JP3959919B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式のカラープリンタやカラー複写機などに用いられる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式のカラープリンタやカラー複写機などに用いられるカラー画像形成装置において、複数色のトナー像が最終的に用紙上に重ね合わせるように転写されて形成される多色トナー像の各色のトナー像どうしの間に色ズレを生じることがあり、画質劣化の要因の一つとなっている。
【0003】
この色ズレは種々の要因によって生じるものであるが、一般にデジタルカラー画像形成装置では、駆動機構により回転駆動される複数の感光体ドラムに対して互いに独立した複数の潜像形成手段により、互いに異なる色の画像情報を走査線に沿って書き込むことにより静電潜像を形成し、これらの静電潜像を複数の現像手段により現像してそれぞれの色のトナー像を形成し、それらを被転写材上に重ね合わせて転写してカラー画像を得ているので、各感光体ドラムの機械的な精度、各潜像形成手段により感光体ドラム上に書き込まれる走査線の走査位置精度、走査装置の書込レンズのばらつきに起因する走査線の曲がりおよび傾き(スキュー)、倍率誤差、また装置全体の温度変化による書込位置および倍率の変動等の要因により、これらが最終的なカラー画像に色ムラ、色ズレとなって現れ画像品質を劣化させる。
【0004】
そこで、例えば、特開平−297574号公報記載の画像形成装置や特開平6−35287号公報記載の多重画像出力装置においては、上記の色ズレの補正方法として、潜像形成手段により感光体ドラム上に書き込まれる走査線の走査線の曲がりおよび傾きを、光学部品を機械的に変位させることにより補正する方法が開示されている。
【0005】
また、特開平09−90695号公報には、複数の感光体ドラムにそれぞれ異なる色の画像情報に基づき走査線を書き込んで静電潜像を形成し、これらの静電潜像をトナーで現像して被転写材上に重ね合わせて転写してカラー画像を得る画像形成装置において、潜像形成手段により感光体ドラム上に書き込まれる走査線の曲がりおよび傾きを測定する手段と、その測定結果に応じて画像データを副走査方向にもしくは2次元的に座標変換処理して、各色間の色ズレを補正する補正方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上記のような種々の方法を単独であるいは適宜組み合わせて実施することにより、感光体ドラム上に書き込まれる走査線の曲がりおよび傾きを補正することは広く行われているが、最近の画像形成装置の小型化の趨勢に伴い、次に示すような色ズレについての全く新たな問題が生じている。
【0007】
すなわち、複数の感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルトに一次転写する方式のカラー画像形成装置において、装置全体を小型化するために中間転写ベルトを張架する張架ロールの小径化が進められ、それに伴い、張架ロールの剛性が低下し、そのため、張架ロールが中間転写ベルトの張力によってベンディングしやすくなるという問題が起きやすくなる。
【0008】
このように張架ロールがベンディングを起こすと2本の張架ロールで張架された区間内で、ベルト幅方向中央部におけるベルト長手方向の長さが、ベルト幅方向両端部におけるベルト長手方向の長さよりも短くなる。その結果、上記の区間内における中間転写ベルトの平均移動速度がベルト幅方向で異なった状態となり、中間転写ベルト上に転写されたトナー像は、中間転写ベルトの移動に伴って歪みを生じる。このトナー像の歪みは、潜像形成手段の光学部品の歪みによるBOW(ボウ)現象と同じように弓状に湾曲した歪みとして現れるが、特徴的な症状は、中間転写ベルトに転写されたトナー像の移動距離が長いほど影響度合いが大きいという点にある。
【0009】
すなわち、複数の画像形成エンジンを備えたタンデム構成のカラー画像形成装置では、第1色目の画像形成エンジンで形成され中間転写ベルト上に最初に転写された第1色目のトナー像が、最終色の画像形成エンジンから転写される最終色のトナー像の転写を受ける転写位置に達するまでの中間転写ベルトの移動区間内で、ベルト幅方向の不均一な伸びにより生じるトナー像のボウが、4色のうちでも最も大きい曲率を持っており、最終色の画像形成エンジンに近い色の画像形成エンジンで形成され転写されたトナー像ほどそのボウの曲率が小さくなる。
【0010】
従来は、画像形成装置に対する小型化の要請もさほど強くはなかったこともあり、張架ロールの直径としては25mm以上のものが多用されてきたが、最近の装置の小型化に伴い、中間転写ベルトの張架ロールの径も小さくなる一方であり、例えば直径20mm〜15mm、あるいはそれ以下のものを用いようとすると、張架ロールの直径は曲げ量に対して4乗で効いてくるため、小型化された画像形成装置では上記ボウの問題は特に重要な技術課題としてクローズアップされつつある。
【0011】
前述のように、特開平09−90695号公報には、感光体ドラム上の走査線の曲がりおよび傾きを測定しその測定結果に応じて画像データを座標変換処理することにより色ズレを補正する方法が開示されているが、従来の補正方法は、走査線のボウ(弓状湾曲)を最小に抑えて、直線として扱えるようにするか、それとも各色共にほぼ同一のボウに揃えることにより、ボウの差分としての色ズレを目立たないようにさせるものであり、このような考え方では、上記の中間転写ベルトのベルト幅方向の不均一な伸びに起因する、新たな色ズレ問題には対処することができない。何故ならば、このトナー像の弓状湾曲歪みは潜像形成手段において発生しているものではなく一次転写後の中間転写ベルト上の特定の移動区間内で発生しているものだからである。
【0012】
なお、上記の説明では、中間転写方式のカラー画像形成装置において、張架ロールのベンディングにより中間転写ベルトがベルト幅方向に不均一に伸びるために、中間転写ベルト上のトナー像に弓状湾曲歪みが発生し、そのため最終画像に色ズレが生じる例について説明したが、中間転写方式以外のカラー画像形成装置においても、これと同様のメカニズムによる色ズレが生じることがある。
【0013】
例えば、感光体ドラム上に形成したトナー像を、循環移動する無端状の用紙搬送ベルト上に担持された用紙に直接、重ね合わせるように転写してカラー画像を形成する方式の画像形成装置、あるいは、感光体ドラムを用いずに循環移動する無端状の感光体ベルト上に、複数色分の帯電手段、潜像形成手段、および現像手段からなるトナー像形成ユニットにより、順次トナー像を重ね合わせるようにして多色トナー像を形成し、それを最終的に用紙上に転写してカラー画像を形成する方式の画像形成装置においても上記の中間転写方式のカラー画像形成装置と同様、無端ベルトのベルト幅方向の不均一な伸びに起因するトナー像の弓状湾曲歪みが発生しそれによる色ズレが生じることがある。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑み、無端ベルトのベルト幅方向の不均一な伸びに起因するトナー像の弓状湾曲歪みによる色ズレの発生が防止された画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の第1の画像形成装置は、
複数の感光体ドラムと、それら複数の感光体ドラムそれぞれの表面を走査する複数の走査装置からなる潜像形成手段と、表面に直接にあるいは表面に担持された記録媒体上に、上記各感光体ドラム上の各トナー像の転写を受ける無端ベルトと、その無端ベルトを張架する複数の張架ロールからなる張架装置と、上記複数の感光体ドラム上に形成されたトナー像を上記無端ベルト上に直接にあるいは上記無端ベルト上に担持された記録媒体上に転写する複数の一次転写手段とを有する画像形成装置において、
上記複数の一次転写手段がトナー像を転写する上流側の一次転写位置から下流側の一次転写位置までのベルト移動区間に応じて、弓状湾曲歪みによる色ずれの発生を打ち消すように補正を行う補正手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成する本発明の第2の画像形成装置は、
所定方向に循環移動する感光体としての無端ベルトと、その無端ベルトを張架する複数の張架ロールからなる張架装置と、上記無端ベルト表面の、無端ベルト移動方向の相互に離れた複数の潜像書込位置それぞれにおいて、互いに異なる色の画像情報それぞれを担持する各光ビームで走査する複数の走査装置からなる潜像形成手段とを有する画像形成装置において、
上記複数の潜像書込位置のうちの上流側の潜像書込位置から下流側の潜像書込位置までのベルト移動区間に応じて、弓状湾曲歪みによる色ずれの発生を打ち消すように補正を行う補正手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
ここで、上記補正手段が、上記潜像形成手段の、各走査装置による走査線の形状を、上記ベルト移動区間の距離に応じて補正するものであることが好ましい。
【0018】
また、上記補正手段が、上記ベルト移動区間における上記無端ベルトの幅方向両側端部の移動速度と、上記無端ベルトの幅方向中央部の移動速度とが略同一となるように上記無端ベルトの張力の幅方向の分布を補正するものであることも好ましい。
【0019】
さらに、上記補正手段が、上記ベルト移動区間を張架する張架ロールとして、上記張架ロールの長手方向中央部の直径が長手方向両端部の直径よりも大きな直径の張架ロールを用いることにより上記補正を行うものであることも好ましい態様の一つである。
【0020】
また、上記補正手段が、上記ベルト移動区間で上記無端ベルトを張架する張架ロールとして、上記張架ロール表面に弾性体を被覆した張架ロールを用いることにより上記補正を行うものであることも好ましい。
【0021】
また、上記補正手段が、上記ベルト移動区間における上記無端ベルトの幅方向両側端部の移動速度と、上記ベルト移動区間における上記無端ベルトの幅方向中央部の移動速度とが略同一となるように、上記無端ベルトの幅方向中央部を押圧して幅方向中央部の周長を幅方向両端部の周長よりも伸張させることにより上記補正を行う伸張手段を備えたものであることも好ましい態様の一つである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の画像形成装置が適用されるカラープリント装置の概略構成図である。
【0024】
図1に示すカラープリント装置1は、並列に配置され矢印A方向に回転するC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色に対応する4つの感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kと、これら各感光体ドラム表面を一様に帯電させる帯電器8と、上記4色に対応する色の画像情報それぞれを担持する各光ビームで各感光体ドラムの回転軸幅方向に延びる走査線に沿って走査することにより各感光体ドラム上に静電潜像を形成する複数の走査装置3からなる潜像形成手段と、各感光体ドラム上に形成された静電潜像を互いに異なる色のトナーで現像して各感光体ドラム上に各トナー像を形成する4つの現像器4と、矢印B方向に循環移動しながら各感光体ドラム上の各トナー像の転写を受ける、無端ベルトからなる中間転写ベルト5と、その中間転写ベルト5を張架する複数の張架ロール6からなる張架装置と、各感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルト5上で重ね合わせるように転写して中間転写ベルト5上に多色トナー像を形成する、各感光体ドラムと接する各一次転写位置T1,T2,T3,T4に配置された複数の一次転写器7と、中間転写ベルト5上に形成された多色トナー像を記録媒体Pに二次転写する二次転写器9とを備えており、記録媒体Pに二次転写された多色トナー像を図示しない定着器により定着して記録媒体P上にカラー画像を形成する。
【0025】
次に、このカラープリント装置1の動作について説明する。
【0026】
このカラープリント装置1に画像信号が入力されると、スクリーン処理などの画像信号処理が施された後、パルス幅変調されPWM信号に変換されて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色に対応する4つの走査装置3に送られる。各走査装置3は、帯電器8により表面が一様に帯電された上記4色に対応する各感光体ドラム上に露光光を走査し各感光体ドラム上にそれぞれの色に対応する静電潜像を形成する。
【0027】
各感光体ドラム上に形成された静電潜像は、上記4色のうちのいずれかの色のトナーがそれぞれ収納された4つの現像器3でそれぞれ現像され、各感光体ドラム上に上記各色の画像信号に応じたトナー像が形成される。各感光体ドラム上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト5上に順次重ね合わされるように一次転写されて中間転写ベルト5上に多色トナー像を形成する。この多色トナー像は記録媒体Pに二次転写される。
【0028】
記録媒体P上に転写されたトナー像は、図示しない定着器により定着されて記録媒体P上にカラー画像が形成される。
【0029】
以上説明したカラープリント装置1による本発明の第1の実施形態について説明する。
【0030】
前述のように、最近の画像形成装置の小型化の趨勢に応じて、中間転写ベルト方式の画像形成装置では中間転写ベルトの張架ロールの小径化が進められており、それに伴い張架ロールのベンディングにより発生する中間転写ベルト上のトナー像の弓状湾曲歪みの問題がクローズアップされるようになっている。
【0031】
図2は、中間転写ベルトの張力により張架ロールがベンディングした状態を示す図である。
【0032】
図2に示すように、張架ロール6は、通常ロール軸方向両端部で支持されているので、中間転写ベルト5の張力により矢印T方向にベンディングしようとする力が働き張架ロール6の剛性とバランスしたところでその形状を保つ。
【0033】
ここで張架ロールの剛性について考えてみると、一般に良く知られているベンディングの公式から、直径30mmの張架ロールの剛性を
1=πD4 /64とすると、
直径25mmの張架ロールの剛性は、
1(25)=39760.78202mm4
となり、
直径20mmの張架ロールの剛性は、
1(20)=7853.981634mm4
となる。すなわち、張架ロールの直径が4/5になると剛性は実に約1/5に低下してしまう。これにより同一材質であっても、ベンディング量は5倍ほど増え、中間転写ベルト上のトナー像の弓状湾曲歪みに及ぼす影響も5倍に増加する。
【0034】
図2に示したように、張架ロール6がベンディングすることにより、張架ロール6に張架された中間転写ベルト5は、ベルト長手方向の伸びがベルト幅方向に不均一に伸びるため、中間転写ベルト5上に転写されたトナー像には弓状湾曲歪みが発生する。
【0035】
図3は、中間転写ベルトの長手方向の伸びの不均一性を示す図(a)、およびその結果生じるトナー像の弓状湾曲歪みを示す図(b,c,d)である。
【0036】
図3(a)に示すように、2本の張架ロール6a,6bで張架されながらB方向に移動する中間転写ベルト5において、2本の張架ロール6a,6bがベルトの張力によりロール軸方向中央部が互いに引き寄せ合うような形状に湾曲して、ベルト幅方向中央部におけるベルト移動方向の距離がL1、ベルト幅方向両端部におけるベルト移動方向の距離がL2になった状態を想定する。この場合、この距離L1および距離L2をベルトは同一時間tで移動するから、それぞれの部位での移動速度V1およびV2は、それぞれ
V1=L1/t
V2=L2/t
であり、かつ
L1<L2
であるから
V1<V2
となる。
【0037】
そのため、図3(b)に示すように、ベルト移動方向最上流側の一次転写位置T1で感光体ドラム2から中間転写ベルト5上に転写された第1色目のトナー像11のうちベルト幅方向中央部に転写されたトナー像11aは、ベルト幅方向両端部に転写されたトナー像11bよりも遅い移動速度でB方向に移動し、その結果、ベルト移動方向最下流側の一次転写位置T4に到達した時点ではトナー像は図3の紙面に向かって右側に凸状に湾曲した形状の弓状湾曲歪みを有するトナー像11’となる。
【0038】
また、図3(c)に示すように、一次転写位置T2において転写された第2色目のトナー像12が一次転写位置T4に到達した時点におけるトナー像12’の弓状湾曲歪みは第1色目の弓状湾曲歪みの曲率よりも小さく、さらに、図3(d)に示すように、一次転写位置T3において転写された第3色目のトナー像13が一次転写位置T4に到達した時点におけるトナー像13’の弓状湾曲歪みはさらに小さい曲率を有するものとなる。
【0039】
このように、4個所の一次転写位置T1,T2,T3,T4のうちの、ベルト移動方向最下流側の一次転写位置T4を除く他の3個所で転写されたトナー像11,12,13は、それぞれ互いに異なる曲率で弓状に湾曲しながら順次重ね合わされ、最後に一次転写位置T4において第4色目のトナーが重ね合わされるので、結局、多色トナー像には色ズレが生じることになる。
【0040】
そこで、本発明の第1の実施形態では、このような弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正を行う補正手段として、各色トナー像が中間転写ベルトに転写される際に、各色トナー像の弓状湾曲がほぼ同一形状で重なっていれば問題とならないわけであるから、最終色トナー像の転写位置に至るまでの中間転写ベルトの移動に伴ってトナー像が次第に歪んでいく分を見込んで、各感光体ドラム上に形成する静電潜像に予め各色毎に曲率の異なる弓状湾曲を付与しておくことにより弓状湾曲歪みの発生を打ち消すようにしている。
【0041】
この「各感光体ドラム上に形成する静電潜像を予め弓状に湾曲させる」こと自体は、前述のように従来から行われている走査装置の光学的方法による色ズレ補正と似ているが、本実施形態においては、中間転写ベルトの長手方向の伸びのベルト幅方向の不均一性に基づく、中間転写ベルト上のトナー像の最終の転写位置までの移動区間の長さに応じて各色ごとに異なる曲率を有する弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正する点が従来の補正方法とは異なっている。
【0042】
図4は、比較のために示した従来の光学的方法による色ズレ補正方法の説明図である。
【0043】
図4には、走査装置により4つの感光体ドラム上にそれぞれの走査装置により、各感光体ドラム軸方向に沿った線画像を書き込んだ場合における、各感光体ドラム上に形成される走査線の軌跡15a,15b,15c,15dを同一面上に図示したものである。これら4本の走査線の軌跡は本来同一となるべきものであるが、走査装置その他の機械的誤差、電気的誤差などの影響により、図示のように4本の走査線の軌跡は少しづつ相違する場合がほとんどである。そこで、それぞれの走査装置による走査線の軌跡を予め補正することによりこれらの各走査線の軌跡を所定の許容範囲R内に収めるように補正が行われる。
【0044】
このように従来の補正では、各感光体ドラム上に描かれる各走査線の軌跡を極力同一形状となるように補正が行われるが、本実施形態においては、図3を参照して説明したように、中間転写ベルトの長手方向の伸びのベルト幅方向の不均一性に基づく、中間転写ベルト上のトナー像の弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正を行なう。
【0045】
図5は、第1の実施形態における、各感光体ドラム上の走査線の軌跡を補正する方法の説明図である。
【0046】
図5に示すように、中間転写ベルトがB方向に移動するものとした場合、最初の転写色の静電潜像の走査線の軌跡14Cの曲率を、最終色の静電潜像の走査線の軌跡14Kの曲率に比べて、図3を参照して説明した第1色目のトナー像11’の弓状湾曲歪みを打ち消すような曲率のものとする。
【0047】
同様に、第2色目の静電潜像の走査線の軌跡14Mの曲率を、最終色の静電潜像の走査線の軌跡14Kの曲率に比べて、図3を参照して説明した第2色目のトナー像12’の弓状湾曲歪みを打ち消すような曲率のものとする。第3色目も同様である。
【0048】
このように、第1色目から第3色目までの静電潜像の走査線の軌跡をそれぞれ中間転写ベルトのベルト幅方向に不均一な伸びに起因する弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正することにより中間転写ベルト上の多色トナー像の色ズレの発生が抑制される。
【0049】
すなわち、第1の実施形態における補正手段は、潜像形成手段の、各走査装置による感光体ドラム表面を走査する走査線の形状を、中間転写ベルトの移動区間S1,S2,S3の各距離に応じて、すなわち、図3に示した第4色目の一次転写位置T4から各一次転写位置T1,T2,T3までのベルト移動距離に応じて補正するものである。
【0050】
各感光体ドラム上の走査線の軌跡を補正する具体的方法としては種々のものを採用することができるが、そのうちの一つの方法として、レーザビーム走査装置の光学部品、例えば非球面結像ミラーを機械的にベンディングさせる方法がある。
【0051】
図6は、本発明の第1の実施形態に用いられる非球面結像ミラーのベンディング装置を示す図である。
【0052】
図6(a)には、支持部材24により支持された非球面結像ミラー21に入射するレーザビーム22によって、図示のような走査線軌跡23が描かれる様子が示されている。
【0053】
図6(b)には、非球面結像ミラー21の長手方向両端部21aを支持する支持部材24に、非球面結像ミラー21の長手方向両端部21aを矢印A方向に機械的に変位させて非球面結像ミラー21を図示のように弓状に湾曲させるスクリュー機構25aを有するベンディング装置が示されている。このスクリュー機構25aを操作することにより走査線軌跡26の形状を変化させることができる。
【0054】
このように、スクリュー機構25aを有するベンディング装置を用いて走査線軌跡26の形状を変化させることにより、中間転写ベルト上のトナー像の弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正することができる。
【0055】
なお、上記の第1の実施形態の方法による走査線軌跡の補正には限界があり、常に無条件で十分な補正効果が得られるというわけではない。その限界を超えて補正しようとすると、露光スポットが長円形になったり、ピントが最良のピント位置から外れてしまって書込ビーム径が不良となり、照度ムラ等による画質劣化が目立つようになってしまうので画質劣化を起こさない範囲内で補正を行う必要がある。
【0056】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0057】
図7は、本発明の第2の実施形態における画像データの座標変換処理によるボウ補正方法を示す図である。
【0058】
図7(a)には、走査装置に入力される前の、画像データ列31をX,Y座標系上に表したもの、およびこれらの画像データ31を座標変換することによりボウ補正するためのボウ関数32が示されている。すなわち、このボウ関数32は、X軸上のセンター座標33をCtrとする、ΔY=−a(X−Ctr)2 なる関数で表すことができる。このボウ関数32を用い、図7(a)の画像データ列31を次式により座標変換する。
【0059】
X’=X
Y’=Y+a(X−Ctr)2
図7(b)は、図7(a)に示した画像データ列を上式により座標変換した後の画像データ列を示す図である。
【0060】
図7(b)に示すように、画像データ列を補正座標系(X’,Y’)により矢印方向にシフトさせることにより、図7(a)に示したボウ関数32を打ち消す形状に座標変換された画像データ列34を得ることができる。
【0061】
こうして、本発明の第2の実施形態では、走査装置に入力される前の画像データを座標変換処理することにより中間転写ベルト上に転写されたトナー像の弓状湾曲歪みの発生を防止することができる。
【0062】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0063】
上記の各実施形態では、潜像形成手段の各走査装置による感光体ドラム表面を走査する走査線の形状に予め弓状の湾曲を与えておいて中間転写ベルト上のトナー像の弓状湾曲歪みを打ち消す補正方式によるものであるが、この補正方式によらずに、中間転写ベルト側でトナー像の弓状湾曲歪みを打ち消す補正方式について次に説明する。
【0064】
以下に示す本発明の第3、第4、および第5の各実施形態は、中間転写ベルトのベルト移動区間(図3:S1,S2,S3)における中間転写ベルトの幅方向両側端部の移動速度と、中間転写ベルトの幅方向中央部の移動速度とが略同一となるように中間転写ベルトの張力の幅方向の分布を補正するものである。
【0065】
図8は、本発明の第3の実施形態におけるボウ補正手段を示す図である。
【0066】
第3の実施形態では、図8(a)に示すように、中間転写ベルト41の張架ロール42として、張架ロール42の長手方向中央部42cの直径を長手方向両端部42eの直径よりも大きな直径の張架ロール42を用いることにより弓状湾曲歪みの補正を行うものである。この張架ロール42の回転軸43をベアリング44で支持して中間転写ベルト41を張架すると、張架ロール42はベンディングしようとする。しかし、張架ロール42の長手方向中央部42cの直径は長手方向両端部42eの直径よりも大きいので、張架ロール42が湾曲しようとする度合いと、ロール軸方向の径の相違の度合いとが互いに打ち消し合い、図8(b)に示すように、張架ロール42’と中間転写ベルト41’との接触面42’を湾曲させないように設定することによって、中間転写ベルト41’の張力の幅方向の分布は平均化されて中間転写ベルト41’に不均一な伸びが発生せず、中間転写ベルト41’上に転写されたトナー像の弓状湾曲を防止することができる。
【0067】
この第3の実施形態の補正方式は、いわゆるクラウンロールを用いる方式である。
【0068】
クラウンロール自体は、従来からベルトのWalking(蛇行)規制手段として知られているが、従来のWalking規制手段では、Walkingによってベルトの一方の端部が張架ロールの径の太い中央部に近付いていくとそのベルト端部の張力が高くなり、それがWalkingを元に戻そうとする力として作用する。従って、張架ロールのクラウン量は、ベルトがWalkしようとする力と釣り合うように決定される。
【0069】
これに対して、本実施形態における張架ロールのクラウンは、ロールベンディングにより生じる中間転写ベルトの幅方向の周長差がキャンセルされるように中間転写ベルトのロール軸方向の周長を揃えることを目的としているので、張架ロールのクラウン量は、ベルト張力とロール剛性とによって決められる。
【0070】
なお、張架ロールのクラウン量は、複数のロールに振り分けられていてもよいし、また、このクラウンロールが、Walking規制用のロールを兼ねるものであってもよい。
【0071】
図9は、本発明の第4の実施形態におけるボウ補正手段を示す図である。
【0072】
第4の実施形態は、図9(a)に示すように、中間転写ベルト51を張架する張架ロール52として、ロール表面に弾性体を被覆した張架ロール52を用いることにより中間転写ベルト51’に不均一な伸びが生じないように補正を行うものである。すなわち、張架ロール52として、通常のロール基材52bの表面に弾性体層52aを被覆した張架ロール52を用いる。
【0073】
このような、表面に弾性体層52aを有する張架ロール52を用いた場合は、図9(b)に示すように、張架ロール52’が中間転写ベルト51’の張力によりベンディングしたとしても、中間転写ベルト51’の幅方向の張力分布は張架ロール52表面の弾性体層52aにより平均化されるので、中間転写ベルト51’に不均一な伸びが発生することがなく、中間転写ベルト51’上のトナー像の弓状湾曲を防止することができる。
【0074】
図10は、本発明の第5の実施形態におけるボウ補正手段を示す図である。
【0075】
第5の実施形態は、図10(a)に示すように、2本の張架ロール62により張架された中間転写ベルト61のベルト移動区間内に、中間転写ベルト61の幅方向中央部を押圧して幅方向中央部の周長を幅方向両端部の周長よりも伸張させる伸張手段63を備えたことにより、ベルト移動区間における中間転写ベルト61の幅方向両側端部の移動速度と幅方向中央部の移動速度とを略同一となるようにしている。
【0076】
このような伸張手段63を備えた場合は、図10(b)に断面図として示したように、中間転写ベルト61のベルト移動区間内において、中間転写ベルト61の幅方向中央部61cが伸張手段63により押圧されて幅方向中央部61cの周長を長手方向両端部61eの周長よりも伸張させる。その結果、中間転写ベルト61の幅方向の張力分布は平均化されるので、中間転写ベルト61上のトナー像の弓状湾曲を防止することができる。
【0077】
以上、第1および第2の実施形態のように、潜像形成手段の各走査装置による感光体ドラム上の走査線の形状に予め弓状の湾曲を与えておいて中間転写ベルト上のトナー像の弓状湾曲歪みを打ち消す補正方式と、第3、第4、および第5の実施形態のように中間転写ベルト側でトナー像の弓状湾曲歪みを打ち消す補正方式とについてそれぞれ別に説明したが、これら2つの補正方式を適宜組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0078】
次に、本発明の第1の画像形成装置についてのさらに他の実施形態について説明する。
【0079】
図11は、本発明の第6の実施形態が適用されるカラープリント装置の概略構成図である。
【0080】
図11に示すカラープリント装置10は、図1に示したカラープリント装置1と類似の構成を有している。両者の相違点は、カラープリント装置1は、無端ベルトからなる中間転写ベルト5を備えた中間転写方式のカラープリント装置であるのに対して、カラープリント装置10は、記録媒体Pを表面に担持して矢印B方向に搬送する無端ベルトからなる用紙搬送ベルト16を備え、各感光体ドラム上に形成されたトナー像を、用紙搬送ベルト16に担持された記録媒体P上で重ね合わせるように転写する方式のカラープリント装置であるという点である。
【0081】
図11に示すように、この第6の実施形態のカラープリント装置10は、並列に配置され矢印A方向に回転するC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色に対応する4つの感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kと、これら各感光体ドラム表面を一様に帯電させる帯電器8と、上記4色に対応する色の画像情報それぞれを担持する各光ビームで各感光体ドラムの回転軸幅方向に延びる走査線に沿って走査することにより各感光体ドラム上に静電潜像を形成する複数の走査装置3からなる潜像形成手段と、各感光体ドラム上に形成された静電潜像を互いに異なる色のトナーで現像して各感光体ドラム上に各トナー像を形成する4つの現像器4と、矢印B方向に循環移動しながら表面に担持された記録媒体P上に、各感光体ドラム上の各トナー像の転写を受ける無端ベルトからなる用紙搬送ベルト16と、その用紙搬送ベルト16を張架する複数の張架ロール6からなる張架装置と、各感光体ドラム上に形成されたトナー像を用紙搬送ベルト16に担持された記録媒体P上で重ね合わせるように転写して記録媒体P上に多色トナー像を形成する、各感光体ドラムと接する各一次転写位置T1,T2,T3,T4に配置された複数の一次転写器7とを備えており、記録媒体Pに転写された多色トナー像を図示しない定着器により定着して記録媒体P上にカラー画像を形成する。
【0082】
この第6の実施形態のカラープリント装置10においても、図2を参照して説明したのと同様、用紙搬送ベルト16の張力により張架ロール6のベンディングが生じ、図3を参照して説明したのと同様、ベルト長手方向の伸びがベルト幅方向に不均一となり、記録媒体P上に転写されたトナー像が弓状湾曲歪みを示す。なお、用紙搬送ベルト16上に担持された記録媒体Pは、用紙搬送ベルト16とは必ずしも用紙前面にわたって密着しているわけではないが、部分的にでも密着に近い状態で担持されている部分では、記録媒体P上のトナー像も図3に示したのと同様の弓状湾曲歪みを生じる。
【0083】
そこで、この第6の実施形態においても、図6を参照して説明した第1の実施形態におけると同様、スクリュー機構25aを有するベンディング装置を用いて走査線軌跡26の形状を変化させることにより、用紙搬送ベルト16上に担持された記録媒体P上のトナー像の弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正して、トナー像の弓状湾曲歪みを防止することが望ましい。あるいは、図7を参照して説明した第2の実施形態におけると同様、走査装置に入力される前の画像データ31を座標変換してボウ補正することにより、トナー像の弓状湾曲歪みを防止するようにしてもよい。
【0084】
また、図8を参照して説明した第3の実施形態における中間転写ベルト41と同様、用紙搬送ベルト16の張架ロール42として、張架ロール42の長手方向中央部42cの直径を長手方向両端部42eの直径よりも大きな直径の張架ロール42を用いることにより弓状湾曲歪みの補正を行うようにしてもよく、また、図9を参照して説明した第4の実施形態における中間転写ベルト51と同様、用紙搬送ベルト16を張架する張架ロール52として、ロール表面に弾性体を被覆した張架ロール52を用いることにより中間転写ベルト51’に不均一な伸びが生じないように補正を行うようにしてもよく、さらに、図10を参照して説明した第5の実施形態における中間転写ベルト61と同様、用紙搬送ベルト16のベルト移動区間内に、ベルト幅方向中央部を押圧して幅方向中央部の周長を幅方向両端部の周長よりも伸張させる伸張手段63を備えることにより、ベルト移動区間におけるベルト幅方向両側端部の移動速度と幅方向中央部の移動速度とを略同一となるようにしてもよい。
【0085】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
【0086】
図12は、本発明の第7の実施形態が適用されるカラープリント装置の概略構成図である。
【0087】
図12に示す第7の実施形態は、本発明の第2の画像形成装置をカラープリント装置に適用した場合の実施形態を示すものである。
【0088】
この本発明の第2の画像形成装置では、上記の各実施形態に示した本発明の第1の画像形成装置とは異なり、いわゆる感光体ベルト方式の画像形成装置に関するものである。
【0089】
図12に示すように、この第7の実施形態のカラープリント装置70は、矢印B方向に循環移動する感光体としての無端ベルト75と、無端ベルト75を張架する複数の張架ロール76からなる張架装置と、無端ベルト75表面の、ベルト移動方向の相互に離れた複数の潜像書込位置F1,F2,F3,F4それぞれにおいて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色の画像情報それぞれを担持する各光ビームで、無端ベルト75の幅方向に延びる各走査線に沿って走査することにより、無端ベルト75の移動に同期して無端ベルト75上の同一箇所に各静電潜像を形成する複数の走査装置73からなる潜像形成手段と、上記各潜像書込位置の、ベルト移動方向下流側に隣接した各現像位置D1,D2,D3,D4において無端ベルト75上に形成された各静電潜像を互いに異なる色のトナーで現像して各トナー像を無端ベルト75上の同一箇所に順次重ねることにより多色トナー像を形成する複数の現像器74と、無端ベルト75上に形成された多色トナー像を記録媒体Pに二次転写する二次転写器79と、上記各潜像書込位置の手前にそれぞれ配置された、無端ベルト75表面を一様に帯電させる帯電器78とを備え、記録媒体P上に形成された多色トナー像を最終的に記録媒体Pに定着することにより記録媒体P上に定着トナー像を形成するものであり、これらの複数の潜像書込位置F1,F2,F3,F4のうちのベルト移動方向最下流側の潜像書込位置F4を除く任意の潜像書込位置から最下流側の潜像書込位置F4までのベルト移動区間S内における、無端ベルト75の、上記張架装置により張架された結果生じるベルト長手方向の伸びのベルト幅方向の不均一性に基づく任意の潜像書込位置で無端ベルト75上に形成された静電潜像が最下流側の潜像書込位置F4に到達した時に弓状に湾曲する弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正を行う補正手段を備えている。
【0090】
この第7の実施形態のカラープリント装置70においても、図2を参照して説明したのと同様、無端ベルト75の張力により張架ロール76のベンディングが生じ、図3を参照して説明したのと同様、ベルト長手方向の伸びがベルト幅方向に不均一となり、張架ロール76上に現像されたトナー像が弓状湾曲歪みを示す。
【0091】
そこで、この第7の実施形態においても、図6を参照して説明した第1の実施形態におけると同様、スクリュー機構25aを有するベンディング装置を用いて走査線軌跡26の形状を変化させることにより、無端ベルト75上に形成されたトナー像の弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正することが望ましく、あるいは、図7を参照して説明した第2の実施形態におけると同様、走査装置に入力される前の画像データ31を座標変換してボウ補正することにより、トナー像の弓状湾曲歪みを防止するようにしてもよい。
【0092】
また、図8を参照して説明した第3の実施形態における中間転写ベルト41と同様、無端ベルト75の張架ロール42として、張架ロール42の長手方向中央部42cの直径を長手方向両端部42eの直径よりも大きな直径の張架ロール42を用いることにより弓状湾曲歪みの補正を行うようにしてもよく、また、図9を参照して説明した第4の実施形態における中間転写ベルト51と同様、無端ベルト75を張架する張架ロール76として、ロール表面に弾性体を被覆した張架ロール52(図9参照)を用いることにより無端ベルト75に不均一な伸びが生じないように補正を行うようにしてもよく、さらに、図10を参照して説明した第5の実施形態における中間転写ベルト61と同様、無端ベルト75のベルト移動区間内に、ベルト幅方向中央部を押圧して幅方向中央部の周長を幅方向両端部の周長よりも伸張させる伸張手段63を備えることにより、ベルト移動区間におけるベルト幅方向両側端部の移動速度と幅方向中央部の移動速度とを略同一となるようにしてもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の第1の画像形成装置によれば、複数の感光体ドラムに対応した複数の一次転写位置のうちの無端ベルトの移動方向最下流側の一次転写位置を除く任意の一次転写位置から最下流側の一次転写位置までのベルト移動区間内における、無端ベルトのベルト幅方向の不均一な伸びに起因するトナー像の弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正を行う補正手段を備えたことにより色ズレの少ないカラー画像形成装置を実現することができる。
【0094】
また、本発明の第2の画像形成装置によれば、複数の潜像書込位置のうちの無端ベルト移動方向最下流側の潜像書込位置を除く任意の潜像書込位置から最下流側の潜像書込位置までのベルト移動区間内における、無端ベルトのベルト幅方向の不均一な伸びに起因するトナー像の弓状湾曲歪みの発生を打ち消すように補正を行う補正手段を備えたことにより色ズレの少ないカラー画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置が適用されるカラープリント装置の概略構成図である。
【図2】中間転写ベルトの張力により張架ロールがベンディングした状態を示す図である。
【図3】中間転写ベルトの長手方向の伸びの不均一性を示す図(a)、およびその結果生じるトナー像の弓状湾曲歪みを示す図(b,c,d)である。
【図4】比較のために示した従来の光学的方法による色ズレ補正方法の説明図である。
【図5】第1の実施形態における、各感光体ドラム上の走査線の軌跡を補正する方法の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に用いられる非球面結像ミラーのベンディング装置を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における画像データの座標変換処理によるボウ補正方法を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるボウ補正手段を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態におけるボウ補正手段を示す図である。
【図10】本発明の第5の実施形態におけるボウ補正手段を示す図である。
【図11】本発明の第6の実施形態が適用されるカラープリント装置の概略構成図である。
【図12】本発明の第7の実施形態が適用されるカラープリント装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 カラープリント装置
2C,2M,2Y,2K 感光体ドラム
3 走査装置
4 現像器
5 中間転写ベルト
6,6a,6b 張架ロール
7 一次転写器
8 帯電器
9 定着器
10 カラープリント装置
11,11a,11b,11’,12’,13,13’ トナー像
14C,14Y,14M,14K,15a,15b,15c,15d 軌跡
16 用紙搬送ベルト
21 非球面結像ミラー
21a 端部
22 レーザビーム
23,26 走査線軌跡
24 支持部材
25a スクリュー機構
31,34 画像データ列
32 ボウ関数
33 センター座標
41 中間転写ベルト
42 張架ロール
42’ 接触面
42c 中央部
42e 両端部
43 回転軸
44 ベアリング
51,51’ 中間転写ベルト
52,52’ 張架ロール
52a 弾性体層
52b ロール基材
61 中間転写ベルト
61c 中央部
61e 両端部
62 張架ロール
63 伸張手段
70 カラープリント装置
73 走査装置
74 現像器
75 無端ベルト
76 張架ロール
78 帯電器
79 二次転写器
D1,D2,D3,D4 現像位置
F1,F2,F3,F4 潜像書込位置
L1.L2 距離
S1,S2,S3 移動区間
T1,T2,T3,T4 一次転写位置
V1,V2 移動速度
Claims (3)
- 複数の感光体と、
前記各感光体表面にトナー像を形成する現像器と、
前記各感光体表面に形成されたトナー像を表面に直接に、あるいは表面に担持された記録媒体上に担持する無端ベルトと、
前記無端ベルトを張架する複数の張架ロールとを有し、
前記複数の張架ロールは2本の張架ロールにより前記感光体と対向する面を形成し、
当該2本の張架ロールにより張架された無端ベルトのベルト移動区間内に、無端ベルトの幅方向中央部を押圧して前記無端ベルトの前記複数の感光体が配置された面の幅方向中央部の周長を幅方向両端部の周長よりも伸張させる伸張手段を配置したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記伸張手段は、前記無端ベルト移動方向最下流側の一次転写位置を除く任意の一次転写位置から該最下流側の一次転写位置までのベルト移動区間内に配置されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記伸張手段が、前記複数の張架ロールの幅方向の長さよりも短い長さを有するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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