RnbHn+Snの条件を満たす成形装置を用いることにより、本願発明(請求項1)の段付き形状粉体成形方法を実施して、各成形体構成部分のニュートラルライン(加圧中心)を一致させることが可能になり、ニュートラルラインが一致しないことによる成形体の歪みや成形密度の偏りなどを抑制、防止して、さらに寸法精度及び形状精度の高い成形体を確実に製造することが可能になる。
【0018】
また、複数対の上下パンチの各軸間の圧縮速度比を一定にするようにしているので、本願発明(請求項1)の段付き形状粉体成形方法を確実に実施することが可能になり、成形工程の、ある時点において、一方の上下パンチの加圧比と他方の上下パンチの加圧比とが異なるということをなくして、加圧比が大きい上下パンチ間の粉体が、加圧比の小さい上下パンチ間に流入することを防止することが可能になり、成形体の粉体密度を一定にすることができるようになる。
【0019】
請求項4の段付き形状粉体成形装置は、ダイを移動させて成形を行うダイフロート方式の段付き形状粉体成形装置であり、上記構成を有する成形装置を用いることにより、ダイフロート方式の、本願発明(請求項2)の段付き形状粉体成形方法を確実に実施して、歪みが少なく、寸法精度及び形状精度の高い成形体を確実に製造することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0021】
[実施形態1]
実施形態1では、ダイを移動させながら成形を行うダイフロート方式の場合の各パンチの移動距離及び粉体の移送距離を求める場合を例にとって説明する。
図1は本願発明の一実施形態(実施形態1)にかかる段付き形状粉体成形方法(ダイフロート方式の場合)の基本的な概念を示す図である。
【0022】
なお、この実施形態では、図1に示すように、ダイDと、第1の上下パンチP1を構成する上パンチP1a、下パンチP1b、第2の上下パンチP2を構成する上パンチP2a、下パンチP2bを備えてなる成形装置を用いて、図2(a),(b),(c)に示すように、円筒状部分(第1の成形体構成部分)1の内部に、不貫通部(第2の成形体構成部分)2が配設された構造を有する成形体10を製造する場合について説明する。ただし、図1では、便宜上、成形体10の形状として、上2軸・下2軸の金型構成で成形することが可能な、図2(c)の実線部分の形状を想定して説明する。
【0023】
まず、種々の変数の定義について、図1及び2を参照しつつ説明する。
F1:圧縮前の第1の成形体構成部分の高さ(粉体の充填高さ)(図1)
このF1は、成形後の成形体の円筒状部分(第1の成形体構成部分)1(図2)を構成することになる圧縮前の第1の成形体構成部分(粉体)1a(図1)の高さ(=粉体の充填高さ)である。
F2:圧縮前の第2の成形体構成部分の高さ(粉体の充填高さ)(図1)
このF2は、成形後の成形体の不貫通部分(第2の成形体構成部分)2(図2)を構成することになる圧縮前の第2の成形体構成部分2a(図1)の高さ(=粉体の充填高さ)である。
Fn:圧縮前の第nの成形体構成部分の高さ(上下方向の距離)
この実施形態の成形体は、図2に示すように、成形体構成部分として、第1の成形体構成部分1と第2の成形体構成部分2しか備えていないが、例えば図3(a)に示すように、さらに他の成形体構成部分3(n)aなどがある場合のF3(Fn)を想定したものである。
【0024】
H1:圧縮成形後の第1の成形体構成部分の高さ(図2(c))
このH1は、図2(c)に示すように、成形が終了した後の成形体10の円筒状部分(第1の成形体構成部分)1の高さである。
H2:圧縮成形後の第2の成形体構成部分の高さ(図2(c))
このH2は、図2(c)に示すように、成形が終了した後の成形体10の不貫通部分(第2の成形体構成部分)2の高さである。
Hn:圧縮成形後の第nの成形体構成部分の高さ
この実施形態の成形体は、図2(c)に示すように、成形体構成部分として、第1の成形体構成部分1と第2の成形体構成部分2しか備えていないが、図3(b)に示すように、さらに他の成形体構成部分3(n)がある場合のH3(Hn)を想定したものである。
【0025】
S2:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第2の成形体構成部分の下端部までの距離
Sn:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第nの成形体構成部分の下端部までの距離
この実施形態の成形体は、図2に示すように、成形体構成部分として、第1の成形体構成部分1と第2の成形体構成部分2しか備えていないが、図3(b)に示すように、さらに他の成形体構成部分3(n)がある場合を想定し、Snの概念を導入し、第1の成形体構成部分1の下端部から第3(n)の成形体構成部分3(n)の下端部までの距離S3(Sn)を想定したものである。
【0026】
R1a:第1の上パンチP1aによる圧縮係数
圧縮係数は、各成形体構成部分を上下パンチで圧縮する場合のそれぞれの加圧に必要な上パンチと下パンチの移動割合を決定する係数であって、R1aは、第1の上パンチP1a(図1)が下向きに移動する割合を決定する係数である。
R1b:第1の下パンチP1bによる圧縮係数
このR1bは、第1の下パンチP1b(図1)が上向きに移動する割合を決定する係数である。
R2a:第2の上パンチP2aによる圧縮係数
このR2aは、第2の上パンチP2a(図1)が下向きに移動する割合を決定する係数である。
R2b:第2の下パンチP2bによる圧縮係数
このR2bは、第2の下パンチP2b(図1)が上向きに移動する割合を決定する係数である。
Rna:第nの上パンチPnaによる圧縮係数
Rnb:第nの下パンチPnbによる圧縮係数
この実施形態の成形体は、図2に示すように、成形体構成部分として、第1の成形体構成部分1と第2の成形体構成部分2しか備えておらず、図1に示すように、第1及び第2の上下パンチだけで成形することが可能であるが、上記のRna及びRnbは、さらに他の(第nの)上下パンチを用いる場合を想定したものである。
【0027】
なお、例えば、図3(b)に示すように、第1の成形体構成部分1のニュートラルラインNL1より上の部分をA、下の部分をBとし、第2の成形体構成部分のニュートラルラインNL2より上の部分をa、下の部分をbとし、さらに、第3(n)の成形体構成部分のニュートラルラインNL3より上の部分をα、下の部分をβとした場合に、上記R1a,R1b,R2a,R2b,R3a(Rna),R3b(Rnb)と、A,B,a,b,α,βの間には次のような関係が成り立つ。
A:B=R1a:R1b
a:b=R2a:R2b
α:β=R3a(Rna):R3b(Rnb)
なお、この圧縮係数は、粉体の性状や、成形体の形状的な特性などに応じて適宜定めることが可能な値である。
【0028】
X1a・1b:第1の上パンチP1a及び下パンチP1bによる総圧縮量
X2a・2b:第2の上パンチP2a及び下パンチP2bによる総圧縮量
Xna・nb:第nの上パンチPna及び下パンチPnbによる総圧縮量
上記のX1a・1b,X2a・2b,及びXna・nbは、それぞれ、第1〜第nの上パンチ及び下パンチにより、粉体を目標の成形体の厚みまで圧縮する総圧縮量(総加圧量)であり、第1,第2,及び第nの各上パンチと下パンチに分配される。すなわち、X1a・1b,X2a・2b,及びXna・nbは、第1,第2,及び第nの各上パンチと下パンチの移動距離の合計値である。
なお、圧縮量を実数として上と下に分離して表現することも、あるいは総圧縮量を上と下の割合配分で表現することも可能であるが、目的とするところは同じである。
【0029】
XD:ダイの移動距離、ただしXD≠0
【0030】
M1:圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離
M2:圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離
M2は、ダイに充填された粉体原料(第2の成形体構成部分となるべき粉体原料)を、加圧成形する前に、加圧を行うことなく加圧が開始される位置(加圧開始点)まで(この実施形態では下方向に)移動させる場合の距離である。
なお、ここでは、第1の成形体構成部分1となるべき粉体1aを基準としていることから、第1成形体構成部分1となるべき粉体1aの移送距離(M1)は問題とならない。
Mn:圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離
この実施形態の成形体は、図2に示すように、成形体構成部分として、第1の成形体構成部分1と第2の成形体構成部分2しか備えていないが、図3(a)に示すように、さらに他の成形体構成部分3(n)などがある場合を想定し、その場合の、第3の成形体構成部分3(n)となるべき原料粉体3(n)aの移送距離M3(Mn)を想定したものである。
なお、上記の上パンチ、下パンチ、及びダイの動きに関し、プラス(+)の符号は上向きの移動、マイナス(−)の符号は下向きの移動を示している。
【0031】
次に、上記の各変数を用いて、各パンチの移動距離及び粉体(成形体構成部分)の移送距離を求める方法について説明する。
(1)第1の上下パンチP1の移動距離
(a)第1の上下パンチP1の総圧縮量(総移動距離)(X1a・1b)
X1a・1b=F1−H1
(b)第1の上下パンチP1のうちの上パンチP1aの移動距離(X1a)
X1a=−X1a・1b+X1a・1bR1b+XD
または、
X1a=−X1a・1bR1a+XD
(c)第1の上下パンチP1のうちの下パンチP1bの移動距離(X1b)
X1b=X1a・1b−X1a・1bR1a+XD
または、
X1b=X1a・1bR1b+XD
(ただし、R1a+R1b=1)
なお、ダイフロート方式の場合、通常は、下パンチP1bが固定となるが、 その場合には、X1b=0となり、XDは
XD=−(F1−H1)R1b
となる。
図4は、下パンチP1bが固定の場合の多段プレスの基本的な動作及び成形体の位置関係を示している。
【0032】
(2)第2の上下パンチP2の移動距離
(a)第2の上下パンチP1の総圧縮量(総移動距離)(X2a・2b)
X2a・2b=F2−H2
(b)第2の上下パンチP2のうちの上パンチP2aの移動距離(X2a)
X2a=−X2a・2b+X2a・2bR2b+XD
=−(F2−H2)+(F2−H2)R2b−(F1−H1)R1b
=(F2−H2)(R2b−1)−(F1−H1)R1b
(c)第2の上下パンチP2のうちの下パンチP2bの移動距離(X2b)
X2b=X2a・2b−X2a・2bR2a+XD
=(F2−H2)R2b−(F1−H1)R1b
(ただし、R2a+R2b=1)
【0033】
(3)第nの上下パンチPnの移動距離
(a)第nの上下パンチPnの総圧縮量(総移動距離)(Xna・nb)
Xna・nb=Fn−Hn
(b)第nの上下パンチPnのうちの上パンチPnaの移動距離(Xna)
Xna=−Xna・nb+Xna・nbRnb+XD
(c)第nの上下パンチPnのうちの下パンチPnbの移動距離(Xnb)
Xnb=Xna・nb−Xna・nbRna+XD
(ただし、Rna+Rnb=1)
【0034】
(4)圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離(M1)
この実施形態では、第1の成形体構成部分1を構成する粉体1aは移送されないので、その移送距離(M1)は0である。
(5)圧縮前における第2の成形体構成部分の(下方向への)移送距離(M2)
M2=F1−F2−(X2a+S2−X2b)
=F1−F2−S2+(F2−H2)R2b−(F1−H1)R1b
【0035】
(6)圧縮前における第nの成形体構成部分の(下方向への)移送距離(Mn)
Mn=Fs−Fn−(Xsb+Sn−Xnb)
ただし、上記の(5)、(6)において、FsおよびXsbはそれぞれ次の通りである。
Fs :F1からFnのうち任意に選ばれる成形体構成部分の基準高さ
Xsb:X1bからXnbのうち任意に選ばれる下パンチの基準移動距離
【0036】
上述のように、粉体の移送距離と、成形体構成部分に対応する各上下パンチの移動距離(圧縮量)を、上記の各式から求めることにより、粉体原料の充填、移送、加圧(圧縮)の基本工程を、成形体の寸法から容易に決定することが可能になり、成形体を成形するための調整作業を飛躍的に簡素化して、効率よく所望の品位の成形体を成形することが可能になる。
【0037】
[関連技術の実施形態]
この関連技術の実施形態では、図5を参照しつつ、ダイ固定方式の場合について説明する。
なお、成形体の形状や各変数の定義などは上記実施形態1の場合と同様であることから、重複を避けるため説明を省略する。
なお、ダイ固定方式の場合には、ダイの移動を表す変数XDを0とすることにより、以下のように、各上下パンチの移動距離及び粉体の移送距離を求めることができる。
【0038】
(1)第1の上下パンチP1の移動距離
(a)第1の上下パンチP1の総圧縮量(総移動距離)(X1a・1b)
X1a・1b=F1−H1
(b)第1の上下パンチP1のうちの上パンチP1aの移動距離(X1a)
X1a=−X1a・1b+X1a・1bR1b
または、
X1a=−X1a・1bR1a
(c)第1の上下パンチP1のうちの下パンチP1bの移動距離(X1b)
X1b=X1a・1b−X1a・1bR1a
または、
X1b=X1a・1bR1b
=(F1−H1)Rb
(ただし、R1a+R1b=1)
【0039】
(2)第2の上下パンチP2の移動距離
(a)第2の上下パンチP2の総圧縮量(総移動距離)(X2a・2b)
X2a・2b=F2−H2
(b)第2の上下パンチP2のうちの上パンチP2aの移動距離(X2a)
X2a=−X2a・2b+X2a・2bR2b
(c)第2の上下パンチP2のうちの下パンチP2bの移動距離(X2b)
X2b=X2a・2b−X2a・2bR2a
=(F2−H2)R2b
【0040】
(3)第nの上下パンチPnの移動距離
(a)第nの上下パンチPnの総圧縮量(総移動距離)(Xna・nb)
Xna・nb=Fn−Hn
(b)第nの上下パンチPnのうちの上パンチPnaの移動距離(Xna)
Xna=−Xna・nb+Xna・nbRnb
(c)第nの上下パンチPnのうちの下パンチPnbの移動距離(Xnb)
Xnb=Xna・nb−Xna・nbRna
(ただし、Rna+Rnb=1)
【0041】
(4)圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離(M1)
この関連技術の実施形態では、第1の成形体構成部分1を構成する粉体1aは移送されないので、その移送距離(M1)は0である。
(5)圧縮前における第2の成形体構成部分の(下方向への)移送距離(M2)
M2=F1−F2−(X2a+S2−X2b)
=F1−F2−S2+(F2−H2)R2b−(F1−H1)R1b
【0042】
(6)圧縮前における第nの成形体構成部分の(下方向への)移送距離(Mn)
Mn=Fs−Fn−(Xsb+Sn−Xnb)
ただし、上記の(5)、(6)において、FsおよびXsbはそれぞれ次の通りである。
Fs :F1からFnのうち任意に選ばれる成形体構成部分の基準高さ
Xsb:X1bからXnbのうち任意に選ばれる下パンチの基準移動距離
【0043】
上記のように、ダイ固定式の場合にも、成形体の寸法と圧縮係数から、成形体構成部分に対応する各上下パンチの移動距離と、粉体の移送距離とを一意的に求めることが可能になる。
【0044】
[実施形態2]
この実施形態では、成形体を構成する各成形体構成部分におけるニュートラルライン(加圧中心)を1つの水平ライン上に位置させた状態で多段プレスを行う場合について説明する。
【0045】
CNC制御により駆動する多段プレスで成形を行う場合、分割された金型による各要素各部(各成形体構成部分)について、それぞれニュートラルラインを調整することが可能であり、1つの成形体において、ニュートラルラインを統一することも可能である。
この実施形態2では、例えば、図6に示すような形状の成形体を、ニュートラルライン(加圧中心)を1つの水平ライン上に位置させた状態で成形する場合を例にとって説明する。
この実施形態2で成形する成形体10は、第1の成形体構成部分1、第2の成形体構成部分2、第3(n)の成形体構成部分3(n)の合計3つの成形体構成部分を備えている。
そして、この成形体10を多段プレスで成形するにあたって、下記の式の条件を満足させることにより、各成形体構成部分1,2,3(n)のニュートラルラインNLを統一し、1つの水平ライン上に位置させる。
R1bH1=R2bH2+S2=R3b(Rnb)H3(Hn)+S3(Sn)
【0046】
すなわち、上記の式の条件を満足するようにニュートラルラインが決定されると、圧縮係数が決定される。なお、第1の成形体構成部分1のニュートラルラインより上の部分をA、下の部分をBとし、第2の成形体構成部分2のニュートラルラインより上の部分をa、下の部分をbとし、第3(n)の成形体構成部分3(n)のニュートラルラインNLより上の部分をα、下の部分をβとした場合に、上記R1a,R1b,R2a,R2b,R3a(すなわちRna),R3b(すなわちRnb)と、A,B,a,b,α,βの間には次のような関係が成り立つ。
A:B=R1a:R1b
a:b=R2a:R2b
α:β=R3a(Rna):R3b(Rnb)
【0047】
そして、圧縮係数から、上記実施形態1のようにして、原料粉体の加圧前の移送位置(移送距離)が一意的に決定される。
また、逆に、移送位置(移送距離)が決定すれば、上下パンチによる総圧縮量が一意的に定まり、それから、上下パンチのそれぞれの移動距離が、上記圧縮係数から一意的に定まる。
【0048】
なお、図6では、ニュートラルラインNLが成形体中に位置しているが、図7に示すように、第3(n)の成形体構成部分3(n)ではニュートラルラインNLがその範囲外にあるような場合にも、本願発明を適用することが可能である。
【0049】
なお、本願発明の方法によれば、上述のように、総圧縮量と同時にニュートラルラインを統一する条件式を満足するように1箇所の比率を決定することにより、他の箇所の比率を決定するようにしており、圧縮係数のいずれか1箇所が決定されると、他の部位の圧縮係数が一意的に決定されることになり、さらに、それから、粉体の圧縮前の移送位置が一意的に決定されることになる。
したがって、本願発明によれば、従来のように、高度な成形の知識や経験に基づいた煩雑な確認作業を必要とすることなく、粉体原料の充填、移送、加圧の基本工程を、成形体の寸法から容易に決定することが可能になり、所望の品位の成形体を成形するための調整作業を飛躍的に簡素化することが可能になる。
【0050】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、成形体の具体的な形状、各変数の定義の態様などに関し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0051】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の段付き形状粉体成形方法は、粉体の移送距離と、成形体構成部分に対応する各上下パンチの移動距離(圧縮量)を、上記の各式から求めることにより、粉体原料の充填、移送、加圧(圧縮)の基本工程を、成形体の寸法から容易に決定することが可能になり、成形体を成形するための調整作業を飛躍的に簡素化して、効率よく所望の品位の成形体を成形することが可能になる。
【0052】
また、上述の[式2]:R1bH1=R2bH2+S2=……=RnbHn+Snの条件を満たすことにより、各成形体構成部分のニュートラルライン(加圧中心)を1つの水平ライン上に位置させるようにして多段プレスを行った場合、ニュートラルラインが一致しない場合に生じるような成形体の歪みや成形密度の偏りなどを抑制、防止して、さらに寸法精度及び形状精度の高い成形体を確実に製造することが可能になる。
【0053】
また、複数対の上下パンチの各軸間の圧縮速度比を一定にすることにより、ある時点において、一方の上下パンチの加圧比と他方の上下パンチの加圧比とが異なるということがなくなり、一定の加圧比で加圧することが可能になる。その結果、加圧比が大きい上下パンチ間の粉体が、加圧比の小さい上下パンチ間に流入することを防止して、圧縮むらの発生を防止し、得られる成形体の粉体密度を一定にすることが可能になる。
【0054】
なお、ダイを移動させるダイフロート方式の場合、請求項2のように、複数対の上下パンチのうち、任意の1軸の下パンチを固定軸とし、前記固定軸の移動距離を0とすることにより、ダイの移動距離を求めることができる。
【0055】
また、請求項3の段付き形状粉体成形装置は、粉体の移送距離と、成形体構成部分に対応する各上下パンチの移動距離Xが、成形体の定義及び圧縮係数などから一意的に求められる値を目標として動作するように構成されているので、本願発明の請求項1の段付き形状粉体成形方法を確実に実施して、歪みが少なく、寸法精度や形状精度の高い高品質の成形体を確実に製造することができる。
【0056】
また、各成形体構成部分におけるニュートラルライン(加圧中心)を1つの水平ライン上に位置させることができるように構成されているため、ニュートラルラインが一致しないことに起因して発生する成形体の歪みや密度の不均一などを抑制、防止して、歪みが少なく、寸法精度及び形状精度の高い成形体をさらに確実に製造することが可能になる。
【0057】
また、複数対の上下パンチの各軸間の圧縮速度比を一定にするようにしているので、本 願発明(請求項1)の段付き形状粉体成形方法を実施することが可能になり、成形工程の、ある時点において、一方の上下パンチの加圧比と他方の上下パンチの加圧比とが異なるということをなくして、加圧比が大きい上下パンチ間の粉体が、加圧比の小さい上下パンチ間に流入することを防止することが可能になり、成形体の粉体密度を一定にすることができるようになる。
【0058】
また、請求項4の段付き形状粉体成形装置は、ダイを移動させるダイフロート方式の段付き形状粉体成形装置であり、上述のような構成を有する成形装置を用いることにより、ダイフロート方式の、本願発明(請求項2)の段付き形状粉体成形方法を確実に実施して、歪みが少なく、寸法精度及び形状精度の高い成形体を確実に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態(実施形態1)にかかる段付き形状粉体成形方法(ダイフロート方式の場合)の基本的な概念を示す図である。
【図2】 本願発明の実施形態において成形の目標とした成形体を示す図であり、(a)は斜視図,(b)は断面図,(c)は本願発明の説明に用いた成形体の所定の領域の形状を示す図である。
【図3】 本願発明の段付き形状粉体成形方法により成形される成形体の変形例を示す図であり、(a)は圧縮前の形状を示す図、(b)は圧縮成形後の形状を示す図である。
【図4】 ダイフロート方式の多段プレスで本願発明を実施した場合の動作を示す図である。
【図5】 本願発明に関連する技術の実施形態にかかる段付き形状粉体成形方法(ダイ固定方式の場合)の動作を示す図である。
【図6】 本願発明の他の実施形態(実施形態2)にかかる段付き形状粉体成形方法により成形される成形体を示す図である。
【図7】 本願発明の他の実施形態(実施形態2)にかかる段付き形状粉体成形方法により成形される成形体の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の成形体構成部分
1a 圧縮前の第1の成形体構成部分(粉体)
2 第2の成形体構成部分
2a 圧縮前の第2の成形体構成部分(粉体)
3(n) 第3の成形体構成部分
3(n)a 圧縮前の第3の成形体構成部分(粉体)
10 成形体
D ダイ
F1 圧縮前の第1の成形体構成部分の高さ(粉体の充填高さ)
F2 圧縮前の第2の成形体構成部分の高さ(粉体の充填高さ)
Fn 圧縮前の第nの成形体構成部分の高さ(粉体の充填高さ)
H1 圧縮成形後の第1の成形体構成部分の高さ
H2 圧縮成形後の第2の成形体構成部分の高さ
Hn 圧縮成形後の第nの成形体構成部分の高さ
S2 圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第2の成形体構成部分の下端部までの距離
Sn 圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第nの成形体構成部分の下端部までの距離
M2 圧縮前における第2の成形体構成部分の(下方向への)移送距離
Mn 圧縮前における第nの成形体構成部分の(下方向への)移送距離
X1a,X1b,X2a,X2b 各パンチの移動距離
XD ダイの移動距離
P1 第1の上下パンチP1
P1a 第1の上下パンチのうちの上パンチ
P1b 第1の上下パンチのうちの下パンチ
P2 第2の上下パンチ
P2a 第2の上下パンチのうちの上パンチ
P2b 第2の上下パンチのうちの下パンチ
Pn 第nの上下パンチ
Pna 第nの上下パンチのうちの上パンチ
Pnb 第nの上下パンチのうちの下パンチ
NL,NL1,NL2,NL3 ニュートラルライン
Claims (4)
- 粉体が充填されるダイと、成形体の段数に対応する複数対の上下パンチを備えた成形装置を用い、
ダイに粉体を充填し、上下パンチを上下方向に移動させることにより、ダイに充填された、各成形体構成部分を構成する粉体を圧縮開始位置まで所定の距離(移送距離)だけ移送した後、前記各成形体構成部分について、対応する上下パンチを上下方向に所定の距離(移動距離)だけ移動させることにより、粉体を圧縮して、上下非対称の段付き形状に成形する段付き形状粉体成形方法において、
前記粉体の移送距離と、前記成形体構成部分に対応する各上下パンチおよび前記ダイの移動距離を、以下の[ 式1 ] および [ 式2]の条件をともに満たすような値として求め、前記複数対の上下パンチの各軸間の圧縮速度比を一定にして圧縮することにより、各成形体構成成分のニュートラルライン(加圧中心)を1つの水平ライン上に位置させるようにしたことを特徴とする段付き形状粉体成形方法。
[式1]
F1:圧縮前の第1の成形体構成部分の高さ
F2:圧縮前の第2の成形体構成部分の高さ
Fn:圧縮前の第nの成形体構成部分の高さ
H1:圧縮成形後の第1の成形体構成部分の高さ
H2:圧縮成形後の第2の成形体構成部分の高さ
Hn:圧縮成形後の第nの成形体構成部分の高さ
S2:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第2の成形体構成部分の下端部までの距離
Sn:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第nの成形体構成部分の下端部までの距離
R1a:第1の上パンチP1aによる圧縮係数
R1b:第1の下パンチP1bによる圧縮係数
R2a:第2の上パンチP2aによる圧縮係数
R2b:第2の下パンチP2bによる圧縮係数
Rna:第nの上パンチPnaによる圧縮係数
Rnb:第nの上パンチPnbによる圧縮係数
X1a・1b:第1の上パンチP1a及び下パンチP1bによる総圧縮量
X2a・2b:第2の上パンチP2a及び下パンチP2bによる総圧縮量
Xna・nb:第nの上パンチPna及び下パンチPnbによる総圧縮量
XD:ダイの移動距離、ただしXD≠0
M1:圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離
M2:圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離
Mn:圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離
プラス(+)の符号:上向きの移動
マイナス(−)の符号:下向きの移動
とした場合において、
(1)第1の上下パンチP1の移動距離
(a)第1の上下パンチP1の総圧縮量(総移動距離)(X1a・1b)
X1a・1b=F1−H1
(b)第1の上下パンチP1のうちの上パンチP1aの移動距離(X1a)
X1a=−X1a・1b+X1a・1bR1b+XD
または、
X1a=−X1a・1bR1a+XD
(c)第1の上下パンチP1のうちの下パンチP1bの移動距離(X1b)
X1b=X1a・1b−X1a・1bR1a+XD
または、
X1b=X1a・1bR1b+XD
(ただし、R1a+R1b=1)
(2)第2の上下パンチP2の移動距離
(a)第2の上下パンチP2の総圧縮量(総移動距離)(X2a・2b)
X2a・2b=F2−H2
(b)第2の上下パンチP2のうちの上パンチP2aの移動距離(X2a)
X2a=−X2a・2b+X2a・2bR2b+XD
(c)第2の上下パンチP2のうちの下パンチP2bの移動距離(X2b)
X2b=X2a・2b−X2a・2bR2a+XD
(ただし、R2a+R2b=1)
(3)第nの上下パンチPnの移動距離
(a)第nの上下パンチPnの総圧縮量(総移動距離)
Xna・nb=Fn−Hn
(b)第nの上下パンチPnのうちの上パンチPnaの移動距離(Xna)
Xna=−Xna・nb+Xna・nbRnb+XD
(c)第nの上下パンチPnのうちの下パンチPnbの移動距離(Xnb)
Xnb=Xna・nb−Xna・nbRna+XD
(ただし、Rna+Rnb=1)
(4)圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離(M1)
M1=Fs−F1−(Xsb+S1−X1b)
(5)圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離(M2)
M2=Fs−F2−(Xsb+S2−X2b)
(6)圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離(Mn)
Mn=Fs−Fn−(Xsb+Sn−Xnb)
(ただし、(4)〜(6)において、
Fs:F1からFnのうち任意に選ばれる成形体構成部分の基準高さ
Xsb:X1bからXnbのうち任意に選ばれる下パンチの基準移動距離)
[式2]
R1bH1=R2bH2+S2=……=RnbHn+Sn - 前記複数対の上下パンチのうち、任意の1軸の下パンチを固定軸とし、前記固定軸の移動距離を0とすることを特徴とする請求項1に記載の段付き形状粉体成形方法。
- 粉体が圧縮されるダイと、
成形体の段数に対応する複数対の上下パンチを備え、
上下パンチが上下方向に移動することにより、ダイに充填された、各成形体構成部分を構成する粉体が圧縮開始位置まで所定の距離(移送距離)を移送された後、前記各成形体構成部分に対応する上下パンチが上下方向に所定の距離(移動距離)だけ移動することにより、粉体が圧縮され、圧縮方向に厚さが異なる、上下非対称の段付き形状に成形されるように構成された段付き形状粉末成形装置であって、
前記粉体の移送距離と、前記成形体構成部分に対応する各上下パンチおよびダイの移動距離が、以下の[ 式1 ] および [ 式2]の条件をともに満たすような値として求められ、前記複数対の上下パンチの各軸間の圧縮速度比が一定になるように圧縮が行われることにより、各成形体構成成分のニュートラルライン(加圧中心)が1つの水平ライン上に位置するように構成されていることを特徴とする段付き形状粉体成形装置。
[式1]
F1:圧縮前の第1の成形体構成部分の高さ
F2:圧縮前の第2の成形体構成部分の高さ
Fn:圧縮前の第nの成形体構成部分の高さ
H1:圧縮成形後の第1の成形体構成部分の高さ
H2:圧縮成形後の第2の成形体構成部分の高さ
Hn:圧縮成形後の第nの成形体構成部分の高さ
S2:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第2の成形体構成部分の下端部までの距離
Sn:圧縮成形後における第1の成形体構成部分の下端部から第nの成形体構成部分の下端部までの距離
R1a:第1の上パンチP1aによる圧縮係数
R1b:第1の下パンチP1bによる圧縮係数
R2a:第2の上パンチP2aによる圧縮係数
R2b:第2の下パンチP2bによる圧縮係数
Rna:第nの上パンチPnaによる圧縮係数
Rnb:第nの上パンチPnbによる圧縮係数
X1a・1b:第1の上パンチP1a及び下パンチP1bによる総圧縮量
X2a・2b:第2の上パンチP2a及び下パンチP2bによる総圧縮量
Xna・nb:第nの上パンチPna及び下パンチPnbによる総圧縮量
XD:ダイの移動距離、ただしXD≠0
M1:圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離
M2:圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離
Mn:圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離
プラス(+)の符号:上向きの移動
マイナス(−)の符号:下向きの移動
とした場合において、
(1)第1の上下パンチP1の移動距離
(a)第1の上下パンチP1の総圧縮量(総移動距離)(X1a・1b)
X1a・1b=F1−H1
(b)第1の上下パンチP1のうちの上パンチP1aの移動距離(X1a)
X1a=−X1a・1b+X1a・1bR1b+XD
または、
X1a=−X1a・1bR1a+XD
(c)第1の上下パンチP1のうちの下パンチP1bの移動距離(X1b)
X1b=X1a・1b−X1a・1bR1a+XD
または、
X1b=X1a・1bR1b+XD
(ただし、R1a+R1b=1)
(2)第2の上下パンチP2の移動距離
(a)第2の上下パンチP2の総圧縮量(総移動距離)(X2a・2b)
X2a・2b=F2−H2
(b)第2の上下パンチP2のうちの上パンチP2aの移動距離(X2a)
X2a=−X2a・2b+X2a・2bR2b+XD
(c)第2の上下パンチP2のうちの下パンチP2bの移動距離(X2b)
X2b=X2a・2b−X2a・2bR2a+XD
(ただし、R2a+R2b=1)
(3)第nの上下パンチPnの移動距離
(a)第nの上下パンチPnの総圧縮量(総移動距離)
Xna・nb=Fn−Hn
(b)第nの上下パンチPnのうちの上パンチPnaの移動距離(Xna)
Xna=−Xna・nb+Xna・nbRnb+XD
(c)第nの上下パンチPnのうちの下パンチPnbの移動距離(Xnb)
Xnb=Xna・nb−Xna・nbRna+XD
(ただし、Rna+Rnb=1)
(4)圧縮前における第1の成形体構成部分の移送距離(M1)
M1=Fs−F1−(Xsb+S1−X1b)
(5)圧縮前における第2の成形体構成部分の移送距離(M2)
M2=Fs−F2−(Xsb+S2−X2b)
(6)圧縮前における第nの成形体構成部分の移送距離(Mn)
Mn=Fs−Fn−(Xsb+Sn−Xnb)
(ただし、(4)〜(6)において、
Fs:F1からFnのうち任意に選ばれる成形体構成部分の基準高さ
Xsb:X1bからXnbのうち任意に選ばれる下パンチの基準移動距離)
[式2]
R1bH1=R2bH2+S2=……=RnbHn+Sn - 前記複数対の上下パンチのうち、任意の1軸の下パンチが固定軸となるように構成されている段付き形状粉体成形装置であって、前記固定軸の移動距離を0とすることを特徴とする請求項3に記載の段付き形状粉体成形装置。
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