JP3962388B2 - ダイヤフラム - Google Patents

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本発明は、ダイヤフラムポンプ装置に適用可能なダイヤフラムに関するものである。
従来から、ダイヤフラムポンプ装置には、送液室と作動流体室とを画成する隔膜部を有する一対の円盤状のダイヤフラムと、各ダイヤフラムの中央部が両端部に取り付けられたセンターロッドを往復動可能に支承する本体部と、流体吸い込み口と流体吐き出し口とを送液室を介して連通する連通路が形成されると共にその本体部を両側から挟み込むようにして配設されてこの本体部と協働して各ダイヤフラムの周辺部をその肉厚方向両側から挟持する一対のケーシング部材とを備えているものが知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照。)。
特開昭63−312589号公報 「The A-Series Pneumatic diaphragm pumps made of polymer material」ALMATEC
この従来のダイヤフラムポンプ装置は、その一方のダイヤフラム側の作動流体室と他方のダイヤフラム側の作動流体室とに交互に作動流体を供給し、この両作動流体室への作動流体の供給切り換えに基づき、センターロッドを往復動させて一方の作動流体室の容積の拡大と、他方の作動流体室の容積の拡大とを交互に繰り返させ、流体吸い込み口から流体を両送液室に交互に吸い込んで、その各送液室に吸い込んだ流体を交互に両送液室から排出し、流体吐き出し口から流体を連続的に吐出させるようになっている。
上述のように、センターロッドの両端部には、ダイヤフラムがそれぞれ取り付けられている。特許文献1に記載されたダイヤフラムは、その中央部に貫通口が形成されており、この貫通口にセンターロッドが貫通しており、該センターロッドには、ダイヤフラムの中央部を両側から挟持するように一対のセンターディスクがナット等の締結手段によって取り付けられている。一方、非特許文献1に記載されたダイヤフラムは、図3に示すように、ダイヤフラムを固定する金属製のセンターディスク40がダイヤフラムの中心部41に埋め込まれており、このセンターディスク40にはネジ穴42が形成されており、該ネジ穴42にセンターロッドの先端がねじ込められて取り付けられている。ダイヤフラムは、その耐用年数がテフロン(登録商標)コーティングが施されているものであっても0.5〜1年であるため、交換が必須部品である。しかしながら、特許文献1に記載された従来のダイヤフラムは、センターディスクやナット等の締結手段でセンターロッドに取り付けられているため、ダイヤフラムの取り外し及び取り付けが複雑で時間がかかり、ダイヤフラムの交換を簡単に行うことが困難であった。また、図3に記載されたものは、センターディスク40も交換しなければならないため、交換によるコストが増大すると共に、金属インサート成形の工程が必要であるため、製造コストが増大するという問題がある。
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ダイヤフラムの取り外し及び取り付けを容易に行うことができ、もって、ダイヤフラムの交換を非常に短時間でかつ簡単に行うことができると共に、交換コスト及び製造コストを大幅に削減することができるダイヤフラムを提供することを目的とする。
本発明は、ダイヤフラムポンプ装置に用いられ、該ダイヤフラムポンプ装置のセンターロッド10に取り付けられるダイヤフラム1において、樹脂で形成された円盤状の本体部2と、前記センターロッド10が取り付けられる取付部3と、前記円盤状の本体部2の中央部にあって該本体部2と一体成形され端縁部分6が凸状に形成されてなる環状の突出部5と、前記取付部3に形設してなる凸部分であって前記環状の突出部5の前記端縁部分6と係合する前記本体部2の直径方向外方に向いた凸部分7と、前記突出部5の端縁部分6を前記本体部2の直径方向内方に向いた凸状に形成し、前記突出部5の端縁部分6と前記取付部3の前記凸部分7とを圧入によって係合させるとともに前記本体部2の前記突出部5の端縁部分6の外周に押さえリング20を圧入することにより、前記取付部3を前記本体部2に取り付けてダイヤフラム1を前記センターロッド10に固定してなることを特徴とするダイヤフラムを提供する。
請求項1に記載の発明によれば、ダイヤフラムポンプ装置に用いられ、該ダイヤフラムポンプ装置のセンターロッドに取り付けられるダイヤフラムにおいて、環状の突出部が該本体部と一体成形されており、該突出部の端縁部分は、凸状に形成されており、前記取付部には、前記突出部の端縁部分と係合する凸部分が形成されており、前記突出部の端縁部分と前記取付部の凸部分とを圧入によって係合させることにより、ダイヤフラムの取り外し及び取り付けを容易に行うことができ、もって、ダイヤフラムの交換を非常に短時間でかつ簡単に行うことができると共に、交換コスト及び製造コストを大幅に削減することができる。
以下、本発明にかかるダイヤフラムを実施するための最良の形態について図面を参照しながら述べる。図1において、符号1は、本発明に係るダイヤフラムを示している。このダイヤフラム1は、図示しないダイヤフラムポンプ装置に用いられ、該ダイヤフラムポンプ装置のセンターロッド10に取り付けられるものである。ダイヤフラム1は、テフロン(登録商標)などの樹脂で形成された円盤状の本体部2と、センターロッド10が取り付けられる金属等でできた取付部3とを備えている。
本体部2は、湾曲形状の隔膜部4を有している。この隔膜部4は、ポンプ装置内において図示しない送液室と作動流体室とを画成するためのものである。本体部2の一側面(図1において下面)の中央部には、環状の突出部5が本体部2と一体成形されており、この突出部5の端縁部分6は、凸状に形成されている。より具体的に述べると、図1に示す端縁部分6は、本体部2の直径方向の内方に向いた凸状であって横断面が概略球状(巾着状)に形成されている。この本体部2及び突出部5は、一体成形されており、削り出しあるいは一体成型によって形成されている。
一方、取付部3には、その上端に、突出部5の端縁部分6と係合するフランジ状の凸部分7が形成されている。上述のように、突出部5の端縁部分6は本体部2と同じ樹脂で形成されているため、端縁部分6を撓ませながら端縁部分6と凸部分7とを圧入によって係合させることにより、取付部3を本体部2に非常に容易にかつ簡単に取り付けることができる。取付の詳細については後述する。また、取付部3の中央部には、ネジ穴8が形成されており、このネジ穴8にセンターロッド10の先端が螺合される。
突出部5の端縁部分6の外周には、蓋状の金属等でできた押さえリング20が圧入されて取り付けられている。押さえリング20の平面中央部には、上記センターロッド10の先端が貫通する貫通口9が形成されている。従って、センターロッド10の先端は、この貫通口9を介して取付部3のネジ穴8に螺合される。
次に、ダイヤフラム1の取り付けについて説明する。まず、端縁部分6を撓ませながら突出部5の端縁部分6と取付部3の凸部分7とを圧入によって係合させて、取付部3を本体部2に取り付ける。次に、押さえリング20を突出部5の端縁部分6の外周に圧入して取り付け、最後に、センターロッド10の先端を、押さえリング20の貫通口9を介して取付部3のネジ穴8に螺合させる。一方、ダイヤフラム1の取り外しは、センターロッド10の先端を取付部3のネジ穴8から外し、貫通口9から抜く。次に、押さえリング20を突出部5の端縁部分6の外周から外し、最後に、端縁部分6を撓ませながら、端縁部分6と取付部3の凸部分7との係合状態を解いて取付部3を本体部2から取り外す。
発明が解決しようとする課題の欄で述べたように、従来においては、ダイヤフラムは、センターディスクやナット等の締結手段でセンターロッドに取り付けられているため、ダイヤフラムの取り外し及び取り付けが複雑で時間がかかり、ダイヤフラムの交換を簡単に行うことが困難であった。これに対し、本発明のダイヤフラムは、単に圧入によってセンターロッドに取り付けられているため、ダイヤフラムの取り外し及び取り付けを容易に行うことができ、もって、ダイヤフラムの交換を非常に短時間でかつ簡単に行うことができる。
突出部5の端縁部分6は、図1に示すように本体部2の直径方向の内方に向いた凸状であって横断面が概略球状に形成されたものでなくて例えば、図2に示すように、突出部5の端縁部分6は、本体部2の直径方向の外方に向いた凸状であって横断面が概略球状に形成されたものであってもよい。
また、取付部は図2に示すような形状にすることもできる。図2に示す取付部30は、図1に示す取付部3と押さえリング20とが一体に形成された形状をなしている。この取付部30を用いる場合には、センターロッド10の先端を図1に示すような貫通口9を介さずにネジ穴8に直接螺合させることができるため、ダイヤフラムの取り付け及び取り外しを更に容易に行うことができる。
また、図2に示すように、取付部30を用いる場合であって、突出部5の端縁部分6が本体部2の直径方向の外方に向いた凸状である場合には、取付部30の外壁31の高さを、取付部30の外壁31が突出部5の端縁部分6の略半分程度を覆う高さにすることにより、突出部5の端縁部分6に対する取付部3の圧入を容易に行うことができる。この場合、本体部2と取付部30の外壁31の上端との間に間隙が形成されるため、この間隙部分にスペーサー11を介在させることができる。
また、いままでに述べた突出部5は環状に形成されているが、環状に形成されていなくてもよい。すなわち、突出部5は、本体部2の一側面(図1及び図2において下面)上において環状に離散配置された複数の突出部であってもよい。この場合、各突出部の先端部分がそれぞれ凸状に形成されており、各突出部の先端部分と取付部3の凸部分7とを圧入によって係合させることにより、取付部3を本体部2に取り付けることになる。
図1は、本発明にかかるダイヤフラムの一例を示す横断面図である。 図2は、本発明にかかるダイヤフラムの別の例を示す横断面図である。 図3は、従来におけるダイヤフラムの一例を示す横断面図である。
符号の説明
1 ダイヤフラム
2 本体部
3 取付部
4 隔膜部
5 突出部
6 端縁部分
7 凸部分
8 ネジ穴
9 貫通口
10 センターロッド
11 スペーサー
20 押さえリング
30 取付部
31 外壁
40 センターディスク
41 中心部
42 ネジ穴

Claims (1)

  1. ダイヤフラムポンプ装置に用いられ、該ダイヤフラムポンプ装置のセンターロッド10に取り付けられるダイヤフラムにおいて、
    樹脂で形成された円盤状の本体部と、
    前記センターロッド10が取り付けられる取付部と、
    前記円盤状の本体部の中央部にあって該本体部と一体成形され端縁部分が凸状に形成されてなる環状の突出部と、
    前記取付部3に形設してなる凸部分であって前記環状の突出部前記端縁部分と係合する前記本体部2の直径方向外方に向いた凸部分と、
    前記突出部の端縁部分6を前記本体部の直径方向内方に向い凸状に形成し、前記突出部の端縁部分と前記取付部前記凸部分とを圧入によって係合させるとともに前記本体部2の前記突出部5の端縁部分6の外周に押さえリング20を圧入することにより、前記取付部を前記本体部に取り付けてダイヤフラム1を前記センターロッド10に固定してなることを特徴とするダイヤフラム。
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