JP2550622Y2 - スクロール式流体機械 - Google Patents
スクロール式流体機械Info
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- JP2550622Y2 JP2550622Y2 JP1987177451U JP17745187U JP2550622Y2 JP 2550622 Y2 JP2550622 Y2 JP 2550622Y2 JP 1987177451 U JP1987177451 U JP 1987177451U JP 17745187 U JP17745187 U JP 17745187U JP 2550622 Y2 JP2550622 Y2 JP 2550622Y2
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Description
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、例えばスクロール式圧縮機或いはスクロー
ル式真空ポンプ等のスクロール式流体機械に関する。 〔従来の技術〕 第4図ないし第6図に従来技術によるスクロール式圧
縮機を示す。 図において、1はケーシングで、該ケーシング1は軸
受嵌合穴2A,2Bが軸方向に離間して形成された軸受部2
と、内周面の軸方向途中にフランジ3Aが周設された大径
筒部3とからなっている。4,4は該大径筒部3のフラン
ジ3Aから径方向内向きに先端4A,4Aを対向して突設され
た略台形状の一対のオルダム受部で、該各オルダム受部
4の外面にはキー溝4Bが形成されている。 5は前記ケーシング1の大径筒部3端面に固着された
固定スクロールで、該固定スクロール5は鏡板5Aと、該
鏡板5Aの前面に立設されたうず巻状ラップ部5Bと、鏡板
5Aから該ラップ部5Bと同一高さに突出形成されたフラン
ジ5Cとからなっている。 6は前記固定スクロール5と同一軸線O1−O1に位置し
てケーシング1に設けられた駆動軸で、該駆動軸6は軸
受部2の先端側軸受嵌合穴2Aに嵌着された保持側軸受7
と、大径筒部3側の軸受嵌合穴2Bに嵌着された負荷側軸
受8によって支持されている。そして、該駆動軸6の一
端はケーシング1外に突出してモータ(図示せず)に接
続され、その他端は大径筒部3内のオルダム受部4,4間
に進入したクランク軸6Aになっており、該クランク軸6A
の軸線O2−O2は駆動軸6の軸線O1−O1に対して距離δだ
け偏心している。 9は旋回軸受10を介して前記クランク軸6Aと同一軸線
O2−O2上に位置して大径筒部3内に設けられた旋回スク
ロールで、該旋回スクロール9は鏡板9Aと、該鏡板9Aの
前面に立設され、前記固定スクロール5のラップ部5Bと
の間に複数の圧縮室11,11を形成するうず巻状ラップ部9
Bと、鏡板9Aの背面中央に突出形成され、前記旋回軸受1
0が嵌着されたボス部9Cとからなっている。 12は前記旋回スクロール9の自転防止機構としてのオ
ルダム継手で、該オルダム継手12のオルダムリング12A
は旋回スクロール9の鏡板9A背面に一側のオルダムキー
(図示せず)を介して連結されると共に、該オルダムリ
ング12Aに設けられた他側のオルダムキー12Bはケーシン
グ1に突設された各オルダム受部4のキー溝4Bに摺動可
能に嵌合されている。かくして、クランク軸6Aに回転自
在に設けられた旋回スクロール9は該オルダム継手12に
よって自転が防止され、固定スクロール5に対して駆動
軸4の軸線O1−O1を中心として半径δをもって公転する
ようになっている。そして、該旋回スクロール9とバラ
ンスをとるために、大径筒部3内に位置して駆動軸6に
はバランサ13が固着されている。 次に、14は固定スクロール5に穿設され、各ラップ部
5B,9Bの巻始め端近傍位置に開口する吸込み口で、15は
各ラップ部5B,9Bの巻終り端近傍に位置して鏡板5Aに穿
設された吐出口である。また、16は旋回スクロール9の
鏡板9A背面側に圧縮室11内から背圧を導くため、該鏡板
9Aに穿設された背圧導入孔を示し、17は固定スクロール
5のラップ部5Bと旋回スクロール9のラップ部9Bとの間
のシールと冷却を行う油を圧縮室11内に供給するため、
固定スクロール5に穿設された油通路である。 従来技術は上述の如く構成されており、モータによっ
て駆動軸6を回転すると、その回転はクランク軸6A、旋
回軸受10を介して旋回スクロール9に伝えられ、旋回ス
クロール9が固定スクロール5に対して軸線O1を中心と
して相対的な円運動を行う間に、吸込み口14から吸込ん
だ空気を圧縮室11内で徐々に圧縮し、所定の圧力に高め
た後吐出口15から空圧機器側に吐出するようになってい
る。 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところで、上述したスクロール圧縮機にあっては、使
用上の利便性、原価低減等の理由から小型軽量化、高効
率化が望まれている。スクロール圧縮機を小型化するた
めにはケーシング1を小型化しなければならないが、ケ
ーシング1の外形寸法を左右する要因としては、第5図
に示すように、軸受部2の保持側軸受7の軸受嵌合穴2A
と負荷側軸受8の軸受嵌合穴2Bとの間の距離l1、負荷側
軸受8の軸受嵌合穴2Bの穴径d1、バランサ13の回転半径
及び旋回スクロール9の外径(いずれも図示せず)、ケ
ーシング1のフランジ3Aの穴径d2等がある。そして、ケ
ーシング1の径方向寸法を小さくするためには、旋回ス
クロール9の小径化、固定スクロール5の小径化、旋回
スクロール9の材質を鋳鉄から軽量のアルミニウムに変
更して遠心力を小さくすることによるバランサ13の小型
化等を行う必要がある。 また、ケーシング1の軸方向寸法を短くするために
は、各軸受嵌合穴2A,2B間の距離l1の短縮化、固定スク
ロール5及び旋回スクロール9の各ラップ部5B,9Bの歯
丈の短縮化等を行う必要がある。 ところで、旋回スクロール9及びバランサ13を小型化
し、ケーシング1の大径筒部3の内径を縮小した場合に
は、一対のオルダム受部4,4の先端4A,4A間の距離l2は短
かくなるのに対し、スクロール圧縮機全体を小型化して
も圧縮効率を変えない限り負荷側軸受8に掛かる負荷容
量はあまり変わらないから、ケーシング1の小型化に対
応して負荷側軸受8を小型のものにすることはできない
という制約がある。かくして、負荷側軸受8の外径d3よ
りオルダム受部4,4間の距離l2を小さくした場合は負荷
側軸受8を駆動軸6の軸中心Oに合わせてケーシング1
の軸受部2に組付けることができないため、ケーシング
1の小型化と軽量化には限界があった。 本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもの
で、オルダム受部に規制されることなくケーシング内に
負荷側軸受を組付けることができるようにしたスクロー
ル式流体機械を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上述した問題点を解決するために、本考案に係るスク
ロール式流体機械は、一側が軸受嵌合穴の形成された軸
受部となり、他側が大径筒部となって、該大径筒部内の
軸方向途中にフランジが形成されたケーシングと、該ケ
ーシングのフランジから径方向内向きに先端が対向して
突設された一対のオルダム受部と、前記ケーシングの大
径筒部に固着された固定スクロールと、前記ケーシング
の軸受部に形成された軸受嵌合穴の嵌着された負荷側軸
受を介して支持され、先端側が大径筒部内に進入してク
ランクとなった回転軸と、前記ケーシングの大径筒内に
位置して該回転軸のクランクに回転自在に設けられ、前
記オルダム受部との間に設けられたオルダム継手により
前記固定スクロールに対して相対回転を行う旋回スクロ
ールとを備えている。 そして、本考案に採用する手段の特徴は、前記軸受嵌
合穴の穴径をd1、前記一対のオルダム受部の先端間の距
離をl4、前記一対のオルダム受部の先端と前記フランジ
の内端との3点に内接する円の半径をZとすると、前記
一対のオルダム受部の先端間の距離l4を前記負荷側軸受
の外径よりも小さく設定しても、2Z≧d1>l4が成立つよ
うに設定することにより、前記一対のオルダム受部の先
端と前記フランジの内端との間に前記負荷軸受が通過で
きる空間を確保したことにある。 [作用] 上記構成によりケーシングの小型化を図るために、該
ケーシング内に対向して突出する一対のオルダム受部間
と回転軸を支持する負荷側軸受の外径より小さく設定し
ても、一対のオルダム受部の先端とフランジの先端縁と
の間には、軸受嵌合穴の穴径をd1、一対のオルダム受部
の先端間の距離をl4、一対のオルダム受部の先端とフラ
ンジの内端との3点に内接する円の半径をZとすると、
2Z≧d1>l4が成立つ空間を確保しているから、負荷側軸
受は回転軸の軸中心に対して偏心させるようにして、該
空間からケーシングの軸受嵌合穴に組込むことができ
る。 〔実施例〕 以下、本考案の実施例を第1図ないし第3図に基づき
詳述する。なお、前述した従来技術の構成要素と同一の
構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。 図において、21はケーシング、22は該ケーシング21の
軸受部で、該軸受部22には軸方向に離間して保持側軸受
7の軸受嵌合穴22Aと、負荷側軸受8の軸受嵌合穴22Bが
段状に形成されており、該負荷側軸受8の軸受嵌合穴22
Bは従来技術における軸受嵌合穴2Bと同じ穴径d1に形成
されている。一方、23はケーシング21を構成すべく前記
軸受部22の軸方向他側に一体に形成された大径筒部で、
該大径筒部23は外径が従来技術におけるケーシング1の
大径筒部3よりも小径に形成されており、該大径筒部23
の内周面軸方向途中に形成されたフランジ23Aの穴径d4
も従来技術のフランジ3Aの穴径d2より小径になってい
る。 次に、24,24は前記ケーシング21のフランジ23Aから径
方向内向きに先端24Aを対向して突設された一対のオル
ダム受部で、その外面には、キー溝24Bが形成されてい
る。そして、該各オルダム受部24の先端24Aの幅l3は従
来技術におけるオルダム受部4の先端4A幅l′3に比較
して幅狭に形成されている。また、該一対のオルダム受
部24,24の先端24A,24A間の距離l4は負荷側軸受8の外径
d3より小さくなっており、負荷側軸受8を駆動軸6の軸
中心Oに合わせて大径筒部23のフランジ23Aより内側に
嵌入することは不可能になっている。これに対し、該一
対のオルダム受部24,24の先端24A,24Aとフランジ23Aの
内周面との間には負荷側軸受け8を軸受部22側に嵌入で
きる空間Sが確保してある。これを第2図を参照しつつ
説明する。 前述したオルダム受部24,24の先端24A,24Aと大径筒部
23のフランジ23A内端との3点イ,ロ,ハに内接する円
の半径をZとすると、2Zは次式により求められる。 従って、ケーシング21を径方向に小型化し、しかも従
来技術に用いた負荷側軸受8を組付けるための空間Sを
確保するには、 2Z≧d1>l4…………(2) が成立するように、各部の寸法を規定すればよい。 オルダム受部24,24間の距離l4より外径d3の大きい負
荷側軸受8をケーシング21に組付ける場合の具体例を、
従来技術と対比して下に示す。 かくして、実施例によれば、一対のオルダム受部24,2
4の先端24A,24Aと大径筒部23のフランジ23Aの3点イ,
ロ,ハに内接する円の直径2Zが負荷側軸受8の外径d3と
等しくなるまでは、フランジ23Aの穴径d4を小さくでき
る。即ちケーシング21の大径筒部23の外径を小さくする
ことができ、しかも、一対のオルダム受部24,24間の距
離l4より大きい外径d3を有する負荷側軸受8をケーシン
グ21内に組付けることができる。 なお、この負荷側軸受8をケーシング21内に組付ける
場合には、従来技術の場合と異なって第3図に示すよう
に、駆動軸6の軸中心Oに対して偏心した空間Sからケ
ーシング21内に挿入する点に特徴がある。 実施例は以上の如く、従来技術に用いた負荷側軸受8
を用いてスクロール圧縮機を小型化する場合を例に挙げ
たが、本考案によれば、前記(1),(2)式が成立す
る限り、従来技術と同じ大きさのスクロール圧縮機によ
り大径の負荷側軸受を組込むこともでき、スクロール圧
縮機自体は大型化しないで、圧縮効率を高めることも可
能である。 また、実施例はスクロール圧縮機を例に挙げたが、ス
クロール式真空ポンプにも本考案は適用できるものであ
る。 〔考案の効果〕 本考案は以上詳述した如く、ケーシング内に突出する
一対のオルダム受部間の距離を負荷側軸受の外径より小
さくでき、しかも該負荷側軸受をケーシング内に組込む
ための空間を確保できるようにしたから、従来技術と同
じ負荷側軸受を用いてスクロール式流体機械を小型軽量
化できるし、逆にスクロール式流体機械の大きさは変え
ずに大型の負荷側軸受を組込むことができ、スクロール
式流体機械の性能向上が実現できる。
ル式真空ポンプ等のスクロール式流体機械に関する。 〔従来の技術〕 第4図ないし第6図に従来技術によるスクロール式圧
縮機を示す。 図において、1はケーシングで、該ケーシング1は軸
受嵌合穴2A,2Bが軸方向に離間して形成された軸受部2
と、内周面の軸方向途中にフランジ3Aが周設された大径
筒部3とからなっている。4,4は該大径筒部3のフラン
ジ3Aから径方向内向きに先端4A,4Aを対向して突設され
た略台形状の一対のオルダム受部で、該各オルダム受部
4の外面にはキー溝4Bが形成されている。 5は前記ケーシング1の大径筒部3端面に固着された
固定スクロールで、該固定スクロール5は鏡板5Aと、該
鏡板5Aの前面に立設されたうず巻状ラップ部5Bと、鏡板
5Aから該ラップ部5Bと同一高さに突出形成されたフラン
ジ5Cとからなっている。 6は前記固定スクロール5と同一軸線O1−O1に位置し
てケーシング1に設けられた駆動軸で、該駆動軸6は軸
受部2の先端側軸受嵌合穴2Aに嵌着された保持側軸受7
と、大径筒部3側の軸受嵌合穴2Bに嵌着された負荷側軸
受8によって支持されている。そして、該駆動軸6の一
端はケーシング1外に突出してモータ(図示せず)に接
続され、その他端は大径筒部3内のオルダム受部4,4間
に進入したクランク軸6Aになっており、該クランク軸6A
の軸線O2−O2は駆動軸6の軸線O1−O1に対して距離δだ
け偏心している。 9は旋回軸受10を介して前記クランク軸6Aと同一軸線
O2−O2上に位置して大径筒部3内に設けられた旋回スク
ロールで、該旋回スクロール9は鏡板9Aと、該鏡板9Aの
前面に立設され、前記固定スクロール5のラップ部5Bと
の間に複数の圧縮室11,11を形成するうず巻状ラップ部9
Bと、鏡板9Aの背面中央に突出形成され、前記旋回軸受1
0が嵌着されたボス部9Cとからなっている。 12は前記旋回スクロール9の自転防止機構としてのオ
ルダム継手で、該オルダム継手12のオルダムリング12A
は旋回スクロール9の鏡板9A背面に一側のオルダムキー
(図示せず)を介して連結されると共に、該オルダムリ
ング12Aに設けられた他側のオルダムキー12Bはケーシン
グ1に突設された各オルダム受部4のキー溝4Bに摺動可
能に嵌合されている。かくして、クランク軸6Aに回転自
在に設けられた旋回スクロール9は該オルダム継手12に
よって自転が防止され、固定スクロール5に対して駆動
軸4の軸線O1−O1を中心として半径δをもって公転する
ようになっている。そして、該旋回スクロール9とバラ
ンスをとるために、大径筒部3内に位置して駆動軸6に
はバランサ13が固着されている。 次に、14は固定スクロール5に穿設され、各ラップ部
5B,9Bの巻始め端近傍位置に開口する吸込み口で、15は
各ラップ部5B,9Bの巻終り端近傍に位置して鏡板5Aに穿
設された吐出口である。また、16は旋回スクロール9の
鏡板9A背面側に圧縮室11内から背圧を導くため、該鏡板
9Aに穿設された背圧導入孔を示し、17は固定スクロール
5のラップ部5Bと旋回スクロール9のラップ部9Bとの間
のシールと冷却を行う油を圧縮室11内に供給するため、
固定スクロール5に穿設された油通路である。 従来技術は上述の如く構成されており、モータによっ
て駆動軸6を回転すると、その回転はクランク軸6A、旋
回軸受10を介して旋回スクロール9に伝えられ、旋回ス
クロール9が固定スクロール5に対して軸線O1を中心と
して相対的な円運動を行う間に、吸込み口14から吸込ん
だ空気を圧縮室11内で徐々に圧縮し、所定の圧力に高め
た後吐出口15から空圧機器側に吐出するようになってい
る。 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところで、上述したスクロール圧縮機にあっては、使
用上の利便性、原価低減等の理由から小型軽量化、高効
率化が望まれている。スクロール圧縮機を小型化するた
めにはケーシング1を小型化しなければならないが、ケ
ーシング1の外形寸法を左右する要因としては、第5図
に示すように、軸受部2の保持側軸受7の軸受嵌合穴2A
と負荷側軸受8の軸受嵌合穴2Bとの間の距離l1、負荷側
軸受8の軸受嵌合穴2Bの穴径d1、バランサ13の回転半径
及び旋回スクロール9の外径(いずれも図示せず)、ケ
ーシング1のフランジ3Aの穴径d2等がある。そして、ケ
ーシング1の径方向寸法を小さくするためには、旋回ス
クロール9の小径化、固定スクロール5の小径化、旋回
スクロール9の材質を鋳鉄から軽量のアルミニウムに変
更して遠心力を小さくすることによるバランサ13の小型
化等を行う必要がある。 また、ケーシング1の軸方向寸法を短くするために
は、各軸受嵌合穴2A,2B間の距離l1の短縮化、固定スク
ロール5及び旋回スクロール9の各ラップ部5B,9Bの歯
丈の短縮化等を行う必要がある。 ところで、旋回スクロール9及びバランサ13を小型化
し、ケーシング1の大径筒部3の内径を縮小した場合に
は、一対のオルダム受部4,4の先端4A,4A間の距離l2は短
かくなるのに対し、スクロール圧縮機全体を小型化して
も圧縮効率を変えない限り負荷側軸受8に掛かる負荷容
量はあまり変わらないから、ケーシング1の小型化に対
応して負荷側軸受8を小型のものにすることはできない
という制約がある。かくして、負荷側軸受8の外径d3よ
りオルダム受部4,4間の距離l2を小さくした場合は負荷
側軸受8を駆動軸6の軸中心Oに合わせてケーシング1
の軸受部2に組付けることができないため、ケーシング
1の小型化と軽量化には限界があった。 本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもの
で、オルダム受部に規制されることなくケーシング内に
負荷側軸受を組付けることができるようにしたスクロー
ル式流体機械を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上述した問題点を解決するために、本考案に係るスク
ロール式流体機械は、一側が軸受嵌合穴の形成された軸
受部となり、他側が大径筒部となって、該大径筒部内の
軸方向途中にフランジが形成されたケーシングと、該ケ
ーシングのフランジから径方向内向きに先端が対向して
突設された一対のオルダム受部と、前記ケーシングの大
径筒部に固着された固定スクロールと、前記ケーシング
の軸受部に形成された軸受嵌合穴の嵌着された負荷側軸
受を介して支持され、先端側が大径筒部内に進入してク
ランクとなった回転軸と、前記ケーシングの大径筒内に
位置して該回転軸のクランクに回転自在に設けられ、前
記オルダム受部との間に設けられたオルダム継手により
前記固定スクロールに対して相対回転を行う旋回スクロ
ールとを備えている。 そして、本考案に採用する手段の特徴は、前記軸受嵌
合穴の穴径をd1、前記一対のオルダム受部の先端間の距
離をl4、前記一対のオルダム受部の先端と前記フランジ
の内端との3点に内接する円の半径をZとすると、前記
一対のオルダム受部の先端間の距離l4を前記負荷側軸受
の外径よりも小さく設定しても、2Z≧d1>l4が成立つよ
うに設定することにより、前記一対のオルダム受部の先
端と前記フランジの内端との間に前記負荷軸受が通過で
きる空間を確保したことにある。 [作用] 上記構成によりケーシングの小型化を図るために、該
ケーシング内に対向して突出する一対のオルダム受部間
と回転軸を支持する負荷側軸受の外径より小さく設定し
ても、一対のオルダム受部の先端とフランジの先端縁と
の間には、軸受嵌合穴の穴径をd1、一対のオルダム受部
の先端間の距離をl4、一対のオルダム受部の先端とフラ
ンジの内端との3点に内接する円の半径をZとすると、
2Z≧d1>l4が成立つ空間を確保しているから、負荷側軸
受は回転軸の軸中心に対して偏心させるようにして、該
空間からケーシングの軸受嵌合穴に組込むことができ
る。 〔実施例〕 以下、本考案の実施例を第1図ないし第3図に基づき
詳述する。なお、前述した従来技術の構成要素と同一の
構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。 図において、21はケーシング、22は該ケーシング21の
軸受部で、該軸受部22には軸方向に離間して保持側軸受
7の軸受嵌合穴22Aと、負荷側軸受8の軸受嵌合穴22Bが
段状に形成されており、該負荷側軸受8の軸受嵌合穴22
Bは従来技術における軸受嵌合穴2Bと同じ穴径d1に形成
されている。一方、23はケーシング21を構成すべく前記
軸受部22の軸方向他側に一体に形成された大径筒部で、
該大径筒部23は外径が従来技術におけるケーシング1の
大径筒部3よりも小径に形成されており、該大径筒部23
の内周面軸方向途中に形成されたフランジ23Aの穴径d4
も従来技術のフランジ3Aの穴径d2より小径になってい
る。 次に、24,24は前記ケーシング21のフランジ23Aから径
方向内向きに先端24Aを対向して突設された一対のオル
ダム受部で、その外面には、キー溝24Bが形成されてい
る。そして、該各オルダム受部24の先端24Aの幅l3は従
来技術におけるオルダム受部4の先端4A幅l′3に比較
して幅狭に形成されている。また、該一対のオルダム受
部24,24の先端24A,24A間の距離l4は負荷側軸受8の外径
d3より小さくなっており、負荷側軸受8を駆動軸6の軸
中心Oに合わせて大径筒部23のフランジ23Aより内側に
嵌入することは不可能になっている。これに対し、該一
対のオルダム受部24,24の先端24A,24Aとフランジ23Aの
内周面との間には負荷側軸受け8を軸受部22側に嵌入で
きる空間Sが確保してある。これを第2図を参照しつつ
説明する。 前述したオルダム受部24,24の先端24A,24Aと大径筒部
23のフランジ23A内端との3点イ,ロ,ハに内接する円
の半径をZとすると、2Zは次式により求められる。 従って、ケーシング21を径方向に小型化し、しかも従
来技術に用いた負荷側軸受8を組付けるための空間Sを
確保するには、 2Z≧d1>l4…………(2) が成立するように、各部の寸法を規定すればよい。 オルダム受部24,24間の距離l4より外径d3の大きい負
荷側軸受8をケーシング21に組付ける場合の具体例を、
従来技術と対比して下に示す。 かくして、実施例によれば、一対のオルダム受部24,2
4の先端24A,24Aと大径筒部23のフランジ23Aの3点イ,
ロ,ハに内接する円の直径2Zが負荷側軸受8の外径d3と
等しくなるまでは、フランジ23Aの穴径d4を小さくでき
る。即ちケーシング21の大径筒部23の外径を小さくする
ことができ、しかも、一対のオルダム受部24,24間の距
離l4より大きい外径d3を有する負荷側軸受8をケーシン
グ21内に組付けることができる。 なお、この負荷側軸受8をケーシング21内に組付ける
場合には、従来技術の場合と異なって第3図に示すよう
に、駆動軸6の軸中心Oに対して偏心した空間Sからケ
ーシング21内に挿入する点に特徴がある。 実施例は以上の如く、従来技術に用いた負荷側軸受8
を用いてスクロール圧縮機を小型化する場合を例に挙げ
たが、本考案によれば、前記(1),(2)式が成立す
る限り、従来技術と同じ大きさのスクロール圧縮機によ
り大径の負荷側軸受を組込むこともでき、スクロール圧
縮機自体は大型化しないで、圧縮効率を高めることも可
能である。 また、実施例はスクロール圧縮機を例に挙げたが、ス
クロール式真空ポンプにも本考案は適用できるものであ
る。 〔考案の効果〕 本考案は以上詳述した如く、ケーシング内に突出する
一対のオルダム受部間の距離を負荷側軸受の外径より小
さくでき、しかも該負荷側軸受をケーシング内に組込む
ための空間を確保できるようにしたから、従来技術と同
じ負荷側軸受を用いてスクロール式流体機械を小型軽量
化できるし、逆にスクロール式流体機械の大きさは変え
ずに大型の負荷側軸受を組込むことができ、スクロール
式流体機械の性能向上が実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本考案の実施例に係るスクロール
式圧縮機を示し、第1図はケーシングの縦断面図、第2
図は第1図の底面図、第3図はケーシング内に負荷側軸
受を組込む状態を示す説明図、第4図ないし第6図は従
来技術を示し、第4図はスクロール圧縮機の縦断面図、
第5図はケーシングの縦断面図、第6図は第5図の底面
図である。 5……固定スクロール、6……回転軸、8……負荷側軸
受、9……旋回スクロール、12……オルダム継手、21…
…ケーシング、22……軸受部、23……大径筒部、24……
オルダム受部、S……空間。
式圧縮機を示し、第1図はケーシングの縦断面図、第2
図は第1図の底面図、第3図はケーシング内に負荷側軸
受を組込む状態を示す説明図、第4図ないし第6図は従
来技術を示し、第4図はスクロール圧縮機の縦断面図、
第5図はケーシングの縦断面図、第6図は第5図の底面
図である。 5……固定スクロール、6……回転軸、8……負荷側軸
受、9……旋回スクロール、12……オルダム継手、21…
…ケーシング、22……軸受部、23……大径筒部、24……
オルダム受部、S……空間。
Claims (1)
- (57)【実用新案登録請求の範囲】 1.一側が軸受嵌合穴の形成された軸受部となり、他側
が大径筒部となって、該大径筒部内の軸方向途中にフラ
ンジが形成されたケーシングと、 該ケーシングのフランジから径方向内向きに先端が対向
して突設された一対のオルダム受部と、 前記ケーシングの大径筒部に固着された固定スクロール
と、 前記ケーシングの軸受部に形成された軸受嵌合穴に嵌着
された負荷側軸受を介して支持され、先端側が大径筒部
内に進入してクランクとなった回転軸と、 前記ケーシングの大径筒内に位置して該回転軸のクラン
クに回転自在に設けられ、前記オルダム受部との間に設
けられたオルダム継手により前記固定スクロールに対し
て相対回転を行う旋回スクロールとを備えてなるスクロ
ール式流体機械において、 前記軸受嵌合穴の穴径をd1、前記一対のオルダム受部の
先端間の距離をl4、前記一対のオルダム受部の先端と前
記フランジの内端との3点に内接する円の半径をZとす
ると、 前記一対のオルダム受部の先端間の距離l4を前記負荷側
軸受の外径よりも小さく設定しても、2Z≧d1>l4が成立
つように設定することにより、前記一対のオルダム受部
の先端と前記フランジの内端との間に前記負荷側軸受が
通過できる空間を確保したことを特徴とするスクロール
式流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987177451U JP2550622Y2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | スクロール式流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987177451U JP2550622Y2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | スクロール式流体機械 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0183195U JPH0183195U (ja) | 1989-06-02 |
JP2550622Y2 true JP2550622Y2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=31469114
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987177451U Expired - Lifetime JP2550622Y2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | スクロール式流体機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2550622Y2 (ja) |
-
1987
- 1987-11-20 JP JP1987177451U patent/JP2550622Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0183195U (ja) | 1989-06-02 |
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