JP3959310B2 - 樹脂ロータ圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮作用空間内に水又は油などの液体を噴射して該空間内の潤滑、冷却、及び密封を行うようにした液冷式スクリュ圧縮機に関し、詳しくは前記スクリュ圧縮機に用いるスクリュロータのロータ軸部を金属製とし、該ロータ軸の周りに合成樹脂製ロータを被覆形成した樹脂ロータ圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属製ロータ軸の周りに合成樹脂製ロータを被覆形成した圧縮機として特開平10−141262号公報に開示する水潤滑式スクリュ圧縮機がある。
【0003】
この種の圧縮機は、圧縮作用空間内に水を噴射して該空間内の潤滑、冷却、及び密封を行うように構成されており、その構造は図8に示すようにケーシング101内に互いに噛合する雄雌ー対のスクリュロータ102を回転自在に収容すると共に、前記スクリュロータの軸部104を耐錆性金属材料により形成しその外周部には熱硬化性合成樹脂からなるロータを被覆して両者一体的に成形すると共に、圧縮作用空間106内には水を噴射して該空間内の潤滑、冷却、及び密封を行うように構成されている。
【0004】
上記水潤滑式スクリュ圧縮機の場合、該圧縮機本体に内蔵するスクリュロータ102の金属製ロータ軸と合成樹脂製ロータ間には材質の相違によって熱膨張率に差異があること、及び前記ロータの射出成形後の冷却に伴う熱収縮や該圧縮機の運転時と停止時における熱変化に伴う熱収縮の差異などがあることによってロータ軸104とロータの接合部における固着力が不十分となることがある。
【0005】
そのため、前記固着力の低下を防止する対策として特開平9−264276号公報に開示されるように合成樹脂材を被覆する軸部分の表面に螺旋溝または波形溝を施して前記固着力を高めるように構成したものも用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、金属製ロータ軸の周りに合成樹脂製ロータを被覆したスクリュロータを備える水潤滑式スクリュ圧縮機においては、該スクリュロータを形成する合成樹脂製ロータの熱膨張率が金属製ロータ軸に比べて遥かに大きいため接合部の固着力が低下し、運転中の負荷変動に伴う回転トルクの変動によって、ロータ軸表面に設けた螺旋溝の山部とこれに対向するロータ側溝の角部に応力が集中し該溝の角部からスクリュロータの外周部に形成した歯底に向かって亀裂が生じ易い。
【0007】
さらに、前記合成樹脂製ロータは水や油などの液体に浸るとさらに膨潤又は収縮する割合が大きくなる性質があり、そのため当該スクリュ圧縮機が長期間にわたって運転・停止を繰り返す間に圧縮作用空間内に供給される水又は油等の流体との接触によって膨潤又は収縮が繰り返され、次第にロータ軸とロータ間を固定している螺旋溝部も接合・固着力が低下するため、これによって該接合部の磨耗が次第に進行しひいては螺旋溝とロータ歯底間の亀裂拡大によって前記螺旋溝同士の引っかかりが外れたりロータ軸とロータとの接合が外れたりしてロータ軸部が空回り状態となる虞もある。
【0008】
そして、このような現象が生じた場合は圧縮機本体の圧縮不能もしくはロータ外周部がシリンダ内周面と接触して圧縮機本体の焼付現象を招来する等多くの問題点を内在する。
【0009】
特に、圧縮機本体が全負荷状態で運転される場合や負荷の変動頻度が多い場合などに上記現象が生じ易く、したがって前記ロータ軸に形成する螺旋溝の寸法特に溝の高さ(溝の底から山の頂部までの高さ)寸法を適正寸法に設定することはロータ軸とロータとの固着強度を保持するうえで特に重要である。
【0010】
例えば、前記螺旋溝の高さ寸法が高すぎた場合には該螺旋溝の山の頂部とスクリュロータの歯底間の間隔が狭くなることにより樹脂ロータ自体の強度低下を起し接合部の固着強度低下を招き、その結果該部に亀裂を生じ易い。
【0011】
一方、前記螺旋溝の高さ寸法が小さすぎた場合には、前記螺旋溝間の引っかかり高さが少ないことによる固着力の低下を招きその耐久性も低下するなどの問題点を有する。
【0012】
上記対策として、前記螺旋溝の断面形状を滑らかな山形の曲線で結ぶ円弧状溝に形成したり又は前記螺旋溝をスクリュロータ軸の回転方向に対して逆転方向に複数条の螺旋溝を形成するか、或いはロータ軸の全表面に合成樹脂材料を被覆してロータ軸とロータの接合部を増やすなどの方法も考えられるが、いずれの方法においても前記螺旋溝の引っかかり高さ寸法が不適正だった場合には前記現象は回避できないこととなる。
【0013】
以上のことから、本発明はスクリュロータの軸上に刻設する螺旋溝の高さ寸法を金属製ロータ軸の熱膨張とそれを被覆する樹脂ロータの熱膨張係数及び樹脂製ロータが液状流体との接触によって膨潤又は収縮する寸法変化率とを考慮した数式によって算出された値で設定することにより、ロータ軸とロータとが長期にわたってその固着力を保持し続けることができる樹脂ロータ圧縮機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、金属製ロータ軸8の周りに合成樹脂製ロータ9を形成したスクリュロータを備える液冷式スクリュ圧縮機において、前記スクリュロータ3のロータ軸8とロータ9の接合部には螺旋溝11を刻設すると共に、該螺旋溝の高さ寸法を前記金属製ロータ軸の熱膨張率と樹脂製ロータの熱膨張率及び樹脂製ロータが液状流体との接触によって膨潤又は収縮する寸法変化率とを考慮した数式によって計算された値で設定したことを特徴とする(請求項1)。
【0015】
前記螺旋溝の高さ寸法が前記樹脂製ロータの膨潤による寸法変化率に基づき設定され、例えば、
前記ロータ軸8に刻設する螺旋溝11の高さ寸法は下記の条件式
(数1)H≧(D/2×(αs−αp)×T+D/2×βp)×S
ただし、H:螺旋溝の高さ寸法,D:樹脂製ロータが被覆される部分におけるロータ軸の外径寸法,αp:ロータ軸の熱膨張係数,αs:樹脂製ロータの熱膨張係数,T:常温からの推定温度上昇値,βp:樹脂製ロータが膨潤によって変化する寸法変化率,S:樹脂製ロータに加わるせん断荷重に対する安全率
とによって計算された値で設定することが好適である(請求項)。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図1ないし図3により説明する。まず、図1を参照して、圧縮機本体1のシリンダ2内には互いに噛合回転する雄雌ー対のスクリュロータ3を収容すると共に、吸入口4から吸入された大気が作用空間5内で圧縮された後図示しない吐出口から吐出される。
【0017】
また、シリンダ2の適宜個所には噴射ノズル7が穿設し、ここから前記作用空間5内に水又は油などの液状流体(以下水をもとに説明する)が噴射されて該空間内の潤滑、冷却、及び密封作用を行うようになっている。そして、圧縮された空気は前記水と共に吐出口から気液混合状態で排出された後、一旦レシーバタンク(図示せず)に貯留後消費側に供給される。
【0018】
スクリュロータ3は、例えばステンレス鋼のように防錆機能を有する金属製のロータ軸8の外周に熱硬化性の合成樹脂製ロータ9(以下単にロータという)を被覆して両者一体的に形成すると共に、ロータ9の外周部9aには圧縮作用空間5を形成するためのロータ歯溝10がその全長にわたって螺旋状に形成されている(図2)。
【0019】
一方、ロータ軸8の外周面即ちロータ9との接合部には該ロータ軸の回転方向に対して逆回転方向に刻設する螺旋溝11が形成されており、該螺旋溝には相対向するロータ9側の螺旋溝11bが嵌合状態で密着・接合し両者一体的に固着している。
【0020】
上記スクリュロータ3の成型に際しては、例えば、成形用型の内周部に予めロータ歯溝10を形成しておき、この中心部に軸表面に螺旋溝11を形成したロータ軸8を挿入・配置し、この状態でフェノール樹脂,エポキシ樹脂,ジアリルフタレート樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポリイミド樹脂,メラミン樹脂,シリコン樹脂等の熱硬化性合成樹脂を充填し冷却することによりロータ軸8上に合成樹脂製ロータ9が、被覆され前記螺旋溝11及び螺旋溝11bにより両者一体的に固着成型されたスクリュロータ3を得る方法が用いられる(図示せず)。
【0021】
このとき、ロータ軸8の表面に刻設する螺旋溝11の断面形状ならびに該螺旋溝の高さ寸法(溝の山と谷の高さ)は、前記金属製ロータ軸の熱膨張率と樹脂製ロータの熱膨張率及びロータが液状流体(特に水)との接触によって膨潤又は収縮する寸法変化率などの諸条件に基づいて計算した寸法として設定される。
【0022】
すなわち、スクリュ圧縮機の場合作用流体の圧縮作用に伴ってスクリュロータ3に作用する荷重としては、ロータ軸8の軸方向中心軸Qに対して直角方向に作用するラジアル荷重Wと、作用流体の圧縮作用に伴って吸入側と吐出側間に生ずる圧力差によって中心軸Qの軸線方向に作用するスラスト荷重Fと、圧縮機の運転中雄ロータ3aが雌ロータ3bを駆動しょうとする力がロータ軸8とロータ9との接合部に対して回転方向のねじりせん断荷重として作用するので、このねじりせん断荷重とが複合的に作用する。
【0023】
このうち、前記ラジアル荷重Wはロータ軸8をその軸承部間(軸受間)において該ロータ軸を軸直角方向に撓ませる荷重として作用することから、該ロータ軸8とロータ9との固着力を低下させる荷重としてはその影響は小さいと考えられる。
【0024】
これに対し、前記スラスト荷重Fは上述したように作用流体の圧縮作用に伴う圧力差と雄ロータ3aが雌ロータ3b(図1)を駆動することによってロータ軸8とロータ9との接合部に作用するねじりせん断荷重とが相互に関わり合ってその接合部に複合的に作用するため、ロータ軸8とロータ9との固着力を低下させる荷重として比較的大きな影響力を有する。
【0025】
換言すると、ロータ軸8とロータ9との接合部の固着力は上記各荷重に耐え得る強度となるように設定することが肝要であると共に、前記固着力はロータ軸8の材料である金属の熱膨張率とロータ9の材料である合成樹脂材料の熱膨張率及び該ロータが作用空間内で受ける圧縮熱ならびに潤滑、冷却、及び密封用に供給された水との接触によって生ずる膨潤又は収縮の変化率等を考慮して設定することが望ましい。
【0026】
例えば、常温状態において(運転前)図3に示すようにロータ軸8とロータ9の成型時螺旋溝11,11b同志が適正に接合していたとしても、圧縮機本体1の稼動によって作用空間内が温度上昇することと併せ冷却用の液状流体(水)との接触によってロータ9が熱膨張及び膨潤する。これによって前記螺旋溝の山の引っかかり高さ寸法Hが減少し該引っかかり部に作用する軸線Q方向のねじりせん断荷重を受ける受圧面積が減少することとなるため、該螺旋溝の山に作用する該軸方向のねじりせん断応力も増大する。
【0027】
さらに、当該スクリュ圧縮機の運転時における負荷の大小及び負荷変動の頻度によっても前記応力が大きく変動するため該圧縮機の負荷変動に対する安全率も勘案した値で設定する必要がある。
【0028】
以上のことから、上記諸条件を考慮した数式すなわち螺旋溝11の山の高さ寸法をH,樹脂製スクリュロータが被覆される軸部におけるロータ軸の外径寸法をD,ロータ軸の熱膨張係数をαp,ロータの熱膨張係数をαs,常温からの推定温度上昇値をT,樹脂ロータが膨潤によって変化する寸法変化率をβp,樹脂ロータに加わるねじりせん断荷重に対する安全率をSとすると、
(数2)H≧(D/2×(αs−αp)×T+D/2×βp)×S
によって計算された値に設定することによって十分な強度を有した螺旋溝の寸法を設定できる。
【0029】
なお、上記算出式は、ロータ軸に刻設する螺旋溝頂部の直径D4が該ロータ軸の軸承部D3の直径(吸入側および吐出側の軸受部)よりも太い(D4>D3)場合、ならびに前記螺旋溝頂部の直径D4が前記ロータ軸の軸承部よりも小さい(D4<D3)場合共に適用可能である。
【0030】
以上、詳述したように、上記算出式はロータ9を被覆するロータ軸8の螺旋溝11の高さ寸法を該ロータ軸の直径寸法に対応させると共に、前記金属製ロータ軸の熱膨張率と樹脂ロータの熱膨張率とを考慮した数式によって設定するようにしたので、当該スクリュ圧縮機のあらゆる稼動条件に対しても適応でき、しかも長期にわたってロータ軸8とロータ9間の固着力を保持し続けることができる。
【0031】
図4は本発明の第2実施形態を示しており、ロータ軸8の軸封部20近傍の軸径D5を樹脂製ロータ10被覆部の直径D4よりも小さい直径(D4>D5)に形成し該軸封部の軸部にも螺旋溝11Cを形成し、さらにロータ9の樹脂材料を前記軸封部まで延長して両者一体的に被覆成型したものである。
【0032】
本実施形態の場合、D4,D5の異なる2種類の軸部を備えているが、この場合でも螺旋溝の高さ寸法は前第1実施形態で説明した算出式によって設定すればよい。但し、上式の範囲内であれば軸径D4及びD5部の螺旋溝の高さ寸法は何れも同じ寸法に設定してもよいことは言うまでもない。
【0033】
図5は本発明の第3実施形態を示し、ロータ軸8上の樹脂ロータを被覆する部分即ち軸線Q方向略中央部の軸径D6を緩やかな円弧状の曲線により膨張させて形成し、その被覆部全体に波形溝または螺旋溝を刻設して該ロータに作用するスラスト荷重を前記円弧面に分散させて支承するようにしたものである。
【0034】
なお、ロータ軸8の外周部を本実施形態の如く形成した場合、螺旋溝11の高さ寸法は該ロータ軸の直径変化の度合いに応じて連続的に変化させて設定するのが好ましい。
【0035】
図6は本発明の第4実施形態を示している。
【0036】
本実施形態は、ロータ9が作用流体の圧縮に伴う温度膨張と水などの液状流体との接触によって膨潤又は収縮した場合、螺旋溝の引っかかり高さ寸法が減少し、これと反比例して該螺旋溝の軸方向せん断応力が大きくなると共に、ロータ軸8とロータ9間の固着強度も低下するので、この引っかかり高さをさらに適正に保持できるようにロータ9の熱膨張及び膨潤による螺旋溝接合部の浮き上がり量を勘案した算出式により設定するようにしたものである。
【0037】
以下、その詳細について説明する。
【0038】
上述したように、ロータ軸8とロータ9間の螺旋溝11の引っかかり高さが減少すると、例えば、圧縮機の運転中は前記螺旋溝の接触面Aにはねじり方向のせん断荷重が作用し、これによって該接触面には軸方向のスラスト力が作用することとなるが、この螺旋溝間の接触面Aに作用するせん断応力をσとし螺旋溝11に作用するねじりせん断荷重をF,ロータ軸8の直径をD,螺旋溝11が形成されるロータ9の軸方向長さ寸法をLとすると、簡略的にσ=F/πDLで計算される。
【0039】
このことから、樹脂ロータ9の熱膨張及び膨潤によって減少した接触面積A2を膨張前の接触面積Aの概ね1/2と仮定して算出すると、該接触面に作用するせん断応力σ2は、
σ2=F/0.5πDL
として計算され、その結果前記接触面に作用するせん断応力は該接触面積の減少量に反比例して2倍となる。
【0040】
したがって、上記スラスト方向の接触面における螺旋溝11間の引っかかり高さを適宜寸法に保持するためには該接触面積の減少量を予め考慮して算出する。
【0041】
即ち、螺旋溝11の引っかかり高さ寸法をH2とすると、
(数3)H2≧(D/2×(αs−αp)×T+D/2×βp)×St×S
で計算される。
【0042】
上式中、H2は螺旋溝11の断面形状を考慮した螺旋溝の高さ寸法,Dはロータが被覆される部分におけるロータ軸の外径寸法,αpはロータ軸の熱膨張係数,αsはロータの熱膨張係数,Tは常温から圧縮作用によって上昇する作用空間5内の推定温度上昇値, βpは樹脂ロータが膨潤によって変化する寸法変化率,Stは螺旋溝11の断面形状に対する安全率、Lはロータ9に加わるスラスト荷重に対する安全率を表わす。
【0043】
上記安全率は、ロータがロータ軸に対して浮き上がった場合でも螺旋溝の軸線方向の断面において軸線方向長さの減少量が少なければ、安全率も少なく、軸線方向長さの減少量が多ければ安全率も多くなることを意味する。
【0044】
また、この場合、螺旋溝11のロータ軸8側とロータ9側との接触部Aにおいて、ロータ9が熱膨張及び膨潤によって浮き上がる浮き上がり量tは前記螺旋溝同士の接触面積Aの減少量と相関関係があるため、該螺旋溝の山の形状は前記浮き上がり量tに対しA2/A又はk2/kが大きくならないように設定するのが好ましい(図6)。したがって、上記接触面積Aの減少量は螺旋溝11の山の高さを決定する際に予め考慮しておくことが望ましい。
【0045】
以上説明したように、本実施形態は上記算出式によって螺旋溝の高さ寸法を設定することによってロータ自体が長期間の熱変化に対しても十分耐え得る固着力を保持し続けることとなる。
【0046】
なお、本発明は以上で説明した実施形態に限らず例えば、ロータ軸8に刻設する螺旋溝11の形状を、図7aの如く円弧状Rの面を備える溝25と隣接する溝の表面が相互に連接する山26をr仕上げにして螺旋溝の表面と滑らかな曲面によって連結し、当該軸周面には角部がないように形成したり、図7bの如く図溝25と山26とを円弧状Rとして、溝の円弧と山の円弧とを直接連結するように形成したり、図7cの如く溝25と山26とを形成する円弧r間を直線で結ぶように形成するようにしてもよい。
【0047】
さらに、螺旋溝11は一条又は複数条に刻設して形成してもよいものであり、上記構造とした場合でも以上で説明したと同様の作用・効果が得られる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は金属製ロータ軸の周りに合成樹脂製ロータを形成したスクリュロータを備える液冷式スクリュ圧縮機において、前記スクリュロータのロータ軸とロータの接合部には螺旋溝を刻設すると共に、該螺旋溝の高さ寸法を前記金属製ロータ軸の熱膨張率と樹脂製ロータの熱膨張率及び樹脂製ロータが液状流体との接触によって膨潤又は収縮する寸法変化率とを考慮した数式によって計算された値で設定したことにより圧縮作用による熱膨張や膨潤が生じてもロータ軸とロータ間の固着強度を確実に保持することができるから圧縮機本体の耐久性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スクリュ圧縮機本体の断面図である。
【図2】第1実施形態におけるスクリュロータの断面図である。
【図3】ロータ軸とロータ接合部の説明図である。
【図4】第2実施形態におけるスクリュロータの断面図である。
【図5】第3実施形態におけるスクリュロータの断面図である。
【図6】ロータが膨潤によって螺旋溝を浮き上がったときの説明図である。
【図7】(a)螺旋溝の形状を示す説明図である。(b)その他の螺旋溝の形状を示す説明図である。(c)その他の螺旋溝の形状を示す説明図である。
【図8】従来の液冷式スクリュ圧縮機の概略断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機本体
2 シリンダ
3 スクリュロータ
4 吸入口
5 作用空間
8 ロータ軸
9 ロータ
10 ロータ歯溝
11 螺旋溝

Claims (2)

  1. 金属製ロータ軸の周りに合成樹脂製ロータを形成したスクリュロータを備える液冷式スクリュ圧縮機において、前記スクリュロータのロータ軸とロータの接合部には螺旋溝を刻設すると共に、該螺旋溝の高さ寸法を前記金属製ロータ軸の熱膨張率と樹脂製ロータの熱膨張率及び樹脂製ロータが液状流体との接触によって膨潤又は収縮する寸法変化率を基礎とする数式によって計算された値で設定したことを特徴とする樹脂ロータ圧縮機。
  2. 前記ロータ軸に刻設する螺旋溝の高さ寸法は以下の条件式によって計算された値で設定したことを特徴とする請求項1記載の樹脂ロータ圧縮機。
    (数1) H≧(D/2×(αs−αp)×T+D/2×βp)×S
    H:螺旋溝の高さ寸法
    D:樹脂製ロータが被覆される部分におけるロータ軸の外径寸法
    αp:ロータ軸の熱膨張係数
    αs:樹脂製ロータの熱膨張係数
    T:常温からの推定温度上昇値
    βp:樹脂製ロータが膨潤によって変化する寸法変化率
    S:樹脂製ロータに加わるせん断荷重に対する安全率
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