JP3959324B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は透過型液晶パネルを用いる液晶プロジェクタ等の光学装置に係わり、特に、液晶パネルを冷却する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の複数のプリズムを用いた光学装置では、図2に示した液晶プロジェクタの投射レンズおよび液晶パネル部分の側面図に記載のように液晶パネルの温度上昇を抑えるために液晶パネル14、18、21の下方に軸流型の冷却ファン81を配置するのが一般的である。この場合ファンからの送風が、直接液晶パネル14、18、21(図示せず)に、あてられるので容易に上記液晶パネル14、18、21冷却できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示した従来の光学装置においては、装置の全体高さ寸法は、図2中に示した投射レンズ27および液晶パネル14、18、21部分の高さ寸法に加算される高さ寸法L2になる。またこの時、前記投射レンズ27の下方には有効活用しにくいスペース(デッドスペース)が生じてしまい、装置全体の高さ寸法の低減に不利である。
【0004】
本発明の目的は高さ寸法を低減し、装置の小型化に有効な光学装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、図1に示したように、投射レンズ27の側方にシロッコファンで構成される冷却ファン61を配置し、冷却ファン61からの送風を送風経路65を介して液晶パネル14、18、21に導く構成とすると共に、これとは別個に、光源部を冷却する軸流ファンで構成される第2の冷却ファンを設けることにより、小型化、薄型化に有効で高効率な冷却構成を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【0007】
図3は、本発明の第1の実施例の液晶プロジェクタの上面図である。
【0008】
光源である放電ランプ1からの照明光2は、放物面鏡のランプリフレクタ3、レンズ4、レンズ5を介して偏光変換素子6、第1レンズアレイ7、ミラー8、第2レンズアレイ9を介してダイクロイックミラー10に入射する。
【0009】
ダイクロイックミラー10は、R色光11が透過し、GおよびB色光12が反射する。R色光11は、ミラー13で反射され、R色光用液晶パネル14に入射する。GおよびB色光12は、G色光反射、B色光透過のダイクロイックミラー15に入射し、G色光16が反射し、B色光17が透過する。G色光16は、G色光用液晶パネル18に入射する。
【0010】
B色光17は、ミラー19、ミラー20を介して、B色光用液晶パネル21に入射する。
【0011】
液晶パネル14からのR透過光22と、液晶パネル18からのG透過光23と、液晶パネル21からのB透過光24は、クロスダイクロイックプリズム25により色合成され、色合成された出射光26を投写レンズ27によりスクリーン(図示せず)上に投写する。
【0012】
高温になる光源から発生する熱が光源以外の構成部品に影響を及ぼさなくするために、放電ランプ1、ランプリフレクタ3の近傍には、光源冷却用の排気ファン28が配置されており、液晶プロジェクタの筐体29の外に熱風30を排気する。また、放電ランプ1の近傍にはランプ電源31が配置される。
【0013】
本実施例では、色分離光学系として第1のダイクロイックミラー10、第2のダイクロイックミラー15、第1のミラー13、第2のミラー19、第3のミラー20をクロスダイクロイックプリズム25の周囲に備えるとともに、光源からの照明光の利用効率を向上させ、かつ均一な照明光を得るための光源である放電ランプ1とランプリフレクタ3とレンズ4とレンズ5、偏光変換素子6、オプティカルインテグレータ手段である第1レンズアレイ7、ミラー8、第2レンズアレイ9とを含む照明光学系と、光源用電源であるランプ電源31とを備えるとともに、投写レンズ27、クロスダイクロイックプリズム25、色分離光学系、照明光学系、ランプ電源31をこの順に配置してある。
【0014】
筐体29の中に投写レンズ27を収納する構成として、その筐体29、すなわち収納時の液晶プロジェクタの突起部を含む平面寸法が略A4ファイルサイズ以下の外形寸法とした。実施例の外形寸法は、奥行きが307mmで、幅が230mmである。
【0015】
なお、外形寸法の設定は、本実施例に限定されるものではなく、略A4ファイルサイズであれば良い。各種A4ファイルサイズについて調査した結果、最も小型のサイズは本実施例の230mm×307mmであるが、それよりも若干大きいサイズとしては243mm×307mm、最大のサイズとしては263mm×318mmであった。したがって、本発明ではA4ファイルサイズとして上記3種類のサイズを設定することにした。
【0016】
本実施例の構成の液晶プロジェクタによれば、広く一般に普及している収納棚やキャリングケースが利用できる外形寸法の液晶プロジェクタを得ることができる。
【0017】
なお、このサイズが小さい程、より技術的に実現が困難となるが、広く一般に普及している収納棚やキャリングケースがより多く利用できるようになるという効果がある。
【0018】
この外形寸法を実現するために、本実施例では、液晶パネルの表示画面サイズを0.9インチとしている。従来の液晶パネルの表示画面サイズの1.3インチに比べて0.9インチと小型な液晶パネルを使用することにより、投写レンズ27やクロスダイクロイックプリズム25が小型にでき、これに伴って色分離光学系も小型にできる。
【0019】
本実施例では、A4ファイルサイズを実現するために、液晶パネル表示面から投写レンズ先端までの距離を135mmとした。この距離を135mm以下とすることにより、最も小型なA4ファイルサイズを実現することができる。なお、より大きいA4ファイルサイズに対しては、この距離を146mm以下とすればそれを実現することができる。これは、A4ファイルサイズの長手寸法が大きいものが318mmで、小さいものが307mmで、その差が11mmであるからである。
【0020】
本実施例では、A4ファイルサイズを実現するために、色合成光学系としてクロスダイクロイックプリズム25を備えるとともに、クロスダイクロイックプリズム25の平面寸法を32mm×32mmとした。この寸法を、32mm×32mm以下とすれば、これに伴って色分離光学系をより小型にできる。
【0021】
なお、本実施例では液晶プロジェクタの奥行き寸法が幅寸法よりも大きい構成例を示したが、これに限定されるものではなく、幅寸法が奥行き寸法よりも大きい構成でもかまわない。
【0022】
図中61は、上記液晶パネル14、18、21を冷却するための冷却用のファンで、図にはブロアー型のシロッコファンを示してある。65は第一の送風ダクト、27は冷却用ヒートシンク、70は第三の送風ダクトである。
【0023】
図4、図5は上記実施例における液晶パネル14、18、21および前記投射レンズ27周囲の冷却構造を示す詳細斜視図である。図4は前記照明光学系方向からの斜視図を示し、図5は冷却ファン61方向からの斜視図である。また図6は前記冷却構造の送風構造を示す詳細斜視図である。以下図4、図5、図6を用いて前記液晶パネルの冷却構造を説明する。
【0024】
前述の冷却ファン61から排出された空気は、図中矢印111で示したように、前記第一の送風ダクト65を通り前記液晶パネル14、18、21の下方に案内される。この時第一の送風ダクト65内には、第一の案内板123、第二の案内板124、第三の案内板125が配置されており、前記矢印111の空気は、B色光用液晶パネル14用の送風112、G色光用液晶パネル18用の送風113、R色光用液晶パネル21用の送風114に分割されて各液晶パネルに案内され各液晶パネルを冷却する構成である。この時、各案内板123、124、125を適切に配置することで、一般に一番パネルの温度上昇が高いG色光用液晶パネル18用の送風113に、最大の送風量または風速が導かれるように配置し、次に温度上昇が高いB色光用液晶パネル14用の送風112およびあまり温度上昇の高くないR色光用液晶パネル21用の送風114に分割し送風することで、各液晶パネルの温度上昇値をほぼ均等化できる構成である。すなわち冷却用空気は、図4中に示した導風口91、92、93(図示せず)を通り、図6中矢印115、116、117(図示せず)のように各液晶パネル14、18、21を冷却する構成である。
【0025】
さらに上記冷却用空気は、第二の送風ダクト101を通り、第二の送風ダクト101の内外壁に設けた冷却用ヒートシンク27により放熱され、さらに第三の送風ダクト70を通り、第四の送風ダクト71を通り、前記冷却ファン61に戻される構成である。この時前述の送風ダクト65、101、70、71は液晶パネル14、18、21および冷却ファン61を密閉した構造になっている。このため外部からのゴミの進入を防ぎ液晶パネル面上にゴミが付着しスクリーン上にゴミが照射されるという不良を防ぐことができるものである。また以上の冷却構造は、装置の薄形化のためには特に密閉構造である必要はなく、液晶パネル面上に別途ゴミよけガラスを貼り付けた構成でもゴミの対策は可能である。
【0026】
また上記第1の実施例においては、冷却ファン61からの送風を案内板123、124、125により分割しているが、これは3本パイプ等で分割する構造であっても同様の効果が得られる。
【0027】
図7は、本発明の第2の実施例の液晶プロジェクタの上面図である。
【0028】
光源である放電ランプ1からの照明光2は、放物面鏡のランプリフレクタ3、レンズ4、レンズ5を介して偏光変換素子6、第1レンズアレイ7、ミラー8、第2レンズアレイ9を介してダイクロイックミラー40に入射する。
【0029】
ダイクロイックミラー40は、R色光41が反射し、GおよびB色光42が透過する。R色光41は、ミラー13で反射され、R色光用液晶パネル14に入射する。GおよびB色光42は、G色光反射、B色光透過のダイクロイックミラー15に入射し、G色光16が反射し、B色光17が透過する。G色光16は、G色光用液晶パネル18に入射する。
【0030】
B色光17は、ミラー19、ミラー20を介して、B色光用液晶パネル21に入射する。
【0031】
液晶パネル14からのR透過光22と、液晶パネル18からのG透過光23と、液晶パネル21からのB透過光24は、クロスダイクロイックプリズム25により色合成され、色合成された出射光26を投写レンズ27によりスクリーン(図示せず)上に投写する。
【0032】
高温になる光源から発生する熱が光源以外の構成部品に影響を及ぼさなくするために、放電ランプ1、ランプリフレクタ3の近傍には、光源冷却用の排気ファン43が配置されており、液晶プロジェクタの筐体44の外に熱風45を排気する。
【0033】
また、放電ランプ1の近傍にはランプ電源31が配置される。
【0034】
色分離光学系として第1のダイクロイックミラー40、第2のダイクロイックミラー15、第1のミラー13、第2のミラー19、第3のミラー20をクロスダイクロイックプリズム25の周囲に備えるとともに、光源からの照明光の利用効率を向上させ、かつ均一な照明光を得るための光源である放電ランプ1とランプリフレクタ3とレンズ4とレンズ5、偏光変換素子6、オプティカルインテグレータ手段である第1レンズアレイ7、ミラー8、第2レンズアレイ9とを含む照明光学系と、光源用電源であるランプ電源31とを備えるとともに、投写レンズ27、クロスダイクロイックプリズム25、色分離光学系の並びと、照明光学系、ランプ電源31をこの順に配置してある。
【0035】
図7に示した実施例においては、前述の冷却ファン61は、前記第一の実施例と同じく投写レンズ27の側方に配置してあり基本構成は、前述の図4、5、6に示したものと同様である。この時、前記冷却ファン61は、前記ランプリフレクタ3の近傍に配置されるため熱の影響を受けやすいので断熱板60等を配置する必要があるが、装置全体を小型化できるここと高さ寸法を低減できる効果は同じである。
【0036】
筐体51の中に投写レンズ27を収納する構成として、その筐体51、すなわち収納時の液晶プロジェクタの突起部を含む平面寸法が略A4ファイルサイズ以下の外形寸法とした。実施例の外形寸法は、奥行きが230mmで、幅が307mmである。
【0037】
本実施例によれば、第1の実施例と同様に、広く一般に普及している収納棚やキャリングケースが利用できる外形寸法の液晶プロジェクタを得ることができる。
【0038】
なお、本実施例では、筐体51に対して投写レンズ27が奥に収納された構成となっており、液晶パネル表示面から投写レンズ先端までの距離を十分大きくすることができるという効果がある。一般に、この距離を大きくすることにより、投写レンズ設計の自由度が広がり、より高性能の投写レンズを得ることができるという効果がある。
【0039】
なお、幅寸法が奥行き寸法よりも大きい構成では、いろいろなレイアウトの変更が可能である。
【0040】
図8は、本発明の第3の実施例の液晶プロジェクタの上面図である。第2の実施例との違いは、排気ファン50等の部品のレイアウトを工夫して、筐体51に対して投写レンズ27を前側に移動した構成とした点である。高温になる光源から発生する熱が光源以外の構成部品に影響を及ぼさなくするために、放電ランプ1、ランプリフレクタ3の近傍には、光源冷却用の排気ファン50が横方向にずらして配置されており、液晶プロジェクタの筐体51の外に熱風52を排気する。
【0041】
本実施例の場合は、前記冷却ファン61を投写レンズ27の側面でランプリフレクタ3と反対側に配置することにより前記のランプリフレクタ3からの熱の影響を受けることなく前記液晶パネル14、18、21を効率良く冷却可能である。またこの時前記液晶パネルの冷却構造は、前記第1、第2の実施例とは左右反転した構成であるが基本構造は同様である。さらに、前記排気ファン50は、図中50'で示したようにブロアー型のファンを用いた場合にはても効果は同じである。
【0042】
また本実施例によれば、筐体51の後ろ側に空きスペースを作ることができ、回路部品等のレイアウト設計の自由度が広がり、より高性能かつ高機能の回路を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液晶プロジェクタ等光学装置の高さ寸法を最小限に抑えられるとともに、平面外径寸法もA4ファイルサイズ以下の小型化が可能となる。特に、省スペース内にファンを配置でき、複数の液晶パネルを非常に高効率にほぼ均等な温度に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の液晶プロジェクタの液晶パネル周辺の側面図である。
【図2】従来の液晶プロジェクタの液晶パネル周辺の側面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の液晶プロジェクタの上面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の液晶プロジェクタの冷却構造の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例の液晶プロジェクタの冷却構造の斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例の液晶プロジェクタの冷却構造の下方詳細斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例の液晶プロジェクタの上面図である。
【図8】本発明の第3の実施例の液晶プロジェクタの上面図である。
【符号の説明】
1…放電ランプ、2…照明光、3…ランプリフレクタ、4…レンズ、5…レンズ、6…偏光変換素子、7…第1レンズアレイ、8…ミラー、9…第2レンズアレイ、10…ダイクロイックミラー、11…R色光、12…GおよびB色光、13…ミラー、14…液晶パネル、15…ダイクロイックミラー、16…G色光、17…B色光、18…液晶パネル、19…ミラー、20…ミラー、21…液晶パネル、22…R透過光、23…G透過光、24…B透過光、25…クロスダイクロイックプリズム、26…出射光、27…投写レンズ、28…排気ファン、29…筐体、30…熱風、31…ランプ電源、40…ダイクロイックミラー、41…R色光、42…GおよびB色光、43…排気ファン、44…筐体、45…熱風、50…排気ファン、51…筐体、52…熱風、61…冷却ファン、65…第一の送風ダクト、101…第二の送風ダクト、70…第三の送風ダクト、71…第四の送風ダクト、123…第一の案内板、124…第二の案内板、125…第三の案内板。
Claims (1)
- 光源と、
前記光源の光を分離する色分離系光学系と、
分離された光を変調する複数の液晶パネルと、
3面を前記複数の液晶パネルと隣接し、前記複数の液晶パネルが出射した光を合成するクロスダイクロプリズムと、
前記クロスダイクロプリズムで合成された光を投射する投射レンズと、
シロッコファンと、
前記シロッコファンからの冷却風を前記複数の液晶パネルに送風するための送風路を構成するダクトと、
前記ダクト内であって前記クロスダイクロプリズムの下方に設けられ、前記送風路の送風方向に対して前記送風路を上下方向に分割すると共に、前記複数の液晶パネルへの風量又は風速を制御する複数の案内板とを有し、
前記案内板は、前記複数の液晶パネルの内の一方の液晶パネルに比較して他方の液晶パネルへの風速又は風量を増大するように前記送風路を分割し、
前記送風路は、前記シロッコファンから前記複数の液晶パネルの下方まで至り、前記シロッコファンからの冷却風は、前記複数の液晶パネルの下方から上方に向かって送風されることを特徴とする光学装置。
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