JP3958987B2 - フォトンカウンティングシステム及びフォトンカウンティング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光子をカウントするフォトンカウンティング装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光子を一粒一粒検出するフォトンカウンティング技術を用いた計測方法は、原子・分子反応解析や蛍光・発光解析などに幅広く利用されている。しかし、通常のフォトンカウンティングシステムでは、光電子増倍管やAPD(アバランシェ・フォトダイオード)を用いた0次元センサを用いており、パルス光照射などの現象を解析する場合などに同時刻に多くの信号が発生するような対象の処理には効率が問題となる。そこで、2次元的にフォトンカウンティングが実現できるICCDカメラ(イメージインテンシファイアなどの増幅デバイスと光電変換のためのCCDカメラの組み合わせシステム)も利用されている。このような2次元フォトンカウンティングカメラは、画像を一粒一粒の輝点の集合体として撮像し、それらを2値化した結果をカウントすることで画像化を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のフォトンカウンティングカメラは、上記のようにCCDカメラを用いているため、フレームレートは30枚/秒に限定されている。また、CCDカメラの蓄積時間は33ミリ秒となる。一方、多くの場合、フォトンカウンティング画像は微弱光領域の対象を可視化するための増幅器であるイメージインテンシファイアの出力として得られるため、イメージインテンシファイアの出力面である蛍光体の発光パターンとして得られることが多い。この蛍光体の発光時間は1〜数ミリ秒のものが主に使用されているため、33ミリ秒の蓄積時間で取りこむと、フォトンカウンティング画像の1現象(蛍光体の発光時間は1〜数ミリ秒)に対して蓄積時間が一桁程度大きいため、非常に多くの輝点情報を同時に取り込むことになる。この時、輝点の重なりが生じると、撮像精度が低下してしまう。
【0004】
また、従来のフォトンカウンティングカメラにより高速フレームレートで画像を取り込む場合、データ処理上、次のような問題が生じる。例えば、512x512画素x1KHz(=256Kbyte/フレーム)で画像を読みこんだ場合には、1秒間あたりの画像データ量は256Kbyte*1000フレーム/s=256Mbyteとなる。一般的にフォトンカウンティング計測は、画像蓄積によって精度を確保するため、数分オーダー(数万フレーム以上)の蓄積が必要とある場合が多く、現状のコンピュータを基本としたハードウェアで、こうした長時間のフォトンカウンティング画像の蓄積を行うことは困難であった。言いかえれば、画像そのものを出力/蓄積するカメラ方式では、十分なフォトンカウンティング計測の精度が得られないことになる。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、撮像精度が高く、画像に関するデータの蓄積量を低減できるフォトンカウンティング装置、フォトンカウンティングシステム、及びフォトンカウンティング方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蛍光体の蛍光を撮像するフォトンカウンティングシステムであって、上記蛍光を受光する複数の受光素子が2次元状に配列された受光素子アレイと、上記受光素子アレイの所定列に対応して設けられ、対応する列中の上記受光素子から順次読み出された出力信号をアナログ・デジタル変換する複数のA/D変換器が、並列されたA/D変換器アレイと、上記A/D変換器から受信した上記各受光素子の出力信号に相当するデジタル信号に対して平滑化処理を施し、上記各受光素子の配列に関連付けられた、上記蛍光における輝点の強度に関する輝度データを算出する輝度データ算出部と、上記輝度データに基づいて、上記受光素子の配列に関連付けられた、上記蛍光における上記輝点の中心位置を算出する輝点中心算出部と、上記輝度データに基づいて、上記輝点の上記中心位置と上記輝点の重心位置との差に関する重心情報を算出する重心情報算出部と、上記重心情報算出部で算出された上記重心情報に基づいて、上記輝点の上記中心位置と上記輝点の上記重心位置との差を求め、上記中心位置と上記差とに基づいて、上記輝点の上記重心位置を算出する輝点重心算出部と、撮像の各フレームで得られる上記重心位置の情報の積算を行い画像を再構成するとともに、連続する複数のフレームにおいて上記輝点の上記重心位置が重複した場合に、一つのフレームにおける当該重心位置の情報として積算する手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
このようなフォトンカウンティングシステムでは、受光素子で受光した蛍光に基づいて、輝点の強度に関する輝度データが算出される。この輝度データは、対応する受光素子の配列に関連付けられている。また、輝度データに基づいて、輝点の中心位置が求められる。この中心位置は、例えばある輝点がその周囲のどの輝点よりも高輝度である場合に、その高輝度な輝点の存在する座標として求められる。更に、輝度データに基づいて重心情報が算出される。そして、この重心情報と輝点の中心位置の情報とを利用して輝点の重心を求めることで、蛍光の輝点のより正確な位置を測定できることになり、撮像精度を向上させることができる。更に、本発明では、輝点を表示させる前段階において画像そのものを示すデータを蓄積せずに、受光素子の配列及び輝点の強度に関する輝度データ、輝度の中心位置の情報、及び重心情報を蓄積しておけばよいため、画像に関するデータの蓄積量を大幅に低減することができる。また、1つとカウントすべき輝点を重ねて積算しないため、撮像精度をより向上させることができる。
【0008】
本発明のフォトンカウンティングシステムにおいて、上記輝点中心算出部は、上記輝度データ算出部で算出された上記輝度データのうち輝度が所定の基準値より大きいもののみに基づいて、上記輝点の中心位置を算出し、上記重心情報算出部は、上記輝度データ算出部で算出された上記輝度データのうち輝度が所定の基準値より大きいもののみに基づいて、上記重心情報を算出することが好適である。
【0009】
このような構成にした場合、輝度が基準値以下のものは撮像結果として出力しないことになるため、ノイズを低減させ、撮像精度を更に向上させることができる。なお、ここでは輝度が基準値よりも大きなもののみを輝点の中心位置及び重心情報の算出に利用しているが、基準値以上のもののみをこれらの演算の対象としてもよい。
【0012】
本発明のフォトンカウンティングシステムは、上記重心位置をその座標として上記輝点を表示させる出力表示部を備えることが好適である。
【0013】
出力表示部によって、重心位置を座標として輝点が表示されるため、オペレータは、蛍光像をより正確に見ることができる。更に、輝点重心算出部では、画像そのものを示すデータを蓄積せずに、受光素子の配列及び輝点の強度に関する輝度データと、重心情報とを蓄積しておけばよいため、画像に関するデータの蓄積量を大幅に低減することができる。
【0014】
本発明のフォトンカウンティングシステムにおいて、上記重心位置の情報の上記積算を上記出力表示部が行うことが好適である。
【0015】
このような積算表示をすることで、オペレータは、より正確な蛍光像を見ることができる。
【0018】
本発明のフォトンカウンティング方法は、蛍光体の蛍光を撮像するフォトンカウンティング方法であって、複数の受光素子が2次元状に配列された受光素子アレイによって、上記蛍光を受光するステップと、上記受光素子アレイの所定列から順次読み出された出力信号をアナログ・デジタル変換するステップと、上記アナログ・デジタル変換された上記各受光素子の出力信号に相当するデジタル信号に対して平滑化処理を施し、上記各受光素子の配列に関連付けられた、上記蛍光における輝点の強度に関する輝度データを算出するステップと、上記輝度データに基づいて、上記受光素子の配列に関連付けられた、上記蛍光における上記輝点の中心位置を算出するステップと、上記輝度データに基づいて、上記輝点の上記中心位置と上記輝点の重心位置との差に関する重心情報を算出するステップと、上記重心情報に基づいて、上記輝点の上記中心位置と上記輝点の上記重心位置との上記差を求めるステップと、上記中心位置と上記差とに基づいて、上記輝点の上記重心位置を算出するステップと、撮像の各フレームで得られる上記重心位置の情報の積算を行い画像を再構成するとともに、連続する複数のフレームにおいて上記輝点の上記重心位置が重複した場合に、一つのフレームにおける当該重心位置の情報として積算するステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明のフォトンカウンティング方法によれば、輝点の重心を求めるため、蛍光の輝点のより正確な位置を測定できることになり、撮像精度を向上させることができる。更に、輝点を表示させる前段階において画像そのものを示すデータを蓄積せずに、受光素子の配列及び輝点の強度に関する輝度データと重心情報とを蓄積するかたちになるため、画像に関するデータの蓄積量を大幅に低減することができる。また、1つとカウントすべき輝点を重ねて積算しないため、撮像精度をより向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るフォトンカウンティング装置、フォトンカウンティングシステム、及びフォトンカウンティング方法の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、本実施形態のフォトンカウンティングシステム10を示す構成図である。フォトンカウンティングシステム10は、光子を一粒一粒測定することで画像を撮像するシステムであって、フォトンカウンティング装置20と、該装置20と情報通信可能に接続された制御装置30と、撮像画像を表示するディスプレイ40とを備えている。
【0022】
フォトンカウンティング装置20は、受光部1、画像処理部2、並びに、受光部1及び画像処理部2を制御する制御部3を備えており、カメラとして実現できる。また、受光部1の前段には、入射電子を増幅する増幅器と、増幅された電子を蛍光像に変換する蛍光体4とを少なくとも有するイメージインテンシファイア(図示略)が設けられている。受光部1に電子ではなく光子が入射される場合は、増幅器の前段に、光電変換を行う光電面を設ければよい。
【0023】
受光部1は、受光素子アレイ11、アンプアレイ12、A/D変換器アレイ13、及び転送S/W14から構成される。
【0024】
受光素子アレイ11は、(n1)行x(n2)列の2次元状に配された受光素子(例えばフォトダイオード)110からなり、各受光素子110は、蛍光体4における蛍光を受光し、これを電気信号に変換する。この電気信号は、各受光素子と転送線との間に設置された図示されていないスイッチによりアンプアレイ12に順番に読み出される。アンプアレイ12は、受光素子アレイ11の各列に対応してn2個のチャージアンプ120を備え、各チャージアンプ120は、受光素子110から各列毎に送られてくる電気信号を増幅する。
【0025】
A/D変換器アレイ13は、受光素子アレイ11の各列に対応して1次元状に配されたA/D変換器130を備える。A/D変換器130は、受光素子アレイ11の対応する1列中の受光素子110から順次読み出され、その後増幅されたアナログの出力信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器アレイ13からの出力信号は、転送S/W14により、行方向について順次デジタル信号として出力される。この画像出力信号は、後段の画像処理部2に入力される。なお、転送S/W14からの画像出力信号は、ディスプレイ40において画像のモニタ信号として用いることもできる。
【0026】
画像処理部2は、輝度データ算出部21と、輝点中心算出部22と、重心情報算出部23とを備える。
【0027】
輝度データ算出部21は、受光部1からの画像出力信号に対して平滑化処理を施し、蛍光体4の蛍光における輝度の強度に関する輝度データを算出する。平滑化処理は、輝度データ算出部21に内蔵された平滑化処理回路によって行われるものであり、これによって雑音を除去できる。輝度データは、各受光素子110の配列に関連付けられた情報である。言い換えると、輝度データは、その輝度の強度がどの受光素子110から得られたものであるかを示している。
【0028】
輝点中心算出部22は、蛍光における輝点の中心位置を算出するものである。この中心位置は、各受光素子110の配列に関連付けられている。より詳しくは、輝点が複数の受光素子110にまたがって感知された場合は一つの輝点から複数の輝度データが得られるが、輝点の中心位置は、複数の輝度データのうちで最も輝度が高いものが得られた受光素子110に対応する個所となる。つまり、輝点の中心位置は、各受光素子110の配列単位までしか求めることができない。
【0029】
重心情報算出部23は、上記輝度データに基づいて、輝点の中心位置と輝点の重心位置との差に関する重心情報を算出する。詳しくは後述するが、制御装置30の輝点重心算出部32において、この重心情報に基づいてその差を求め、更に、輝点の中心位置にその差を加えて輝点の重心位置を算出される。
【0030】
概略以上のような構成を有する画像処理部2は、算出した輝度データ、中心位置情報、及び重心情報を制御装置30に出力するが、本実施形態では、出力データ量を少なく抑えることができる。例えば、128x128画素の受光部1を持つセンサで考えた場合、画像データをそのまま出力した場合には、128x128x8bit=16Kbyteの通信データ量となるが、データ処理で得た輝度データ及び重心情報などを通信データとすることで、1輝点あたりの情報は64bit=8byte程度に抑えることが可能である。従って、例えば1画面中に100点の輝点情報があった場合に、合計800byteの通信データ量(画像に比較して約20分の1)に圧縮して出力することが可能となる。この圧縮率は、高い解像度の受光部を用いるほど顕著となる。
【0031】
次に、制御装置30の概略構成を説明する。制御装置30は、データ蓄積部31と、輝点重心算出部32と、出力表示部33とを備える。制御装置30は、例えばパーソナルコンピュータによっても実現することができる。
【0032】
データ蓄積部31には、フォトンカウンティング装置20の画像処理部2から出力された輝度データ、輝点の中心位置情報、及び重心情報が少なくとも蓄積される。
【0033】
輝点重心算出部32は、重心情報に基づいて輝点の中心位置と輝点の重心位置との座標の差(ベクトル)を求め、更に、輝点の中心位置にその差を加えて、輝点の重心位置を算出する。
【0034】
出力表示部33は、輝点重心算出部32で得られた重心位置をその座標としてディスプレイ40に輝点を表示させる。また、出力表示部33は、撮像の各フレームで得られる輝点の重心位置の情報を積算してディスプレイ40に撮像画像を表示させる。
【0035】
つまり、概略このような構成を有する制御装置30は、画像処理部2から受信した情報を蓄積するとともに、蓄積した情報に基づいてフォトンカウンティング画像の再構成及び表示を行う。データ蓄積部31に蓄積される情報は既に必要なもののみが画像処理部2で抽出された状態となっているため、必要最小限のメモリ容量に蓄えることができ、大幅な計測時間の向上を実現できる。
【0036】
次に、フォトンカウンティングシステムの詳細な構成及びこれによるフォトンカウンティング方法について説明する。
【0037】
まず、受光部1について詳説する。図2は、受光部1の詳細構成の一例を示す回路図である。画像入力部は、蛍光体4の蛍光を検出する受光部100(図1に示す受光素子アレイ11に相当)と、受光部100からの出力信号を処理する信号処理部200(図1に示すアンプアレイ12及びA/D変換器アレイ13に相当)と、受光部100及び信号処理部200に動作タイミングの指示信号を送信するタイミング制御部300(図1に示す制御部3の一部に相当)とを備えている。
【0038】
まず、図1の受光素子アレイ11に相当する受光部100の構成を説明する。受光素子110は、入力した光強度に応じて電荷を発生する光電変換素子111と、光電変換素子111の信号出力端子に接続され、垂直走査信号Vi(i=1〜n1)に応じて光電変換素子111に蓄積された電荷を出力するスイッチ素子112を1組として構成されている。この受光素子110が第1の方向(以下垂直方向と呼ぶ)に沿ってn1個配置され、各受光素子110のスイッチ素子112が電気的に接続されて垂直受光部115を構成している。そして、この垂直受光部115を垂直方向に直交する水平方向に沿ってn2個配列することにより受光部100が構成されている。
【0039】
次に、アンプアレイ12及びA/D変換器アレイ13に相当する信号処理部200の構成を説明する。信号処理部200は、対応する垂直受光部115j(j=1〜n2)から転送されてきた電荷を個別に取り出して処理し、この電荷強度に対応するデジタル信号を出力するA/D変換器210jをn2個配置して構成されている。A/D変換器210jは、チャージアンプ221jを含む積分回路220jと、比較回路230jと、容量制御機構240jとの3つの回路から構成される。本実施形態では、チャージアンプ221がA/D変換器210に含まれる回路構成になっている。
【0040】
積分回路220jは、垂直受光部115jからの出力信号を入力として、この入力信号の電荷を増幅するチャージアンプ221jと、チャージアンプ221jの入力端子に一方の端が接続され、出力端子に他方の端が接続された可変容量部222jと、チャージアンプ221jの入力端子に一方の端が接続され、出力端子に他方の端が接続されて、リセット信号Rに応じてON、OFF状態となり、積分回路220jの積分、非積分動作を切り替えるスイッチ素子223jと、から構成されている。
【0041】
図3は、この積分回路220の詳細構成図である。同図は、4ビットつまり16階調の分解能を持つA/D変換機能を備える積分回路の例であり、以下、この回路構成により説明する。可変容量部222は、チャージアンプ221の垂直受光部からの出力信号の入力端子に一方の端子が接続された容量素子C1〜C4と、容量素子C1〜C4の他方の端子とチャージアンプ221の出力端子の間に接続され、容量指示信号C11〜C14に応じて開閉するスイッチ素子SW11〜SW14と、容量素子C1〜C4とスイッチ素子SW11〜SW14の間に一方の端子が接続され、他方の端子がGNDレベルと接続されて、容量指示信号C21〜C24に応じて開閉するスイッチ素子SW21〜SW24とにより構成されている。なお、容量素子C1〜C4の電気容量C1〜C4は、
C1=2C2=4C3=8C4
C0=C1+C2+C3+C4
の関係を満たす。ここで、C0は積分回路220で必要とする最大電気容量であり、受光素子110(図2参照)の飽和電荷量をQ0、基準電圧をVREFとすると、
C0=Q0/VREF
の関係を満たす。
【0042】
再び、図2を参照し、A/D変換器210jの積分回路220j以外の回路を説明する。比較回路230jは、積分回路220jから出力された積分信号Vsの値を基準値VREFと比較して、比較結果信号Vcを出力する。容量制御機構240jは、比較結果信号Vcの値から積分回路220j内の可変容量部222jに通知する容量指示信号Cを出力すると共に、容量指示信号Cに相当するデジタル信号D1を出力する。
【0043】
続いて、図2に示すタイミング制御部300の構成を説明する。全回路のクロック制御を行う基本タイミングを発生する基本タイミング部310と、基本タイミング部310から通知された垂直走査指示に従って、垂直走査信号Viを発生する垂直シフトレジスタ320と、リセット指示信号Rを発生する制御信号部340とにより構成されている。
【0044】
以上のような構成の受光素子アレイ11及びアンプアレイ12を経てA/D変換器アレイ13から列毎に最上位ビット(MSB)より順次転送、出力されてくるデジタル信号は、転送S/W14に1画素分のデータ長(この例では4ビット長データ)のバッファに保管され、パラレル−シリアル変換されて出力画像となる。つまり、出力画像は4ビットの画像データ列となる。尚、本実施形態の受光部1では、1KHzでフォトンカウンティング画像を取得することができる。
【0045】
本実施形態では、高速フレームレートを実現するためにチャージアンプ120及びA/D変換器130を行ごとにn2個配置したが、チャージアンプ及びA/D変換器の能力に応じて、数列に1つを対応させて配置してもよい。その場合も、転送S/Wにより、画像出力としては行列を順次走査した出力が得られることになる。
【0046】
次に、画像処理部2について詳説する。上記のように、画像処理部2は、輝度データ算出部21、輝点中心算出部22、及び重心情報算出部23を備える。
【0047】
輝度データ算出部21は、平滑化処理回路を備えている。図4は、平滑化処理回路24を示す概略図である。平滑化処理回路24は、受光部1からのデジタル出力信号に平滑化処理を施し、蛍光体4の蛍光における輝度の強度に関する輝度データを算出するものである。平滑化処理回路24は、順次送られてくる画像データd(x,y)を3画素分保持するためのデータバッファ24aと、そのデータバッファ24aに蓄えられたデータの和を取るためのSUM回路24b、及び、総和された値を3で割って規格化するための割り算器24cから構成される。入力されたデータは、3画素分のデータが蓄えられて、そのデータについて総和が計算され、その値を3で割ったものが出力される輝度データとなる。つまり下記の演算がなされる。
dnew(x,y)= { d(x-1,y) + d(x,y) + d(x+1,y) }/3;
尚、dは輝点の輝度、(x,y)は輝点の位置(x,yは、受光素子110の配列に対応している)を示す。このような平滑化処理を複数回行うことにより、ノイズレベルに適応した平滑化の度合いを変更できる。尚、輝度データに示される(x,y)は、受光素子110の配列に対応している。
【0048】
また、ここでは3画素分(左右の2近傍)のデータについて平滑化をおこなったが、上下左右の4近傍を用いる方法などがある。この場合の処理アルゴリズムは、以下のとおりである。
dnew(x,y)= { d(x-1,y) + d(x,y-1) + d(x+1,y) + d(x,y+1) + 4d(x,y) }/8;
d(x,y)=dnew(x,y);
dnew(x,y)= { d(x-1,y) + d(x,y-1) + d(x+1,y) + d(x,y+1) + 4d(x,y) }/8;
d(x,y)=dnew(x,y);
【0049】
次に、図5を参照して、輝点中心算出部22に設けられた輝点中心算出回路25について説明する。平滑化処理回路24で処理された輝度データのデータ列は、3行分のデータバッファ25aに入力される。そこに蓄えられたデータのうち、判定器25bにより、3x3画素のデータに対して、中央のデータd(x,y)が近傍画素のデータ値より大きいかどうかの判断を行う。そして、輝点抽出器25cは、d(x,y)が全ての近傍データより大きく、且つ、その輝度が閾値よりも大きい場合に、「極大値である=輝点の中心である」と判断し、その位置(x,y)及び輝度値d(x,y)を出力する。
【0050】
以下に、輝点中心の算出に関するアルゴリズムを示す。尚、p(n,k)は第nフレームの第k番目の輝点であることを示す。
k=0;
for(x=0; x<X方向画素数;x++){
for(y=0; y<Y方向画素数;y++){
if( ((d(x,y)>d(x-1,y)) & ((d(x,y)>d(x,y-1)) & ((d(x,y)>d(x+1,y)) & ((d(x,y)>d(x,y+1))){
p(n,k){d}=d(x,y);p(n,k){x}=x;p(n,k){y}=y;k=k+1;}}}
【0051】
なお、輝点の中心位置を算出するにあたり、平滑化処理回路24から出力された輝度データのうち、輝度が所定の基準値より大きいもののみに基づいて算出してもよい。この場合、輝度が基準値以下のものは撮像結果として出力しないことになるため、ノイズを低減させ、撮像精度を向上させることができる。なお、ここでは輝度が基準値よりも大きなもののみを演算に利用しているが、基準値以上のもののみを演算の対象としてもよい。
【0052】
また、輝度が所定の基準値より大きい輝度データの面積s(x,y)を求め、この面積sが所定の範囲内にある場合にのみ、それを輝点として扱うように構成してもよい。このような手法を採れば、ノイズを更に低減させることができる。
【0053】
図6を参照して、このような面積を算出するための輝点面積算出回路26について説明する。平滑化処理回路24で処理されたデータ列は、3行分のデータバッファ26aに入力される。そこに蓄えられたデータのうち、3x3画素のデータに対して、比較器26bによってそれぞれの画素値としきい値thとの比較が行われる。そして、総和回路26cは、しきい値thよりも大きいデータの点数を面積とし、輝点面積s(x,y)を出力する。ここでは、3x3領域について面積を演算したが、対象画面領域を、n*mの領域に拡大すれば、任意の大きさの対象物について面積を算出可能となる。
【0054】
以下に、具体的な処理アルゴリズムを示す。ここでは、輝点の中心位置(x,y)を中心に、輝点の面積sを求める(面積換算の輝度しきい値をthとする)。また、面積の算出範囲を輝点中心からhの範囲とする(hは輝点の平均サイズから適宜設定する)。
p(n,k){s}=0;
for(xx=x-h; xx<x+r;xx++){
for(yy=y-h; yy<y+h;yy++){
if( d(x,y)>th ){
p(n,k){s} = p(n,k){s}+1;}}}
【0055】
次に、図7を参照して、重心情報算出部23に設けられた重心情報算出回路27について説明する。重心情報算出回路27によって、上記輝度データに基づいて、輝点の中心位置と輝点の重心位置との差に関する重心情報が得られる。輝度データ算出部21で得られた輝度データのデータ列は、3行分のデータバッファ27aに入力される。そこに蓄えられたデータのうち、3つのモーメント演算器27bは、3x3画素のデータに対して、重心情報(0次モーメント M0(x,y), x方向1次モーメント M1x(x,y), y方向1次モーメント M1y(x,y))を演算する。
【0056】
それぞれのモーメントの計算内容は下記のように、和及び差の演算から構成される。
M0(x,y)={d(x+1,y-1)+d(x+1,y)+d(x+1,y+1)}+{d(x,y-1)+d(x,y)+d(x,y+1)}+{d(x-1,y-1)+d(x-1,y) +d(x-1,y+1)}
M1x(x,y)={d(x+1,y-1)+d(x+1,y)+d(x+1,y+1)}*(+1)+{d(x-1,y-1)+d(x-1,y)+d(x-1,y+1)}*(-1)
M1y(x,y)={d(x+1,y-1)+d(x+1,y)+d(x+1,y+1)}*(+1)+{d(x-1,y-1)+d(x-1,y)+d(x-1,y+1)}*(-1)
なお、ここでは、3x3領域について重心情報を演算したが、前述したように、n*mの領域での重心演算を行うことで、任意の大きさの対象物の重心を求めることが可能となる。
【0057】
次に、この具体的な処理アルゴリズムを説明する。以下において、sumは0次モーメント、x_sumはx方向1次モーメント、y_sumはy方向1次モーメントを示す。また、輝点の中心位置(x,y)を中心に、重心情報(1次/0次モーメント)を算出する。
p(n,k){sum}=0; p(n,k){x_sum}=0; p(n,k){y_sum}=0;
for(xx=x-h; xx<x+r;xx++){
for(yy=y-h; yy<y+h;yy++){
p(n,k){sum} = p(n,k){sum} + p(n,k){d};
p(n,k){x_sum} = p(n,k){x_sum} + xx*p(n,k){d};
p(n,k){y_sum} = p(n,k){y_sum} + yy*p(n,k){d};}}
【0058】
このようにして得られた重心情報を利用すれば、輝点の位置を受光素子110の配列より細かく、すなわちサブピクセルで求めることができる。そして、以上のようにして求められた輝度データ、輝点の中心位置の情報、及び重心情報は、画像処理部2から制御装置30へ送信される。
【0059】
なお、輝点の重心位置を算出するにあたり、平滑化処理回路24から出力された輝度データのうち、輝度が所定の基準値より大きいもののみに基づいて算出してもよい。この場合、輝度が基準値以下のものは撮像結果として出力しないことになるため、ノイズを低減させ、撮像精度を向上させることができる。なお、ここでは輝度が基準値よりも大きなもののみを演算に利用しているが、基準値以上のもののみを演算の対象としてもよい。
【0060】
次に、制御装置30でフォトンカウンティング画像を再構成する過程を説明する。制御装置30の輝点重心算出部32は、データ蓄積部31に蓄積された輝点の中心位置の情報及び重心情報に基づいて、概略以下のような計算で、輝点の重心位置を求める。
第mフレームの第n番目の輝点の重心位置;
(x方向の位置)= x + x_sum/sum (1)
(y方向の位置)= y + y_sum/sum (2)
(1)及び(2)式において、第1項は画素ごとの位置情報、第二項は画素内でのサブピクセル情報を示している。つまり、x_sum,y_sum,sumの値(0次及び1次モーメント)から、受光素子110の画素単位(配列単位)より細かい単位で輝点の位置情報を計算することができる。
【0061】
次に、この過程をより詳しく説明する。ここでは、センサの画素数を横x画素−縦y画素(d(x,y))として、再生画像を4倍の画素を持つ画像(t(4x,4y)=t(w,z))で表示する例を示す。つまり、輝度データから重心計算を行い、輝点の位置をサブピクセルで計算してこれを蓄積することで、高い解像度かつ広いダイナミックレンジの画像を得ることを目標とする。また、このとき、連続するフレームで同じ位置に輝点が現われた時には、「1つの輝点を連続するフレームでカウントする」という重複を避けるために、どちらか1度でカウントするようにすることで精度を向上させている。また、輝点の面積情報や輝点の輝度値をある設定値と比較してカウントすることにより、さらにカウントすべき輝点の選別が行える。
【0062】
フォトンカウンティング積分画像を出力する場合の具体的な処理アルゴリズムは、次のとおりである。
▲1▼フォトンカウンティング画像の再構成
for(xx=0; xx<XX方向画素数;xx++){
for(yx=0; yy<YY方向画素数;yy++){
t(xx,yy)=0;}}
for(n=0; n<フレームの最大; n++){
for(k=0; k<データの最大; k++){
xx = (int) (4*( p(n,k){x} + (p(n,k){x_sum} / p(n,k){sum} ) )); //x方向重心計算
yy = (int) (4*( p(n,k){y} + (p(n,k){y_sum} / p(n,k){sum} ) )); //y方向重心計算
▲2▼連続するフレームの輝度チェック
if( (p(n-1,k){d} < th_d ) & (p(n,k){d} < th_d ) & (p(n,k){s} < th_s )) {t(xx,yy) = t(xx,yy) + 1;}}}
【0063】
以上のように、(1)及び(2)式では、(x方向の位置)及び(y方向の位置)は0から128(画素数)の範囲で分布したが、上記のプログラム中では、512x512画素の画像として再構成するために、それぞれを4倍(512画素/128画素=(拡大した時の画素数)/(元の画素数))した位置に、輝点があるとして積算することで最終的な512x512の画像が得られる。
【0064】
つまり、(1)及び(2)式を下記のように4倍した後、整数化(INT関数)することで実現される。上記プログラムでは、画像t(xx,yy)に積算画像が構成される。画像t(xx,yy)は、受光部のセンサの画素数(x,y)の4倍の解像度を持った画像として、フォトンカウンティングの結果を表示することが可能となる。
(512x512画面上での輝点のx方向位置)= (INT) { 4 * (x + x_sum/sum) } (1)
(512x512画面上での輝点のy方向位置)= (INT) { 4 * (y + y_sum/sum) }
(2)
【0065】
また、上記▲2▼式のif( (p(n-1,k){d} < th_d ) & (p(n,k){d} < th_d ) & (p(n,k){s} < th_s ))の部分で示したように、カウントする条件として、第1項で1つ前のフレームの輝度がしきい値(th_d)より小さく(連続するフレームでの重複カウントのチェック)、第2項では輝度がしきい値(th_d)より大きく(ある程度の明るさを持った輝点のみカウント)、第3項で輝点の面積がしきい値(th_s)より大きい場合にカウントするように設定している。このように、対象となるフォトンカウンティング画像の輝点の情報を、カウント条件を変えることで、より精度よく計測できることになる。連続するフレームで輝点の重心位置が同じ位置に存在した場合に、いずれか一方をディスプレイ40に表示させないようにすることで、より高精度の撮像結果を表示することができる。
【0066】
以上のように、輝点重心算出部32で輝点の重心位置を求めた後、出力表示部33は、重心位置をその座標としてディスプレイ40に輝点を表示させる。また、出力表示部33は、撮像の各フレームで得られる輝点の重心位置の情報を積算してディスプレイ40に撮像画像を表示させる。
【0067】
図8(a)〜図8(c)を参照して、本実施形態のフォトンカウンティングシステムによる撮像過程の一例を説明する。
【0068】
まず、受光部1により、蛍光体4のフォトンカウンティング画像は、1KHz(蛍光体の発光時間=約1ミリ秒とほぼ同等な時間)で取りこまれる。これは、蓄積時間が33ミリ秒というCCDカメラでは実現が極めて困難な速度である。図8(a)に示すように、輝点が数十から数百点程度、撮像される。この輝点の数は、カメラの感度やフォトンカウンティングの条件(イメージインテンシファイアのゲイン)などにより制御できる。そして、画像処理部2は、上記の画像処理をリアルタイム実行して、図8(a)の画像に基づいて輝度データを算出する。図8(b)には、輝点と判断された点が示されている。つまり、図8(a)の画像の中に、輝点と判断できる点が、100点程度あることを示している。次に、それぞれの輝点について、輝度、中心位置、及び重心情報が算出された後、輝点重心算出部32が輝点の重心位置を算出する。更に、出力表示部33は、この輝点の重心位置を座標として、図8(c)に示すような積算画像をディスプレイ40に表示させる。このような積算表示をすることで、オペレータは、より正確な蛍光体の蛍光パターンを見ることができる。
【0069】
本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、輝点の中心位置と重心情報とを利用して輝点の重心を求めていることから、受光部1の受光素子の画素数(x,y)よりも高い解像度を持った画像を得ることができるため、撮像精度を向上させることができる。
【0070】
近年、上記のような画像演算処理を行うハードウェアを簡易に開発実装できるデバイスとしてFPGA(Field Programmable Gate Array)などが実用化されており、演算対象に応じた処理をハードウェア化する作業を効率的に行うことが可能となっている。さらに、HDL(ハードウェア記述言語)を用いることでソフトウェア的な処理内容の記述で回路設計が可能となっているため、所望の画像処理を行うハードウェアを容易に作成することができる。こうして作成したハードウェアによって画像処理を行うことで、汎用的な回路によりソフトウェアで画像処理を行う場合に比べて高速での演算が可能となる。
【0071】
更に、本実施形態によれば、輝点を表示させる前段階において画像そのものを示すデータを蓄積せずに、輝度データ、輝度の中心位置の情報、及び重心情報をデータ蓄積部31に蓄積しておけばよいため、画像に関するデータの蓄積量を大幅に低減することができる。これにより、高速フレームレートカメラを用いた場合の莫大な情報の処理と保存の問題を解決することができる。また、データ量を抑えることで、一般的なコンピュータを用いた場合でも、データ転送や処理にボトルネックのない、スムーズなフォトンカウンティングシステムが構築できることになる。
【0072】
尚、本実施形態のフォトンカウンティングシステム10では、輝点重心算出部32がフォトンカウンティング装置20の外部に位置する制御装置30に設けられているが、輝点重心算出部32をフォトンカウンティング装置20に内蔵してもよい。この場合、フォトンカウンティング装置20内で輝点の重心位置までを求めることになる。つまり、このフォトンカウンティング装置に情報通信可能に接続される出力段においては、輝点の中心位置と重心情報とに基づいて重心位置を算出するという演算を行う必要が無くなるため、出力段の負担を軽減できる。
【0073】
図9は、本発明に係るフォトンカウンティングシステムの他の実施形態を示す図である。図1に示した形態では、受光部1の出力を、転送S/W14でパラレル-シリアル変換して出力した。今後、画素数が大幅に増加した受光部1を用いる場合には、図9に示す形態ように、受光部1からの出力データをパラレルデータのまま出力し、画像処理部2では、並列データ数に対応した処理素子210を用いることで、多くの画素数の受光素子110を用いた場合でも、高速性を維持したシステムを構築できる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮像精度が高く、画像に関するデータの蓄積量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトンカウンティングシステムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】フォトンカウンティング装置における受光部の一構成を示す回路図である。
【図3】受光部における積分回路の詳細構成図である。
【図4】平滑化処理回路を示す概略図である。
【図5】輝点中心算出回路を示す概略図である。
【図6】輝点面積算出回路を示す概略図である。
【図7】重心情報算出回路を示す概略図である。
【図8】図8(a)〜図8(c)は、フォトンカウンティングシステムによる撮像過程を説明するために用いた画像である。
【図9】本発明のフォトンカウンティングシステムの他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1・・・受光部、2・・・画像処理部、3・・・制御部、4・・・蛍光体、10・・・フォトンカウンティングシステム、11・・・受光素子アレイ、12・・・アンプアレイ、13・・・A/D変換器アレイ、14・・・転送S/W、20・・・フォトンカウンティング装置、21・・・輝度データ算出部、22・・・輝点中心算出部、23・・・重心情報算出部、24・・・平滑化処理回路、25・・・輝点中心算出回路、26・・・輝点面積算出回路、27・・・重心情報算出回路、30・・・制御装置、31・・・データ蓄積部、32・・・輝点重心算出部、33・・・出力表示部、40・・・ディスプレイ、100・・・受光部、110・・・受光素子、120・・・チャージアンプ、130・・・A/D変換器。
Claims (5)
- 蛍光体の蛍光を撮像するフォトンカウンティング装置であって、
前記蛍光を受光する複数の受光素子が2次元状に配列された受光素子アレイと、
前記受光素子アレイの所定列に対応して設けられ、対応する列中の前記受光素子から順次読み出された出力信号をアナログ・デジタル変換する複数のA/D変換器が、並列されたA/D変換器アレイと、
前記A/D変換器から受信した前記各受光素子の出力信号に相当するデジタル信号に対して平滑化処理を施し、前記各受光素子の配列に関連付けられた、前記蛍光における輝点の強度に関する輝度データを算出する輝度データ算出部と、
前記輝度データに基づいて、前記受光素子の配列に関連付けられた、前記蛍光における前記輝点の中心位置を算出する輝点中心算出部と、
前記輝度データに基づいて、前記輝点の前記中心位置と前記輝点の重心位置との差に関する重心情報を算出する重心情報算出部と、
前記重心情報算出部で算出された重心情報に基づいて、前記輝点の前記中心位置と前記輝点の前記重心位置との前記差を求め、前記中心位置と前記差とに基づいて、前記輝点の前記重心位置を算出する輝点重心算出部と、
撮像の各フレームで得られる前記重心位置の情報の積算を行い画像を再構成するとともに、連続する複数のフレームにおいて前記輝点の前記重心位置が重複した場合に、一つの前記フレームにおける当該重心位置の情報として積算する手段と、
を備えることを特徴とするフォトンカウンティングシステム。 - 前記輝点中心算出部は、前記輝度データ算出部で算出された前記輝度データのうち輝度が所定の基準値より大きいもののみに基づいて、前記輝点の中心位置を算出し、
前記重心情報算出部は、前記輝度データ算出部で算出された前記輝度データのうち輝度が所定の基準値より大きいもののみに基づいて、前記重心情報を算出することを特徴とする請求項1記載のフォトンカウンティングシステム。 - 前記重心位置をその座標として前記輝点を表示させる出力表示部を備えることを特徴とする請求項1または2記載のフォトンカウンティングシステム。
- 前記重心位置の情報の前記積算を前記出力表示部が行うことを特徴とする請求項3記載のフォトンカウンティングシステム。
- 蛍光体の蛍光を撮像するフォトンカウンティング方法であって、
複数の受光素子が2次元状に配列された受光素子アレイによって、前記蛍光を受光するステップと、
前記受光素子アレイの所定列から順次読み出された出力信号をアナログ・デジタル変換するステップと、
前記アナログ・デジタル変換された前記各受光素子の出力信号に相当するデジタル信号に対して平滑化処理を施し、前記各受光素子の配列に関連付けられた、前記蛍光における輝点の強度に関する輝度データを算出するステップと、
前記輝度データに基づいて、前記受光素子の配列に関連付けられた、前記蛍光における前記輝点の中心位置を算出するステップと、
前記輝度データに基づいて、前記輝点の前記中心位置と前記輝点の重心位置との差に関する重心情報を算出するステップと、
前記重心情報に基づいて、前記輝点の前記中心位置と前記輝点の前記重心位置との前記差を求めるステップと、
前記中心位置と前記差とに基づいて、前記輝点の前記重心位置を算出するステップと、
撮像の各フレームで得られる前記重心位置の情報の積算を行い画像を再構成するとともに、連続する複数のフレームにおいて前記輝点の前記重心位置が重複した場合に、一つの前記フレームにおける当該重心位置の情報として積算するステップと、
を含むことを特徴とするフォトンカウンティング方法。
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