JP3959485B2 - ダスト等の吸着用ネット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、自動車、家具等の塗装工場、食品製造工場、精密機械製造工場、電気部品製造工場等で生じるダスト、粉塵、塗料ミスト等(これらを本書ではダスト等という。)を吸着するようにした自動車製造工場内ダスト等の吸着用ネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車又は家具等には、美麗な外見を形成する目的のみならず、過酷な自然条件に耐えかつ所期設定の耐用年数の維持を図るため、塗装を施すことは従来から一般に行われているところである。
【0003】
この場合、塗装過程においてダスト等が自動車や家具等に付着すると塗料が弾かれたような現象やダスト等による細かな凹凸が塗装面に生じるため、ダスト等の排除は大きな課題となっている。
【0004】
また食品製造工場、精密機械製造工場、電気部品製造工場等においてダスト等が存在し、そのダスト等が製品に付着又は混入することは、製品自体の欠陥を意味するものであるので、ダスト等の徹底した排除が求められている。
【0005】
そのため塗装前の自動車及び家具等を、静電気発生を利用したモップ又はロジン樹脂等を含浸させたモップにより手作業による拭き取りを行っていた。また塗装現場においては、塗装ブース内はもちろんのこと幾段階にも行われる各塗装工程の前後(塗装直前及び塗装直後)の床面に水プール(水を張った水溜り)を設けたり、食品製造工場、精密機械製造工場、電気部品製造工場では、工場内の空気の清浄化を図るために不織布等を濾材とした空気濾過装置又は清浄化装置を設置したり、また作業員は防塵服又は静電服を着用する等してダスト等の混入又は除去を図る工夫もなされてはいたが、ダスト等を完全に無にすることは不可能であった。
【0006】
そこでこれを解決するものとして、例えば特開昭63−93372号公報(以下、第一従来例と言う。)に示されているように、広い合成樹脂製シートを塗装工場の壁や床に取り付け、これに粘着剤を塗布することも行われていたのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記合成樹脂製シートを壁や床に取り付ける前記第一従来例にあっては、前記のように取り付けた後に、刷毛又はローラー等によって粘着剤を塗布する方法を採っていたため、粘着剤としては比較的粘度の低いものを使用せざるを得ず、したがって壁面に取り付けた前記シートにこれを塗布すると、前記粘着剤が下方に垂れ流れ、その結果、シート面において粘着剤の量に多寡又は濃淡が生じ、ダスト等の吸着力にバラツキが生じることは避けられなかったのである。
【0008】
また前記のように粘着剤の垂れ流れを防止するために、塗布した粘着剤がやや固まるまで待ちつつ塗布を続行することを強いられるあまり、その作業はいきおいスーローペースにもなっていたのである。
【0009】
これを解決するものとして本発明者は特開2000−61227公報(以下、第二従来例と言う。)に示されている発明、すなわち所望幅を有するフレキシブルなシート状基材の片面に粘着剤を塗布し、この粘着剤を覆う剥離シートを貼着したダスト等吸着シートを提案した。このように剥離シートを貼着したものにあっては、製造元の工場から使用現場に運搬する上ですこぶる便利であり、かつ使用現場では剥離シートを剥すのみでただちに使用することができるという長所を有するものであったが、現実に実施したところ、これには以下2点において不都合が確認された。
【0010】
その第1点は、粘着力の高い粘着剤を使用することができなかった点である。すなわち前記剥離シートは、前記のように製造元から工場に搬送し、工場内の必要箇所に前記吸着シートを取り付ける時点まで必要とするものであり、使用時にはこの剥離シートを剥離し、粘着剤が塗布されている面を露出せしめる必要があるところ、この粘着剤の粘着力が強力であると、前記剥離シートの剥離が困難になるという矛盾が発生したのであった。
【0011】
ダスト等をより多く、より確実に吸着せしめるためには強力な粘着剤を用いればよいことは理の当然であるが、強力又は多量の粘着剤を塗布すると、吸着用のシート全面が粘着されることになり、しかも粘着面積が広いことが災いして剥離シートの剥離が困難になるという結果になっていたのである。
【0012】
もっとも剥離シートに、例えばシリコン系の剥離剤を使用すると、剥離性がきわめてよいのであるが、このシリコン系の剥離剤を使用すると、自動車塗装においてはその塗装面に、塗料が弾かれたような現象が生じ、不良品となるために自動車塗装工場においては使用することができないため、非シリコン系に限定されるという厄介な条件が存在するのである。
【0013】
前記の不都合の第2点は、前記第二従来例において用いられていた基材がシートであった点である。このシートには通気口は存在しない。工場内のダスト等は、空気の流れにしたがって工場内を浮遊し、やがて粘着シートに付着することになるのではあるが、前記粘着シートに通気口が存在しないため、ダスト等の浮遊が阻害され、粘着シートに対するダスト等の捕捉量が少ないという結果が判明したのである。したがってこの粘着シートを工場の床に用いる場合には良好な性能を発揮するが、カーテン状に上から下方に垂下せしめて使用する点では十分な満足が得られないのであった。
【0014】
そこでこれらの問題を解決するものとして、本発明者は特開2002−233800号公報(以下、第三従来例と言う。)に示すダスト等の吸着ネットを提案した。この第三従来例は、ある規定した数値で構成した比較的通気性の高い網目構造体とし、この網目構造体に粘着剤を塗布したものである。これによると網目構造体であるために通気性が高いため、前記の第一又は第二従来例に比してダスト等の捕捉率が高い結果を得ることができたものの、満足するには至っていなかった。
【0015】
本発明者は、これまでこの種ダスト等の吸着に関する研究、開発をしてきた過程で、以下の事実が判明した。すなわち工場内の空間を浮遊する微小なダストを分類すると素材比重の異なるもの、形態の異なるもの、微小な中にも大きさが大小等種々雑多であり、浮遊ダスト等の捕捉精度をいっそう向上せしめるには、このことを考慮する必要があり、特に大小の異なるダスト等を如何に区別なく捕捉することができるかがポイントである。
【0016】
そして最も有効かつ多量に捕捉する手段としては、その空間中の空気の流れを濾過することが有効な手段であることは広く知られているところであり、例えば空気清浄器を使用するとか、エアコンディショナーや吸排気装置を設置して、連続して強制的に比較的強い空気の流れを作り、その間に不織布や通気性のある発泡合成樹脂等よりなるフィルターを介在せしめ空気を濾過する等である。
【0017】
しかしこれらは比較的に部分的な又は狭小な空間にはマッチしても広大な工場の全体等、広範囲のダスト等を捕捉、浄化するには甚大な費用がかかり、現実的には特定業種を除き不可能である。工場内の自然の状態、すなわち強くとも0.5〜1.0mm/sec以下の空気の流れの中で、そこに介在する大小各種の浮遊ダスト等を効果的に捕捉する方法が切望されているのである。その結果、ダスト等の捕捉率を高めるためには、以下の条件を見出した。
a,空気の流れが可及的に阻害されない構造を有する基材であること。
b,粘着剤とダスト等は接触する機会が可及的多くなる構造であること。
c,さらに例えばダストの大小を区別するとすれば比較的大きい浮遊ダスト等、具体的には直径約1.5〜2.0μm、長さ1〜2mm以上のものと、比較的小さい浮遊ダスト等、具体的には直径1.5μm未満以下、長さ1mm未満以下のものをいっしょにどちらも効率よく同時に捕捉することができるものであること。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そこでこの発明に係るダスト等の吸着ネットは前記の課題を解決するために、熱可塑性樹脂製モノフィラメントが弧を描きながら相互に隣り合う弧をくぐり抜け、前記弧によって形成される緩い空間部を有する網脚をもち、この複数の網脚間を、熱可塑性モノフィラメントで水平状に連結して網目を形成し、該網目の中を熱可塑性モノフィラメントで斜め状又はX字状に区切り、かつこれらのモノフィランメントに粘着剤を塗布しているとともに、該これらのモノフィラメントは150デニール以上1000デニール以下であるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次にこの発明に係るダスト等の吸着用ネットの実施の形態を図1乃至図5に基づいて述べると、1は図2に示すように熱可塑性樹脂製モノフィラメントが弧を描きながら相互に隣り合う弧をくぐり抜け、前記弧によって形成される緩い空間部を有する網脚であり、例えば塩化ビニル、ポリオレフィン、ナイロン等を素材としてある。
【0020】
2は前記網脚1を平行に並べた後に、前記網脚1に連結(懸絡)せしめた熱可塑性モノフィラメントであり、このモノフィラメント2は水平状に連結して網目を形成するとともに網目の中を斜め状またはX字状に区切る役割を同時に果たしている。またこのモノフィラメント2は、例えば塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン等を素材としてある。合成樹脂の中でも熱可塑性樹脂は再利用(リサイクル)が比較的容易であるが、その中でも、塩化ビニルのネットを用いると、ナイロンやポリオレフィン等に比してダスト等が付着しても、再利用に支障を来さず、かつ再利用がきわめて容易であり最も利用価値が高く、一方、ポリオレフィン又はナイロン等のネットを用いると取り扱い性及び強度の点で良好となる。前記モノフィラメント2は同列に複数本連結することもある。
【0021】
3は前記網脚1に塗布した粘着剤である。そしてこの粘着剤3としては、アクリル系、天然ゴム系、SBR、ブロックSIS、シリコンゴム系等を用いると、粘着力が高く、かつ粘着持続期間が長いので好ましい。またその性能としては下記の範囲がよい。
粘着力(g) 200〜700(JIS Z0237に準拠)
P.タック(g) 200〜700(JIS Z0237参考欄に準拠)
剥離力(g) 5〜 20(JIS Z0237に準拠)
ボールタック 5〜 20(JIS Z0237に準拠)
【0022】
尚、前記粘着剤3を塗布したダスト等吸着用ネットには、前記第三従来例と同様に隔離シートを貼着するが、この剥離シートには、その表裏にシリコン系を除く剥離剤が塗布されている。またこの剥離シートは前記網脚1及びモノフィラメント2からなるネット状シートの幅と同等又はそれより若干幅広でしかもフレキシブルに形成されている。この剥離シートは、ネット状シートに覆うように用いるため、強力な粘着力を有する粘着剤3と相対しても接触面が少なくてすみ、非シリコン系の剥離剤を用いた剥離シートで十分に所期の目的を達成することができ、ネット状シートの網目構造に基づく効果が発揮されるのである。
【0023】
そして剥離シートはネット状シートの片面にのみ用いてよい。すなわちネット状シートの一方の面に前記粘着剤を塗布すると、この塗布過程において、粘着剤3はネット状シートの他の面(裏面)にも転移することになり、その結果、ネット状シートの両面に粘着剤3が付着することにはなるが、前記剥離シートをネット状シートに貼着した後、全体をロール巻きすれば、1枚の剥離シートは粘着剤3の間に必ず存在する状態で表裏の粘着剤3同士が剥離シートを介して巻かれることになり、互いに粘着し合うことはないのである。もとよりネット状シートの表裏それぞれに剥離シートを貼着することを除外するものではない。
【0024】
またこの剥離シートはクラフト紙、上質紙等をポリオレフィン系その他の合成樹脂製フィルムでラミネートしたものやポリエステル、opp、cpp等のフィルムを用いることができ、剥離剤としてはフッ素系、オレフィン系又はワックス系等を使用することができる。もっとも前記のように剥離剤としてはシリコン系のものもあり、剥離効果が最も良好とされているが、これを用いると前記のように塗装中に自動車表面の塗料が弾かれた現象を呈するので、自動車の塗装工場においては用いることができない。したがって非シリコン系の剥離剤を用いても、ネット状シートは網目構造を有するので剥離シートを剥離し易いという効果を十分に発揮することができるのである。
【0025】
以上のように構成されたダスト等の吸着用ネットは工場で製造することができ、かつこれを使用現場への運搬に際してはロール状に巻くことによりコンパクト化を図ることができる。
【0026】
前記剥離シートを剥離すると、ネット状シート及びモノフィラメント2に塗布されている粘着剤3が露出するが、この場合、粘着剤3が図4に示すようにネット状シートを構成するループのみならず、ループによって形成される円形の面状の皮膜が形成されることもあり、またモノフィラメント2に対しては線状のモノフィラメント2自体に粘着されることもあり、かつモノフィラメント2が例えばX字状のものにあっては、ネット状シートと前記X字状のモノフィラメント2によって構成された三角形の網目に皮膜状に粘着されることもある。
【0027】
その結果、空気の通過量は前記第三従来例のものに比して小となるが、粘着剤3の皮膜は面積が広くなり、微小のダスト等の付着は向上し、通過せんとするダスト等の捕捉量は大になる。さらに粘着剤3の皮膜はランダムに発生するためにダスト等の大小に関係することなく全体としてこのダスト等の捕捉量も多くなるのである。
【0028】
そして使用する現場は前記従来例と同様であるが、その際使用箇所に応じた寸法に裁断するものとする。またネット状シートは塗装工場内においてカーテン状に垂下した後、剥離シートを貼着したものにおいてはこれを除去し、粘着剤3を露出させて使用するのである。またこの場合、ネット状シートが1枚のみの一重とすることも可能であるが、2枚、3枚のように複数枚重ねの状態で使用することも可能であり、さらに複数枚重ねの場合において網目をずらした張り方もある。尚、複数重ねのものにおいて網目の空隙面積の異なるネット状シートの組み合わせもあり得る。
【0029】
以下、この発明に関する一実施例として構造の異なるものを図5に例示して述べる。図5のイ,ロの構造では縦、横、外寸が同一として以下の特徴が認められる。
【0030】
イにあっては、空気通過量は比較的小となるが粘着剤皮膜の総面積は非常に大となる。また網目構造体であるネット状シート全体としては、粘着剤の皮膜が大小ランダムに形成されることになる。
したがって
a.微小なダスト等の付着は最も効果的に向上する。
b.網目の中央部を通過する微小なダスト等も捕捉することができる。
c.通気量が少ないので大型ダスト等の捕捉効果が低下する。しかし粘着剤皮膜の形成がランダムなために、微小なダスト等及び大型ダスト等が平均的に捕捉することができる。
【0031】
ロにあっては、空気通過量をほとんど低下せしめずに網目を構成することができる。
したがって
a.微小なダスト等の捕捉は網脚部分で効率的に実施することができるとともに、網目の中央部を通過する微小なダスト等の一部及び中、大型ダスト等の通過も阻止して捕捉することができる。
b.網脚部分の表面積が効率的に大きいのはイと同様である。
【0032】
イ及びロ共通しての特性は、網目を形成する網脚が緩い空間部を有しつつリング状(鎖状)に形成されているため、粘着剤の付着表面積は、網目の大きさの割りに多量であり、したがってダスト等の付着する機会が多い点である。
【0033】
前記した第三従来例にあっては、
▲1▼網脚は繊維の集束体(撚糸又は合糸)で構成されており、粘着剤を付着せしめる表面積は素材の使用量に比較して小さく、したがって捕捉効率は低かった。
▲2▼網地全体としても均一な網目で構成されるので、捕捉すべきダスト等の大小や、空気の流れの強弱にフレキシブルな対応ができにくかった。すなわち網目構造体全体を幾種類も作る必要があった。
【0034】
しかし本願発明にあっては、
▲1▼網脚は繊維1本、2本又は3本のモノフィラメントを使用してリング状(ループ状)に形成された緩い空間をもっており、したがって粘着剤は皮膜状に形成され、皮膜の表面積は格段に広くなり、網脚部分だけでも捕捉効果が上がる。
▲2▼さらに網目に斜め状やX字状のモノフィラメントを形成せしめているので、粘着剤皮膜の形状はランダムに形成されることとなり、表面積が広くなり条件変化(ダスト等の大きさ、混合割合<大きさ、空気の強弱>等)に柔軟に対応することができる。
▲3▼リング状の網脚とともに網目を構成する水平状のモノフィラメント2、及び斜め状又はX字状のモノフィラメント2は1本から3本で構成され、網目全体の空気の抵抗は少ない。
【0035】
すなわち、気流中を浮遊する微小なダスト等を捕捉するに際しては、単位面積当りの通気量が大きく、かつ構造体表面に塗着した粘着剤の付着面積を如何に多くするかが基本的に必要であるものの、単純に付着面積を多くすればするほど空気の濾過量は小になり、したがってある分岐点を越えると結果としては捕捉効果は逆に低下することとなるので、おのずと空気の流れの多少、ダスト等の大きさの大小等により、粘着剤付着面積と空気通過面積の割合が制約されることになるのである。効果的な通気口を如何に多く取り、かつ粘着剤面積を如何に多くとる構造とするかが求められるが、本発明はこれらの相反する要素を同時に解決、達成したものである。またこれらダスト等は大小混合して浮遊するから、その捕捉体にあっては、比較的通気口が多い部分と通気口が小さくても粘着剤付着面積の多い部分とを混在させる必要が生じることもある。従来の発想では単に網目を均一に大きくしたり、小さくしたりして網目の規格毎に網目構造体を作成したものであるが、これを1枚の網目構造体で比較的狭い範囲、例えば隣同士の網目でもその形状構造を変えるようにすることもできたのである。網目構造体は全体としては比較的通気量を弱くすることなく粘着剤付着面積を多くすることができたものである。かくして浮遊するダスト等の大きいもの、小さいものを同時に捕捉することができたのである。
【0036】
また粘着剤を表面にのみできるだけ付着せしめて粘着剤の皮膜を作り、網目内部(中央部)には無駄な含浸がないようにすることも肝要である。粘着剤が網目内部に含浸しやすい構造であると、網脚表面に粘着剤が形成されにくく、粘着剤の量が表面に少なくなり、結果としてダスト等の付着量も減少するものであり、捕捉効率、経済性も劣ることになる。本発明はこのことを解決するために熱可塑性合成樹脂よりなるモノフィラメント(具体的にはポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエステルのモノフィラメント糸)を基材の素材として使用し、かつ網目構造体はこれらモノフィラメントによるループ形状又は単一線形状より構成されているものである。
【0037】
【発明の効果】
前記のようにこの発明に係るダスト等の吸着用ネットによれば、熱可塑性樹脂製モノフィラメントが弧を描きながら相互に隣り合う弧をくぐり抜け、前記弧によって形成される緩い空間部を有する網脚をもち、この複数の網脚間を、熱可塑性モノフィラメントで水平状に連結し、かつ網目を斜め状又はX字状に区切り、かつこれらのモノフィランメントに粘着剤を塗布してあるので、粘着剤の皮膜は面積が広くなり、微小のダスト等の付着は向上し、通過せんとするダスト等の捕捉量は大になる。さらに粘着剤の皮膜はランダムに発生するためにダスト等の大小に関係することなく全体としてこのダスト等の捕捉量も多くなるという効果を有するのである。また熱可塑性合成樹脂製モノフィラメントを用いることによって以下の効果を発揮することができる。すなわち前記モノフィランメントを150デニール以上1,000デニール以下のものを採用することによってモノフィラメントの表面が平滑で、かつ剛性を発揮させることができ、このことにより空気の通過性が良好になり、所望外の部分で空気の通過を阻害することなく剛性を有することによって網脚部分のループ形状を形成することができるとともに、保持することが容易であり、粘着剤の皮膜面積を効率的かつ広く形成することができるという効果を有するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るダスト等の吸着用ネットの例示図である。
【図2】網脚の拡大例示図である。
【図3】この発明に係るダスト等の吸着用ネットの他例を示す例示図である。
【図4】この発明に係るダスト等の吸着用ネットにおいて、粘着剤の塗布状態を示す例示図(平行斜線を付した部分が粘着剤の塗布部)である。
【図5】イ、ロはこの発明に係るダスト等の吸着用ネットの形態を示す例示図である。
【図6】第三従来例における網目構造体(イ)と、この網目構造体に対する粘着剤の塗布状態(ロ)を示す正面図である。
【符号の説明】
1 網脚
2 モノフィラメント
3 粘着剤
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂製モノフィラメントが弧を描きながら相互に隣り合う弧をくぐり抜け、前記弧によって形成される緩い空間部を有する網脚をもち、この複数の網脚間を、熱可塑性モノフィラメントで水平状に連結して網目を形成し、該網目の中を熱可塑性モノフィラメントで斜め状又はX字状に区切り、かつこれらのモノフィランメントに粘着剤を塗布しているとともに、該これらのモノフィラメントは150デニール以上1000デニール以下であることを特徴とするダスト等吸着用ネット。
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