JP3958599B2 - 吸遮音パネルのリフレッシュ方法、透視性を有する吸遮音パネル及びその作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸遮音パネルのリフレッシュ方法、透視性を有する吸遮音パネル及びその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路等の側縁に立設されて車両等の騒音を低減させるための防音壁として、多数の開孔を有する前面板とその背後に設けられた背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装された吸遮音パネルが一般に用いられている。この吸遮音パネルは、前面板の開孔より中空内に入射した騒音が吸音材により吸音されるようになされたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらかかる防音壁に用いられる吸遮音パネルは、吸音材による吸音性能と背面板による遮音性能とを兼ね備えたものであるため、防音性能に優れているものの、透視性を有しないものであるので、周囲の景色が遮られて見えない。従って、この吸遮音パネルが長い距離にわたって道路に沿って続いた場合は、道路空間の景観が殺風景で変化に乏しくなるので、ドライバーに与える精神的な緊張や圧迫感等の心理的影響が大きく、心身共に疲労し易いという問題がある。又周りの景色を見る楽しみも半減される。
【0004】
加えて、吸遮音パネルは、施工されて長期間風雨や車両の排気ガス等にさらされると、汚れて見苦しいものとなる。この汚れは、周囲の景色が遮られて見えないことから、余計に目に付く。
【0005】
これを解決する方法として、透明の合成樹脂板やガラス等からなる透視性を有する遮音パネルを用いた防音壁がある。この遮音パネルは、周囲の景色が透過して見えるので、ドライバーの疲労が少なくなるし、周りの景色を見る楽しみも減少しないので好ましいものである。又、この遮音パネルについては、排気ガス等によって汚れると、透視性が損なわれることから、汚れを解消するための洗浄方法が色々と提案されているが、周囲の景色が遮られる吸遮音パネルと比べ、周囲の景色が見える遮音パネルでは、周囲の景色を見ることに意識が向くため、多少の汚れは、目に付かない。
【0006】
しかしながら、かかる透視性を有する遮音パネルは、前記の如き利点を有しているが、本来の目的である防音性能については、吸音性能と遮音性能とを有する吸遮音パネルに比べて、吸音性能に乏しく、主に遮音性能によって防音するのみである。
【0007】
そこで、前記吸遮音パネルと透視性を有する遮音パネルとを2種類用意し、例えば吸音性能を重要視する場合は吸遮音パネルを用い、景観を重要視する場合は透視性を有する遮音パネルを用いたり、又吸音性能と景観の両方を重要視する場合は、透視性を有する遮音パネルの上に 吸遮音パネルを段積みする等、設置する場所の要請に応じて、これらを使い分けるようにしている。
【0008】
しかしながら、これら吸遮音パネルと透視性を有する遮音パネルとを2種類用意しておくのは手間であり、コスト高になる。又既に設置された吸遮音パネルを透視性を有する遮音パネルに変更し、逆に設置された透視性を有する遮音パネルを吸遮音パネルに変更しようとすると、既に設置された吸遮音パネル又は透視性を有する遮音パネルを撤去廃棄し、新たに作製した透視性を有する遮音パネル又は吸遮音パネルを設置し直す必要があることから、施工が複雑になり、又撤去廃棄する吸遮音パネルや透視性を有する遮音パネルが無駄になり、さらに廃棄物処理の問題もある。
【0009】
そこで本発明は、上記の如き問題点を解決し、既設の吸遮音パネルに透視性を具備させるようにリフレッシュする吸遮音パネルのリフレッシュ方法、透視性を有する吸遮音パネル、及びその透視性を有する吸遮音パネルを容易に作製する方法を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわち本発明に係る吸遮音パネルのリフレッシュ方法は、多数の開孔を有する前面板とその背後に設けられた背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装された既設の吸遮音パネルの一部を該吸遮音パネルの少なくとも両側縁付近を残してくり抜き、該くり抜き部に、透明板を用いて形成された透視性を有する遮音パネルを取付け、この透視性を有する遮音パネルによって、既設の吸遮音パネルに透視性を具備させることを特徴とするものである。
【0011】
本発明によるリフレッシュ方法によれば、次のような効果を期待することができる。すなわち、透視性を有しない既設の吸遮音パネルに、この吸遮音パネルが元々有していた背面板による遮音性能と吸音材による吸音性能とを兼ね備えた状態で、透視性を具備させるので、既設の吸遮音パネルに対して、防音性能をさほど低下させずに、透視性を有する吸遮音パネルとして新たな活用を図ることができる。しかも、透視性を有する遮音パネルのコストと、既設の吸遮音パネルの一部をくり抜き、このくり抜き部に透視性を有する遮音パネルを取付けるに要する加工しか発生しない。又、既に設置された吸遮音パネルを透視性を有する遮音パネルに変更する場合に従来要していた、吸遮音パネルの撤去及び透視性を有する遮音パネルの設置等の施工の手間が解消されると共に、撤去した吸遮音パネルの廃棄物処理の問題も解消される。さらにこれら従来の方法に比べて要するコストも低減されると共に、資源の有効利用も図ることができる。
【0012】
本発明において、透視性を有する遮音パネルとして、大きさや機能等、形態の異なるものを規格化して予め複数種類用意し、既設の吸遮音パネルの設置場所や施主の要望等に応じて、それらの中から適合する遮音パネルを適宜選択し、該選択した遮音パネルを既設の吸遮音パネルに取付けるようにすれば、合理的且つ素早くリフレッシュすることができる。この場合、吸遮音パネルに対する遮音パネルの取付手段を、各遮音パネルについて共通としておけば、取付作業が標準化される。加えて取付手段が取り外し自在にしておけば、大きさの同じ遮音パネル間で相互に取り替えが可能となるので好ましい。
【0013】
本発明において、透視性を有する遮音パネルを形成する透明板として、その透明板の透視性を損なわない程度に太陽電池が設けられているものを用いるようにすれば、この遮音パネルによって周囲の景色を透視できると共に、太陽電池による発電電力を周囲の施設に利用することができる。
【0014】
さらに前記太陽電池を、両面受光型太陽電池にすれば、時間の経過によって変化する太陽の位置にかかわらず太陽電池の受光面に太陽光が当たるので、発電効率が高まる。
【0015】
又、透明板として、その透明板の透視性を損なわない程度に導電体が設けられ、該導電体に電力を供給することにより、前記導電体で透明板が加温されるようになされているものを用いれば、透明板の面への雪の付着や結露、凍結等が防止され、透視性が損なわれることがない。
【0016】
又、透視性を有する遮音パネルとして、その外面に酸化チタン等の光触媒が担持されているものを用いれば、太陽光に含まれる紫外線によって光触媒が活性化し、その活性化によって発現された強い酸化力により、空気中の窒素酸化物等は硝酸等に酸化されて除去され、道路環境を向上させることができる。又活性化された光触媒により透視性を有する遮音パネルの外面を親水化させ、表面に付着した汚れが雨水等により洗い流れるようにすることもできる。この透視性を有する遮音パネルに加えて、吸遮音パネルの外面にも光触媒を担持させれば、道路環境の向上や汚れ除去に対してより効果的である。
【0017】
さらに、透視性を有する遮音パネルとして、前記遮音パネルを形成する透明板の上部に、吸遮音パネルの面上に降った雨水を透明板の面上に導く導水枠が設けられているものを用い、降った雨水により透明板が洗われるようにしておけば、汚染物質の付着を防止することもできる。この場合、透明板の面上を前記の如き光触媒を担持させて親水化しておけば、この光触媒と導水枠とによって、より効果的に汚染物質の付着を防止することができる。前記導水枠は、遮音パネルに直接形成されていてもよいし、吸遮音パネルに形成されていてもよく、又遮音パネルと吸遮音パネルとによって形成されていてもよい。
【0018】
次に本発明に係る透視性を有する吸遮音パネルは、多数の開孔を有する前面板とその背後に設けられた背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装された吸遮音パネルの一部が該吸遮音パネルの少なくとも両側縁付近を残してくり抜かれ、該くり抜き部に透明板を用いて形成された透視性を有する遮音パネルが取付けられ、この透視性を有する遮音パネルによって透視性が具備されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明による透視性を有する吸遮音パネルは、吸遮音パネルを用いているので、遮音性能と吸音性能とを兼ね備えると共に、透視性を有するので周囲の景色が見える。従って、吸音性能を重要視する場所や景観を重要視する場所のいずれの場所においても使用することができることから、従来の如く、吸遮音パネルと透視性を有する遮音パネルとを2種類用意しておく必要がない。
【0020】
さらに本発明に係る透視性を有する吸遮音パネルの作製方法は、多数の開孔を有する前面板とその背後に設けられた背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装された吸遮音パネルの一部を該吸遮音パネルの少なくとも両側縁付近を残してくり抜き、該くり抜き部に透明板を用いて形成された透視性を有する遮音パネルを取付けることを特徴とするものである。
【0021】
本発明による透視性を有する吸遮音パネルの作製方法は、道路に施工する前の新規な吸遮音パネルの一部をくり抜いて作製されてもよいし、道路に既に設置されている既設の吸遮音パネルから作製されてもよい。新規な吸遮音パネルから作製する場合は、予めくり抜いていない吸遮音パネルを作製し、その後それをくり抜くようにしてもよいし、最初からくり抜いた吸遮音パネルを作製するようにしてもよい。
【0022】
この発明によれば、透視性を具備させた吸遮音パネルを容易に作製することができ、又透視性を有する遮音パネルと、吸遮音パネルにくり抜き部を形成し、このくり抜き部に透視性を有する遮音パネルを取付ける等の加工費のコストしか発生しないので安価に作製することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の一形態につき図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の一形態を示す正面図、図2はその主要部の断面図、図3は本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す主要部の断面図、図4は本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す正面図、図5はその主要部の断面図、図6は本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す断面図、図7は本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す正面図、図8は本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す正面図である。
【0024】
図面において、1は吸遮音パネルであって、透視性を有する遮音パネル2が取付けられている。
吸遮音パネル1は、多数の開孔11を有する前面板12と、その背後に設けた背面板13とにより形成された中空内に吸音材14が内装された通常のものであり、前面板12の開孔11より中空内に入射した騒音が吸音材14により吸音されると共に、外部に漏れないように背面板13により遮音されるようになされているものであり、その形状は高さ方向に対して垂直状でもよいし、湾曲状のものでもよい。
【0025】
2は、透視性を有する遮音パネルであって、透明板21の周縁部が枠材22に取付けられて形成されている。透視性を有する遮音パネル2は、前記吸遮音パネル1の一部がくり抜かれ、そのくり抜き部15に嵌め込まれ、取付けられている。前記遮音パネル2を形成する透明板21は、ポリカーボネート等の透明合成樹脂板やガラス等から形成することができ、必ずしも完全な透明である必要はなく、周囲の景色が透視できる程度の透明であればよい。
【0026】
尚、前記遮音パネル2は、一個が取付けられていてもよいし、本形態の如く二個並列に取り付けられてもよく、さらに三個以上であってもよい。又その取付位置は特に限定されるものではないが、車窓から見るドライバーの視界領域を含む位置に取付けるのが好ましい。
【0027】
吸遮音パネル1に透視性を有する遮音パネル2を取付けるに際し、吸遮音パネル1は、道路に施工する前の新規なものであってもよいが、本形態では、道路に既に設置されている既設の吸遮音パネル1の一部をくり抜き、そのくり抜き部15に透明板21を用いて形成された透視性を有する遮音パネル2を嵌め込むことにより、既設の吸遮音パネル1を透視性を有する吸遮音パネル1にリフレッシュしている。
【0028】
くり抜いた吸遮音パネル1のくり抜き部15に、透視性を有する遮音パネル2を取付ける手段は、特に限定されるものではないが、吸遮音パネル1のくり抜き部15側を加工して取付手段を形成するのは手間であるため、透明板21の周縁部の枠材22を前記くり抜き部15に嵌合可能な形状とする等、遮音パネル2側に取付手段を形成し、遮音パネル2を、吸遮音パネル1の前面側から、くり抜き部15に容易に取付けることのできるようにしておくのが好ましい。
【0029】
取付手段として例えば、図3に示されるように、遮音パネル2の上部の枠材22aと下部の枠材22bとに、それぞれ吸遮音パネル1の前面板12及び背面板13のくり抜き端部が挿入可能な溝幅及び溝間隔で相対向する二つの取付溝23,24をそれぞれ形成すると共に、上部の枠材22aの取付溝23を下部の枠材22bの取付溝24より深く形成する。そして、先ず遮音パネル2をくり抜き部15にあてがい、遮音パネル2を上方に持ち上げつつ、上部の取付溝23に、くり抜き部15上縁の前面板12及び背面板13のくり抜き端部を挿入し、次にその状態で、遮音パネル2を下方に落とし、下部の取付溝24に、くり抜き部15下縁の前面板12及び背面板13のくり抜き端部を挿入するようにする。かようにして遮音パネル2を、吸遮音パネル1の前面側から取付けるようにすることができる。この取付手段は、吸遮音パネル1に対して遮音パネル2を取り外し自在に取付けられる。
【0030】
前記透視性を有する遮音パネル2は、透視機能を付与するだけのものであってもよいが、この透視機能に加えて発電機能を具備させてもよい。
すなわち、図4〜5に示される形態は透視性を有する遮音パネルに発電機能を具備させたものであって、図4はその正面図、図5は主要部の断面図である。
【0031】
この形態の透視性を有する遮音パネル2は、透視性を有する遮音パネル2を形成する透明板21に、両面受光型の太陽電池25が、前記透明板21の透視性を損なわない程度に設けられている。具体的には、二枚のポリカーボネート等の透明合成樹脂板やガラス等からなる透明板材26の間に透視性を損なわない接着層27を介して複数の両面受光型の太陽電池25が設けられているものである。太陽電池25を一個取り付ける場合は、その太陽電池25の周囲から透視できるようにする。太陽電池25を複数個取り付ける場合は、各太陽電池25は、透視性を損なわない程度の間隔を開けて取付ける。透視性を損なわない程度の間隔とは、走行する車両の車窓からドライバーが周囲の景色を透視し得る程度の間隔であり、これは車両の速度とドライバーの目の残像現象等を考慮して適宜決定される。
【0032】
尚、前記接着層27は、二枚の透明板材26及び透明板材26と太陽電池25とを接着すると共に、透明板材26の熱膨張や変形から太陽電池25を保護するために用いられている。又両面受光型とは、表裏両面を受光面とし、いずれの受光面においても、照射された太陽光を受けて発電するものである。
【0033】
又この透視性を有する遮音パネル2を雨水によって洗浄させるようにしてもよい。すなわち、図6に示される形態は発電機能を具備させた図4〜5の形態の透視性を有する遮音パネル2を雨水によって洗浄させるようにしたものである。
【0034】
図6に示された形態において、3は透視性を有する遮音パネル2を形成する透明板21の上部に設けられた導水枠であって、水受部31とそれに連通する導水部32とから形成され、吸遮音パネル1の面上に降った上方よりの雨水Wを水受部31で受けると共に、その水受部31で受けた雨水Wが導水部32を伝って、透明板21の面上に導かれるようになされている。
【0035】
この形態において、吸遮音パネル1が高架道路に設置されている場合には、水受部31は降雨に晒されやすい道路とは反対の面側に設けられ、水受部31で受けた雨水が、導水部32によって降雨を受けにくい透明板21の道路側の面上に導かれるようになされる。この導水枠3によって、透明板21の降雨に晒されやすい道路とは反対の面は、雨が直接当たることによって洗浄され、降雨を受けにくい道路側の面は導水枠3によって導かれた雨水によって洗浄される。
【0036】
前記導水枠3は、本形態の透視性を有する遮音パネル2以外、図1〜3で示された形態にも取付けることができ、さらに任意の形態の透視性を有する遮音パネル2に取付けることができる。又導水枠3の形態は、前記形態に限定されず、吸遮音パネル1の面上に降った雨水が透明板21の面上に導かれるようになされていればよい。
【0037】
尚、前記透視性を有する遮音パネル2を形成する透明板21や吸遮音パネル1の外面に、酸化チタン等の光触媒を担持させ、この酸化チタンを紫外線により活性化させ、その活性化によって発現された強い酸化力により、周辺の空気中に含まれる汚染物質としての窒素酸化物等を除去させたり、活性化された光触媒により透明板21や吸遮音パネル1の外面を親水化させ、表面に付着した汚れが雨水等により洗浄されるようにしてもよい。この場合、前記の導水枠3を設け、光触媒を担持させた透明板21の面に雨水を導き、雨水によって洗浄するようにすれば、光触媒と導水枠3とにより、効果的な洗浄が期待できる。
【0038】
又、透視性を有する遮音パネル2を形成する透明板21に、図7に示される形態の如く、透視性を損なわない程度に、透明板21に導電体28を設け、その導電体28に電力を供給して発熱させることにより、透明板21を加温するようにしてもよい。かようにすれば、透明板21の面への雪の付着や結露、凍結等が防止され、透視性が損なわれることがない。
【0039】
透視性を有する遮音パネル2を形成する透明板21には、前記太陽電池25や導電体28以外に、透視性を損なわない限りにおいて、あらゆる機能を付加することができ、従来の吸遮音パネルに比べて用途を拡大させることができる。
【0040】
尚、透視性を有する遮音パネル2として、設置される場所の風圧に対応できるように各種の異なる大きさのものを用意したり、前記の如き太陽電池25や導電体28等の機能を付加したものを各種用意する等、これら大きさや機能等、形態の異なるものを規格化して予め複数種類用意し、既設の吸遮音パネル1の設置場所や施主の要望等に応じて、それらの中から適合する遮音パネル2を一種類又は組み合わせて選択し、該選択した遮音パネル2を吸遮音パネル1に取付けることができるようにしておけば、合理的且つ素早く、しかも多様にリフレッシュすることができる。
【0041】
例えば、異なる種類の遮音パネル2を組み合わせて取付けた例を図8で示した。この例では、透視性を有する遮音パネル2が、下方に二個、その上方に三個それぞれ並列に取付けられ、そして下方の遮音パネル2は透視性のみを有するものを用い、上方の遮音パネル2は太陽電池25が設けられ、且つ上方は風当たりが強いことから、下方の遮音パネル2より大きさの小さいものを用いたものである。この場合、吸遮音パネル1に対する遮音パネル2の取付手段を、各遮音パネル2について共通とし、且つ図3に示されるように取り外し自在にしておけば、大きさの同じ遮音パネル2間で相互に取り替えが可能となるので好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明によるリフレッシュ方法によれば、透視性を有しない既設の吸遮音パネルに透視性を具備させるので、既設の吸遮音パネルに対して、透視性を有する吸遮音パネルとして新たな活用を図ることができ、しかも、透視性を有する遮音パネルのコストと、既設の吸遮音パネルの一部をくり抜き、このくり抜き部に透視性を有する遮音パネルを取付ける加工しか発生せず、又、既に設置された吸遮音パネルを透視性を有する遮音パネルに変更する場合に従来要していた、吸遮音パネルの撤去及び透視性を有する遮音パネルの設置等の施工の手間が解消されると共に、撤去した吸遮音パネルの廃棄物処理の問題も解消され、さらにこれら従来の方法に比べて要するコストも低減されると共に、資源の有効利用も図ることができる等の効果を期待することができる。
【0043】
本発明による透視性を有する吸遮音パネルは、吸遮音パネルを用いているので、遮音性能と吸音性能とを兼ね備えると共に、透視性を有するので周囲の景色が見える。従って、吸音性能を重要視する場所や景観を重要視する場所のいずれの場所においても使用することができることから、従来の如く、吸遮音パネルと透視性を有する遮音パネルとを2種類用意しておく必要がない。
【0044】
さらに本発明による透視性を有する吸遮音パネルの作製方法によれば、透視性を具備させた吸遮音パネルを容易に作製することができ、又透視性を有する遮音パネルと、既存の吸遮音パネルをくり抜き、このくり抜き部に透視性を有する遮音パネルを取付ける等の加工費のコストしか発生しないので安価に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の一形態を示す正面図である。
【図2】図1の形態の主要部の断面図である。
【図3】本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す主要部の断面図である。
【図4】本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す正面図である。
【図5】図4の形態の主要部の断面図である。
【図6】本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す断面図である。
【図7】本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す正面図である。
【図8】本発明によりリフレッシュされた吸遮音パネルの実施の他の形態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 吸遮音パネル
11 開孔
12 前面板
13 背面板
14 吸音材
15 くり抜き部
2 遮音パネル
21 透明板
22 枠材
22a 上部の枠材
22b 下部の枠材
23 上部の取付溝
24 下部の取付溝
25 太陽電池
26 透明板材
27 接着層
28 導電体
3 導水枠
31 水受部
32 導水部
Claims (10)
- 多数の開孔を有する前面板とその背後に設けられた背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装された既設の吸遮音パネルの一部を該吸遮音パネルの少なくとも両側縁付近を残してくり抜き、該くり抜き部に、透明板を用いて形成された透視性を有する遮音パネルを取付け、この透視性を有する遮音パネルによって、既設の吸遮音パネルに透視性を具備させることを特徴とする吸遮音パネルのリフレッシュ方法。
- 透視性を有する遮音パネルとして、大きさや機能等、形態の異なるものを予め複数種類用意し、それらの中から一つ以上の遮音パネルを選択し、該選択した遮音パネルを既設の吸遮音パネルに取付けることを特徴とする請求項1に記載の吸遮音パネルのリフレッシュ方法。
- 既設の吸遮音パネルに対する透視性を有する遮音パネルの取付手段が、各遮音パネルについて共通であることを特徴とする請求項2に記載の吸遮音パネルのリフレッシュ方法。
- 透明板として、その透明板の透視性を損なわない程度に太陽電池が設けられているものを用いることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の吸遮音パネルのリフレッシュ方法。
- 太陽電池は、両面受光型太陽電池であることを特徴とする請求項4に記載の吸遮音パネルのリフレッシュ方法。
- 透明板として、その透明板の透視性を損なわない程度に導電体が設けられ、該導電体に電力を供給することにより、前記導電体で透明板が加温されるようになされているものを用いることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の吸遮音パネルのリフレッシュ方法。
- 透視性を有する遮音パネルとして、その外面に光触媒が担持されているものを用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸遮音パネルのリフレッシュ方法。
- 透視性を有する遮音パネルとして、前記遮音パネルを形成する透明板の上部に、吸遮音パネルの面上に降った雨水を透明板の面上に導く導水枠が設けられているものを用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸遮音パネルのリフレッシュ方法。
- 多数の開孔を有する前面板とその背後に設けられた背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装された吸遮音パネルの一部が該吸遮音パネルの少なくとも両側縁付近を残してくり抜かれ、該くり抜き部に透明板を用いて形成された透視性を有する遮音パネルが取付けられ、この透視性を有する遮音パネルによって透視性が具備されていることを特徴とする透視性を有する吸遮音パネル。
- 多数の開孔を有する前面板とその背後に設けられた背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装された吸遮音パネルの一部を該吸遮音パネルの少なくとも両側縁付近を残してくり抜き、該くり抜き部に透明板を用いて形成された透視性を有する遮音パネルを取付けることを特徴とする透視性を有する吸遮音パネルの作製方法。
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