JP3966272B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排気浄化装置に関し、特に、排気通路に排気微粒子を捕獲するフィルタ部材を備えたエンジンの排気浄化装置に関する。
従来、エンジン、例えば、ディーゼルエンジンにおいては、排気ガス中に含まれるカーボン等の排気微粒子(パティキュレート)を大気に放出しないよう排気通路に配設したフィルタ部材、所謂パティキュレートフィルタにより捕獲することが行われている。
そして、このようにパティキュレートフィルタを備えた場合、パティキュレータフィルタに捕獲された排気微粒子量が捕獲可能な飽和容量にまで達すると、捕獲された排気微粒子を燃焼させ、フィルタ機能を再生する必要がある。
そこで、下記特許文献1には、パティキュレートフィルタが再生時期になった時点灯する警告ランプと、乗員の手動操作によってパティキュレートフィルタの再生開始が可能とされる手動スイッチとを備え、車両停止時、警告ランプの点灯を受け、乗員の操作によって手動スイッチがONされると、所定時間燃料噴射量を増量し、アイドル回転数を上昇させることによって排気微粒子を燃焼除去することが開示されている。
特開平4−86319号公報
ところで、上述の再生制御は、アクセルペダルの踏込み(所謂、レーシング操作)や、変速機、例えば、自動変速機の場合、変速レンジが非走行レンジ(Pレンジ、Nレンジ)から走行レンジ(Dレンジ)に切換えられる等、車両停車状態からの逸脱或いは逸脱すると予測される状態が検出された時、アイドル回転数が高い状態にされていると、発進時に違和感があったり、飛び出し感があるため、アイドル回転数を非再生時の通常のアイドル回転数に復帰(低下)させるようにされている。
しかしながら、パティキュレートフィルタの再生中に上述した乗員の発進の意志検出に伴ってアイドル回転数を直ちに非再生時のアイドル回転数に復帰させると、パティキュレータフィルタの温度が急上昇し、パティキュレートフィルタの耐久性が低下するという問題を本発明者等は見出した。
つまり、再生中は、排気微粒子の燃焼によってパティキュレートフィルタの温度が上昇するが、その温度が上昇している状況で、アイドル回転数の上昇を中止してアイドル回転数を非再生時の通常のアイドル回転数に復帰させると、パティキュレートフィルタへの排気ガスの流れが減少し、パティキュレートフィルタ内を排気ガスが通過することによるパティキュレートフィルタ温度低下作用(排気ガスとパティキュレートフィルタとの熱交換)が減少するため、パティキュレートフィルタ温度が急上昇してしまうものである。
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、フィルタ部材の再生が中断されることに伴うフィルタ部材の温度上昇を抑制でき、フィルタ部材の耐久性の低下を抑制できるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあってはその解決手法として次のようにしてある。すなわち、本発明の第1の構成において、エンジンの排気通路に配設され、排気ガス中の排気微粒子を捕獲するフィルタ部材と、
乗員による操作が可能とされ、上記フィルタ部材の再生を開始させるための手動再生スイッチと、
アクセルペダルの開度に関連するパラメータを検出するアクセルペダル開度検出手段と、
自動変速機の変速位置を検出する変速位置検出手段と、
上記アクセルペダル開度検出手段によりアクセルペダルが踏み込まれていない状態が検出され、かつ上記変速位置検出手段により変速位置が非走行位置にあることが検出された時、上記手動再生スイッチが手動再生開始状態に操作されると、エンジン回転数を所定回転数まで上昇させて上記フィルタ部材に捕獲された排気微粒子を燃焼除去してフィルタ部材を再生する再生手段とを備えたエンジンの排気浄化装置において、
上記再生手段によるフィルタ部材の再生中は、上記変速位置の非走行位置から走行位置への移行を制限する変速制限手段を備えるよう構成してある。
また、上記再生手段は、上記エンジンに供給される燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段から構成されており、
該燃料噴射制御手段は、上記フィルタ部材の非再生時、少なくとも上記アクセルペダル開度検出手段により検出されたアクセルペダルの開度に関連するパラメータに応じて燃料噴射量を設定する一方、上記フィルタ部材の再生中は、上記アクセルペダル開度検出手段により検出されたアクセルペダルの開度に関連するパラメータの変化に拘わらず燃料噴射量を上記所定回転数まで上昇させるために必要な燃料噴射量に維持するよう構成してある。
本発明の第1の構成によれば、再生手段によるフィルタ部材の再生中は、変速位置の非走行位置から走行位置への移行が制限されるため、再生中断に伴う排気ガス量の減少を抑制でき、フィルタ部材の温度上昇に伴う耐久性の低下を抑制することができる。
また、フィルタ部材の再生中は、アクセルペダルの開度に関連するパラメータの変化に拘わらず燃料噴射量が所定回転数まで上昇させるために必要な燃料噴射量に維持されるため、再生中にアクセルペダルが踏み込まれても再生の中断が抑制される。従って、アクセルペダルの踏み込み後にその踏み込みが解除された場合であっても、アクセルペダル開度に関連するパラメータの減少に連動して燃料噴射量が減少することが抑制され、エンジン回転数の減少が抑制されるため、排気ガス量の減少が抑制され、フィルタ部材の温度上昇に伴う耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の第2の構成において、上記フィルタ部材に捕獲されている排気微粒子量に関連するパラメータ値を検出する排気微粒子量検出手段を備え、
上記再生手段は、フィルタ部材の再生を所定時間継続するよう構成するとともに、当該所定時間を上記排気微粒子量検出手段により検出された排気微粒子量が多い時は、少ない時に対して長くするよう構成してある。
本発明の第2の構成によれば、フィルタ部材に捕獲されている排気微粒子量が多い時は、少ない時に対してフィルタ再生時間が長く設定されるため、排気微粒子量に応じた必要な時間再生が行われ、フィルタ部材に捕獲された排気微粒子量を十分再生することができる。
また、フィルタ部材の再生中、変速位置の非走行位置から走行位置への移行が制限されたり、アクセルペダルが踏み込まれてもエンジン回転数が上記所定回転数に維持されると、乗員は違和感を覚えるため、このような時間は、可能な限り短くすることが望まれる。
本発明の第2の構成によれば、排気微粒子量に応じた必要な時間だけ、再生が実行されるため、フィルタ部材の再生を満足しつつ、乗員への違和感を抑制することができる。
本発明によれば、フィルタ部材の再生が中断されることに伴うフィルタ部材の温度上昇を抑制でき、フィルタ部材の耐久性の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に関する全体構成図を示しており、1は4気筒ディーゼルエンジンであり、そのディーゼルエンジン1には、吸気通路2、排気通路3が接続されている。
吸気通路2には、その上流側から下流側に向かって順次エアクリーナ4、エアフローセンサ5、VGTターボ過給機(バリアブルジオメトリーターボ)6のブロア6a、インタークーラ7、吸気絞り弁8、吸気温度センサ9、吸気圧力センサ10が配設されている。
排気通路3には、その上流側から下流側に向かって順次VGTターボ過給機(バリアブルジオメトリーターボ)6のタービン6b、タービン6bに流入する排気ガス流速を制御する可動ベーン6c、酸化触媒11、パティキュレートフィルタ12が配設されている。
パティキュレートフィルタ12の上下流には、排気圧力センサ13、14が配設されており、各排気圧力センサ13と14との差圧に基づいてパティキュレートフィルタ12に堆積した排気微粒子量を検出するよう構成されている。
また、パティキュレートフィルタ12には温度センサ15が設けられている。
また、吸気通路2と排気通路3とを接続する排気ガス還流通路16が設けられており、その排気ガス還流通路16の途中には負圧アクチュエータ式の排気ガス還流弁17と、排気ガスをエンジンの冷却水によって冷却するためのクーラ18とが配設されている。
19は燃料噴射ポンプであり、燃料タンク(図示省略)からの燃料を蓄圧手段としてのコモンレール20に供給する。
コモンレール20は、各気筒の燃焼室1aに配設された燃料噴射弁21(図1では1つのみ図示)に接続されるとともに、そのコモンレール20には、燃料噴射圧センサ22と、コモンレール19内に蓄圧された燃料の圧力が許容圧力以上になった時開弁し、燃料タンク側に燃料をリリーフするための安全弁23が設けられている。
50はエンジン制御用のコントロールユニットであり、上述した各種センサ、エンジン回転数センサ24、レンジ位置検出センサ25、車速センサ26、後述する手動再生スイッチ27、アクセルペダルの開度を検出するアクセルペダルセンサ28、ブレーキペダルの開度を検出するブレーキペダルセンサ29からの検出信号が入力されるようになっており、入力された各種検出信号に基づいて上述した各種アクチュエータや、後述する再生指示ランプ30、後述する自動変速機の変速レバー63(図1では不図示)のロック機構60(図1では不図示)の作動を制御する第1、第2アクチュエータ61、62を制御するよう構成されている。
次に、コントロールユニット50に対する各種センサ、各種アクチュエータとの入出力関係を図2に基づき説明する。
コントロールユニット50には、排気圧力センサ13、14、エンジン回転数センサ24、自動変速機の変速レンジ位置を検出するためのレンジ位置検出センサ25、車速センサ26、パティキュレートフィルタ12の手動再生を開始するための手動再生スイッチ27、アクセルペダルセンサ28、ブレーキペダルセンサ29からの検出信号が入力される。
コントロールユニット50は、入力された各種検出信号に基づいて、吸気絞り弁8、可動ベーン6c、排気ガス還流弁17、燃料噴射弁21、車両停車時にパティキュレートフィルタ12に捕獲された排気微粒子量が所定量以上になった時、乗員に対して手動再生を促すための再生指示ランプ30を、それぞれ制御するように構成されている。
また、コントロールユニット50は、入力されたブレーキペダルセンサ29と、パティキュレートフィルタ12の再生中か否かに基づいて、自動変速機の変速レバー63(図2では不図示)がPレンジ位置から走行レンジ位置への移行を禁止する第1、第2アクチュエータ61、62を制御する。
具体的には、第1アクチュエータ61は、パティキュレートフィルタ12が再生中の場合は、変速レバー63がPレンジから走行レンジへの移行を禁止するよう制御される。また、第2アクチュエータ62は、ブレーキペダル61の検出信号に基づいてブレーキペダルが踏み込まれていない場合は、変速レバー63がPレンジから走行レンジへの移行を禁止するよう制御される。
また、パティキュレートフィルタ12の再生は、燃料噴射弁21からの燃料噴射制御によって達成される。
具体的には、図3中(a2)で示すように、圧縮行程上死点近傍で噴射される主噴射の噴射量を通常時の噴射量(a1)よりも所定量増量、例えば、アイドル回転数を通常のアイドル回転数(例えば、750rpm)から手動再生用の第1目標回転数(例えば、1750rpm)まで上昇させるために必要な量増量するとともに、図3に示すように、主噴射(a2)の後の膨張行程において所定量の後噴射(b)を追加実行する。
これによって、主噴射の増量による排気ガス温度の上昇と、後噴射の酸化触媒11での酸化反応とによってパティキュレートフィルタ12に流入される排気ガス温度を効果的に上昇することができ、パティキュレートフィルタ12に捕獲された排気微粒子を燃焼除去でき、パティキュレートフィルタ12を再生することができる。
次に、実施形態に係るパティキュレートフィルタ12の再生制御、及び本実施形態に関わる上述の第1アクチュエータ61の制御について、図4のフローチャートに基づき説明する。
図4のステップS1において、排気圧力センサ13、14、エンジン回転数センサ24、レンジ位置検出センサ25、車速センサ26、手動再生スイッチ27、アクセルペダルセンサ28、ブレーキペダル29等からの各種検出信号を読込む。
続く、ステップ2では、排気圧力センサ13、14との差圧を求める。
ステップS3では、ステップS2で演算された差圧に基づいてパティキュレートフィルタ12に捕獲されている排気微粒子量を演算する。つまり、排気微粒子の捕獲量が多くなるとパティキュレートフィルタ12上流側の排気圧力が高くなり、差圧が大きくなることから、その差圧に基づいてパティキュレータフィルタ12に捕獲されている排気微粒子量を求めることが可能である。
ステップS4では、ステップS3で演算された排気微粒子量が所定値(例えば、パティキュレートフィルタ12の飽和相当の値)以上か否か判定する。
ステップS4でYESと判定された時、つまり、パティキュレートフィルタ12に捕獲されている排気微粒子量が所定値以上となり、パティキュレートフィルタ12の再生を行う必要がある時、ステップS5に進み、再生指示ランプ30を点灯する。
ステップS6では、車両が停車状態にあるか否か判定する。具体的には、車速が0で、アクセルペダルがオフ(踏み込まれていない状態)で、かつ変速機のレンジ位置が非走行レンジ位置(本実施形態ではPレンジ)にある時、停車状態であると判定する。
尚、本実施形態では、Pレンジを非走行レンジ位置として判定するようにしているが、その他、Nレンジも非走行レンジ位置として判定するようにしてもよい。
ステップS6でYESと判定された時、ステップS7に進み、手動再生スイッチ27が手動再生開始状態に操作されたか否か判定する。
ステップS7でYESと判定された時、つまり、車両停車状態で、手動再生スイッチがオンされた時、ステップS8に進み、自動変速機の変速レバー63のPレンジ位置から走行レンジ位置への移行を禁止するよう第1アクチュエータ61を作動させ、ロック機構60を作動状態にする。
ステップS9では、ステップS3で求められた排気微粒子量に基づいてパティキュレートフィルタ12の再生実行時間Tを演算する。つまり、排気微粒子量が多い程再生完了に必要な時間が長くなるため、排気微粒子量が多い程再生実行時間Tを長く設定、例えば、約10分以内の値に設定する。
ステップS10では、タイマtをカウントアップし、続く、ステップS11では、ステップS9で設定された再生実行時間Tが、ステップS10でカウントアップされたタイマtよりも大きいか否か判定、つまり、再生実行時間T中か否か判定する。
ステップS11でYESと判定された時、つまり、再生実行時間T中である時、ステップS12に進み、パティキュレートフィルタ12の再生を実行する。
尚、再生の具体的な手法は、上述したように、圧縮行程上死点近傍で噴射される主噴射の噴射量を通常時の噴射量よりも所定量増量、例えば、アイドル回転数を通常のアイドル回転数(例えば、750rpm)から手動再生用の第1目標回転数(例えば、1750rpm)まで上昇させるために必要な量増量するとともに、主噴射の後の膨張行程において所定量の後噴射を追加実行することによって行われる。
また、この再生実行時間T中は、乗員によってアクセルペダルが踏み込まれた場合であっても、主噴射の噴射量はアクセルペダルの開度に拘わらず第1目標回転数に維持させるために必要な噴射量に維持される。
また、上記ステップS11でNOと判定された時、つまり、再生実行時間Tが経過した時、ステップS13に進み、再生を終了する。
具体的には、主噴射の噴射量を、通常のアイドル回転数(例えば、750rpm)にするための燃料噴射量に設定するとともに、後噴射の追加実行を中止する。
続く、ステップS14では、自動変速機の変速レバー63のPレンジ位置から走行レンジ位置への移行を許容するよう第1アクチュエータ61を作動させ、ロック機構60の作動を解除する。
また、上記ステップS4でNOと判定された時、つまり、パティキュレートフィルタ12に捕獲された排気微粒量が少なく、再生の必要が低い場合、ステップS15に進み、再生指示ランプ30を消灯する。
続く、ステップS16では、アクセルペダル開度、エンジン回転数等に基づいて主噴射の噴射量を設定した後、リターンする。
また、上記ステップS6又はS7のいずれかの判定でNOと判定された時、つまり、車両が走行中にある場合、或いは、手動再生スイッチがオフされている場合、ステップS16に進み、アクセルペダル開度、エンジン回転数等に基づいて主噴射の噴射量を設定し、再生をすることなくリターンする。
次に、ロック機構60の詳細について、図5乃至図7に基づき説明する。
図5は変速レバー63付近の平面図、図6は変速レバー63付近の側面図、図7は変速レバー63付近の要部拡大図である。
図5、図6において、63は変速レバーで、その下方側の側方には、突出部63aが形成されており、この突出部63aがガイドプレート64のガイド溝64aに係合するよう構成されている。
そして、変速レバー63による変速操作に伴い、突出部63aがガイド溝64a内における各変速レンジに対応した位置に移動されることによって変速がなされる。尚、図5乃至図7中、突出部63aが位置している位置がPレンジ位置である。
また、変速レバー63の突出部63aの先端部分には、第1、第2の変速制限手段が連携している。つまり、第1、第2の変速制限手段は、それぞれ第1アクチュエータ61及び変速操作禁止部材65、第2アクチュエータ62及び変速操作禁止部材66を有し、第1の変速制限手段に係る一方の変速操作禁止部材65は、第1アクチュエータ61の動作により回動するよう構成されている。
具体的には、第1の変速制限手段に係る一方の変速操作禁止部材65は、パティキュレートフィルタ12の再生中は、図7中実線で示すように、変速レバー63の突出部63aがガイドプレート64のPレンジ位置から外れないように、第1アクチュエータ61が変速操作禁止部材65を矢印A方向に回動させ、走行レンジへの移行を禁止するようになっている。
また、パティキュレートフィルタ12の非再生中は、図7中破線で示すように、変速レバー63の突出部63aがガイドプレート64のガイド溝64aから外れるよう、第1アクチュエータ61が変速操作禁止部材65を矢印B方向に回動させ、Pレンジ位置から走行レンジへの移行を許容するようになっている。
また、第2の変速制限手段に係る一方の変速操作禁止部材66は、変速レバー63がPレンジ位置にあることが検出されると、変速レバー63の突出部63aがガイドプレート64のPレンジ位置から外れないように、第2アクチュエータ62が変速作動禁止部材66を図中右方向へ回動させ、走行レンジへの移行を禁止するようになっている。
また、変速レバー63がPレンジ位置にあることが検出された状態で、ブレーキペダルが踏み込まれたことが検出されると、変速レバー63の突出部63aがガイドプレート64のガイド溝64aから外れるよう、第2アクチュエータ62が変速作動禁止部材66を図中左方向に回動させ、Pレンジ位置から走行レンジへの移行を許容するようになっている。
尚、第2の変速制限手段に係る一方の変速操作禁止部材66は、所謂シフトロックと呼ばれる従来からよく知られた技術であるため、その詳細な説明は省略する。
以上のように、本実施形態によれば、パティキュレートフィルタ12の再生中は、変速レバー63の変速位置をPレンジ位置から走行レンジ位置への移行が禁止されるため、再生中断に伴う排気ガス量の減少を抑制でき、パティキュレートフィルタ12の温度上昇に伴う耐久性の低下を抑制することができる。
また、パティキュレートフィルタ12の再生中は、アクセルペダルの開度に関連するパラメータの変化に拘わらず燃料噴射量が所定回転数まで上昇させるために必要な燃料噴射量に維持されるため、再生中にアクセルペダルが踏み込まれても再生の中断が抑制される。従って、アクセルペダルの踏み込み後に踏み込みが解除された場合であっても、アクセルペダル開度に関連するパラメータの減少に連動して燃料噴射量が減少することが抑制され、エンジン回転数の減少が抑制されるため、排気ガス量の減少が抑制され、パティキュレートフィルタ12の温度上昇に伴う耐久性の低下を抑制することができる。
また、パティキュレートフィルタ12に捕獲されている排気微粒子量が多い程パティキュレートフィルタ12の再生実行時間Tが長く設定されるため、排気微粒子量に応じた必要な時間再生が行われ、パティキュレートフィルタ12に捕獲された排気微粒子量を十分再生することができる。
また、パティキュレートフィルタ12の再生中、変速位置をPレンジ位置から走行位置への移行が禁止されたり、アクセルペダルが踏み込まれてもエンジン回転数が上記第1目標回転数に維持されると、乗員は違和感を覚えるものの、排気微粒子量に応じた必要な時間だけ、パティキュレートフィルタ12の再生が実行されるため、乗員が違和感を覚える時間を極力短くすることができ、パティキュレートフィルタ12の再生を満足しつつ、乗員への違和感を抑制することができる。
また、主噴射の増量によるエンジン回転数の上昇によりパティキュレートフィルタ12に流入される排気ガス温度を上昇することができるとともに、主噴射後の膨張行程における後噴射の追加実行により、酸化触媒11に未燃燃料を供給することができ、酸化反応熱により排気ガス温度を更に上昇することができ、パティキュレートフィルタ12の再生を確実に行うことができる。
尚、本実施形態では、パティキュレートフィルタ12の再生を、車両停車時、手動再生スイッチ27がONされた時パティキュレートフィルタ12の再生を行う手動再生のみ行う例を示したが、その他、車両走行中(非アイドル時)に所定の再生条件が成立した時パティキュレートフィルタ12の再生を行う、強制再生を併用するようにしてもよい。
強制再生は、所定の再生条件が成立した時、例えば、排気微粒子量が第1所定値以上、エンジン回転数が低回転、高回転を除く所定回転領域、エンジン負荷が低負荷、高負荷を除く所定負荷領域、及び車速が所定車速以上の時、圧縮行程上死点近傍で噴射される主噴射後の膨張行程において所定量の後噴射を追加する。
従って、車両走行中にも、後噴射の酸化触媒11での後燃焼によってパティキュレートフィルタ12に流入される排気ガス温度を上昇することができるため、パティキュレートフィルタ12に捕獲された排気微粒子を燃焼除去することができる。
従って、手動再生実行頻度を下げることができ、乗員の手動再生スイッチ27の操作を伴う手動再生の煩わしさを軽減することができる。
また、本実施形態では、変速制限手段として、変速レバー63自体の移行を禁止してPレンジ位置から走行レンジ位置への移行する例を示したが、その他、変速レバー63と変速機とを連結するケーブル部材、リンク部材等の連結手段の連結を、連結状態と非連結状態とに切替可能な機構を設け、パティキュレートフィルタ12の再生中は、変速レバー63がPレンジ位置から走行レンジ位置への移行は許容しつつも、上記機構を非連結状態とし、実際の変速位置の走行レンジ位置への移行を制限し、Pレンジ位置に維持するようにしてもよい。
また、変速レバー63の操作位置を電気的に検出して変速装置の変速位置を変更する(シフト・バイ・ワイヤ)タイプの自動変速機に適用する場合は、変速制限手段として、変速レバー63操作位置の検出信号の変化を無視する手段を設けて変速位置を固定するようにしても良い。
また、本実施形態では、変速機として自動変速機に適用する例を示したが、その他、クラッチペダルが無く、乗員によるクラッチペダル操作の代わりに、電子制御によってクラッチの切断を自動的に行い、手動変速機の変速を行う電子制御式手動変速機に適用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、手動再生指示ランプ30は、ランプによって乗員に視覚的な報知をする例を示したが、ランプの代わりに、音声(ブザー)による報知を採用するようにしてもよい。
また、ナビケーションシステムを備えた車両の場合、ナビゲーションシステムの表示画面に手動再生を促すメッセージを表示させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、エンジンとしてディーゼルエンジンに適用する例を示したが、その他、ガソリンエンジンに適用するようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る全体構成図。 本発明の実施形態に係るコントロールユニットに対する入出力関係を示す図。 本発明の実施形態に係る再生制御の説明図。 本発明の実施形態に係る再生制御、変速制限制御に関するフローチャート。 本発明の実施形態に係る変速レバー付近の平面図。 本発明の実施形態に係る変速レバー付近の側面図。 本発明の実施形態に係る変速レバー付近の要部拡大図。
符号の説明
1:ディーゼルエンジン
11:酸化触媒
12:パティキュレートフィルタ(フィルタ部材)
13、14:排気圧力センサ
21:燃料噴射弁
25:レンジ位置検出センサ(停車状態検出手段)
26:車速センサ(停車状態検出手段)
27:手動再生スイッチ
28:アクセルペダルセンサ(停車状態検出手段)
29:ブレーキペダルセンサ
30:再生指示ランプ
50:コントロールユニット(再生手段、燃料噴射制御手段)
60:ロック機構(変速制限手段)
61:第1アクチュエータ(変速制限手段)
62:第2アクチュエータ
63:変速レバー
63a:突出部
64:ガイドプレート
64a:ガイド溝
65:変速操作禁止部材(変速制限手段)
66:変速操作禁止部材

Claims (2)

  1. エンジンの排気通路に配設され、排気ガス中の排気微粒子を捕獲するフィルタ部材と、
    乗員による操作が可能とされ、上記フィルタ部材の再生を開始させるための手動再生スイッチと、
    アクセルペダルの開度に関連するパラメータを検出するアクセルペダル開度検出手段と、
    自動変速機の変速位置を検出する変速位置検出手段と、
    上記アクセルペダル開度検出手段によりアクセルペダルが踏み込まれていない状態が検出され、かつ上記変速位置検出手段により変速位置が非走行位置にあることが検出された時、上記手動再生スイッチが手動再生開始状態に操作されると、エンジン回転数を所定回転数まで上昇させて上記フィルタ部材に捕獲された排気微粒子を燃焼除去してフィルタ部材を再生する再生手段とを備えたエンジンの排気浄化装置において、
    上記再生手段によるフィルタ部材の再生中は、上記変速位置の非走行位置から走行位置への移行を制限する変速制限手段を備え、
    上記再生手段は、上記エンジンに供給される燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段から構成されており、
    該燃料噴射制御手段は、上記フィルタ部材の非再生時、少なくとも上記アクセルペダル開度検出手段により検出されたアクセルペダルの開度に関連するパラメータに応じて燃料噴射量を設定する一方、上記フィルタ部材の再生中は、上記アクセルペダル開度検出手段により検出されたアクセルペダルの開度に関連するパラメータの変化に拘わらず燃料噴射量を上記所定回転数まで上昇させるために必要な燃料噴射量に維持するよう構成されていることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 上記フィルタ部材に捕獲されている排気微粒子量に関連するパラメータ値を検出する排気微粒子量検出手段を備え、
    上記再生手段は、フィルタ部材の再生を所定時間継続するよう構成するとともに、当該所定時間を上記排気微粒子量検出手段により検出された排気微粒子量が多い時は、少ない時に対して長くするよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
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