JP3960507B2 - 緩衝装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、下降するエレベータを最下階で停止させる際に利用する緩衝装置の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
下降するエレベータを最下階で停止させる際に利用する緩衝装置としては、従来から種々の提案があるが、その中で、緩衝装置がシリンダ体に対してロッド体を減衰作用下に没入させる緩衝器、たとえば、油圧緩衝器からなる場合に、これまでは、この油圧緩衝器がいわゆる単動型に設定されていることが多かった。
【0003】
すなわち、従来のエレベータにおける速度は、今日程に高速ではなかったことから、エレベータを最下階で停止させるについて必要な減速を、たとえば、クランプ式のブレーキ装置で十分になし得たし、仮に、十分なブレーキ効果が得られなかったとしても、緩衝装置は、エレベータ内の人に悪影響を及ぼさない限りにおいて、必要最小限度のものであれば良かった。
【0004】
しかしながら、最近のエレベータにあっては、速度が1分あたりで800m以上になる程に高速化されているものもあり、このような高速エレベータを停止させる際には、エレベータ内の人に作用する重力などの影響を考慮すると、2,3階分の階高に相当する距離が必要になる。
【0005】
そして、その際の減速をクランプ式のブレーキ装置で実現するとしても十分には対応できず、したがって、このような高速で下降するエレベータを最下階で停止させるには、緩衝装置を構成する油圧緩衝器をテレスコープ型に、すなわち、多段伸縮型に設定するとの提案がある。
【0006】
そして、緩衝装置を構成する油圧緩衝器を多段伸縮型に設定する場合には、所定の緩衝効果を確保できるのはもちろんのこと、緩衝装置を構成する油圧緩衝器がいわゆる単動型に設定される場合に比較して、最収縮時の寸法を小さくし得る利点がある。
【0007】
しかしながら、およそ無荷重状態になった油圧緩衝器、すなわち、緩衝装置を最伸長状態に復帰させるについては、いわゆる復帰力を発生する伸長手段が必要になり、特に、多段伸縮型に設定された緩衝装置を最伸長状態に復帰させるについては、言わば伸長ストロークの大きい伸長手段が必要になる。
【0008】
このとき、伸長手段として油圧シリンダなどからなるアクチュエータを利用する場合には、このアクチュエータを伸縮制御するためのタンクやポンプさらには調整バルブなどを有する油圧給排源の装備が必須になり、結果として、緩衝装置を高コスト化し、また、手間のかかるメンテナンスを増やすことになる不具合がある。
【0009】
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝装置が多段伸縮型に設定された油圧緩衝器からなる場合に、これを最伸長状態に復帰させる伸長手段が緩衝装置を高価にせず、しかも、手間のかかるメンテナンスを必要とさせずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるものを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、下段シリンダ体と、下段シリンダ体上に起立した内筒および外筒と、下段シリンダ体内と内筒内とにそれぞれ中段ピストン部と補助ピストン部とを介して摺動自在に挿入した中段シリンダ体と、中段シリンダ体内に上段ピストン部を介して摺動自在に挿入した上段シリンダ体と、上段シリンダ体内に最上段ピストン部を介して挿入した上段ロッド体とを備え、上記中段ピストン部は下段シリンダ体内に下段側の上方油室と下方気室とを区画し、上記補助ピストン部は内筒内に上方圧力室と下方圧力室とを区画し、上記上段ピストン部は中段シリンダ体内に中段側の上方油室および下方油室とを区画し、上記最上段ピストン部は上段シリンダ体内に上段側上方油室および下方油室とを区画し、上記下段側の上方油室は中段シリンダの基端に形成した第1の通孔を介して中段側の下方油室に連通し、上記中段側の上方油室は上段シリンダ体の基端に形成した第2の通孔を介して上段側の下方油室に連通し、又、この上段側の下方油室は同時に上記ロッド体の基端に形成した第3の通孔を介して上段側上方油室に連通し、更に上記上方圧力室と下方圧力室とは上記内筒に形成した複数のオリフィスを介して当該内筒と上記外筒との間に区画した外側圧力室に連通させている緩衝装置において、
上記下方気室を密封した気体バネ室として構成し、上記下段シリンダ体の外側に筒体を配設し、これら下段シリンダ体と筒体との間に気室を区画し、上記気体バネ室を上記下段シリンダ体の基端に形成した最下段の通孔を介して連通させ、上記ロッド体に荷重が作用する圧縮作動時に上記オリフィスが減衰作用を発揮すると同時に上記気体バネ室が気体バネ効果を発揮し、同じく荷重が解除されて伸長作動するとき上記オリフィスで減衰効果を発揮しながら上記気体バネ室の反力で各シリンダ体とロッド体とを基の位置に伸長させることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図1、図2に基づいて説明する。
図1は、課題を解決するための一つの実施の形態を示し、図2は、この図1の緩衝装置と基本構造を同じにする請求項1の発明に対応する実施の形態を示す。
図1および図2に示す緩衝装置の基本構造では、下段シリンダ体1と、下段シリンダ体1上に起立した内筒52および外筒53と、下段シリンダ体1内と内筒52内とにそれぞれ中段ピストン部2aと補助ピストン部51とを介して摺動自在に挿入した中段シリンダ体2と、中段シリンダ体2内に上段ピストン部3aを介して摺動自在に挿入した上段シリンダ体3と、上段シリンダ体3内に最上段ピストン部4aを介して挿入した上段ロッド体4とを備えている。
又、上記中段ピストン部2aは下段シリンダ体1内に下段側の上方油室Rと下方気室Aとを区画し、上記補助ピストン部51は内筒52内に上方圧力室54と下方圧力室55とを区画し、上記上段ピストン部3aは中段シリンダ体2内に中段側の上方油室R2および下方油室R1とを区画し、上記最上段ピストン部4aは上段シリンダ体3内に上段側上方油室R4および下方油室R3とを区画し、上記下段側の上方油室Rは中段シリンダ2の基端に形成した第1の通孔2bを介して中段側の下方油室R1に連通し、上記中段側の上方油室R2は上段シリンダ体3の基端に形成した第2の通孔3bを介して上段側の下方油室R3に連通し、又、この上段側の下方油室R3は同時に上記ロッド体4の基端に形成した第3の通孔4bを介して上段側上方油室R4に連通している。
更に、上記上方圧力室54と下方圧力室55とは上記内筒52に形成した複数のオリフィス52aを介して当該内筒52と上記外筒53との間に区画した外側圧力室に連通させている。
そして、本発明の実施の形態に係る図2の緩衝装置では、上記下方気室Aを密封した気体バネ室として構成し、上記下段シリンダ体1の外側に筒体6を配設し、これら下段シリンダ体1と筒体6との間に気室A1を区画し、上記気体バネ室を上記下段シリンダ体1の基端に形成した最下段の通孔1aを介して連通させている。
この緩衝装置では、上記ロッド体4に荷重が作用する圧縮作動時に上記オリフィス52aが減衰作用を発揮すると同時に上記気体バネ室が気体バネ効果を発揮し、同じく荷重が解除されて伸長作動するとき上記オリフィス52aで減衰効果を発揮しながら上記気体バネ室の反力で各シリンダ体2、3とロッド体4とを基の位置に伸長させるものである。
以下更に詳しく説明する。
この際、下記図1および図2の各実施の形態では、下段シリンダ体1を最下段のシリンダ体1と、中段のシリンダ体2を中段のシリンダ体2と、上段シリンダ体を最上段のシリンダ体3と、上段ロッド体4を最上段のロッド体4として説明する。
【0014】
すなわち、この緩衝装置は、図示するところでは、最下段のシリンダ体1と、中段のシリンダ体2と、最上段のシリンダ体3と、最上段のロッド体4とを有してなる。
【0015】
そして、最上段のロッド体4が最上段のシリンダ体3内に没入することでこの最上段のシリンダ体3が中段のシリンダ体2内に没入し、かつ、この中段のシリンダ体2が最下段のシリンダ体1内に没入することで、減衰機構5によって所定の減衰作用が実現されるとしている。
【0016】
まず、最下段のシリンダ体1は、その上端に上記の減衰機構5を有してなる一方で、図示する実施の形態では、エレベータ(図示せず)が昇降する昇降路(図示せず)における最下階の床たるピット床Pにいわゆる起立する状態にして固定状態に支承されてなるとしている。
【0017】
ここで、減衰機構5について少し説明すると、この減衰機構5は、ピストン51と、内筒52と、外筒53とを有してなり、内筒52に開穿された多数のオリフィス52aのうちで選択されたオリフィス52aを油などの作動流体が通過することで上記した所定の減衰作用が実現されるとしている。
【0018】
すなわち、ピストン51は、最下段のシリンダ体1に対して出没する中段のシリンダ体2における上端側の外周に、すなわち、最下段のシリンダ体1に対して出没しないことになる中段のシリンダ体2における上端側の外周に一体的に配設されてなるもので、その外周が内筒52の内周に摺接するとしている。
【0019】
そして、このとき、このピストン51は、中段のシリンダ体2の外周と内筒52との間に上方油室54と下方油室55を区画するとしている。
【0020】
内筒52は、上記した中段のシリンダ体2の外周側に配在されてなるもので、上端側から下端側にかけて開穿されてこの内筒52の内外周側の連通を許容する上記した多数のオリフィス52aを有してなると共に、上端部にこの内筒52の内外周側の連通を許容する通孔52bが開穿されてなるとしている。
【0021】
ちなみに、ここに言う内筒52の内周側とは、上記した上方油室54と下方油室55であることはもちろんである。
【0022】
外筒53は、上記の内筒52の外周側に前記した作動流体の通路となる適宜の隙間を有して配在されるとするもので、この外筒53を設けることで、この減衰機構5における閉鎖された回路を構成している。
【0023】
それゆえ、この減衰機構5にあっては、最下段のロッド体の下降時に、すなわち、中段のシリンダ体2が最下段のシリンダ体1内に没入するときに、ピストン51の下方となる下方油室55の作動流体が下方油室55に開口するオリフィス52aを介して内筒52の外周側に流出し、かつ、通孔52bおよび上方油室54に開口するオリフィス52aを介してピストン51の上方となる上方油室54に流入することになり、オリフィス52aを作動流体が通過するときに所定の減衰作用が実現されることになる。
【0024】
このとき、図示するところでは、減衰機構5中に充満される作動流体のみが減衰作用に関与するから、この作動流体の粘度を言わば緩衝装置本体内に充満される流体、すなわち、油の粘度と異なるものとし得ることになり、したがって、この作動流体における粘度を選択することで、この減衰機構5による発生減衰力の高低調整が可能になる点で有利となる。
【0025】
なお、図示するところでは、中段のシリンダ体2が下降するに従い下方油室55に開口するオリフィス52aの本数が減り、したがって、徐々に減衰力が高くなるように設定されている。
【0026】
一方、上記した最下段のシリンダ体1は、内部に摺動可能に収装された中段のシリンダ体2における下端部となるピストン部2aによって区画される下方気室Aと上方油室Rを有してなり、上方油室Rが中段のシリンダ体2内に連通されてなるとしている。
【0027】
このとき、下方気室Aは、最下段のシリンダ体1における下端が閉塞されて形成されてエアなどの気体を充満した気体バネ室とされており、したがって、ピストン部2aの下降でこの下方気室Aが収縮されるとき、気体バネ効果が発揮されることになる。
【0028】
つぎに、中段のシリンダ体2は、上記したように、最下段のシリンダ体1に対して出没する最下段のロッド体とされるもので、内部に摺動可能に収装された最上段のシリンダ体3における下端部たるピストン部3aによって区画される下方油室R1と上方油室R2を有してなり、上方油室R2が最上段のシリンダ体3内に連通されてなるとしている。
【0029】
このとき、この中段のシリンダ体2は、ピストン部2aの上方で開穿される通孔2bを有しており、この通孔2bを介して上記の下方油室R1が前記した上方油室Rと連通するとしている。
【0030】
さらに、最上段のシリンダ体3は、中段のシリンダ体2に対して出没する中段のロッド体とされるもので、内部に摺動可能に収装された最上段のロッド体4における下端部たるピストン部4aによって区画される下方油室R3と上方油室R4を有してなる。
【0031】
そして、このとき、最上段のシリンダ体3は、ピストン部3aの上方で開穿される通孔3bを有しており、この通孔3bを介して上記の下方油室R3が前記した上方油室R2と連通するとしている。
【0032】
そしてさらに、最上段のロッド体4は、最上段のシリンダ体3に対して出没するもので、下端部たるピストン部4aに上記の下方油室R3と上方油室R4と連通する通孔4bを有してなるとしている。
【0033】
それゆえ、以上のように形成されたこの緩衝装置にあっては、最上段のロッド体4に作用する荷重によってこのロッド体4が最上段のシリンダ体3内に没入すると共に、この最上段のシリンダ体3が中段のシリンダ体2内に没入し、かつ、この中段のシリンダ体2が最下段のシリンダ体1内に没入することになる。
【0034】
このとき、最上段のロッド体4における断面積と最上段のシリンダ体3における内周側断面積との関係、および、最上段のシリンダ体3における外周側断面積と中断のシリンダ体2における内周側断面積との関係、さらに、中断のシリンダ体2における外周側断面積と最下段のシリンダ体1における内周側断面積との関係が必要条件下に設定されるのはもちろんである
すなわち、最上段のロッド体4が最上段のシリンダ体3内に没入することで、最上段のシリンダ体3内における下方油室R3で余剰となる油が中段のシリンダ体2内における上方油室R2に流入することになる。
【0035】
それゆえ、この上方油室R2が膨張することで、最上段のシリンダ体3が中段のシリンダ体2内に没入することになり、このとき、中段のシリンダ体2内における下方油室R1で余剰となる油が最下段のシリンダ体1内における上方油室Rに流入することになる。
【0036】
その結果、この上方油室Rが膨張して、中段のシリンダ体2が最下段のシリンダ体1内に没入することになり、最終的には、この緩衝装置が最圧縮されることになる。
【0037】
そして、中段のシリンダ体2が最下段のシリンダ体1内に没入するときに、前記したように、減衰機構5によって所定の減衰作用が実現されることになり、これによって、エレベータの下降速度を減速し得ることになる。
【0038】
また、このときには、最下段のシリンダ体1内に区画されている下方気室Aが収縮されて所定の気体バネ効果が発揮されることになり、この気体バネ効果が上記した最上段のロッド体4に作用する荷重がなくなるときに、すなわち、この緩衝装置が無荷重状態になるときにこれを最伸長状態に復帰させることになる。
【0039】
それゆえ、このエアバネ効果を発揮する気体バネ室、すなわち、下方気室Aが無荷重状態の緩衝装置を最伸長状態に復帰させるためのこの発明における伸長手段となる。
【0040】
このことからすると、この発明にあっては、言わば閉鎖された気室たる下方気室Aを伸長手段とし得るから、伸長手段としてのアクチュエータを別途に設ける必要がなく、また、アクチュエータを設けることで緩衝装置におけるいたずらなコストの上昇化を招来する危惧がなく、さらに、手間のかかるメンテナンスを不要にする点で有利となる。
【0041】
また、下方気室Aがエアバネ効果を発揮する伸長手段となる観点からすれば、図示しないが、下方気室Aを閉鎖空間でなく開放空間にする一方で、この下方気室Aにコイルバネを配在し、このコイルバネを伸長手段とすることでも、無荷重状態の緩衝装置を最伸長状態に復帰し得ることになるが、この場合でも、コイルバネたる部品が必要になる不利がある上に、コイルバネを有する限りにおいてのメンテナンスが必要になる不利がある。
【0042】
以上のように形成されるこの発明における伸長手段としての下方気室Aは、前記したように、最下段のシリンダ体1における下端が閉塞されて形成されてなるとしているが、これに代えて、図2に示すように、最下段のシリンダ体1の外周側に配在される筒体6との間に閉鎖空間として形成される気室A1に連通されてなるとしても良い。
【0043】
このとき、この実施の形態では、最下段のシリンダ体1の下端部に通孔1aが開穿されてなるとしており、この通孔1aを介して下方気室Aが気室A1に連通するとしている。
【0044】
なお、この実施の形態にあって、その構成が前記した図1に示す実施の形態の場合と同様となるところについては、図中に同一の符号を附するのみとして、その詳しい説明を省略する。
【0045】
また、この実施の形態にあっても、この緩衝装置を構成する最下段のシリンダ体1は、ピット床Pにいわゆる起立する状態にして固定状態に支承されるとしている。
【0046】
ちなみに、気室A1の機能するところを勘案すると、この気室A1は、最下段のシリンダ体1の外周側にいわゆる一体に形成される必要はなく、たとえば、図示しないが、最下段のシリンダ体1といわゆる別体に形成されて、両者が耐圧ホースなどで連通されるとしても良い。
【0047】
気室A1を別体に形成して耐圧ホースなどで連通する場合には、通孔1aを開穿する必要はあるが、前記した図1に示す実施の形態のものをそのまま利用できることになる点で有利となる。
【0048】
ところで、この図2に示す実施の形態では、下方気室Aが外周側の気室A1に連通されてなるとすることから、いわゆる気室を大きくできることになり、その限りにおいて、気体バネ効果を前記した実施の形態の場合よりも緩和することが可能になる。
【0050】
なお、図2中に仮想線図で示すように、下方気室A内にストローク調整手段7を設けても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、オリフィス等からなる減衰機構により、中段シリンダ体が下段シリンダ体内を下降するときに、オリフィスを作動流体が通過して所定の減衰作用が実現されることになる。
また、このときには、気体バネ室が収縮されて所定の気体バネ効果が発揮されることになる。
更に、この気体バネ室は上段ロッド体に作用する荷重がなくなるときに、すなわち、この緩衝装置が無荷重状態になるときに当該緩衝装置を最伸長状態に復帰させることになる。
従って、この気体バネ室を無荷重状態の緩衝装置における伸長手段とし得るから、伸長手段としてのアクチュエータを別途に設ける必要がなく、また、アクチュエータを設けることで緩衝装置におけるいたずらなコストの上昇化を招来する危惧がなく、さらに、手間のかかるメンテナンスを不要にする利点がある。
【0052】
その結果、この発明によれば、緩衝装置が多段伸縮型に設定された油圧緩衝器からなる場合に、これを最伸長状態に復帰させる伸長手段が緩衝装置を高価にせず、しかも、手間のかかるメンテナンスを必要とさせずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
更に、気体バネ室が外周側の気室に連通されているから、いわゆる気室を大きくできることになり、その限りにおいて、単独の気体バネ室のものに比べて、気体バネ効果を緩和することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による緩衝装置を原理的に示す縦断面図である。
【図2】他の実施の形態による緩衝装置を図1と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 最下段のシリンダ体
1a,2b,3b,4b,52b 通孔
2 最下段のロッド体となる中段のシリンダ体
2a,3a,4a ピストン部
3 中段のロッド体となる最上段のシリンダ体
4 最上段のロッド体
5 減衰機構
6 筒体
7 ストローク調整手段
51 ピストン
52 内筒
52a オリフィス
53 外筒
54,R,R2,R4 上方油室
55,R1,R3 下方油室
A 気体バネ室とされる下方気室
A1 気室
P ピット床
Claims (1)
- 下段シリンダ体1と、下段シリンダ体1上に起立した内筒52および外筒53と、下段シリンダ体1内と内筒52内とにそれぞれ中段ピストン部2aと補助ピストン部51とを介して摺動自在に挿入した中段シリンダ体2と、中段シリンダ体2内に上段ピストン部3aを介して摺動自在に挿入した上段シリンダ体3と、上段シリンダ体3内に最上段ピストン部4aを介して挿入した上段ロッド体4とを備え、上記中段ピストン部2aは下段シリンダ体1内に下段側の上方油室Rと下方気室Aとを区画し、上記補助ピストン部51は内筒52内に上方圧力室54と下方圧力室55とを区画し、上記上段ピストン部3aは中段シリンダ体2内に中段側の上方油室R2および下方油室R1とを区画し、上記最上段ピストン部4aは上段シリンダ体3内に上段側上方油室R4および下方油室R3とを区画し、上記下段側の上方油室Rは中段シリンダ2の基端に形成した第1の通孔2bを介して中段側の下方油室R1に連通し、上記中段側の上方油室R2は上段シリンダ体3の基端に形成した第2の通孔3bを介して上段側の下方油室R3に連通し、又、この上段側の下方油室R3は同時に上記ロッド体4の基端に形成した第3の通孔4bを介して上段側上方油室R4に連通し、更に上記上方圧力室54と下方圧力室55とは上記内筒52に形成した複数のオリフィス52aを介して当該内筒52と上記外筒53との間に区画した外側圧力室に連通させている緩衝装置において、
上記下方気室Aを密封した気体バネ室として構成し、上記下段シリンダ体1の外側に筒体6を配設し、これら下段シリンダ体1と筒体6との間に気室A1を区画し、上記気体バネ室を上記下段シリンダ体1の基端に形成した最下段の通孔1aを介して連通させ、上記ロッド体4に荷重が作用する圧縮作動時に上記オリフィス52aが減衰作用を発揮すると同時に上記気体バネ室が気体バネ効果を発揮し、同じく荷重が解除されて伸長作動するとき上記オリフィス52aで減衰効果を発揮しながら上記気体バネ室の反力で各シリンダ体2、3とロッド体4とを基の位置に伸長させることを特徴とする緩衝装置。
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