JP3961761B2 - ティグアークトーチ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は厚板鋼材の溶接に用いられ、特に、狭開先内でのティグ(タングステン・イナート・ガス)溶接に好適に用いられるティグアークトーチに関する。
【0002】
【従来の技術】
板厚が例えば、20mmの厚板鋼材に対して開先幅が6mmというような非常に狭い溶接溝内でティグ(TIG)溶接すると、溶接変形や残留応力が小さく、しかも、溶接作業時間も短くて済むことが期待できるので、かかる分野での技術開発がいろいろと進められている。
【0003】
図7は二重ガス供給筒構造のティグトーチを用いた溶接方法を示す溶接部の断面図である。母材2の開先10の表面側に配置されたティグトーチ1はセンターノズル8と、その外側を覆うように配設されたシールドノズル3を具えていて、センターノズル8の中心部には丸針状のタングステン電極4が電極保持部材9により上下動可能に保持されている。センターノズル8の内部には上方よりタングステン電極4に沿って流下するヘリウムより成る高速のセンターガスGc が流されていて、これによりタングステン電極4先端に形成されたアークAc を冷却する共に、母材2の溶融能力の増強を図っている。また、シールドノズル3の内部には上方よりアルゴンガスより成るアウターガスGo が流下していて、溶接部を遮蔽する効果を果たしている。溶接作業時には母材2の表面側にシールドノズル3を配置し、電極保持部材9に装着されたタングステン電極4を下方に垂下させて開先10底まで届くように延ばし、その先端部に発生したアークAc により母材2を溶融して融着させる。
【0004】
ところで、母材2の板厚が例えば、50mm にもなると、電極保持部材9の先端からタングステン電極4の先端までの長さ(突出し長さ)が60mm以上になるため、例えば、300Aのアーク電流を流そうとすると、直径が3.2mmのタングステン電極4を使用しても、電極中の抵抗発熱量が多く、過熱溶融の虞があるため実用に供することはできない。従って、実際の溶接作業に用いる場合にはアーク電流は例えば、200A程度の低い電流値に設定せざるを得ず、その結果、母材溶接能力が低下し、作業効率の低下を招くことになる。
【0005】
そこで、かかる不具合の発生を回避すべく、タングステン電極4の電極に直径4.0mmのものを用いようとすると、6mmの開先幅に対して両側の間隔は1mmずつしか取ることができない。しかも、上述のように、電極中の抵抗発熱量が多いため、タングステン電極4の突出し長さの1/2位の箇所でも1000゜C近い高温になる。そして、当該箇所を電気絶縁材料で被覆することも難しいので、露出したタングステン電極4の側面をアークAc が這い上がってしまうため、溶接できなくなってしまう。
【0006】
このようなタングステン電極内部での抵抗発熱の問題を回避するための工夫として、例えば、特開平10−76367号公報にはタングステン電極として、断面形状が溶接線方向に長い長方形の板状電極を用いた発明が開示されている。図8は当該発明に係る溶接部の要部をその一部を切り欠いて示す斜視図である。同図に示すように、母材2a、2bの間に形成された狭い開先10中に図示しない電極保持部材により保持されて挿入された板状のタングステン電極4の先端部は点状に尖らせてあり、添加ワイヤ14a,14bがワイヤガイド15により案内されて送出され、タングステン電極と母材の開先底との間に生じたアークにより溶接が行われる。しかしながら、このような工夫を施してもタングステン電極4の突出し長さの1/2位の箇所はやはり1000℃近い高温になり、アークがしばしばタングステン電極4の側面を這い上がってしまう。
【0007】
また、このようなアークの這い上がりを防止した技術としては特開平10−28667号公報に、図9および図10にそれぞれ正面図および側面図として示したタングステン電極4を薄い平板状にすると共に、その先端部を残して外表面に絶縁性セラミックを溶射して被覆したティグトーチの発明が開示されている。しかし、このような特殊な電極は非常に高価であるばかりでなく、被覆したセラミックが熱履歴により剥がれ易く耐久性に乏しいという欠点がある。このように、母材の間に形成された開先間に長く延ばしたタングステン電極を挿入して母材を溶接する溶接方式は開先幅が例えば、6mm以下のように狭く、母材の板厚が例えば、100mmを越えるような、従って、開先底が深い鋼材の溶接を行う場合には上述のように、タングステン電極内部での抵抗発熱量が多過ぎて適用することができない。
【0008】
そこで、本発明者等は母材の板厚が100mmを越すような鋼材の溶接に適した狭開先ティグ溶接方法を開発し、特公平3−69629号公報に開示した。図11および図12はそれぞれ同公報に開示された発明に係るティグトーチ1の正面図および側面図である。電極保持部材9により終端が締着されたタングステン電極4はティグトーチ1の先端に取り付けられ、水冷された銅製の通電チップ19に穿設された丸孔191内に挿通され、これに平行に設けられた板ばね20に突設された突起201が押圧接触して通電するような構造になっている。なお、電極保持部材9は上下動可能に支持されていて、溶接作業中にも タングステン電極4の突出し長さを調整できるようになっている。そして、タングステン電極4の先端と添加ワイヤ14の先端付近には遮蔽ガスノズル23a,23bから遮蔽ガスが吹き付けるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術では、図12に示すティグトーチ1の厚さは通電チップ19の厚さと同じであり、通電チップ19はタングステン電極4の周囲を囲むような構造になっているので、通電チップ19の厚さはタングステン電極4の直径よりも片側で1mm 、両側で2mm 位厚くなる。例えば、直径2.4mmのタングステン電極4を用いた時は、通電チップ19の厚さは約4mmになり、直径3.2mmのタングステン電極4を用いた時は、通電チップ19の厚さは約5mmになる。従って、これらのティグトーチ1は開先幅が7mm〜14mm程の開先の溶接には適しているが、開先幅が6mm以下の開先の溶接には適しておらず、敢えてこのような狭い開先幅の開先の溶接に用いる場合は、アーク電流を250A以下の低電流としなければならなかった。
【0010】
このように、従来技術は開先内に長いタングステン電極4を挿入して溶接することを基本にしているため、大きなアーク電流で開先幅が6mm以下の開先の溶接を行うことは困難であり、長いタングステン電極4の側面を絶縁被覆することも難しかった。また、狭い開先幅の開先の溶接を行うための工夫として提案された板状電極やセラミック被覆したタングステン電極は非常に高価であるため、実用的ではなかった。
【0011】
本発明の目的は狭くて底の深い開先であっても大きなアーク電流によるティグ溶接を安価にかつ容易に行うことができ、タングステン電極の側面にアークが発生するのを防止できるティグアークトーチを提供することにある。また、本発明の他の目的は1本のタングステン電極の焼損寿命を延長できると共に、タングステン電極の先端が母材に融着してもタングステン電極を電極保持部材から容易に取り外すことができるティグアークトーチを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の第1の手段は、内部を循環する冷却水により冷却され、タングステン電極を先端部から露出した状態で保持する電極保持部材と、該電極保持部材に嵌入して保持されるタングステン電極と、前記電極保持部材の下端部の前記タングステン電極に対向する位置に設けられた添加ワイヤと、前記タングステン電極と母材の開先底との間に生じたアーク近傍に不活性ガスを吹き出させるガス孔とを有し、母材の開先中に挿入して溶接するティグアークトーチにおいて、前記タングステン電極は前記電極保持部材の前記開先の側壁側に露出した状態で保持されることを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記電極保持部材の開先幅方向の厚さは前記タングステン電極の露出部分の径以下であることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、前記タングステン電極は電極保持部材の下端部に穿設された電極保持溝内に嵌入し、該電極保持溝に対する押圧力により圧接保持されたことを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1の手段において、一端が前記電極保持部材の内部で前記タングステン電極の後端部に当接し、該タングステン電極の後端位置を調整すべく、上下動可能に保持された突出し部材を有したことを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第1の手段において、前記タングステン電極が直接前記開先の側壁に接触するのを防止すると共に、タングステン電極を開先の側壁に倣って移動するための絶縁性の案内ピンを前記電極保持部材に設けたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の実施例に係るティグアーク溶接トーチの正面図、図2は同じく、ティグアーク溶接トーチの開先中に挿入された状態での側面図、図3は図1の切断線A−Aに沿ったティグトーチ1の断面図である。これらの図において、5は図示しないトーチスタンドに支持され、図示しないアーク電源からのアーク電流が導かれる黄銅製の中継ブロック、6は内部に遮蔽ガスが流出する高さが40mm程の遮蔽筒、7は一端が中継ブロック5に一体的に支持され、他端がクロム銅から成る電極保持部材9を保持する支柱、11は中継ブロック5から支柱7に沿って配置されたガイド管、12はガイド管11内に挿入され、電極保持部材9内部まで進入して他端がタングステン電極4の上端に当接する硬質ピアノ線から成る突出し線、13a,13bは中継ブロック5に一端がろう付け支持されて他端が電極保持部材9に連結された2本の冷却水管、16は同様に中継ブロック5に一端がろう付け支持されて他端が電極保持部材9に連結されたワーキングガス管である。
【0014】
また、21はタングステン電極4を側面から押し付ける耐熱性の板ばね20を電極保持部材9に係止する係止ピン、51は中継ブロック5に螺着されて突出し線12の一端が固定され、回転操作することによりタングステン電極4の突出し長さを例えば、15mmに調整するための調整撮み、90は電極保持部材9の中央部に穿設され、そこに嵌入したタングステン電極4を保持する電極保持溝、91は電極保持部材9中に穿設され、接続された冷却水管13a,13bを経て供給された電極保持部材9を冷却するための冷却水が通過する冷却水路、92は電極保持部材9中に穿設され、接続されたワーキングガス管16から供給されたヘリウムガスから成るワーキングガスをタングステン電極4の横からアーク発生部に向けて流出させるガス孔である。従来例と同一または同一とみなせる箇所には同一の符号を附して重複する説明を省略する。
【0015】
本実施例では直径が3.2mmのタングステン電極4を使用する時は厚さ3mmの電極保持部材9を用いて、その電極保持溝90内に保持する。支柱7、ガイド管11、冷却水管13a,13b、ワーキングガス管16および板ばね20の開先幅方向の各寸法は全て電極保持部材9の厚さ以下に設定されている。また、これらの高さ方向の寸法を設定することにより、ティグトーチ1の長さ寸法を任意の値に選定することができる。中継ブロック5と母材2a,2b表面との間に配置される遮蔽筒6の高さを40mm、中継ブロック5の下端からタングステン電極4の先端までの長さを200mmとした時には、板厚が150mmの母材2a,2bであっても、その開先底までタングステン電極4の先端を到達させて開先底との間にアークを発生させることができる。
【0016】
次に、本実施例の動作を説明する。始めに、狭い開先10底で高周波アーク溶接を開始すると、しばしばティグトーチ1の側面からアークが発生することがあるので、タングステン電極4の先端を開先10底まで下降させて、一旦、母材2a,2bと接触させてから通電を開始させ、その儘ティグトーチ1を引き上げてアークをタングステン電極4の先端から発生させる、いわゆる、収縮始動法が採用されている。この収縮始動を開始する際に、タングステン電極4は母材2によって押されるが、タングステン電極4の後端が突出し線12の先端に当接しているだけなので、タングステン電極4の突出し長さが短くなることはない。
【0017】
本実施例ではタングステン電極4の後端を突出し線12の先端に単に当接させているだけなので、例えば、収縮始動開始時等の誤操作によりタングステン電極4の先端が母材2に融着した場合に、アーク電流の供給を絶った後でティグトーチ1を引き上げるだけで、タングステン電極4をティグトーチ1から分離させることができる。従って、融着したタングステン電極4の取外し作業をティグトーチ1に損傷を与えることなく行うことができる。
【0018】
また、タングステン電極4は板ばね20によって電極保持部材9の電極保持溝90内に強めに押し付けられているだけなので、その交換を行う場合は、簡単に手で引き抜き、あるいは押し込み挿入するだけで済むから、交換作業に要する労力と時間を省くことができる。タングステン電極4の長さが例えば、10mm短くなっても、中継ブロック5の調整撮み51を回して突出し線12を下降させ、突出し長さを15mmに調整することができるから、タングステン電極4の繰り返し使用寿命を延ばすことができる。
【0019】
本実施例のタングステン電極4は通常は10〜15mm程の短い突出し長さで使用されるので、大きなアーク電流を流しても、タングステン電極4内部の抵抗発熱量は多くならないから、開先底が深くても、アーク電流はタングステン電極4の直径に見合った常用の値以上に設定することができる。なお、タングステン電極4の突出し長さは30mm程度までなら、流す最大アーク電流が多少低下するものの、溶接作業に特に支障は生じない。しかし、タングステン電極4の突出し長さが50mm以上になると、タングステン電極4は過熱されるため、溶接作業に支障が生じる。
【0020】
中継ブロック5および電極保持部材9は冷却水により冷やされているので、200°C程に予熱された母材2の開先10中にティグトーチ1を挿入した場合でも、ティグトーチ1は中間部を含めて60°C以下に保たれているから、例えば、厚さが0.2mm位の安価な薄い耐熱性ガラステープで全体を捲くだけで、簡単かつ安価にティグトーチ1と開先10との間の電気絶縁を確保できる。従って、誤ってティグトーチ1が開先10壁面に接触したときでも、ティグトーチ1側面からアークが発生することはない。
【0021】
開先幅が6mmというような極めて狭い開先中でアーク溶接を行う場合は、従来は開先深さの影響を受けるので、アークの母材溶融能力を高めるために高価なヘリウムあるいはヘリウムを混合したアルゴンガスをワーキングガスとして用いなければならなかったが、本実施例ではタングステン電極4の先端から発生するアークの直近の電極保持部材9の下端からアーク部分に向けて、1:1の比のヘリウム・アルゴン混合ガスが吹き出すと共に、遮蔽筒6からアルゴンガスが流出するようになっているので、溶接作業の施工費用を低減できる。
【0022】
次に、本実施例のティグトーチ1の構造をより簡素化した変形例について説明する。図4は本実施例の変形例に係るティグアーク溶接トーチの正面図、図5は図4の切断線B−Bに沿ったティグトーチ1の断面図である。これらの図において、17は一端が中継ブロック5に一体的に固定され、他端に電極保持部材9がろう付けされた厚さ3mmの黄銅から成る中間部材、93は電極保持部材9の下端部に嵌合する窒化珪素から成る長さ4.5mmの案内ピン、171は中間部材17中に刳り貫き形成された冷水が流れる冷却水路である。
【0023】
中間部材17は電極保持部材9にアーク電流を導く機能と電極保持部材9を中継ブロック5に対して支持する機能を兼ね具えているので、本実施例のティグトーチ1よりも丈夫な作りになっている。電極保持部材9の構成および機能は本実施例のものと殆ど変わらない。しかし、この変形例では先の実施例の突出し線12に相当する部材を具えていないので、タングステン電極4の後端が電極保持部材9に直接当接するようになっており、タングステン電極4が消耗すると、その突出し長さが短くなるという欠点がある。
【0024】
図5に示すように、案内ピン93は電極保持部材9の幅より長く、主面より突出形成されているので、タングステン電極4や中間部材17が直接開先10側壁に接触するのを防止すると共に、開先10を倣う機能を具えている。なお、アーク電流を例えば、350A流す場合は、タングステン電極4は直径が3.2mmのもの、電極保持部材9は厚さが3mmのものを用い、アーク電流が250A以下の場合は、タングステン電極4は直径が2.4mmのもので良く、電極保持部材9は厚さが2.5mmのものを用いる。
【0025】
図6は直径が4mmのタングステン電極4を研削して小径部の幅を2.5mmとしたものの径方向の断面図である。このような扁平形状あるいは板状のタングステン電極4を用いると、電極保持部材9として厚さがタングステン電極4の小径部の厚さと同じ2.5mmのものを用いても、アーク電流を例えば、350A流すことができる。この場合はティグトーチ1の厚さを薄くできるので、溶接作業をよりし易くなるという利点がある。なお、電極保持部材9の厚さは4mm以上になると、開先幅が例えば、6mmのように極めて狭い開先10内では使用できなくなる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、タングステン電極が電極保持部材の開先の側壁側に露出した状態で保持されるようにしたので、狭くて底の深い開先であっても大きなアーク電流によるティグ溶接を安価にかつ容易に行うことができ、タングステン電極の側面にアークが発生するのを防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、電極保持部材の開先幅方向の厚さをタングステン電極の露出部分の径以下としたので、狭くて底の深い開先であっても大きなアーク電流を流すことができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、タングステン電極は電極保持部材の下端部に穿設された電極保持溝内に嵌入し、該電極保持溝に対する押圧力により圧接保持されるようにしたので、タングステン電極の先端が母材に融着してもタングステン電極を電極保持部材から容易に取り外すことができる。
請求4項記載の発明によれば、一端が電極保持部材の内部でタングステン電極の後端部に当接し、該タングステン電極の後端位置を調整すべく、上下動可能に保持された突出し部材を有したので、タングステン電極の突出し長さを一定に保つことができるから、1本のタングステン電極の焼損寿命を延長できる。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、電極保持部材に絶縁性の案内ピンを設けたので、タングステン電極が開先側壁に接触するのを確実に防止できると共に、タングステン電極を開先壁面に倣って移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るティグアーク溶接トーチの正面図
【図2】同じく、ティグアーク溶接トーチの開先中に挿入された状態での側面図
【図3】図1の切断線A−Aに沿ったティグトーチの断面図
【図4】本実施例の変形例に係るティグアーク溶接トーチの正面図
【図5】図4の切断線B−Bに沿ったティグトーチの断面図
【図6】研削して小径部を形成したタングステン電極の径方向の断面図
【図7】従来例に係る二重ガス供給筒構造のティグトーチを用いた溶接方法を示す溶接部の断面図
【図8】他の従来例に係る溶接部の要部をその一部を切り欠いて示す斜視図
【図9】薄い平板状にしたタングステン電極を示す正面図
【図10】同じく、その側面図
【図11】従来例に係るティグトーチの正面図
【図12】同じく、ティグトーチの側面図
【符号の説明】
1 ティグトーチ
2(a,b) 母材
4 タングステン電極
5 中継ブロック
6 遮蔽筒
7 支柱
9 電極保持部材
10 開先
11 ガイド管
12 突出し線
17 中間部材
20 板ばね
51 調整撮み
90 電極保持溝
91 冷却水路
92 ガス孔
93 案内ピン
Claims (5)
- 内部を循環する冷却水により冷却され、タングステン電極を先端部から露出した状態で保持する電極保持部材と、該電極保持部材に嵌入して保持されるタングステン電極と、前記電極保持部材の下端部の前記タングステン電極に対向する位置に設けられた添加ワイヤと、前記タングステン電極と母材の開先底との間に生じたアーク近傍に不活性ガスを吹き出させるガス孔とを有し、母材の開先中に挿入して溶接するティグアークトーチにおいて、
前記タングステン電極は前記電極保持部材の前記開先の側壁側に露出した状態で保持されることを特徴とするティグアークトーチ。 - 請求項1に記載のティグアークトーチにおいて、前記電極保持部材の開先幅方向の厚さは前記タングステン電極の露出部分の径以下であることを特徴とするティグアークトーチ。
- 請求項1に記載のティグアークトーチにおいて、前記タングステン電極は電極保持部材の下端部に穿設された電極保持溝内に嵌入し、該電極保持溝に対する押圧力により圧接保持されたことを特徴とするティグアークトーチ。
- 請求項1に記載のティグアークトーチにおいて、一端が前記電極保持部材の内部で前記タングステン電極の後端部に当接し、該タングステン電極の後端位置を調整すべく、上下動可能に保持された突出し部材を有したことを特徴とするティグアークトーチ。
- 請求項1に記載のティグアークトーチにおいて、前記タングステン電極が直接前記開先の側壁に接触するのを防止すると共に、タングステン電極を開先の側壁に倣って移動するための絶縁性の案内ピンを前記電極保持部材に設けたことを特徴とするティグアークトーチ。
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