JP3959015B2 - 信号処理方法、および、信号処理装置 - Google Patents

信号処理方法、および、信号処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3959015B2
JP3959015B2 JP2002313035A JP2002313035A JP3959015B2 JP 3959015 B2 JP3959015 B2 JP 3959015B2 JP 2002313035 A JP2002313035 A JP 2002313035A JP 2002313035 A JP2002313035 A JP 2002313035A JP 3959015 B2 JP3959015 B2 JP 3959015B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resonance
signal
frequency
time
ground element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002313035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004153873A (ja
Inventor
正英 山田
静男 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Advanced Technology Corp
Kyosan Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
NTT Advanced Technology Corp
Kyosan Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Advanced Technology Corp, Kyosan Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical NTT Advanced Technology Corp
Priority to JP2002313035A priority Critical patent/JP3959015B2/ja
Publication of JP2004153873A publication Critical patent/JP2004153873A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3959015B2 publication Critical patent/JP3959015B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動列車停止装置ATS(Automatic Train Stopper)にかかり、車上子と地上子との電磁結合により共振判定を行い、地上子共振周波数の有無を判別する処理において、無調整で、耐ノイズ性を向上させて高速に信号検出を行うことが可能な、信号処理方法、および、信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動列車停止装置ATSとしては、一般的に、変周式ATSが広く採用されている。
【0003】
図9は、従来の変周式ATS装置の構成例を示す。
【0004】
車上装置には、車上子1のコイルを帰還回路とした増幅器11による発振回路が設けられている。そして、走行している列車の車上子1が地上子10の上を通過するとき、増幅器11の発振周波数f1が地上子10に設定された共振回路の共振周波数f2に変周する。
【0005】
変周前は、BPF(Band Pass Filter)13aより一定の信号が出力されていたものが、変周によりBPF13aの出力が停止し、BPF13bより信号が出力される。この通過帯域を設けたBPF13bの出力信号を検出し、列車へ停止信号や速度信号とし、または許容走行速度信号を出力する。
【0006】
図10は、地上子との共振検出を行う共振判定型ATS装置の構成例を示す。
【0007】
このATSは、発振回路21a〜21dを個別に設け、f1〜f4の周波数を発生させ、加算器22で加算後に増幅器24で増幅した多重信号を車上子1に送出する。そして、地上子10と共振した信号は、BPF25a〜25dを介して信号レベルが大きくなって車上子1の2次側へ出力される。
【0008】
このように共振判定型ATS装置では、信号レベルを判定し、一般的にその信号レベルの大小に基づいて共振判定を行っている。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−304516号公報(平成9年4月25日出願)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の共振判定型ATS装置では、多重信号に対して増幅器のダイナミックレンジの問題や、地上子10の共振周波数ずれによる弁別比の減少などの問題がある。
【0011】
また、上記以外の共振判定方式として、図10に示したような発振回路21a〜21dと加算器22とを、直接ディジタル合成回路やV/F回路で構成した方式も提案されている。しかし、この方式でも同様に、発振回路やBPFによる選別回路の物量が多く、装置の小型化が困難であるという問題点がある。
【0012】
上述した従来の技術では、機器の調整作業や耐ノイズ性、共振判定数分のBPFや検出回路が必要となり、装置の小型化が困難であるなどの問題がある。
【0013】
また、車上子1は周波数特性を持っているので、車上子1の2次側の信号レベル、位相は周波数によって変化する問題や、地上子10も経年変化等により中心周波数が±2KHz変動し、車上子1の2次側の信号レベル、位相は変動するとう問題がある。
【0014】
さらに、車上子1と信号源側とを接続するケーブル長によっても、車上子1の2次側の信号レベルや位相が変化するという問題や、車上子1と地上子10との距離によっても、振幅は変化するという問題があり、これらの変動要因を考慮した調整は非常に困難である。
【0015】
そこで、本発明の目的は、ケーブル長、車上子および地上子の特性による共振判定レベル、位相の変化による調整の困難さ、耐ノイズ性を解決し、無調整でかつ短時間に高精度な共振判定を行う高信頼性の地上子検出装置を作製することが可能な、信号処理方法、および、信号処理装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、車上子から送出される送出信号の発振周波数を変化させ、該車上子と地上子との電磁結合に基づいて共振判定を行うことにより、地上子共振周波数の有無を判別する信号処理方法であって、所定時間t内で所定の周波数が複数回繰り返えされる信号を用い、該信号をn回周波数を異ならせて繰り返して出力することによって、前記地上子と共振し得る地上子共振周波数faを含み、n種類の周波数と時間tの積n×tを1周期とした送出信号を繰り返し送出する送出工程と、前記車上子から送出されたn×t時間の1周期分の送出信号を、前記地上子との電磁結合により検出する検出工程と、前記検出された信号を、直交検波してベクトル演算処理を行うことにより、t時間内の振幅、位相、周波数の変化量を算出する演算工程と、前記算出された振幅、位相、周波数の変化量に基づいて共振判定を行い、前記地上子共振周波数の有無を示す共振結果データを生成する共振判定工程とを具えることによって、信号処理方法を提供する。
【0017】
前記共振判定工程は、n×t時間内の1周期でn個の共振判定を時系列に行い、各周期内の同一周波数域毎に算出された共振判定値を積算し、該積算値に基づいて最終的な共振結果データを生成してもよい。
【0018】
本発明は、車上子から送出される送出信号の発振周波数を変化させ、該車上子と地上子との電磁結合に基づいて共振判定を行うことにより、地上子共振周波数の有無を判別する信号処理装置であって、前記車上子の前記送出信号の信号源を、DDS(Direct Digital Synthesizer)により構成し、所定時間t内で所定の周波数が複数回繰り返えされる信号を用い、該信号をn回周波数を異ならせて繰り返して出力することによって、前記地上子と共振し得る地上子共振周波数faを含み、n種類の周波数と時間tの積n×tを1周期とした送出信号を繰り返し送出する送出手段と、前記車上子から送出されたn×t時間の1周期分の送出信号を、前記地上子との電磁結合により検出する検出手段と、前記検出された信号を、直交検波してベクトル演算処理を行うことにより、t時間内の振幅、位相、周波数の変化量を算出する演算手段と、前記算出された振幅、位相、周波数の変化量に基づいて共振判定を行い、前記地上子共振周波数の有無を示す共振結果データを生成する共振判定手段とを具えることによって、信号処理装置を構成する。
【0019】
前記共振判定手段は、n×t時間内の1周期でn個の共振判定を時系列に行い、各周期内の同一周波数域毎に算出された共振判定値を積算し、該積算値に基づいて最終的な共振結果データを生成する積算手段を含んでもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
本発明の実施の形態を、図1〜図8に基づいて説明する。
【0025】
(概要)
まず、本発明の概要について説明する。
【0026】
一般的な変周式ATS(ATS:Automatic Train Stopper)装置は、増幅器とこれに接続された正帰還ループ(=車上子)とを接続して発振回路を構成したものであり、車上子と地上子との電磁結合により常時発振周波数が地上子共振周波数に変周することによって信号検出を行っている。
【0027】
この信号検出に際して、複数の地上子との間で変周動作を可能にするためには、車上子を含めた増幅器の位相、ゲイン特性を適切に調整する必要がある。
【0028】
また、パンタグラフ離線ノイズなどの外乱ノイズの影響を受け易く、地上子との結合時間が数msec程度であり、信号と外乱ノイズとの弁別を配慮した調整も必要である。
【0029】
本発明では、そのような各種調整の必要性を考慮して、信号源をDDS(Direct Digital Synthesizer)方式として構成し、地上子10に送出される送出信号300は、地上子共振周波数faを含む周波数fh〜flの範囲とし、所定周波数の信号をt時間内で繰り返して送出すると共に、各回毎に周波数を異ならせて計n回(n×t時間)を1周期として繰り返して送出する。
【0030】
その送出信号300が入力される車上子1と、地上子10との電磁結合によって得られた出力信号350を直交検波した後にベクトル演算処理を逐次行い、t時間内の振幅、位相、周波数の変化量を求め、該変化量に基づいて共振判定を行うことにより、地上子共振周波数faの有無を示す共振結果データを生成する。この場合、共振判定は、n×t時間内の1周期でn回の共振判定を行うと共にこの1周期の共振判定を電磁結合時間m内で時系列にn×m回行い、各周期内の同一周波数域毎に算出された共振判定値を積算し、該積算値に基づいて最終的な共振結果データを生成するようにしてもよい。
【0031】
(具体例)
以下、具体例を挙げて説明する。
【0032】
<構成>
図1は、本発明に係る信号処理装置としての地上子検出装置の構成例を示す。
【0033】
地上子検出装置100(以下、車両信号検出装置という)には、周波数時分割共振判定を行うものであり、CPU101と、信号制御部110と、AMP120と、リミッタ付きAMP121と、BPF(Band Pass Filter)122と、共振演算部130と、共振判定部140と、バッファ150と、データ出力部160とが備えられている。
【0034】
以下、各部の構成について説明する。
【0035】
CPU101は、信号制御部110と共振判定部140とバッファ150とに対する制御プログラムを備え、これら各部に対して各種の制御処理(信号送出制御処理、判定処理、データ出力制御処理)を実行する。
【0036】
信号制御部110は、図2に示すように、信号処理回路111と、DDS(Direct Digital Synthesizer)回路112とからなる。信号処理回路111は、送出信号300の基本構成となる1周期分の波形データ90を格納したROM113を備えている。DDS回路112は、アンプ114と、LPF(Low Pass Filter)115を備えている。
【0037】
このように予め波形データ90を作成して記憶しておき、DDS回路112を用いて順次選択することにより、高速な送出制御処理が可能となる。
【0038】
車上子1の2次側に接続されたリミッタ付きAMP121は、車上子1と地上子10の距離が何らかの要因で通常よりも接近した場合の最大振幅が飽和しないように制御する機能も有する。
【0039】
共振演算部130は、出力信号350を検出する直交検波回路131と、ベクトル演算処理を実行するベクトル演算回路132とからなる。
【0040】
共振判定部140は、位相判定回路141と振幅判定回路142と周波数判定回路143とから構成されており、共振演算部130でのベクトル演算の逐次計算結果を1周期内でt時間毎に変化量としてn回繰り返して求める機能(n×t)と、該t時間毎の変化量を電磁結合時間m内で時系列に繰り返して求め(m×n×t)、各周期内の同一周波数域毎に算出された共振判定値を積算して最終的な共振結果データを生成する機能とを有する。
【0041】
バッファ150は、2n個からなり、地上子10との共振データの振幅・位相・周波数を一時的に記憶する。
【0042】
データ出力部160は、それらバッファ150に記憶された共振データを、定期的にPCインタフェースを介してPC(パーソナル コンピュータ)等の外部装置200に出力する。
【0043】
(送出信号)
次に、送出信号300について説明する。
【0044】
ROM113には、1周期分の送出信号300に当たる波形データ90が記憶されている。送出信号300は、地上子10と共振し得る地上子共振周波数faを含む範囲内の周波数fh〜fl(fh>fl:周波数の高い順に配列されている)を変数パラメータとする1組の信号が最小単位として構成されている。
【0045】
図3は、送出信号300の最小単位の構成例を示す。
【0046】
送出信号300は、その周波数が、地上子10の地上子共振周波数faを含む周波数fh〜flの範囲内に存在する。
【0047】
図4は、1周期分の送出信号300の構成例を示す。
【0048】
この1周期分の送出信号300は、ROM113内に波形データ90として記憶されており、この信号は、周波数を一定として所定時間t内で複数回繰り返して形成された信号群を1組とし、この1組の信号群をn回繰り返して構成された送出時間n×tの信号群であって、その各組の信号群の周波数を地上子共振周波数に至る範囲内で各組毎に変化させて構成された1周期分の信号群のデータによって構成される。
【0049】
送出信号300は、信号処理回路111のROM113に図4に示したような予め1周期分の波形データ90として記憶されているものとしたが、これに限るものではなく、例えば、図3のような最小単位に構成された送出信号300の波形データ90のみをROM113に予め記憶しておき、この基本となる最小単位の波形データ90に基づいて1周期分の波形データ90を生成したり、或いは、地上波共振周波数faを参照してこの周波数を含むある一定帯域内の周波数に相当する波形データ90を生成したりすることにより、DDS回路112から送出信号300として送出するようにしてもよい。
【0050】
このような各種の送出制御方式をとったとしても、車上子1の2次側の出力信号としては、t時間内で見ればいずれの制御方式も一定な値となる。
【0051】
<動作>
以下、本装置の動作について説明する。
【0052】
(全体的な流れ)
まず、本装置の全体的な流れについて説明する。
図5は、車両信号検出処理の全体的な流れを示すフローチャートである。
【0053】
ステップS1では、送出信号300の基となる1周期分の波形データ90を用意する。波形データ90としては、図4のように予め作成しROM113に記憶させておいたり、図3のように基本単位の構成データからCPU101の制御により1周期分の波形データ90を生成するようにしてもよい。
【0054】
1周期分の波形データ90とは、所定時間t内で複数回繰り返して形成された図3に示す信号群を1組とし、この1組の信号群をn回繰り返して構成された図4に示す送出時間n×tの信号群を構成するためのデータである。
【0055】
ステップS2では、CPU101の制御により1周期分(n×t)の波形データ90を繰り返して送出し、DDS回路112を用いて送信信号300として送出する。
【0056】
ステップS3では、送出信号300を車上子1の2次側で、リミッタ付きAMP121、BPF122を介して出力信号350として検出する。
【0057】
ステップS4では、検出した出力信号350の演算処理を、直交検波回路131、ベクトル演算回路132において行う。
【0058】
ステップS5では、演算結果に基づいて、t時間内の振幅・位相・周波数の変化量から共振判定を行い、共振結果データを生成する。この場合、最終的な共振判定としては、地上子10との電磁結合時間m内におけるm周期分の共振判定を時系列に行い、各周期内の同一周波数域毎に算出された共振判定値を積算し、該積算値に基づいて最終的な共振結果データを生成するようにしてもよい。共振結果データは、地上子共振周波数の有無を示すと共に、振幅、位相、周波数に関する情報を含んでいる。
【0059】
ステップS6では、その共振結果データをバッファ150に蓄積し、必要に応じて外部装置200に出力してその判定結果内容を表示する。
【0060】
(信号処理例)
次に、本装置の信号処理例を詳細に説明する。
【0061】
図1において、信号制御部110のROM113に記憶された送出信号300の基となる1周期分の波形データ90は、CPU101の制御により高周波数域から順次繰り返して選択される。これにより、選択された波形データ90は、所定のクロックCKのタイミングでDDS回路112に送られ、アンプ114、LPF115を介して、1周期分の波形データ90に相当する送出信号300が繰り返して送出される。
【0062】
図6は、1周期分の送出信号300の具体的な構成例を示す。
【0063】
この例では、中心周波数fhとした同一周波数の信号(KHz)をt時間内に15回繰り返して送出し、計15個からなる信号群を作成する。この送出時間tからなる15個の信号群を各回毎に周波数を異ならせてn回繰り返して送出し、送出時間n×tを1周期とする信号群を作成する。この送出時間n×tを1周期とする信号群に相当する送出信号300が、繰り返して生成されて送出される。
【0064】
DDS回路112から送出された送出信号300は、AMP120に供給され、車上子1の1次側に入力信号として入力される。この入力信号は、車上子1の2次側と電磁結合して常時、2次側から出力信号350として出力される。
【0065】
この2次側の出力信号350の振幅、位相は、AMP120と車上子1との接続ケーブル長と、車上子1との相互インダクタンスにより決定される。また、2次側の出力信号350の振幅、位相は、車上子1の1次側の入力信号である送出信号300の周波数、振幅に基づいて変動するが、1次側の振幅、周波数が一定であれば2次側の振幅、位相も一定となる。
【0066】
送出信号300が地上子10と共振した場合は、2次側の出力信号350も共振した信号になる。また、地上子10と共振していない場合の車上子1の2次側の出力信号350は、入力信号と同じとなる。しかし、地上子が±2KHzでずれていても地上子10が電磁結合した場合には、Q(共振回路のQ値)は少なくとも80以上あるので、地上子10が無い状態でのQ=0に比べて十分に有・無の判定が可能である。
【0067】
このようにして2次側から出力された出力信号350は、リミッタ付きAMP121に入力されるが、2次側の振幅は車上子1と地上子10との距離によっても変動する問題がある。通常は、2次側の出力値がある電圧以下になるようにリミッタ付きAMP121は決定されているが、ある電圧を超えた時点でリミッタが働いて振幅が一定になるようにしている。t時間の振幅変化量についてみれば、共振の始まりとt時間の最後の振幅差は1.5倍以上あるので、振幅が飽和していても問題は無い。
【0068】
そのリミッタ付きAMP121を通過した出力信号350は、BPF122を通過し、共振演算部130に送られて演算処理がなされる。
【0069】
直交検波回路131では、BPF122からの出力信号350をA/D変換した後、それぞれsin波とcos波との参照信号を用いて乗算して、x=rcosθ、y=rsinθを出力する。なお、参照信号sin波,cos波のデータは、ROMデータとして格納しておき、送出周波数と同じ参照信号となるように制御される。
【0070】
ベクトル演算回路132では、振幅、位相(θ=tan−1(y/x))、周波数((φ−φt)=2πft、t=A/D変換のサンプリング時間)を逐次計算して、ベクトル演算結果としての変化量(Io,Qo)を求める。
【0071】
このベクトル演算結果(Io,Qo)は、共振判定部140に送られ、位相、振幅、周波数の共振判定処理がなされる。
【0072】
すなわち、共振判定部140では、共振演算部130で逐次計算されたベクトル演算結果を1周期内のt時間毎の変化量としてn回繰り返して求め、該t時間毎の変化量を電磁結合時間mに渡り時系列に繰り返して求め、各周期内の同一周波数域毎に算出された共振判定値を積算し、該積算値に基づいて最終的な共振結果データを生成する処理を行う。
【0073】
車上子1と地上子10との電磁結合時間であるm内で積算処理を行うのは、一般的に同じ周波数帯で1〜2ms程度のノイズが混入し、判定不能状態になる状況が発生することが知られているからであり、電磁結合時間mのうち半分以上の時間において積算処理を行うことにより共振結果と判定してもよい。
【0074】
共振と判定された場合は、警報出力としてATS装置の動作モードに移行する。当然ながら、半分以上となる数値を変更設定可能である。積算処理を行った共振判定結果は、振幅・位相・周波数を含む共振結果データとしてバッファ150に記憶される。バッファ150が一杯になった時点で、データ出力部160(PCインタフェース)を介して、外部装置(PC)200に対してその共振結果データが一方的に出力される。外部装置200は、共振結果データのログをとる必要がある場合に使用する。例えば、メンテナンスのために共振結果データを定常的に取得することによって、経年変化による振幅の変化や、共振周波数の変化を把握することが可能となる。
【0075】
(共振例)
次に、上記信号処理における共振例について説明する。
【0076】
図7は、車上子1の2次側から出力される出力信号350の共振例を示す。
【0077】
周波数fhとflで共振した場合の例であるが、fhにおいて2組目の振幅、位相と、15組目の振幅、位相の変化量で共振判定を行う。fhにおいても2組目の振幅、位相と、15組目の振幅、位相の変化量で共振判定を行う。また、時分割で周波数が変わるので、n周期分の積算処理を行ってn個の共振判定を行うことも可能であり、これにより、最終的な共振と判定としてもよい。
【0078】
図8は、周波数fh〜fl(fh>fl)の範囲内に存在する地上子共振周波数に相当する周波数faで共振した場合の共振判定例を示す。
【0079】
送出信号300の1周期の時間(n×t)は、電磁結合時間mよりも十分短い時間に設定されている。そして、送出信号300を送出する車上子1と、地上子10とが電磁結合時間m内の地上子共振周波数faで共振すると、出力信号350(例えば、アナログ電圧(V))が変化して、直交検波・ベクトル演算の演算処理がなされる。このベクトル演算結果を示す変化量(Io、Qo)に基づいて、位相、振幅、周波数の共振判定がなされる。
【0080】
すなわち、測定期間中の電磁結合時間m内は、常時、ベクトル演算処理および共振判定処理が実行されているので、そのベクトル演算結果である変化量(Io、Qo)は、逐次F/F(フリップフロップ)回路350に蓄積されている。この蓄積結果を積算部360で各々積算することにより、共振判定を行うことができる。
【0081】
例えば、図8中、地上子共振周波数に相当する周波数faの位置では、変化量(Io、Qo)が有限値となり、電磁結合時間m内の全てのF/F回路350が”1”となり、これにより積算部360の全ての入力値が1となるので、その積算出力値は”3”となり、共振状態にあると判定する。
【0082】
このようにして得られた共振結果データは、バッファ150に記憶され、外部装置200に出力されて表示される。
【0083】
以上説明したように、信号源をDDSで構成し、送出信号は、地上子共振周波数faを含み、n種類の周波数と時間tの積n×tを1周期として繰り返し送出する信号制御方式と、該送出信号を電磁結合により出力信号として検出し、直交検波して逐次ベクトル演算を行い、t時間内の振幅・位相・周波数の変化量で共振判定を行い、n周期(電磁結合時間m)分の積算処理をして、最終的な共振判定を行う信号処理方式とした。
【0084】
このような信号処理方式により、車上子1、地上子10、接続ケーブル長による変化に対して、無調整で対応が可能となる。また、従来の技術に比べて耐ノイズ性に優れ、同時にn個の共振判定も瞬時に高精度で可能となり、これにより、小型化を図り、高速処理化、高信頼性を得ることができる。
【0085】
(実験例)
次に、実験例を挙げて、時間t、回数nの適正値について説明する。
【0086】
一般的に車上子1は、高速に移動する列車に取り付けられ、在来線では最高速度130〜150Kmで走行する。
【0087】
地上子10は、レール間の真中に設置されて、形状は長方側が600mm程度である。
【0088】
測定条件として、時速150Kmで走行し、地上子10との有効共振長を300mmとして、地上子10の共振周波数nを92KHz、100KHz、108KHz、116KHz、124KHz、132KHz、140KHz、148KHz、156KHzのn=9とした。
【0089】
各周波数を16波として、n=9とした1周期の時間は、836.68Hzとなり、約1.2msである。
【0090】
時速150Kmは4.17cm/msなので、地上子10との共振有効長300mmを約7.2msで通過する。電磁結合時間m=7.2msとなり、1周期が1.2msなので、6周期を一括りとして共振判定を行うことができる。
【0091】
また、時分割で共振を判定する構造であることから、多重共振地上子と組み合わせることによって、”多値の共振判定”=”情報伝達”を行うことが可能である。
【0092】
なお、本発明は、上記各例に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、実施例は適宜変更され得ることは明らかである。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、1組が送出時間n×tの信号群であって、該各組の信号群の周波数を地上子共振周波数に至る範囲内で各組毎に変化させて構成された1周期分の信号群を繰り返し生成して送出信号として車上子に送出するようにしたので、無調整で耐ノイズ性に優れ、同時に他の周波数の共振判定も可能で、小型化、高速化、信頼性に優れた地上子検出装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である、周波数時分割共振判定方式を採用した地上子検出装置としての車両信号検出装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】信号制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】送出信号のt時間内の最小単位の構成を示すブロック図である。
【図4】送出信号の1周期分の構成を示すブロック図である。
【図5】信号検出処理を示すフローチャートである。
【図6】図4に対応した送出信号の1周期分の構成を示す説明図である。
【図7】送出信号の1周期分に対応した出力信号の構成を示す説明図である。
【図8】共振例を示す説明図である。
【図9】従来の変周式ATSの構成例を示すブロック図である。
【図10】従来の共振判定に関わるATS装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 車上子
10 地上子
11 増幅器
12 増幅器を含む発振回路
13a 信号選別BPF(13bと通過帯域は異なる)
13b 信号選別BPF(13aと通過帯域は異なる)
21a〜21d 信号発振器f1から信号発振器f4
22 信号加算器
24 増幅器
90 波形データ
100 地上子検出装置(車両信号検出装置)
101 CPU
110 信号制御部
111 信号処理回路
112 DDS回路
114 アンプ
115 LPF
120 AMP
121 リミッタ付きAMP
122 BPF(Band Pass Filter)
130 共振演算部
131 直交検波回路
132 ベクトル演算回路
140 共振判定部
141 位相判定回路
142 振幅判定回路
143 周波数判定回路
150 バッファ
160 データ出力部
200 外部装置
300 送出信号
350 出力信号
350 F/F回路
360 積算回路

Claims (4)

  1. 車上子から送出される送出信号の発振周波数を変化させ、該車上子と地上子との電磁結合に基づいて共振判定を行うことにより、地上子共振周波数の有無を判別する信号処理方法であって、
    所定時間t内で所定の周波数が複数回繰り返えされる信号を用い、該信号をn回周波数を異ならせて繰り返して出力することによって、前記地上子と共振し得る地上子共振周波数faを含み、n種類の周波数と時間tの積n×tを1周期とした送出信号を繰り返し送出する送出工程と、
    前記車上子から送出されたn×t時間の1周期分の送出信号を、前記地上子との電磁結合により検出する検出工程と、
    前記検出された信号を、直交検波してベクトル演算処理を行うことにより、t時間内の振幅、位相、周波数の変化量を算出する演算工程と、
    前記算出された振幅、位相、周波数の変化量に基づいて共振判定を行い、前記地上子共振周波数の有無を示す共振結果データを生成する共振判定工程と
    を具えたことを特徴とする信号処理方法。
  2. 前記共振判定工程は、
    n×t時間内の1周期でn個の共振判定を時系列に行い、各周期内の同一周波数域毎に算出された共振判定値を積算し、該積算値に基づいて最終的な共振結果データを生成する積算工程
    を含むことを特徴とする請求項1記載の信号処理方法。
  3. 車上子から送出される送出信号の発振周波数を変化させ、該車上子と地上子との電磁結合に基づいて共振判定を行うことにより、地上子共振周波数の有無を判別する信号処理装置であって、
    前記車上子の前記送出信号の信号源を、DDS(Direct Digital Synthesizer)により構成し、
    所定時間t内で所定の周波数が複数回繰り返えされる信号を用い、該信号をn回周波数を異ならせて繰り返して出力することによって、前記地上子と共振し得る地上子共振周波数faを含み、n種類の周波数と時間tの積n×tを1周期とした送出信号を繰り返し送出する送出手段と、
    前記車上子から送出されたn×t時間の1周期分の送出信号を、前記地上子との電磁結合により検出する検出手段と、
    前記検出された信号を、直交検波してベクトル演算処理を行うことにより、t時間内の振幅、位相、周波数の変化量を算出する演算手段と、
    前記算出された振幅、位相、周波数の変化量に基づいて共振判定を行い、前記地上子共振周波数の有無を示す共振結果データを生成する共振判定手段と
    を具えたことを特徴とする信号処理装置。
  4. 前記共振判定手段は、
    n×t時間内の1周期でn個の共振判定を時系列に行い、各周期内の同一周波数域毎に算出された共振判定値を積算し、該積算値に基づいて最終的な共振結果データを生成する積算手段
    を含むことを特徴とする請求項3記載の信号処理装置。
JP2002313035A 2002-10-28 2002-10-28 信号処理方法、および、信号処理装置 Expired - Lifetime JP3959015B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002313035A JP3959015B2 (ja) 2002-10-28 2002-10-28 信号処理方法、および、信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002313035A JP3959015B2 (ja) 2002-10-28 2002-10-28 信号処理方法、および、信号処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004153873A JP2004153873A (ja) 2004-05-27
JP3959015B2 true JP3959015B2 (ja) 2007-08-15

Family

ID=32457761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002313035A Expired - Lifetime JP3959015B2 (ja) 2002-10-28 2002-10-28 信号処理方法、および、信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3959015B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5355609B2 (ja) * 2010-04-16 2013-11-27 三菱電機株式会社 地上子情報読取装置
JP5759691B2 (ja) * 2010-09-03 2015-08-05 日本信号株式会社 列車制御用信号検出装置および列車制御用信号検出方法
JP5204205B2 (ja) * 2010-12-07 2013-06-05 株式会社東芝 列車制御車上装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004153873A (ja) 2004-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2526582C2 (ru) Способ обработки сигналов, устройство обработки сигналов, и расходомер кориолиса
KR100854229B1 (ko) 유속 측정장치, 유속 측정방법, 유량 측정장치 및 유량측정방법
US4576047A (en) Apparatus for determining the transit time of ultrasonic pulses in a fluid
US20100275703A1 (en) flow device and method for operating a flow device
JPH0654245B2 (ja) 渦流量計
CN102530023B (zh) 列车控制车载装置
JP2008528980A (ja) モジュロ2pi残差トラッキングを用いた超音波流量センサ
JP3959015B2 (ja) 信号処理方法、および、信号処理装置
CA2306019A1 (en) Measuring system of transmission characteristics
RU2504737C1 (ru) Способ обработки сигналов, устройство обработки сигналов и расходомер кориолиса
JPS61187626A (ja) 力を測定するための方法及び装置
JP2006160161A (ja) 地上子検出装置
US6100820A (en) Vehicle detector with at least one inductive loop as a sensor, and a method for performing vehicle detection
JP2022069729A (ja) 車上装置及び保全検査用情報選択方法
JP2003302416A (ja) 流速計測方法および流速計測装置ならびにガスメータ
JP2895026B2 (ja) 点制御式信号選別装置
JP2989601B1 (ja) 点制御式信号選別装置
JP5089076B2 (ja) Ats装置
KR102171576B1 (ko) 지장물 검지를 위한 송수신모듈장치
JPH04348282A (ja) 信号振幅計測装置
JPH06103197B2 (ja) 渦流量計
SU851098A1 (ru) Вибрационный расходомер
SU857884A1 (ru) Способ контрол динамической характеристики первичного преобразовател
JP2545034B2 (ja) 車両位置検知装置
JPH10126302A (ja) フィルタの所定帯域幅の帯域端周波数検出装置と当該装置を用いたssb送信機およびssb受信機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050309

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3959015

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140518

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term