JP3960295B2 - チルト誤差低減非球面ホモジナイザー - Google Patents

チルト誤差低減非球面ホモジナイザー Download PDF

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    • B23K26/062Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing by direct control of the laser beam

Description

本発明は、レーザから出たビームを均一パワー分布に変換する1枚レンズからなる非球面ホモジナイザーに関する。炭酸ガスレーザやYAGレーザなど高出力レーザは金属の切断、溶接、熱処理などに用いられることがある。レーザから出たビームは単色平行でコヒーレントであるが、パワー分布が空間的に一様でない。中央部でパワーが大きく周辺部に行くに従ってパワーが減少する。
理想的にはガウス分布をしている。そこでパワーがガウス分布しているビームをガウシアンビームあるいは簡単にガウスビームと呼ぶ。ガウスビームをそのまま導光し集光して対象物に当てて切断、溶接などを行うということはよく行われている。
しかしレーザビームのパワーを利用するような用途においては、ある空間範囲でパワーが均一であるビームが要求されることもある。ガウスビームのようになだらかでなく、ある範囲でパワーが同一であってその外側ではパワーが0であるようなビームが希求される。そのようなビームを簡単にトップハット(top hat)型と呼ぶこともある。山高帽に似ている分布だからである。円筒形断面のビームとは限らず、正方形、楕円断面のビームが必要なこともある。
ガウスビームを変形してトップハットビームを作るには幾つかの手段がある。格子状に分割された多くの平面をもつ複合ミラー面によってレーザを一点に反射して重ね合わせるというものがある。それは矩形断面のトップハットを作るのに適している。空間的に分割されたビームを同じ狭い矩形領域に集めるからパワーは同一になる。しかし位相関係が完全に崩れてしまう。位相がそろっていなくてもよいという用途には使える。
あるいは回折型光学部品(DOE)を用いてトップハットビームを作り出すものもある。それは自由度は高いのであるが、多数の段階状の面を多数もつ部品を切削によって作るので製造コストが高くつく。
非球面レンズを使ってレーザから出てくるガウスビームをトップハットにするものもある。ガウスビームをトップハット型のビームに整形するための光学系をホモジナイザー(Homogenizer)という。
レンズを使うホモジナイザーは普通2枚のレンズを必要とする。ガウス分布するビームを空間的に均一にするレンズが必要である。それを強度変換レンズと呼ぶ。そのレンズでパワーは均一になるのであるが、位相関係が乱れてしまう。そこで乱れた位相を補正して、ある平面では位相が同一であるような平行ビームに矯正するレンズが必要である。そのように位相補正をするレンズを位相補正レンズと呼ぶ。
だからホモジナイザーは最低2枚のレンズが必要であり、ホモジナイザー=強度変換レンズ+位相補正レンズであった。それは任意の広がり半径aをもつガウスビームを、任意の半径bをもつ均一パワー(トップハット)の平行ビームに変換するものである。最終ビームが平行であることがどうして必要かというと、ある平面で位相を合致させたビームであるから以後どれだけ伝搬しても位相関係は乱れず均一パワーを維持できるからである。平行ビームだから整形、集光するのは簡単である。拡大し縮小し、あるいは集光する必要があれば、位相補正レンズのあとにピンホールやコリメータレンズ、集光レンズをおいてビームをさらに整形する。それは入射レーザビームが、単色、平行、コヒーレント(位相がそろっている)という性質を備えているから可能である。
強度変換レンズはガウスビームを均一ビームに変換するレンズであるから通常の球面レンズではありえない。非球面レンズとなる。位相補正レンズも位相補正するものだから球面レンズではなく、非球面となる。二つの非球面レンズを使うホモジナイザーは、初めのガウスビーム径2aと最終的な均一分布平行ビームの径2bの関係を自在に与えることができる。a<b、a=b、a>bのいずれの大小関係のものをも与えることができる。
しかし本発明はそのような2枚レンズのものでなくて1枚レンズのものを対象とする。それは強度変換レンズだけからなるものであり最終ビームの径2bは初めのガウスビーム径2aよりも小さくて、しかも平行ビームでないというようなものである(a>b)。だから位相が揃っており均一パワー平行ビームを作るという本来のホモジナイザーの定義からは逸脱する。最終ビームは非平行で位相も一様でない(非平行、インコヒーレント)。本発明はそのような1枚レンズよりなる変形ホモジナイザーに関するものである。
本発明はレンズが軸線に対して傾くチルトを問題にする。チルト(tilt)というのはレンズ面が正規の面から少し傾くという意味である。前後位置は狂いがないしレンズ中心を光学軸線が通っているのであるが、レンズ面が軸線に正しく直角でないというのがチルトである。レンズが傾くと出射ビームの軸線を横切る点がずれるので対象物面での集光点がずれる。それはレンズのコマ収差といわれるものである。本発明はチルトによる収差を少なくした1枚レンズホモジナイザーを与えることを目的とする。
特許文献1はガウスビームを強度変換レンズによって均一分布のトップハット型に変換し、さらに位相補正レンズによって平行で位相の揃った広がったビームに変換させるものである。役割の異なる2枚レンズを使ったものである。レーザから出て、このレンズ系に入る前のビームを入力ビームと呼び、このレンズ系の中間で経路を変換している中間ビームを変化ビームと呼び、レンズ系から出たビームを出力ビームと呼んで区別することにしよう。特許文献1は平行の入力ビームの半径はRであり、出力のビーム半径もRであり、かつ平行ビームである。
これは平行のガウシアンビームを同じサイズの平行均一ビーム(トップハット)に変換するものである。だから同じサイズの2枚のレンズが前後に用いられる。レンズの前後で平行で位相がそろったビームでなければならないという条件がある。レーザビームは平行ビームであって位相もそろっている。位相関係が強度変換レンズによって一旦乱れる。しかし位相補正レンズによって位相関係が正しく修復される。
つまりパワー分布を変換させるのは強度変換レンズであり、それによって乱れた角度と位相をそろえるのが位相補正レンズである。位相補正レンズは単に平行ビームを回復するというのではなくて位相もそろったビームにするのである。平行性、位相同期という二つの機能を位相補正レンズがになっているのである。
強度変換レンズは入射側(前面、表面)が平面で出射側(後面、裏面)が凹面であって、平凹レンズとなっており凹面が非球面である。ガウスビームの広がりaよりもトップハットのビーム広がりbが大きいのでガウスビームの中央部のビームを外側へ広げる必要がある。先ほどの分類だとa<bの類型である。だから強度変換レンズの後面の中央部は窪んでいる。だから強度変換レンズは平凹レンズのような形状となっている。
その後に置かれた位相補正レンズは広がったビームを集めて位相の揃った平行ビームにする必要があるので前面は中央部の突き出た凸レンズとなっている。後面(出射面;裏面)は位相が揃った平行ビームを出射するので平面となっている。だから位相補正レンズは凸平レンズである。
強度変換レンズは平凹レンズで、位相補正レンズは凸平レンズである。つまり強度変換レンズ+位相補正レンズの全体として前面と後面は平坦面となっており、内側の相対する面が凹面と凸面となっている。
2枚レンズ組の前後が平坦なレンズになるのはこのタイプのレンズ系では必然である。レーザビームは平面波であって位相は揃っている。もちろん単色性もある。単色であるから、いつまでも位相がそろうのである。このレンズ系でパワー分布を均一にした後のビームも平行で位相がそろっているべきであるから後ろの位相補正レンズの後ろ面は平面であるべきである。だから平凹+凸平のレンズの組み合わせとなる。
実際そのような場合に計算がより単純であって解析的な微分方程式によって、強度変換レンズ後面の凹面と、位相補正レンズの前面の凸面の形状を与えることができる。この微分方程式はもちろん解析的には積分できない。しかしコンピュータを用いれば積分できるから正確なレンズの形状を先験的に求めることができる。
入力ビームと出力ビームの間においてビーム径はかわらずR→Rである。出力ビームが平行でビーム径が大きいと様々な好都合なことがある。出力ビームをミラー系で反射して任意の経路を伝搬させることができる。平行で単色で位相が揃っている(コヒーレント)から、どこまで伝搬させても位相関係が変わらない。またガルバノメータのように左右に揺動するミラーによって左右に走査しても位相関係が不変である。パルスレーザの光をガルバノミラーで左右に走査しレンズで集光すると短時間に多くの穴を等間隔に2次元で穿孔することができる。
また平行で広いビームで位相がそろっているから回折型光学部品(DOE)によって1次元的2次元的に等間隔に広がった多数の(数百〜数千本)等価なビームを一挙に作り出すことができる。光源のレーザパワーが極めて強力であって出力ビームを多数のビームに分割してもなお強力で多数点、多数線を切断、穴穿孔、熱処理できるものであればそれは最適である。そのように平行で位相関係が一定でコヒーレントな出力ビームには多くの使い道がある。だから特許文献1によって提案されたホモジナイザーは極めて有用である。
特許文献2は、拡大縮小が可能であってトップハット型の均一エネルギー分布ビームを作り出すような2枚レンズのホモジナイザーを提案している。前方に強度変換レンズ、後方に位相補正レンズを設けている。しかし1対1ではなくて拡大縮小(1:M又はM:1)できるということを目的にしているから位相補正レンズを出た後のビームはある範囲でエネルギー分布が均一であるが、位相は乱れ平行でないビームになる。
つまり特許文献1は原理的に理想的な平行ビーム、コヒーレント、均一エネルギー分布を満たす1対1のホモジナイザーである。特許文献2は拡大縮小可能性を得るために平行性、コヒーレント性を犠牲にしている。レンズ設計は波動光学的な計算によっており均一エネルギー分布を満たす解は幾つも出てくる。
USP3,476,463号(Justin.L.Kreuzer) 特開平10−153750号「レーザビーム整形光学部品」
ところが、いつもいつもガルバノミラーでビーム走査するとは限らないし、常にDOEで多数のビームに分割する必要があるとは限らない。
光源のレーザパワーが弱くて、出力ビームを分割してはパワーが足りないということもある。その場合は1本のビームをそのまま絞って対象物の一点に当てるということになる。先ほどの洗練されたガルバノミラーや、DOEの話と比較すると一歩後退した話であるが1本のレーザビームでもって対象の1点だけを照射するという用途もある。それは先ほどの分類でいうとa>>bというような類型である。
例えば10mmφの大きいガウシアンビームを100μmφの1本のビームに絞って対象に当てるというような場合である。その場合でも単に集光レンズを使うのでは絞ったビームがガウシアンビームであるから不都合だということがある。ガウシアンビームで穴を開けたとすると、どうしてもダレがあってきれいな穴が開かない。貫通穴であると断面が凹鼓型になるし、中途穴の場合は円筒でなく円錐に近い穴になってしまう。きれいな円筒形の穴を開けるためには絞ったビーム自体もトップハット型でなければならない。
特許文献1のレンズ系で平行均一ビームを作るから、それを集光レンズで絞って100μmφに整形することももちろん可能である。ところがその集光レンズ系は当然に極めて長い光学経路を必要とする。縮小光学系が必要であり上の場合1/100に縮小するから、出力ビームの後のマスク(スリット)と集光レンズの距離をs、集光レンズと対象物の距離をtとすると、s:t=100:1としなければならない。集光レンズの直径は20mmφは必要だから、それを100μmに絞るに必要な集光レンズ・対象間距離tはかなり大きいものとなる。たとえばt=50mmとすると、s=5000mmとなり、それは長大なレンズ系となって場所を余分に取り望ましくない。
そこでa>>bの場合は特許文献1のようにビーム径はあまり変わらず(R→R)平行ビームの出力を与えるものでなくて、ビーム径を小さくして、しかもトップハットだというようなことが望まれる。その場合位相は乱れていても良いし平行性も無くて良いということがある。位相がそろっており平行性が重視されるのは、それからさらに伝搬してゆくからである。伝搬しても波形がくずれないためには平行で位相がそろって単色だということは必要条件である。
しかしながら対象物に当たって、そこへただちに穴を開けたり溶接したり熱処理するという用途であればその後まで光として伝搬するのでない。だから像面での定位相、平行性というのはよく考えれば必要でない。
つまり平行性、定位相性(コヒーレンス)を犠牲にしても、より短い光学系になる方がより好ましいのである。ホモジナイザーであって、そのような用途というもの自体が新規である。
そのような場合は特許文献1とは違って強度変換レンズだけの1枚レンズでホモジナイザーを構成する方が良い。ガウスビームの半径aに比べてトップハットビームの半径bが著しく小さい(a>>b)しトップハットビームは伝搬させず直ちに対象物へ照射して熱に変換させ穴開け、切断、溶接、熱処理に用いられる。伝搬しないから平行ビーム等位相などの条件は不要である。エネルギーの等分配だけでよい。
1枚レンズのホモジナイザーというもの自体がこれまでにないものである。新規な概念である。それは集光レンズと強度変換レンズの作用を相乗したようなものである。だからそのレンズは正の屈折力をもち像面の微小領域(r≦b)で一定パワーをもつものであるべきである。
図13にそのような1枚レンズのホモジナイザーを示す。左側から半径aで平行単色のガウスビーム(レーザビーム)がやってくる。ホモジナイザーでそれを絞り像面で直径2bの狭い領域での均一分布(トップハット)ビームに変換する。これが本発明の目的とする1枚レンズホモジナイザーの光学系である。
新規な1枚レンズホモジナイザーであるが、強度変換レンズはこれまで入射側が平面で出射側が凹面であった。それは位相が揃ったレーザビームが入射側から入ってくるので入射面は平面でないと設計が難しかったからである。出射側が凹面であるのはガウスビームの中心の強い部分を外側へ広げるためである。集光レンズは入射面も出射面も凸面であるものが多い。つまり凸凸レンズであるものが多い。ここで入射側の面と出射側の面の形状を前後に並べて書いてレンズの特徴を簡明に表現することとする。もちろん集光レンズは平凸、凸平、凸凹の形状をとることができ全体として正の屈折力があればよい。
その新規な1枚ホモジナイザーレンズは平凹の強度変換レンズと、凸凸の集光レンズを合成した機能を有するべきである。だからそれは平凸のレンズで構成できると推量される。1枚レンズホモジナイザーは新規な概念であって、ここに従来技術を示すことができない。
だから平凹の強度変換レンズと凸凸の集光レンズを合成した1枚レーザホモジナイザーは、平凸のレンズになるだろうと推量される。完全に集光するのではなくて半径bの狭い領域で一定エネルギーになるというのだから凸面形状は球面では無理である。どうしても非球面となる。
本発明者はさらに熟考を進めた。1枚レンズホモジナイザーは用途が新規であり物自体も新規である。実際に平凸レンズを設計し、それによって均一化(トップハット)した微少スポットを生成する実験を進めた。ところが平凸とするとレンズのチルト(tilt)に対して、とても弱いということがわかってきた。チルトというのは光軸に対するレンズ傾きであるが、1分とか10分とか僅かな傾きでも像面でのパワー乱れが大きいということが分かってきた。だからチルトに対して強い1枚レンズホモジナイザーが望まれる。本発明はそれを追求したものである。
但し位相関係はエネルギーに関係するので位相の乱れは厳密なエネルギー等分配を妨げる可能性がある。実際のエネルギーは波動関数の振幅の二乗で与えられるので波動光学的な手法によって波動関数を求めて、その2乗としてエネルギーを求めなければならない。ところが波動光学方程式を解くことはとても難しい。正しい位置に光学系が配置されているときに近似解を求めることはできるがレンズを傾けたチルトというような場合複雑過ぎてなかなか波動光学的手法ではエネルギーのズレ量を計算できない。
仕方がないので本発明者は幾何光学的手法に従って光線追跡によって1本1本の光線の経路を求める手法によった。だから位相はどうなっているのかわからない。パワーは位相が揃っていないと位相差のcosになるから位相に関係する。だから幾何光学にもとづく光線追跡では厳密にビームパワーのことはわからない。そこでガウスビームに等エネルギー密度間隔で想定した多数のビームを光線追跡し、対象面での分布が等分布であれば、それはトップハットだと考える。
強度変換レンズ1枚の新規なホモジナイザーは広い平行のガウスビームを対物面では半径bの小さいスポットに整形するのだから凸レンズの形をしている。1点に集光するのではなくて有限半径bに均一分布ビームを形成するからレンズ形状が通常の集光凸レンズとは少し違うが殆ど似たような形状になる。
実際にホモジナイザー装置を製作する場合、レンズと光軸の横ズレ、軸方向ズレ、傾きなどの製造誤差が発生する。ここではレンズの光軸に対する傾斜を問題にする。レンズの傾きをチルトと呼ぶ。レンズ面を正確に光軸に直角に設置するとチルト誤差は0度である。しかし実際には誤差0度ということは難しい。必ずばらつきがあるものである。実際には調芯するからビーム中心部は対象物の中心に合致する。が周辺部のビームが対象物から大きくずれてしまう。ホモジナイザーの場合チルトによるビームの偏奇が大きくて1分(=1度/60)の傾きでもビームがずれてしまう。
現実の光学装置では様々の設置誤差がおこりうるので、そのような設置誤差に対してビームの偏奇が少ない方が好ましい。つまり公差(誤差に対する余裕)が大きい方が設定しやすい。チルト公差を大きくした方が製作が容易である。
狭い対象物に対して均一分布パワーのレーザ光を照射するためのホモジナイザーにおいてレンズが傾いた(チルト)ときにビーム崩れが小さいようなレンズ配置を提供することが本発明の目的である。つまりチルトに対する許容度の大きいホモジナイザーレンズを提供することが本発明の目的である。
本発明は、光源側に凸非球面を、対象物側に平面を対向させるようにホモジナイザーレンズを配置する。つまり凸平というようなレンズの配置とするのである。
これまでのホモジナイザーは平凹強度変換レンズ+凸平位相補正レンズというように平面をレーザ側に置いていた。1枚レンズに置き直すと平凸レンズとなりそうである。そのようにせず、本発明はレーザ側に凸面(非球面)をおいて対象物側に平面を置くようにする。
ただし平凸配置で有効であったレンズを単にひっくり返したということではない。ひっくり返すと、対象物面でエネルギー等分布するための非球面係数が異なってくる。だから全く同じレンズを反対向きにしたらよいということではないが、簡単にいうと平凸から凸平へ、レンズの向きを逆にするということである。
それが本発明の要点である。ホモジナイザーとしての性質は当然にもっている。トップハットの場合、像面での分布はステップ関数型で、
r≦bで f(r)=1、 r>bで f(r)=0(トップハット)(1)
を満足するような均一分布である。
さらに工夫を加えてトップハットの代わりにスーパーガウシアンとすることも有用である。つまりそれは、最終的なエネルギー分布をステップ型に変化する純粋のトップハットとするのではなくて、周辺部での微分不連続をなくすためにスーパーガウシアンとする。スーパーガウシアンの係数mは10〜100とする。スーパーガウシアンというのはステップ関数(f=1、r≦b、f=0、r>b)とするのではなくて
f(r)=Cexp{−2(r/b)} (2)
とするものである。mが無限大の極限ではステップ関数(トップハット)になる。m=2だとガウシアンである。mが有限であるとr=bでの微分不連続がなくなりなだらかになる。ここではm=10〜100とする。
集光型ホモジナイザーは通常の集光レンズと違って僅かなチルトでも大きい誤差が出るのが普通である。対象面でのビームパワーの均一性が強く要求される場合チルトに対して弱いということは困ったことである。本発明は凸平レンズをホモジナイザーとする。レンズが傾いていたとき(チルト)のビームの変形が小さくなり、チルトがあってもビームパワー均一性の低下がより少ない。チルト誤差が少なくなる。本発明は多少レンズが傾いていても対象物面でのビームのエネルギー均一性が損なわれない。しかも1面だけの切削加工でよいから平凸の場合と加工コストは変わらない。
レーザからの入射ビームが位相の揃った平行ビームであることから、レンズの向きを反対にするということは抵抗がある。入力側のレンズ面ですでに位相が異なってくるからである。しかしそれは差し支えのないことである。対象物面でのビームは1本であってしかも極極狭く、対象物ですぐに熱に変わるのだから位相が乱れていても良いし平行でなくてもよい。
単色性も良く考えればいらないことである。だから入射ビームについては単色性、コヒーレンスは不要であり平行ガウスビームということだけが必要である。レーザ光は平行でガウスビームだから本発明の好適な適用対象になる。しかし平行、ガウスビームであればよく、コヒーレント性、単色性は不要である。入射ビームはだからレーザ光に限らない。
本発明のホモジナイザーは、1枚レンズであって像面に小さい範囲の均一ビームを形成するもので凸非球面を前面に、平面を後面に持つものである。凸平とするのでチルトに起因する誤差は小さい。つまりチルトに対して強いホモジナイザーとすることができる。これまでの平凸の強度変換レンズという常識を反転させたものである。
入射側の広い平行ガウスビームを像面で狭い均一分布ビームにするという条件は同じである。像面(対象面)ではエネルギー分布が均一であればよい。つまりビーム分布が均等であればよい。像面ですぐに熱に変換するので平行ビームとして伝搬する必要はない。伝搬しないので、像面で平行、コヒーレントという条件は最早必要でない。単色性も不要である。単色性は屈折率が不変であるということにも関係するがレンズの屈折率は多少波長が変わっても同一であるからあまり関係ない。
本発明のホモジナイザーは像面での微小領域に均一ビームを作ろうとするのであるから凸集光レンズと中央部に凹部をもつレンズの積結合と考えることができる。それは像面での均一範囲がごく狭いから集光レンズとよく似た凸断面をもつ。本発明はチルト誤差を下げチルトに対する公差(許容誤差)を広げることを目的にしている。本発明はチルト誤差を下げるために平凸レンズよりも凸平レンズを採用するということである。
チルト誤差は高次の誤差であるから、平凸レンズや凸平レンズのチルト性能の比較は容易でない。どうして凸平レンズがよりよいのか?という理由も分かりにくい。だから簡単に説明するのは難しい。しかし一般的に優劣が判明しなければならない。後に6つの1枚レンズホモジナイザーの例を述べる。その例はそれぞれのレンズ形状においてただ一つの設計例にしかすぎない。それらの例を見る限りでは平凸レンズよりも凸平レンズがチルトに強いということは推定できる。しかし例が一つずつでは説得力に欠ける。ただの偶然かもしれないという懸念を払拭できない。
図14に示すように、集光性をもつレンズ(凸レンズ)というものは前面S1の凸方向の傾きG1と後面S2の凸方向の傾きG2の和G1+G2=αが軸線からの距離yに比例して増大するようになっている。ただしここでG1は軸線垂直方向(y方向)に対して凸方向の傾きで、G2はy方向に対して凸方向の傾きである。つまり
G1+G2=α=gy (3)
なのである。焦点距離fを決めると合計傾きGが決まる。しかしGのG1とG2への配分は任意である。軸線からの高さyにおいて引いた軸平行線がレンズ面を切る二点での接線を上に延長して交差させるとその交角はαである。高さyの部分は頂角α=gyのプリズムだと考えることができる。屈折率がn、頂角がGのプリズムは入射光線を大体(n−1)αだけ(零次近似)曲げる。平行ビームが前面S1に入射すると、出射ビームの下向きの曲がり角は大体(n−1)αである。それが高さyだけ違う軸線上fの位置を交差するのだから、
tan(n−1)α=y/f (4)
tanθ≒θという近似のもとでは、
y=ftan(n−1)α≒f(n−1)α=f(n−1)gy (5)
となる。だから
f=1/g(n−1)、g=1/f(n−1) (6)
である。あるいは屈折力の表現にして
1/f=(n−1)g (7)
というように書くこともできる。これは高さyの部分の傾きG1、G2の和がyに比例し、その比例定数gが1/(n−1)fによって与えられるということである。単純な球面レンズの場合の曲率半径Rとgは
R=1/g (8)
の関係にある。つまりgは曲率である。
平行ビームが高さyの点に入射して頂角αのプリズムで屈折し斜角α(n−1)の斜めビーム(零次近似で)になってレンズ後方fで軸線を横切る。チルトによってレンズが多少傾いても高さyに入射したビームは頂角α=gyのプリズムで屈折されると考えることができる。チルトΥだけプリズムが傾いたと考えれば良い。つまりy=yの入射ビームについてはプリズムに還元して計算できる。
図15のように頂点P、頂角αのプリズムを想定する。そこへ入射ビームがE点で入射しH点で出射したとする。E点での入射角をθ、屈折角をφ、H点での屈折角をξ、出射角をηとする。つまりE点の法線と入射ビームがなす角がθ、屈折ビームがなす角がφである。E、H点での法線の交点をQとする。入射角、屈折角、出射角の間にはスネルの法則が成り立つ。
sinθ=nsinφ (9)
sinη=nsinξ (10)
EPHQは同一円周上にある4点であるからプリズム内部での屈折角φとξの和はαである。
φ+ξ=α (11)
E点での曲がり角は(θ−φ)であり、H点での曲がり角は(η−ξ)である。プリズムによる合計の曲がり角Bは
B=(θ−φ)+(η−ξ)=θ+η−α (12)
である。θ、φ、ξ、ηの4つの変数の間に3つの方程式が成り立つ。4−3=1であるから、自由度は一つしかない。もしもθを決めると残りの3変数は全部決まる。θに限らず、どの変数を決めても残りの3変数は決まってしまう。つまりBは1変数によって決まる関数なのである。どの変数をとってもよいが、ここでは入射角θを独立変数として考えよう。チルトというのは要するにθをチルト角Υだけ変化させたということに他ならない。であるから曲がり角の変化分ΔBはΥdB/dθに等しい筈である。
つまり曲がり角Bのθによる微分を計算できればチルトによるビーム曲がり角変化を求めることができる、という訳である。
入射ビームのなす角度θを変えると、この曲がり角Bも変化する。零次近似では先ほども述べたように曲がり角は(n−1)αであるが、実際には入射角θが変わると曲がり角Bも変化する。ηをθで表現するようにしたい。そうすれば曲がり角Bがθだけの関数となるから、それをθで微分するとチルトの影響が分かるということになるのである。
式(10)、(11)、(12)から
η=sin−1(nsinξ)=sin−1{nsin(α−φ)}
=sin−1[nsin[α−sin−1{(1/n)sinθ}]](13)
ということになる。ηがθの関数として表現された。しかしこれは極めて分かりにくい表現である。そこでθによって、べき級数展開することにしよう。
sinγ=γ−γ/6+γ/120−γ/5040+… (14)
sin−1β=β+β/6+3β/40+5β/112+… (15)
(13)式の括弧の中の最終の項を計算する。θについては3次までをとることにする。
sin−1{(1/n)sinθ}=sinθ/n+sinθ/6n+…
=(1/n)(θ−θ/6+θ/120…)+(1/6n)(θ−θ/6+θ/120…)+…
=(θ/n)−(θ/6n){1−(1/n)}… (16)
式(13)のsin(α…以下は
sin[α−sin−1{(1/n)sinθ}]
=sin[α−(θ/n)+(θ/6n){1−(1/n)}]
=α−(θ/n)+(θ/6n){1−(1/n)}−(1/6){α−(θ/n)}
=α−(α/6)−(θ/n)(1−α/2)−αθ/2n+θ/6n… (17)
式(13)のnsin(α…以下は、上の式にnを掛けて、
nsin[α−sin−1{(1/n)sinθ}]
=nα−(nα/6)−θ(1−α/2)−αθ/2n+θ/6… (18)
となる。これのアークサインがηである。
η=sin−1[nsin[α−sin−1{(1/n)sinθ}]]
=nα−(nα/6)−θ(1−α/2)−αθ/2n+θ/6+(1/6){nα−(nα/6)−θ(1−α/2)}
=nα−(nα/6)+(1/6){nα−(nα/6)}−θ(1−α/2)[1+(1/2){nα−(nα/6)}]+[(1/2){nα−(nα/6)}{1−α/2}−α/2n]θ
… (19)
このようにして初期の目的どおりηをθの関数として求めることができた。曲がり角Bはηにθを加えてαを差し引いたものである。
B=θ+η−α
=(n−1)α−nα/6+(nα/6)(1−α/6)
−θ[(n−1)(α/2)−(5/12)nα+(nα/12)]
+(θ/nα)[(n−1)(α/2)−(5/12)nα+(nα/12)] (20)
となるのでθの2乗の式にすると
B=(n−1)α+(n−1)(α/24)−(nα/16)−(nα/144)+(θ−nα/2)[{n−(1/n)}(α/2)−(5/12)nα+(nα/12)]… (21)
となる。
図18に曲がり角Bをθの関数として図示した。曲がり角Bは、θ=nα/2の時に最小値Mをとり、θがnα/2から離れるに従って増加する。θが負になったり、nαより大きくなるとどんどん増加して行く。
もしも、入射角θの変化する範囲を0〜nαと限定すると、θ=nα/2の時に最小値Mをとり、θ=0(L点)およびnα(P点)で最大値をとるということになる。
初めの問題に戻って考える。
図16に示すように平凸レンズホモジナイザーというのは、前面S1が軸線に直交するというような配置に対応する。それは入射角θが0ということである。それは式(20)でθ=0(L点)というような、大きな曲がり角Bを与える。
図17に示すように凸平レンズホモジナイザーというのは、前面は斜めであり、後面が軸線に直交するような配置に対応する。そのとき前面は軸に立てたy軸に対しαの角度をなす。平行のビームが入るので入射角θはαだということである。それはθ=α(N点)とおいて曲がり角が求められる。N点での曲がり角BはL点での曲がり角Bより小さい。
チルトΥを考えるのであるから、曲がり角自体が問題ではなく、曲がり角のθによる微分が問題である。チルトΥによる曲がり角変化をΔBとすると
ΔB=Υ(dB/dθ) (22)
によって厳密に与えられる。つまりBのθによる微分が重要であり、それがチルト評価を与えるわけである。
dB/dθ=2(θ−nα/2)[{n−(1/n)}(α/2)−(5/12)nα+(nα/12)]
= 2(θ−nα/2)W (23)
ただし
W=[{n−(1/n)}(α/2)−(5/12)nα+(nα/12)] (24)
dB/dθは単位角チルトしたときの曲がり角変化を与える。
これが最小であるのはθ=nα/2のときであり図18のM点で表される。
(i) 平凸レンズというのはθ=0であるから、
dB/dθ=−nαW (平凸レンズ) (25)
である。
(ii) 凸平レンズというのはθ=αであるから、
dB/dθ=(2−n)αW (凸平レンズ) (26)
である。
たとえばn=1.5程度であるとすると、平凸レンズのチルト誤差が−1.5であるとき、凸平レンズのチルト誤差が+0.5程度だということになる。凸平の場合、絶対値で約1/3に減っている。符号が変わっていることにも注意すべきである。平凸レンズでチルトによって最外殻ビーム円が上に上がるが、凸平レンズでは最外殻ビーム円が下に下がるということになるわけである。チルトによるビーム偏奇の方向も異なる。
平凸レンズに対する凸平レンズのチルト誤差優越性は、式(25)、(26)から屈折率による。それはそうであるが、nは1以下にならないのであるから、常にチルト誤差の絶対値は凸平レンズの方が、平凸レンズより小さい。nが2に近付くに従って、凸平レンズのチルト優越性はますます顕著になってゆく。
レンズ屈折率n=2では凸平レンズがチルト誤差が0ということになる。それはもちろん、θの3次以上を省略した近似でいえることであり、θの3乗以上の誤差はあるが、それはごくわずかである。nが2を越えると、凸平レンズも平凸レンズもチルトにより最外殻ビームの偏奇の方向が同じようになる。そうであっても凸平レンズの方が平凸レンズよりチルト誤差は小さい。
レンズの製造コストからいえばレンズの一面だけ研削し他方の面は平坦面にするようにしたい。両面を曲面にするということは望ましくない。曲面研削には時間とコストがかかるが、それが二倍に増えるからである。そうなると、凸平レンズか平凸レンズか2者択一となり、本発明は、平凸レンズよりも凸平レンズを採用すると主張しているのである。
しかしながら両面を研削することがコスト面経済面から許されるならば、チルトをもっと小さくする可能性がある。それは、図18のようにM点を採用することである。M点というのは
θ=nα/2 (M点) (27)
というように頂角αのプリズムで左右対称の屈折を起こさせる場合である(図19)。そのとき
dB/dθ=0 (28)
であって、近似の範囲でチルトによるビーム偏奇はない。それは両面を凸面とすることによって達成される。しかし両方の凸面の曲率半径は同一でない。平行ビームがS1面に入射する入射角がnα/2なのだからS1面の傾きはnα/2である。S2から出たビームの曲がり角は(n−1)αであって、η=θ=nα/2である。S2面の傾きはη−(n−1)αであるから、(1−n/2)αである。つまり
S1傾斜: dS1/dy=nα/2 (29)
S2傾斜: −dS2/dy=(1−n/2)α (30)
ここで式(30)でS2にマイナスが付くのは、入射方向へ凸であるのを正としているからである。どちらも凸面であることに注意すべきである。凸凸レンズである。曲率の合計は焦点距離fで決まるから、式(29)、(30)は合計の曲率を、前面と後面で凸面の曲率をn:(2−n)の比率で分配せよということである。そのように分配されていれば、チルトによるビーム偏奇は0である。だから第零近似での前面の曲率半径R1(正)、後面の曲率半径R2(負)は
1/R1:1/R2=n:(n−2) (31)
の比率を満たしていれば図18のM点となり、θ=nα/2となる。焦点距離をfとすると、第零近似では
1/f=(n−1)(1/R1−1/R2) (32)
であるから、
1/R1=n/2(n−1)f (33)
−1/R2=(2−n)/2(n−1)f (34)
となるわけである。或いは
R1=2(n−1)f/n (35)
−R2=2(n−1)f/(2−n) (36)
たとえば、n=1.5であれば、前後の凸面S1とS2の曲率半径Rの比の絶対値は、1:3となる。それは凸凸ホモジナイザーでありチルト誤差を近似の範囲で0にすることができる。コスト増大を厭わないのであれば、そのような両凸レンズが最も望ましい。何れかを球面にして、残りの面を非球面とすればホモジナイザーとすることができる。その場合、非球面にする方の曲率半径Rと最低次の非球面係数Aとは
2AR=1 (37)
という関係が近似的に成り立つ。一方が非球面の場合は2Aによって1/Rを置き換えるべきである。たとえばS1が非球面のとき(31)式は、S1の非球面2次係数Aを用いて、
2A:1/R2=n:(n−2) (38)
と書き換えることができる。
これまでの計算ではレンズの一部を頂角αのプリズムとみなして計算をしてきた。しかし実際にはαは一定でなくてyにほぼ比例してレンズの周辺部へ行くにし違って増えて行くものである。αとy(軸線からの距離)の比例定数を与えればチルトによるビーム偏奇を実際に計算することができる。
軸線に平行なビームが入射して軸線上の焦点距離fの位置で集光する。レンズの軸線からyの高さを通るビームの曲がり角はy/fである。それが(n−1)αに等しいのだから、
y/f=(n−1)α (39)
αとyの比例定数が1/(n−1)fだということがすぐに分かる。
α=y/{(n−1)f} (40)
これを式(24)のWの式に代入するとyの関数としてのWがわかるが、3次以上を落として近似すると
Figure 0003960295
となる。
(i) 平凸レンズの場合の単位チルト角に対する偏奇は(25)から
Figure 0003960295
(ii) 凸平レンズの場合の単位チルト角に対する偏奇は(26)から
Figure 0003960295
いずれにしても、レンズ軸線からの距離yの2乗に比例して偏奇角が増える。像面でのビーム径を小さくするために焦点距離fを短くする必要がある。そのためにy/fがかなり大きい値になる。
たとえばレンズの有効径が20mmφで焦点距離が60mmだとすると、y/fの最大値は1/6である。
像面での偏奇δは、dB/dθにチルト角Υと焦点距離fを掛ければ求められるから
Figure 0003960295
Figure 0003960295
ということになる。レンズの半径座標yの2乗でチルト偏奇が増大するということがよく分かる。だから外側を通るビーム(外殻ビーム)の場合にチルトが重大な問題となる。
次に述べる設計例でも最外殻ビームのチルト偏奇が特に大きくなっており、最外殻ビームに特に注意して説明している。簡単な近似の範囲で、平凸:凸平=−n:(2−n)のような偏奇の比が成り立つ。
次の設計条件を課して、6つの場合について出力ビームがスーパーガウシアン(m=50)になるような非球面係数を計算した。エネルギーがほぼ等密度になるように入力ガウスビームに多数のビームをとり、そのビームが仮定された非球面係数をもつレンズによって屈折される軌跡を計算して対象物面でのビームの到達点を計算する。
つまり光線追跡によって対象物面での分布を求める。対象物面でのエネルギー分布が均一になるようなものを求めて、それをホモジナイザーレンズの非球面係数として決定する。与えられた条件を満足するレンズはもちろんたくさんあるのであるが、その内の一つを取っている。
そしてレンズを0.5度傾けて同じ入力ビームについて光線追跡して対象面(像面)でのビームの分布を計算した。
単レンズホモジナイザーの設計条件
波長:355nm (YAG第3高調波レーザ)
入射ビーム:ガウシアンプロファイル、1/e ビーム径φ10mm
焦点距離: 60mm
つまり入力ビームはλ=355nmのガウスビームであってパワーが中心パワーのe−2=0.1353になる点と中心間距離が10mmだということである。
レンズの入力側の面をS1面と呼ぶ。出力側の面をS2と呼ぶ。半径座標rは中心からの距離として定義する。レンズ面Z(r)は基準面(中心点を含む平面)から入力側(光源側)にずれるのを正、基準面から出力側(像面側)にずれるのを負として定義する。非球面係数{A}は半径rの累乗の係数である。左右対称性があるから奇数次は0であり偶数次だけが存在する。
次数が高いほどより正確にレンズ面を定義できる。ところが次数が高くなると計算が複雑になり時間も余分にかかる。それで、ここでは2次から20次までの10項だけを計算する。22次以降は0というようにする。半径rの単位はここではmmとする。レンズ面Z(r)の単位もmmである。j番目の係数A2jの単位はmm−2j+1である。
レンズ面Z(r)は光源側に曲がるのを正、像面側に広がるのを負としているからその正負と凹凸とは違う。入力側のS1面が正、出力側のS2面が負であると凸面を意味し、入力側のS1が負、出力側のS2が正であるとそれは凹面を意味する。S1、S2が非球面でなくて球面の場合もある。その場合たくさんの非球面係数の代わりに一つの曲率半径Rによって曲面を定義できる。その場合でも上に述べた正負の定義は共通である。
中心厚みをTとして一定とし、有効径(φeff)が決まっているから、中心から周辺部に至るまでの厚みT(r)は非球面係数から計算することができる。全体として集光性をもつ凸レンズであるからTが共通だと中間部や周辺部の厚みも同じようなものでありチルト誤差を比較するレンズとして妥当である。
(1) 平凸レンズの場合(S1:平面、S2:非球面凸)
中心厚みT:10mm
材料: 合成石英
屈折率: n=1.4760718756
有効直径: D=φ24mm
S1面:平面
S2面:凸非球面(非球面係数を表1に示す)
非球面係数(偶数次で2次から20次まで10項の係数を決める。22次以上は0ととる)
Z(r)=A+A+A+A+A1010+A1212+A1414+A1616+A1818+A2020 (46)
Figure 0003960295
図1に平凸レンズホモジナイザーを示す。
図2に平凸レンズ(1)の場合の像面でのビームスポット分布を示す。左がチルトが0で、右はチルトが0.5゜の場合である。入力ガウスビーム(有効径が10mmφ)において回転対称の位置であって直径上に23点存在するよう11重の同心円に並びエネルギーが等分割になるようなスポット397点をとりレンズで屈折して像面で照射される点を求めて図示している。左側がチルトのない場合(Υ=0)である。基準の長さを示す尺度棒は40μmである。像面では26μmφの11重の同心円上に並びほぼ等分布となっている。初めのレーザビーム(ガウスビーム)の有効径が10mmφとしているから、像面での最外殻の26μmφの円は原ビームの10mmφのものに対応するのである。a=5mm、b=13μmであり、縮小率は約1/380である。チルトが0の場合のこの条件は以下の5つのものについても同様である。だから以下の場合についてチルト0(Υ=0)の説明は省く。
0.5゜のチルトのある場合(Υ=0.5゜)の先ほどの等エネルギー分布の397本ビームをチルトしたレンズについて光線追跡して対象物面(像面)でのスポットを図示したものが図2の右の図である。同じ指標の長さが5倍の200μmになっている。レンズチルトに対しビームが大きくずれるので同じ縮尺では図示できないから1/5の縮尺にしている。像面で同心状であったビームが偏心して直径が大きくなるビーム円の中心ほど外側へ大きくずれている。最外殻のビーム円は直径65μmφになっている。最外殻の円は原ビームの10mmφの最外殻円に対応する。最外殻円の中心は、内殻円の中心から約54μmそれている。像面でのトップハットの直径が26μmφなのであるから54μmもそれてはいけない。このようにたったの0.5゜のチルトであっても外殻のビームは正規の位置から大きくずれる。
(2) 凸平レンズの場合(S1:凸非球面、S2:平面)
中心厚みT:10mm
材料: 合成石英
屈折率: n=1.4760718756
有効直径: D=φ24mm
S1面:非球面(凸面)(表2に非球面係数を示す)
S2面:平面
非球面係数(偶数次で2次から20次まで10項の係数を決める。22次以上は0ととる)
Z(r)=A+A+A+A+A1010+A1212+A1414+A1616+A1818+A2020 (47)
Figure 0003960295
図3に凸平レンズホモジナイザーを示す。
図4に凸平レンズ(2)の場合の像面でのビームスポット分布を示す。左がチルトが0で、右はチルトが0.5゜の場合である。入力ガウスビーム(有効径が10mmφ)において回転対称の位置であって直径上に23点存在するよう11重の同心円に並びエネルギーが等分割になるようなスポット397点をとりレンズで屈折して像面で照射される点を求めて図示している。
左側のチルトのない場合(Υ=0)の長さを示す尺度棒は40μmである。像面では26μmφの11重の同心円上に並びほぼ等分布となっている。Υ=0の場合は(1)の場合と同じである。
0.5゜のチルトのある場合(Υ=0.5゜)の先ほどの等エネルギー分布の397本ビームをチルトしたレンズについて光線追跡して対象物面(像面)でのスポットを図示したものが図4の右の図である。
同じ指標の長さが2.5倍の100μmになっている。(1)の場合と違って、11輪の同心円ビームについてはチルトしても同心円を保持している。最外殻円ビームだけ大きくずれている。最外殻円は29μmφである。だからチルトがないときの26μmφと直径はあまり変わらない。しかし中心の位置はずれておりズレは10μmである。
先ほどの(1)の場合は最外殻が54μmもずれたので、その1/5であってズレ量も少ないということがよく分かる。(2)はそのように同心円が大体維持されており、ずれも少ない。トップハット領域の直径が26μmφなので10μm程度のズレはあまり大したことではない。(2)の方が著しく優れているということである。(1)と(2)の違いは、(1)が平凸で、(2)が凸平だということだけである。とうことはチルト誤差を少なくするには平凸を凸平に反転すれば良いのだということである。
入力面として凸が良く、出力面として平が良いということをその結果は示唆している。それでは両面とも凸にするとどうであろうか?そのような場合を次に述べる。両面を凸にすると(1)や(2)で凸面となっていたものは半分ずつ配分することになる。両方を非球面とすると計算が面倒であるから一方を球面とし他方を非球面としたものを想定した。
(3) 凸凸レンズの場合(S1:凸球面、S2:凸非球面)
中心厚みT:10mm
材料: 合成石英
屈折率: n=1.4760718756
有効直径: D=φ24mm
S1面:凸球面 R=70.2mm
S2面:凸非球面(表3に非球面係数を示す)
非球面係数(偶数次で2次から20次まで10項の係数を決める。22次以上は0ととる)
Z(r)=A+A+A+A+A1010+A1212+A1414+A1616+A1818+A2020 (48)
Figure 0003960295
図5に凸凸レンズホモジナイザーを示す。
図6に凸凸レンズ(3)の場合の像面でのビームスポット分布を示す。左がチルトが0で、右はチルトが0.5゜の場合である。左側のΥ=0の場合はこれまでと同じである。
0.5゜のチルトのある場合(Υ=0.5゜)の先ほどの等エネルギー分布の397本ビームをチルトしたレンズについて光線追跡して対象物面(像面)でのスポットを図示したものが図6の右の図である。
同じ指標の長さが5倍の200μmになっている。(1)の場合と違って、11輪の同心円ビームについてはチルトしても同心円をだいたい保持している。中間のビームで中心がずれているものが一つある。最外殻円ビームが大きくずれている。最外殻円は46μmφで、中心位置のズレは35μmである。それは(2)よりは悪く、(1)より良いということである。
ということはチルト誤差を少なくするには平凸より凸凸が良く、それよりも凸平が良いということらしいことがわかる。
(4) 凸凸レンズの場合(S1:凸非球面、S2:凸球面)
中心厚みT:10mm
材料: 合成石英
屈折率: n=1.4760718756
有効直径: D=φ24mm
S1面:凸非球面(表4に非球面係数を示す)
S2面:凸球面 R=−76.8mm
非球面係数(偶数次で2次から20次まで10項の係数を決める。22次以上は0ととる)
Z(r)=A+A+A+A+A1010+A1212+A1414+A1616+A1818+A2020
(49)
Figure 0003960295
図7に凸凸レンズホモジナイザーを示す。
図8に凸凸レンズ(4)の場合の像面でのビームスポット分布を示す。左がチルトが0で、右はチルトが0.5゜の場合である。左側のΥ=0の場合はこれまでと同じである。
0.5゜のチルトのある場合(Υ=0.5゜)の先ほどの等エネルギー分布の397本ビームをチルトしたレンズについて光線追跡して対象物面(像面)でのスポットを図示したものが図8の右の図である。
同じ指標の長さが2.5倍の100μmになっている。(2)や(3)と同じように、11輪の同心円ビームについてはチルトしても同心円をだいたい保持している。最外殻円ビームが大きくずれている。最外殻円は30μmφで、中心位置のズレは19μmである。それは(2)よりは悪く、(1)、(3)より良いということである。
チルト誤差を少なくするには平凸より凸凸が良く、それよりも凸平が良いということがここでも言える。
(5) 凹凸レンズの場合(S1:凹球面、S2:凸非球面)
中心厚みT:10mm
材料: 合成石英
屈折率: n=1.4760718756
有効直径: D=φ24mm
S1面:凹球面 R=−26.5mm
S2面:凸非球面 (非球面係数を表5に示す)
非球面係数(偶数次で2次から20次まで10項の係数を決める。22次以上は0ととる)
Z(r)=A+A+A+A+A1010+A1212+A1414+A1616+A1818+A2020 (50)
Figure 0003960295
図9に凹凸レンズホモジナイザーを示す。
図10に凹凸レンズ(5)の場合の像面でのビームスポット分布を示す。左がチルトが0で、右はチルトが0.5゜の場合である。左側のΥ=0の場合はこれまでと同じである。
0.5゜のチルトのある場合(Υ=0.5゜)の先ほどの等エネルギー分布の397本ビームをチルトしたレンズについて光線追跡して対象物面(像面)でのスポットを図示したものが図10の右の図である。
同じ指標の長さが10倍の400μmになっている。内部11輪の同心円ビームの中心がずれて貝殻状の偏心円になっている。外殻の11番、10番目のズレは大きい。最外殻円は約130μmφで、中心位置のズレは約110μmである。それは(1)、(2)、(3)、(4)の何れよりも悪いということである。チルト誤差に関しては5つの中で最悪である。チルト誤差を増やすには入射側に凹、出射側に凸というようにすればよいということである。
(6) 凹凸レンズの場合(S1:凹非球面、S2:凸球面)
中心厚みT:10mm
材料: 合成石英
屈折率: n=1.4760718756
有効直径: D=φ24mm
S1面:凹非球面 (非球面係数を表6に示す)
S2面:凸球面 R=−26.2mm
非球面係数(偶数次で2次から20次まで10項の係数を決める。22次以上は0ととる)
Z(r)=A+A+A+A+A1010+A1212+A1414+A1616+A1818+A2020
(51)
Figure 0003960295
図11に凹凸レンズホモジナイザーを示す。
図12に凹凸レンズ(6)の場合の像面でのビームスポット分布を示す。左がチルトが0で、右はチルトが0.5゜の場合である。左側のΥ=0の場合はこれまでと同じである。
0.5゜のチルトのある場合(Υ=0.5゜)の先ほどの等エネルギー分布の397本ビームをチルトしたレンズについて光線追跡して対象物面(像面)でのスポットを図示したものが図12の右の図である。
同じ指標の長さが5倍の200μmになっている。内部11輪の同心円ビームの中心がずれて貝殻状の偏心円になっている。外殻の11番、10番目のズレは大きい。最外殻円は約72μmφで、中心位置のズレは約58μmである。それは(5)より誤差が少なくて、(1)、(2)、(3)、(4)の何れよりも悪いということである。チルト誤差に関しては6つの中で(5)についで悪い。(5)、(6)の結果からチルト誤差を増やすには入射側に凹、出射側に凸というようにすればよいということである。
Figure 0003960295
平凸レンズホモジナイザーの図。
10mmφの入力ガウスビームにおいて等エネルギー分布となるように想定した397個の点から出た平行ビームが、チルトなし(Υ=0)の平凸レンズホモジナイザーによって屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めて打点したものが左の図である。基準の尺度は40μmであり26μmの円内にほぼ等分布(トップハット)に照射されている。同じ平行ビームが0.5゜のチルト(Υ=0.5゜)のある同じレンズで屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めてそれぞれ打点したものが右の図である。基準の尺度は200μmであり、ずれを示すために左の図に比べて縮小されている。
凸平レンズホモジナイザーの図。
10mmφの入力ガウスビームにおいて等エネルギー分布となるように想定した397個の点から出た平行ビームが、チルトなし(Υ=0)の凸平レンズホモジナイザーによって屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めて打点したものが左の図である。基準の尺度は40μmであり26μmの円内にほぼ等分布(トップハット)に照射されている。同じ平行ビームが0.5゜のチルト(Υ=0.5゜)のある同じレンズで屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めてそれぞれ打点したものが右の図である。基準の尺度は100μmである。
凸凸レンズホモジナイザー(S1凸球面、S2凸非球面)の図。
10mmφの入力ガウスビームにおいて等エネルギー分布となるように想定した397個の点から出た平行ビームが、チルトなし(Υ=0)の凸凸(S1凸球面、S2凸非球面)レンズホモジナイザーによって屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めて打点したものが左の図である。基準の尺度は40μmであり26μmの円内にほぼ等分布(トップハット)に照射されている。同じ平行ビームが0.5゜のチルト(Υ=0.5゜)のある同じレンズで屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めてそれぞれ打点したものが右の図である。基準の尺度は200μmである。
凸凸レンズホモジナイザー(S1凸非球面、S2凸球面)の図。
10mmφの入力ガウスビームにおいて等エネルギー分布となるように想定した397個の点から出た平行ビームが、チルトなし(Υ=0)の凸凸(S1凸非球面、S2凸球面)レンズホモジナイザーによって屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めて打点したものが左の図である。基準の尺度は40μmであり26μmの円内にほぼ等分布(トップハット)に照射されている。同じ平行ビームが0.5゜のチルト(Υ=0.5゜)のある同じレンズで屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めてそれぞれ打点したものが右の図である。基準の尺度は100μmである。
凹凸レンズホモジナイザー(S1凹球面、S2凸非球面)の図。
10mmφの入力ガウスビームにおいて等エネルギー分布となるように想定した397個の点から出た平行ビームが、チルトなし(Υ=0)の凹凸(S1凹球面、S2凸非球面)レンズホモジナイザーによって屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めて打点したものが左の図である。基準の尺度は40μmであり26μmの円内にほぼ等分布(トップハット)に照射されている。同じ平行ビームが0.5゜のチルト(Υ=0.5゜)のある同じレンズで屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めてそれぞれ打点したものが右の図である。基準の尺度は400μmである。
凹凸レンズホモジナイザー(S1凹非球面、S2凸球面)の図。
10mmφの入力ガウスビームにおいて等エネルギー分布となるように想定した397個の点から出た平行ビームが、チルトなし(Υ=0)の凹凸(S1凹非球面、S2凸球面)レンズホモジナイザーによって屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めて打点したものが左の図である。基準の尺度は40μmであり26μmの円内にほぼ等分布(トップハット)に照射されている。同じ平行ビームが0.5゜のチルト(Υ=0.5゜)のある同じレンズで屈折し対象物面で照射される点を光線追跡法によって求めてそれぞれ打点したものが右の図である。基準の尺度は200μmである。
広いレーザガウスビームを1枚レンズホモジナイザーによって狭い像面に均一分布照射するようにしたホモジナイザー光学系の概略図。
凸レンズの軸線からyの高さの部分の両側面の接線の交点をαとすると、yを通るビームに対してレンズは頂角αのプリズムとして機能していることを説明するための図。
頂角αのプリズムにおいて左から入射角θのビームが入り屈折角φで屈折し反対側の面で屈折角ξで出て行き出射角がηであることを説明するための図。
平凸レンズの作用を解析するための、プリズムの前面を軸線に直角にしたときの光線の屈折図。
凸平レンズの作用を解析するための、プリズムの後面を軸線に直角にしたときの光線の屈折図。
頂角αのプリズムに入射角θでビームが入射し、出射角ηで出射するときにおいてビーム曲がり角B=θ+η−αをθの関数として書くと、それは二次曲線となり、θ=nα/2(点M)で最小値をとることを説明する図。
チルト偏奇角というのはプリズムを傾けたときのビームの曲がり角の変化に等しいことを説明するための図。

Claims (4)

  1. 平行でエネルギー分布がガウシアン分布である入射ビームを屈折させ縮小し、入射ビームの直径よりも小さい直径の範囲において像面に均一エネルギー分布のビームを形成するためのレンズであって、入力側が凸非球面であって、出力側が平面であることを特徴とするチルト誤差低減非球面ホモジナイザー。
  2. 平行でエネルギー分布がガウシアン分布である入射ビームを屈折させ縮小し、入射ビームの直径よりも小さい直径の範囲において像面にスーパーガウシアンexp{−2(r/b)}(m=10〜100)に従うエネルギー分布のビームを形成するためのレンズであって、入力側が凸非球面であって、出力側が平面であることを特徴とするチルト誤差低減非球面ホモジナイザー。
  3. 平行でエネルギー分布がガウシアン分布である入射ビームを屈折させ縮小し、入射ビームの直径よりも小さい直径の範囲において像面に均一エネルギー分布のビームを形成するためのレンズであって、入力側面S1、出力側面S2のいずれも凸面でいずれかが非球面であり、曲率半径R或いは非球面2次係数の2倍の逆数1/2AのS1とS2の比率が(n−2):nであることを特徴とするチルト誤差低減非球面ホモジナイザー。
  4. 平行でエネルギー分布がガウシアン分布である入射ビームを屈折させ縮小し、入射ビームの直径よりも小さい直径の範囲において像面にスーパーガウシアンexp{−2(r/b)}(m=10〜100)に従うエネルギー分布のビームを形成するためのレンズであって、入力側面S1、出力側面S2のいずれも凸面でありいずれかが非球面であり、曲率半径R或いは非球面2次係数の2倍の逆数1/2AのS1とS2の比率が(n−2):nであることを特徴とするチルト誤差低減非球面ホモジナイザー。

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