JP3960729B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量であるが、適度な厚みを有し使用時における安心感が高い吸収性物品、詳しくは、包装体とした場合にはコンパクトであるが、包装袋から取り出し使用する際には、厚みが回復し、使用時における安心感が高く、且つ透湿性を維持できる使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年のおむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品は、その構成や使用材料の改良により、その包装体がコンパクトになり、持ち運びが便利になった。しかしながら、包装体をコンパクトにすると、吸収性物品1枚の厚みが薄くなり、吸収性物品に剛性(こし)がなくなり、使用時に漏れに対する不安感が生じる。従って、包装体はコンパクトで軽いが、包装袋から取り出し、使用する際に厚みが回復し、使用時における安心感を付与できる吸収性物品が要請されている。
【0003】
ところで、特開平1−285265号公報には、吸収体の下部に、合成繊維を主体とする繊維集合体からなる弾性体を設けてなる吸収性物品が開示されている。この公報に記載の発明は、弾性の大きな合成繊維からなる不織布を、吸収体の下部に配することで、吸収体に加わる応力を緩衝し復元性を与え、漏れを防止することを目的としている。しかし、吸収性物品を圧縮して包装した状態から使用状態の厚みにまで回復させることは、前記弾性体を用いたのみでは不十分である。
【0004】
従って、本発明の目的は、包装体とした場合には厚みが薄くなりコンパクトであるが、包装袋から取り出し使用する際には、厚みが回復し、使用時における安心感が高い吸収性物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する吸収性物品において、
坪量が20〜100g/m2であり、無荷重下厚みが1〜10mmであり、圧縮回復率(b/a×100)〔但し、a;無荷重下で24時間放置した後の厚み(mm)b;17.6kPaの圧力で24時間圧縮した後、圧力を取り除き30分間放置したときの厚み(mm)〕が60%以上であり、合成繊維を主体とする繊維集合体に、ガラス転移温度が4℃以下の接着剤を含浸又は塗布して形成されている不織布を、前記裏面シートと前記吸収体間に具備しており、前記不織布の少なくとも一方の面の略全面又は前記不織布と接触する部材の接触面の略全面に、接着剤を、塗工部及び未塗工部ができるように実質的に均一に分散塗工し、該不織布を接着固定してある吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0006】
圧縮回復率は下記測定法にて測定される。
圧縮回復率測定法;測定前に不織布を無荷重下で24時間放置することで、不織布に加えられている歪みを取り除く。該歪みを取り除いた時点の厚み(不織布を圧縮する前の厚み)をa(mm)とする。また、不織布に17.6kPa/cm2 の圧力(1cm2 当たり180gの荷重をかける)をかけ24時間圧縮した後、圧力を取り除き30分間放置した時の厚みをb(mm)とする。そして、圧縮回復率(%)=b/a×100と定義し、各厚みを測定する。厚みは、レーザー変位計(キーエンス社製、型式「PA−1830」)を用い、常法に準じて測定される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて図面を参照しながら詳細に説明する。図1には、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの一実施形態の斜視図が示されており、図2〜図4にはそれぞれ、図1のX−X断面、Y−Y断面及びZ−Z断面の模式的な断面図が示されている。
【0008】
本実施形態の吸収性物品としての使い捨ておむつ1は、図1〜図4に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及び両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4とを具備し、背側部Bの左右両側縁部B1,B2に止着用のファスニングテープ11が配されている。
【0009】
詳細には、本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1〜4に示すように、吸収体4と、吸収体4とほぼ同じ大きさの裏面シート3と、吸収体4の表面及び側面を覆うように配された表面シート2とからなる。裏面シート3の表面側には、外層不織布5が配され、吸収体4の側縁側における表面シート2上には、立体ギャザー6形成用の撥水性不織布61が配されている。外層不織布5と撥水性不織布61は、共に吸収体4の左右両側縁に延設されて、レッグ弾性部材71を狭持固定しており、左右一対のレッグギャザー7を形成している。撥水性不織布61の自由縁部62には、立体ギャザー6形成用の立体ギャザー弾性部材63が配されている。
使い捨ておむつ1の長手方向両端部においては、吸収体4の長手方向両端部から外層不織布5及び表面シート2が延出されており、一対のウエスト部8を形成している。また、ウエスト部8には、シート状のウエスト弾性部材81が配されており表面シート2と外層不織布5とにより狭持固定されている。
吸収体4は、吸収性ポリマー42をその繊維間隙に保持してなる嵩高不織布41と、該嵩高不織布を包装する台紙43から成る。
腹側部Aにおける外層不織布5の表面には、ファスニングテープ11止着用の止着部51が設けられている。
【0010】
而して、本実施形態の使い捨ておむつは、特定の坪量、特定の無荷重下厚み及び特定の圧縮回復率を有する不織布を、所定位置に具備している。
【0011】
本実施形態の使い捨ておむつに用いられる不織布の坪量は、20〜100g/m2 であり、好ましくは20〜80g/m2 、更に好ましくは好ましくは30〜70g/m2 である。坪量が20g/m2 未満であると十分な圧縮回復性が発現せず、100g/m2 超であると、おむつを包装した時のコンパクト性が失われ、またおむつも軽量でなくなる。
【0012】
また、前記不織布の無荷重下厚みは、1〜10mm、好ましくは1.7〜5mmである。厚みが1mmより小さいと、不織布が薄すぎて圧縮回復の効果が発現せず、10mmより厚いと、回復したときの厚みが厚くなり、使いづらいものとなる。前記厚みは、レーザー変位計(キーエンス社製、型式「PA−1830」)を用い、常法に準じて測定される。前記不織布は、好ましくは0.2〜3mm、更に好ましくは0.3〜1mm迄圧縮できるものである。
【0013】
前記不織布の圧縮回復率は、60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。圧縮回復率が60%未満であると、使い捨ておむつの包装体のコンパクト性は発現するが、包装袋からおむつを取り出したときの回復が小さく、安心感を付与し得ない。圧縮回復率は、前述の測定法にて測定される。
【0014】
前記不織布は、合成繊維を主体とする繊維集合体に接着剤を含浸又は塗布して形成されているレジンボンド不織布である。「合成繊維を主体とする」とは、合成繊維に加えて天然繊維(コットン、羊毛、麻等)や再生繊維(レーヨン、キュプラ)等の合成繊維以外の繊維を混合してもよいことを意味する。前記繊維集合体が前記合成繊維100%から構成されていない場合、該繊維集合体を構成する天然繊維や再生繊維の使用量は、前記繊維集合体の重量の10〜70重量%、特に20〜50重量%であることが好ましい。
【0015】
前記合成繊維としては、ポリプロピレン繊維や、ポリエチレンテレフタレート繊維及びその混合物等が挙げられる。特に、前記レジンボンド不織布の製造において、エマルジョン接着剤中の水を蒸発させるために130〜170℃の加熱工程が行われることから、この温度で繊維が溶融しない繊維を用いることが好ましい。そのような繊維としては、例えばポリチレンテレフタレート繊維が挙げられる。
【0016】
前記合成繊維の繊維径は、圧縮回復性の点から、3〜20dtex、特に5〜15dtexであることが好ましい。
【0017】
前記合成繊維は、長繊維連続フィラメント及び短繊維ステープルファイバーの何れの形態でも用いられる。
【0018】
前記合成繊維を主体とする前記繊維集合体は、例えば短繊維ステープルファイバーを原料としてカード法により形成することができる。
【0019】
前記繊維集合体に含浸又は塗布される前記接着剤は、そのガラス転移温度(以下、Tgという)が4℃以下である。特に−4℃以下であることが好ましい。Tgが4℃以下である接着剤を用いることで、前記レジンボンド不織布に十分な圧縮回復性が付与される。
【0020】
Tgは、以下のFoxの式から求められる(「粘着ハンドブック」第144ページ、1995年10月12日、日本粘着テープ工業会発行、及び特許第2886686号明細書第7欄等参照)
【0021】
【数1】
【0022】
前記接着剤としては、アクリル酸エステルをベースにしたエマルジョン接着剤、酢酸ビニル系接着剤、アクリル/酢酸ビニル系接着剤、スチレン/アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられ、特に十分に低いガラス転移温度を有する、アクリル酸エステルをベースにしたエマルジョン接着剤を用いることが好ましい。
【0023】
前記接着剤は、前記レジンボンド不織布全体の重量の10〜60重量%、特に15〜50重量%の割合で含浸又は塗布されていることが、前記レジンボンド不織布の強度確保、及び十分な圧縮回復性の発現の点から好ましい。
【0024】
前記接着剤は、例えば、前記繊維集合体を前記接着剤中に浸漬したり、或いは前記繊維集合体に前記接着剤を噴霧することで、含浸又は塗布することができる。
【0025】
本実施形態の使い捨ておむつにおける裏面シートとしては、好ましくは透湿性のあるシートが用いられる。前記裏面シートの透湿量は、好ましくは0.5〜4g/(100cm2 ・h)であり、更に好ましくは1.0〜2.5g/(100cm2 ・h)である。透湿量が前記範囲であると、おむつ内部のムレやそれに伴う着用者の肌のかぶれを十分に防止でき、また尿等の液体の漏れを防止することができる。前記透湿量は、JIS Z 0208に従って測定した値である。
【0026】
本実施形態においては、不織布44は、図2〜図4に示すように、裏面シート3と吸収体4との間に配置されている。更に、前記表面シートと前記吸収体との間若しくは前記吸収体内部の位置(接着固定位置)に配してもよく、また、それらの複数個所の位置に配してもよい。前記不織布がこのように配置されているため、本実施形態の使い捨ておむつは、包装袋中では薄く且つ軽く、包装袋から取り出し使用する際に厚みが回復する。
【0027】
前記不織布を前記位置に配置する際には、該不織布の少なくとも一方の面又は該不織布と接触する部材(透湿性の裏面シート、吸収体を含む台紙等、以下、接触部材という)の接触面の略全面に、接着剤を、塗工部及び未塗工部ができるように実質的に均一に分散塗工し、該不織布を前記位置に接着固定する。このようにすることで、通気性が維持されながら、不織布の持つ圧縮回復性が直接使い捨ておむつに伝わり、包装体がコンパクトになり、使用時には膨らんで安心感を付与できる。また、不織布と接触部材との未接着部位において、皺が発生(主に、接触部材に皺が発生)したり、これに起因して使用時におけるおむつの外観が損われることが防止される。
【0028】
前記接着剤としては、ゴム系溶剤型接着剤、ゴム系エマルジョン型接着剤及びゴム系ホットメルト型接着剤等のゴム系接着剤、オレフィン系ホットメルト型接着剤並びにアクリル系溶剤型接着剤及びアクリル系エマルジョン型接着剤等のアクリル系接着剤が用いられる。
【0029】
ゴム系接着剤は、エラストマーをベースにして、粘度付与剤、軟化剤をブレンドしてつくることができる。
【0030】
エラストマーとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、天然ゴム、合成イソプレンゴム等が挙げられる。
【0031】
粘着付与剤としては、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂やこれらの水添物が挙げられ、具体的には、「クリアロン」(商品名、安原化学社製)等の水添テルペン樹脂、「アルコン」(商品名、荒川化学製)等の水添芳香族石油樹脂等が挙げられる。
【0032】
軟化剤成分としては、軟化点が10℃以下で重量平均分子量が200〜700のプロセスオイル、鉱油、各種可塑剤、ポリブテン、液状粘着付与樹脂等が挙げられる。具体的には「シェルフレックス」(商品名、シェル化学社製)、「PW−90」(商品名、出光興産社製)等のパラフィン系オイル、テトラオクチルピロメリテート、ジ−ドデシルフタレート、トリオクチルトリメリテート等のエステル系のオイル等が挙げられる。
【0033】
以上の成分をトルエン、酢酸エチル、ヘプタン等の有機溶媒に溶解してブレンドしたものがゴム系溶剤型接着剤であり、水に分散させたものがゴム系エマルジョン型接着剤である。また、前記成分を熱溶融することでブレンドしたものが、ゴム系ホットメルト型接着剤である。この場合、熱による劣化を防ぐために、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤等の酸化防止剤を添加するのが好ましい。
【0034】
ゴム系接着剤として、ゴム系ホットメルト型接着剤を用いる場合、前記ベースポリマーは、粘着付与剤及び軟化剤の合計量を100重量部としたとき、好ましくは10〜100重量部の範囲で用いられる。
【0035】
前記粘着付与剤成分は、粘着付与剤及び軟化剤の合計量100重量部中、好ましくは50〜90重量部の範囲で用いられる。
【0036】
前記軟化剤は、粘着付与剤及び軟化剤の合計量100重量部中、好ましくは10〜50重量部の範囲で用いられる。
【0037】
前記酸化防止剤は、ベースポリマー、粘着付与剤及び軟化剤の合計量を100重量部としたとき、好ましくは0.5〜3重量部の範囲で用いられる。
【0038】
オレフィン系ホットメルト型接着剤は、アモルファスポリαオレフィン(以下、APAOという)100%から成っていても良いが、APAOに加えて、前記ゴム系ホットメルト型接着剤と同様の粘着付与剤、軟化剤、及び酸化防止剤を熱溶融ブレンドしてつくることもできる。APAOとしては、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ヘキセン共重合体等を用いることができる。これらのAPAOは、例えば、宇部レキセン社製のウベタック、及びイーストマンコダック社製のイーストフレックス等の商品名で市販されている。また、APAOとして、プロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体を用いることもできる。また、該三元共重合体は、ヒュルツ社よりベストプラストの商品名で市販されている。
【0039】
アクリル系接着剤は、主モノマーとして、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を用い、コモノマーとして、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メチルメタクリレート、メチルアクリレート等を用い、官能基含有モノマーとして、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等を用い、以上を共重合することで得られる。前記モノマーをトルエン、酢酸エチル、ヘプタン等の有機溶剤中で均一重合したものが、アクリル系溶剤型接着剤であり、水中で重合したものがアクリル系エマルジョン型接着剤である。
【0040】
以上の各種接着剤の中で、吸収性物品に使用すること、及び生産性を考慮すると、ゴム系ホットメルト型接着剤及びオレフィン系ホットメルト型接着剤等のホットメルト型接着剤が好ましく、特に接着力の大きいゴム系ホットメルト型接着剤が好ましい。このホットメルト型接着剤を塗工する方法としては、被塗工部材(不織布又は接触部材)を、ホットメルトコータヘッドに接触させながら行う方法(スロットコート法、ポーラスコート法等)や、非接触で霧状にして行う方法(スロットスプレー法、カーテンスプレー法、メルトブローン法、スパイラルスプレー法)が用いられる。これらの中でも、非接触法が、被塗工部材へのダメージが小さく、均一な塗工部ができるように接着剤を塗工でき好ましい。
【0041】
ホットメルト型接着剤の溶融粘度は、180℃で10000mPa・s以下であることが好ましく、1000〜8000mPa・sであることが更に好ましく、1000〜6000mPa・sであることが最も好ましい。溶融粘度を10000mPa・s以下とすることにより、接着剤を非接触で霧状に塗工する時に塗工むらが生じたり、ボタ落ちが生じたりすることがなくなる。
【0042】
前記接着剤によりできる塗工部の形状としては、特に制限されないが、点状、線状、ドット状及びスパイラル状が、通気性を維持しながら、不織布を均一に接着固定できる点で好ましい。
【0043】
不織布における塗工部と未塗工部との面積比(前者/後者)は、好ましくは2/8〜7/3、更に好ましくは3/7〜6/4である。そして、前記塗工部は、前記不織布又は前記接触部材の塗工面の全体に実質的に均一に分散していることが好ましい。
【0044】
前記塗工部が点状の場合、点の大きさは、直径が0.3〜2mm、特に0.5〜1mmであることが好ましく、また、点の密度は、9〜400個/cm2 、特に25〜100個/cm2 であることが好ましい。
前記塗工部が線状の場合、線の太さは、0.01〜0.5mm、特に0.05〜0.1mmであることが好ましい。また、この線状の塗工部の任意の1本と直交する方向に長さ1cmの線を引いたときに、該線と交差する線状の塗工部(接着剤センイ)の本数は10〜40本、特に10〜30本であることが好ましい。前記塗工部がドット状の場合、ドットの密度は、9〜400個/cm2 、特に25〜100個/cm2 であることが好ましい。
前記塗工部がスパイラル状の場合、スパイラルの太さは、0.05〜1mm、特に0.1〜0.5mmであることが好ましい。
【0045】
前記接着剤の塗工量は、1〜30g/m2 であることが好ましく、3〜10g/m2 であることが更に好ましい。塗工量を1〜30g/m2 とすることで、不織布の接着性が向上し、前記接着剤のしみ出しによるブロッキングやボタ落ちの発生を防止できる。
【0046】
また、前記の構成の使い捨ておむつの各構成部材の形成材料について説明すると、表面シート、吸収体、撥水性不織布、外層不織布としては、通常、使い捨ておむつに用いられているものを特に制限なく用いることができる。レッグ部弾性部材、立体ギャザー弾性部材及びウエスト弾性部材としても、通常、使い捨ておむつに用いられているものを特に制限なく用いることができる。ファスニングテープの形成材料としては、粘着剤が塗布されたテープ材の他、機械的ファスナーのオス材テープなどが用いられる。また、止着部形成用のテープは、ファスニングテープとして粘着剤が塗布されたテープ材を用いる場合には、剥離処理されたテープが用いられ、オス材テープを用いる場合には、通常の機械的ファスナーのメス材として用いられるテープ材が用いられる。
【0047】
本実施形態の使い捨ておむつは、吸収性物品に17.6kPaの圧力(1cm2 当たり180gの荷重)をかけた時の荷重下厚みに対し、荷重を除いた時の無荷重厚みが、1.3倍以上、特に1.5〜3倍(以下、この比率を「厚み比」という)であることが使用時に一層安心感が得られるため好ましい。本実施形態の使い捨ておむつは、前記不織布を具備しているため、このような好ましい厚み比を容易に満足させることができる。
【0048】
ここで、荷重下厚み及び無荷重厚みはそれぞれ下記厚み測定法に準じて測定される。
まず、吸収性物品を平面状に広げ、吸収性物品をその長手方向に二等分する線と幅方向に二等分する線との交点を中心に長手方向100mm×幅方向100mmの寸法で切り出して試験片を得る。吸収性物品の長手方向または幅方向の寸法が100mmに満たない場合、吸収性物品の寸法を試験片の寸法とする。
試験片を水平な台上に静置し、無荷重の状態で24時間置く。次いで、試験片の上に重りとアクリル板とを載置し、荷重をかけた状態で24時間放置する。ここで、重りは、試験片にアクリル板と合わせて1cm2 当たり180gの荷重がかかる様な重さ及び大きさのものを用いた。また、アクリル板は、長さ100mm×幅100mm×厚み5mmのものを用いた。
荷重を24時間かけた後、そのままの状態で試験片4隅の厚みを測定し(測定法1)、この測定値の平均をとって17.6kPaの圧力をかけた場合の荷重下厚みとする。
次いで、重り及びアクリル板を取り除き、無荷重の状態で30分置く。30分経過後、試験片に反りや歪みがあると厚みを正確に測定できないため、試験片に98Pa(1cm2 当たり1g)の圧力がかかるように重り及びアクリル板を載置し、試験片を平坦な状態に保つ。
ここで、重りは、試験片にアクリル板と合わせて98Paの圧力がかかる様な重さ及び大きさのものを用い、アクリル板は、長さ100mm×幅100mm×厚み5mmのものを用いた。
そして、アクリル板と重りを載せ、直ちに前記測定法1と同様に試験片の厚みを測定し、この測定値の平均をとって、無荷重厚みとする。
【0049】
本実施形態の使い捨ておむつは、包装体とする際には、通常通り、適宜折り畳まれ、積層され、圧縮されて収納包装される。そして、本実施形態の使い捨ておむつは、このように包装されたときの厚みが本発明に係る前記圧縮回復率を有していない不織布を用いた場合と同程度であるが、包装袋から取り出して使用する際には、包装前の状態の厚みに回復する。
【0050】
本実施形態の使い捨ておむつは、前述の如く構成されているので、包装体とした場合には、厚みが薄く、コンパクトにでき、しかも、包装袋から取り出して使用する際には厚みが回復して適度な厚みを有するようになるため、使用者等に薄さからくる不安感を与えることなく安心して使用でき、且つ透湿性を維持できるものである。
【0051】
なお、前述の実施形態においては、展開型の使い捨ておむつを例示して説明したが、本発明は、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等にも適用可能である。
【0052】
〔実施例1〜3並びに比較例1及び2〕
(1)不織布の製造
6.7dtex×51mmのポリエチレンテレフタレート繊維を原料としてカード法によりウエブ(繊維集合体)を形成した。このウエブに表1に示すアクリル酸エステル系エマルジョン接着剤(すべてナショナルスターチ社製)を、同表に示す塗布量でスプレー塗布した。次いで接着剤を160℃で乾燥させ、レジンボンド不織布を製造した。但し、比較例2は接着剤を塗布せず、ウエブのままである。
【0053】
【表1】
【0054】
(2)使い捨ておむつの製造
図1〜図4に示すおむつを製造した。前述のようにして得られたレジンボンド不織布に、表2に示す配合のホットメルト粘着剤を、スパイラルスプレー法(ホットエアー温度150℃、圧力176.4kPa)にて塗工量5g/m2 で塗工し、これを吸収体を包む台紙と接着した。その他は、従来と同様にして使い捨ておむつを製造した。尚、比較例2は、特開平1−285265号公報の実施例1に相当するものである。
【0055】
【表2】
【0056】
(3)性能評価
各実施例及び比較例の使い捨ておむつに用いたレジンボンド不織布の坪量、初期厚み(レジンボンド不織布を圧縮する前の厚み)、圧縮回復率、そのレジンボンド不織布を用いた使い捨ておむつの荷重下厚み、無荷重厚み、及び厚み比(荷重下厚みに対する無荷重厚みの比率を測定した。その結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
表3に示す結果から明らかなように、特定の不織布がおむつ内の所定位置に配された各実施例の使い捨ておむつは、圧縮された場合にはコンパクトになり、圧縮が解放された場合には厚みが回復することが判る。特に、Tgの低い接着剤を用いて形成されたレジンボンド不織布を用いると、圧縮回復率が極めて高くなることが判る。
【0059】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、包装体とした場合にはコンパクトであるが、包装袋から取り出し使用する際には、厚みが回復し、使用時における安心感が高く、且つ透湿性を維持できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のX−X断面を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、図1のY−Y断面を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、図1のZ−Z断面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
11 ファスニングテープ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 ポリマー固定不織布
42 吸収性ポリマー
43 台紙
44 不織布
5 外層不織布
51 止着部
6 立体ギャザー
61 撥水性不織布
62 自由縁部
63 立体ギャザー弾性部材
7 レッグギャザー
71 レッグ弾性部材
8 ウエスト部
81 ウエスト弾性部材
A 腹側部
B 背側部
Claims (5)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する吸収性物品において、
坪量が20〜100g/m2であり、無荷重下厚みが1〜10mmであり、圧縮回復率(b/a×100)〔但し、a;無荷重下で24時間放置した後の厚み(mm)b;17.6kPaの圧力で24時間圧縮した後、圧力を取り除き30分間放置したときの厚み(mm)〕が60%以上であり、合成繊維を主体とする繊維集合体に、ガラス転移温度が4℃以下の接着剤を含浸又は塗布して形成されている不織布を、前記裏面シートと前記吸収体間に具備しており、前記不織布の少なくとも一方の面の略全面又は前記不織布と接触する部材の接触面の略全面に、接着剤を、塗工部及び未塗工部ができるように実質的に均一に分散塗工し、該不織布を接着固定してある吸収性物品。 - 前記塗工部の形状が、点状、線状、ドット状又はスパイラル状であり、塗工部と未塗工部との面積比(前者/後者)が2/8〜7/3である請求項1記載の吸収性物品。
- 前記接着剤が、アクリル酸エステルをベースにしたエマルジョン接着剤である請求項1記載の吸収性物品。
- 前記接着剤の含浸量又は塗布量が、前記不織布全体の重量の10〜60重量%である請求項1記載の吸収性物品。
- 前記裏面シートが透湿性である請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
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