JP3961661B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気圧縮機,真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばスクロール式空気圧縮機は、ケーシング、駆動軸、旋回スクロール、固定スクロールおよび自転防止機構から大略構成されている。ここで、駆動軸の先端側はケーシング内に伸長してクランクとなると共に、駆動軸はケーシングに回転可能に設けられている。また、旋回スクロールは駆動軸のクランクに旋回軸受を介して旋回可能に設けられると共に、固定スクロールは旋回スクロールに対向して前記ケーシングに設けられ、旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部との間には複数の圧縮室が形成されている。また、旋回スクロールと固定スクロールとの間には補助クランク等の自転防止機構が設けられ、自転防止機構は旋回スクロールの自転を防止している。ここで、旋回スクロールは、製造公差、組付公差等によって、ケーシング内で該旋回スクロールが旋回するときの中心、即ちケーシングの中心(以下、旋回中心という)が駆動軸の軸線上から僅かにずれることがある。このため、旋回スクロールの旋回中心の位置は各圧縮機毎に僅かに異なる位置となっている。
【0003】
このような従来技術によるスクロール式空気圧縮機は、駆動軸をモータ等により回転駆動すると、この駆動軸の回転は、クランクから旋回軸受を介して旋回スクロールに伝えられ、該旋回スクロールは、自転防止機構によって自転運動を防止されつつ、旋回中心の周囲で旋回運動する。このとき、固定スクロールの軸中心と旋回スクロールの旋回中心とはほぼ一致するように組み付けられており、旋回スクロールは固定スクロールの軸中心の周囲で旋回運動する。そして、この旋回運動によって各スクロール間に形成される圧縮室は連続的に縮小し、これにより、スクロール式空気圧縮機は、吸込口から吸込んだ空気を各圧縮室で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出口から外部の空気タンク等に吐出する。
【0004】
ここで、スクロール式空気圧縮機の圧縮効率を高めるためには、旋回スクロールと固定スクロールとの間に形成される複数の圧縮室同士が連通して圧縮空気の漏洩するのを防止する必要がある。このため、旋回スクロールと固定スクロールとの各ラップ部のうち、各ラップ部が最も接近する部分の隙間はきわめて微小な寸法に設定されている。また、各ラップ部間の隙間は固定スクロールの軸中心と旋回スクロールの旋回中心とが一致しているときを基準に設定されている。このため、組付け時において、固定スクロールの軸中心と旋回スクロールの旋回中心とが一致せず、僅かにずれたときでも、旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とが接触し、各ラップ部が損傷してしまうおそれがある。
【0005】
従って、従来技術によるスクロール式空気圧縮機では、固定スクロールの軸中心と旋回スクロールの旋回中心とを正確に一致させるために、熟練した作業員による手作業によって固定スクロールと旋回スクロールとの位置決め作業を行っている。
【0006】
即ち、まず、旋回スクロールをケーシング内に組付けると共に、旋回スクロールに固定スクロールを対向させ、固定スクロールをケーシングに対して変位可能な状態で配設する。そして、作業者は駆動軸を手動によって回転させ、旋回スクロールをゆっくりと回転させる。このとき、作業員は旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とが互いに接触しているか否かを、旋回スクロールを回転させたときに微小な摩擦抵抗による感触等から経験に基づいて判断し、固定スクロールの位置を手動で変位させる。これにより、固定スクロールと旋回スクロールとの位置決めを行い、固定スクロールをケーシングに固定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来技術によるスクロール式空気圧縮機では、固定スクロールと旋回スクロールとの位置決めを熟練した作業者の手動操作によって行っているため生産性が低下し、量産化が困難であるという問題がある。
【0008】
このため、本発明者達は鋭意検討の結果、次のようにして固定スクロールと旋回スクロールとの隙間を調整することを考えた。
【0009】
具体的には、まず固定スクロールの外周側には軸中心から予め決められた離間寸法Lをもって少なくとも2か所以上に固定スクロールをケーシングに接続するための接続孔を設ける。
【0010】
次に、旋回スクロールをケーシングに組み付けた状態で、旋回スクロールの旋回中心の位置を計測する。そして、ケーシングには、この計測により求めた旋回中心の位置から前記離間寸法Lだけ離れた位置に固定スクロールの接続孔に対応した接続孔を設ける。
【0011】
最後に、固定スクロールの接続孔とケーシングの接続孔とを一致させてボルト等によって固定スクロールをケーシングに固定する。これにより、固定スクロールの軸中心と旋回スクロールの旋回中心とを正確に一致させることができる。
【0012】
ここで、このようにして固定スクロールと旋回スクロールとの隙間を調整する場合、ケーシングに旋回スクロールを組み付けた状態で旋回スクロールの旋回中心の位置を正確に求める必要がある。そして、旋回中心の位置はケーシングに組み付けられた旋回スクロールを旋回させ、旋回運動するラップ部の位置を計測することによって求める。しかし、旋回スクロールのラップ部はインボリュート曲線となっているため、その位置の計測が難しく、旋回中心の位置を正確に求めることができないという未解決な問題がある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は製造時、組立時に固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との隙間を適正に調整できると共に、生産性を向上できるようにしたスクロール式流体機械を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、筒状のケーシングと、鏡板の内周側に渦巻状のラップ部が立設され、鏡板の外周側が該ケーシングに固定された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に軸支され、先端側がクランクとなった駆動軸と、前記ケーシング内に位置して該駆動軸のクランクに回転可能に設けられ、前記固定スクロールに対向した鏡板に渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールとからなり、該旋回スクロールを前記固定スクロールに対して自転することなく旋回運動させ、前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に形成される複数の圧縮室内の圧縮流体を移送するスクロール式流体機械に適用される。
【0015】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、旋回スクロールのラップ部の最外周側側面には旋回スクロールの旋回中心の位置を計測するための目印となる平坦部を設けたことにある。
【0016】
このように構成したことにより、旋回スクロールをケーシングに組み付けた状態で旋回運動させたときに、平坦部の表面が平面となっているから、表面が曲面となったときに比べて、ラップ部の最外周側側面に設けた平坦部の位置を容易に計測することができる。このため、旋回スクロールの旋回運動に伴って変位する平坦部の位置に基づき、旋回スクロールの旋回中心の位置を正確に求めることができる。
【0017】
また、請求項2の発明は、平坦部は前記旋回スクロールのラップ部の周方向に向けて一定の長さ寸法に亘って延び、該長さ寸法は前記旋回スクロールの旋回半径の2倍以上に設定したことにある。
【0018】
これにより、平坦部の一部を一方向から計測しているときに、旋回スクロールの旋回運動によって平坦部が旋回半径と同一の半径をもって円運動しても、平坦部の位置を常時計測することができ、旋回スクロールの旋回中心を求める精度を向上させることができる。
【0019】
また、請求項3の発明は、平坦部を旋回スクロールのラップ部に少なくとも2個以上設けたことにある。
【0020】
上記構成により、平坦部の位置を2か所で計測することができ、こららの2か所の平坦部の計測結果に基づき、旋回スクロールの旋回中心までの距離を少なくとも2つの方向から求めることができる。これにより、旋回中心の位置を正確に求めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械として、空気圧縮機を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0022】
図において、1は段付筒状に形成されたスクロール式空気圧縮機のケーシングで、該ケーシング1は、大径筒部1Aと、該大径筒部1Aの一端側を縮径し、外側に向けて突出するように形成された小径な軸受筒部1Bと、該軸受筒部1Bと前記大径筒部1Aとの間に形成された環状部1Cとから大略構成されている。そして、大径筒部1Aの内周側にはスラスト受部1Dが径方向内向きに突出して形成され、該スラスト受部1Dは、後述の旋回スクロール14の背面に摺接してスラスト方向の荷重を受承している。また、ケーシング1の他端側は開口すると共に、この開口側には後述の固定スクロール3を固定するためのフランジ部1Eが設けられている。
【0023】
2,2はケーシング1のフランジ部1Eに形成された例えば2つの貫通孔で、該各貫通孔2は、図2に示すように後述の固定スクロール3の軸中心A−Aとケーシング1の旋回中心B−Bとを一致させるために、例えば旋回中心B−Bから予め決められた離間寸法L1 だけ離間した位置に穿設されている。
【0024】
3はケーシング1の他端側を施蓋するようにフランジ部1Eに衝合して固定された固定スクロールで、該固定スクロール3は、円板状に形成された鏡板4と、該鏡板4の内周側に設けられ渦巻状のラップ部5と、前記鏡板4の外周側に設けられフランジ部1Eに衝合するフランジ部6とから構成されている。そして、固定スクロール3のラップ部5は、歯底4Aから立設されると共に、軸中心A−A側が内端となり、外周側が外端となっている。
【0025】
また、固定スクロール3のラップ部5は、軸中心A−Aを基準として加工され、固定スクロール3の軸中心A−Aとケーシング1の旋回中心B−Bとが一致したときに、固定スクロール3のラップ部4と旋回スクロール14のラップ部16との隙間が最小となる。また、ラップ部5の歯先には後述のチップシール22が装着されるシール溝5Aが設けられ、鏡板4の軸中心A−A付近には圧縮空気を吐出するための吐出口7が穿設されている。
【0026】
8,8は固定スクロール3のフランジ部6に形成された例えば2つの貫通孔で、該各貫通孔8は、例えば軸中心A−Aから離間寸法L1 だけ離間した位置に穿設され、ケーシング1の貫通孔2に対向可能となっている。そして、固定スクロール3の貫通孔8には、ケーシング1の貫通孔2と共にボルト9が挿通され、該ボルト9にナット10を締着されている。これにより、固定スクロール3はケーシング1に固定されている。
【0027】
11はケーシング1の軸受筒部1B内に軸受12,13を介して回転可能に設けられた駆動軸を示し、該駆動軸11は、図1に示すようにその先端側がケーシング1の大径筒部1A内へと伸長するクランク11Aとなっている。そして、クランク11Aは、その軸線O2 −O2 が前記駆動軸11の軸線O1 −O1 に対して偏心量εだけ偏心するように配設されると共に、該クランク11Aは後述の旋回軸受18を介して旋回スクロール14に連結されている。
【0028】
また、該駆動軸11の基端側は、前記軸受筒部1Bから外部に突出し、その突出端がプーリ等を介して駆動源となる電動モータ(いずれも図示せず)に接続され、該電動モータにより回転駆動される。
【0029】
14はケーシング1の他端側に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示し、該旋回スクロール14は、円板状に形成された鏡板15と、該鏡板15の内周側に設けられた渦巻状のラップ部16と、鏡板15の背面側中央に設けられたボス部17とから構成されている。また、旋回スクロール14のラップ部16は、鏡板15の歯底15Aから立設されると共に、クランク11Aの軸線O2 −O2 に対応した中心側が内端となり、外周側が外端となっている。そして、ラップ部16の歯先には後述のチップシール23が装着されるシール溝16Aが設けられている。また、ボス部17内にはクランク11Aがころ軸受からなる旋回軸受18を介して取付けられている。
【0030】
ここで、鏡板15の背面外周側には、オルダム継手、補助クランク等の自転防止機構(図示せず)が設けられている。そして、駆動軸11が回転駆動したときに、旋回スクロール14は、自転防止機構によって自転が防止されつつ、クランク11Aによって偏心量εの旋回半径をもった円運動が与えられる。これにより、旋回スクロール14は、旋回中心B−Bの周囲で旋回運動する。そして、旋回スクロール14の旋回中心B−Bと固定スクロール3の軸中心A−Aとが一致しているときに、旋回スクロール14のラップ部16は、固定スクロール3のラップ部5との間の隙間が最小となるものである。
【0031】
また、旋回スクロール14のラップ部16は、固定スクロール3のラップ部5と例えば180度程度の所定角度だけずらして重なり合うように対向して配設され、固定スクロール3のラップ部5との間に複数の圧縮室19,19,…を画成する。また、圧縮室19のうち最外周側(最低圧側)の圧縮室19は、固定スクロール3に設けられた吸込口(図示せず)と連通すると共に、最中央側(最高圧側)の圧縮室19は、吐出口7と連通している。このため、旋回スクロール14が旋回するときに、各ラップ部5,16の最外周側に設けた吸込口(図示せず)から圧縮室19内に空気を吸込むと共に、各圧縮室19は連続的に縮小して空気を圧縮し、圧縮室19内の圧縮空気を吐出口7に向けて移送する。
【0032】
20は旋回中心B−Bの位置を計測するときの目印となる切欠状の第1の平坦部で、該平坦部20は、図3に示すように固定スクロール3のラップ部5の内周側側面5Bが摺接することがないラップ部16の最外周側側面16Bに配設されている。
【0033】
そして、平坦部20は、ラップ部16の周方向に向って予め決められた長さ寸法L2 に亘って延び、この長さ寸法L2 は旋回半径となる偏心量εの2倍以上の長さ(L2 ≧2×ε)に設定されている。また、平坦部20は、クランク11Aの軸線O2 −O2 から予め決められた長さ寸法L3 だけ離間すると共に、平坦部20の表面は、図4に示すように軸線O2 −O2 を通る線Y1 −Y1 に直交した平面となっている。さらに、平坦部20は、図5に示すように鏡板15の歯底15Aから歯先に向って延びるラップ部16の高さ方向全体に亘って設けられている。
【0034】
21は旋回中心B−Bの位置を計測するときの目印となる切欠状の第2の平坦部で、該平坦部21は、第1の平坦部20よりもラップ部16の外端側に位置して、図3に示すようにラップ部16の最外周側側面16Bに配設されている。
【0035】
そして、平坦部21は、ラップ部16の周方向に向って予め決められた長さ寸法L4 に亘って延び、この長さ寸法L4 は旋回半径となる偏心量εの2倍以上の長さ(L4 ≧2×ε)に設定されている。また、第2の平坦部21は、軸線O2 −O2 を挟んで第1の平坦部20と対向しない位置に配設されている。このため、第1,第2の平坦部20,21は、軸線O2 −O2 を通る異なる線Y1 −Y1 ,X1 −X1 上に設けられている。また、平坦部21は、軸線O2 −O2 を中心として第1の平坦部20と例えば90度程度の角度をもって配設されている。
【0036】
一方、平坦部21はクランク11Aの軸線O2 −O2 から予め決められた長さ寸法L5 だけ離間すると共に、平坦部21の表面は、軸線O2 −O2 を通る線X1 −X1 に直交した平面となっている。さらに、平坦部21は、第1の平坦部20と同様に鏡板15の歯底15Aから歯先に向って延びるラップ部16の高さ方向全体に亘って設けられている。
【0037】
22,23は固定スクロール3と旋回スクロール14のラップ部5,16のシール溝5A,16Aに装着されたシール部材としてのチップシールで、該チップシール22,23は、弾性樹脂材料によって長尺の紐状に形成され、ラップ部5,16の歯先に沿って渦巻状に延びている。そして、チップシール22,23は、旋回動作する間、相手方となる鏡板15,4の歯底15A,4Aに摺接することにより、各圧縮室19間を機密にシールし、高圧側の圧縮室19から低圧側の圧縮室19側に向けて圧縮空気が漏洩するのを防止している。
【0038】
24は駆動軸11に固着されたバランスウェイトで、該バランスウェイト24は駆動軸11の回転バランスをとるものである。
【0039】
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、駆動軸11をプーリ等を介して電動モータによって回転駆動すると、この駆動軸11の回転は、クランク11Aから旋回軸受18を介して旋回スクロール14に伝えられ、該旋回スクロール14は、自転防止機構(図示せず)によって自転運動を防止しつつ、旋回中心B−Bの周囲で旋回(公転)運動する。そして、この旋回運動によって、各ラップ部5,16との間に画成される各圧縮室19は連続的に縮小し、これにより、当該スクロール式空気圧縮機は、吸込口から吸込んだ空気を該各圧縮室19で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出口7から外部の空気タンク(図示せず)等に吐出する。
【0040】
次に、本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機について、固定スクロール3の軸中心A−Aと旋回スクロール14の旋回中心B−Bとの位置合せ方法について、図6ないし図9を参照しつつ説明する。
【0041】
まず、図6に示すようにケーシング1に旋回スクロール14を組付けると共に、各平坦部20,21と対向した位置にギャップセンサ、レーザ変位計、ダイヤルゲージ等からなる第1,第2の測定器25,26を配設する。そして、旋回スクロール14を旋回運動させ、図6に示すように第1の平坦部20が第1の測定器25に最も接近したときの距離寸法L6 を測定する。このとき、クランク11Aの軸線O2 −O2 は、線Y2 −Y2 の方向に対して旋回中心B−Bから第1の測定器25側に向けて最も接近した位置に移動している。
【0042】
次に、旋回スクロール14を旋回運動させ、図7に示すように第1の平坦部20が第1の測定器25に最も離間したときの距離寸法L7 を測定する。このとき、クランク11Aの軸線O2 −O2 は、線Y2 −Y2 の方向に対して旋回中心B−Bから第1の測定器25側に向けて最も離間した位置に移動している。
【0043】
このため、測定した2つの距離寸法L6 ,L7 の平均値と、第1の平坦部20とクランク11Aの軸線O2 −O2 との長さ寸法L3 とを加算することによって、測定器25から旋回中心B−Bまでの線Y2 −Y2 の方向に対する距離寸法D1 を以下の数1に示すようにして求めることができる。
【0044】
【数1】
Figure 0003961661
【0045】
ここで、旋回スクロール14の旋回運動によって、平坦部20は線X2 −X2 の方向に向けて最大で偏心量εの2倍まで変位する。しかし、第1の平坦部20の長さ寸法L2 を、旋回半径となる偏心量εの2倍以上の長さ(L2 ≧2×ε)に設定したから、平坦部20に測定器25を確実に対向させることができる。このため、平坦部20の位置を測定器25によって常時計測することができ、距離寸法L6 ,L7 の測定精度を高めることができる。
【0046】
一方、旋回スクロール14を旋回運動させ、図8に示すように第2の平坦部21が第2の測定器26に最も接近したときの距離寸法L8 を測定する。このとき、クランク11Aの軸線O2 −O2 は、線X2 −X2 の方向に対して旋回中心B−Bから第2の測定器26側に向けて最も接近した位置に移動している。
【0047】
次に、旋回スクロール14を旋回運動させ、図9に示すように第2の平坦部21が第2の測定器26に最も離間したときの距離寸法L9 を測定する。このとき、クランク11Aの軸線O2 −O2 は線X2 −X2 の方向に対して旋回中心B−Bから第2の測定器26側に向けて最も離間した位置に移動している。
【0048】
このため、測定した2つの距離寸法L8 ,L9 の平均値と、第2の平坦部21とクランク11Aの軸線O2 −O2 との長さ寸法L5 とを加算することによって、測定器26から旋回中心B−Bまでの線X2 −X2 の方向に対する距離寸法D2 を以下の数2に示すようにして求めることができる。
【0049】
【数2】
Figure 0003961661
【0050】
ここで、旋回スクロール14の旋回運動によって、平坦部21は線X2 −X2 の方向に向けて最大で偏心量εの2倍まで変位する。しかし、第2の平坦部21の長さ寸法L4 を、旋回半径となる偏心量εの2倍以上の長さ(L4 ≧2×ε)に設定したから、平坦部21に測定器26を確実に対向させることができる。このため、平坦部21の位置を測定器26によって常時計測することができ、距離寸法L8 ,L9 の測定精度を高めることができる。
【0051】
そして、このようにして求めた2つの方向からの距離寸法D1 ,D2 を用いることによって、旋回中心B−Bの位置を特定することができる。このため、ケーシング1の貫通孔2は、旋回中心B−Bから離間寸法L1 だけ離れた位置に正確に形成することができる。従って、ケーシング1の貫通孔2と固定スクロール3の貫通孔8とにボルト9を挿通させることによって、固定スクロール3の軸中心A−Aを、旋回スクロール14の旋回中心B−Bに正確に位置合せすることができる。
【0052】
また、固定スクロール3の軸中心A−Aと旋回スクロール14の旋回中心B−Bとが正確に位置合せされているから、旋回スクロール14のラップ部16と固定スクロール3のラップ部5との間の隙間を小さくすることができる。このため、旋回スクロール14と固定スクロール3との間に形成される複数の圧縮室19は、これらが互いに連通することがなくなる。これにより、圧縮空気の漏洩するのを防止することができ、当該スクロール式空気圧縮機の圧縮効率を高めることができる。
【0053】
かくして、本実施の形態によれば、旋回スクロール14のラップ部16には表面が平面となった第1,第2の平坦部20,21を設けたから、表面が曲面となったときに比べて、平坦部20,21の位置を容易に計測することができる。このため、旋回スクロール14を旋回させつつ、各平坦部20,21の位置を計測することによって、容易に旋回スクロール14の旋回中心B−Bの位置を求めることができる。
【0054】
これにより、固定スクロール3の軸中心A−Aを、旋回スクロール14の旋回中心B−Bに位置合せすることができ、軸中心A−Aと旋回中心B−Bとが位置合せされた状態で、固定スクロール3をケーシング1に固定することができる。従って、旋回スクロール14のラップ部16と固定スクロール3のラップ部5とは、これらの間の隙間を小さくすることができ、当該スクロール式空気圧縮機の圧縮効率を高めることができる。
【0055】
しかも、平坦部20,21によって旋回スクロール14の旋回中心B−Bの位置を容易に求めることができるから、固定スクロール3をケーシング1に固定する際の組立性、生産性を向上することができる。
【0056】
また、第1,第2の平坦部20,21は、固定スクロール3のラップ部5の内周側側面5Bが摺接することがないラップ部16の最外周側側面16Bに配設されているから、平坦部20,21を通じて圧縮室19が連通するのを防止することができ、高い圧縮効率を維持することができる。
【0057】
また、第1,第2の平坦部20,21の長さ寸法L2 ,L4 は偏心量εの2倍以上の長さに設定したから、旋回スクロール14を旋回させたときに、測定器25,26によって常時平坦部20,21の位置を計測することができ、旋回中心B−Bの位置を求める精度を高めることができる。
【0058】
さらに、旋回スクロール14のラップ部16には2個の平坦部20,21を設け、平坦部20,21はクランク11Aの軸線O2 −O2 を中心として互いに異なる2つの方向に配設している。従って、旋回スクロール14を旋回させつつ平坦部20,21の位置を計測することによって、2つの方向から旋回中心B−Bまでの距離寸法を求めることができる。このため、これらの2つの距離寸法を用いて旋回中心B−Bを確実に求めることができる。
【0059】
なお、前記実施の形態ではラップ部16の高さ方向全体に亘って切欠いて平坦部20,21を設けるものとしたが、図10に示す第1の変形例のように、ラップ部16′の歯先付近だけを切欠いて平坦部31を設ける構成としてもよい。これにより平坦部31の加工が容易になる。
【0060】
また、図11に示す第2の変形例のように、ラップ部16′の高さ方向中間位置だけを切欠いて平坦部32を設けてもよい。また、図12に示す第3の変形例のように、ラップ部16′の歯底15A′付近だけを切欠いて平坦部33を設ける構成としてもよい。図11,図12に示すように、ラップ部16′の歯先付近を除いた位置に平坦部32,33を設けることによって、シール溝16A′の強度を高めることができる。
【0061】
一方、図13および図14に示す第4の変形例のように、ラップ部16″の外周側に肉盛することによって形成された平坦部34を設ける構成としてもよい。
【0062】
また、前記実施の形態では、旋回スクロール14のラップ部16に2個の平坦部20,21を設ける構成としたが、3個以上設ける構成としてもよい。
【0063】
さらに、前記実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて示したが、本発明はこれに限らず、例えばスクロール式真空ポンプ等に用いてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の本発明によれば、旋回スクロールのラップ部には平坦部を設けたから、表面が曲面となったときに比べて、表面が平面となった平坦部の位置を容易に計測することができる。このため、旋回スクロールを旋回させつつ、各平坦部の位置を計測することによって、容易に旋回スクロールの旋回中心の位置を求めることができる。
【0065】
これにより、固定スクロールの軸中心を、旋回スクロールの旋回中心に位置合せすることができ、固定スクロールの軸中心と旋回スクロールの旋回中心とが位置合せされた状態で、固定スクロールをケーシングに固定することができる。従って、旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とは、これらの間の隙間を小さくすることができ、当該スクロール式空気圧縮機の圧縮効率を高めることができる。
【0066】
しかも、平坦部によって旋回スクロールの旋回中心の位置を容易に求めることができるから、固定スクロールをケーシングに固定する際の組立性、生産性を向上することができる。
【0067】
また、平坦部を旋回スクロールのラップ部の最外周側側面に配設したから、平坦部を通じて圧縮室が連通するのを防止することができ、高い圧縮効率を維持することができる。
【0068】
また、請求項2の発明によれば、平坦部の長さ寸法を旋回半径の2倍以上の長さに設定したから、旋回スクロールを旋回させたときに、測定器等によって常時平坦部の位置を計測することができ、旋回中心の位置を求める精度を高めることができる。
【0069】
さらに、請求項3の発明によれば、旋回スクロールのラップ部には2個以上の平坦部を設けたから、旋回スクロールを旋回させつつ平坦部の位置を計測することによって、2つ以上の方向から旋回中心までの距離寸法を求めることができ、これらの複数の距離寸法を用いて旋回中心を確実に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中の固定スクロールとケーシング等とを分解して示す縦断面図である。
【図3】実施の形態による旋回スクロールのラップ部を示す平面図である。
【図4】図3中の第1の平坦部等を拡大して示す要部拡大平面図である。
【図5】図4中の矢示V−V方向からみた第1の平坦部等を示す要部拡大断面図である。
【図6】固定スクロールを取外した状態で旋回スクロールの第1の平坦部が第1の測定器に最も接近した状態を示す平面図である。
【図7】固定スクロールを取外した状態で旋回スクロールの第1の平坦部が第1の測定器から最も離間した状態を示す平面図である。
【図8】固定スクロールを取外した状態で旋回スクロールの第2の平坦部が第2の測定器に最も接近した状態を示す平面図である。
【図9】固定スクロールを取外した状態で旋回スクロールの第2の平坦部が第2の測定器から最も離間した状態を示す平面図である。
【図10】第1の変形例による平坦部等を示す図5と同様位置からみた要部拡大断面図である。
【図11】第2の変形例による平坦部等を示す図5と同様位置からみた要部拡大断面図である。
【図12】第3の変形例による平坦部等を示す図5と同様位置からみた要部拡大断面図である。
【図13】第4の変形例による平坦部等を拡大して示す図4と同様位置からみた要部拡大平面図である。
【図14】図13中の矢示 XIV−XIV 方向からみた平坦部等を拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
3 固定スクロール
4,15 鏡板
5,16 ラップ部
11 駆動軸
11A クランク
14 旋回スクロール
16B 最外周側側面
19 圧縮室
20 第1の平坦部
21 第2の平坦部
A 軸中心
B 旋回中心
31,32,33,34 平坦部

Claims (3)

  1. 筒状のケーシングと、鏡板の内周側に渦巻状のラップ部が立設され、鏡板の外周側が該ケーシングに固定された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に軸支され、先端側がクランクとなった駆動軸と、前記ケーシング内に位置して該駆動軸のクランクに回転可能に設けられ、前記固定スクロールに対向した鏡板に渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールとからなり、該旋回スクロールを前記固定スクロールに対して自転することなく旋回運動させ、前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に形成される複数の圧縮室内の圧縮流体を移送するスクロール式流体機械において、
    前記旋回スクロールのラップ部の最外周側側面には旋回スクロールの旋回中心の位置を計測するための目印となる平坦部を設けたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記平坦部は前記旋回スクロールのラップ部の周方向に向けて一定の長さ寸法に亘って延び、該長さ寸法は前記旋回スクロールの旋回半径の2倍以上に設定してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記平坦部は旋回スクロールのラップ部に少なくとも2個以上設けてなる請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
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