JP3966286B2 - エンジンのシリンダヘッド部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのシリンダヘッド部構造に関する。
従来より、気筒中心線と略平行に配置した吸気及び排気弁を、それぞれスイングアーム式のロッカーアームを介してカムシャフトにより駆動するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このエンジンは、気筒中心軸に沿ってインジェクタを直立配置すると共に、吸気側及び排気側の2つのカムシャフトを並設したDOHC直噴ディーゼルエンジンであり、吸気及び排気弁はシリンダヘッドの中央側に配置し、吸気側及び排気側それぞれのロッカーアームのエンドピボットは、シリンダヘッドの外方側に、上記気筒中心線と略平行に立設されている。また、上記各ロッカーアームの中央位置にはカムと摺接するローラが設けられており、それによって動弁系の摺動摩擦抵抗の低減を図っている。
また、上記エンドピボットの構成としては、ロッカーアームの他端部に設けたピボット部材下端を、シリンダヘッドに固定されたピボット受け部材の凹設受面(例えば半球面や半円筒面を有する)で支持するものがある。
特開2002−215848号公報
ところで近年、エンジンのコンパクト化が要求されており、そのコンパクト化の要請に応えるべくエンジンの動弁空間は縮小される傾向にある。特に、DOHC直噴ディーゼルエンジンを小型化すれば、その動弁空間が小さくなる。動弁空間を小さくしたときには、上記ロッカーアームに設けたローラの径を小さくせざるを得ない場合もある。
ところが、ローラ径を小さくしたときには、カムシャフトの回転に伴い、ピボット部材の下端が凹設受面から浮き上がる現象が見受けられた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ローラを有するスイングアーム式のロッカーアームを備えたエンジンにおいて、そのエンドピボットの浮き上がりを防止することにある。
本発明者の検討の結果、上述したエンドピボットの浮き上がりは、ローラを小径とすることによって、カムシャフトの回転の際にカムノーズがそのローラに引っかかり、それによって、エンドピボットにカムシャフトの回転方向の力、つまり、カムシャフトの回転方向が、そのカムノーズがエンドピボット側から弁側に移動するときに上記ロッカーアームを開弁方向に押し下げる方向に設定されている場合は、上記エンドピボット側から弁側に向かう略横方向の力が作用することが、原因の一つであるとの結論に至った。
本発明のエンジンのシリンダヘッド部構造は、シリンダヘッド上にカムシャフトを配置したエンジンのシリンダヘッド部構造である。
上記シリンダヘッド部構造では、上記エンジンは、所定の方向に第1〜第4気筒の順番で一列に並設された4つの気筒を有する直列4気筒エンジンであり、上記シリンダヘッドの気筒中心線と平行に立設した弁軸を有する弁と、その一端部が上記弁軸の上端に接合し、その略中央部に上記カムシャフトのカムと摺接するローラを有するロッカーアームと、上記ロッカーアームの他端部を枢支するエンドピボットと、上記各気筒に接続されると共に、それぞれヘリカルポートであるプライマリポート及びセカンダリポートを含む吸気ポートと、を備える。
上記カムシャフトの回転方向は、そのカムノーズが上記エンドピボット側から弁軸側に移動するときに、上記ロッカーアームを開弁方向に押し下げる方向に設定されており、上記エンドピボットは、上記ロッカーアームの他端部に設けられたピボット部材と、湾曲面形状に凹設して上記ピボット部材を支持する凹設受面を含む、上記シリンダヘッドに固定されたピボット受け部材と、を有する。
そして、上記ピボット受け部材を、その凹設受面の中心軸線の上方が上記弁軸から離れ、その下方が弁軸に近づくように上記弁軸に対して傾斜させて、上記凹設受面を形成する弁軸側の壁部上端を、その逆側の壁部上端よりも上方に位置させると共に、上記第2及び第3気筒に接続される上記セカンダリポートを、その上流側において集合させる一方、上記第1及び第4気筒に接続される上記セカンダリポートを、互いに独立させ、上記セカンダリポートにおける上記ヘリカルポートのバルブ部の高さを、上記第2及び第3気筒に接続されるセカンダリポートのバルブ部の高さの方が、上記第1及び第4気筒に接続されるセカンダリポートのバルブ部の高さよりも高く設定する。
この構成によれば、(吸気又は排気)弁は、その弁軸がシリンダヘッドの気筒中心線と平行に立設され、その弁軸の上端には、ロッカーアームの一端部が接合する。上記ロッカーアームは、その略中央部にカムシャフトのカムと摺接するローラを有し、その他端部はエンドピボットによって枢支される。
上記エンドピボットは、上記ロッカーアームの他端部に設けられたピボット部材と、湾曲面形状に凹設する凹設受面を含むピボット受け部材と、を有し、上記ピボット部材は上記凹設受面によって支持される。
こうして、上記弁は、上記ロッカーアームを介してカムシャフトによって駆動されるが、上記カムシャフトの回転方向は、そのカムノーズが上記エンドピボット側から弁側に移動するときに、上記ロッカーアームを開弁方向に押し下げる方向に設定される。この場合、上記エンドピボットには、エンドピボット側から弁側に向かう略横方向の力が作用し、その力によってエンドピボットの浮き上がり現象が生じる場合がある。
そこで上記構成では、上記ピボット受け部材を、その凹設受面の中心軸線の上方が弁軸から離れ、下方が弁軸に近づくように上記弁軸に対して傾斜させ、それに伴い上記凹設受面を形成する弁軸側の壁部上端を、その逆側の壁部上端よりも上方に位置させる。これにより、上記エンドピボットに作用する略横方向の力が、上記凹設受面を形成する弁軸側の壁部によって受けられ、その結果、上記横方向の力に起因するエンドピボットの浮き上がりが防止される。
上記ピボット受け部材は、上記凹設受面の中心軸線と同軸に延びて上記シリンダヘッドに螺合するボルト軸部を含み、上記ピボット部材は、上記ロッカーアームの他端部に螺合する枢軸と、該枢軸の下端に設けられて上記凹設受面に保持される湾曲面形状の凸部と、を含むものとしてもよい。このときに、上記枢軸の軸線を、上記凹設受面の中心軸線と同方向に傾斜させてもよい。
上記ピボット部材(枢軸)を凹設受面の中心軸線と同方向に傾斜させることによって、上下方向の配設スペースが小さくなり、動弁空間が縮小化したときに有利になる。
また、ピボット受け部材のボルト軸部を中心軸線と同軸に延びるように設けて、それをシリンダヘッドに螺合させることによって、上記ボルト軸部のシリンダヘッド内における上下方向の配設スペースも小さくなる。
上記エンジンを、インジェクタを上記気筒中心軸に沿って直立配置すると共に、2つのカムシャフトを並設したDOHC直噴ディーゼルエンジンとし、上記弁軸を上記シリンダヘッドの中央部に、上記エンドピボットを上記シリンダヘッドの外側部にそれぞれ配置して、上記ピボット受け部材の下方位置に、上記気筒内に臨んで開口するポートを配設してもよい。
小型のDOHC直噴ディーゼルエンジンでは、小さい動弁空間内に、吸気及び排気弁の弁軸を上記シリンダヘッドの中央部に、上記エンドピボットを上記シリンダヘッドの外側部にそれぞれ配置することになると共に、ピボット受け部材の下方位置には、上記気筒内に臨んで開口するポートが配設されるため、ロッカーアームのローラを小径にせざるを得ない。
このようにローラが小径であったとしても、上述したように、上記ピボット受け部材を傾斜させ、それに伴い上記凹設受面を形成する弁軸側の壁部上端を、その逆側の壁部上端よりも上方に位置させることによって、上記エンドピボットに作用する略横方向の力に起因するエンドピボットの浮き上がりを防止することができる。
上記エンジンを、吸気ポートが吸気側のエンドピボットの下方位置に配設されて上記シリンダヘッドの一側面に開口し、排気ポートが排気側のエンドピボットの下方位置に配設されて上記シリンダヘッドの他側面に開口するクロスフロー式エンジンとし、上記吸気側のエンドピボット及び排気側のエンドピボットをそれぞれ、その軸線の上方が上記気筒中心線から離れ、その下方が該気筒中心線に近づくように、上記気筒中心線に対して対称的に傾斜させてもよい。
この構成によると、それぞれシリンダブロックの外側部に位置する吸気及び排気側のエンドピボット(ピボット受け部材)の下方に、吸気及び排気ポートがそれぞれ配設されるが、上記各エンドピボット(ピボット部材及びピボット受け部材)を、気筒中心線に対して傾斜させて、シリンダヘッドに螺合するボルト軸部も傾斜させて配設することによって、上記ボルト軸部の上下方向の配設長さが短くなり、エンジンを小型化したときでも、ボルト軸部と吸気又は排気ポートとの間の肉厚が確保される。
また、DOHCエンジンでは、吸気側及び排気側の2つのカムシャフトは通常、ベルト駆動やチェーン駆動によって、互いに同じ方向に回転する。このため、吸気側及び排気側のカムシャフトのいずれか一方は、カムノーズが上記エンドピボット側から弁側に移動するときに、上記ロッカーアームを開弁方向に押し下げる方向に回転方向が設定され、他方は、カムノーズが上記弁側からエンドピボット側に移動するときに、上記ロッカーアームを開弁方向に押し下げる方向に回転方向が設定される。従って、吸気側及び排気側のいずれか一方のエンドピボットには、カムノーズとローラとの引っかかりに起因してエンドピボット側から弁側に向かう略横方向の力は作用しないが、その場合においても、エンドピボットの浮き上がり現象は確認された。そこで、吸気側及び排気側の双方において、エンドピボットを、その軸線の上方が上記気筒中心線から離れ、その下方が該気筒中心線に近づくように、上記気筒中心線に対して傾斜させる。それによって、吸気側及び排気側の双方において、エンドピボットの浮き上がりが防止される。
また、吸気及び排気側それぞれのエンドピボットを、気筒中心線に対して対称的に傾斜させることによって、ピボット部材、ピボット受け部材、ロッカーアーム等の部品を、吸気側と排気側とで共用化することが可能である。
上記ロッカーアームは、シリンダ軸に直交する略水平方向に配置してもよい。これにより、ロッカーアームの上下方向の配設スペースを節約して、動弁空間の縮小化、ひいてはエンジンの小型化に寄与できる。
以上説明したように、本発明のシリンダヘッド部構造によれば、ピボット受け部材を、その凹設受面の中心軸線の上方が弁軸から離れ、下方が弁軸に近づくように上記弁軸に対して傾斜させ、上記凹設受面を形成する弁軸側の壁部上端を、その逆側の壁部上端よりも上方に位置させることによって、ロッカーアームのローラを小径にした場合でも、エンドピボットの浮き上がりを防止することができる。また、ピボット受け部材のボルト軸部を、上記凹設受面の中心軸線と同様に傾斜させることによって、そのピボット受け部材の下方に配置した吸気又は排気ポートとの肉厚を確保することができ、エンジンのコンパクト化に有利となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る筒内直噴式ディーゼルエンジン1の平面図である。このエンジンは、その本体部の長手方向であるエンジン前後方向(図の左右方向)に第1、第2、第3、第4の4つの気筒2,2,…が前側(図の左側)から後側(図の右側)に向かって順番に並設された直列4気筒エンジンであり、詳しくは後述するが、各気筒2には、図2,3に示すように、2つの吸気ポート21,22と2つの排気ポート23とが開口している。また、エンジン1の右側(図の上側)には吸気系が、その左側(図の下側)には排気系がそれぞれ設けられると共に、そのシリンダヘッド10上には、2つのカムシャフト82,82が並設されている(図2参照)。
上記エンジン1の吸気側には、各気筒2の燃焼室に吸気を供給するための吸気マニホールド3と、各気筒2のインジェクタ4,4,…に高圧の燃料を分配して供給するためのコモンレール5とが配設されている。吸気マニホールド3は、エンジン前後方向に延びるように配置されていて、図1では図示しない独立吸気通路部を介して各気筒2に連通されるサージタンク部3aと、その前端部から前方に向かってやや斜め外方に延びる円筒状の上流側吸気通路部3bとからなり、この吸気通路部3bの先端側には電動アクチュエータによって作動される吸気絞り弁6が配設されている。また、上記サージタンク部3aの後端近傍には、後述する吸気制御弁33を駆動するアクチュエータ36が配設されている。
一方、上記エンジン1の排気側には、気筒2内の燃料室から既燃ガスを排出するための排気マニホールド15が、シリンダヘッド10の排気側側壁に近接してエンジン前後方向に延びるように配設されている。
上記シリンダヘッド10には、図3に示すように、気筒2毎に、シリンダヘッド10の吸気側側壁に開口する吸気ポート21,22、及びシリンダヘッド10の排気側側壁に開口する排気ポート23,23が2つずつ形成されており、上記エンジン1はクロスフロー式エンジンである。そして、上記各ポート21〜23は、気筒2内に臨んで開口していて、図2に示すように、吸気及び排気弁24,24によって開閉される。
上記吸気ポート21,22は、それぞれヘリカルポートであるプライマリポート21とセカンダリポート22とからなる。上記各気筒2に接続されるセカンダリポート22の内、第2及び第3気筒2,2に接続されるセカンダリポート22は、その上流側で1つ集合しており、その集合部分がシリンダヘッド10の吸気側側壁に開口している。尚、プライマリポート21及び第1及び第4気筒2,2に接続されるセカンダリポート22,22はそれぞれ独立であって、これにより、上記シリンダヘッド10の吸気側側壁には、上記プライマリポート21の4つの開口21aと、上記セカンダリポート22の3つの開口22aとが形成される。
上記プライマリポート21及びセカンダリポート22は、プライマリポート21がセカンダリポート22よりも上方に位置するように、上下方向に高低差を設けて配置されており、それによって、上記プライマリポート21の側壁開口21aは、セカンダリポート22の側壁開口22aよりも上方に位置している。
そして、図4に示すように、上記吸気マニホールド3の独立吸気通路部の内、上記各プライマリポート21に接続される第1独立吸気通路部31は上方に位置して、そのフランジ部34における上方位置に開口しているのに対し、上記各セカンダリポート22(2つのセカンダリポートの集合部分を含む)に接続される第2独立吸気通路部32は下方に位置して、そのフランジ部34における下方位置に開口している。
上記3つの第2独立吸気通路部32にはそれぞれ、吸気制御弁33(スワール弁)が介設されており、各吸気制御弁33は、全ての気筒2に共通の駆動軸35を介してアクチュエータ36によって駆動される。上述したように、プライマリポート21及びセカンダリポート22、ひいては第1及び第2独立吸気通路部31,32を上下方向にオフセットさせて配置することによって、上記駆動軸35を、第2独立吸気通路部32を貫通する位置で、第1独立吸気通路部31とは干渉することなく、エンジン前後方向に延びて配設することができる。尚、上記吸気制御弁33は、低回転低負荷領域では上記アクチュエータ36によって閉じられ、それ以外の運転領域では開弁される。
また、上記第2及び第3気筒2,2のセカンダリポート22の上流を集合させたことに伴い、この第2及び第3気筒2,2のスワールが、第1及び第4気筒2,2のスワールに比べて弱くなる。この気筒間のスワール差を是正するために、図5に示すように、上記第2及び第3気筒のセカンダリポート22のバルブ部22bの高さh1を、第1及び第4気筒のセカンダリポート22のバルブ部22bの高さh2に比べて高く設定している。バルブ部22bの高さを高くして、その分だけヘリカルポートの距離を長くすることによって、第2及び第3気筒のスワールを強め、そのことで気筒間のスワール差を是正している。
上記インジェクタ4は、図2に示すように、気筒毎にその中心線Zに沿うように配置されて、シリンダヘッド10に対して直立に支持されており、図示は省略するがその先端の噴孔が気筒2内に臨む一方、その基端側の部分は、シリンダヘッドカバー11の幅方向略中央部に形成された共通の開口部12を貫通して上方に突出している。
このように上記エンジン1は、DOHC直噴ディーゼルエンジンであってかつ、小型のエンジンである。そのため、その動弁空間が小さくなっている。
次に、図2を参照しながら、上記シリンダヘッド10に搭載された動弁系の構成について説明する。
上記吸気及び排気弁24はそれぞれ、その軸部が気筒中心線Zと略平行となるように配置されていて、コイルスプリング25によって上方(弁を閉じる方向)に押圧付勢されている。上記吸気弁24及び排気弁24はスイングアーム式のロッカーアーム26,27を介してカムシャフト82,82により駆動されると、上記スプリング25の押圧力に抗して押し下げられる。
上記各ロッカーアーム26,27は、図示の如く、エンジン前後方向に見て左右方向(シリンダヘッド10の幅方向)に略水平に延びるように配置されていて、その長手方向の両端部のうち、気筒中心寄りの端部(図示の左側に位置する吸気側のものでは右端部であり、反対の排気側のものでは左端部である)が吸気及び排気弁24の軸端に連結される一方、反対側の端部はシリンダヘッド10の左右両端側に位置して、それぞれエンドピボット7により枢支されている。
上記エンドピボット7は、シリンダヘッド10に固定されて上部に半球状の凹設受面71aを有するピボット受け部材71と、枢軸72bの下端部に設けた半球状の凸部72aが上記受け部材71の凹設受面71aにより摺動自在に保持されるピボット部材72とからなる。
上記ピボット受け部材71は、上記凹設受面71aの中心軸線と同軸に延びるボルト軸部71bを有していて、このボルト軸部71bがシリンダヘッド10に対して螺合することによって、該シリンダヘッド10に固定される。このとき、上記凹設受面71aの中心軸線の上部が上記気筒中心線Zから離れ、その下部が上記気筒中心線Zに近づくように、ボルト軸部71bはシリンダヘッド10に対して螺合している。それによって、上記凹設受面71aの中心軸線は気筒中心線Zに対して傾斜しており、それに伴い、この凹設受面71aを形成する弁軸側の壁部上端は、その逆側の壁部上端よりも上方に位置している。
上記ピボット部材72の枢軸72bは、上記ロッカーアーム26,27の他端部に形成された上下方向の貫通穴に螺入されて、ロックナット73により締結されており、このロックナット73を緩めて上記枢軸72bを軸心周りに回転させることによって、上記ロッカーアーム26,27の高さを調整することができ、それによって、吸気及び排気弁24の弁間隙を調整することが可能である。そうして、上記ピボット部材72は、その軸線が凹設受面71aの中心軸線と同じ方向に傾斜している。
このように、吸気側及び排気側のエンドピボット7は、通常は弁軸(気筒中心線Z)と平行にそれぞれ配設されるが、上記エンジン1では、吸気側及び排気側のエンドピボット7は、気筒中心線Zに対して対称的に傾斜して配設される。
また、各ロッカーアーム26,27の長手方向略中央部には、カムシャフト82の各カムと摺接するローラ28が配置されており、これにより、動弁系の摺動摩擦抵抗の低減が図られている。このローラ28は、動弁空間が小さいため、比較的小径に設定されている。
上記吸気及び排気側カムシャフト82は、それぞれエンジン前後方向に延びていて、シリンダヘッド10のミドルデッキ上に載置されたカムホルダー83によって、回転自在に支承されている。尚、詳細な図示は省略するが、上記カムホルダー83は、エンジン前後方向に延びる本体部84と、この本体部84の途中から左右両側(吸気及び排気側)に分岐して延びる複数のカムジャーナル部85と、各カムジャーナル部85の上部にそれぞれ取り付けられたカムキャップ86とからなる。インジェクタ4は、本体部84を貫通して配置され、クランプ部材87によって上記本体部84に固定される。このように、カムホルダー83を、シリンダヘッド10とは別体にして後付けすることによって、シリンダヘッド10をシリンダブロックに取り付けるヘッドボルトとカムホルダーとの干渉を無くし、エンジン1(シリンダヘッド10)のコンパクト化が実現する。
上記吸気及び排気側カムシャフト82には、その前端部に図示省略のタイミングプーリが取り付けられており、そのタイミングプーリに巻きかけられたベルトによって、2つのカムシャフト82は図2における反時計回りに回転する。つまり、吸気側カムシャフト82の回転方向は、そのカムノーズが上記エンドピボット側から弁側に移動するときに、上記ロッカーアーム26を開弁方向に押し下げる方向に設定され、排気側カムシャフト82の回転方向は、そのカムノーズが上記弁側からエンドピボット側に移動するときに、上記ロッカーアーム27を開弁方向に押し下げる方向に設定されている。
以上説明したように上記のエンジン1では、吸気及び排気弁24がスイングアーム式のロッカーアーム26,27を介してカムシャフト82によって駆動される。このときに吸気側は、カムシャフト82の回転方向が、そのカムノーズが上記エンドピボット側から弁側に移動するときに、上記ロッカーアーム26を開弁方向に押し下げる方向に設定されている。そして、上記ロッカーアーム26のローラ28は、エンジン1のコンパクト化に伴い比較的小径とされており、上記カムノーズがローラ28に引っかかることによって、吸気側のエンドピボット7には、エンドピボット側から弁側に向かう略横方向の力(図2の白抜きの矢印参照)が作用する。このときに、上記エンドピボット7を弁軸と平行に配設したのでは、その横方向の力によってエンドピボット7の浮き上がり現象が生じる場合がある。
そこで、吸気側ロッカーアーム26のエンドピボット7は、そのピボット受け部材71を、凹設受面71aの中心軸線の上方が弁軸から離れ、下方が弁軸に近づくように上記弁軸に対して傾斜させ、それに伴い、上記凹設受面71aを形成する弁軸側の壁部上端を、その逆側の壁部上端よりも上方に位置させる。これにより、上記エンドピボット7に作用する略横方向の力は、上記凹設受面71aを形成する弁軸側の壁部によって受けられ、その結果、上記横方向の力に起因するエンドピボット7の浮き上がりを防止することができる。
一方、排気側は、カムシャフト82の回転方向が、吸気側カムシャフト82の回転方向と同じであるため、そのカムノーズが上記弁側からピボット部材側に移動するときに、上記ロッカーアーム27を開弁方向に押し下げる方向に設定されている。このため、排気側のエンドピボット7には、エンドピボット側から弁側に向かう略横方向の力は作用しない。しかし、詳細なメカニズムは不明であるものの、上記排気側のエンドピボット7を弁軸と略平行に配置したときには、エンドピボット7の浮き上がり現象が見受けられた。そこで、排気側ロッカーアーム27のエンドピボット7も、そのピボット受け部材71を、凹設受面71aの中心軸線の上方が弁軸から離れ、下方が弁軸に近づくように上記弁軸に対して傾斜させ、それに伴い、上記凹設受面71aを形成する弁軸側の壁部上端を、その逆側の壁部上端よりも上方に位置させる。これによって、排気側においてもエンドピボット7の浮き上がりを防止することができる。
また、各ピボット部材72を傾斜して配置することによって、上下方向の配設スペースを節約することができ、小さい動弁空間においては有利になる。
さらに、吸気側のエンドピボット7と排気側のエンドピボット7とを気筒中心線Zに対して対称的に傾斜して配置することにより、ピボット部材72、ピボット受け部材71及びロッカーアーム26,27等を、吸気側及び排気側で共通化することができるという利点もある。
加えて、上記吸気側のピボット受け部材71の下方位置には、吸気ポート21,22が配設され、排気側のピボット受け部材71の下方位置には、排気ポート23が配設されている。このときに、上記ピボット受け部材71のボルト軸部71bを、気筒中心線Zに対して傾斜させることによって上下方向の配設長さが短くなり、そのボルト軸部71bと吸気及び排気ポート21〜23との間の肉厚を確保することができる。特に、吸気ポート21は、シリンダヘッド10の吸気側側壁から気筒2に向かって斜め下方に延びていると共に、プライマリポート21とセカンダリポート22とを、上下方向のオフセットさせて配設しているため、吸気ポート21の配設範囲は上下方向に長い。その結果、特にプライマリポート21とボルト軸部71bとの間の肉厚が問題となるが、そのボルト軸部71bを傾斜させることによって、その肉厚も十分に確保することが可能になる。
尚、本発明は、DOHC直噴ディーゼルエンジンに限定されるものではない。例えばSOHCエンジンに適用することも可能である。
また、エンドピボット7のピボット受け部材71は傾斜して配設する一方で、ピボット部材72は傾斜させないことも可能である。
実施の形態に係るエンジンの平面図である。 エンジン前方から見たシリンダヘッドの構成を示す断面図である。 吸気及び排気ポートの構成を示す説明図である。 吸気マニホールドの側面図である。 セカンダリポートのバルブ部を示す説明図である。
符号の説明
1 エンジン
10 シリンダヘッド
21,22 吸気ポート
23 排気ポート
24 弁(吸気弁、排気弁)
26,27 ロッカーアーム
28 ローラ
7 エンドピボット
71 ピボット受け部材
71a 凹設受面
71b ボルト軸部
72 ピボット部材
72a 凸部
72b 枢軸
82 カムシャフト
Z 気筒中心線

Claims (5)

  1. シリンダヘッド上にカムシャフトを配置したエンジンのシリンダヘッド部構造であって、
    上記エンジンは、所定の方向に第1〜第4気筒の順番で一列に並設された4つの気筒を有する直列4気筒エンジンであり、
    上記シリンダヘッドの気筒中心線と平行に立設した弁軸を有する弁と、
    その一端部が上記弁軸の上端に接合し、その略中央部に上記カムシャフトのカムと摺接するローラを有するロッカーアームと、
    上記ロッカーアームの他端部を枢支するエンドピボットと、
    上記各気筒に接続されると共に、それぞれヘリカルポートであるプライマリポート及びセカンダリポートを含む吸気ポートと、
    を備え、
    上記カムシャフトの回転方向は、そのカムノーズが上記エンドピボット側から弁軸側に移動するときに、上記ロッカーアームを開弁方向に押し下げる方向に設定され、
    上記エンドピボットは、上記ロッカーアームの他端部に設けられたピボット部材と、湾曲面形状に凹設して上記ピボット部材を支持する凹設受面を含む、上記シリンダヘッドに固定されたピボット受け部材と、を有し、
    上記ピボット受け部材は、その凹設受面の中心軸線の上方が上記弁軸から離れ、その下方が弁軸に近づくように上記弁軸に対して傾斜していて、上記凹設受面を形成する弁軸側の壁部上端は、その逆側の壁部上端よりも上方に位置しており、
    上記第2及び第3気筒に接続される上記セカンダリポートは、その上流側において集合している一方、上記第1及び第4気筒に接続される上記セカンダリポートは、互いに独立しており、
    上記セカンダリポートにおける上記ヘリカルポートのバルブ部の高さは、上記第2及び第3気筒に接続されるセカンダリポートのバルブ部の高さの方が、上記第1及び第4気筒に接続されるセカンダリポートのバルブ部の高さよりも高く設定されているシリンダヘッド部構造。
  2. 請求項1に記載のシリンダヘッド部構造において、
    上記ピボット受け部材は、上記凹設受面の中心軸線と同軸に延びて上記シリンダヘッドに螺合するボルト軸部を含み、
    上記ピボット部材は、上記ロッカーアームの他端部に螺合する枢軸と、該枢軸の下端に設けられて上記凹設受面に保持される湾曲面形状の凸部と、を含み、
    上記枢軸の軸線は、上記凹設受面の中心軸線と同方向に傾斜しているシリンダヘッド部構造。
  3. 請求項1又は2に記載のシリンダヘッド部構造において、
    上記エンジンは、上記気筒内に臨むインジェクタを上記気筒中心軸に沿って直立配置すると共に、2つのカムシャフトを並設したDOHC直噴ディーゼルエンジンであって、
    上記弁軸は上記シリンダヘッドの中央部に、上記エンドピボットは上記シリンダヘッドの外側部にそれぞれ配置され、
    上記ピボット受け部材の下方位置に、上記気筒内に臨んで開口するポートが配設されているシリンダヘッド部構造。
  4. 請求項3記載のシリンダヘッド部構造において、
    上記エンジンは、吸気ポートが吸気側のエンドピボットの下方位置に配設されて上記シリンダヘッドの一側面に開口し、排気ポートが排気側のエンドピボットの下方位置に配設されて上記シリンダヘッドの他側面に開口するクロスフロー式エンジンであって、
    上記吸気側のエンドピボット及び排気側のエンドピボットはそれぞれ、その軸線の上方が上記気筒中心線から離れ、その下方が該気筒中心線に近づくように、上記気筒中心線に対して対称的に傾斜しているシリンダヘッド部構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリンダヘッド部構造において、
    上記ロッカーアームは、上記気筒中心線に直交する略水平方向に配置されているシリンダヘッド部構造。
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