JP3959965B2 - 形質転換のための改良された方法および材料 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は以下の機関によって与えられた米国政府の支援の下で行われた:NIH助成金番号:GM35072。米国政府は本発明において一定の権利を保有する。
【0002】
発明の背景
RNAウイルスは、標的とする細胞および組織の表現型および遺伝子型の形質転換における貴重なツールであることが知られている。例えば、新規ウイルスRNA発現ベクターについて開示している米国特許第5,500,360号を参照のこと。RNAウイルスのゲノムのRNAは、外因性RNAセグメントを含むように改変することができること、および改変されたRNAを宿主細胞に導入して、その中で複製させ、それによって外因性RNAセグメントを発現することができることが示されている。
【0003】
改変されたRNAウイルスを宿主細胞に接種する現行の方法は、特定の鎖のインビトロ転写を行ってから、得られたRNA転写物を宿主細胞に導入することを含む。現行の接種法に関する一つの問題は、RNAが急速に分解して、このため感染効率が低くなることである。さらに、インビトロRNA転写物の調製は高価であり時間を浪費する。
【0004】
さらに、植物の形質転換および遺伝子工学の出現によって、危険な形質を環境中にばらまく危険性を有する可能性に関して多くの懸念が持たれている。例えば、農業的に重要な作物のストレス抵抗性および/除草剤抵抗性を増加させる遺伝子は、例えば、花粉、機械的散布、または昆虫による散布によって、周辺のあまり望ましくない損傷の少ない植物に、理論的に「漏れる」可能性がある。この現象は新しい「超雑草(super weed)」種を生じる可能性があり、これは農業に大混乱を引き起こしうる。既存のRNAウイルスに基づくベクターは、機械的手段および/または昆虫によって非標的植物に広がりうる。そのような散布は、適当なトランス作用因子を発現する標的植物に限って複製および/または運動することができるベクターを用いることによって予防することができる。したがって、標的細胞および組織の形質転換に関して、より安価で、しかもより効率的な方法はなおも必要である。その上、遺伝子操作された形質が環境に望ましくないように散布されることに関連した潜在的危険性を軽減する、新規形質転換方法が必要である。
【0005】
発明の簡単な説明
本発明は、細胞にDNA送出プラットフォーム(DNA-launching platform)をトランスフェクトする段階を含む、宿主細胞を形質転換する改良された材料および方法に関する。本発明の一つの局面は、それによってDNA送出プラットフォームを宿主細胞に導入することができ、その中でDNA送出プラットフォームが複製および発現されるように、上記改良されたウイルスRNA分子を宿主細胞に有効に「送出する(launching)」ことができる、DNA依存性RNAポリメラーゼ(pol)プロモーターの下流に、改変されたウイルスRNA分子をコードするDNA送出プラットフォームに関する。本明細書において用いられる「改変されたウイルスRNA分子」という用語は、その天然の状態から変化しているウイルスRNAを意味する。ウイルスRNAの変化の例には、ウイルスRNAゲノムの一部の除去、外因性RNAの挿入または置換等が含まれるがこれらに限定されることはない。外因性RNAセグメントは、それがRNA複製を妨害しないように、ウイルスRNA分子のある領域に存在しうる。そのような操作の技術は何年も前から当業者に周知であった。好ましくは、改変されたウイルスRNA分子は、改変されたウイルスRNA分子の3'末端近位に存在するリボザイムをさらに含む。ウイルスセグメントは、トランス作用ウイルス複製エレメントの存在下で、または非存在下で複製される能力を有してもよい。
【0006】
本発明のもう一つの局面は、ウイルスRNA分子および外因性RNAセグメントをコードするDNA送出プラットフォームを、該ウイルスRNAセグメントまたは該外因性RNAセグメントの複製を妨害しない部位に導入する段階を含み、それによって、外因性RNAセグメントが宿主細胞において検出可能な形質を付与する、宿主の遺伝子型または表現型を改変する方法に関する。本発明は、多様な植物細胞に当てはまる。
【0007】
本発明のなおさらなる局面は、本発明のDNA送出プラットフォームが導入された細胞に関する。
【0008】
本発明のさらにもう一つの局面は、DNA送出プラットフォームをトランスフェクトさせた細胞を含む植物に関する。
【0009】
本発明の新規方法および材料は、本発明のDNA送出プラットフォームを利用すればRNA接種物の分解に対してより抵抗性となるため、かつそれぞれのDNA送出プラットフォームが長期間にわたって多数のRNA転写物を産生するために、RNAウイルスのより大きい接種効率を提供する。DNA送出プラットフォームは、所望のベクター構築物の遺伝的に安定な植物内貯蔵コピーを提供することから、該DNA送出プラットフォームの持続的な転写によって、宿主細胞に所望の構築物が繰り返し再接種されると思われる。これは、植物および動物RNAウイルスに基づくベクターからの幾つかの遺伝子の発現が阻害された、という遺伝子不安定性問題を解消する役に立つ。さらに、本発明の接種方法は、インビトロRNA転写物を接種する場合より安価で、しかも効率がよい、大規模で用いられるバルクとして接種物を生成する、はるかに単純な手段を提供する。
【0010】
配列の簡単な説明
配列番号:1 :pB1LR2−部分ヌクレオチド配列はBMV 1a発現カセットを含む。
【0011】
配列番号:2 :pB1LR3−部分ヌクレオチド配列はBMV 1a発現カセットを含む。
【0012】
配列番号:3 :pB2LR4−部分ヌクレオチド配列はBMV 2a発現カセットを含む。
【0013】
配列番号:4 :pB2LR5−部分ヌクレオチド配列はBMV 2a発現カセットを含む。
【0014】
配列番号:5 :pB12LR6−部分ヌクレオチド配列はBMV 1aおよび2a発現カセットを含む。
【0015】
配列番号:6 :pB12LR7−部分ヌクレオチド配列はBMV 1aおよび2a発現カセットを含む。
【0016】
配列番号:7 :pB12LR8−部分ヌクレオチド配列はBMV 1aおよび2a発現カセットを含む。
【0017】
配列番号:8 :pB12LR9−部分ヌクレオチド配列はBMV 1aおよび2a発現カセットを含む。
【0018】
発明の詳細な説明
本発明の理解を容易にするために、本明細書を通じて特定の用語を本明細書において定義する。本明細書において用いられる「RNAウイルス」という用語は、ウイルスのゲノムが二本鎖または一本鎖型のRNAであって、一本鎖が(+)鎖または(−)鎖であるウイルスを意味する。
【0019】
本明細書において用いられる「トランスフェクション」または「トランスフェクトされた」という用語は、機械的接種、エレクトロポレーション、アグロ感染、パーティクル-ボンバードメント、マイクロインジェクション、または他の既知の方法によって細胞に外来性DNAまたはRNAを導入することを意味する。
【0020】
本明細書において用いられる「形質転換」または「形質転換した」とは、細胞において永続的な遺伝的変化を引き起こす、細胞における外来性DNAまたはRNAの安定な組み込みを意味する。したがって、当業者は、細胞のトランスフェクションがその細胞の形質転換を生じる可能性があると理解すると思われる。
【0021】
本明細書において「送出された(launched)」とは、本明細書に記述するようにDNA送出プラットフォームから転写された、好ましくは複製されたポリヌクレオチドを意味する。
【0022】
本明細書において用いられる「シス作用エレメント」という用語は、シスで存在しなければならない、すなわちその鎖の複製に対する必要条件としてそれぞれのウイルス鎖の一部として存在しなければならない、RNAウイルスのRNAゲノムの一部を示す。ウイルス複製は、シス作用エレメントと相互作用してRNA複製を行う1つまたはそれ以上のトランス(拡散型)エレメントの存在に依存すると思われる。トランス作用エレメントが複製に必要である場合、それらは提供され、改変されたウイルスRNA上に存在する必要はなく、またはRNA上でコードされる必要はないが、他の何らかの手段によって感染細胞内で利用できるようにしてもよい。例えば、トランス作用の複製機能は、改変されたRNAと同時に細胞にトランスフェクトされたウイルスゲノムの他の改変されていない、または改変された構成要素によって提供してもよい。同じアプローチを運動蛋白質、コート蛋白質、および他の機能を含む他のトランス作用機能のために用いることができる。標的細胞もまた予め改変してもよく、例えば、細胞は染色体からトランス作用機能の構成的発現を提供するように先に形質転換しておいてもよい。シス作用エレメントは、RNA複製によって宿主細胞内で複製されるべきRNA分子上に存在しなければならないウイルスRNAの1つまたはそれ以上のセグメントで構成される。セグメントはウイルスRNA分子の5'および3'末端部分である可能性が最も高く、他の部分および/またはウイルスオープンリーディングフレームも同様に含んでもよい。したがって、シス作用エレメントは機能的な用語において定義される:必須のトランス作用エレメントを含むことが知られている細胞においてRNAの複製能を破壊する如何なる改変も、シス作用エレメントにおける改変であると思われる。逆に、複製を妨害することなく、そのような欠失または挿入に耐えることができる配列領域における欠失または挿入のような如何なる改変も、シス作用エレメント外での改変である。本明細書に示すように、当業者によって機能的な例であることが既知であり、容認されているBMVの例を用いて、そこからRNAウイルス分子の実質的な部分を、複製を妨害することなく、欠失、挿入、または欠失と挿入の組合せによって改変してもよい。
【0023】
「外因性RNA」とは、外因性RNAセグメント源がRNAウイルスそのものとは異なる、改変すべきウイルスRNAに挿入されるRNAのセグメントまたは構成要素を記述するために用いられる用語である。RNA源は、他のウイルス、植物、動物、細菌、ウイルスまたは真菌のような生物であってもよい。外因性RNAは化学合成したRNAであってもよく、天然のRNAに由来してもよく、または上記の組合せであってもよい。外因性RNAは、RNAセグメントによって提供されることが適当であって知られている如何なる機能を提供してもよい。そのような機能には、宿主細胞によって翻訳されると、有用なまたは所望の形質を有するペプチドまたは蛋白質の合成が起こる配列をコードするメッセンジャーRNAとして作用するRNAがコード機能を含むが、これに限定されることはない;RNAセグメントは構造的、例えばリボソームRNAにおいて構造的であってもよい;これは、例えば核内低分子RNA、またはアンチセンスRNAに関して調節的であってもよい;または触媒的であってもよい。当業者は、外因性RNAが例えば、発現されると、細胞代謝の変化のような所望の表現型特徴を発揮する、生化学経路において鍵酵素である蛋白質をコードしてもよいと理解すると思われる。さらに、外因性RNAは、ジンクフィンガー、ウイングド-へリックス(winged helix)、およびロイシンジッパー蛋白質のような、転写の調節に関係する蛋白質をコードしてもよい。特に興味深い機能は、アンチセンスRNA、時に(−)鎖RNAと呼ばれるものによって提供されるが、これは実際に相補的塩基対形成を通じて、標的細胞においてRNAに結合してその機能を阻害することができる、標的細胞中に存在するもう一つのRNA配列と実際に相補的な配列である。
【0024】
「非ウイルス」という用語は、本明細書において、その改変が複製および発現のために利用される、ウイルス内に通常含まれない如何なるRNAセグメントも意味し、したがって、「外因性」という用語と同義に用いられる。したがって、改変された種とは異なるウイルス種に由来する遺伝子は、本発明を記述する目的に関して「非ウイルス」および「外因性」という用語の意味に含まれる。例えば、用語としての非ウイルス遺伝子には、形質転換を行うために改変されたウイルスとは区別することができるタイプの細菌ウイルス、動物ウイルス、または植物ウイルスに由来する遺伝子が含まれる。さらに、非ウイルス遺伝子は、如何なる原核生物または真核生物に由来する構造遺伝子であってもよい。
【0025】
一つの態様において、本発明は、ウイルスRNAを細胞に導入するためにDNA送出プラットフォームを利用する、宿主細胞をトランスフェクトする新規方法に関する。本発明は、外因性RNA構成要素およびDNA依存性RNA polプロモーターに結合したRNAウイルス構成要素を含む、改変されたウイルスRNA分子をコードするDNA送出プラットフォームを用いるトランスフェクション法によって方向づけされる。DNA依存性RNA polプロモーターは、好ましくは改変されたウイルスRNA分子の5'転写開始部位の10ヌクレオチドまでの中に融合されるが、必ずしもその必要はなく、より好ましくは5'転写開始部位の5ヌクレオチドまでの範囲内である。DNA送出プラットフォームの発現によって、改変されたウイルスRNA分子の転写物が生成され、次にこれは、複製因子の存在下でRNA複製を行うことができるが、この複製因子は改変されたウイルスRNA中に存在しうる、および/または染色体からの発現を含む他の手段によってイントランスで供給されてもよく、または異なる送出プラスミド上に供給されてもよい。改変されたウイルスRNAが複製される場合、外因性RNAも同様に複製されうる。さらに、外因性RNAは細胞に発現させることができ、それによって既定の表現型形質が得られる。好ましい態様において、DNA送出プラットフォームはさらに、該RNA分子の3'末端に近位に存在する自己切断性のリボザイムをコードするヌクレオチド配列を含む。当業者に容易に明らかなように、既知のリボザイムを本発明に従って用いてもよい。好ましい態様において、リボザイムは3'領域で改変されたRNAウイルス分子を切断する。3'領域は、3'末端の上流または下流の30ヌクレオチドまでで構成されることができ、好ましくは3'末端の上流または下流の10ヌクレオチドまでで構成される。より好ましい態様において、リボザイムは改変されたRNAウイルス分子を3'末端で正確に切断する。他の既知の調節配列、例えばプロモーターおよび/または終結配列もまた、DNA送出プラットフォームに置換してもよく、および/またはDNA送出プラットフォーム上に含んでもよい。改変されたウイルスRNA分子配列の3'末端の近位に、適した制限酵素部位を導入することができ、トランスフェクションの前に、DNA分子を適当な制限酵素によって切断することができる。本明細書において用いられるように、「DNA送出プラットフォーム(DNA-launching platform)」という用語は、改変されたウイルスRNAセグメントをコードするセグメントを含むコード領域を有し、かつさらに、細胞の中に輸送され、その後転写されることができる、環状または直鎖状のDNA分子を意味すると解釈される。
【0026】
可能性がある調節配列は、ウイルス起源(CaMV 19Sおよび35S)のプロモーターまたは、対応する終結/ポリA+配列を有するいわゆる「ハウスキーピング」遺伝子(ユビキチン、アクチン、チューブリン)のような、発現に関して構成的であることが既に示されている任意のプロモーターを含むことができるが、これらに限定されることはない。同様に、対応する終結/ポリA+配列を有する、植物脂肪酸/脂質生合成遺伝子(ACP、アシルトランスフェラーゼ、デサチュラーゼ、脂質転移蛋白質遺伝子)のプロモーター、または貯蔵蛋白質遺伝子(例えば、ゼイン、ナピン、クルシフェリン、コングリシニン、ファセオリン、もしくはレクチン遺伝子)のプロモーターのような、種子および/または発生学的に特異的なプロモーターを標的化発現に用いることができる。さらに、遺伝子は、遺伝子発現が、光(rbcS-3A、cab-1)、熱(hsp遺伝子プロモーター)、または創傷(マンノピン、HGPG)によって誘導されるように、誘導型プロモーターおよびその終結配列の調節下に置くことができる。プロモーターは、本来の形で、または短縮型のいずれかで用いてもよく、自身または異種の終結/ポリA+配列と対にしてもよいことは当業者に明らかである。
【0027】
特に好ましい態様において、本発明は、以下の段階を含む、細胞の遺伝子型または表現型を改変する方法に対して方向付けされる:a)ウイルスRNAが、それによってコードされるRNA産物の複製を妨害することなく、そのような挿入に耐えることができる領域に配置された非ウイルスRNA構成要素をコードするDNAセグメントを含むように改変されている、ウイルスRNAのcDNA分子、またはRNAウイルスが多くの部分に分かれている場合にはRNA構成要素の少なくとも1つのcDNA分子を形成する段階;b)改変されたcDNAをDNA送出プラットフォームにクローニングする段階;およびc)適した宿主細胞に該DNA送出プラットフォームをトランスフェクトする段階。最も好ましい態様において、本方法は、植物をトランス作用ウイルス複製因子および/または他のトランス作用因子によって予め形質転換する段階をさらに含む。そのようなトランス作用因子は、ウイルス運動蛋白質、コート蛋白質、ウイルスプロテアーゼ、ならびに他の構造的および非構造的遺伝子を含んでもよい。トランス作用因子の安定な発現のほかに、トランス作用因子は異なる発現プラスミド上に導入してもよく、またはRNA転写物から発現してもよい。好ましい態様において、そのようなトランス作用因子は複製しない。適した宿主細胞には、プロトプラスト、細胞懸濁液、または組織中もしくは生物全体の細胞を含んでもよい。
【0028】
本明細書のより広い開示の例として解釈される特定の態様において、RNAウイルスセグメントは、スズメノチャヒキモザイクウイルス(BMV)に由来することができ、それによってDNA送出プラットフォームはウイルスのRNA3セグメントをコードするDNAを含む。スズメノチャヒキモザイクウイルス(BMV)は、動物および植物のプラス鎖RNAウイルスのαウイルス様スーパーファミリーのメンバーであり、3つのRNAに分かれたゲノムを有する。RNA1およびRN2はそれぞれ、1aおよび2a蛋白質をコードし、これはゲノムRNA複製およびサブゲノムmRNA合成にとって必要である(例えば、本明細書と矛盾しない程度に、参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第5,500,360号を参照のこと)。これらの蛋白質は、αウイルス様スーパーファミリーのメンバー全てにおいて保存されている3つのドメインを含む。1a(109 kDa)はc-近位ヘリカーゼ様ドメインおよびRNAキャッピングに関係するn-近位ドメインを含み、2a(94 kDa)は、中央ポリメラーゼ様ドメインを含む。例えば、フレンチ&アールクイスト(French and Ahlquist)(1988)を参照のこと。1aおよび2aは互いに相互作用すると共に細胞因子と相互作用して、感染した細胞の小胞体と会合した膜結合型ウイルスRNA複製複合体を形成する。2.1 kbのRNAであるBMV RNA3は、天然の植物宿主においてBMV感染の伝搬に関与しているがRNA複製に関しては重要でない、3a蛋白質(32 kDa)およびコート蛋白質(20 kDa)をコードする。米国特許第5,500,360号を参照のこと。RNA3ウイルスセグメントの3aまたはコート蛋白質遺伝子は、それによって複製エレメントを妨害しない外因性RNAに置換することができる。さらに、外因性RNAセグメントはさらなるサブゲノムプロモーターの下流に挿入することができる。なおさらに、細胞または組織は、必要なシス作用構成要素を有する外来遺伝子を含むDNA送出プラットフォームを、外来遺伝子が複製および/または発現されるようにトランスフェクトする、1a、2a、3a、およびコート蛋白質、またはその如何なる組合せも発現するように予め形質転換することができる。
【0029】
一つの態様において、1aおよび2a蛋白質を発現するようにトランスジェニック的に操作されるように、宿主細胞をBMV1またはBMV2によって予め形質転換する。好ましくは、BMV1およびBMV2の5'および3'末端は、それらが複製できないが、宿主細胞の小胞体に会合したウイルスRNA複製複合体を形成するために1aおよび2aを発現することができるように切除される。RNA3ウイルス複製セグメントと共に、関心対象の外因性RNAを含むDNA送出プラットフォームのその後のトランスフェクションによって、環境へのウイルスRNAの漏出という望ましくない危険な散布を防止しながら、該外因性RNAを発現させることができる。すなわち、植物は、感染性BMV粒子を形成するためには3つのセグメント全てを有していなければならないため、機械または昆虫によるRNAウイルスベクターの散布による外来遺伝子の環境への危険な逸出は回避される。当業者は、BMVの実施例において、DNA送出プラットフォームがまた、RNA1またはRNA2のいずれかに由来しうることを容易に認識すると思われる。例えば、1a蛋白質をコードする配列は、外因性RNAに置換することができる;複製は1aの発現を必要とする(例えば、異なる発現プラスミド)。好ましい態様において、DNA送出プラットフォームはまた、リボザイムがRNA3を3'末端で切断する、改変されたRNA3の3'末端に近位に存在するリボザイムを含む。本明細書に含まれる開示に関して当業者には容易に明らかとなるように、他の既知のウイルスに由来するウイルスセグメントおよび/またはサブウイルス物質を、本発明のDNA送出プラットフォームを処方するために用いることができる。当業者は、BMVが本発明を実践するために適した多くのウイルスの単なる代表的な一例に過ぎないことを認識すると思われる。本発明が基づく原理が、無数のウイルスに広く適応可能であることは広く容認されている。他のそのようなウイルスの例には、アルファルファモザイクウイルス(AMV)、ムギ斑葉モザイクウイルス、ササゲモザイクウイルス、キュウリモザイクウイルス、レオウイルス、ポリオウイルス、シンドビスウイルス、水疱性口内炎ウイルス、インフルエンザウイルス、レトロウイルス、およびササゲクロロティックモットルウイルス(CCMV)、ならびにRNA中間体を通じて複製し、そこからcDNAコピーを得ることができる、他の如何なるウイルスも含まれるがこれらに限定されることはない。特に、他のウイルスをさらに特徴付けするれば、当業者は本明細書の開示を他の適したウイルスにも応用可能であることを容易に認識すると思われる。
【0030】
当業者は、外来遺伝子を細胞に導入する既知の方法を、本開示の開示に従って用いることができることを容易に認識すると思われる。そのような方法には、機械的接種、パーティクル-ボンバードメント、アグロ感染、エレクトロポレーション、およびマイクロインジェクション、ならびにその他の既知の方法が含まれるが、これらに限定されることはない。
【0031】
本発明の様々な局面は、形質転換およびトランスフェクト剤として選択したウイルスおよび挿入すべきRNAセグメントの特異的特性に応じて、必要に応じて改変することができる。例えば、挿入された遺伝子は天然に存在する遺伝子である必要はなく、改変してもよく、1つ以上のコードセグメントの複合体であってもよく、または1つ以上の蛋白質をコードしてもよい。RNAはまた、改変されたRNA分子の全長または他の特性を制御するために、挿入および欠失を組みあわせることによって改変してもよい。挿入された非ウイルス遺伝子はその起源が原核生物または真核生物のいずれかであってもよい。導入された遺伝子はそれ自身の翻訳開始シグナル、例えば、リボソーム結合部位および開始(AUG)コドンを含んでもよく、またはこれは改変すべきウイルスRNAに既に存在する1つまたはそれ以上のこれらの構成要素を利用するように挿入してもよい。当技術分野で周知の原理に従って、挿入された配列の正確な翻訳を行うために、特定の構造的拘束が認められなければならない。例えば、外因性コードセグメントが内因性コードセグメントと組みあわせることを意図する場合、挿入すべきコード配列はそのリーディングフレーム相に、同じ翻訳方向に挿入しなければならない。
【0032】
その移入によってレシピエント細胞の明白な表現型改変が引き起こされない、特定の遺伝子が存在する可能性があることは、当業者によって理解されると思われる。そのようなことは、例えば非ウイルス遺伝子の翻訳産物が宿主細胞に対して毒性であって、それを非機能的にするように分解または処理される場合、または形質転換された細胞上の検出可能な表現型を与えるための十分量を宿主細胞が翻訳することができない構造的特徴を有する場合に起こる可能性がある。しかし、本発明は移入されるRNAセグメントまたは遺伝子の何らかの特異的特性に依存しない。したがって、レシピエント細胞または植物上に容易に観察される表現型形質を与えることができないRNAセグメントまたは遺伝子が存在する可能性は、本発明とは無関係であり、いずれにせよ、過度の実験を行うことなく当業者によって容易に認識されると思われる。
【0033】
外因性RNAセグメントは、挿入が宿主細胞内でのRNAの複製にとって必須の配列を妨害しない限り、ウイルスRNA、または多数に分かれたRNAウイルスのRNA構成要素に対応するcDNA配列の如何なる都合のよい挿入部位に挿入してもよい。例えば、そのコート蛋白質が複製にとって必須でないウイルスの場合、外因性RNAセグメントは、通常コート蛋白質をコードする領域内に挿入してもよく、または領域と置換してもよい。望ましい場合には、そのような変化が宿主細胞におけるRNAの複製能に有害な影響を及ぼさない限り、望ましくない宿主細胞応答に関与する領域を欠失、または不活化してもよい。多くの単一の構成要素および複数の要素で構成されるRNAウイルスの場合、通常のRNA複製速度の低下は認容可能であり、通常の感染において産生されたRNA量が形質転換細胞のリボソームを飽和するために十分以上であるために、場合によっては好ましい。
【0034】
培養された植物細胞は、DNA送出プラットフォームから発現されたRNA構成要素が複製可能であり、このように細胞分裂によって子孫細胞に分配されるようになるため、細胞が増殖および分裂するにつれて通常トランスフェクトされたままであると思われる。表現型が改変された細胞、組織、またはプロトプラストから再生した植物はなおも表現型が改変されている。同様に、実生としてトランスフェクトされた植物も、生育のあいだトランスフェクトされたままである。トランスフェクト構成要素を適用する最適なタイミングは、それが意図される結果によって、および植物生育の様々な段階のあいだにトランスフェクト構成要素に対する感受性の変化によって支配されると思われる。
【0035】
多くの植物RNAウイルスは、1つの世代から次の世代へと種子によって伝達される。この特性は植物の遺伝子型形質転換を行うために利用することができる。すなわち、種子媒介ウイルス感染が一つの世代から次の世代に伝達されるように、改変されたRNAは一つの世代から次の世代へと伝達可能であり続ける。
【0036】
以下は本発明を実践するための技法を説明する実施例である。これらの実施例は制限的に解釈してはならない。百分率は全て重量百分率であり、溶媒混合比は、特に明記していない限り全て容積である。
【0037】
実施例1−アグロバクテリウム( Agrobacterium )ベクターの構築
植物においてBMV 1aおよび2a蛋白質を発現するバイナリベクターを構築した。pB101.2構築物(クロンテック社、パロアルト、カリフォルニア州)から開始する。始めにEcoRIおよびSnaBIによって構築物を切断することによって、GUS遺伝子を切除した。オーバーハング制限酵素断片末端をクレノウ断片およびdNTPによる処置によって塞いだ。制限酵素断片末端を再度ライゲーションしてpB101.2LR1を作製した。
【0038】
2a発現カセットをpBI101.2LR1に挿入した。まず、pBI101.2LR1をHind IIIによって切断して脱燐酸化した。次に、pB2PA17(ディナント(Dinant)ら、1993)をHind IIIによって切断して、低融点アガロースゲルを用いて2aインサートを精製した。制限酵素断片末端をライゲーションして、pB2LR4およびpB2LR5(図3cおよび3d)を作製した。
【0039】
1a発現カセットを、まずpBI101.2LR1をSnaBIによって切断することによってpBI101.2LR1に挿入して、脱燐酸化した。pB1PA17(ディナント(Dinant)ら、1993)をPsIで切断して、余分のヌクレオチドをT4 DNAポリメラーゼによって除去した。1aインサートは低融点アガロースゲルを用いて精製した。制限酵素断片末端をライゲーションして、pB1LR2およびpB1LR3ベクターを作製した(図3aおよび3b)。
【0040】
1a発現カセットを、pB2LR4またはpB2LR5をSnaBIによって切断することによってpB2LR2およびpB2LT5に挿入して、脱燐酸化した。pB1PA17(ディナント(Dinant)ら、1993)をPstIによって切断して、余分のヌクレオチドをT4 DNAポリメラーゼによって除去した。1aインサートは低融点アガロースゲルを用いて精製し、切断されたpB2LR4またはpB2LR5ベクターとライゲーションして、pB12LR6、pB12LR7、pB12LR8、およびpB12LR9ベクターを作製した(図3e〜3h)。
【0041】
実施例2− BMV wtRNA3 に対する DNA 送出プラットフォームおよび外来性配列を含む RNA 誘導体に対する DNA 送出プラットフォームの構築
ベクターpRT101(テプファー(Topfer)ら、1987)をPpuMIで切断して、制限酵素断片末端をクレノウ断片およびdNTPによって塞ぎ、BamHIで切断して脱燐酸化した。ベクターpB3RQ39(イシカワ(Ishikawa)ら、1997)をSnaBIおよびBamHIによって切断した;B3断片を低融点アガロースゲルから単離した。切断されたpRT101にこの断片をライゲーションして、それによってpB3LR10(図4)を作製した。pB3LR10誘導体であるpB3LR15(図4)は、pB3TP8からの対応する断片に置換されているClaI-KpnI断片(ジャンダ(Janda)ら、1987)を有する。
【0042】
pRT101についてPCRを実施してEcoRVおよびEcoRI断片を増幅した。PpuMI部位の代わりにStuI部位を作製するために、PCRプロセスの際に1つのヌクレオチドの欠失を行った。得られたPCR産物をEcoRVおよびEcoRIによって切断して、EcoRVおよびEcoRIによって切断され、脱燐酸化されたpRT101に挿入して、pRT101LR11を作製した。pRT101LR11をStuIおよびBamHIによって切断して脱燐酸化した。PB3RQ39をSnaBIおよびBamHIによって切断して、B3断片を低融点アガロースゲルを用いて単離した。次に、断片をpRT101LR11にライゲーションして、pB3LR12を作製した(図4)。
【0043】
部分的に二本鎖のCaMV35Sプロモーターを有するBMVのwtRNA3によって、もう一つのDNA送出プラットフォームを構築した;それによってpB3LR14およびpB3LR16を作製した(図4)。
【0044】
BMV RNA3コート蛋白質がGUSに置換されているDNA送出プラットフォームも同様に構築した。pB3MI22(イシカワ(Ishikawa)ら、1997)をClaIおよびStuIによって切断して、B3GUSインサートを単離した。pB3LR10またはpB3LR14 DNA送出プラットフォーム構築物をClaIおよびStuIによって切断して、脱燐酸化した。次に、切断されたpB3LR10またはpB3LR14にB3GUS断片をライゲーションして、それによってpB3GUSLR17およびpB3GUSLR18 DNA送出プラットフォーム構築物を作製した(図5)。
【0045】
GUSがさらなるBMVサブゲノムプロモーターの下流にある、GUS遺伝子を挿入したBMV RNA3を有するDNA送出プラットフォームを構築した。pB3LR15構築物をAvaIによって切断して、制限酵素断片末端をクレノウ断片およびdNTPによって塞いだ。次に、構築物をClaIで切断して、脱燐酸化した。pB3MI22をClaIおよびStuIによって切断して、B3GUS断片を単離した。次に、単離されたB3GUS断片を、切断されたpB3LR15構築物にライゲーションして、pB3GUSCPLR19の新規の構築物を作製した(図5)。
【0046】
さらなるササゲクロロティックモットルウイルス(CCMV)サブゲノムプロモーターの下流に挿入したCP遺伝子を有する、BMV RNA3に基づくDNA送出プラットフォームを構築した。pB3GUSLR17構築物をStuIおよびKpnIによって切断して、脱燐酸化した。pBC3AJ14(パチャ&アールクイスト(Pacha and Ahlquist)、1991)をNdeIによって切断し、末端を当技術分野で既知の方法で平滑にして、KpnIによって切断した。次に、コート蛋白質断片を単離した。切断されたpB3GUSLR17にコート蛋白質断片をライゲーションして、pB3GUSCPLR22の新しい構築物を作製した(図5)。
【0047】
サブゲノムRNA4を有するDNA送出プラットフォームを構築した。pB4MK2(クロール(M. Kroll)、私信)をSnaBIおよびBamHIによって切断して、RNA4断片を単離した。pRT101LR11構築物をStuIおよびBamHIによって切断して、脱燐酸化した。断片および切断されたpRT101LR11構築物をライゲーションしてpB4LR20を作製した(図5a)。
【0048】
BMVコート蛋白質がGFPに置換されたDNA送出プラットフォームを構築した。pEGFP(クロンテック社、カリフォルニア州)をNotIによって切断して、クレノウ断片およびdNTPによって塞ぎ、低融点アガロースゲルを用いてGFPインサートを単離した。pB3LR15をSalIおよびStuIによって切断して、脱燐酸化した。次に、GFP断片を、切断されたpB3LR15にライゲーションして、それによってpB3GFPLR48を作製した(図6e)。
【0049】
CPがさらなるCCMVサブゲノムプロモーターの下流である、GFP遺伝子を挿入したBMV RNA3を有するDNA送出プラットフォームを構築した。pBC3AJ14(パチャ&アールクイスト(Pacha and Ahlquist)、1991)をNdeIおよびEcoRIによって切断して、末端を当技術分野で既知の方法によって平滑にした。次に、コート蛋白質断片を単離して、脱燐酸化し、平滑にし、NoIおよびStuIで切断されたpEGFPにライゲーションして、pEGFPCPLR49を作製した。pEGFPCPLR49をKpnIによって切断して、低融点アガロースゲルを用いてEGFPCP断片を単離した。PB3GFPLR48をKpnIによって切断して脱燐酸化した。次に、EGFPCP断片を、切断されたpB3GFPLR48にライゲーションして、それによってpB3GFPCPLR50を作製した(図6a)。
【0050】
GFP遺伝子がBMV 3aとの翻訳融合体として発現されるRNA転写ベクターを構築した。pB3TP10(パチャ&アールクイスト(Pacha and Ahlquist)、1991)をBamHIによって切断して、脱燐酸化した。PCRおよび以下のプライマーを用いてpEGFP(クロンテック社、カリフォルニア州)からGFP断片を増幅した。
Figure 0003959965
増幅産物をBamHIによって切断して、低融点アガロースゲルを用いて精製した。切断されたpB3TP10にGFP断片をライゲーションして、pB3GFPLR47を作製した(図6d)。pB3GFPLR47をEcoRIによって切断して、T7 RNAポリメラーゼを用いて転写した。
【0051】
BMV RNA3 DNA送出プラットフォームを含むアグロバクテリウムベクターを構築した。pBI101.2LR1をSmaIによって切断して脱燐酸化した。pB3LR15をPvuIIによって切断して、低融点アガロースゲルを用いてB3断片を精製した。次に、B3断片をpBI101.2LR1にライゲーションして、それによってpB3LR42を作製した(図9)。
【0052】
BMV RNA3コート蛋白質をSHMV(サンヘンプ(Sunn hemp)モザイクウイルス)コート蛋白質に置換し、およびGUS遺伝子をさらなるBMVサブゲノムプロモーターの下流に挿入したDNA送出プラットフォームを構築した。pB3RS4(サシャー(Sacher)ら、1988)をAvaIによって切断して、クレノウ断片およびdNTPによって平滑末端にして、KpnIによって切断した。低融点アガロースゲルを用いて、SHMVコート蛋白質断片を単離した。pB3GUSLR17をStuIおよびKpnIによって切断して、脱燐酸化した。切断されたpB3GUSLR17にSHMVコート蛋白質断片をライゲーションして、それによってpBGUSCPLR24を作製した(図7)。
【0053】
1つまたはそれ以上の外来遺伝子および必要なシス作用複製シグナルを含むDNA送出プラットフォームのその他の順列は、本明細書の開示を見ることによって容易に認識されると思われる。例えば、実施例5〜10を参照のこと。
【0054】
実施例3− DNA 送出プラットフォームによるタバコ( N. tabacum )プロトプラストのトランスフェクション
培地:
NT1培地(1リットル)は、ギブコ-BRL(MS塩、カタログ番号11118-031)、6%KH2PO4 3 mlおよび2,4D 0.2 μg/ml(最終濃度)によって作製した。pHはKOHを用いて5.5〜5.7に調整して、得られた混合液をオートクレーブした。
【0055】
NT1播種用培地(1リットル)をNT1培地およびマンニトール72.86 gから作製して、pHを5.5〜5.7に調整して、得られた混合液をオートクレーブした。
【0056】
洗浄液(1リットル)は、マンニトール72.86 gによって作製して、pHを5.5に調整し、得られた混合液をオートクレーブした。
【0057】
エレクトロポレーション緩衝液は、0.8%NaCl、0.02%KCl、0.02%KH2PO4、0.11%Na2HPO4および0.4 Mマンニトールから作製した。pHを6.5に調整して、得られた混合液をオートクレーブした。
【0058】
酵素溶液は0.4 Mマンニトールおよび20 mM MESから作製した。pHを5.5に調整して、得られた混合液をオートクレーブした。
【0059】
増殖条件:細胞(タバコ(Nicotiana tabacum))をNT1培地中で室温で、一定の振とう条件下(約200 rpm)で増殖させた。
【0060】
消化のための用培養物の調製:1週間目の懸濁培養物約2〜3 mlを、新鮮なNT1培地50 mlに継代して3日間培養した後、酵素消化した。培養物を一定の振とう条件下で28℃に維持した。
【0061】
酵素消化:以下を含む酵素消化液を調製した:1%セルリジン(カルビオケム社(Calbiochem))および0.3%マセラーゼ(カルビオケム)の酵素溶液。pHを5.5に調整して濾過滅菌した。
【0062】
細胞を800 rpmで5分遠心した。上清を捨てた。洗浄溶液約40 mlを加えて、細胞を再懸濁させて、800 rpmで5分間遠心した。次に、3倍容量の細胞を酵素消化液に再懸濁させて、室温で60分インキュベートした。
【0063】
洗浄:細胞を50 mlプラスチック管に移し、800 rpmで5分間遠心した。上清を捨てた。細胞を洗浄液40 mlに再懸濁し、800 rpmで5分間遠心した。上清を捨てた。細胞をエレクトロポレーション用緩衝液40 mlに再懸濁し、800 rpmで5分間遠心した。上清を捨てた。細胞を4倍容量のエレクトロポレーション用緩衝液に再懸濁させた。
【0064】
エレクトロポレーション:RNAまたはDNA接種物を含む細胞1 mlをエレクトロポレーションキュベットに移して、氷中で10分間放置した。次に細胞を混合して、500μF、250 Vでエレクトロポレーションした。キュベットを氷中に10分間入れた。細胞をNT1播種培地10 mlに移した。
【0065】
試料のインキュベーションおよび収集:細胞を暗所、室温でインキュベートした。試料を接種から24〜48時間後に回収した。
【0066】
RNA解析:RNA抽出、変性1%アガロースゲル電気泳動、およびノザンブロットハイブリダイゼーションは、ラソコバ&ミラー(Rasochova and Miller)(1996)において実施されたように、既知の方法によって実施した。各レーンに分光光度法によって測定した等量(約5μg)の総RNAをローディングして、リボソームRNAをエチジウムブロマイド染色によって確認してからノザンブロットハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション実験1回あたり、1×106 cpm/mlの放射活性プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝溶液を用いた。RNA3の複製はsgRNA4の検出によって確認し、このように、発現プラスミドから発現されたBMV RNA複製因子1aおよび2aが、インビトロ転写物として供給される(図11)と共にDNA送出プラットフォームから送出された(図12)RNA3の効率的な複製を支持することを示している。
【0067】
実施例4−トランスジェニックタバコ( N. tabacum )植物の作製
所望の分子を大腸菌において構築した後、分子を、凍結融解法を用いてアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に移入した。ベクターpB1LR2、pB2LR4、pB12LR6、およびpB12LR7は全て個別に用いた。適当なヘルパーTiプラスミドを含むアグロバクテリウムLBA 4404株をYEP培地5 ml中で28℃で一晩増殖させた。一晩の培養液2 mlを250 mlフラスコ中のYEP培地50 mlに加えて、28℃で培養物がOD500が0.5から1.0に増殖するまで強く振とうした(250 rpm)。培養物を氷中で冷却した。細胞懸濁液を4℃、3000 gで5分間遠心した。上清を捨てた。細胞を氷冷20 mM CaCl2溶液1 mlに再懸濁させた。0.1 mlアリコートを予め冷却したエッペンドルフチューブに移した。プラスミドDNA約1μgを細胞に加えた。細胞を液体窒素中で凍結させた。試験管を37℃の水浴中で5分間インキュベートすることによって、細胞を融解した。YEP培地1 mlをチューブに加えて、穏やかに振とうさせながら28℃で2〜4時間インキュベートして、細菌に抗生物質抵抗性遺伝子を発現させた。試験管を30秒間遠心して、上清を捨てた。細胞をYEP培地0.1 mlに再懸濁させ、選択抗生物質を含むYEP寒天プレートに播種して、28℃でインキュベートした。形質転換したコロニーは2〜3日で出現した。
【0068】
約3週齢のタバコ(Nicotiana tabacum)、ウィスコンシン番号38のインビトロクローンコピーを、外植体源として用いた。葉の外植体をインビトロ培養において第二および第三の十分に成長させた葉から調製した。葉片を1cm×1cm平方に切断して、TB1(2.0 mg/L 6-ベンジル-アミノプリン、および0.1 mg/L 1-ナフタレン酢酸を添加)培地上に、25℃で16時間照明条件下で24時間放置した。
【0069】
予め選択したバイナリベクターを含むアグロバクテリウム・ツメファシエンスLBA 4404株を植物の形質転換に用いた。外植体を一晩増殖させたアグロバクテリウム培養液〜10 ml中に30分入れた。葉の外植体の水分を濾紙で吸い取って、TB2(1.0 mg/L 6-ベンジル-アミノプリン、および0.1 mg/L 1-ナフタレン酢酸を添加)培地に、背軸面を下にして4日間放置した。次に、外植体を滅菌水で3回すすいで、濾紙上で水分を吸い取り、100 mg/Lカナマイシンおよび400 mg/Lカルベニシリンを含むTB2培地上で、背軸面を下にして、25℃、16時間照明条件下で再生させた。外植体を、植物体に成長するまで10〜14日毎に100 mg/Lカナマイシンおよび400 mg/Lカルベニシリンを含む新鮮なTB2培地に移した。植物体は典型的に10〜14日で生育した。植物体をカルスから切断して、100 mg/Lカナマイシンおよび400 mg/Lカルベニシリンを含むMST培地上に加え、発根を誘導した。発根した植物体を土壌に移した。
【0070】
TB1(1リットル)にはMS塩4.30 g、ミオイノシトール100 mg、ニッチュ&ニッチュ(Nitsch and Nitsch)ビタミン1.0 ml、蔗糖30 g、BAP2 mg、NAA 0.10 mg、およびノーブルアガー8 gが含まれた。培地はpH 5.7に調整してオートクレーブした。
【0071】
TB2(1リットル)には、MS塩4.30 g、ミオイノシトール100 mg、ニッチュ&ニッチュビタミン1.0 ml、蔗糖30 g、BAP 1.0 mg、NAA 0.10 mg、およびノーブルアガー8 gが含まれた。培地はpH 5.7に調整してオートクレーブした。
【0072】
MST(1リットル)には、MS塩4.30 g、ニッチュ&ニッチュビタミン1.0 ml、蔗糖30 g、ミオイノシトール100 mgおよびディフコアガー8.5 gが含まれた。培地はpH 5.7に調整して、オートクレーブした。
【0073】
YEP(100 ml)には、バクトペプトン1.0 g、バクト酵母抽出物1.0 g、およびNaCl 0.5 gが含まれた。培地はオートクレーブした。
【0074】
RNA解析:総RNA抽出、変性1%アガロースゲル電気泳動およびノザンブロットハイブリダイゼーションは、ラソコバ&ミラー(Rasochova and Miller)(1996)において実施されたように、既知の方法によって実施した。各レーンに分光光度法によって測定した等量(約5μg)の総RNAをローディングして、リボソームRNAをエチジウムブロマイド染色によって確認してから、ノザンブロットハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション実験1回あたり、1×106 cpm/ml放射活性プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝溶液を用いた。図13aは、トランスジェニックタバコ(N. tabacum)においてBMV 1aおよび2a mRNAの成功した発現を示す。
【0075】
実施例5− DNA 送出プラットフォームによるトランスジェニックタバコ( N. tabacum )植物のトランスフェクション
パーティクル-ボンバードメントのためのマイクロキャリア(microcarrier)へのDNAの沈着:(キッカート(Kikkert)、1993)。
【0076】
マイクロキャリアの滅菌:金粒子80 mgを70%エタノール1 mlに再懸濁させて、15分浸し、13,000×gで5分間遠心した。上清を注意深く除去して捨てた。粒子を滅菌蒸留脱イオン水1 mlに再懸濁し、13,000×gで5分遠心した。上清を注意深く除去して捨てた。さらに、粒子の水による洗浄を2回繰り返した。最後のすすぎ後、粒子を滅菌50%グリセロール1 mlに再懸濁させた。
【0077】
マイクロキャリアのDNAによるコーティング:以下を連続的かつ迅速に加えた:DNA(1μg/μl)5μl、2.5 M CaCl2 50 μl、および0.1 Mスペルミジン20 μl。
【0078】
混合物をボルテックスシェーカー上で室温で10分間インキュベートした。粒子を13,000×gで5秒間遠心して沈降させた。上清を注意深く除去して捨てた。粒子を70%エタノール140 μlに再懸濁させて、13,000×gで5秒間遠心した。上清を除去して捨てた。粒子を100%エタノール140 μlに再懸濁させて、13,000
×gで5秒間遠心した。上清を除去して捨てた。粒子を100%エタノール50 μlに再懸濁させた。
【0079】
インビトロで、30 g/L蔗糖を含むMS寒天固形培地上で増殖させたタバコ植物の若葉に、PDS1000Heバイオリスティックガン(デュポン社)および1100 psiラプチャーディスク(バイオラッド社(Bio-Rad))を用いて、再懸濁させたDNAコーティング粒子の5μlアリコートをボンバードした。
【0080】
RNA解析:総RNA抽出、変性1%アガロースゲル電気泳動およびノザンブロットハイブリダイゼーションは、ラソコバ&ミラー(Rasochova and Miller)(1996)において実施されたように、既知の方法によって実施した。各レーンに分光光度法によって測定した等量(約5μg)の総RNAをローディングして、リボソームRNAをエチジウムブロマイド染色によって確認してから、ノザンブロットハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション実験1回あたり、1×106 cpm/ml放射活性プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝溶液を用いた。図14aは、送出されたBMV RNA3がBMV複製因子1aおよび2aを発現するトランスジェニック植物において効率よく複製すること、送出されたRNA3がBMV 1aおよび/または2aの非存在下では複製できないことを示している。
【0081】
実施例6−トランスジェニックニコチアナ・ベンタミアナ( Nicotiana benthamiana )植物の作製
所望の分子を大腸菌に構築した後、分子をアグロバクテリウム・ツメファシエンスに導入した。ベクターpB1LR2、pB2LR4、pB12LR6、およびpB12LR7を全て個別に用いた。適当なヘルパーTiプラスミドを含むアグロバクテリウムLBA 4404株をYEP培地5 ml中で28℃で増殖させた。一晩の培養液2 mlを250 mlフラスコ中のYEP培地50 mlに加えて、28℃で培養がOD500が0.5から1.0に増殖するまで強く振とうした(250 rpm)。培養物を氷中で冷却した。細胞懸濁液を4℃、3000 gで5分間遠心した。上清を捨てた。細胞を氷冷20 mM CaCl2溶液1 mlに再懸濁させた。0.1 mlアリコートを予め冷却したエッペンドルフチューブに移した。プラスミドDNA約1μgを細胞に加えた。細胞を液体窒素中で凍結させた。試験管を37℃の水浴中で5分間インキュベートすることによって、細胞を融解した。YEP培地1 mlをチューブに加えて、穏やかに振とうさせながら28℃で2〜4時間インキュベートして、細菌に抗生物質抵抗性遺伝子を発現させた。チューブを30秒間遠心して、上清を捨てた。細胞をYEP培地0.1 mlに再懸濁させた。選択抗生物質を含むYEP寒天プレートに細胞を播種して、28℃でインキュベートした。形質転換したコロニーは2〜3日で出現した。
【0082】
約5〜7週齢のN. ベンタミアナ(N. benthamiana)のインビトロクローンコピーを、外植体源として用いた。葉の外植体をインビトロ培養において第二および第三の十分に成長させた葉から調製した。葉片を1cm×1cm平方に切断して、100×15 mmのプレートでMS104培地上に23℃で、16時間照明条件下で24時間放置した。
【0083】
予め選択したバイナリベクターを含むアグロバクテリウム・ツメファシエンスLBA 4404株を植物の形質転換に用いた。一晩増殖させたアグロバクテリウム培養液〜10 ml中に外植体を30分入れた。葉の外植体の水分を濾紙で吸い取って、MS104培地に、背軸面を下にして4日間放置した。次に、外植体を滅菌水で3回すすいで、濾紙上で水分を吸い取り、300 mg/Lカナマイシンおよび400 mg/Lカルベニシリンを含むMS104培地上で再生させた。外植体を、植物体に成長するまで10〜14日毎に300 mg/Lカナマイシンおよび400 mg/Lカルベニシリンを含む新鮮なMS104培地に移した。植物体は典型的に31〜50日で生育した。植物体をカルスから切断して、300 mg/Lカナマイシンおよび400 mg/Lカルベニシリンを含むMST培地上に置き、発根を誘導した。発根した植物体を土壌に移した。
【0084】
MS1041リットル中には、MS塩混合物4.3 g、B5ビタミン溶液1.0 ml、蔗糖30 g、BA 1.0 mg、NAA 0.1 mg、およびフィタガー8.0 gが含まれた。培地をpH 5.8に調整してオートクレーブした。
【0085】
YEP培地100 mlにはバクトペプトン1.0 g、およびバクト酵母抽出物1.0 g、NaCl 0.5 gが含まれた。培地をオートクレーブした。
【0086】
MST1リットル中には、MS塩混合物4.3 g、ニッチュ&ニッチュビタミン1.0 ml、蔗糖30 g、ミオイノシトール100 mg、およびフィタガー8.5 gが含まれた。培地はpH 5.7に調整して、オートクレーブした。
【0087】
RNA解析:総RNA抽出、変性1%アガロースゲル電気泳動およびノザンブロットハイブリダイゼーションは、ラソコバ&ミラー(Rasochova and Miller)(1996)において実施されたように、既知の方法によって実施した。各レーンに分光光度法によって測定した等量(約5μg)の総RNAをローディングして、リボソームRNAをエチジウムブロマイド染色によって確認してから、ノザンブロットハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション実験1回あたり、1×106 cpm/ml放射活性プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝溶液を用いた。図13bは、トランスジェニックN. ベンタミアナ(N. benthamiana)におけるBMV 1aおよび2a mRNAの成功した発現を示す。
【0088】
実施例7−トランスジェニック N. ベンタミアナ( N. benthamiana )植物のトランスフェクション
パーティクル-ボンバードメントのためのマイクロキャリアへのDNAの沈着:(キッカート(Kikkert)、(1993)「バイオリスティックPDS 1000/He 装置(The biolistic PDS 1000/He device)」、Plant Cell Tiss. And Org. Cult. 33:221〜226)。
【0089】
マイクロキャリアの滅菌:金粒子80 mgを70%エタノール1 mlに再懸濁させて、15分浸し、13,000×gで5分間遠心した。上清を注意深く除去して捨てた。粒子を滅菌蒸留脱イオン水1 mlに最懸濁させて、13,000×gで5分遠心した。上清を注意深く除去して捨てた。さらに、粒子の水による洗浄を2回繰り返した。最後のすすぎ後、粒子を滅菌50%グリセロール1 mlに再懸濁させた。
【0090】
マイクロキャリアのDNAによるコーティング:以下を連続的かつ迅速に加えた:DNA(1μg/μl)5μl、2.5 M CaCl2 50 μl、および0.1 Mスペルミジン20 μl。
【0091】
混合物をボルテックスシェーカー上で室温で10分間インキュベートした。粒子を13,000×gで5秒間遠心して沈降させた。上清を注意深く除去して捨てた。粒子を70%エタノール140 μlに再懸濁させて、13,000×gで5秒間遠心した。上清を除去して捨てた。粒子を100%エタノール140 μlに再懸濁させて、13,000×gで5秒間遠心した。上清を除去して捨てた。粒子を100%エタノール50 μlに再懸濁させた。
【0092】
インビトロで、30 g/L蔗糖を含むMS寒天固形培地上で増殖させたN. ベンタミアナ(N. bentamiana)植物の若葉にを、PDS1000Heバイオリスティックガン(デュポン社)および1100 psiラプチャーディスク(バイオラッド社)を用いて、再懸濁させたDNAコーティング粒子の5μlアリコートをボンバードした。
【0093】
RNA解析:総RNA抽出、変性1%アガロースゲル電気泳動およびノザンブロットハイブリダイゼーションは、ラソコバ&ミラー(Rasochova and Miller)(1996)において実施されたように、既知の方法によって実施した。各レーンに分光光度法によって測定した等量(約5μg)の総RNAをローディングして、リボソームRNAをエチジウムブロマイド染色によって確認してから、ノザンブロットハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション実験1回あたり、1×106 cpm/ml放射活性プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝溶液を用いた。送出されたBMV RNA3は、BMV複製因子1aおよび2aを発現するトランスジェニックN. ベンタミアナ(N. bentamiana)植物において効率よく複製すること(図14b)、そしてBMV 1aおよび/または2aの非存在下では複製できないことを示した。
【0094】
実施例8− DNA 送出プラットフォームを含む GUS によるトランスジェニック植物のトランスフェクション
トランスジェニックタバコ(N. tabacum)およびN. ベンタミアナ(N. bentamiana)植物を上記の方法に従って作製した。植物に、実施例5および7に記載のようなパーティクル-ボンバードメントによって、GUS遺伝子(図5a)を含むDNA送出プラットフォームをトランスフェクトした。植物を3〜5日間インキュベートして、1 mg/ml X-Gluc(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルグルクロニド)を基質として0.1 M燐酸カリウム緩衝液、pH 7.0、50 μMフェロシアン化カリウム、および2%Triton(登録商標)X-100中で用いてβ-グルクロニダーゼ(GUS)活性に関してアッセイした。37℃で一晩インキュベートした後、送出されたRNA3誘導体を複製し、サブゲノムRNA4からのGUSリポーター遺伝子を発現する細胞は青色のスポットを生じた(図15)。送出されたRNA3誘導体は、BMV RNA複製因子1aおよび2aの非存在下では複製せず、GUSリポーター遺伝子を発現しなかった(例えば、野生型N. ベンタミアナ(N. bentamiana)および野生型タバコ(N. tabacum))。
【0095】
実施例9− BMV 1a 2a 3a 、および CP を発現するトランスジェニック植物のトランスフェクション
植物をBMV 1a、2a、3aおよびCP遺伝子によって形質転換し、それによってそれらの遺伝子を上記植物において安定に発現させた。これは先に概要を述べた方法によって行うことができる。必要な何らかの改変は、本明細書に含まれる開示に照らして、当業者に容易に明らかとなると思われる。外来遺伝子およびRNAレプリコンを複製するために必要なBMVまたはCCMVシス作用複製シグナルを含む該RNAレプリコンをコードするDNA送出プラットフォームを構築する(図10b)。該レプリコンに含まれる外来遺伝子は例えば、B. t.蛋白質をコードするバチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)ポリヌクレオチドを含みうる。他の配列、例えば除草剤抵抗性をコードする配列、または植物において所望の特性を有するペプチドまたは蛋白質をコードする如何なる既知の配列も含まれる。
【0096】
または、植物はBMVコート蛋白質の代わりに、BMV 1a、2a、3aおよびTMVコート蛋白質を発現するように形質転換することができる。次に、一つまたはそれ以上の外来遺伝子、BMVまたはCCMVいずれかの必要なシス作用複製シグナル、およびTMV集合起点(origin of assembly)を含むDNA送出プラットフォームを作製する(図8a、8b、および10a)。TMVはカプシドに包むことができるRNAの大きさに厳密な制限を与えない竿状ウイルスであることから、この送出プラットフォームは明確な長所を有する。またはTMV運動蛋白質をBMV3aの代わりに用いることができる(図7c)。トバモ(tobamo)およびブロモウイルスとのハイブリッドは生存することが示された(サシャー(Sacher)ら、1988;デジョン&アールクイスト(De Jong and Ahlquist)、1992)。
【0097】
予め形質転換された遺伝子およびDNA送出プラットフォームに含まれる遺伝子について他の順列および組合せは、本明細書における開示に照らして、当業者によって容易に認識されると思われる(例えば、図8c、10b、および10cを参照のこと)。
【0098】
上記のように、CCMVサブゲノムプロモーターは所望のDNA送出プラットフォームにおいてBMV配列に置換することができる。CCMVサブゲノムプロモーターの配列は、BMVサブゲノムプロモーターの配列とは異なるため、外来遺伝子が失われる組換えの可能性は、これら2つの異なるプロモーターの組合せを有する構築物でははるかに低い。
【0099】
上記実施例において、トランス作用構成要素は、複製因子、細胞間運動に関与する構成要素、または長距離の伝搬に必要な可能性があるコート蛋白質のような構成要素、翻訳後プロセシングに関与するウイルスプロテアーゼ、または他の既知のトランス作用機能を含んでもよいが、これらに限定されることはない。
【0100】
実施例10− GUS 含有 DNA 送出プラットフォームによるタバコ( N. tabacum )プロトプラストのトランスフェクション
上記の方法を用いて単離されたタバコ(N. tabacum)プロトプラストに、1aおよび2a発現プラスミドの存在下および非存在下においてBMV RNA3誘導体のDNA送出プラットフォームをエレクトロポレーションによって接種した。BMV RNA3誘導体は、コート蛋白質ORFの代わりにGUS遺伝子を含み(図5a)(これらはコート蛋白質発現プラスミドと共に、もしくは伴わずに接種した(図5b))、またはBMVもしくはCCMVサブゲノムプロモーターに由来するさらなるサブゲノムRNAから翻訳されたBMVCP遺伝子を有し(図5cおよび5d)、またはさらなるBMVサブゲノムRNAから翻訳されたSHMVコート蛋白質を有した(図7b)。プロトプラストは接種の24時間後に遠心(800 rpm、5分)によって回収した。化学発光GUSアッセイは、製造元の指示に従って、GUS-ライト(登録商標)(トロピクス社(Tropix)、マサチューセッツ州)を用いて実施した。蛋白質濃度はバイオラッド蛋白質キット(バイオラッドラボラトリーズ、ハーキュルズ、カリフォルニア州)を用いて測定した。ルミノメーターによって測定したGUS値を、同じ総蛋白質濃度に調整した。図16aおよび16bは、トランス作用BMV複製因子1aおよび2aの存在下におけるプロトプラストにおける成功したGUS発現を示す。
【0101】
実施例11− DNA 送出プラットフォームを含む GFP によるタバコ( N. tabacum )プロトプラストのトランスフェクション
上記方法を用いて単離したタバコ(N. tabacum)プロトプラストに、トランス作用BMV複製因子1aおよび2aに関する発現プラスミド、およびBMVコート蛋白質ORF(図6e)の代わりにGFP遺伝子を有するRNA3誘導体に対するDNA送出プラットフォーム、さらなるサブゲノムRNAから翻訳されたCP遺伝子(図6a)、またはBMV 3a ORF(図6d)との融合蛋白質として発現されたGFPを有するRNA転写物を、エレクトロポレーションによってトランスフェクトした。プロトプラストを24時間インキュベートして、蛍光顕微鏡を用いてGFP発現の有無を調べた。図18はプロトプラストにおける成功したGFPの発現を示す。
【0102】
実施例12− GFP を含む BMV RNA3 に基づく DNA 送出プラットフォームによる( 1a 2a )トランスジェニック植物のトランスフェクション
N. ベンタミアナ(N. bethamiana)植物に、上記のようなパーティクル-ボンバードメントを用いて、BMVコート蛋白質の代わりにGFP遺伝子を有するBMV RNA3に関するDNA送出プラットフォームをトランスフェクトさせた(図6e)。GFP発現は蛍光顕微鏡を用いて接種の24時間後に測定した。図17は(1a+2a)トランスジェニックN. ベンタミアナ(N. bethamiana)における成功したGFPの発現を示す。
【0103】
実施例13−アグロバクテリウムを用いた BMV RNA3 DNA 送出プラットフォームによる( 1a 2a )トランスジェニック N. ベンタミアナ( N. bethamiana )植物のトランスフェクション
N. ベンタミアナ(N. bethamiana)植物に、アグロバクテリウム・ツメファシエンスを用いてBMV RNA3 DNA送出プラットフォームを接種した。所望の構築物(pB3LR42)が大腸菌において得られた後、これを上記のように凍結融解法を用いてA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)株に導入した。アグロバクテリウムは一定の振とう条件下で28℃で一晩増殖させた。N. ベンタミアナ(N. bethamiana)の下部の葉1枚に針で数回穴を開けて、アグロバクテリウム培養液に浸した。植物は16時間照明条件下で23℃で増殖させた。接種した葉は接種の14日後に回収した。総RNA抽出およびノザンブロットハイブリダイゼーションは上記のように実施した。図19は、接種した(1a+2a)トランスジェニックN. ベンタミアナ(N. bethamiana)において送出されたBMV RNA3の複製を示す。
【0104】
実施例 14 GUS および SHMV コート蛋白質を含む BMV RNA3 に基づく DNA 送出プラットフォームによる( 1a 2a )トランスジェニック植物のトランスフェクション
N. ベンタミアナ(N. bethamiana)植物に、上記のようなパーティクル-ボンバードメントを用いて、BMVコート蛋白質がSHMVコート蛋白質(サンヘンプモザイクウイルス)に置換され、GUS遺伝子がさらなるBMVサブゲノムプロモーターの下流に挿入されている、BMV RNA3のDNA送出プラットフォームをトランスフェクトした(図7b)。GUS発現は、上記のような組織化学GUSアッセイ法によって決定した。図20は、(1a+2a)トランスジェニック植物における成功したGUS発現を示す。
【0105】
実施例 15 −送出された BMV RNA3 の運動
自家受粉した(1a+2a)トランスジェニックN. ベンタミアナ(N. benthamiana)BP14のF1子孫植物に、アグロバクテリウム・ツメファシエンスを用いてBMV RNA3 DNA送出プラットフォームを接種した。実生を、カナマイシンを含むSmurf培地上で発芽させた。植物は16時間照明条件下で23℃で増殖させた。所望の構築物(pB3LR42)を大腸菌において得た後、これを上記のように凍結融解法を用いてA.ツメファシエンスLBA 4404株に導入した。アグロバクテリウムは一定の振とう条件下で28℃で一晩増殖させた。N. ベンタミアナ(N. bethamiana)の下部の葉1枚に針で数回穴を開けて、アグロバクテリウム培養液に浸した。接種した中間および上部の葉を接種の14日後に回収した。総RNA抽出およびノザンブロットハイブリダイゼーションは上記のように実施した。RNA3複製は調べた全ての葉において検出された(図21)。これは、(1a+2a)トランスジェニック植物においてBMV RNA3が複製可能であり、細胞間運動が可能であり、および長距離を伝搬可能であることを示している。
【0106】
実施例 16 −( 1a 2a )トランスジェニック N. ベンタミアナ( N. bethamiana )からの子孫の BMV RNA3 DNA 送出プラットフォームによるトランスフェクション
実施例13に記述のように、アグロバクテリウムを用いて、自家受粉した(1a+2a)トランスジェニックN. ベンタミアナ(BP14と命名する)に、BMV RNA3 DNA送出プラットフォームを接種した。対照植物(非トランスジェニックN. ベンタミアナ)には50 mM NaPO4、pH 7.0および1%セライトからなる接種用緩衝液を用いてBMV感染オオムギの汁を接種した。根の試料を接種の6週間後に回収した。RNA抽出およびノザンブロット解析は上記のように実施した。図22は根においてBMV RNA3が非常に高いレベルまで複製したことを示している。いくつかの(1a+2a)トランスジェニック植物(図22、レーン2、5、6、7、8、10)では、送出されたRNA3の複製は、非トランスジェニックN. ベンタミアナ植物において野生型のBMVの複製を大きく上回った(図22、レーン1)。このことは、この系がRNA、蛋白質、ペプチドまたは他の化合物を根に輸送するために用いることができること、および様々な活性、例えば根の寄生虫に対して向けられた活性に対してそのような化合物を試験することができることを示している。例えば、抗線虫活性を有する蛋白質を、上記の戦略を用いてRNA3 DNA送出プラットフォームに挿入して、RNA3が複製すると根に発現させることができる。そのような蛋白質は細胞質において発現するように、または周辺の土壌に分泌されるように操作することができる。
【0107】
実施例 17 −オオムギ斑葉モザイクウイルス
オオムギ斑葉モザイクウイルス(BSMV)は、3つに分かれたゲノムを有する(RNAα、β、およびγ)。これらのゲノムRNAは5'末端にm7Gpppキャップおよび3'末端にt-RNA様構造を有する(ジャクソン&ハンター(Jackson and Hunter)、1989)。
【0108】
BSMV RNA cDNAを含むBSMV RNAα、RNAβ、およびRNAγに対するDNA送出プラスミドは、5'末端でDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよび3'末端で自己切断性リボザイムに、正確に融合することによって構築される。ポリアデニル化シグナルもまた含んでもよい。または、都合のよい制限酵素部位をウイルスcDNAの3'末端に操作してもよい。外来遺伝子または配列は幾つかの方法で発現してもよい。例えば、BSMV RNAβに基づくDNA送出プラスミドは外来遺伝子、またはORFβaの代わりに発現される配列を含んでもよい。
【0109】
1つまたはそれ以上のトランス作用因子がDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよびターミネーターと融合したトランスジェニック植物を得る。そのようなトランス作用因子は、ウイルスRNAレプリカーゼの一部(ORFαaおよび/またはγa)、または他のトランス作用因子を含んでもよい。トランス作用因子は植物細胞において安定に発現され、または誘導型プロモーターを用いる場合には、その発現を誘導してもよい。BSMV RNA複製に必要なシス作用配列はトランスジーンから切除する。または完全長のRNAαを染色体から発現させる。または種子伝搬株からの、ND18のような5'非翻訳領域およびORFγbを含むORFγもまた発現される(エドワーズ(Edwards)、1995)。
【0110】
BSMV RNAβの5'末端に正確に融合したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター、BSMV RNAβのライフサイクルにとって重要な、5'末端および3'末端のようなシス作用エレメント、βaとβb ORFのあいだのシストロン間領域(ジョウ&ジャクソン(Zhou and Jackson)、1996)、およびBSMV複製および運動にとって重要でないORFβa(コート蛋白質)の代わりに外来遺伝子または配列、を含むDNA送出プラスミドを構築する。そのようなDNA送出プラスミドは、この領域が複製によって重要でないため内部ポリ(A)領域を欠損してもよく、改変されたウイルスRNAの3'末端でリボザイムまたは都合のよい制限酵素部位を含んでもよい。または、DNA送出プラスミドはORFγaおよび/またはγbが、3つの遺伝子ブロック遺伝子(ORFβb、βc、およびβd)、または異種運動蛋白質(TMV 30K、RCNMV35K)を含んでもよい、外来遺伝子または配列に置換されているRNAγから構築する。
【0111】
実施例 18 −タバコモザイクウイルス
タバコモザイクウイルス(TMV)は、一本鎖プラス鎖センスRNAゲノムを有する。5'末端はm7Gpppキャップを有し、3'末端はt-RNA様構造を含む。
【0112】
5'末端でDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターと正確に融合し、3'末端で自己切断リボザイムと融合したTMV cDNAを含むTMV RNAに基づくDNA送出プラスミドを構築する。ポリアデニル化シグナルも同様に含んでもよい。または都合のよい制限酵素部位を3'末端に操作してもよい。外来遺伝子は、(−)鎖上のさらなるサブゲノムRNAプロモーターを含むことによって、さらなるサブゲノムRNAから発現してもよい。
【0113】
DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよびターミネーターに融合した1つまたはそれ以上のトランス作用因子を有するトランスジェニック植物を得る。そのような因子はウイルスレプリカーゼ(126K/183K)、運動蛋白質(30K)、またはコート蛋白質を含んでもよい。TMV RNA複製にとって必要な少なくとも1つのシス作用配列をトランスジーンから除去する。トランス作用因子を植物細胞に安定に発現させ、または誘導型プロモーターを用いる場合はその発現を誘導してもよい。
【0114】
TMV cDNAの5'末端と正確に融合したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター、5'および3'末端のようなTMVライフサイクルにとって重要なシス作用エレメント、集合起点等、染色体から発現されたトランス作用因子の代わりに少なくとも1つの外来遺伝子または配列、および3'末端でリボザイムまたは都合のよい制限酵素部位を含む、DNA送出プラスミドを構築する。または、外来遺伝子配列をさらなるサブゲノムRNAプロモーターから発現して、トランスジーンから発現されたトランス作用因子をコードする配列を、DNA送出プラスミドから欠失させることができる。好ましくは、ウイルスレプリカーゼ蛋白質をトランスジェニック植物において発現する場合、DNA送出プラスミドはヌクレオチド3420〜4902位の欠失を有し、これはトランスでの複製を阻害する領域であるように思われる(レワンドウスキ(Lewandowski)ら、1998)。
【0115】
実施例 19 −ジャガイモウイルス X
ジャガイモウイルスX(PVX)は一本鎖プラス鎖センスRNAゲノムを有する。5'末端はm7Gpppを有し、3'末端はポリアデニル化されている。PVXの完全長のcDNAクローンを構築して、感染性のRNA転写物を得た(ヘメンウェイ(Hemenway)ら、1990)。
【0116】
5'末端でDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターと正確に融合するPVXcDNAを含み、かつ3'末端でポリアデニル化部位を含むPVX RNAに基づくDNA送出プラスミドを構築する。都合のよい制限酵素部位を3'末端に含んでもよい。外来遺伝子はさらなるサブゲノムRNAから発現してもよい。
【0117】
DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよびターミネーターに融合した1つまたはそれ以上のトランス作用因子を有するトランスジェニック植物を得る。そのような因子は、ウイルスRNAポリメラーゼ遺伝子(ORF1〜147K)、コート蛋白質(ORF5〜21K)、または三重遺伝子ブロック(ORF2〜25K、ORF3〜12K、ORF4〜8K)を含んでもよい。三重遺伝子ブロック遺伝子は個々に発現させることができる。またはそれらは、ORF2、3および4に対するプラス鎖センスサブゲノムRNAをウイルスレプリカーゼによって転写することができるマイナス鎖センス転写物として発現することができる。そのようなトランスジーンはORF2、3および4の配列と融合したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをマイナス鎖方向に有し、転写された配列はサブゲノムRNAプロモーターを含むと思われる。PVX RNA複製に必要な少なくとも1つのシス作用配列をトランスジーンから切除する。トランス作用因子は植物細胞において安定に発現され、または誘導型プロモーターを用いる場合、その発現を誘導してもよい。
【0118】
PVXゲノムの5'末端と正確に融合したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター、5'および3'末端のようなPVXライフサイクルにとって重要なシス作用エレメント、集合起点等、染色体から発現されるトランス作用因子の代わりの少なくとも1つの外来遺伝子または配列、およびポリアデニル化シグナルを含むDNA送出プラスミドを構築する。または、外来遺伝子配列はさらなるサブゲノムRNAプロモーターから発現することができ、トランスジェニックに発現されるトランス作用因子をコードする配列は、DNA送出プラスミドから欠失させることができる。
【0119】
または、DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター、ポリアデニル化部位、およびORF2(25K)が外来遺伝子または配列と置換されているPVX cDNA配列を有するDNA送出プラスミドを構築する。または、ORF2を欠失させて外来遺伝子をさらなるサブゲノムRNAプロモーターから発現させる。そのようなDNA送出プラスミドは、タバコモザイクウイルス(TMV 30K)、トマトモザイクウイルス(ToMV 30K)、またはムラサキツメクサ壊死モザイクウイルス(RCNMV 35K)のような、異種ウイルスからの運動蛋白質を発現するトランスジェニック植物に接種する。
【0120】
実施例 20 −フロックハウス( Flok House )ウイルス
フロックハウスウイルス(FHV)は、2つの一本鎖RNAからなるゲノムを有する。RNA1はRNA複製に関与するプロテインAをコードし、sg RNA3から翻訳されるプロテインBをコードし、RNA複製にとって重要でない。RNA2は、ビリオンカプシド前駆体蛋白質αをコードする。FHVは、昆虫、植物、哺乳類、および酵母細胞(セリング(Selling)ら、1990;プライス(Price)ら、1996)に感染する。
【0121】
その5'末端でDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターと正確に融合し、その3'末端で自己切断リボザイムと融合するFHV RNA cDNAを含むFHV RNA1およびRNA2に関してDNA送出プラスミドを構築する。ポリアデニル化シグナルもまた含んでもよい。または、都合のよい制限酵素部位を3'末端に操作してもよい。外来遺伝子または配列は幾つかの方法で発現してもよい。例えば、FHV RNA1に基づくDNA送出プラスミドは、サブゲノムRNA3から発現される外来遺伝子または配列をORF B置換として、またはORF Bとの翻訳融合体として含んでもよい。または、外来遺伝子はさらなるsg RNAから発現してもよい。FHV RNA2に基づくDNA送出プラスミドはポリ蛋白質αの一部として発現される外来遺伝子または配列を含んでもよい。そのような構築物における外来遺伝子はポリ蛋白質切断に必要な配列を含んでもよい。DNA送出プラスミドは、好ましくは、TMVの30KまたはRCNMVの35Kのような異種植物ウイルスの運動蛋白質を発現すると思われる。または、DNA送出プラスミドはそのような運動蛋白質を発現するトランスジェニック植物に接種されると思われる。
【0122】
DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよびターミネーターに融合した一つまたはそれ以上のトランス作用因子を有するトランスジェニック植物を得る。そのような因子はプロテインAまたはカプシド蛋白質前駆体αを含んでもよく、好ましくはTMVの30KまたはRCNMVの35Kのような、植物ウイルスからの運動蛋白質を含むと思われる。トランス作用因子は、植物細胞に安定的に発現され、または誘導型プロモーターを用いる場合にはその発現を誘導してもよい。トランスジェニック発現されたトランス作用因子は、好ましくは5'および/または3'末端のような、複製に必要な少なくとも1つのシス作用因子を欠損する。
【0123】
RNA1(またはRNA2)の5'末端に正確に融合したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター、5'および3'末端のようなFHV RNA1(またはRNA2)複製に重要なシス作用エレメント、少なくとも一つの外来遺伝子または配列、および3'末端に自己切断リボザイムを含む、FHV RNA1またはFHV RNA2に基づくDNA送出プラスミドを構築する。ポリアデニル化シグナルもまた含んでもよい。または、都合のよい制限酵素部位を、DNA送出プラスミドの改変されたウイルスRNA配列の3'末端に操作してもよい。FHV RNA1に基づくDNA送出プラスミドは、ORF Aの代わりに外来遺伝子または配列を含んでもよい。またはORF Aを欠失させて、および例えばORF B置換としてまたはORF Bとの翻訳融合体として、サブゲノムRNA3から外来遺伝子を発現してもよい。またはDNA送出プラスミドは2つの外因性RNA配列を含んでもよく、一つはORF Aの代わりであり、もう一つはサブゲノムRNA3から発現される。FHV RNA2に基づくDNA送出プラスミドは、ORFαの代わりに外来遺伝子もしくは配列を含んでもよく、またはポリ蛋白質αの一部として発現してもよい。そのような構築物における外来遺伝子は、ポリ蛋白質切断に必要な配列を含んでもよい。
【0124】
実施例 21 −トマト斑点野生型ウイルス( Tomato Spotted Wild virus
トマト斑点野生型ウイルス(TSWV)は、3つに分かれた(RNA L、M、S)、マイナス鎖センスおよびアンチセンス(anbisence)の、一本鎖RNAウイルスである。
【0125】
DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよびターミネーターと融合した、1つまたはそれ以上のトランス作用因子を有するトランスジェニック植物を得る。そのような因子には、推定TSWVポリメラーゼ遺伝子(ORF L)、ORF N、およびおそらく他のトランス作用因子(NSmまたはNSs)が含まれる。TSWV RNA複製にとって必要な、5'および/または3'末端のような少なくとも1つのシス作用配列をトランスジーンから切除する。トランス作用因子は植物細胞において安定的に発現され、または誘導型プロモーターを用いる場合にはその発現を誘導してもよい。
【0126】
G1およびG2コード配列が少なくとも1つの外来遺伝子または配列に置換されているTSWV RNA Mに基づくDNA送出プラスミドを構築する。そのようなDNA送出プラスミドはDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよび5'および3'末端で自己切断型リボザイムに融合したTSWV RNA M cDNAを含む。または、Nコード領域が外来遺伝子または配列に置換されているTSWV RNA Sに基づくDNA送出プラスミドを構築する。
【0127】
実施例 22 −オオムギマイルドモザイクウイルス
オオムギマイルドモザイクウイルス(BaMMV)のゲノムは、2つのプラスセンス鎖、一本鎖の3'ポリアデニル化RNAからなる。RNA1はポチウイルスP3、6K1、CI、6K2、NIa-VPg、NIa-Pro、NIb、およびカプシド蛋白質に関連する蛋白質をコードする(カシワザキ(Kashiwazaki)ら、1990)。RNA2はP1およびP2蛋白質をコードする(カシワザキ(Kashiwazaki)ら、1990)。P1蛋白質はポチウイルスHC-Proに関連し、P2蛋白質は真菌の伝搬にとって重要である。P2蛋白質に欠損を含む分離菌を得て(ティンペ&クーネ(Timpe and Kuhne)、1995)、したがってP2がウイルスRNA複製に重要でないことを示している。
【0128】
5'末端でDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよび3'末端にポリアデニル化部位を正確に融合したBaMMV RNA cDNAを含むBaMMV RNA1およびRNA2に関するDNA送出プラスミドを構築する。外来遺伝子または配列は幾つかの方法で発現してもよい。例えば、BaMMV RNA2に基づくDNA送出プラスミドは、切断することができるポリ蛋白質の一部として発現される外来遺伝子または配列を含んでもよく、外来性蛋白質を放出することができる。
【0129】
DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターおよびターミネーターと融合した5'末端および3'末端を欠損するBaMMV RNA1 cDNAを有するトランスジェニック植物を得る。
【0130】
BaMMV(分離菌M)RNA2に基づくDNA送出プラスミドを構築する。そのようなプラスミドはRNA2の5'末端に正確に融合したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター、5'および3'末端に存在するRNA2シス作用複製シグナル、P1 ORFおよびP2 ORFの代わりの外来遺伝子、または切断することができるP1/P2ポリ蛋白質の一部として発現される外来遺伝子を含み、外来性蛋白質は放出することができる。
【0131】
本明細書において引用した全ての参考文献の内容は、それらが本発明の開示、教示、および原理と矛盾しない範囲において、参照として本明細書に組み入れられる。
【0132】
本明細書に記述の実施例および態様は、説明する目的のために記載されたのであって、それらに照らして様々な改変または変更が当業者に示唆され、それらも本出願の精神および範囲内に含まれると理解すべきである。
【0133】
参考文献
Figure 0003959965
Figure 0003959965

【図面の簡単な説明】
【図1】 宿主細胞における1aおよび2a蛋白質を産生する略図を示す。
【図2】 1aおよび/または2a BMV蛋白質を発現することができる発現カセットを含むアグロバクテリウム(Agrobacterium)形質転換ベクターの例を示す。
【図3】 宿主植物細胞を形質転換するために作製されたいくつかのアグロバクテリウムベクターを示す(黒い四角はT-DNA境界領域を示す)。
【図4】 BMV RNA3送出および複製の一般的メカニズムを示す。
【図5】 本明細書に含まれる開示に従って用いることができるDNA送出プラットフォームを示す。BMVおよびCCMVの表示は、シス作用エレメントを示す。
【図6】 本明細書に含まれる開示に従って用いることができるDNA送出プラットフォームを示す。
【図7】 本明細書に含まれる開示に従って用いることができるDNA送出プラットフォームを示す。
【図8】 本明細書に含まれる開示に従って用いることができるDNA送出プラットフォームを示す。
【図9】 DNA送出プラットフォームを植物細胞に輸送するためのアグロバクテリウムベクターを示す(白い三角はT-DNA境界領域を示す)。
【図10】 本明細書に含まれる開示に従って用いることができるDNA送出プラットフォームを示す。
図5〜10の記号
35S=CaMV35Sプロモーター
t=終結/ポリA+配列
Rz=リボザイム
NOS=NOSプロモーター
OOA=集合起点
FG=外来遺伝子
【図11】 BMV複製因子は、プロトプラストにおける有効なRNA3複製を支持することを示す。
【図12】 プロトプラストにおける送出されたBMV RNA3の効率的な複製を示す。
【図13】 タバコ(N. tabacum)およびN. ベンタミアナ(N. benthamiana)におけるBMV 1aおよび2a mRNAのトランスジェニック発現を示す。
【図14】 (1a+2a)トランスジェニック植物における送出されたBMV RNA3の効率的な複製を示す。
【図15】 (1a+2a)トランスジェニック植物における送出されたBMV RNA3からの成功したGUS発現を示す。
【図16】 プロトプラストにおける送出されたBMV RNA3からの成功したGUS発現を示す。
【図17】 (1a+2a)トランスジェニック植物における送出されたBMV RNA3からの成功したGFP発現を示す。
【図18】 プロトプラストにおける送出されたBMV RNA3からの成功したGFP発現を示す。
【図19】 アグロバクテリウム接種を用いて、(1a+2a)トランスジェニックN. ベンタミアナ(N. benthamiana)における送出されたBMV RNA3の効率的な複製を示す。
【図20】 (1a+2a)トランスジェニック植物における、SHMVコート蛋白質を有する送出されたBMV RNA3からの成功したGUS発現を示す。
【図21】 送出されたBMVが(1a+2a)トランスジェニック植物において複製すること、細胞間を移動すること、そして長距離に拡散することを示す。
【図22】 (1a+2a)トランスジェニックN. ベンタミアナ(N. benthamiana)からの子孫へのBMV RNA3 DNA送出プラットフォームのトランスフェクション、および送出されたRNA3の根における局在を示す。

Claims (15)

  1. 以下の段階を含む、1つまたはそれ以上の植物細胞の遺伝子型または表現型を改変する方法であって、該植物細胞がトランス作用ウイルス複製因子をコードする異種DNAを安定に含むようにトランスジェニックされている方法:
    a)改変されたウイルスRNAをコードするポリヌクレオチド分子を含むDNA送出プラットフォームを得る段階;および
    b)1つまたはそれ以上の植物細胞に該DNA送出プラットフォームをトランスフェクトする段階であって、該ポリヌクレオチド分子が転写され、それにより自己複製能力は有しないがトランス作用ウイルス複製因子の存在下でのみ複製される能力を有する複製可能なRNA転写物を製造し、該RNA転写物の発現は1つまたはそれ以上の植物細胞の遺伝子型または表現型を改変する、段階。
  2. 改変されたウイルスRNAが外因性RNAセグメントを含む、請求項1記載の方法。
  3. DNA送出プラットフォームがリボザイム配列を含む、請求項1記載の方法。
  4. DNA送出プラットフォームがプロモーターを含む、請求項1記載の方法。
  5. DNA送出プラットフォームが終結配列を含む、請求項1記載の方法。
  6. DNA送出プラットフォームが制限酵素部位を含む、請求項1記載の方法。
  7. 請求項1記載の方法によって製造された、改変された細胞。
  8. 遺伝子型または表現型が改変された少なくとも1つの植物細胞を含む植物または植物組織を製造する方法であって、該植物細胞がトランス作用ウイルス複製因子をコードする異種DNAを安定に含むようにトランスジェニックされており、該方法は該植物または植物組織の細胞にDNA送出プラットフォームをトランスフェクトすることを含み、ここで、該DNA送出プラットフォームは改変されたRNA分子をコードするポリヌクレオチドを含み、該ポリヌクレオチドは自己複製能力は有しないがトランス作用ウイルス複製因子の存在下でのみ複製される能力を有する複製可能なRNA転写物を産生するように転写されるようなポリヌクレオチドであり、該RNA転写物の発現は1つまたはそれ以上の植物細胞の遺伝子型または表現型を改変する、方法。
  9. 改変されたRNA分子が外因性RNAセグメントを含む、請求項8記載の方法。
  10. DNA送出プラットフォームがリボザイム配列を含む、請求項8記載の方法。
  11. DNA送出プラットフォームがプロモーターを含む、請求項8記載の方法。
  12. DNA送出プラットフォームが終結配列を含む、請求項8記載の方法。
  13. DNA送出プラットフォームが制限酵素部位を含む、請求項8記載の方法。
  14. 請求項1記載の方法によって製造され、改変された少なくとも1つの細胞を得る段階、および該改変された細胞を、それによって植物がそこから再生されるような条件下に置く段階を含む、遺伝子型または表現型が改変された植物を製造する方法。
  15. 改変されたウイルスRNA分子が、少なくとも1つのトランス作用因子をコードするポリヌクレオチド分子によって形質転換された植物細胞のみで複製する、請求項8記載の方法。
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