JP3958318B2 - A/d変換器及びa/d変換システム - Google Patents

A/d変換器及びa/d変換システム Download PDF

Info

Publication number
JP3958318B2
JP3958318B2 JP2004357193A JP2004357193A JP3958318B2 JP 3958318 B2 JP3958318 B2 JP 3958318B2 JP 2004357193 A JP2004357193 A JP 2004357193A JP 2004357193 A JP2004357193 A JP 2004357193A JP 3958318 B2 JP3958318 B2 JP 3958318B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
circuit
converter
differential amplifier
reference voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004357193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006087064A (ja
Inventor
公治 須志原
隆史 森江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2004357193A priority Critical patent/JP3958318B2/ja
Publication of JP2006087064A publication Critical patent/JP2006087064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3958318B2 publication Critical patent/JP3958318B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Description

本発明は、A/D変換器に関し、特に、電源電圧や、温度、又は半導体素子の特性等の各変動に起因するA/D変換特性の劣化を抑制する技術に関する。
従来のA/D変換器の構成を図12に示す。同図に示したA/D変換器は、フルフラッシュ型のA/D変換器であって、参照電圧生成回路701と、差動増幅回路列702と、電圧比較回路列703と、エンコード回路705とから構成される。
前記参照電圧生成回路701は、高圧側端子701aに与えられる高圧側基準電圧と低圧側端子701bに与えられる低圧側基準電圧との間の電圧を複数個(n個)の抵抗R1〜Rnにより分圧して、複数の参照電圧VR1〜VRn+1を生成している。前記生成された参照電圧VR1〜VRn+1は、差動増幅回路列702に入力される。この差動増幅回路列702は、n+1個の差動増幅回路A1〜An+1を有し、これ等の差動増幅回路は、各々、同時に、アナログ信号電圧入力端子704から入力されたアナログ信号電圧と、対応する参照電圧VR1〜VRn+1との差電圧を電源電圧にまで増幅して、相補的な非反転出力電圧と反転出力電圧とを出力する。電圧比較回路列703は、n+1個の電圧比較回路Cr1〜Cr+1を有し、これ等の電圧比較回路は、各々、同時に、対応する前段の差動増幅回路からの非反転出力電圧と反転出力電圧との大小を比較する。エンコード回路705は、前記電圧比較回路列703から出力されたn+1個の比較結果を変換して、所定の分解能を持つ1つのディジタルデータ信号を出力する。
前記のような並列構成を有する従来のA/D変換器は、積分型、直並列型、パイプライン型などの種々のA/D変換器と比較して、高速なA/D変換が可能という長所を有する一方、分解能が大きくなるほど差動増幅回路及び電圧比較回路の個数が増加して、消費電力及び占有面積が増大する短所を有している。
前記の短所の改善を図ったA/D変換器として、例えば特許文献1では、差動増幅回路の出力を抵抗等で分圧して補間する技術を開示している。この技術では、互いに隣接する2個の差動増幅回路の出力電圧間を補間し、その補間電圧を用いて電圧比較回路において電圧比較するため、補間しない場合と比較して、差動増幅回路の個数を補間ビット分の1に低減することができ、消費電力及び占有面積を削減することが可能である。
また、従来、例えば特許文献2では、更に消費電力の削減を図ったA/D変換器として、電圧比較回路としてダイナミック型の電圧比較回路を用いたA/D変換器を開示している。この技術では、一般的なA/D変換器で用いられている高速動作及び応答性に優れた定電流型電圧比較回路に代えて、一定電流を必要としないダイナミック型電圧比較回路を用いるため、消費電力を大幅に削減することが可能である。
特開平4−43718号公報 特開2003−158456号公報
ところで、近年では、半導体素子の製造プロセスの微細化に伴い、電源電圧が低く設定されている。このような低い電源電圧の下では、A/D変換器に備える複数の電圧比較回路の入力ダイナミックレンジは狭くなっている。
このような観点から、発明者が前記特許文献1及び特許文献2を含む従来のA/D変換器を検討したところ、従来のA/D変換器では、電圧比較回路の入力ダイナミックレンジが狭くなるのに伴い、差動増幅回路の出力レンジのマージンが少なくなっている。このため、従来のA/D変換器では、トランジスタの閾値電圧の変動に代表される半導体素子の製造プロセスの変動や、電源電圧の変動、又は温度変動が生じると、電圧比較回路の入力ダイナミックレンジと差動増幅回路の出力ダイナミックレンジとが各々変化して、一致しなくなり、A/D変換精度が低化する問題が発生することが判った。
本発明は、前記課題を解決するものであり、その目的は、フラッシュ型のA/D変換器において、半導体素子のプロセス変動等に起因する差動増幅回路の出力ダイナミックレンジと電圧比較回路の入力ダイナミックレンジとの不一致を簡単な構成でもって抑制して、A/D変換精度の向上を図ることにある。
以上の目的を達成するため、本発明では、半導体素子の製造プロセスの変動に起因して、差動増幅回路の出力ダイナミックレンジが電圧比較回路の入力ダイナミックレンジに精度良く一致しなくなる状況となっても、その差動増幅回路の出力ダイナミックレンジを調整する調整回路を別途配置する構成を採用する。
具体的に、請求項1記載の発明のA/D変換器は、複数の参照電圧を生成する参照電圧生成回路と、前記参照電圧生成回路が生成する参照電圧に対応して備えられ、各々、対応する参照電圧と、共通の入力信号電圧とが入力され、前記対応する参照電圧と前記入力信号電圧との電圧差を増幅して、相補電圧である非反転出力電圧と反転出力電圧とを出力する複数の差動増幅回路と、前記複数の差動増幅回路に対応して備えられ、各々、対応する差動増幅回路からの非反転出力電圧と反転出力電圧とを比較し、その大小関係に応じたディジタル信号を出力する複数の電圧比較回路と、前記複数の電圧比較回路から出力された複数のディジタル信号をコード化して、前記入力信号電圧に応じた1つのディジタルデータ信号として出力するコード化回路と、前記複数の差動増幅回路の非反転出力電圧及び反転出力電圧を、前記複数の電圧比較回路の入力レンジの範囲内に調整する調整回路とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載のA/D変換器において、前記調整回路は、前記差動増幅回路と同一の回路及び形状で構成され、且つ前記差動増幅回路に供給される電圧と同一電圧が供給されて、コモンモード電圧を出力する差動増幅回路レプリカと、前記差動増幅回路レプリカから出力されるコモンモード電圧が所定の基準電圧と一致するように帰還制御電圧を発生して、前記帰還制御電圧を前記差動増幅回路レプリカに帰還する演算増幅回路とを備え、前記演算増幅器からの帰還制御電圧は、前記複数の差動増幅回路にも帰還されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記請求項2記載のA/D変換器において、前記調整回路は、更に、前記差動増幅回路レプリカと前記演算増幅回路との間に配置され、前記電圧比較回路と同一の回路及び形状で構成され、且つ前記差動増幅回路レプリカからのコモンモード電圧を受け、このコモンモード電圧に応じた電圧値のコモンモード電圧を出力する電圧比較回路レプリカを備え、前記演算増幅回路は、前記電圧比較回路レプリカからのコモンモード電圧が所定の基準電圧と一致するように帰還制御電圧を発生することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記請求項3記載のA/D変換器において、前記調整回路は、更に、前記電圧比較回路レプリカと前記演算増幅回路との間に配置され、前記電圧比較回路レプリカからのコモンモード電圧を入力し、このコモンモード電圧の平均電圧を生成する平均電圧生成回路を備え、前記演算増幅回路は、前記平均電圧生成回路からのコモンモード電圧の平均電圧が前記所定の基準電圧と一致するように帰還制御電圧を発生することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記請求項4記載のA/D変換器において、前記調整回路は、更に、前記演算増幅回路の出力側に配置され、前記演算増幅回路からの帰還制御電圧の高周波数成分を除去するローパスフィルタを備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記請求項2〜5の何れか1項に記載のA/D変換器において、前記調整回路は、更に、前記所定の基準電圧を発生して出力する基準電圧出力回路を有し、前記基準電圧出力回路は、複数の基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、選択信号を受け、前記基準電圧発生回路で発生した複数の基準電圧の何れか1つを前記選択信号により選択して、前記所定の基準電圧として出力する選択回路とを備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記請求項6記載のA/D変換器において、前記基準電圧出力回路は、外部から制御信号を受け、前記制御信号に基づいて前記選択信号を生成して前記選択回路に出力するデコーダーを備えることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記請求項6記載のA/D変換器において、前記調整回路に備える基準電圧出力回路は、電源とグランドとの間に配置され、直列に接続された複数の抵抗から成る抵抗ラダーにより構成され、前記複数の抵抗の端子間に各々異なる基準電圧を発生させることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、前記請求項6記載のA/D変換器において、前記複数の電圧比較回路は、各々、対応する差動増幅回路からの非反転出力電圧及び反転出力電圧を各々ゲートに受け、リニア領域で動作する2個のNMOS型トランジスタを有する入力トランジスタ部と、前記2個のNMOS型トランジスタのドレインに接続され、クロスインバータラッチを構成する正帰還部とを有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、前記請求項9記載のA/D変換器において、前記基準電圧出力回路が有する基準電圧発生回路は、複数の電圧生成回路を有し、前記複数の電圧生成回路は、各々、相互に異なる1つの基準電圧を生成し、且つダイオード接続部及び前記ダイオード接続部に接続された2個の抵抗を有し、前記ダイオード接続部の内部の所定ノードの電圧、又は前記ダイオード接続部と前記2個の抵抗の接続点との何れか一方に生成されるノード電圧を前記1つの基準電圧として出力することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、前記請求項10記載のA/D変換器において、前記2個の抵抗は、各々、正の温度依存特性を持つ抵抗で構成されることを特徴とする。
請求項12記載の発明のA/D変換システムは、前記請求項7記載のA/D変換器と、前記A/D変換器に接続された適応回路とを備えたA/D変換システムであって、前記適応回路は、前記A/D変換器に備える基準電圧出力回路が発生する前記所定の基準電圧を適応制御することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、前記請求項12記載のA/D変換システムにおいて、前記適応回路は、テスト信号を発生し、前記テスト信号を前記A/D変換器に出力して、前記A/D変換器で前記テスト信号をA/D変換させるテスト信号発生回路と、前記A/D変換器での前記テスト信号のA/D変換特性を記憶するメモリと、前記メモリに記憶されたA/D変換特性を評価し、その評価結果に応じた制御信号を生成し、前記制御信号を前記A/D変換器の基準電圧出力回路に備えるデコーダーに出力する制御信号生成回路とを備えたことを特徴とする。
以上により、請求項1〜13記載の発明では、調整回路が、各差動増幅回路の非反転出力電圧及び反転出力電圧を含む出力レンジを調整するので、その各差動増幅回路の出力レンジが半導体素子の製造プロセスの変動に起因してバラツキを生じていた場合であっても、その各差動増幅回路の出力レンジは各電圧比較回路の入力レンジに入って、A/D変換精度が高くなる。
特に、請求項6〜13記載の発明では、調整回路が差動増幅回路のコモンモード電圧を出力比較回路の入力レンジの中心電圧に相当する基準電圧に調整する場合に、その基準電圧をも調整可能であるので、その基準電圧自体が回路設計時と実回路とで異なったり、電源電圧の変動や温度変動に起因して変動した場合であっても、各差動増幅回路の出力レンジは各電圧比較回路の入力レンジに確実に入って、A/D変換精度が高くなる。
以上説明したように、請求項1〜13記載の発明によれば、半導体素子の製造プロセスの変動等に起因する差動増幅回路の出力レンジと電圧比較回路の入力レンジとの不一致を抑制できて、高A/D変換精度を持つA/D変換器を実現することができる。
特に、請求項6〜13記載の発明では、電源電圧の変動や温度変動等に起因して最適な基準電圧が変動した場合であっても、各差動増幅回路の出力レンジを各電圧比較回路の入力レンジに確実に入れることが可能であり、より一層にA/D変換精度の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態のA/D変換器を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1のA/D変換器の全体構成を示す回路図である。
同図において、A/D変換器100は、参照電圧生成回路101と、差動増幅回路列102と、電圧比較回路列103と、エンコード回路(コード化回路)105と、調整回路106とを備える。
前記参照電圧生成回路101は、高圧側端子101aに与えられる高圧側基準電圧と低圧側端子101bに与えられる低圧側基準電圧との間の電圧を直列に接続された複数個(n個)の抵抗R1〜Rnにより分圧して、複数(n+1個)の参照電圧VR1〜VRn+1を生成している。
前記生成された参照電圧VR1〜VRn+1は、差動増幅回路列102に入力される。この差動増幅回路列102は、n+1個の差動増幅回路A1〜An+1を有し、これ等の差動増幅回路は、各々、2つの入力端子を有し、その一方の入力端子にはアナログ信号電圧入力端子104からの入力アナログ信号電圧Ainが入力され、他方の入力端子には対応する1つの参照電圧VR1〜VRn+1が入力されていて、これ等の差動増幅回路が同時に、前記アナログ信号電圧入力端子104から入力されたアナログ信号電圧Ainと、対応する1つの参照電圧VR1〜VRn+1との差電圧を電源電圧にまで増幅して、相補的な非反転出力電圧と反転出力電圧とを出力する。
電圧比較回路列103は、クロック端子Cからのクロック信号に従って動作するn+1個の電圧比較回路Cr1〜Crn+1を有し、これ等の電圧比較回路Cr1〜Crn+1は、各々、同時に、対応する前段の差動増幅回路からの非反転出力電圧と反転出力電圧とを受け、この両者の大小をクロック信号に従って所定周期毎に比較し、その比較結果をディジタル信号としてエンコード回路105に出力する。このディジタル信号は、例えば、比較結果に応じたHレベル又はLレベルのディジタル信号である。
前記エンコード回路105は、前記電圧比較回路列103から出力されたn+1個のディジタル値の比較結果を変換して、所定の分解能の1つのディジタルデータ信号を生成して出力する。
そして、本発明の特徴的な構成である調整回路106は、差動増幅回路列102内の複数個の差動増幅回路A1〜An+1の非反転出力電圧及び反転出力電圧のレベルが、電圧比較回路列103内の複数個の電圧比較回路Cr1〜Crn+1の入力レンジ内になるように、帰還バイアス電圧(帰還制御電圧)Fbを生成し、この帰還バイアス電圧Fbを差動増幅回路A1〜An+1に出力して、これ等の差動増幅回路A1〜An+1のバイアス調整を実施する。この調整回路106の詳細については後述する。
次に、前記差動増幅回路列102内の差動増幅回路A1〜An+1の構成を説明する。これ等の差動増幅回路は同一構成であって、以下、1個の差動増幅回路Anの内部構成を図2に例示して説明する。図2において、差動増幅回路Anは、前記アナログ信号電圧入力端子104からのアナログ信号電圧Ainをゲートに受けるNMOS型トランジスタM1と、前記参照電圧生成回路101で生成された参照電圧VRnをゲートに受けるNMOS型トランジスタM2とで構成される差動ペアを有する。これ等のトランジスタM1、M
2のソースには、定電流IDAを流す1個のNMOS型トランジスタで構成された定電流源SC1の一端が接続され、この定電流源SC1の他端は接地される。一方、前記NMOS型トランジスタM1、M2のドレインは、各々、定電流I1、I1を流す1個のPMOS型トランジスタで構成された定電流源SC2、SC3の一端が接続され、これ等の定電流源SC2、SC3の他端には電源電圧VDDAが供給される。
更に、図2の差動増幅回路Anにおいて、前記2個のトランジスタM1、M2と2個の定電流源SC2、SC3との接続点には、各々、PMOS型トランジスタM3、M4のソースが接続される。この両トランジスタM3、M4のドレインには、各々、負荷抵抗R1、R2の一端が接続され、これ等の負荷抵抗の他端は接地される。前記2個のPMOS型トランジスタM3、M4は、カスコード回路を構成する。前記2個のPMOS型トランジスタM3、M4と2個の負荷抵抗R1、R2との接続点には、各々、出力端子Vob、Voが接続されている。
前記の差動増幅回路Anの動作を説明すると、次の通りである。一方のNMOS型トランジスタM1には、アナログ信号電圧Ainに応じたドレイン電流ID1が流れ、他方のNMOS型トランジスタM2には、参照電圧VRnに応じたドレイン電流ID2が流れる。これ等のドレイン電流ID1、ID2の合計値は定電流源SC1の定電流IDAに等しい(ID1+ID2=IDA)。ここで、定電流源SC2、SC3の定電流I1、I1は、各々、前記ドレイン電流ID1、ID2よりも大値に設定される(I1>ID1、ID2)。従って、2個のPMOS型トランジスタM3、M4及び負荷抵抗R1、R2には、各々、差電流(I1−ID1)、(I1−ID2)が流れる。その結果、出力端子Vob、Voには、各々、次に示す出力電圧が現れる。
Vo =R1(I1−ID1)
Vob=R2(I1−ID2)
いま、負荷抵抗R1、R2の抵抗値を同一値Rとすると、出力端子Vob、Vo間の電圧(Vo−Vob)は、
Vo−Vob=R(ID2−ID1)
となる。本実施形態では、定電流源SC2、SC3を構成する2個のPMOS型トランジスタの各ゲートに、前記調整回路106からの帰還バイアス電圧Fbを入力することによって、その定電流源SC2、SC3の定電流I1、I1を調整すると、出力端子間の電圧(Vo−Vob)が調整されることになる。尚、電流源SC2、SC3に代えて、定電流源SC1を構成するNMOS型トランジスタのゲートに調整回路106からの帰還バイアス電圧Fbを入力しても良い。
続いて、前記A/D変換器100に含まれる調整回路106の内部構成について説明する。図3に示す調整回路106は、差動増幅回路レプリカ201と、電圧比較回路レプリカ202と、演算増幅回路203と、基準電圧出力回路204とを有する。
前記差動増幅回路レプリカ201は、前記差動増幅回路列102の差動増幅回路A1〜An+1と同一の回路構成及び形状で構成されると共に、前記差動増幅回路A1〜An+1の電源電圧VDDAと同一電圧が供給されていて、その2つの入力端子には同一の電圧Voが入力されて、2つのコモンモード電圧を出力する。前記電圧比較回路レプリカ202は、前記電圧比較回路列103の電圧比較回路Cr1〜Crn+1と同一の回路構成及び形状で構成されていて、前記差動増幅回路レプリカ201からの2つのコモンモード電圧を受けて、この両電圧に応じた2つのコモンモード電圧を出力する。
前記電圧比較回路レプリカ202から出力された2つのコモンモード電圧は、これ等2つのコモンモード電圧を各々一端に受ける抵抗301及び抵抗302で構成される平均電圧生成回路300に入力される。この平均電圧生成回路300では、前記抵抗301と抵抗302との他端同士が接続され、この接続ノードは、電圧比較回路レプリカ202からの2つのコモンモード電圧間にオフセットが存在する場合に、この両コモンモード電圧の中点、すなわち平均コモンモード電圧を出力する。
更に、図3の調整回路106において、基準電圧出力回路204は、A/D変換器100の各電圧比較回路Cr1〜Crn+1の入力ダイナミックレンジの中心電圧に等しい1つの基準電圧を出力する。また、前記演算増幅回路203は、前記平均電圧生成回路300からの平均コモンモード電圧と、前記基準電圧出力回路204の出力端子205から出力される1つの基準電圧とを受ける。この演算増幅回路203では、前記電圧比較回路レプリカ202から平均電圧生成回路300を経た平均コモンモード電圧が、前記基準電圧出力回路204からの基準電圧(即ち、電圧比較回路Cr1〜Crn+1の入力ダイナミックレンジの中心電圧)と一致するように、帰還バイアス電圧を出力する。前記演算増幅回路103の出力側には、ローパスフィルタ400が接続される。このローパスフィルタ400は、抵抗401及び容量402により構成されていて、前記演算増幅回路203からの帰還バイアス電圧に含まれる高周波成分を除去する。この除去後の帰還バイアス電圧Fbは、調整回路106内の差動増幅回路レプリカ201に帰還されると共に、出力端子206を経て、図1に示す差動増幅回路列102の差動増幅回路A1〜An+1にも帰還される。
従って、本実施形態では、A/D変換器100を構成する差動増幅回路A1〜An+1について、それ等を構成するトランジスタ、抵抗、容量等の半導体素子の製造上のばらつきに起因するプロセス変動が発生した場合には、それ等のプロセス変動と同様に、調整回路106内の差動増幅回路レプリカ201もプロセス変動が発生して、電圧比較回路レプリカ202から平均電圧生成回路300を経た平均コモンモード電圧も変動する。しかし、この平均コモンモード電圧が基準電圧出力回路204の基準電圧と一致するように演算増幅回路203が帰還バイアス電圧を生成し、その高周波成分がローパスフィルタ400で除去された後の帰還バイアス電圧Fbが差動増幅回路レプリカ201及びA/D変換器100内の複数の差動増幅回路A1〜An+1にフィードバックされるので、電圧比較回路レプリカ202からの平均コモンモード電圧が基準電圧出力回路204の基準電圧と精度良く一致して、差動増幅回路レプリカ201のコモンモード電圧が比較回路レプリカ202の入力ダイナミックレンジの中心に位置する。その結果、差動増幅回路列102の差動増幅回路A1〜An+1の非反転出力電圧及び反転出力電圧が、常に、電圧比較回路列103の電圧比較回路Cr1〜Crn+1の入力ダイナミックレンジ内に精度良く入ることになる。
また、調整回路106内においては、特に、差動増幅回路レプリカ201の出力側には電圧比較回路レプリカ202が配置されているので、電圧比較回路列103内の電圧比較回路Cr1〜Crn+1について、それ等を構成するトランジスタ、抵抗、容量等の半導体素子の製造上のばらつきに起因するプロセス変動が発生した場合にも、それ等のプロセス変動と同様に、調整回路106内の電圧比較回路レプリカ202もプロセス変動が発生して、電圧比較回路レプリカ202からのコモンモード電圧も変動するが、前記と同様に、演算増幅回路203から出力される帰還バイアス電圧に基づいて、差動増幅回路列102の差動増幅回路A1〜An+1の非反転出力電圧及び反転出力電圧が、常に、前記電圧比較回路列103の電圧比較回路Cr1〜Crn+1の入力ダイナミックレンジ内に精度良く入ることになる。従って、差動増幅回路列102の差動増幅回路A1〜An+1の製造プロセス変動だけでなく、電圧比較回路列103内の電圧比較回路Cr1〜Crn+1の製造プロセス変動も発生した場合であっても、それらの電圧比較回路Cr1〜Crn+1のプロセス変動に対処できて、差動増幅回路A1〜An+1の非反転出力電圧及び反転出力電圧を、常に、電圧比較回路Cr1〜Crn+1の入力ダイナミックレンジ内により一層に精度良く入れることが可能である。
従って、本実施形態では、調整回路106内に電圧比較回路レプリカ202を配置したが、差動増幅回路列102内の差動増幅回路A1〜An+1の製造プロセス変動のみを考慮する場合には、電圧比較回路レプリカ202を配置する必要はない。
更に、演算増幅回路203の出力側にはローパスフィルタ400が配置されていて、演算増幅回路203からの帰還バイアス電圧に含まれる高周波ノイズが除去されるので、差動増幅回路レプリカ201及び差動増幅回路A1〜An+1の動作に高周波ノイズの影響を与えることなく、安定した動作が得られる。尚、差動増幅回路列102の差動増幅回路A1〜An+1の回路規模が十分に大きい場合には、それ等の寄生抵抗(配線抵抗)や、配線及び差動増幅回路自体が持つ寄生容量が大きいので、ローパスフィルタ400と同じ効果があり、ローパスフィルタ400を配置しなくても良い。
加えて、本実施形態では、電圧比較回路レプリカ202からのコモンモード電圧を平均電圧生成回路300により平均して平均コモンモード電圧としたが、本発明はこれに限定されず、電圧比較回路レプリカ202の出力のオフセットが比較的小さい場合には、電圧比較回路レプリカ202の2つのコモンモード電圧の何れか一方を演算増幅回路203に入力しても良いのは、勿論である。
また、本実施形態では、差動増幅回路A1〜An+1と電圧比較回路Cr1〜Crn+1との個数を同数個としたが、本発明は、これに限定されず、その他、差動増幅回路A1〜An+1の出力を抵抗等で数分圧(例えば2分圧)して補間して、電圧比較回路の個数の数分の1(例えば1/2)の差動増幅回路のみを備える場合にも、同様に適用可能である。
(基準電圧出力回路の内部構成)
次に、図3に示した調整回路106に備える基準電圧出力回路204について、その内部構成を図4に基づいて説明する。
図4に示した基準電圧出力回路204は、基準電圧発生回路500と、スイッチ列502と、デコーダー501とを備える。前記基準電圧発生回路500は、直列接続されたn+1個の抵抗R1〜Rn+1より成る抵抗ラダーを電源VDDAとグランド間に配置して構成され、その各抵抗の両端子間に各々基準電圧を発生させるものである。また、前記スイッチ列(選択回路)502は、n個のスイッチS1〜Snから成り、その何れか1個のスイッチを閉じることにより、前記基準電圧発生回路500で発生されたn個の基準電圧のうち対応する1つの基準電圧を選択して、出力端子205から出力して、図3に示した演算増幅器203に入力する。更に、前記デコーダー501は、入力端子503を経て外部から制御信号CSを受け、この制御信号CSに応じて、前記スイッチ列502のn個のスイッチS1〜Snのうち何れか1個を選択する選択信号を生成して、この選択信号を対応するスイッチに出力する。
図4に示した基準電圧出力回路204は、以上の構成により、入力端子503を経た外部からの制御信号CSに応じて、複数の基準電圧のうち1つを選択可能であるので、回路設計時の最適な基準電圧と実回路上の最適な基準電圧とが異なった場合であっても、基準電圧を外部から調整可能であって、更に動作マージンが拡大する。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2のA/D変換器を図5に基づいて説明する。
図5は、前記図1に示したA/D変換器100に備える電圧比較回路Cr1〜Crn+1の一例である。これ等の電圧比較回路Cr1〜Crn+1は同一構成であって、以下、電圧比較回路Cr1を例示して説明する。
図5に示した電圧比較回路Cr1は、高速動作及び低消費電力を特徴とするダイナミック型の電圧比較回路を示している。この電圧比較回路Cr1は、2個のNMOS型トランジスタm1、m2を含む入力トランジスタ部10と、2個のNMOS型トランジスタm3、m4及び2個のPMOS型トランジスタm7、m8を含むクロスカップルインバータラッチ部より成る正帰還部11とを備える。
前記入力トランジスタ部10において、2個のNMOS型トランジスタm1、m2は、各々、そのゲートに、対応する差動増幅回路A1からの非反転出力電圧IN+と反転出力電圧IN−とが入力され、そのソースは接地される。また、前記正帰還部11において、2個のPMOS型トランジスタm7、m8のソースには電源VDDが与えられ、2個のNMOS型トランジスタm3、m4のソースには、各々、前記入力トランジスタ部10の2個のNMOS型トランジスタm1、m2のドレインが接続される。前記正帰還部11のPMOS型トランジスタm7、m8の各ゲートには、相補の出力端子Q、QBが接続される。
また、前記正帰還部11において、NMOS型トランジスタm3のドレインとPMOS型トランジスタm7のドレインとの間には、NMOSスイッチトランジスタm5が配置され、同様に、MMOS型トランジスタm4のドレインとPMOS型トランジスタm8のドレインとの間には、NMOS型スイッチトランジスタm6が配置されている。これ等のNMOS型スイッチトランジスタm5、m6の配置位置は、前記位置に限定されない。更に、正帰還部11において、PMOS型トランジスタm7のドレインと電源VDDとの間には、PMOS型スイッチトランジスタm9が配置され、同様に、PMOS型トランジスタm8のドレインと電源VDDとの間には、PMOS型スイッチトランジスタm10が配置される。前記NMOS型スイッチトランジスタm5、m6、及びPMOS型スイッチトランジスタm9、m10の各ゲートには、クロック信号CLKが入力される。
前記入力トランジスタ部10は、リニア領域にて動作し、各々のNMOS型トランジスタm1、m2のゲートに入力される差動増幅回路A1の非反転出力電圧IN+及び反転出力電圧IN−に応じて、それ等トランジスタm1、m2のドレイン電圧が変化し、そのドレイン電圧の差分は、比較結果として正帰還部11に出力される。正帰還部11では、クロック信号CLKに応じて、入力トランジスタ部10から出力される比較結果を電源電圧VDDに増幅し、その増幅した比較結果を保持すると共に、その増幅した比較結果をディジタル信号として出力端子Q、QBから出力する。
図5に示した電圧比較回路Cr1の動作を具体的に簡単に説明すると、次の通りである。クロック信号CLKが“Low”の場合、NMOS型スイッチトランジスタm5、m6はオフになり、PMOS型スイッチトランジスタm9、m10はオンになる。従って、正帰還部11は動作せず、出力端子Q、QBは電源電圧VDDにプルアップされ、出力信号Q、QBは共に“High”に固定される(Reset状態)。このとき、電圧比較回路Cr1には電流は一切流れない。
その後、クロック信号が“High”になると、NMOS型スイッチトランジスタm5、m6がオンに、PMOS型スイッチトランジスタm9、m10はオフになり、正帰還部11は動作可能となる。この際、NMOS型トランジスタm1、m2は、ゲート電圧に応じてドレイン電流が線形に変化するリニア領域で動作しており、NMOS型トランジスタm1には、そのゲート電圧に応じたドレイン電圧VDS1が発生し、NMOS型トランジスタm2には、そのゲート電圧に応じたドレイン電圧VDS2が発生する。正帰還部11は、それ等のドレイン電圧の電圧差(VDS1−VDS2)を正帰還して、その電圧差を電源電圧(VDD)レベルまで増幅し、その状態を保持する。例えば、両ドレイン電圧がVDS1>VDS2の場合では、その電圧差を正帰還し、出力端子Qは電源電圧VDDにまで、出力端子QBはグランド(VSS)まで増幅される。逆に、VDS1<VDS2の場合では、その電圧差を正帰還し、出力端子Qはグランド(VSS)まで、出力端子QBは電源電圧VDDにまで増幅される(Compare&Latch状態)。
前記Compare&Latch状態において、クロック信号が“High”になった後から入力信号IN+、IN−に応じて電圧比較回路A1の出力端子Q、QBの出力電圧差が電源電圧VDDに増幅されるまでの期間では、電流が流れるが、出力端子Q、QBでの出力電圧が保持される期間では、電流は流れない。
以上から、クロック信号が“Low”の場合には、電流は一切流れず、クロック信号が“High”の場合には、電圧比較回路Cr1の出力端子Q、QBの出力電圧が増幅されるまでの期間は電流が流れるが、出力端子Q、QBの出力電圧が保持される期間は電流は流れないので、一定電流を常に必要とする一般的な定電流型比較回路と比較すると、図5に示したダイナミック型で比較回路A1は、大幅に消費電力を削減できるメリットを有する。
図6は、前記図4に示した基準電圧出力回路204の別の一例を示している。図6に示した基準電圧出力回路204’は、図4の基準電圧出力回路204と比較すると、複数の基準電圧を発生する基準電圧発生回路800の構成が異なる。この基準電圧発生回路800は、複数個(n個)の電圧生成回路800a〜800nを有する。これ等の複数個の電圧生成回路800a〜800nは、各々、1つの基準電圧を発生し、これ等の基準電圧は相互に異なる。この電圧生成回路800a〜800nのうち電圧生成回路800aを図7に例示して説明する。
図7の電圧生成回路800aは、前記図5に示した電圧比較回路Cr1とほぼ同様の構成を有する。異なる点は、図5の電圧比較回路Cr1が2個のNMOS型トランジスタm3、m4及び2個のPMOS型トランジスタm7、m8を含む正帰還部11を有していたが、図7の電圧生成回路800aでは、前記正帰還部11に代えて、NMOS型トランジスタm3、m4及びPMOS型トランジスタm7、m8を含むダイオード接続部15を有する点と、図5の電圧比較回路Cr1が2個のNMOS型トランジスタm1、m2を含む入力トランジスタ部10を有していたが、図7の電圧生成回路800aでは、前記入力トランジスタ部10に代えて、2個の抵抗R1、R2を有する点と、前記NMOS型スイッチトランジスタm5、m6及びPMOS型スイッチトランジスタm9、m10のゲートには、クロック端子CLKではなく、“High”レベルの電圧が常時印加される電圧固定端子POWDが接続される点である。前記電圧生成回路800aでは、ダイオード接続部15のPMOS型トランジスタm7のゲートに、基準電圧を取り出す取出し端子VREFが接続されている。
図7に示した電圧生成回路800aの構成は、図5に示した電圧比較回路Cr1の次の状態と等価である。即ち、図5の電圧比較回路Cr1において、クロック信号が“High”の状態、つまり、2個のNMOS型スイッチトランジスタm5、m6がオン、2個のPMOS型スイッチトランジスタm9、m10がオフの状態では、正帰還部11が動作可能となる。このとき、入力トランジスタ部10の2個のNMOS型トランジスタm1、m2はゲート電圧によりドレイン電流が線形に変化するリニア領域で動作しており、一方のNMOS型トランジスタm1にはそのゲートへの入力信号に応じたドレイン電圧VDS1が発生し、他方のNMOS型トランジスタm2にはそのゲートへの入力信号に応じたドレイン電圧VDS2が発生する。そして、この電圧発生状態において前記動作可能となった正帰還部11が増幅動作を開始する直前の定常状態が存在し、この電圧比較回路Cr1の定常状態の回路状態と、電圧生成回路800aは等価回路である。
従って、本実施形態では、図7に例示した電圧生成回路800a及び800b〜800nの構成、即ち、図5に例示した電圧比較回路Cr1及びCr2〜Crn+1の定常状態を用いて、電圧生成回路800a〜800nが各々1つの基準電圧を生成するので、電圧比較回路Cr1〜Crn+1の比較感度を最適にしながら、差動増幅回路A1〜An+1の非反転出力電圧及び反転出力電圧を電圧比較回路Cr1〜Crn+1の入力ダイナミックレンジ内に精度良く入れる調整が可能である。
また、図7に示した電圧生成回路800aでは、低温時には、PMOS型トランジスタm7、m8及びNMOS型トランジスタm3〜m6の閾値電圧が増加して、PMOS型トランジスタm7、NMOS型トランジスタm5、m3及び抵抗R1を経て流れる動作電流、又は、PMOS型トランジスタm8、NMOS型トランジスタm6、m4及び抵抗R2を経て流れる動作電流は、常温時と比較すると、少なくなる。逆に、高温時は、常温時と比較すると、前記動作電流は多くなる。従って、電圧生成回路800aは比較的大きな温度特性を持つことになる。この場合、正の温度依存を持つ抵抗素子を使用して抵抗R1及び抵抗R2を構成すると、これ等の抵抗R1、抵抗R2は、低温時には抵抗値が小さくなって、前記動作電流を増加させ、高温時には抵抗値が大きくなって前記動作電流を減少させるので、電圧生成回路800aの温度依存を打ち消すことが可能である。
尚、本実施形態では、図5に例示した電圧比較回路Cr1において、相補の出力端子Q及び反転出力端子QBを、各々、正帰還部11のPMOS型トランジスタm8、m7の各ゲートに接続した構成に対応して、図7の電圧生成回路800aでは、ダイオード接続部15のPMOS型トランジスタm7のゲートに基準電圧取出し端子VREFを接続したが、その他、図8に例示するように、電圧比較回路Cr1’の相補の出力端子Q、QBが正帰還部11の2個のNMOS型トランジスタm3、m4のソースに接続される場合には、これに対応して、図9に例示するように、電圧生成回路800a’の基準電圧取出し端子VREFをダイオード接続部15のNMOS型トランジスタm3のソースに接続する構成としても良いのは、勿論である。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3のA/D変換システムについて説明する。
図10は、本実施形態のA/D変換システムの全体構成を示す。同図に示したA/D変換システム600は、図1に示したA/D変換器100と、このA/D変換器100に接続された適応回路601とを備える。
前記適応回路601は、前記図1に示したA/D変換器100の調整回路106に内蔵する基準電圧出力回路204、204’(図4及び図6参照)が発生する所定の基準電圧を適応制御(学習制御)して、適切な基準電圧とするものである。以下、この適応回路601の内部構成を説明する。尚、A/D変換器100に備える電圧比較回路Cr1〜Crn+1は図5又は図8に示したダイナミック型電圧比較回路を採用しても良く、また、調整回路106の基準電圧出力回路204’に備える電圧発生回路800a〜800nは、図7又は図9に示した構成を採用しても良い。
前記適応回路601の内部構成を図11に示す。同図の適応回路601は、A/D変換器100の電源立上げ時又は定期的にA/D変換器100の通常動作に先立って動作するものであり、評価用のアナログテスト信号を発生するテスト信号発生回路605と、制御信号生成回路606と、メモリ607とを備える。
前記制御信号生成回路606は、前記電源立上げ時等において、前記テスト信号発生回路605から評価用のテスト信号を発生させてA/D変換器100に入力させると共に、制御信号CSを発生し、この制御信号CSを前記図4又は図6に示した入力端子503を経てデコーダー501に入力して、このデコーダ501に初期値の選択信号を生成させる。その結果、図4又は図6に示した基準電圧出力回路204、204’では、初期値の基準電圧が選択されて、この基準電圧に基づいて差動増幅回路A1〜An+1からの非反転出力電圧及び反転出力電圧が調整される。
このように前記差動増幅回路A1〜An+1が出力電圧を調整された状態において、A/D変換器100が前記テスト信号発生回路605からの評価用のテスト信号をA/D変換すると、前記メモリ607は、そのA/D変換特性と、その制御信号CSの値とを記憶する。
前記制御信号生成回路606は、2回目として、前記テスト信号発生回路605から評価用のテスト信号を再度発生させると共に、デコーダー501から次ステップの選択信号を生成させるように、制御信号CSの値を変更する。メモリ607は、この状態でのA/D変換器100のA/D変換特性と、その制御信号CSの値とを記憶する。
その後、前記制御信号生成回路606は、前記2つのA/D変換特性を評価し、1回目のA/D変換特性の方が良好な場合には、1回目の制御信号CSの値を適切制御信号とする。一方、2回目のA/D変換特性の方が良好な場合には、更に、前記テスト信号発生回路605から評価用のテスト信号を再度発生させると共に、デコーダー501から更に次ステップの選択信号を生成させるように、制御信号CSの値を変更して、この状態での3回目のA/D変換特性とその制御信号CSの値とをメモリ607に記憶して、2回目と3回目のA/D変換特性を評価する。以後は、前記の動作を繰り返す。
従って、本実施形態では、調整回路106の基準電圧出力回路204、204’から出力される適切な基準電圧が電源電圧の変動や経時劣化等に起因して変動した場合においても、その基準電圧を適切な電圧値に適応制御できるので、差動増幅回路A1〜An+1からの非反転出力電圧及び反転出力電圧が電圧比較回路Cr1〜Crn+1の入力ダイナミックレンジに良好に入って、安定したA/D変換特性を得ることができる。
以上説明したように、本発明は、半導体素子のプロセス変動等に起因して差動増幅回路の出力電圧レンジが電圧比較回路の入力電圧レンジと一致しない場合であっても、それを一致するように差動増幅回路の出力電圧レンジを調整して、高精度なA/D変換器を得ることができるので、このA/D変換器をDVDプレーヤやDVDレコーダ、又はデジタルTV等の民生機器のデジタルデータ再生システム等に広く用いると、有用である。
本発明の実施形態1のA/D変換器の全体構成を示すブロック図である。 同A/D変換器に備える差動増幅回路の内部構成を示す図である。 同A/D変換器に備える調整回路の内部構成を示すブロック図である。 同調整回路に備える基準電圧出力回路の内部構成を示す図である。 本発明の実施形態2のA/D変換器に備える電圧比較回路の内部構成を示す図である。 同A/D変換器内の調整回路に備える基準電圧出力回路の内部構成を示す図である。 同基準電圧出力回路に備える電圧生成回路の内部構成を示す図である。 図5に示した電圧比較回路の内部構成の変形例を示す図である。 図7に示した電圧生成回路の内部構成の変形例を示す図である。 本発明の実施形態3のA/D変換システムの全体構成を示すブロック図である。 同A/D変換システムに備える適応回路の内部構成を示すブロック図である。 従来のA/D変換器の構成の一例を示す図である。
符号の説明
10 入力トランジスタ部
11 正帰還部
15 ダイオード接続部
100 A/D変換器
101 参照電圧生成回路
102 差動増幅回路列
A1〜An+1 差動増幅回路
103 電圧比較回路列
Cr1〜Crn+1 電圧比較回路
105 エンコード回路(コード化回路)
106 調整回路
201 差動増幅回路レプリカ
202 電圧比較回路レプリカ
203 演算増幅器
204、204’ 基準電圧出力回路
300 平均電圧生成回路
400 ローパスフィルタ
500、800 基準電圧発生回路
800a、800a’
〜800n 電圧生成回路
501 デコーダー
502 スイッチ列(選択回路)
600 A/D変換システム
601 適応回路
605 テスト信号発生回路
606 制御信号生成回路
607 メモリ
R1、R2 抵抗
m1〜m4 NMOS型トランジスタ
m5〜m10 PMOS型トランジスタ

Claims (13)

  1. 複数の参照電圧を生成する参照電圧生成回路と、
    前記参照電圧生成回路が生成する参照電圧に対応して備えられ、各々、対応する参照電圧と、共通の入力信号電圧とが入力され、前記対応する参照電圧と前記入力信号電圧との電圧差を増幅して、相補電圧である非反転出力電圧と反転出力電圧とを出力する複数の差動増幅回路と、
    前記複数の差動増幅回路に対応して備えられ、各々、対応する差動増幅回路からの非反転出力電圧と反転出力電圧とを比較し、その大小関係に応じたディジタル信号を出力する複数の電圧比較回路と、
    前記複数の電圧比較回路から出力された複数のディジタル信号をコード化して、前記入力信号電圧に応じた1つのディジタルデータ信号として出力するコード化回路と、
    前記複数の差動増幅回路の非反転出力電圧及び反転出力電圧を、前記複数の電圧比較回路の入力レンジの範囲内に調整する調整回路とを備えた
    ことを特徴とするA/D変換器。
  2. 前記請求項1記載のA/D変換器において、
    前記調整回路は、
    前記差動増幅回路と同一の回路及び形状で構成され、且つ前記差動増幅回路に供給される電圧と同一電圧が供給されて、コモンモード電圧を出力する差動増幅回路レプリカと、
    前記差動増幅回路レプリカから出力されるコモンモード電圧が所定の基準電圧と一致するように帰還制御電圧を発生して、前記帰還制御電圧を前記差動増幅回路レプリカに帰還する演算増幅回路とを備え、
    前記演算増幅器からの帰還制御電圧は、前記複数の差動増幅回路にも帰還される
    ことを特徴とするA/D変換器。
  3. 前記請求項2記載のA/D変換器において、
    前記調整回路は、更に、
    前記差動増幅回路レプリカと前記演算増幅回路との間に配置され、前記電圧比較回路と同一の回路及び形状で構成され、且つ前記差動増幅回路レプリカからのコモンモード電圧を受け、このコモンモード電圧に応じた電圧値のコモンモード電圧を出力する電圧比較回路レプリカを備え、
    前記演算増幅回路は、前記電圧比較回路レプリカからのコモンモード電圧が所定の基準電圧と一致するように帰還制御電圧を発生する
    ことを特徴とするA/D変換器。
  4. 前記請求項3記載のA/D変換器において、
    前記調整回路は、更に、
    前記電圧比較回路レプリカと前記演算増幅回路との間に配置され、前記電圧比較回路レプリカからのコモンモード電圧を入力し、このコモンモード電圧の平均電圧を生成する平均電圧生成回路を備え、
    前記演算増幅回路は、前記平均電圧生成回路からのコモンモード電圧の平均電圧が前記所定の基準電圧と一致するように帰還制御電圧を発生する
    ことを特徴とするA/D変換器。
  5. 前記請求項4記載のA/D変換器において、
    前記調整回路は、更に、
    前記演算増幅回路の出力側に配置され、前記演算増幅回路からの帰還制御電圧の高周波数成分を除去するローパスフィルタを備える
    ことを特徴とするA/D変換器。
  6. 前記請求項2〜5の何れか1項に記載のA/D変換器において、
    前記調整回路は、更に、前記所定の基準電圧を発生して出力する基準電圧出力回路を有し、
    前記基準電圧出力回路は、
    複数の基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、
    選択信号を受け、前記基準電圧発生回路で発生した複数の基準電圧の何れか1つを前記選択信号により選択して、前記所定の基準電圧として出力する選択回路とを備える
    ことを特徴とするA/D変換器。
  7. 前記請求項6記載のA/D変換器において、
    前記基準電圧出力回路は、
    外部から制御信号を受け、前記制御信号に基づいて前記選択信号を生成して前記選択回路に出力するデコーダーを備える
    ことを特徴とするA/D変換器。
  8. 前記請求項6記載のA/D変換器において、
    前記調整回路に備える基準電圧出力回路は、
    電源とグランドとの間に配置され、直列に接続された複数の抵抗から成る抵抗ラダーにより構成され、前記複数の抵抗の端子間に各々異なる基準電圧を発生させる
    ことを特徴とするA/D変換器。
  9. 前記請求項6記載のA/D変換器において、
    前記複数の電圧比較回路は、各々、
    対応する差動増幅回路からの非反転出力電圧及び反転出力電圧を各々ゲートに受け、リニア領域で動作する2個のNMOS型トランジスタを有する入力トランジスタ部と、
    前記2個のNMOS型トランジスタのドレインに接続され、クロスインバータラッチを構成する正帰還部とを有する
    ことを特徴とするA/D変換器。
  10. 前記請求項9記載のA/D変換器において、
    前記基準電圧出力回路が有する基準電圧発生回路は、複数の電圧生成回路を有し、
    前記複数の電圧生成回路は、各々、相互に異なる1つの基準電圧を生成し、且つダイオード接続部及び前記ダイオード接続部に接続された2個の抵抗を有し、前記ダイオード接続部の内部の所定ノードの電圧、又は前記ダイオード接続部と前記2個の抵抗の接続点との何れか一方に生成されるノード電圧を前記1つの基準電圧として出力する
    ことを特徴とするA/D変換器。
  11. 前記請求項10記載のA/D変換器において、
    前記2個の抵抗は、各々、正の温度依存特性を持つ抵抗で構成される
    ことを特徴とするA/D変換器。
  12. 前記請求項7記載のA/D変換器と、前記A/D変換器に接続された適応回路とを備えたA/D変換システムであって、
    前記適応回路は、前記A/D変換器に備える基準電圧出力回路が発生する前記所定の基準電圧を適応制御する
    ことを特徴とするA/D変換システム。
  13. 前記請求項12記載のA/D変換システムにおいて、
    前記適応回路は、
    テスト信号を発生し、前記テスト信号を前記A/D変換器に出力して、前記A/D変換器で前記テスト信号をA/D変換させるテスト信号発生回路と、
    前記A/D変換器での前記テスト信号のA/D変換特性を記憶するメモリと、
    前記メモリに記憶されたA/D変換特性を評価し、その評価結果に応じた制御信号を生成し、前記制御信号を前記A/D変換器の基準電圧出力回路に備えるデコーダーに出力する制御信号生成回路とを備えた
    ことを特徴とするA/D変換システム。
JP2004357193A 2004-08-18 2004-12-09 A/d変換器及びa/d変換システム Expired - Fee Related JP3958318B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004357193A JP3958318B2 (ja) 2004-08-18 2004-12-09 A/d変換器及びa/d変換システム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004238094 2004-08-18
JP2004357193A JP3958318B2 (ja) 2004-08-18 2004-12-09 A/d変換器及びa/d変換システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006087064A JP2006087064A (ja) 2006-03-30
JP3958318B2 true JP3958318B2 (ja) 2007-08-15

Family

ID=36165148

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004357193A Expired - Fee Related JP3958318B2 (ja) 2004-08-18 2004-12-09 A/d変換器及びa/d変換システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3958318B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4382130B2 (ja) 2006-09-19 2009-12-09 パナソニック株式会社 A/d変換器
JP5233462B2 (ja) * 2008-07-16 2013-07-10 富士通株式会社 Adコンバータ、データ受信装置、及びデータ受信方法
JP2010124449A (ja) * 2008-10-21 2010-06-03 Renesas Electronics Corp アナログデジタル変換回路
WO2010064338A1 (ja) * 2008-12-02 2010-06-10 パナソニック株式会社 比較器およびa/d変換器
KR101584787B1 (ko) 2009-01-19 2016-01-13 삼성전자주식회사 아날로그/디지털 변환 회로
JP5471761B2 (ja) * 2010-04-15 2014-04-16 富士通株式会社 受信回路
KR102103795B1 (ko) 2013-08-23 2020-04-27 삼성디스플레이 주식회사 리플 보상 회로, 이를 이용한 표시 패널의 구동 방법 및 이를 포함하는 표시 장치
KR102181766B1 (ko) * 2014-03-28 2020-11-25 에스케이하이닉스 주식회사 차동 증폭기 레이아웃

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006087064A (ja) 2006-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7675363B2 (en) Differential amplifier circuit and A/D converter
KR100494202B1 (ko) A/d 변환기
US6522280B2 (en) Adjustable digital-to-analog converter
US9515671B1 (en) Apparatus for gain selection with compensation for parasitic elements and associated methods
US7061419B2 (en) A/D converter and A/D converting system
KR100825769B1 (ko) 온-칩 기준전류 발생회로 및 기준전압 발생회로
US7321326B2 (en) Current source cell and D/A converter using the same
US8531243B2 (en) Bias controlling apparatus
JP3958318B2 (ja) A/d変換器及びa/d変換システム
US7312741B2 (en) Analog-to-digital converter circuit and reference circuit
JP3904495B2 (ja) A/d変換器
US7095352B2 (en) Analog-to-digital converter including a plurality of amplifier circuits
JP2012009925A (ja) Rssi回路
JPWO2009096192A1 (ja) バッファ回路及びそれを備えたイメージセンサチップ並びに撮像装置
JP4382130B2 (ja) A/d変換器
KR20060080419A (ko) 디지털 아날로그 컨버터 및 이를 이용한 광 시스템에서의자동 레이저 파워 제어 장치
EP0630103B1 (en) Emitterfollower circuit and analog to digital converter using such circuit
US20080238517A1 (en) Oscillator Circuit and Semiconductor Device
JP2009225205A (ja) Cml回路
US7256722B2 (en) D/A converter
CN113556103B (zh) 具迟滞功能的比较电路与比较模块
US11233513B2 (en) Reference voltage buffer with settling enhancement
JP2005057717A (ja) チョッパー型コンパレータ回路
JP4253735B2 (ja) ディジタル/アナログ変換器
JPH09282876A (ja) 半導体集積回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees