JP2003279411A - フォトンカウンティング装置、フォトンカウンティングシステム、及びフォトンカウンティング方法 - Google Patents

フォトンカウンティング装置、フォトンカウンティングシステム、及びフォトンカウンティング方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮像精度が高く、画像に関するデータの蓄積
量を低減できるフォトンカウンティング装置、フォトン
カウンティングシステム、及び方法の提供。 【解決手段】 受光素子110の配列に関連すると共に
輝点の強度を示す輝度データに基づいて、輝点中心算出
部22は輝点の中心位置を求める。重心情報算出部23
は、輝度データに基づいて重心情報を算出する。そし
て、輝点重心算出部32は、重心情報と輝点の中心位置
の情報とを利用して輝点の重心を求める。これにより、
蛍光体4の輝点のより正確な位置を測定できることにな
り、撮像精度が向上する。更に、輝点を表示させる前段
階において画像そのものを示すデータを蓄積せずに、上
記輝度データ、輝度の中心位置の情報、及び重心情報を
データ蓄積部31に蓄積しておけばよいため、画像に関
するデータの蓄積量を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光子をカウントす
るフォトンカウンティング装置及び方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光子を一粒一粒検出するフォトンカウン
ティング技術を用いた計測方法は、原子・分子反応解析
や蛍光・発光解析などに幅広く利用されている。しか
し、通常のフォトンカウンティングシステムでは、光電
子増倍管やAPD(アバランシェ・フォトダイオード)を用
いた0次元センサを用いており、パルス光照射などの現
象を解析する場合などに同時刻に多くの信号が発生する
ような対象の処理には効率が問題となる。そこで、2次
元的にフォトンカウンティングが実現できるICCDカメラ
(イメージインテンシファイアなどの増幅デバイスと光
電変換のためのCCDカメラの組み合わせシステム)も利
用されている。このような2次元フォトンカウンティン
グカメラは、画像を一粒一粒の輝点の集合体として撮像
し、それらを2値化した結果をカウントすることで画像
化を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のフォ
トンカウンティングカメラは、上記のようにCCDカメラ
を用いているため、フレームレートは30枚/秒に限定
されている。また、CCDカメラの蓄積時間は33ミリ秒
となる。一方、多くの場合、フォトンカウンティング画
像は微弱光領域の対象を可視化するための増幅器である
イメージインテンシファイアの出力として得られるた
め、イメージインテンシファイアの出力面である蛍光体
の発光パターンとして得られることが多い。この蛍光体
の発光時間は1〜数ミリ秒のものが主に使用されている
ため、33ミリ秒の蓄積時間で取りこむと、フォトンカ
ウンティング画像の1現象(蛍光体の発光時間は1〜数
ミリ秒)に対して蓄積時間が一桁程度大きいため、非常
に多くの輝点情報を同時に取り込むことになる。この
時、輝点の重なりが生じると、撮像精度が低下してしま
う。
【0004】また、従来のフォトンカウンティングカメ
ラにより高速フレームレートで画像を取り込む場合、デ
ータ処理上、次のような問題が生じる。例えば、512
x512画素x1KHz(=256Kbyte/フレーム)で画像を読
みこんだ場合には、1秒間あたりの画像データ量は25
6Kbyte*1000フレーム/s=256Mbyteとなる。一般
的にフォトンカウンティング計測は、画像蓄積によって
精度を確保するため、数分オーダー(数万フレーム以上)
の蓄積が必要とある場合が多く、現状のコンピュータを
基本としたハードウェアで、こうした長時間のフォトン
カウンティング画像の蓄積を行うことは困難であった。
言いかえれば、画像そのものを出力/蓄積するカメラ方
式では、十分なフォトンカウンティング計測の精度が得
られないことになる。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、撮像精度が高く、画像に関するデータ
の蓄積量を低減できるフォトンカウンティング装置、フ
ォトンカウンティングシステム、及びフォトンカウンテ
ィング方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、蛍光体の蛍光
を撮像するフォトンカウンティング装置であって、上記
蛍光を受光する複数の受光素子が2次元状に配列された
受光素子アレイと、上記受光素子アレイの各列に対応し
て設けられ、対応する列中の上記受光素子から順次読み
出された出力信号をアナログ・デジタル変換する複数の
A/D変換器が、並列されたA/D変換器アレイと、上
記A/D変換器から受信した上記各受光素子の出力信号
に相当するデジタル信号に対して平滑化処理を施し、上
記各受光素子の配列に関連付けられた、上記蛍光におけ
る輝点の強度に関する輝度データを算出する輝度データ
算出部と、上記輝度データに基づいて、上記受光素子の
配列に関連付けられた、上記蛍光における上記輝点の中
心位置を算出する輝点中心算出部と、上記輝度データに
基づいて、上記輝点の上記中心位置と上記輝点の重心位
置との差に関する重心情報を算出する重心情報算出部
と、を備えることを特徴としている。
【0007】このようなフォトンカウンティング装置で
は、受光素子で受光した蛍光に基づいて、輝点の強度に
関する輝度データが算出される。この輝度データは、対
応する受光素子の配列に関連付けられている。また、輝
度データに基づいて、輝点の中心位置が求められる。こ
の中心位置は、例えばある輝点がその周囲のどの輝点よ
りも高輝度である場合に、その高輝度な輝点の存在する
座標として求められる。更に、輝度データに基づいて重
心情報が算出される。そして、この重心情報と輝点の中
心位置の情報とを利用して輝点の重心を求めれば、蛍光
の輝点のより正確な位置を測定できることになり、撮像
精度を向上させることができる。更に、本発明では、輝
点を表示させる前段階において画像そのものを示すデー
タを蓄積せずに、受光素子の配列及び輝点の強度に関す
る輝度データ、輝度の中心位置の情報、及び重心情報を
蓄積しておけばよいため、画像に関するデータの蓄積量
を大幅に低減することができる。
【0008】本発明のフォトンカウンティング装置にお
いて、上記輝点中心算出部は、上記輝度データ算出部で
算出された上記輝度データのうち輝度が所定の基準値よ
り大きいもののみに基づいて、上記輝点の中心位置を算
出し、上記重心情報算出部は、上記輝度データ算出部で
算出された上記輝度データのうち輝度が所定の基準値よ
り大きいもののみに基づいて、上記重心情報を算出する
ことが好適である。
【0009】このような構成にした場合、輝度が基準値
以下のものは撮像結果として出力しないことになるた
め、ノイズを低減させ、撮像精度を更に向上させること
ができる。なお、ここでは輝度が基準値よりも大きなも
ののみを輝点の中心位置及び重心情報の算出に利用して
いるが、基準値以上のもののみをこれらの演算の対象と
してもよい。
【0010】本発明のフォトンカウンティング装置にお
いて、上記重心情報算出部で算出された重心情報に基づ
いて、上記輝点の上記中心位置と上記輝点の上記重心位
置との上記差を求め、上記中心位置と上記差とに基づい
て、上記輝点の上記重心位置を算出する輝点重心算出部
を更に備えてもよい。
【0011】このような構成を採る場合、フォトンカウ
ンティング装置内で輝点の重心位置までを求めることに
なる。つまり、このフォトンカウンティング装置に情報
通信可能に接続される出力段においては、輝点の中心位
置と重心情報とに基づいて重心位置を算出するという演
算を行う必要が無くなるため、出力段の負担を軽減でき
る。
【0012】本発明のフォトンカウンティングシステム
は、上記の輝点重心算出部を備えないフォトンカウンテ
ィング装置と、上記重心情報算出部で算出された重心情
報に基づいて、上記輝点の上記中心位置と上記輝点の上
記重心位置との上記差を求め、上記中心位置と上記差と
に基づいて、上記輝点の上記重心位置を算出する輝点重
心算出部と、上記重心位置をその座標として上記輝点を
表示させる出力表示部と、を備えることを特徴としてい
る。
【0013】輝点重心算出部において、重心情報と輝点
の中心位置の情報とを利用して輝点の重心を求めること
で、蛍光の輝点のより正確な位置を測定できることにな
り、撮像精度を向上させることができる。また、出力表
示部によって、重心位置を座標として輝点が表示される
ため、オペレータは、蛍光像をより正確に見ることがで
きる。更に、輝点重心算出部では、画像そのものを示す
データを蓄積せずに、受光素子の配列及び輝点の強度に
関する輝度データと、重心情報とを蓄積しておけばよい
ため、画像に関するデータの蓄積量を大幅に低減するこ
とができる。
【0014】本発明のフォトンカウンティングシステム
において、上記出力表示部は、撮像の各フレームで得ら
れる上記重心位置の情報を積算して表示させることが好
適である。
【0015】このような積算表示をすることで、オペレ
ータは、より正確な蛍光像を見ることができる。
【0016】また、本発明のフォトンカウンティングシ
ステムにおいて、上記出力表示部は、連続するフレーム
において同じ位置に上記輝点の上記重心位置が存在する
場合に、いずれかの上記フレームにおける上記輝点は表
示させないことが好適である。
【0017】このような構成を採れば、1つとカウント
すべき輝点を重ねて表示しないため、撮像精度を向上さ
せることができる。
【0018】本発明のフォトンカウンティング方法は、
蛍光体の蛍光を撮像するフォトンカウンティング方法で
あって、複数の受光素子が2次元状に配列された受光素
子アレイによって、上記蛍光を受光するステップと、上
記受光素子アレイの各列から順次読み出された出力信号
をアナログ・デジタル変換するステップと、上記アナロ
グ・デジタル変換された上記各受光素子の出力信号に相
当するデジタル信号に対して平滑化処理を施し、上記各
受光素子の配列に関連付けられた、上記蛍光における輝
点の強度に関する輝度データを算出するステップと、上
記輝度データに基づいて、上記受光素子の配列に関連付
けられた、上記蛍光における上記輝点の中心位置を算出
するステップと、上記輝度データに基づいて、上記輝点
の上記中心位置と上記輝点の重心位置との差に関する重
心情報を算出するステップと、上記重心情報に基づい
て、上記輝点の上記中心位置と上記輝点の上記重心位置
との上記差を求めるステップと、上記中心位置と上記差
とに基づいて、上記輝点の上記重心位置を算出するステ
ップと、上記重心位置をその座標として上記輝点を表示
させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】本発明のフォトンカウンティング方法によ
れば、輝点の重心を求めるため、蛍光の輝点のより正確
な位置を測定できることになり、撮像精度を向上させる
ことができる。更に、輝点を表示させる前段階において
画像そのものを示すデータを蓄積せずに、受光素子の配
列及び輝点の強度に関する輝度データと重心情報とを蓄
積するかたちになるため、画像に関するデータの蓄積量
を大幅に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るフォトンカウンティング装置、フォトンカウン
ティングシステム、及びフォトンカウンティング方法の
好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素
には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略す
る。
【0021】図1は、本実施形態のフォトンカウンティ
ングシステム10を示す構成図である。フォトンカウン
ティングシステム10は、光子を一粒一粒測定すること
で画像を撮像するシステムであって、フォトンカウンテ
ィング装置20と、該装置20と情報通信可能に接続さ
れた制御装置30と、撮像画像を表示するディスプレイ
40とを備えている。
【0022】フォトンカウンティング装置20は、受光
部1、画像処理部2、並びに、受光部1及び画像処理部
2を制御する制御部3を備えており、カメラとして実現
できる。また、受光部1の前段には、入射電子を増幅す
る増幅器と、増幅された電子を蛍光像に変換する蛍光体
4とを少なくとも有するイメージインテンシファイア
(図示略)が設けられている。受光部1に電子ではなく
光子が入射される場合は、増幅器の前段に、光電変換を
行う光電面を設ければよい。
【0023】受光部1は、受光素子アレイ11、アンプ
アレイ12、A/D変換器アレイ13、及び転送S/W
14から構成される。
【0024】受光素子アレイ11は、(n1)行x(n2)列の
2次元状に配された受光素子(例えばフォトダイオー
ド)110からなり、各受光素子110は、蛍光体4に
おける蛍光を受光し、これを電気信号に変換する。この
電気信号は、各受光素子と転送線との間に設置された図
示されていないスイッチによりアンプアレイ12に順番
に読み出される。アンプアレイ12は、受光素子アレイ
11の各列に対応してn2個のチャージアンプ120を備
え、各チャージアンプ120は、受光素子110から各
列毎に送られてくる電気信号を増幅する。
【0025】A/D変換器アレイ13は、受光素子アレ
イ11の各列に対応して1次元状に配されたA/D変換
器130を備える。A/D変換器130は、受光素子ア
レイ11の対応する1列中の受光素子110から順次読
み出され、その後増幅されたアナログの出力信号をデジ
タル信号に変換する。A/D変換器アレイ13からの出
力信号は、転送S/W14により、行方向について順次
デジタル信号として出力される。この画像出力信号は、
後段の画像処理部2に入力される。なお、転送S/W1
4からの画像出力信号は、ディスプレイ40において画
像のモニタ信号として用いることもできる。
【0026】画像処理部2は、輝度データ算出部21
と、輝点中心算出部22と、重心情報算出部23とを備
える。
【0027】輝度データ算出部21は、受光部1からの
画像出力信号に対して平滑化処理を施し、蛍光体4の蛍
光における輝度の強度に関する輝度データを算出する。
平滑化処理は、輝度データ算出部21に内蔵された平滑
化処理回路によって行われるものであり、これによって
雑音を除去できる。輝度データは、各受光素子110の
配列に関連付けられた情報である。言い換えると、輝度
データは、その輝度の強度がどの受光素子110から得
られたものであるかを示している。
【0028】輝点中心算出部22は、蛍光における輝点
の中心位置を算出するものである。この中心位置は、各
受光素子110の配列に関連付けられている。より詳し
くは、輝点が複数の受光素子110にまたがって感知さ
れた場合は一つの輝点から複数の輝度データが得られる
が、輝点の中心位置は、複数の輝度データのうちで最も
輝度が高いものが得られた受光素子110に対応する個
所となる。つまり、輝点の中心位置は、各受光素子11
0の配列単位までしか求めることができない。
【0029】重心情報算出部23は、上記輝度データに
基づいて、輝点の中心位置と輝点の重心位置との差に関
する重心情報を算出する。詳しくは後述するが、制御装
置30の輝点重心算出部32において、この重心情報に
基づいてその差を求め、更に、輝点の中心位置にその差
を加えて輝点の重心位置を算出される。
【0030】概略以上のような構成を有する画像処理部
2は、算出した輝度データ、中心位置情報、及び重心情
報を制御装置30に出力するが、本実施形態では、出力
データ量を少なく抑えることができる。例えば、128
x128画素の受光部1を持つセンサで考えた場合、画
像データをそのまま出力した場合には、128x128x
8bit=16Kbyteの通信データ量となるが、データ処理
で得た輝度データ及び重心情報などを通信データとする
ことで、1輝点あたりの情報は64bit=8byte程度に抑
えることが可能である。従って、例えば1画面中に10
0点の輝点情報があった場合に、合計800byteの通信
データ量(画像に比較して約20分の1)に圧縮して出
力することが可能となる。この圧縮率は、高い解像度の
受光部を用いるほど顕著となる。
【0031】次に、制御装置30の概略構成を説明す
る。制御装置30は、データ蓄積部31と、輝点重心算
出部32と、出力表示部33とを備える。制御装置30
は、例えばパーソナルコンピュータによっても実現する
ことができる。
【0032】データ蓄積部31には、フォトンカウンテ
ィング装置20の画像処理部2から出力された輝度デー
タ、輝点の中心位置情報、及び重心情報が少なくとも蓄
積される。
【0033】輝点重心算出部32は、重心情報に基づい
て輝点の中心位置と輝点の重心位置との座標の差(ベク
トル)を求め、更に、輝点の中心位置にその差を加え
て、輝点の重心位置を算出する。
【0034】出力表示部33は、輝点重心算出部32で
得られた重心位置をその座標としてディスプレイ40に
輝点を表示させる。また、出力表示部33は、撮像の各
フレームで得られる輝点の重心位置の情報を積算してデ
ィスプレイ40に撮像画像を表示させる。
【0035】つまり、概略このような構成を有する制御
装置30は、画像処理部2から受信した情報を蓄積する
とともに、蓄積した情報に基づいてフォトンカウンティ
ング画像の再構成及び表示を行う。データ蓄積部31に
蓄積される情報は既に必要なもののみが画像処理部2で
抽出された状態となっているため、必要最小限のメモリ
容量に蓄えることができ、大幅な計測時間の向上を実現
できる。
【0036】次に、フォトンカウンティングシステムの
詳細な構成及びこれによるフォトンカウンティング方法
について説明する。
【0037】まず、受光部1について詳説する。図2
は、受光部1の詳細構成の一例を示す回路図である。画
像入力部は、蛍光体4の蛍光を検出する受光部100
(図1に示す受光素子アレイ11に相当)と、受光部1
00からの出力信号を処理する信号処理部200(図1
に示すアンプアレイ12及びA/D変換器アレイ13に
相当)と、受光部100及び信号処理部200に動作タ
イミングの指示信号を送信するタイミング制御部300
(図1に示す制御部3の一部に相当)とを備えている。
【0038】まず、図1の受光素子アレイ11に相当す
る受光部100の構成を説明する。受光素子110は、
入力した光強度に応じて電荷を発生する光電変換素子1
11と、光電変換素子111の信号出力端子に接続さ
れ、垂直走査信号Vi(i=1〜n1)に応じて光電変
換素子111に蓄積された電荷を出力するスイッチ素子
112を1組として構成されている。この受光素子11
0が第1の方向(以下垂直方向と呼ぶ)に沿ってn1個
配置され、各受光素子110のスイッチ素子112が電
気的に接続されて垂直受光部115を構成している。そ
して、この垂直受光部115を垂直方向に直交する水平
方向に沿ってn2個配列することにより受光部100が
構成されている。
【0039】次に、アンプアレイ12及びA/D変換器
アレイ13に相当する信号処理部200の構成を説明す
る。信号処理部200は、対応する垂直受光部115j
(j=1〜n2)から転送されてきた電荷を個別に取り
出して処理し、この電荷強度に対応するデジタル信号を
出力するA/D変換器210jをn2個配置して構成さ
れている。A/D変換器210jは、チャージアンプ2
21jを含む積分回路220jと、比較回路230jと、
容量制御機構240jとの3つの回路から構成される。
本実施形態では、チャージアンプ221がA/D変換器
210に含まれる回路構成になっている。
【0040】積分回路220jは、垂直受光部115jか
らの出力信号を入力として、この入力信号の電荷を増幅
するチャージアンプ221jと、チャージアンプ221j
の入力端子に一方の端が接続され、出力端子に他方の端
が接続された可変容量部222jと、チャージアンプ2
21jの入力端子に一方の端が接続され、出力端子に他
方の端が接続されて、リセット信号Rに応じてON、O
FF状態となり、積分回路220jの積分、非積分動作
を切り替えるスイッチ素子223jと、から構成されて
いる。
【0041】図3は、この積分回路220の詳細構成図
である。同図は、4ビットつまり16階調の分解能を持
つA/D変換機能を備える積分回路の例であり、以下、
この回路構成により説明する。可変容量部222は、チ
ャージアンプ221の垂直受光部からの出力信号の入力
端子に一方の端子が接続された容量素子C1〜C4と、容
量素子C1〜C4の他方の端子とチャージアンプ221の
出力端子の間に接続され、容量指示信号C11〜C14に応
じて開閉するスイッチ素子SW11〜SW14と、容量素子
C1〜C4とスイッチ素子SW11〜SW14の間に一方の端
子が接続され、他方の端子がGNDレベルと接続され
て、容量指示信号C21〜C24に応じて開閉するスイッチ
素子SW21〜SW24とにより構成されている。なお、容
量素子C1〜C4の電気容量C1〜C4は、 C1=2C2=4C3=8C4 C0=C1+C2+C3+C4 の関係を満たす。ここで、C0は積分回路220で必要
とする最大電気容量であり、受光素子110(図2参
照)の飽和電荷量をQ0、基準電圧をVREFとすると、 C0=Q0/VREF の関係を満たす。
【0042】再び、図2を参照し、A/D変換器210
jの積分回路220j以外の回路を説明する。比較回路2
30jは、積分回路220jから出力された積分信号Vsの
値を基準値VREFと比較して、比較結果信号Vcを出力す
る。容量制御機構240jは、比較結果信号Vcの値から
積分回路220j内の可変容量部222jに通知する容量
指示信号Cを出力すると共に、容量指示信号Cに相当す
るデジタル信号D1を出力する。
【0043】続いて、図2に示すタイミング制御部30
0の構成を説明する。全回路のクロック制御を行う基本
タイミングを発生する基本タイミング部310と、基本
タイミング部310から通知された垂直走査指示に従っ
て、垂直走査信号Viを発生する垂直シフトレジスタ3
20と、リセット指示信号Rを発生する制御信号部34
0とにより構成されている。
【0044】以上のような構成の受光素子アレイ11及
びアンプアレイ12を経てA/D変換器アレイ13から
列毎に最上位ビット(MSB)より順次転送、出力されてく
るデジタル信号は、転送S/W14に1画素分のデータ
長(この例では4ビット長データ)のバッファに保管さ
れ、パラレル−シリアル変換されて出力画像となる。つ
まり、出力画像は4ビットの画像データ列となる。尚、
本実施形態の受光部1では、1KHzでフォトンカウンテ
ィング画像を取得することができる。
【0045】本実施形態では、高速フレームレートを実
現するためにチャージアンプ120及びA/D変換器1
30を行ごとにn2個配置したが、チャージアンプ及びA
/D変換器の能力に応じて、数列に1つを対応させて配
置してもよい。その場合も、転送S/Wにより、画像出
力としては行列を順次走査した出力が得られることにな
る。
【0046】次に、画像処理部2について詳説する。上
記のように、画像処理部2は、輝度データ算出部21、
輝点中心算出部22、及び重心情報算出部23を備え
る。
【0047】輝度データ算出部21は、平滑化処理回路
を備えている。図4は、平滑化処理回路24を示す概略
図である。平滑化処理回路24は、受光部1からのデジ
タル出力信号に平滑化処理を施し、蛍光体4の蛍光にお
ける輝度の強度に関する輝度データを算出するものであ
る。平滑化処理回路24は、順次送られてくる画像デー
タd(x,y)を3画素分保持するためのデータバッファ2
4aと、そのデータバッファ24aに蓄えられたデータ
の和を取るためのSUM回路24b、及び、総和された値
を3で割って規格化するための割り算器24cから構成
される。入力されたデータは、3画素分のデータが蓄え
られて、そのデータについて総和が計算され、その値を
3で割ったものが出力される輝度データとなる。つまり
下記の演算がなされる。 dnew(x,y)= { d(x-1,y) + d(x,y) + d(x+1,y) }/3; 尚、dは輝点の輝度、(x,y)は輝点の位置(x,yは、受光
素子110の配列に対応している)を示す。このような
平滑化処理を複数回行うことにより、ノイズレベルに適
応した平滑化の度合いを変更できる。尚、輝度データに
示される(x,y)は、受光素子110の配列に対応してい
る。
【0048】また、ここでは3画素分(左右の2近傍)
のデータについて平滑化をおこなったが、上下左右の4
近傍を用いる方法などがある。この場合の処理アルゴリ
ズムは、以下のとおりである。 dnew(x,y)= { d(x-1,y) + d(x,y-1) + d(x+1,y) + d(x,
y+1) + 4d(x,y) }/8; d(x,y)=dnew(x,y); dnew(x,y)= { d(x-1,y) + d(x,y-1) + d(x+1,y) + d(x,
y+1) + 4d(x,y) }/8; d(x,y)=dnew(x,y);
【0049】次に、図5を参照して、輝点中心算出部2
2に設けられた輝点中心算出回路25について説明す
る。平滑化処理回路24で処理された輝度データのデー
タ列は、3行分のデータバッファ25aに入力される。
そこに蓄えられたデータのうち、判定器25bにより、
3x3画素のデータに対して、中央のデータd(x,y)が近
傍画素のデータ値より大きいかどうかの判断を行う。そ
して、輝点抽出器25cは、d(x,y)が全ての近傍データ
より大きく、且つ、その輝度が閾値よりも大きい場合
に、「極大値である=輝点の中心である」と判断し、そ
の位置(x,y)及び輝度値d(x,y)を出力する。
【0050】以下に、輝点中心の算出に関するアルゴリ
ズムを示す。尚、p(n,k)は第nフレームの第k番目の輝点
であることを示す。 k=0; for(x=0; x<X方向画素数;x++){ for(y=0; y<Y方向画素数;y++){ if( ((d(x,y)>d(x-1,y)) & ((d(x,y)>d(x,y-1)) & ((d
(x,y)>d(x+1,y)) & ((d(x,y)>d(x,y+1))){ p(n,k){d}=d(x,y);p(n,k){x}=x;p(n,k){y}=y;k=k+1;}}}
【0051】なお、輝点の中心位置を算出するにあた
り、平滑化処理回路24から出力された輝度データのう
ち、輝度が所定の基準値より大きいもののみに基づいて
算出してもよい。この場合、輝度が基準値以下のものは
撮像結果として出力しないことになるため、ノイズを低
減させ、撮像精度を向上させることができる。なお、こ
こでは輝度が基準値よりも大きなもののみを演算に利用
しているが、基準値以上のもののみを演算の対象として
もよい。
【0052】また、輝度が所定の基準値より大きい輝度
データの面積s(x,y)を求め、この面積sが所定の範囲内
にある場合にのみ、それを輝点として扱うように構成し
てもよい。このような手法を採れば、ノイズを更に低減
させることができる。
【0053】図6を参照して、このような面積を算出す
るための輝点面積算出回路26について説明する。平滑
化処理回路24で処理されたデータ列は、3行分のデー
タバッファ26aに入力される。そこに蓄えられたデー
タのうち、3x3画素のデータに対して、比較器26b
によってそれぞれの画素値としきい値thとの比較が行
われる。そして、総和回路26cは、しきい値thより
も大きいデータの点数を面積とし、輝点面積s(x,y)を出
力する。ここでは、3x3領域について面積を演算した
が、対象画面領域を、n*mの領域に拡大すれば、任意の
大きさの対象物について面積を算出可能となる。
【0054】以下に、具体的な処理アルゴリズムを示
す。ここでは、輝点の中心位置(x,y)を中心に、輝点の
面積sを求める(面積換算の輝度しきい値をthとす
る)。また、面積の算出範囲を輝点中心からhの範囲と
する(hは輝点の平均サイズから適宜設定する)。 p(n,k){s}=0; for(xx=x-h; xx<x+r;xx++){ for(yy=y-h; yy<y+h;yy++){ if( d(x,y)>th ){ p(n,k){s} = p(n,k){s}+1;}}}
【0055】次に、図7を参照して、重心情報算出部2
3に設けられた重心情報算出回路27について説明す
る。重心情報算出回路27によって、上記輝度データに
基づいて、輝点の中心位置と輝点の重心位置との差に関
する重心情報が得られる。輝度データ算出部21で得ら
れた輝度データのデータ列は、3行分のデータバッファ
27aに入力される。そこに蓄えられたデータのうち、
3つのモーメント演算器27bは、3x3画素のデータ
に対して、重心情報(0次モーメント M0(x,y),x方向1
次モーメント M1x(x,y), y方向1次モーメント M1y(x,
y))を演算する。
【0056】それぞれのモーメントの計算内容は下記の
ように、和及び差の演算から構成される。 M0(x,y)={d(x+1,y-1)+d(x+1,y)+d(x+1,y+1)}+{d(x,y-1)
+d(x,y)+d(x,y+1)}+{d(x-1,y-1)+d(x-1,y) +d(x-1,y+
1)} M1x(x,y)={d(x+1,y-1)+d(x+1,y)+d(x+1,y+1)}*(+1)+{d
(x-1,y-1)+d(x-1,y)+d(x-1,y+1)}*(-1) M1y(x,y)={d(x+1,y-1)+d(x+1,y)+d(x+1,y+1)}*(+1)+{d
(x-1,y-1)+d(x-1,y)+d(x-1,y+1)}*(-1) なお、ここでは、3x3領域について重心情報を演算し
たが、前述したように、n*mの領域での重心演算を行う
ことで、任意の大きさの対象物の重心を求めることが可
能となる。
【0057】次に、この具体的な処理アルゴリズムを説
明する。以下において、sumは0次モーメント、x_sumは
x方向1次モーメント、y_sumはy方向1次モーメントを
示す。また、輝点の中心位置(x,y)を中心に、重心情報
(1次/0次モーメント)を算出する。 p(n,k){sum}=0; p(n,k){x_sum}=0; p(n,k){y_sum}=0; for(xx=x-h; xx<x+r;xx++){ for(yy=y-h; yy<y+h;yy++){ p(n,k){sum} = p(n,k){sum} + p(n,k){d}; p(n,k){x_sum} = p(n,k){x_sum} + xx*p(n,k){d}; p(n,k){y_sum} = p(n,k){y_sum} + yy*p(n,k){d};}}
【0058】このようにして得られた重心情報を利用す
れば、輝点の位置を受光素子110の配列より細かく、
すなわちサブピクセルで求めることができる。そして、
以上のようにして求められた輝度データ、輝点の中心位
置の情報、及び重心情報は、画像処理部2から制御装置
30へ送信される。
【0059】なお、輝点の重心位置を算出するにあた
り、平滑化処理回路24から出力された輝度データのう
ち、輝度が所定の基準値より大きいもののみに基づいて
算出してもよい。この場合、輝度が基準値以下のものは
撮像結果として出力しないことになるため、ノイズを低
減させ、撮像精度を向上させることができる。なお、こ
こでは輝度が基準値よりも大きなもののみを演算に利用
しているが、基準値以上のもののみを演算の対象として
もよい。
【0060】次に、制御装置30でフォトンカウンティ
ング画像を再構成する過程を説明する。制御装置30の
輝点重心算出部32は、データ蓄積部31に蓄積された
輝点の中心位置の情報及び重心情報に基づいて、概略以
下のような計算で、輝点の重心位置を求める。 第mフレームの第n番目の輝点の重心位置; (x方向の位置)= x + x_sum/sum (1) (y方向の位置)= y + y_sum/sum (2) (1)及び(2)式において、第1項は画素ごとの位置
情報、第二項は画素内でのサブピクセル情報を示してい
る。つまり、x_sum,y_sum,sumの値(0次及び1次モーメ
ント)から、受光素子110の画素単位(配列単位)よ
り細かい単位で輝点の位置情報を計算することができ
る。
【0061】次に、この過程をより詳しく説明する。こ
こでは、センサの画素数を横x画素−縦y画素(d(x,y))
として、再生画像を4倍の画素を持つ画像(t(4x,4y)=t
(w,z))で表示する例を示す。つまり、輝度データから重
心計算を行い、輝点の位置をサブピクセルで計算してこ
れを蓄積することで、高い解像度かつ広いダイナミック
レンジの画像を得ることを目標とする。また、このと
き、連続するフレームで同じ位置に輝点が現われた時に
は、「1つの輝点を連続するフレームでカウントする」
という重複を避けるために、どちらか1度でカウントす
るようにすることで精度を向上させている。また、輝点
の面積情報や輝点の輝度値をある設定値と比較してカウ
ントすることにより、さらにカウントすべき輝点の選別
が行える。
【0062】フォトンカウンティング積分画像を出力す
る場合の具体的な処理アルゴリズムは、次のとおりであ
る。 フォトンカウンティング画像の再構成 for(xx=0; xx<XX方向画素数;xx++){ for(yx=0; yy<YY方向画素数;yy++){ t(xx,yy)=0;}} for(n=0; n<フレームの最大; n++){ for(k=0; k<データの最大; k++){ xx = (int) (4*( p(n,k){x} + (p(n,k){x_sum} / p(n,
k){sum} ) )); //x方向重心計算 yy = (int) (4*( p(n,k){y} + (p(n,k){y_sum} / p(n,
k){sum} ) )); //y方向重心計算 連続するフレームの輝度チェック if( (p(n-1,k){d} < th_d ) & (p(n,k){d} < th_d ) &
(p(n,k){s} < th_s )) {t(xx,yy) = t(xx,yy) + 1;}}}
【0063】以上のように、(1)及び(2)式では、
(x方向の位置)及び(y方向の位置)は0から128
(画素数)の範囲で分布したが、上記のプログラム中で
は、512x512画素の画像として再構成するため
に、それぞれを4倍(512画素/128画素=(拡大
した時の画素数)/(元の画素数))した位置に、輝点
があるとして積算することで最終的な512x512の
画像が得られる。
【0064】つまり、(1)及び(2)式を下記のよう
に4倍した後、整数化(INT関数)することで実現され
る。上記プログラムでは、画像t(xx,yy)に積算画像が構
成される。画像t(xx,yy)は、受光部のセンサの画素数
(x,y)の4倍の解像度を持った画像として、フォトンカウ
ンティングの結果を表示することが可能となる。 (512x512画面上での輝点のx方向位置)= (INT) { 4 * (x + x_sum/sum) } (1) (512x512画面上での輝点のy方向位置)= (INT) { 4 * (y + y_sum/sum) } (2)
【0065】また、上記式のif( (p(n-1,k){d} < th_
d ) & (p(n,k){d} < th_d ) & (p(n,k){s} < th_s ))の
部分で示したように、カウントする条件として、第1項
で1つ前のフレームの輝度がしきい値(th_d)より小さく
(連続するフレームでの重複カウントのチェック)、第
2項では輝度がしきい値(th_d)より大きく(ある程度の
明るさを持った輝点のみカウント)、第3項で輝点の面
積がしきい値(th_s)より大きい場合にカウントするよう
に設定している。このように、対象となるフォトンカウ
ンティング画像の輝点の情報を、カウント条件を変える
ことで、より精度よく計測できることになる。連続する
フレームで輝点の重心位置が同じ位置に存在した場合
に、いずれか一方をディスプレイ40に表示させないよ
うにすることで、より高精度の撮像結果を表示すること
ができる。
【0066】以上のように、輝点重心算出部32で輝点
の重心位置を求めた後、出力表示部33は、重心位置を
その座標としてディスプレイ40に輝点を表示させる。
また、出力表示部33は、撮像の各フレームで得られる
輝点の重心位置の情報を積算してディスプレイ40に撮
像画像を表示させる。
【0067】図8(a)〜図8(c)を参照して、本実
施形態のフォトンカウンティングシステムによる撮像過
程の一例を説明する。
【0068】まず、受光部1により、蛍光体4のフォト
ンカウンティング画像は、1KHz(蛍光体の発光時間=
約1ミリ秒とほぼ同等な時間)で取りこまれる。これ
は、蓄積時間が33ミリ秒というCCDカメラでは実現が
極めて困難な速度である。図8(a)に示すように、輝
点が数十から数百点程度、撮像される。この輝点の数
は、カメラの感度やフォトンカウンティングの条件(イ
メージインテンシファイアのゲイン)などにより制御で
きる。そして、画像処理部2は、上記の画像処理をリア
ルタイム実行して、図8(a)の画像に基づいて輝度デ
ータを算出する。図8(b)には、輝点と判断された点
が示されている。つまり、図8(a)の画像の中に、輝
点と判断できる点が、100点程度あることを示してい
る。次に、それぞれの輝点について、輝度、中心位置、
及び重心情報が算出された後、輝点重心算出部32が輝
点の重心位置を算出する。更に、出力表示部33は、こ
の輝点の重心位置を座標として、図8(c)に示すよう
な積算画像をディスプレイ40に表示させる。このよう
な積算表示をすることで、オペレータは、より正確な蛍
光体の蛍光パターンを見ることができる。
【0069】本実施形態によれば、次のような効果が得
られる。すなわち、輝点の中心位置と重心情報とを利用
して輝点の重心を求めていることから、受光部1の受光
素子の画素数(x,y)よりも高い解像度を持った画像を得
ることができるため、撮像精度を向上させることができ
る。
【0070】近年、上記のような画像演算処理を行うハ
ードウェアを簡易に開発実装できるデバイスとしてFP
GA(Field Programmable Gate Array)などが実用化さ
れており、演算対象に応じた処理をハードウェア化する
作業を効率的に行うことが可能となっている。さらに、
HDL(ハードウェア記述言語)を用いることでソフト
ウェア的な処理内容の記述で回路設計が可能となってい
るため、所望の画像処理を行うハードウェアを容易に作
成することができる。こうして作成したハードウェアに
よって画像処理を行うことで、汎用的な回路によりソフ
トウェアで画像処理を行う場合に比べて高速での演算が
可能となる。
【0071】更に、本実施形態によれば、輝点を表示さ
せる前段階において画像そのものを示すデータを蓄積せ
ずに、輝度データ、輝度の中心位置の情報、及び重心情
報をデータ蓄積部31に蓄積しておけばよいため、画像
に関するデータの蓄積量を大幅に低減することができ
る。これにより、高速フレームレートカメラを用いた場
合の莫大な情報の処理と保存の問題を解決することがで
きる。また、データ量を抑えることで、一般的なコンピ
ュータを用いた場合でも、データ転送や処理にボトルネ
ックのない、スムーズなフォトンカウンティングシステ
ムが構築できることになる。
【0072】尚、本実施形態のフォトンカウンティング
システム10では、輝点重心算出部32がフォトンカウ
ンティング装置20の外部に位置する制御装置30に設
けられているが、輝点重心算出部32をフォトンカウン
ティング装置20に内蔵してもよい。この場合、フォト
ンカウンティング装置20内で輝点の重心位置までを求
めることになる。つまり、このフォトンカウンティング
装置に情報通信可能に接続される出力段においては、輝
点の中心位置と重心情報とに基づいて重心位置を算出す
るという演算を行う必要が無くなるため、出力段の負担
を軽減できる。
【0073】図9は、本発明に係るフォトンカウンティ
ングシステムの他の実施形態を示す図である。図1に示
した形態では、受光部1の出力を、転送S/W14でパ
ラレル-シリアル変換して出力した。今後、画素数が大
幅に増加した受光部1を用いる場合には、図9に示す形
態ように、受光部1からの出力データをパラレルデータ
のまま出力し、画像処理部2では、並列データ数に対応
した処理素子210を用いることで、多くの画素数の受
光素子110を用いた場合でも、高速性を維持したシス
テムを構築できる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
撮像精度が高く、画像に関するデータの蓄積量を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトンカウンティングシステムの一
実施形態を示す構成図である。
【図2】フォトンカウンティング装置における受光部の
一構成を示す回路図である。
【図3】受光部における積分回路の詳細構成図である。
【図4】平滑化処理回路を示す概略図である。
【図5】輝点中心算出回路を示す概略図である。
【図6】輝点面積算出回路を示す概略図である。
【図7】重心情報算出回路を示す概略図である。
【図8】図8(a)〜図8(c)は、フォトンカウンテ
ィングシステムによる撮像過程を説明するために用いた
画像である。
【図9】本発明のフォトンカウンティングシステムの他
の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1・・・受光部、2・・・画像処理部、3・・・制御部、4・・・蛍
光体、10・・・フォトンカウンティングシステム、11・
・・受光素子アレイ、12・・・アンプアレイ、13・・・A/
D変換器アレイ、14・・・転送S/W、20・・・フォトン
カウンティング装置、21・・・輝度データ算出部、22・
・・輝点中心算出部、23・・・重心情報算出部、24・・・平
滑化処理回路、25・・・輝点中心算出回路、26・・・輝点
面積算出回路、27・・・重心情報算出回路、30・・・制御
装置、31・・・データ蓄積部、32・・・輝点重心算出部、
33・・・出力表示部、40・・・ディスプレイ、100・・・
受光部、110・・・受光素子、120・・・チャージアン
プ、130・・・A/D変換器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/14 H04N 5/32 5C024 H04N 5/32 H01L 27/14 Z (72)発明者 宅見 宗則 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA01 AA17 AA20 BB30 DD04 DD07 FF04 JJ03 JJ26 QQ03 QQ14 QQ25 QQ31 UU02 2G043 AA03 EA01 FA01 GA08 GB01 GB21 LA03 MA12 NA01 NA05 2G065 AA02 AA11 AB11 BA05 BA09 BA21 BA34 BC11 BC13 BC14 BC16 BC17 BC28 BD03 BE08 DA08 DA20 4M118 AA10 AB02 BA10 CB11 FA06 5B057 BA02 CA08 CA12 CA16 CC01 CE05 CE11 CH08 CH11 DA07 DA16 DB02 DB09 DC06 DC32 5C024 AX16 AX17 CY17 EX11 GX03 GY31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体の蛍光を撮像するフォトンカウン
    ティング装置であって、 前記蛍光を受光する複数の受光素子が2次元状に配列さ
    れた受光素子アレイと、 前記受光素子アレイの各列に対応して設けられ、対応す
    る列中の前記受光素子から順次読み出された出力信号を
    アナログ・デジタル変換する複数のA/D変換器が、並
    列されたA/D変換器アレイと、 前記A/D変換器から受信した前記各受光素子の出力信
    号に相当するデジタル信号に対して平滑化処理を施し、
    前記各受光素子の配列に関連付けられた、前記蛍光にお
    ける輝点の強度に関する輝度データを算出する輝度デー
    タ算出部と、 前記輝度データに基づいて、前記受光素子の配列に関連
    付けられた、前記蛍光における前記輝点の中心位置を算
    出する輝点中心算出部と、 前記輝度データに基づいて、前記輝点の前記中心位置と
    前記輝点の重心位置との差に関する重心情報を算出する
    重心情報算出部と、 を備えることを特徴とするフォトンカウンティング装
    置。
  2. 【請求項2】 前記輝点中心算出部は、前記輝度データ
    算出部で算出された前記輝度データのうち輝度が所定の
    基準値より大きいもののみに基づいて、前記輝点の中心
    位置を算出し、 前記重心情報算出部は、前記輝度データ算出部で算出さ
    れた前記輝度データのうち輝度が所定の基準値より大き
    いもののみに基づいて、前記重心情報を算出することを
    特徴とする請求項1記載のフォトンカウンティング装
    置。
  3. 【請求項3】 前記重心情報算出部で算出された重心情
    報に基づいて、前記輝点の前記中心位置と前記輝点の前
    記重心位置との前記差を求め、 前記中心位置と前記差とに基づいて、前記輝点の前記重
    心位置を算出する輝点重心算出部を更に備えることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のフォトンカウンテ
    ィング装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載のフォトンカ
    ウンティング装置と、 前記重心情報算出部で算出された重心情報に基づいて、
    前記輝点の前記中心位置と前記輝点の前記重心位置との
    前記差を求め、前記中心位置と前記差とに基づいて、前
    記輝点の前記重心位置を算出する輝点重心算出部と、 前記重心位置をその座標として前記輝点を表示させる出
    力表示部と、 を備えることを特徴とするフォトンカウンティングシス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記出力表示部は、撮像の各フレームで
    得られる前記重心位置の情報を積算して表示させること
    を特徴とする請求項4記載のフォトンカウンティングシ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記出力表示部は、連続するフレームに
    おいて同じ位置に前記輝点の前記重心位置が存在する場
    合に、いずれかの前記フレームにおける前記輝点は表示
    させないことを特徴とする請求項5記載のフォトンカウ
    ンティングシステム。
  7. 【請求項7】 蛍光体の蛍光を撮像するフォトンカウン
    ティング方法であって、 複数の受光素子が2次元状に配列された受光素子アレイ
    によって、前記蛍光を受光するステップと、 前記受光素子アレイの各列から順次読み出された出力信
    号をアナログ・デジタル変換するステップと、 前記アナログ・デジタル変換された前記各受光素子の出
    力信号に相当するデジタル信号に対して平滑化処理を施
    し、前記各受光素子の配列に関連付けられた、前記蛍光
    における輝点の強度に関する輝度データを算出するステ
    ップと、 前記輝度データに基づいて、前記受光素子の配列に関連
    付けられた、前記蛍光における前記輝点の中心位置を算
    出するステップと、 前記輝度データに基づいて、前記輝点の前記中心位置と
    前記輝点の重心位置との差に関する重心情報を算出する
    ステップと、 前記重心情報に基づいて、前記輝点の前記中心位置と前
    記輝点の前記重心位置との前記差を求めるステップと、 前記中心位置と前記差とに基づいて、前記輝点の前記重
    心位置を算出するステップと、 前記重心位置をその座標として前記輝点を表示させるス
    テップと、 を含むことを特徴とするフォトンカウンティング方法。
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