JP3959413B2 - 弾性系塗膜の非破壊検査による膜厚測定方法及び膜厚計 - Google Patents

弾性系塗膜の非破壊検査による膜厚測定方法及び膜厚計 Download PDF

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本発明は、例えば、弾性系の防水塗料、防音塗料、防振塗料等の塗布によって形成される弾性系塗膜の非破壊検査による膜厚測定方法とそれに用いる膜厚計に関する。
例えば建設現場で施工される防水工法のうち塗膜防水工法は、コンクリート等の下地に弾性系の防水塗料を塗布するだけでシームレスな防水層を形成し、下地にひび割れが発生しても、材料性能により防水性を保持しながらひび割れに追従する工法として知られている。
この塗膜防水工法の防水性能は、下地挙動への追従性に集約され、追従性は、同一材料であれば塗膜の厚みに依存する。表1は、膜厚によって下地のひび割れへの追従幅がどのように変わるかを調べた実験結果を示す。
Figure 0003959413
実際の建造物のひび割れでは、温湿度や疲労条件も加わり、表1に示した実験結果の半分以下に低下すると思われ、材料自身の性能がいくら優れていても現場で施工される塗膜の厚みが保証されない限り意味がないことになる。従って、施工にあたっては、この厚み管理が重要となる。また、この場合に必要なのは正確な厚みよりも、むしろ十分な厚みが確保されているか否かの下限管理であると考えられる。
塗膜の厚み管理方法としては、
(1)防水塗料の使用量と施工面積とから塗膜の膜厚を計算する方法。
(2)施工直後の塗布面にゲージを挿入して液厚(乾燥により塗膜が形成される前の状態での厚み)を測定する方法。
(3)塗膜を部分的に切り取ってノギス等で直接測定する方法。
(4)塗膜に針を突き刺して下地まで到達したときの針のストロークを計測する方法(特許文献1)。
(5)超音波を照射し、膜表面と下地面との反射波の時間差を利用して塗膜の膜厚に換算する方法(特許文献2)。
などが知られている。
使用された塗布量から膜厚を測定する(1)の方法では、測定したい部位毎の厚みを知ることができないし、(2)の液厚測定方法では、乾燥後の実膜厚と関連付けなければならず、塗布作業に連続ないしは並行して測定作業を行わねばならないといった問題点がある。また、(3)や(4)の測定方法では、何れも破壊検査となるから測定部位毎に防水層の修復が必要であるという問題点がある。上記諸方法のうち、(5)の超音波式の膜厚測定方法は、コンクリート下地で施工後の非破壊検査を可能とする唯一の方法である。
この超音波式の膜厚測定方法は、塗膜表面が十分に平滑であれば、材種毎にパラメータを設定するなど若干の手間がかかるが、防水層(塗膜)を全く傷つけることなく、絶対厚みを測定することができる。
しかし、それほどの仕上がり精度が要求されない防水用途では、一般に、測定で要求される平滑度が現場での仕上がり精度を上回っており、測定に必要な平滑面を得ることは容易ではなく、コストも相俟って汎用面で満足のいくものとは言い難い。さらに現場での混合作業による材料面での微妙なバラツキや配合バランスの崩れ等は、所定の厚みであっても性能発現が不十分な場合を生じさせるが、超音波式の膜厚測定方法による絶対厚みの測定は、こうしたケースを考慮した管理指標とはなり得ない。
このため、現状では、塗膜の厚み管理がなされる事例は殆どなく、塗装仕上げの如く薄く施工された防水層ゆえの不具合が、塗膜防水工法全体の信頼性低下を招いている。
特開2001−221602号公報 特開平9−42950号公報
上記の現状に鑑み、本発明者は、測定対象となる塗膜がゴム弾性を有しているので、塗膜を押した時のへこみ具合のような、もっと実感できる簡易な尺度で、健全な厚みかどうかを判定できないかについて検討した。そして、ゴム硬度計(デュロメータ)の機構を利用して、多くの実験を繰り返した結果、弾性系塗膜の厚みが薄い場合、後述する表3に示すとおり、実膜厚は、一定荷重をかけた時の変形量(へこみ量)から高度に一次回帰できるという事実を知見した。
即ち、市販のゴム硬度計では、ゴムの硬さは、バネにより突出付勢された突起をゴムに押し付けた時の変形量(へこみ量)で評価される。これからすると、へこみ量はゴムの厚みには依存せず、硬度の代用特性となっているようであるが、これは、一定以上の厚さを有したゴム材料について言えることであり、表2に示すように、塗膜防水工法による防水層のような比較的厚みの小さい範囲においては、指示値(硬度計の読値)が変化するので、硬度計の測定対象として適さない領域があり、この領域では、へこみ量がゴムの厚みに依存し、膜厚計として適用可能であるという事実を知見したのである。
Figure 0003959413
本発明は、上記の知見に基づいてなされたもので、その目的とするところは、成膜後の非破壊検査により弾性系塗膜の膜厚を簡単に確認できる測定方法と、それに用いるのに好適な膜厚計を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、次のとおりである。即ち、請求項1に記載の発明による弾性系塗膜の非破壊検査による膜厚測定方法の特徴は、施工前に準備される仕様確認用の塗り見本板を活用したり、あるいは現場で一部抜取りを行って、実膜厚とへこみ量の関係を既知としておき、しかる後、弾性系塗膜にバネを介して突起を押し付け、バネによる加圧力と弾性系塗膜の反発力が釣り合った状態での弾性系塗膜のへこみ量から実膜厚を推定することにある。
弾性系塗膜としては、例えば、塗膜防水工法に用いる弾性系の防水塗料で構成される塗膜の他、防音塗料や防振塗料のうち測定時に弾性を有するもの、床用弾性塗料等の塗布によって形成される弾性系塗膜の何れであってもよい。
請求項2に記載の発明による膜厚計は、上記の膜厚測定方法に用いる膜厚計であって、片手で握り持つことが可能な寸法の本体の底面に突設された筒部と、筒部の先端加圧面から出没自在で且つ本体内部のバネによって突出付勢された先端が平面の突起と、突起による弾性系塗膜のへこみ量を表示する表示部とを備えていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明による膜厚計は、請求項2に記載の膜厚計であって、突起の先端径が1〜3mmに設定され、バネによる最大加圧力が4kgf以下に設定され、指示値ゼロの状態におけるバネ荷重が1.5kgf以上に設定されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明による膜厚計は、請求項2又は3に記載の膜厚計であって、筒部の周りに、当該筒部の先端加圧面と面一の先端加圧面を有する加圧面積拡張用アタッチメントを着脱自在に取り付けたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、例えば施工前に準備される仕様確認用の塗り見本板を活用したり、あるいは現場で一部抜取りを行って、実膜厚とへこみ量の関係を既知としておき、しかる後、測定したい部位毎に、突起で膜面に押し付けて変形させるだけで、所定の厚みが施工されているかどうかを判断することができる。
従って、任意の箇所の膜厚が非破壊検査で簡易に何度でも測定できることになり、弾性系塗膜の厚み管理による塗膜防水工法の施工品質や信頼性向上等に寄与し得るのである。
また、実際の弾性系塗膜は、その配合バランスが崩れたり、温度条件によって、塗膜自体の柔軟性が変化して測定値に影響を及ぼすことが考えられるが、防水用途である場合、前者については、結果として塗膜の柔軟性が低下して下地追従性が低下した場合のみに配慮すればよいわけであり、この場合のへこみ量は小さく、つまり、実膜厚を過小評価するため、安全側の評価となり、実用上の問題とはならない。後者についても、実際に使用される雰囲気温度の範囲内で大きく柔軟性が変化するような材料は防水材として不適当と考えるべきであり、これも問題としては除外されることになる。即ち、単に厚みの絶対値を測定していないことにより、逆に、配合のバラツキ等を考慮した有効厚みの評価が可能になるものと考えられる。
請求項2に記載の発明による膜厚計によれば、加圧部の形状が、本体底面に筒部を突設し、筒部の先端中央に突出付勢された突起を設けた形状であるから、現場の狭小な部位や平滑度の低い面でも局所的に押圧することができるばかりでなく、筒部の先端加圧面が塗膜に接するまで押し付けられた状態において、本体底面と塗膜表面との間に、筒部の軸長に相当する隙間が形成されることになるから、筒部の先端加圧面が塗膜に接する状態まで押し付けられているかどうかを目視で確認しやすく、測定結果に個人差が生じ難い。しかも、突起の先端が平面であるから加圧時の安定性が良く、つまり、塗膜表面にめり込むにつれて指示値が変化するような虞がなく、安定した測定が可能である。
殊に、筒部の先端加圧面に朱肉等をつけておき、膜面に筒部の先端形状が正確に押印されたことを確認した上で、表示部の指示値を読むようにすれば、個人差やラフな測定によるバラツキがなくなり、一層正確な測定が可能である。
請求項3に記載の発明によれば、突起の先端径が1〜3mmに設定され、バネによる最大加圧力が4kgf以下に設定されているので、人が片手で押圧しても塗膜が十分にへこみ、現場での繰り返し作業が容易であり、それでいて突起で弾性系塗膜を損傷することもない。即ち、片手で繰り返し押圧することを前提とすると、バネによる最大加圧力は4kgfまでが実用上の限界であり、それ以上に大きいと、片手で繰り返し押圧する作業は困難である。また、突起の先端径が1mm以下であれば、たとえ突起の先端が平面であっても突起が弾性系塗膜を容易に貫通して非破壊検査にならないし、3mm以上であれば、突起による塗膜表面のへこみが不十分となって指示値にバラツキが生じるが、突起の先端径が1〜3mmであれば、このような不都合を回避できることになる。
また、指示値ゼロの状態におけるバネ荷重が1.5kgf以上に設定されているので、本体を握り持って塗膜に押圧するという人為操作であるにもかかわらず、バネ(突起)による加圧力と弾性系塗膜の反発力が釣り合うまでの緩和時間をゼロないしはそれに限りなく近づけることが可能である。
即ち、緩和時間は押付け速度に比例して小さくなるが、例えば、突起の先端径が2mm、バネによる最大加圧力が4kgfの設定では、指示値ゼロの状態におけるバネ荷重がゼロであると、緩和時間をゼロにするためには、2mm/min以下の速度にする必要があることを、変位制御の力学試験機により別途確認している。しかし、現場での活用を前提
にした場合、上記の人為操作では、たとえどんなにゆっくり操作しても、押付け速度は、せいぜい1ストローク/sec程度であり、突起のストロークが例えば2.54mmとすると、2.54mm/sec=152.4mm/min程度以上となる。従って、2mm/minといった超低速度で押付け操作することは実際上、不可能に近い。この点、指示値ゼロの状態におけるバネ荷重が1.5kgf以上に設定されていると、換言すれば、バネに、予め、1.5kgf以上の負荷をかけておくことで、その間の緩和が解消され、緩和時間をゼロないしはそれに限りなく近づけることができるのである。
請求項4に記載の発明によれば、測定対象とする弾性系塗膜が軟らかくて、筒部の先端加圧面で押圧されることにより塗膜が局部的に凹入変形する場合、筒部の周りに加圧面積拡張用アタッチメントを取り付けることで、塗膜表面と接する筒部の実質的な加圧面積を拡張して、筒部先端の加圧による塗膜の凹入変形を防止することができる。従って、測定対象とする弾性系塗膜の軟らかさに応じて加圧面積拡張用アタッチメントを着脱することで、精度の良い測定が可能である。
以下、本発明に係る弾性系塗膜の非破壊検査による膜厚測定方法及び膜厚計を図面に基づいて説明する。
図1、図2は、本発明に係る膜厚計Aの一例を示す。この膜厚計Aは、ゴム硬度計(デュロメータ)の機構を利用して構成したもので、片手で握り持つことが可能な寸法の本体1の底面に突設された円筒状の筒部2と、筒部2の先端加圧面(基準面)の中央から出没自在で且つ本体1内部のバネ3によって突出付勢された先端が平面の突起(押針)4と、突起4による塗膜のへこみ量を表示する表示部5とを備えている。
表示部5には、目盛板(目盛は実膜厚の絶対値ではなく、塗膜のへこみ量に対応する管理値を表示している)6と、指針7と、一方向へのみ指針7に追従移動して最大値をホールドする置針8とが設けられており、目盛板6の外周は、目盛板6に沿って位置調節可能な許容下限値表示用のリミッタ9が設けられている。10は指針復帰用の摘みである。突起4はスピンドル11の先端を円錐台形状に形成したもので、スピンドル11と表示部5の指針7との間には、スピンドル11の軸芯方向への直線運動を指針回転軸の回転運動に変換するためのラック及びピニオンと増速用(運動量拡大用)ギヤ等からなる指針駆動機構(ダイヤルゲージ機構)12が設けられている。
突起4の先端径は1〜3mm(好ましくは2mm)に設定され、バネ3による最大加圧力は4kgf以下(好ましくは3.5kgf)に設定され、指示値ゼロの状態におけるバネ荷重は1.5kgf以上(好ましくは2kgf)に設定されている。筒部2の直径は10mmに設定され、突起4のストローク(筒部2の先端からの突出距離)は2.54mmに設定されている。
次に、上記の膜厚計Aを用いた弾性系塗膜塗(この実施形態では、コンクリート下地Cに塗布した弾性系の防水塗料によって形成された防水層である。)Bの非破壊検査による膜厚測定方法を、図3〜図7に基づいて説明する。
先ず、図1に示すように、リミッタ9を許容下限値の位置に合せておく一方、図3、図7の(A)に示すように、筒部2をスタンプパッド13に押し付ける等して、筒部2の先端加圧面に朱肉等(弾性系塗膜Bと異なる色)を付ける。この状態で、図4、図5、図7の(B),(C)に示すように、膜厚計Aを弾性系塗膜Bに筒部2の先端加圧面が膜面に密着するまで押し付ける。この場合、筒部2の先端加圧面をできるだけスムーズに膜面に密着させるには、図7の(B)に示すように、斜めから起こすように押し付けることが望
ましい。
上記の構成によれば、加圧部の形状が、本体1の底面に筒部2を突設し、筒部の先端加圧面の中央に突出付勢された突起4を設けた形状であるから、現場の狭小な部位や平滑度の低い面でも局所的に押圧することができるばかりでなく、筒部2の先端加圧面が塗膜Bに接するまで押し付けられた状態において、本体底面と塗膜表面との間に、筒部2の軸長に相当する隙間が形成されることになるから、筒部2の先端加圧面が塗膜Bに接する状態まで押し付けられているかどうかを目視で確認しやすい。
筒部2の先端加圧面を弾性系塗膜Bに押し付けた状態においては、図5、図7の(C)に示すように、前記バネ3による加圧力と弾性系塗膜Bの反発力とが釣り合うまで突起4が弾性系塗膜Bに変形を与え、その変形量に相当する目盛まで指針7及び置針8が回転する。
この場合、突起4の先端径が1〜3mm(好ましくは2mm)に設定され、バネ3による最大加圧力が4kgf以下(好ましくは3.5kgf)に設定されているので、人が片手で押圧しても弾性系塗膜Bが十分にへこみ、それでいて現場での繰り返し作業も容易であり、突起4の先端が平面で且つ先端径が1〜3mm(好ましくは2mm)であるため、突起4で弾性系塗膜Bを損傷することもない。
因みに、突起4の先端が球面であると加圧時の安定性が悪く、塗膜表面にめり込むにつれて指示値が変化するが、突起4の先端を平面とすることにより、安定性が向上する。また、突起4の先端が平面の場合は、先端径が3mm以上あると突起4による弾性系塗膜Bのへこみが不十分になるから、荷重的には先端径が小さい方が有利であるが、突起4の先端径が1mm以下では、弾性系塗膜Bを貫通しやすいことが実験により確認されている。
また、指示値ゼロの状態におけるバネ荷重が1.5kgf以上(好ましくは2kgf)に設定されているので、本体1を握り持って塗膜Bに押圧するという人為操作(押付け速度が1ストローク/sec程度)であるにもかかわらず、突起4による加圧力と塗膜Bの反発力が釣り合うまでの緩和時間をゼロないしはそれに限りなく近づけることが可能である。
筒部2の先端加圧面による押付け状態を解くと、図6、図7の(D)に示すように、膜面に朱肉等の跡Mが残る。指針7はバネ3の力によってゼロ点に復帰するが、置針8が最大値をホールドしており、置針8の示す値(塗膜の実膜厚に対応するへこみ量)から膜厚を測定できる。つまり、例えば施工前に準備される仕様確認用の塗り見本板を活用したり、あるいは現場で一部抜取りを行って、実膜厚とへこみ量の関係を把握しておけば、測定したい部位毎に、突起4で膜面に押し付けて変形させるだけで、所定の厚みが施工されているかどうかを判断することができる。
殊に、膜面に押印された筒部2の先端形状(朱肉等の跡M)を見て、筒部2の先端形状が正確に押印されたことを確認した上で、表示部5の指示値を読むようにすれば、バラツキのない正確な測定が可能である。
即ち、膜面に朱肉等の跡Mを残すことにより、筒部2の先端加圧面が膜面に密着したか否かを客観的に確認できるので、筒部2の先端形状が正確に押印されたことを確認したときのみ表示部5の指示値を読むことによって、個人差や連続測定作業時のラフな操作による測定データのバラツキが改善され、実大試験による精度確認の結果を示す表3のとおり、へこみ量から想定できる膜厚が相関レベルから代用特性レベルへと向上し、へこみ量から膜厚を推定することが可能である。尚、表3は、突起4の先端径を2mm、バネ3によ
る最大加圧力を3.5kgf、指示値ゼロの状態におけるバネ荷重を2kgfに設定して実大試験を行った際の結果を示している。
Figure 0003959413
図8は、本発明に係る膜厚計Aの他の例を示す。この膜厚計Aは、前記筒部2の周りに、当該筒部2の軸長と等しい軸長で、且つ、当該筒部2の直径に対応する内径の貫通孔aと、当該筒部2の先端加圧面と面一の先端加圧面bを有する円筒状の加圧面積拡張用アタッチメント13を着脱自在に取り付けた点に特徴がある。図示の加圧面積拡張用アタッチメント13は、永久磁石で構成されており、必要に応じて筒部2に套嵌し、磁力により本体1の底面に吸着固定して用いるように構成されているが、ねじ止め、粘着テープ止め、接着など他の手段によって固定するようにしてもよい。その他の構成は先の実施形態と同一であるため説明を省略する。
上記の構成によれば、図9の(A)に示すように、測定対象とする弾性系塗膜Bが軟らかくて、筒部2の先端加圧面で押圧されることにより塗膜Bが局部的に凹入変形して、突起4による塗膜Bのへこみ量と膜厚との間に精度の良い関係が得られない場合、図9の(B)に示すように、筒部2の周りに円筒状の加圧面拡張用アタッチメント13を取り付けることで、塗膜表面と接する筒部2の実質的な加圧面積を拡張して、筒部2先端の加圧による塗膜Bの局部的な凹入変形を防止することができる。従って、上記の膜厚計Aを用いれば、測定対象とする弾性系塗膜Bの軟らかさに応じて加圧面積拡張用アタッチメント13を着脱することで、精度の良い測定が可能である。
尚、上記の各実施形態では、弾性系塗膜塗膜Bとして、塗膜防水工法における防水層を例にとって本発明を説明したが、本発明が適用される弾性系塗膜Bとしては、例えば、防音塗料や防振塗料のうち測定時に弾性を有するもの、床用弾性塗料等の塗布によって形成
される弾性系塗膜の何れであってもよい。
また、上記の各実施形態では、膜厚計Aとして、機械的な指針駆動機構(ダイヤルゲージ機構)12を備えたアナログタイプのものを示したが、本発明は、突起(押針)4の変位量を機械的接触なしに電気的に検出するデジタルタイプの膜厚計Aとして実施することも可能であり、本発明は、図示の構造に限定されるものではない。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
本発明に係る膜厚計の一例を示す正面図である。 膜厚計の概略縦断面図である。 本発明に係る膜厚測定方法の手順説明図である。 図3に続く膜厚測定方法の手順説明図である。 図4に続く膜厚測定方法の手順説明図である。 図5に続く膜厚測定方法の手順説明図である。 図3〜図6に示した膜厚測定方法の手順に対応する要部の縦断面である。 本発明に係る膜厚計の他の例を示す一部破断正面図である。 加圧面積拡張用アタッチメントの作用を説明する図である。
符号の説明
1 本体
2 筒部
3 バネ
4 突起
5 表示部
6 目盛板
7 指針
8 置針
9 リミッタ
10 指針復帰用の摘み
11 スピンドル
12 指針駆動機構(ダイヤルゲージ機構)
13 加圧面積拡張用アタッチメント
A 膜厚計
B 弾性系塗膜

Claims (4)

  1. 施工前に準備される仕様確認用の塗り見本板を活用したり、あるいは現場で一部抜取りを行って、実膜厚とへこみ量の関係を既知としておき、しかる後、弾性系塗膜にバネを介して突起を押し付け、バネによる加圧力と弾性系塗膜の反発力が釣り合った状態での弾性系塗膜のへこみ量から実膜厚を推定することを特徴とする弾性系塗膜の非破壊検査による膜厚測定方法。
  2. 請求項1の膜厚測定方法に用いる膜厚計であって、片手で握り持つことが可能な寸法の本体の底面に突設された筒部と、筒部の先端加圧面から出没自在で且つ本体内部のバネによって突出付勢された先端が平面の突起と、突起による弾性系塗膜のへこみ量を表示する表示部とを備えていることを特徴とする膜厚計。
  3. 突起の先端径が1〜3mmに設定され、バネによる最大加圧力が4kgf以下に設定され、指示値ゼロの状態におけるバネ荷重が1.5kgf以上に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の膜厚計。
  4. 筒部の周りに、当該筒部の先端加圧面と面一の先端加圧面を有する加圧面積拡張用アタッチメントを着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の膜厚計。
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