JP3960158B2 - 道路の渋滞予測装置およびプログラム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路を、所定長さに分割した複数の道路片としてモデル化し、該道路片における過去の渋滞度データに基づいて統計処理し、該道路片における現在または将来の渋滞度を予測する道路の渋滞予測方法およびプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、実用化されているナビゲーションシステムの高度化の例として、例えばVICS(道路交通情報通信システム)等により、各道路の交通量を計測し道路の渋滞の程度を数段階に分類した交通情報をユーザに提供するサービスがある。また、計測した交通量または渋滞の程度を記録しておき、過去のデータから平均化などの一般的な統計処理に基づいて現在または将来の渋滞の程度を予測する情報提供サービスも実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的に交通渋滞は、交通の流れが断続的に遮断される交差点を始点として発生する傾向がある。
しかしながら、従来の情報提供サービスでは、そのような交通渋滞特有の現象を考慮しない「過去のデータから平均化などの一般的な統計処理に基づいて現在または将来の渋滞の程度を予測する手法」を用いていたので、その予測結果は正確さに欠けるという問題がある。
【0004】
例えば、交差点の信号待ちによる渋滞の発生と交通事故による渋滞の発生とでは、その場所で渋滞が再発する可能性は前者のほうが遥かに高い。それにもかかわらず、従来の一般的な統計処理によるものでは、どちらも同様の渋滞現象として処理されていたため、再現性の低い事象によって予測結果が左右されるという不都合があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、より確度の高い渋滞予測を可能にし得る道路の渋滞予測方法およびプログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の作用・効果】
上記目的を達成するため、請求項1の道路の渋滞予測装置では、道路を、所定長さに分割した複数の道路片としてモデル化し、該道路片における過去の渋滞度データに基づいて統計処理し、該道路片における現在または将来の渋滞度を予測し、該現在または将来の渋滞度を表示装置に表示させる道路の渋滞予測装置であって、各道路片の過去の渋滞度を取得する過去渋滞度取得手段と、前記各道路片から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいた重み係数を、前記各道路片ごとに設定する重み係数設定手段と、前記各道路片ごとに、前記過去渋滞度取得手段により取得された過去の渋滞度に前記重み係数設定手段により設定された重み係数による重み付けをする重み付け手段と、前記重み付け手段により重み付けされた渋滞度を、現在または将来の渋滞度として前記表示装置に表示させる渋滞度表示手段と、を含むことを技術的特徴とする。
【0007】
請求項1の発明では、道路を所定長さに分割した複数の道路片(各道路片)の過去の渋滞度を過去渋滞度取得手段により取得し、各道路片から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいた重み係数を各道路片ごとに重み係数設定手段により設定し、各道路片ごとに、過去の渋滞度に重み係数による重み付けを重み付け手段によりする。そして、渋滞度表示手段により、重み付けされた渋滞度を現在または将来の渋滞度として表示装置に表示させる。これにより、各道路片から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいて、各道路片ごとに、過去の渋滞度に重み係数による重み付けされた渋滞度によって、統計処理を行い現在または将来の渋滞度として表示装置に表示させるので、単に「過去のデータから平均化などの一般的な統計処理に基づいて現在または将来の渋滞の程度を予測する手法」を用いていたものに比べると、より確度の高い渋滞予測を可能にすることができる。ここで、「交差点」とは、信号機のある交差点に限らず、複数の道路が交差する道路を意味し、例えば高速道路における分岐、合流地点も含むものである。さらにより広義には、踏切や料金所等、通行が一時的に遮断される地点をも含むものである。
【0008】
また、「渋滞度」とは、交通渋滞の程度を表現するための変数であり、請求項2の道路の渋滞予測装置では、請求項1において、前記過去の渋滞度は、前記各道路片を通過した車両の平均速度に基づいて設定される値であることを技術的特徴とする。
【0009】
請求項2の発明では、過去の渋滞度は、各道路片を通過した車両の平均速度に基づいて設定される値であることから、一般に、渋滞し易いところでは車両の平均速度が低くなり、渋滞し難いところでは車両の平均速度が高くなるという具体的な事象に基づいて過去の渋滞度を設定することができる。これにより、過去の渋滞度をより現実に近い数値として捉えることができるので、より一層、確度の高い渋滞予測を可能にすることができる。
【0010】
さらに、請求項3の道路の渋滞予測装置では、請求項1または2において、前記重み係数は、渋滞度の予測対象となる道路の属性に基づいて設定されることを技術的特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、重み係数は、渋滞度の予測対象となる道路の属性に基づいて設定されることから、例えば、当該道路が一般道であるか高速道路であるか、あるいは当該道路に繋がる交差点に信号機があるか否か等の当該道路に付随する情報に基づいて、重み係数が設定される。これにより、当該道路を走行する車両の周囲状況の実情に即して重み係数を設定することができるので、よりさらに確度の高い渋滞予測を可能にすることができる。ここで、「道路の属性」とは、道路に付随する情報のことをいい、その道路が高速道路か一般道路か、その道路に繋がる交差点の信号機の有無またその信号機による信号変化の周期、踏切の有無、その道路の幅員、車線数や制限速度、国道または県道の種別、三叉路、四叉路、T字路等の交差点の道路形状等ことを示す。
【0012】
さらにまた、請求項4の道路の渋滞予測装置では、請求項1または2において、前記重み係数は、車両の進行方向前方にある交差点までの距離が近い道路片ほど大きい値に設定され、車両の進行方向前方にある交差点までの距離が遠い道路片ほど小さい値に設定されることを技術的特徴とする。
【0013】
請求項4の発明では、重み係数は、車両の進行方向前方にある交差点までの距離が近い道路片ほど大きい値に設定され、車両の進行方向前方にある交差点までの距離が遠い道路片ほど小さい値に設定される。これにより、重み付け手段により渋滞度は、当該交差点に近い道路片ほど大きな値に、当該交差点に遠い道路片ほど渋滞度が小さな値に、それぞれ重み付けするので、車両の進行方向前方にある交差点に近づくほど渋滞度を大きく、当該交差点から離れているほど渋滞度を小さく表すことができる。したがって、車両の進行方向前方にある交差点に近づくほど渋滞し易いという交通事情に即した渋滞予測を可能にすることができる。
【0014】
上記目的を達成するため、請求項5のプログラムでは、道路を、所定長さに分割した複数の道路片としてモデル化し、該道路片における過去の渋滞度データに基づいて統計処理し、該道路片における現在または将来の渋滞度を予測し、該現在または将来の渋滞度を表示装置に表示させる情報処理装置のプログラムであって、各道路片の過去の渋滞度を取得する過去渋滞度取得手段と、前記各道路片から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいた重み係数を、前記各道路片ごとに設定する重み係数設定手段と、前記各道路片ごとに、前記過去渋滞度取得手段により取得された過去の渋滞度に前記重み係数設定手段により設定された重み係数による重み付けをする重み付け手段と、前記重み付け手段により重み付けされた渋滞度を、現在または将来の渋滞度として前記表示装置に表示させる渋滞度表示手段と、を前記情報処理装置により機能させるためのプログラムを含むことを技術的特徴とする。
【0015】
請求項5の発明では、道路を所定長さに分割した複数の道路片(各道路片)の過去の渋滞度を過去渋滞度取得手段により取得し、各道路片から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいた重み係数を各道路片ごとに重み係数設定手段により設定し、各道路片ごとに、過去の渋滞度に重み係数による重み付けを重み付け手段によりする。そして、渋滞度表示手段により、重み付けされた渋滞度を現在または将来の渋滞度として表示装置に表示させる。これにより、各道路片から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいて、各道路片ごとに、過去の渋滞度に重み係数による重み付けされた渋滞度によって、統計処理を行い現在または将来の渋滞度として表示装置に表示させるので、単に「過去のデータから平均化などの一般的な統計処理に基づいて現在または将来の渋滞の程度を予測する手法」を用いていたものに比べると、より確度の高い渋滞予測を可能にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の道路の渋滞予測装置およびプログラムを、車両搭載型のナビゲーション装置20による渋滞予測機能に適用した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0017】
まず、本実施形態のナビゲーション装置20の構成を説明する。図1に示すように、ナビゲーション装置20は、主に、CPU21、メモリ22、地図情報データベース23、入出力インタフェイス24、入力装置25、ディスプレィ26、GPSセンサ31、車速センサ32、ジャイロセンサ33、通信装置35等から構成されている。
【0018】
CPU21は、ナビゲーション装置20を制御する中央演算処理装置で、システムバスを介してメモリ22、地図情報データベース23、入出力インタフェイス24等と接続されている。このメモリ22には、CPU21を制御するシステムプログラム22aのほか、本発明の道路の渋滞予測装置およびプログラムを適用した「渋滞予測機能」を実現する表示条件入力プログラム22c、交通情報取得プログラム22d、交通情報解析プログラム22e、統計処理プログラム22f、描画プログラム22g等が格納されており、CPU21はこれらのプログラムをメモリ22から読み出して逐次実行している。
【0019】
メモリ22は、システムバスに接続されている記憶装置であり、CPU21が使用する主記憶空間を構成するものである。このメモリ22には、システムプログラム22aをはじめとして、ナビゲーション装置20の基本機能であるナビゲーション機能を担う経路探索プログラム22bや、本発明の実施形態に係る「渋滞予測機能」を担う、表示条件入力プログラム22c、交通情報取得プログラム22d、交通情報解析プログラム22e、統計処理プログラム22fおよび描画プログラム22g等が予め書き込まれている。
【0020】
地図情報データベース23は、CPU21が使用する補助記憶空間を構成するハードディスク、コンパクトディスクやディジタルバーサティルディスク等で、システムバスを介してCPU21に接続されている。この地図情報データベース23には、道路情報として検索される地図情報が格納されている。なお「道路情報」とは、道路や河川等の地形、道幅、通行方向や速度規制等の各種情報のことをいう。
【0021】
入出力インタフェイス24は、入力装置25、ディスプレィ26、GPSセンサ31、車速センサ32、ジャイロセンサ33、通信装置35等の入出力装置とCPU21等とのデータのやり取りを仲介する装置で、システムバスに接続されている。
【0022】
入力装置25は、ナビゲーション装置20の操作パネルに設けられている入力装置で、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。この入力装置25は、利用者が表示を希望する渋滞情報に関する情報を入力するほか、ナビゲーション装置20としてのナビゲーション機能等に関する情報を入力するものである。具体的には、後述するように、渋滞情報の種類、対象年月日、対象時刻、対象場所等を入力画面(図4(A) )により入力するために用いられる。一般に、押圧式のスイッチを所定数並べた構成を採るが、入力操作の簡便化を考慮してディスプレィ26の表面に設けられたタッチパネル式のものや、あるいは利用者の声を認識してナビゲーション装置20への入力情報に変換する、マイクロフォンと音声認識装置とで構成されているものもある。
【0023】
ディスプレィ26は、入力装置25により入力される渋滞情報の種類、対象年月日、対象時刻、対象場所等の各種入力情報の画面(図4(A) )や、現在地から目的地までの経路案内情報を出力し得る表示装置で、ナビゲーション装置20の操作パネルに設けられている。このディスプレィ26も、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されており、例えば、液晶表示器やCRT表示器により構成されている。また表示面に、入力装置25を構成するタッチパネルを備えているものもある。
【0024】
なお、本実施形態では、入力装置25とディスプレィ26は、ナビゲーション装置20の操作パネルに設けたが、これに限られることはなく、ナビゲーション装置20とは、別個の筐体に、入力装置25とディスプレィ26とを構成しても良い。また入力装置25とディスプレィ26とが互いに物理的に分離された構成を採っても良い。
【0025】
GPSセンサ31は、経度・緯度により車両の現在位置データを出力するためのもので、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。このGPSセンサ31は、複数のGPS衛星からの信号を受信して利用者の絶対位置を計測するGPS受信機等から構成されている。
【0026】
車速センサ32およびジャイロセンサ33は、車両の相対位置を計測するためのもので、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。これらセンサは自律航法に使用されるもので、これらにより計測される相対位置は、GPS受信機が衛星からの電波を受信できないトンネル内等において位置を得たり、GPS受信機によって計測された絶対位置の測位誤差を補正する等に利用される。
【0027】
通信装置35は、情報センタ70との間で無線通信回線によるデータの送受信を行うための無線通信機器で、入出力インタフェイス24を介してシステムバスに接続されている。例えば、携帯電話機、PHS等の無線通信システムを利用している。
【0028】
情報センタ70は、主に、制御装置72、通信装置74等から構成されている。制御装置72は、ナビゲーション装置20のCPU21、メモリ22等と同様に、CPU、メモリ等を備えており、道路交通情報72bをナビゲーション装置20に送信し得る交通情報提供プログラム72aを格納している。これにより、ナビゲーション装置20の要求に応じて、ナビゲーション装置20に道路交通情報72bを提供できるようにしている。
【0029】
情報センタ70の通信装置74は、ナビゲーション装置20との間で無線回線によるデータの送受信を行うための無線通信機器で、ナビゲーション装置20の通信装置35と同様に、例えば自動車電話機、携帯電話機、PHS等の無線通信システムを利用し、もしくはナビゲーション装置20の通信装置35と通信を行う電話回線交換局と接続するための機器を利用して構成されている。
【0030】
ここで、メモリ22に格納されている、経路探索プログラム22b、表示条件入力プログラム22c、交通情報取得プログラム22d、交通情報解析プログラム22e、統計処理プログラム22fおよび描画プログラム22gの概要を説明する。
【0031】
経路探索プログラム22bは、入力装置25により入力された希望目的地を地図情報データベース23に記憶された地図情報に基づいて検索する機能と、GPSセンサ31等により検出される車両の現在地から当該希望目的地に至るまでの推奨経路を地図情報データベース23に記録されている道路情報に基づいて探索する機能と、の2つの機能を備えるプログラムである。
【0032】
表示条件入力プログラム22cは、ナビゲーション装置20の利用者が要求する渋滞予測に関する表示条件を受け付ける機能を備えるプログラムで、ナビゲーション装置20による渋滞予測機能を実現するために必要なものである。例えば、利用者が、ナビゲーション装置20によりメニュー画面から渋滞予測機能を選択することにより起動され、図4(A) に示すような入力画面を介して所定の表示条件情報を受け付ける。なお、このような入力画面は、後述する描画プログラム22gの機能によってディスプレィ26に表示されるもので、利用者はタッチパネル等の入力装置25を介して必要事項を選択または入力する。
【0033】
図4(A) に示す入力画面の例では、渋滞情報の種類として「統計」、「特定日」の中から「統計」を選択し、また「統計」を選択したことにより必要となる統計処理の対象年月日を、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日および祝日の中から「火曜日」、1月〜12月の中から「10月」をそれぞれ選択している。さらにここでは、対象時刻を「8時00分」、また対象場所を「リンク」に指定した例を示している。
【0034】
なお、図4(A) の入力画面例において、「リンク」を選択しさらに「場所指定」を選択すると、図4(B) に示す地図が表示され、渋滞情報を知りたい道路を選択することができるようにも、本実施形態の表示条件入力プログラム22cは構成されている。ここで「リンク」とは、道路の交差点とそれに隣接する交差点(次の交差点)までの間の道路をいう。図4(B) において、符号αは車両の現在位置を示し、また符号βは経路探索プログラム22bにより探索された推奨経路を示す。同画面の上方には、入力済みの渋滞予測の対象月である「10月」、対象曜日である「火曜日」、対象時刻である「8時00分」がそれぞれ表示されている。
【0035】
交通情報取得プログラム22dは、情報センタ70から通信装置35を介して、例えば、VICS(道路交通情報通信システム)による道路交通情報を取得する機能を備えるプログラムで(特許請求の範囲に記載の「過去渋滞度取得手段」に相当するものである。)、ナビゲーション装置20による渋滞予測機能を実現するために必要なものである。具体的には、例えば、次の表1に示すヘッダ部と表2に示す本体データ部等とから構成される「リンク渋滞データ」を情報センタ70から通信装置35を介して取得する。これにより、情報センタ70のデータベースに蓄積された過去の渋滞情報を取得可能にしている。
【0036】
【表1】
Figure 0003960158
【0037】
【表2】
Figure 0003960158
なお、表2において、渋滞開始位置、混雑開始位置の値は、リンク終点からの距離(m)を表し、渋滞長、混雑長は、開始位置からリンク始点に向けての長さ(m)を表す。
【0038】
例えば、表1に示すリンク渋滞データのヘッダ部は、リンク番号、始点位置、終点位置、リンク長さ、渋滞データ対象曜日および渋滞データ対象時刻から構成されている。「リンク番号」は、情報センタ70から送信されてくるリンク渋滞データに付与された連番を示し、また「始点位置」および「終点位置」は、当該リンクの始点および終点を東経北緯の座標値により表したものである。「リンクの始点」とはここでは便宜上、その道路へ車両が進入する側の端点を示し、「リンクの終点」とはその道路から車両が退出する側の端点を示す。また「リンク長さ」は、当該リンク、即ち道路上の交差点と次の交差点までの間の道路長を表し、「渋滞データ対象曜日」および「渋滞データ対象時刻」は、渋滞データの対象とする曜日および時刻を表したものである。
【0039】
本実施形態では、表1に示すように、図4(A) による入力画面を介して入力された種々の表示条件から、「渋滞データ対象曜日」として火曜日、「渋滞データ対象時刻」として8時00分のリンク渋滞データを情報センタ70から取得している。なお、リンク始点位置と終点位置の座標値は、受信側であるナビゲーション装置20がリンクデータを有し、リンク番号から特定できる場合は省略することができる。
【0040】
また、表2に示すリンク渋滞データの本体データ部は、渋滞開始位置、渋滞長、混雑開始位置および混雑長から項目により、ナビゲーション装置20により要求された対象日に該当するものを集めて構成している。「渋滞開始位置」および「渋滞長」は、当該リンクにおいて車両の渋滞が始まる始点とその渋滞列の長さを示すものである。また「混雑開始位置」および「混雑長」は、当該リンクにおいて車両の混雑が始まる始点とその混雑列の長さを示すものである。「対象日」は、本実施形態の場合、表2に示すように、図4(A) による入力画面を介して入力された種々の表示条件から、10月の火曜日に該当する日付けのリンク渋滞データ、例えば「10/01」、「10/08」、「10/15」、「10/22」、「10/29」を情報センタ70から取得している。
【0041】
ここで、リンク渋滞データにおける「混雑」および「渋滞」について説明する。本実施形態における「リンク渋滞データ」は、各所の道路に設置された交通流計測装置で計測した交通流を収集して利用者に提供する情報センタ70(交通情報サービスセンタ)から取得できるデータを想定している。この情報センタ70(交通情報サービスセンタ)では、計測された交通流、即ち、計測装置設置場所を通過する車両の平均車速を所定の閾値で「渋滞無し」、「混雑」、「渋滞」と分類して利用者に提供し、例えば、平均車速が40km/h以上を「渋滞なし」、20km/h以上40km/h未満を「混雑」、20km/h以下を「渋滞」と分類している。またこれらの分類の閾値は、道路の属性によって変更される場合もある。即ち、高速道路や車両専用道路、国道、県道等といった道路属性に基づいてその閾値が設定される。
【0042】
交通情報解析プログラム22eは、交通情報取得プログラム22dにより取得したリンク渋滞データをナビゲーション装置20の内部で情報処理できる形式に変換する機能を備えるもので(特許請求の範囲に記載の「過去渋滞度取得手段」に相当するものである。)、ナビゲーション装置20による渋滞予測機能を実現するために必要なものである。例えば、情報センタ70から送信されてくるリンク渋滞データがデータ圧縮されている場合には、取得した圧縮データを元のデータを復元する機能や、表1に示したヘッダ部や表2に示した本体データ部から必要な情報をメモリ22のワーク領域に読み込んだりする機能を有する。
【0043】
統計処理プログラム22fは、交通情報解析プログラム22eにより解析したリンク渋滞データに基づいて、区間の平均渋滞度や重み係数を求める処理、あるいはリンクを細分化した区間ごとに重み係数による重み付け処理を行う機能を備えるもので(特許請求の範囲に記載の「重み係数設定手段」、「重み付け手段」に相当するものである。また「区間」は、特許請求の範囲に記載の「道路片」に相当するものである。)、ナビゲーション装置20による渋滞予測機能を実現するために必要なものである。
【0044】
描画プログラム22gは、前述した表示条件入力プログラム22cによる入力画面や、統計処理プログラム22fにより統計処理された渋滞予測結果画面等をディスプレィ26を介して利用者に提示するプログラムで(特許請求の範囲に記載の「渋滞度表示手段」に相当する)、ナビゲーション装置20による渋滞予測機能を実現するために必要なものである。描画プログラム22gは、各種画面情報をディスプレィ26に線図として描画する機能のほか、地図情報データベース23の道路情報をもとに地図を描画したする機能の有する。
【0045】
次に、本ナビゲーション装置20により処理される各プログラムの流れを図2〜図7に基づいて説明する。なお、以下説明する各処理は、前述した表示条件入力プログラム22c、交通情報取得プログラム22d、交通情報解析プログラム22e、統計処理プログラム22fおよび描画プログラム22gにより実行されるもので、例えば、ナビゲーション装置20のディスプレィ26に表示されたメニュー画面から、「渋滞予測機能」の項目を選択することによりシステムプログラム22aのメインルーチンから起動されるものである。
【0046】
図2に示すように、ナビゲーション装置20は、まずステップS101により渋滞情報の表示条件を入力する処理を行う。具体的には、表示条件入力プログラム22cにより描画プログラム22gを介して、図4(A) 、(B) に示す入力画面がディスプレィ26に表示されるので、利用者はタッチパネル等の入力装置25を介して必要事項を選択したり、また対象時刻を入力するテキストボックスに時刻を入力する。
【0047】
次にステップS103により、情報センタ70から送られてくる交通情報を取得する処理を行う。具体的には、ステップS101により入力された表示条件に基づいて、交通情報取得プログラム22dにより情報センタ70に対し必要な交通情報を要求することによって、情報センタ70から送信されてくるVICSによるリンク渋滞データ(表1、表2を参照)を取得する。
【0048】
ステップS105では、交通情報を解析する処理を行う。具体的には、ステップS103により取得したリンク渋滞データをナビゲーション装置20の内部で情報処理できる形式に変換する処理、例えば、取得した圧縮データを元のデータを復元する処理や、必要な情報をメモリ22のワーク領域に読み込んだりする処理を行う。
【0049】
続くステップS107より統計処理を行う。この統計処理では、図3にその処理の流れが示されているように、まずステップS201により、区間の平均渋滞度を演算する処理を行う。例えば、前掲した表2に示すように、情報センタ70から送られてくるリンク渋滞データを各日付ごとに表すと、図5に示すように、表現することができる。
【0050】
即ち、「渋滞無し」を実線、「混雑」を一点鎖線、「渋滞」を点線によりそれぞれ図示すると、リンク渋滞データのうち10月1日分のデータは、表2から、渋滞開始位置が0mで渋滞長が550mであることから、図5において終点(0m)を渋滞開始位置とした「渋滞」(点線)が550mに亘って続いている旨が示されている。また10月1日分のデータは、表2から、混雑開始位置が0mで混雑長が0mであることから、「混雑」は起きていないことがわかるため、図5においては残りの80mについて「渋滞無し」(実線)に表されている。
【0051】
同様に、リンク渋滞データのうち10月8日分および10月15日分のデータは、表2から、渋滞開始位置が0mで渋滞長が630mであることから、図5において終点(0m)を渋滞開始位置とした「渋滞」(点線)が630m、つまり当該リンクの全域に亘って続いている旨が示されている。また10月22日分のデータは、表2から、渋滞開始位置が0mで渋滞長が300m、混雑開始位置が300mで混雑長が200mであることから、図5において終点(0m)を渋滞開始位置とした「渋滞」(点線)が300mに亘って続き、これに続いて終点から300m手前(始点方向)を混雑開始位置として「混雑」(一点鎖線)が200mに亘って続いている旨が示されている。さらに10月29日分のデータにおいては、表2から、渋滞開始位置が300mで渋滞長が300m、混雑開始位置が0mで混雑長が0mであることから、図5において終点から300m手前(始点方向)を渋滞開始位置とした「渋滞」(点線)が300mに亘って続き、残りは「渋滞無し」(実線)が30mに亘って続いている旨が示されている。
【0052】
このように図示可能な表2によるリンク渋滞データを、ステップS201により。それぞれの日付ごとに10m単位に分割し、10m単位ごとに渋滞度に応じて「渋滞無し」では重み「0(零)」、「混雑」では重み「1」、「渋滞」では重み「2」としてそれぞれ重み付けを行う。
即ち、図6(A) に示すように、10月1日分のデータを例に説明すると、リンク長630mを10m単位に63分割し、始点から80mに亘る範囲について「渋滞無し」の重み「0」を80m分に相当する8区間について重み付け、始点から80m離れたところから550mに亘る範囲について「渋滞」の重み「2」を550m分に相当する55区間について重み付けする。
【0053】
ステップS201では、このように重み付けをした10m単位区間を、それぞれの区間ごとに各日付データ分だけ加算することにより、当該リンク(リンク長630m)における各区間ごとの渋滞度合計を得ることができるので(図5(B) )、その各区間ごとの渋滞度合計をサンプル数で割り、各区間ごとの平均渋滞度を求める(図5(C) )。前掲の表2の場合では、サンプル数は10月1日、10月8日、10月15日、10月22日、10月29日の5サンプルであることから、例えば図5(B) の始点から30m(3区間)の範囲においては、渋滞度合計3をサンプル数5で除算することによって、図5(C) に示すように、同範囲(3区間)における平均渋滞度0.6を得ることができる。
【0054】
このようにステップS201により10m単位区間の平均渋滞度を演算する処理を行うと、次にステップS203により重みを演算する処理を行う。ここで行う「重み」は、特許請求の範囲に記載の「重み係数」に相当するもので、図5(D) に示すように、始点側の重みを「1」、終点側の重みを「2」として、10m単位区間ごとにそれぞれ重み付ける重みを演算する。つまり、車両の進行方向前方にある交差点(終点)までの距離が近い区間ほどその重みを大きい値に設定し、当該交差点(終点)までの距離が遠い区間ほどその重みを小さい値に設定する。
【0055】
例えば、図5(D) に示すように、始点においては、始点から1番目の区間であることから1を区間数である63により除してそれに重み「1」を加えた値(1/63+1=1.016)を当該区間の重みとしている。また同様に始点から3番目の区間では、3を区間数である63により除してそれに重み「1」を加えた値(3/63+1=1.048)を当該区間の重みとしている。そして、終点においては、始点から63番目の区間であることから63を区間数である63により除してそれに重み「1」を加えた値(63/63+1=2.000)を当該区間の重みとしている。
【0056】
ステップS205では、ステップS203により演算された各区間の重みを、付加した区間ごとの渋滞度を演算する処理を行う。即ち、ステップS201により演算した各区間ごとの平均渋滞度に、ステップS203により各区間の重みを乗算する演算を行う。これにより、車両の進行方向前方にある交差点(終点)に近い区間ほど大きな値に、当該交差点(終点)に遠い区間ほど渋滞度が小さな値に、それぞれ重み付けされるので、ステップS205による演算により、渋滞度は、当該交差点(終点)に近づくほど渋滞度を大きく、当該交差点(終点)から離れているほど、つまり始点に近いほど渋滞度を小さく表すことができる。
【0057】
例えば、図5(E) に示すように、始点においては、平均渋滞度は0.6であることから、これに1.016(=1/63+1)を乗算すると、0.6×1.016=0.61が当該区間の渋滞度として得られる。また同様に始点から3番目の区間では、平均渋滞度0.6に1.048(=3/63+1)を乗算すると、0.6×1.048=0.63が当該区間の渋滞度として得られる。さらに終点においては、平均渋滞度は1.4であることから、これに2.000(=63/63+1)を乗算すると、1.4×2.000=2.80が当該区間の渋滞度として得られる。
【0058】
ステップS205により各区間について渋滞度を演算すると、次にステップS207〜S215により、渋滞度の判断を行う処理を実行する。
即ち、始点から終点に向かって10m単位区間を1づつ進めるポインタ値により、ステップS207により10m単位区間の全てについて当該渋滞度の判断処理が終了したか否かの判断を行い、全ての区間について渋滞度の判断処理が終了していなければ(ステップS207でNo)、ステップS209により当該区間の渋滞度が2以上であるか否かの判断を行う。そして、当該区間の渋滞度が2以上である場合には(ステップS209でYes)、ステップS211により当該区間は「渋滞」である旨の状態フラグを設定する。
【0059】
一方、当該区間の渋滞度が2以上でない場合には(ステップS209でNo)、続くステップS213により当該区間の渋滞度が1以上であるか否かの判断を行う。そして、当該区間の渋滞度が1以上である場合には(ステップS213でYes)、ステップS215により当該区間は「混雑」である旨の状態フラグを設定する。他方、当該区間の渋滞度が1以上でない場合には(ステップS213でNo)、続くステップS217により当該区間は「渋滞無し」である旨の状態フラグを設定する。
【0060】
ステップS211、S215、S217によりそれぞれ状態フラグが設定されると、続くステップS219により当該区間における状態フラグをメモリ22の所定領域に記憶する処理を行い、ステップS221によりポインタ値をインクリメント(+1)して次の区間に移る処理を行った後、ステップS207に処理を戻す。ステップS207により10m単位区間の全てについて当該渋滞度の判断処理が終了したと判断すると(ステップS207でYes)、一連の統計処理を終了する。図6(F) には、前掲の表2におけるリンク渋滞データについて渋滞度の判断を行った結果が図示されており、「渋滞無し」(長さ30m)が実線により、「混雑」(長さ120m)が一点鎖線により、「渋滞」(長さ480m)が点線により、それぞれ表されている。
【0061】
統計処理による一連の処理が終了すると、図2に示すステップS107の次の処理、つまりステップS109に処理を移行する。
図2に示すように、ステップS109では、指定箇所の統計処理結果をディスプレィ26に表示する処理を行う。この処理は、描画プログラム22gにより行われるもので、例えば、図7に示すような地図が表示され、渋滞情報を知りたい道路βに対して(図4(B) に示す符号βの道路と同じ)、「渋滞無し」の旨を実線により、「混雑」の旨を一点鎖線により、「渋滞」の旨を点線により、それぞれ表示している。なお、図7において符号αは車両の現在位置を示し、同画面の上方には、入力済みの渋滞予測の対象月である「10月」、対象曜日である「火曜日」、対象時刻である「8時00分」がそれぞれ表示されている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係るナビゲーション装置20の渋滞予測機能によると、リンクを10mの長さに分割した複数の区間の過去の渋滞度を交通情報取得プログラム22d(S103)、交通情報解析プログラム22e(S105)により取得し、各区間から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいた重み係数を各区間ごとに統計処理プログラム22f(S107、S201、S203)により設定し、各区間ごとに、過去の渋滞度に重み係数による重み付けを統計処理プログラム22f(S107、S205〜S221)によりする。そして、描画プログラム22g(S109)により、重み付けされた渋滞度を現在または将来の渋滞度としてディスプレィ26に表示させる。これにより、各区間から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいて、各区間ごとに、過去の渋滞度に重み係数による重み付けされた渋滞度によって、統計処理を行い、現在または将来の渋滞度としてディスプレィ26に表示させるので、単に「過去のデータから平均化などの一般的な統計処理に基づいて現在または将来の渋滞の程度を予測する手法」を用いていたものに比べると、より確度の高い渋滞予測を可能にすることができる。
【0063】
さらに本実施形態では、道路を一の交差点から隣接する交差点までの道路区間を単位として、当該道路区間の将来の渋滞度を予測するものであり、当該道路区間を所定長さ(10m)に分割した複数の道路片ごとに、過去の渋滞度を取得し、また、当該道路区間における車両進行方向前方の交差点までの距離に基づいた重み係数を前記各道路片ごとに設定して、過去の渋滞度にその重み係数を乗じて当該道路区間の将来の渋滞度としている。これにより、渋滞予測する道路を、一の交差点から隣接する交差点までの道路区間を単位とするので、例えば、出発地から目的地までの経路に沿った(あるいはその経路の一部の)渋滞度を利用者が指定した場合に、当該経路(またその一部)について渋滞度の予測演算を行うことができる。即ち、利用者が渋滞度提示を希望する道路に対応した渋滞予測演算・表示が可能となる。
【0064】
また、本実施形態に係るナビゲーション装置20の渋滞予測機能によると、統計処理(S107)のステップS205により重み付けられる重み(重み係数)は、車両の進行方向前方にある交差点までの距離が近い区間ほど大きい値(例えば2)に設定され、車両の進行方向前方にある交差点までの距離が遠い区間ほど小さい値(例えば1)に設定される。これにより、ステップS205により渋滞度は、当該交差点に近い区間ほど大きな値に、当該交差点に遠い区間ほど渋滞度が小さな値に、それぞれ重み付けされるので、車両の進行方向前方にある交差点に近づくほど渋滞度を大きく、当該交差点から離れているほど渋滞度を小さく表すことができる。したがって、車両の進行方向前方にある交差点に近づくほど渋滞し易いという交通事情に即した渋滞予測を可能にすることができる。
【0065】
ここで、本実施形態の変形例1を図8に基づいて説明する。
この変形例1は、渋滞度を予測する道路の属性に応じて重みを変えるもので、特許請求の範囲の請求項3に係る発明の実施形態に相当するものである。渋滞度を予測する道路のリンクの情報は、図1に示す地図情報データベース23に蓄積されており、かかる地図情報データベース23から、当該リンクの属性(交差点での信号の有無、信号の色が変化する周期、道路幅、車線数、国道/県道の種別、交差点で他のリンクとの交差形状(十字路、T字路など))に基づいて、渋滞の発生確率を決定する。当該発生確率は、過去のデータから統計的、経験的に予め設定されており、この発生確率によってリンクの各区間に付する重み(重み係数)を変化させる。
【0066】
例えば、図5に示した過去データを例とすると、図6(A) 〜図6(E) に示す各処理を行った場合、図6(F) に示す渋滞度予測結果を得ることができたが、当該リンクについてその属性から渋滞発生率が通常より1.5倍であったと仮定すると、図6(E) に示した重み(重み係数)を1.5倍して渋滞、混雑の判別を行うこととする。ここでは、計算の簡単化のため、重みを1.5倍するのと等価である、「渋滞=2」、「混雑=1」とした判断基準を1.5で割って新たな判断基準とする演算を行って説明する。
【0067】
即ち、渋滞発生確率1.5倍のときは、「渋滞」の基準は2/1.5=1.33、「混雑」の基準は1/1.5=0.67として、図6(E) 渋滞度結果を3段階に分類する。このように分類した場合、図8に示すよう渋滞度予測結果を得ることができる。このように、第1変形例によると、先の実施形態では図6(F) に示すように「渋滞」がリンク終点から480mであったものが、渋滞発生率で重み係数を1.5倍に変更した結果、「渋滞」が終点から550mという結果を得ることができる。
【0068】
つまり、本実施形態の第1変形例に係るナビゲーション装置20の渋滞予測機能によると、統計処理(S107)のステップS205により重み付けられる重み(重み係数)は、渋滞度の予測対象となる道路の属性に基づいて設定されることから、例えば、当該道路が一般道であるか高速道路であるか、あるいは当該道路に繋がる交差点に信号機があるか否か等の当該道路に付随する情報に基づいて、重み係数が設定される。これにより、当該道路を走行する車両の周囲状況の実情に即して重み係数を設定することができるので、よりさらに確度の高い渋滞予測を可能にすることができる。
【0069】
ここで、本実施形態の変形例2を図9に基づいて説明する。
この変形例2は、ナビゲーション装置20の渋滞予測機能への入力データとして、道路を走り回って自ら渋滞情報を収集する車両(以下「プローブカー」という。)から送信されてくるデータを用いるもので、特許請求の範囲の請求項2に係る発明の実施形態に相当するものである。
【0070】
例えば、プローブカーが10m走行するごとに、10m区間の平均車速を記録して、当該プローブカーから情報センタ70へ転送する場合である。情報センタ70により受信されたデータとしては、例えば図9(A) に示すようなものである。このようなデータについて、次の表3に示すように、所定車速範囲を「渋滞」、「混雑」、「渋滞無し」と段階分けし、得られたデータをこの段階分けに従ってリンクを10m単位に段階分けする(図9(B) )。そして、得られた渋滞度の段階分けデータ(図9(B) )を情報センタ70の道路交通情報72bに記憶しておき、過去の渋滞度の実績データとして所定数収集する。これにより、先の実施形態で説明した図2に示す処理により、当該過去の渋滞度の実績データをナビゲーション装置20により取得することで(S103)、前述と同様に渋滞度を予測することができる。
【0071】
【表3】
Figure 0003960158
【0072】
また、プローブカーが10秒走行ごとに10秒間の平均車速ないしは10秒経過時点での車速を記憶し、これを情報センタ70に転送することにより、例えば図9(C) に示すようなデータを情報センタ70の道路交通情報72bに記憶することができる。この場合においても、先の実施形態で説明した図2に示す処理により、当該過去の渋滞度の実績データをナビゲーション装置20により取得することで(S103)、前述と同様に渋滞度を予測することができる。なお、図9(B) 、図9(C) において、「渋滞無し」は実線、「混雑」は一点鎖線、「渋滞」は点線によりそれぞれ図示されている。
【0073】
本実施形態の第2変形例に係るナビゲーション装置20の渋滞予測機能によると、過去の渋滞度は、例えばプローブカーにより得られた、各区間を通過した車両の平均速度に基づいて設定される値であることから、一般に、渋滞し易いところでは車両の平均速度が低くなり、渋滞し難いところでは車両の平均速度が高くなるという具体的な事象に基づいて過去の渋滞度を設定することができる。これにより、過去の渋滞度をより現実に近い数値として捉えることができるので、より一層、確度の高い渋滞予測を可能にすることができる。
【0074】
なお、以上説明した各実施形態では、本発明に係る道路の渋滞予測装置およびプログラムをナビゲーション装置20の渋滞予測機能として説明したが、例えば情報センタ70における渋滞予測機能として本発明に係る道路の渋滞予測装置およびプログラムを適用しても良い。この場合、図2において、ステップS103、S105、S107による各処理を情報センタ70の制御装置72にて行い、ステップS101およびS109は車両に搭載されたナビゲーション装置20にて行うように構成されるシステムにおいて実現される。このような構成により、ナビゲーション装置20側における情報処理の機能負担が軽減されるので、ナビゲーション装置20におけるハードウェア構成を簡素化し得るメリットがある。
【0075】
また、以上説明した各実施形態では、本発明に係る道路の渋滞予測装置およびプログラムをナビゲーション装置20の渋滞予測機能として説明したが、例えばパーソナルコンピュータや携帯型情報端末装置等の計算機装置に適用しても、上述と同様の作用および効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る渋滞予測処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図2に示す統計処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】表示条件入力プログラムによる入力画面の例を示す説明図で、図4(A) は渋滞情報の種類、対象年月日、対象時刻、対象場所を入力する画面例を示し、図4(B) は場所指定を選択した場合における地図表示により入力する画面例を示すものである。
【図5】表2に示すリンク渋滞データの内容を各日付ごとに線図により表した例を示す説明図である。
【図6】図3に示す各処理を説明するために参照される説明図で、表2に示すリンク渋滞データを例にしたものである。
【図7】図2に示す「指定箇所の統計結果を表示する処理」により表示された画面の例を示す説明図である。
【図8】本実施形態の第1変形例に係る渋滞予測処理による渋滞度予測結果の例を示す説明図である。
【図9】本実施形態の第2変形例に係る渋滞予測処理を説明するために参照される説明図で、図9(A) は所定区間ごとにプローブカーから情報センタへ転送されるデータの概念を示すもの、図9(B) は情報センタに蓄積される渋滞度の段階分けデータの概念を示すもの、図9(C) は所定時間ごとにプローブカーから情報センタへ転送されるデータの概念を示すものである。
【符号の説明】
20 ナビゲーション装置
21 CPU(過去渋滞度取得手段、重み係数設定手段、重み付け手段、渋滞度表示手段)
22 メモリ
22c 表示条件入力プログラム
22d 交通情報取得プログラム(過去渋滞度取得手段)
22e 交通情報解析プログラム(過去渋滞度取得手段)
22f 統計処理プログラム (重み付け手段、重み係数設定手段)
22g 描画プログラム (渋滞度表示手段)
23 地図情報データベース
25 入力装置
26 ディスプレィ (表示装置)
35 通信装置 (過去渋滞度取得手段)
70 情報センタ
72a 交通情報提供プログラム
72b 道路交通情報
S103(過去渋滞度取得手段
S107(重み係数設定手段重み付け手段
S109(渋滞度表示手段
S201(重み係数設定手段)
S203(重み係数設定手段)
S205(重み付け手段)

Claims (5)

  1. 道路を、所定長さに分割した複数の道路片としてモデル化し、該道路片における過去の渋滞度データに基づいて統計処理し、該道路片における現在または将来の渋滞度を予測し、該現在または将来の渋滞度を表示装置に表示させる道路の渋滞予測装置であって、
    各道路片の過去の渋滞度を取得する過去渋滞度取得手段と、
    前記各道路片から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいた重み係数を、前記各道路片ごとに設定する重み係数設定手段と、
    前記各道路片ごとに、前記過去渋滞度取得手段により取得された過去の渋滞度に前記重み係数設定手段により設定された重み係数による重み付けをする重み付け手段と、
    前記重み付け手段により重み付けされた渋滞度を、現在または将来の渋滞度として前記表示装置に表示させる渋滞度表示手段と、
    を含むことを特徴とする道路の渋滞予測装置
  2. 前記過去の渋滞度は、前記各道路片を通過した車両の平均速度に基づいて設定される値であることを特徴とする請求項1記載の道路の渋滞予測装置
  3. 前記重み係数は、渋滞度の予測対象となる道路の属性に基づいて設定されることを特徴とする請求項1または2記載の道路の渋滞予測装置
  4. 前記重み係数は、車両の進行方向前方にある交差点までの距離が近い道路片ほど大きい値に設定され、車両の進行方向前方にある交差点までの距離が遠い道路片ほど小さい値に設定されることを特徴とする請求項1または2記載の道路の渋滞予測装置
  5. 道路を、所定長さに分割した複数の道路片としてモデル化し、該道路片における過去の渋滞度データに基づいて統計処理し、該道路片における現在または将来の渋滞度を予測し、該現在または将来の渋滞度を表示装置に表示させる情報処理装置のプログラムであって、
    各道路片の過去の渋滞度を取得する過去渋滞度取得手段と、
    前記各道路片から車両の進行方向前方にある交差点までの距離に基づいた重み係数を、前記各道路片ごとに設定する重み係数設定手段と、
    前記各道路片ごとに、前記過去渋滞度取得手段により取得された過去の渋滞度に前記重み係数設定手段により設定された重み係数による重み付けをする重み付け手段と、
    前記重み付け手段により重み付けされた渋滞度を、現在または将来の渋滞度として前記表示装置に表示させる渋滞度表示手段と、
    を前記情報処理装置により機能させるためのプログラムを含むことを特徴とするプログラム。
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