JP3959313B2 - 焼却残渣の溶融処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみおよび/または産業廃棄物の焼却残渣を溶融する焼却残渣の溶融処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市ごみおよび/または産業廃棄物の焼却残渣はダイオキシン類の低減の観点から、灰を溶融する灰溶融炉により1400℃以上の高温で溶融処理されることが多くなっている。灰を溶融する灰溶融炉では、灰の融点である1300℃程度以上の高温度を維持し続ける必要があるから、この灰溶融炉を構成する耐火物の消耗が激しく、溶融炉の補修頻度が多くなる傾向がある。そのため、このような灰溶融炉の場合には、溶融スラグに対して耐食性を有するクロム系の耐火物が使用されている。
【0003】
しかしながら、クロム系の耐火物は、例えば文献の耐火物45、[11](1993)に示されているように耐スポーリング性に劣るため、昇温速度は従来の耐火物よりも低くなる。このように、補修、昇温を定期的に行う必要がある灰溶融炉により、焼却残渣を安定的に溶融処理するために、予備灰溶融炉を設置し、これら溶融炉を交互に稼動させることが多い。
【0004】
焼却残渣の溶融処理システムとしては、例えば特開平11−244653号公報(従来例1)や特開平11−61232号公報(従来例2)に開示されてなるものが公知である。以下、これら公報に開示されてなる従来例1および従来例2に係る技術を、添付図面を参照しながら、同公報に記載されている同一名称並びに同一符号を以って説明する。
【0005】
前者の従来例1は直流電気抵抗式の灰溶融炉の排ガス処理装置であって、この灰溶融炉の排ガス処理装置は、そのフローシートを示す図の図4に示すように構成されている。即ち、灰溶融炉1から排出される排ガス12中のCOガスを燃焼させるCOガス燃焼器2と、COガス燃焼器2から排出される排ガス中に水を噴霧して冷却するガス冷却器3を備えている。また、ガス冷却器3から排出される排ガスを導入し、上から消石灰または消石灰スラリを降らせて排ガス中のHClガスを中和して除去すると共に、排ガス中のダストを消石灰に付着させて除去するHCl除去反応器4と、HCl除去反応器4から排出される排ガスを導入してダストを除去するバグフィルタ5とを備えている。なお、符号6は誘引送風機であり、また符号7は煙突である。
【0006】
後者の従来例2は高温炉の操業方法で、高温炉の操業方法の説明図の図5に示すように構成されている。これは、1000℃以上の高温炉内で被処理材を高温処理する際に、排ガス中に発生するダイオキシン類を効果的に低減するようにしたものである。詳しくは、1000℃以上の高温炉10内で被処理材を高温処理すると共に、高温炉10の排ガス出口28からの排ガスをブロワ33によりダクト26内に吸入したうえ外部に排出するに際し、排ガス出口28とダクト26との間に隙間32を形成してダクト26内に排ガスと併せて炉外の大気を吸入させることにより高温炉10からの排ガスを急速冷却する。また、このとき大気の吸入量を、排ガス温度が少なくとも1秒以内で400℃以下まで温度降下する吸入量とする。なお、符号36は水冷により排ガスを冷却する冷却塔、符号40はバグフィルタ、符号42はスタックである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、予備灰溶融炉に減温塔(調温設備)や排ガス工程および誘引送風機等の全てを予備設備として配設すると、溶融処理システム自体の設備コストが嵩むのに加えて、その設置スペースが膨大になるという問題が生じる。また、電気式溶融炉や酸素バーナ式溶融炉においては、燃焼方式に比較して、焼却残渣を溶融する常用運転において排ガス量が少ないにもかかわらず、耐火物乾燥運転は燃焼方式で行われるために排ガス量が増加するが、排ガス処理設備で薬剤噴霧等を行う必要がない。より具体的には、耐火物乾燥運転では溶融炉から排出される排ガスを排ガス処理設備に通す必要がなく、圧損が少ないから風圧は低圧で良い。そのため、常用運転と、耐火物乾燥運転とを同一の誘引送風機で行おうとすると、サージング等が問題となる。上記従来例1や従来例2には、上記のとおり、溶融プロセスが提案されているが、予備灰溶融炉の運転方法については何ら記載されていない。
【0008】
従って、本発明の目的は、設備コストや設置スペースの増大を来たすことがなく、しかもサージング等を発生させることなく耐火物乾燥運転を行うことを可能ならしめるようにした焼却残渣の溶融処理システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従って上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る焼却残渣の溶融処理システムが採用した手段は、都市ごみおよび/または産業廃棄物の焼却残渣を溶融する焼却残渣の溶融処理システムにおいて、前記焼却残渣を溶融する溶融炉と排ガスの温度を調温する調温装置とを含む複数の溶融・調温設備と、これら溶融・調温設備から排出される排ガスを処理する共用の排ガス処理設備と、複数のダンパの切換操作により、前記複数の溶融・調温設備の溶融炉内の高温の空気を前記共用の排ガス処理設備を介すことなく個別に誘引して前記溶融炉における耐火物を乾燥させるための耐火物乾燥用送風機とを具備してなることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2に係る焼却残渣の溶融処理システムが採用した手段は、請求項1に記載の焼却残渣の溶融処理システムにおいて、前記耐火物乾燥用送風機は、前記溶融炉の炉内温度の昇温用送風機であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項3に係る焼却残渣の溶融処理システムが採用した手段は、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の焼却残渣の溶融処理システムにおいて、前記共用の排ガス処理設備の設置数は、前記溶融・調温設備の設置数より少数であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項4に係る焼却残渣の溶融処理システムが採用した手段は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の焼却残渣の溶融処理システムにおいて、前記溶融炉は、酸素バーナ式溶融炉または電気式溶融炉のうちの何れかであることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項5に係る焼却残渣の溶融処理システムが採用した手段は、請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の焼却残渣の溶融処理システムにおいて、前記排ガス処理設備は、排ガスを誘引するための誘引送風機を備え、前記耐火物乾燥用送風機は、前記誘引送風機の1/2以下の風圧、かつ1.5倍以上の風量の送風性能を備えてなることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システムを、その排ガス処理フローを示すブロック図の図1を参照しながら説明する。
【0015】
図1に示す符号1は、本実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システムである。この溶融処理システム1は、焼却残渣を溶融する常用運転を行うための後述する常用系列と、耐火物を乾燥させる耐火物乾燥運転を行うための後述する予備系列とから構成されている。前記常用系列は、都市ごみおよび/または産業廃棄物の焼却残渣を溶融する溶融炉21と、この溶融炉21から排出される排ガスの温度を調温する調温装置である減温塔22とからなる溶融・調温設備2を備えている。また溶融・調温設備2から排出される排ガスを処理する排ガス処理設備3を備えている。この排ガス処理設備3は、前記減温塔22で調温された排ガス中に含まれているダストを除去するバグフィルタ31と、誘引送風機32とから構成されている。そして、排ガス処理設備3から排出された処理ガスは煙突4から排出されるように構成されている。なお、前記バグフィルタ31を、周知のスクラバーに置換することができる。
【0016】
前記予備系列は、溶融炉51と、この溶融炉51から排出される排ガスの温度を調温する調温設備である減温塔52とからなる予備溶融・調温設備5を備えている。また、この予備溶融・調温設備5から排出される排ガスを誘引することにより、溶融炉51の耐火物を乾燥させる耐火物乾燥用送風機6を備えている。
この耐火物乾燥用送風機6は、前記誘引送風機32の1/2以下の風圧、かつ1.5倍以上の風量の送風性能を備えている。そして、この耐火物乾燥用送風機6から排出された排ガスは前記煙突4から排出されるように構成される一方、予備溶融・調温設備5から排出される排ガスは、前記排ガス処理設備3へも導かれるように構成されている。なお、溶融炉としては、酸素バーナ式溶融炉と電気式溶融炉があるが、前記溶融炉21,51は何れの形式であっても良い。
【0017】
この溶融処理システム1の排ガス流路の下記装置間のそれぞれにはダンパDが配設されている。
▲1▼ 常用系列の減温塔22とバグフィルタ31の間(符号D
▲2▼ 常用系列の減温塔22と耐火物乾燥用送風機6の間(符号D
▲3▼ 予備系列の減温塔52と常用系列のバグフィルタ31の間(符号D
▲4▼ 予備系列の減温塔52と耐火物乾燥用送風機6の間(符号D
なお、常用系列の誘引送風機32と煙突4の間、および常用系列のバグフィルタ31と誘引送風機32の間にもダンパが配設される場合がある。
【0018】
本実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システム1によれば、常用運転と耐火物乾燥運転とは下記のように行われる。即ち、常用運転では、常用系列の減温塔22とバグフィルタ31の間のダンパDが開けられ、常用系列の減温塔22と耐火物乾燥用送風機6の間のダンパD、予備系列の減温塔52と常用系列のバグフィルタ31の間のダンパDおよび予備系列の減温塔52と耐火物乾燥用送風機6の間のダンパDが閉められている。
【0019】
従って、常用系列の溶融炉21から排出される1400℃の排ガスは減温塔22に導かれ、この減温塔22で200℃まで減温される。200℃まで減温された排ガスガスはバグフィルタ31に導かれてダストが除去された後に誘引送風機32を通じて煙突4に送られると共に、この煙突4から大気中に放出される。
この場合、排ガス処理設備3の圧損を考慮すると、誘引送風機32の必要風圧は300〜700mmAqである。
【0020】
常用系列における常用運転中において予備系列の溶融炉51の耐火物を乾燥させる耐火物乾燥運転では、予備系列の減温塔52と耐火物乾燥用送風機6の間のダンパDが開けられ、そして前記誘引送風機32の1/2以下の風圧になるように前記耐火物乾燥用送風機6が運転される。
【0021】
従って、予備系列の溶融炉51から排出される排ガスは減温塔52で300℃まで減温されると共に、耐火物乾燥用送風機6を通じて煙突4に送られて大気中に放出されるから、予備系列の溶融炉51の耐火物の乾燥が行われる。なお、溶融炉51から排出される排ガスの温度は最高1000℃程度である。このようにして予備系列の溶融炉51の耐火物の乾燥が終了すると、耐火物乾燥用送風機6の運転が停止されると共に、予備系列の減温塔52と耐火物乾燥用送風機6の間のダンパDが閉められる。
【0022】
ところで、耐火物乾燥用送風機6の送風性能を誘引送風機32の1/2以下の風圧に設定したのは、排ガス処理工程で薬剤噴霧等を行う必要がないため風圧は低圧で良いからである。また、耐火物乾燥用送風機6の送風性能を誘引送風機32の1.5倍以上の風量に設定したのは、燃焼方式で行われる耐火物の乾燥のために発生する大量の排ガスを効果的に排出することを狙いとしたものである。
さらに、大風量の耐火物乾燥用送風機6を設けることにより、誘引送風機3を通常の溶融運転に適した小風量にすることができ、サージングを防止することができるからである。
【0023】
次に、予備系列を常用運転すると共に、常用系列の溶融炉21の耐火物を乾燥させるための耐火物乾燥運転を説明する。即ち、常用系列の減温塔22とバグフィルタ31の間のダンパDが閉められると共に、常用系列の減温塔22と耐火物乾燥用送風機6の間のダンパD、および予備系列の減温塔52とバグフィルタ31の間のダンパ が開けられる。
【0024】
従って、常用系列の溶融炉21から排出される排ガスは減温塔22で減温された後に耐火物乾燥用送風機6を通じて煙突4に送られるので、常用系列の溶融炉21の耐火物乾燥運転が行われる。一方、予備系列の溶融炉51から排出される排ガスはバグフィルタ31、誘引送風機32を通じて煙突4に送られるので、予備系列で常用運転が行われる。本実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システム1の場合には、上記のようにして、常用系列と予備系列とで交互に常用運転と耐火物乾燥運転とが行われるものである。
【0025】
以上述べたように、本発明の実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システム1の予備系列は常用系列の排ガス処理設備3を使用する構成であって、耐火物乾燥用送風機6が配設されているだけの構成である。従って、本実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システム1によれば、溶融処理システム自体の設備コストの上昇を抑制することができるのに加えて、その設置スペースが膨大になるのを抑制することができる。また、前記耐火物乾燥用送風機6は、耐火物の乾燥に適した送風性能を備えた乾燥専用で、耐火物乾燥運転に際して発生する大量の排ガスの排出に対応することができ、しかも誘引送風機3は通常の溶融運転だけに合わせた風量にすることができるから、サージング等の不具合が発生するような恐れもない。
【0026】
ところで、耐火物乾燥運転をした後に一旦運転を停止し、その後に昇温して溶融運転を行う場合がある。この場合、溶融炉の炉内温度が1000℃の時に排ガス量が最大になるので、耐火物乾燥用送風機6を炉内温度の昇温用送風機として活用することにより、効果的に溶融炉の炉内温度の立ち上げ運転を行うことができるという効果を得ることができる。
【0027】
本発明の実施の形態2に係る焼却残渣の溶融処理システムを、その排ガス処理フローを示すブロック図の図2を参照しながら説明する。即ち、本実施の形態2に係る焼却残渣の溶融処理システム1は、上記実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システム1の常用系列と同構成になる常用系列がN列、つまり常用系列1、常用系列2、‥‥‥常用系列Nが設けられると共に、1つの予備系列が設けられてなる構成になっている。
【0028】
より具体的には、前記常用系列1は、溶融炉21と減温塔22とからなる溶融・調温設備2からダンパD11を通して、バグフィルタ31と誘引送風機32とからなる排ガス処理設備3に連通している。また、前記常用系列2は、溶融炉21と減温塔22とからなる溶融・調温設備2からダンパD12を通して、バグフィルタ31と誘引送風機32とからなる排ガス処理設備3に連通している。そして、前記常用系列Nは、溶融炉21と減温塔22とからなる溶融・調温設備2はダンパD1nを通して、バグフィルタ31と誘引送風機32とからなる排ガス処理設備3に連通している。勿論、前記予備系列は、溶融炉51と減温塔52とからなる予備溶融・調温設備5からダンパDを通して耐火物乾燥用送風機6に連通している。
【0029】
さらに、常用系列2,‥‥‥N、および予備系列の減温塔から隣接する系列のバグフィルタにダンパ(D12′、‥‥D1n′、D)を介して連通すると共に、常用系列1の減温塔22はダンパD21を介して、常用系列2の減温塔22はダンパD22を介して、常用系列Nの減温塔22はダンパD2nを介してそれぞれ耐火物乾燥用送風機6に連通している。なお、図2において、常用系列Nの減温塔22はダンパD1n′を介して常用系列2のバグフィルタ31に連通しているが、これは便宜上連通させたものである。つまり、実際には、常用系列Nの減温塔22nはダンパD1n′を介して図示しない常用系列(N−1)のバグフィルタに連通し、また常用系列2のバグフィルタ31には図示しない常用系列3の減温塔がダンパを介して連通するものである。
【0030】
本実施の形態2に係る焼却残渣の溶融処理システム1は、上記のとおり、N列の上記実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システム1の常用系列と同構成になる常用系列と、1系列の予備系列とからなっている。そして、ダンパの開閉操作により各常用系列の減温塔が耐火物乾燥用送風機6に連通するから、各常用系列の溶融炉から排出される排ガスを耐火物乾燥用送風機6に導くことができる。また、ダンパの開閉操作により予備系列の減温塔が常用系列のバグフィルタに連通するから、予備系列の溶融炉から排出される排ガスを常用系列の排ガス処理設備に導くことができる。従って、本実施の形態2は上記実施の形態1と同等の効果を得ることができる。
【0031】
本発明の実施の形態3に係る焼却残渣の溶融処理システムを、その排ガス処理フローを示すブロック図の図3を参照しながら説明する。即ち、本実施の形態3に係る焼却残渣の溶融処理システム1は、常用系列がN列、つまり常用系列1、常用系列2、‥‥‥常用系列Nが設けられると共に、1つの予備系列が設けられてなる構成になっている。
【0032】
より具体的には、前記常用系列1は、溶融炉21と減温塔22とからなる溶融・調温設備2からダンパD11を通してバグフィルタ31と誘引送風機32とからなる排ガス処理設備3に連通している。また、前記常用系列2は、溶融炉21と減温塔22とからなる溶融・調温設備2からダンパD12を通して、バグフィルタ31と誘引送風機32とからなる排ガス処理設備3に連通している。
そして、前記常用系列Nは、溶融炉21と減温塔22とからなる溶融・調温設備2はダンパD1nを通して、バグフィルタ31と誘引送風機32とからなる排ガス処理設備3に連通している。勿論、前記予備系列は、溶融炉51と減温塔52とからなる予備溶融・調温設備5からダンパDを通して耐火物乾燥用送風機6に連通すると共に、ダンパDを通して、バグフィルタ31と誘引送風機32とからなる排ガス処理設備3に連通している。
【0033】
本実施の形態3に係る焼却残渣の溶融処理システム1は、上記のとおり、N列の常用系列の溶融・調温設備と、1系列の予備系列と、ダンパの開閉操作によりこれら各系列の溶融・調温設備から排出される排ガスを処理する1系列の共用の排ガス処理設備とからなっている。そして、ダンパの開閉操作により各常用系列の減温塔が耐火物乾燥用送風機6に連通する一方、ダンパの開閉操作により予備系列の減温塔が共用の排ガス処理設備に連通するから、本実施の形態3は上記実施の形態1と同等の効果がある。さらに、本実施の形態3に係る焼却残渣の溶融処理システム1ではこの効果に加えて、上記のとおり、排ガス処理設備は1系列で共用であるから、溶融処理システム自体の設備コスト、その設置スペースに関しては、上記実施の形態2の場合よりも優れている。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1乃至5に係る焼却残渣の溶融処理システムでは、予備系列は常用系列の排ガス処理設備を使用する構成であって、耐火物乾燥用送風機が配設されているだけの構成である。
【0035】
従って、本発明の請求項1乃至5に係る焼却残渣の溶融処理システムによれば、溶融処理システム自体の設備コストの上昇を抑制することができるのに加えて、その設置スペースが膨大になるのを抑制することができる。また、耐火物乾燥用送風機は、耐火物の乾燥に適した送風性能を備えた乾燥専用で、耐火物乾燥運転に際して発生する大量の排ガスの排出に対応することができ、しかも誘引送風機は通常の溶融運転に合わせた風量であるからサージング等の不具合が発生するような恐れもない。
【0036】
本発明の請求項2に係る焼却残渣の溶融処理システムによれば、耐火物乾燥運転をした後に一旦運転を停止し、その後に昇温して溶融運転を行う場合に、下記のとおりの効果を得ることができる。即ち、耐火物乾燥用送風機を炉内温度の昇温用送風機として活用することにより、溶融炉の立ち上げ運転に際して、炉内温度が1000℃のときに溶融炉から排出される最大量の排ガスを効果的に排出することができる。従って、本発明の請求項2に係る焼却残渣の溶融処理システムによれば、効果的に溶融炉の炉内温度の立ち上げ運転を行うことができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る焼却残渣の溶融処理システムの排ガス処理フローを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る焼却残渣の溶融処理システムの排ガス処理フローを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る焼却残渣の溶融処理システムの排ガス処理フローを示すブロック図である。
【図4】従来例1に係り、灰溶融炉の排ガス処理装置のフローシートを示す図である。
【図5】従来例2に係り、高温炉の操業方法の説明図である。
【符号の説明】
1…焼却残渣の溶融処理システム
2…溶融・調温設備、21…溶融炉、22…減温塔
3…排ガス処理設備、31…バグフィルタ、32…誘引送風機
4…煙突
5…予備溶融・調温設備、51…溶融炉、52…減温塔
6…耐火物乾燥用送風機
D…ダンパ

Claims (5)

  1. 都市ごみおよび/または産業廃棄物の焼却残渣を溶融する焼却残渣の溶融処理システムにおいて、前記焼却残渣を溶融する溶融炉と排ガスの温度を調温する調温装置とを含む複数の溶融・調温設備と、これら溶融・調温設備から排出される排ガスを処理する共用の排ガス処理設備と、複数のダンパの切換操作により、前記複数の溶融・調温設備の溶融炉内の高温の空気を前記共用の排ガス処理設備を介すことなく個別に誘引して前記溶融炉における耐火物を乾燥させるための耐火物乾燥用送風機とを具備してなることを特徴とする焼却残渣の溶融処理システム。
  2. 前記耐火物乾燥用送風機は、前記溶融炉の炉内温度の昇温用送風機であることを特徴とする請求項1に記載の焼却残渣の溶融処理システム。
  3. 前記共用の排ガス処理設備の設置数は、前記溶融・調温設備の設置数より少数であることを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の焼却残渣の溶融処理システム。
  4. 前記溶融炉は、酸素バーナ式溶融炉または電気式溶融炉のうちの何れかであることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の焼却残渣の溶融処理システム。
  5. 前記排ガス処理設備は、排ガスを誘引するための誘引送風機を備え、前記耐火物乾燥用送風機は、前記誘引送風機の1/2以下の風圧、かつ1.5倍以上の風量の送風性能を備えてなることを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の焼却残渣の溶融処理システム。
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