JP3958194B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像装置、現像剤搬送用電極基板、現像剤搬送用電極基板の製造方法および画像形成装置に関するものであり、より詳細には、像担持体上に形成された静電潜像に現像剤搬送用電極基板を用いて現像剤を供給する現像装置、現像剤搬送用電極基板、現像剤搬送用電極基板の製造方法および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置に用いられる現像装置として、像担持体に現像剤(トナー)担持体を接触させずに現像を行う、非接触方式の現像装置が注目されている。
【0003】
この非接触方式としては、パウダーラウンド法・ジャンピング法や、進行波電界を利用した方法が提案されている。
【0004】
進行波電界(電界カーテン)を利用した現像装置として、例えば日本国の特許掲載公報「特公平5−31146号公報(公告日:1993年5月11日)」、または「特公平5−31147号公報(公告日:1993年5月11日)」に記載された現像装置がある。
【0005】
この現像装置は、互いに位相が異なる複数の交番電圧を発生する電源と、基材上に所定の間隔をあけて配列された複数の電極を有する現像剤搬送部材とを備えている。電源が現像剤搬送部材に交番電圧を印加すると、電極によって進行波電界が生成される。これによって、現像剤搬送部材は、現像剤供給部材から供給される現像剤を像担持体(感光体)へと搬送する。
【0006】
また、例えば日本国の公開特許公報「特開平3−21967号公報(公開日:1991年1月30日)」には、現像剤担持搬送体(現像剤搬送部材)によって搬送される現像剤を予備荷電する予備荷電手段と、現像剤担持搬送体上に電界カーテンを作用させる電界カーテン発生手段とを設けた現像装置が提案されている。
【0007】
この公報に記載の装置において、予備荷電手段としては、例えば発泡ウレタンからなる予備荷電ローラが用いられている。予備荷電ローラは現像剤担持搬送体に接するように設けられている。また、予備荷電ローラに先端が接するようにブレードが設けられている。予備荷電ローラは、現像剤担持搬送体との間で現像剤を摩擦することによって現像剤の予備帯電を行うとともに、現像剤の層厚も規制するようになっている。
【0008】
この構成によれば、現像剤を均一に適正な荷電量に帯電できる。また、現像剤担持搬送体は、現像剤供給部材から供給される現像剤を、安定して像担持体へと搬送できる。また、搬送時に現像剤の飛散を回避できる。また、形成される画像にカブリが生じることを回避できることが記載されている。
【0009】
しかしながら、上述の各公報記載の構成においては、現像剤搬送部材に電圧を印加することや、現像剤搬送部材と現像剤との接触等によって、現像剤を担持する現像剤搬送部材が帯電する。このため、現像剤搬送部材に現像剤が固着する虞れがあった。
【0010】
そこで、日本国の公開特許公報「特開2002−91160号公報(公開日:2002年3月27日)」には、現像剤搬送部材を被覆するベルトを設けた構成が開示されている。この構成においては、ベルトを微速回転させることによって、現像剤搬送面を常にリフレッシュできる。すなわち、この構成によって、現像剤搬送部材に現像剤が固着することを防止できる。
【0011】
また、日本国の公開特許公報「特開平2−15694号公報(公開日:1990年1月19日)」には、フレキシブルプリント配線板(Flexible Print Cable:FPC)の製造方法が記載されている。より詳細には、上記公報には、ポリイミドフィルム上に直接半導体回路を形成し、半導体回路を含む面にポリバラン酸とエポキシ樹脂を含むカバーコートを印刷法により形成する製造方法が記載されている。つまり、従来のFPCにおける接着層を用いず、オーバーコートを樹脂で充填する手法が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特公平5−31146号公報
【0013】
【特許文献2】
特公平5−31147号公報
【0014】
【特許文献3】
特開平3−21967号公報
【0015】
【特許文献4】
特開2002−91160号公報
【0016】
【特許文献5】
特開平2−15694号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の現像装置の構成によれば、現像剤を均一に搬送して、像担持体の静電潜像へと現像剤を均一に供給することができないという虞れがある。
【0018】
すなわち、上記した特公平5−31146号公報、特公平5−31147号公報、特開平3−21967号公報の各公報においては、現像剤搬送部材を被覆するベルトについて記載がなく、現像剤搬送部材の帯電によって、現像剤搬送部材に現像剤が固着する虞れがある。この場合には、現像剤の搬送ムラを生じてしまう。
【0019】
また、特開2002−91160号公報に記載の発明は、本願発明者によってなされたものである。本願発明者は、鋭意実験の結果、大サイズの記録紙に印刷を行う場合、高速印刷を行う場合、長期間の使用(印刷サイクル)、環境条件などに対応することができるように、さらに安定した現像剤搬送を実現することを目的として、本発明に至ったものである。
【0020】
なお、特開平2−15694号公報においては、フレキシブルプリント配線板を現像装置に用いる点については記載されていない。
【0021】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、現像剤の搬送ムラを防止した現像装置、現像剤搬送用電極基板、現像剤搬送用電極基板の製造方法および画像形成装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極に電圧が印加されることによって像担持体の静電潜像へと現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、上記現像剤搬送手段の表面を覆い、上記現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材とを備えた現像装置において、上記現像剤搬送手段の上記電極は、所定の方向に延びた形状で配置されており、上記現像剤搬送手段は、上記電極に電圧が印加されると、上記被覆部材上において、上記所定の方向に関して均一な電界を生成することを特徴としている。
【0023】
上記現像剤搬送手段の電極に、例えば適切な多相の交流電圧を印加すると、電極が進行波電界を生成する。現像剤搬送手段は、この進行波電界によって、現像剤を像担持体の静電潜像へと搬送する。特に、上記構成においては、電極が所定の方向に延びた形状で配置されているので、電極に電圧が印加されると、この所定の方向と垂直方向が進行方向となる進行波電界が生成される。したがって、現像剤は、各電極を含む平面と平行な方向で、かつ上記の所定の方向と垂直な方向に搬送される。
【0024】
ここで、現像剤搬送手段には、現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材が被覆されている。なお、被覆部材は、現像剤搬送手段に対して回動可能であってもよい。また、被覆部材は、現像剤の搬送方向に移動する構成であってもよい。
【0025】
上記構成においては、被覆部材上に供給された現像剤に対して、被覆部材の下に配置された現像剤搬送手段が進行波電界を生成して印加する。このため、現像剤と現像剤搬送手段とが直接接触することがない。このため、現像剤搬送手段に現像剤が固着することを防止できる。また、上記被覆部材が現像剤搬送手段に対して移動する構成においては、より確実に、現像剤の固着を防止できる。
【0026】
また、上記構成においては、現像剤搬送手段が、被覆部材上において、所定の方向に関して均一な電界を生成する。ここで、上述のように、進行波電界はこの所定の方向と垂直方向が進行方向となっている。したがって、所定の方向に均一な電界を、この方向と垂直方向に順次進行させるので、現像剤の搬送ムラが生ずることがない。したがって、現像剤の搬送ムラを防止した現像装置を提供できる。
【0027】
なお、現像剤搬送手段が所定の方向に関して均一な電界を生成するための構成は、どのようなものであってもよい。例えば、現像剤搬送手段において、被覆手段と摩擦される側の表面の凹凸の深さを十分に小さくすることによって、被覆手段の摩擦帯電を均一化して、被覆部材上において均一な電界を生成してもよい。また、例えば、現像剤搬送手段内部の電極の配置を十分な精度で調節することによって、被覆部材上において均一な電界を生成してもよい。
【0028】
また、上記構成における均一とは、厳密に均一であることを意味するものではなく、所望の範囲内に収まるものであればよい。例えば、この現像装置を用いて現像を行って得られた印刷物が所望の印刷品位であるならば、均一であるものとしてもよい。
【0029】
また、上記構成における所定の方向に延びた形状とは、厳密な直線形状に限るものではなく、直線形状の場合とほぼ同様の電界を、搬送される現像剤が受けるような構成であれば、どのようなものであってもよい。
【0030】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極に電圧が印加されることによって像担持体の静電潜像へと現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、上記現像剤搬送手段の表面を覆い、上記現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材とを備えた現像装置において、上記現像剤搬送手段は、上記被覆部材と接する側の表面における凹凸の深さが100μm以下であることを特徴としている。
【0031】
上記現像剤搬送手段の電極に、例えば適切な多相の交流電圧を印加すると、電極が進行波電界を生成する。現像剤搬送手段は、この進行波電界によって、現像剤を像担持体の静電潜像へと搬送する。
【0032】
ここで、現像剤搬送手段には、現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材が被覆されている。なお、被覆部材は、現像剤搬送手段に対して回動可能であってもよい。また、被覆部材は、現像剤の搬送方向に移動する構成であってもよい。
【0033】
上記構成においては、被覆部材上に供給された現像剤に対して、被覆部材の下に配置された現像剤搬送手段が進行波電界を生成して印加する。このため、現像剤と現像剤搬送手段とが直接接触することがない。このため、現像剤搬送手段に現像剤が固着することを防止できる。また、上記被覆部材が現像剤搬送手段に対して移動する構成においては、より確実に、現像剤の固着を防止できる。
【0034】
また、上記構成において、現像剤搬送手段は、被覆部材と接する側の表面における凹凸の深さが100μm以下である。したがって、被覆部材が現像剤搬送手段に対して移動する際に生ずる、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を、十分に均一化することができる。すなわち、現像剤搬送手段と被覆部材との局所的、不均一な摩擦を低減できる。よって、被覆部材と現像剤との吸引力が安定するので、安定した現像剤の搬送が可能となる。すなわち、被覆部材の摩擦帯電を十分に均一化して、被覆部材上を搬送される現像剤の搬送ムラを生ずることがない。したがって、現像剤の搬送ムラを防止した現像装置を提供できる。
【0035】
また、上記構成において、さらに、現像剤搬送手段は、被覆部材と接する側の表面における凹凸の深さが10μm以下である構成も好ましい。この構成であれば、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦をさらに精度よく均一化して、被覆部材上を搬送される現像剤の搬送ムラを生ずることがない。
【0036】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極に電圧が印加されることによって像担持体の静電潜像へと現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、上記現像剤搬送手段の表面を覆い、上記現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材とを備えた現像装置において、上記現像剤搬送手段の上記電極は、所定の方向に延びた形状で配置されており、上記現像剤搬送手段は、上記被覆部材と接する側の表面において、上記現像剤が上記被覆部材上に供給される位置から、上記現像剤を搬送する搬送方向の上流側における最初の上記電極の位置までの範囲において、凹凸の深さが100μm以下であるとともに、上記最初の電極の位置から上記像担持体直下の上記電極の位置までの範囲において、上記の各電極上の領域での上記所定の方向に関する凹凸の深さが100μm以下であることを特徴としている。
【0037】
上記現像剤搬送手段の電極に、例えば適切な多相の交流電圧を印加すると、電極が進行波電界を生成する。現像剤搬送手段は、この進行波電界によって、現像剤を像担持体の静電潜像へと搬送する。特に、上記構成においては、電極が所定の方向に延びた形状で配置されているので、電極に電圧が印加されると、この所定の方向と垂直方向が進行方向となる進行波電界が生成される。したがって、現像剤は、各電極を含む平面と平行な方向で、かつ上記の所定の方向と垂直な方向に搬送される。
【0038】
ここで、現像剤搬送手段には、現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材が被覆されている。なお、被覆部材は、現像剤搬送手段に対して回動可能であってもよい。また、被覆部材は、現像剤の搬送方向に移動する構成であってもよい。
【0039】
上記構成においては、被覆部材上に供給された現像剤に対して、被覆部材の下に配置された現像剤搬送手段が進行波電界を生成して印加する。このため、現像剤と現像剤搬送手段とが直接接触することがない。このため、現像剤搬送手段に現像剤が固着することを防止できる。また、上記被覆部材が現像剤搬送手段に対して移動する構成においては、より確実に、現像剤の固着を防止できる。
【0040】
また、現像剤搬送手段は、被覆部材と接する側の表面において、現像剤が被覆部材上に供給される位置から、現像剤を搬送する搬送方向の上流側における最初の電極の位置までの範囲において、凹凸の深さが100μm以下となっている。
【0041】
したがって、現像剤が局所的な摩擦による影響を受けやすい範囲において、凹凸による現像剤搬送手段と被覆部材との局所的、不均一な摩擦を低減できる。
【0042】
また、現像剤搬送手段は、被覆部材と接する側の表面において、最初の電極の位置から像担持体直下の電極の位置までの範囲において、各電極上の領域での所定の方向に関する凹凸の深さが100μm以下となっている。
【0043】
このため、被覆部材が現像剤搬送手段に対して移動する際に生ずる、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を、電極の延びている方向について十分に均一化することができる。すなわち、現像剤搬送手段と被覆部材との局所的な摩擦を低減できる。また、搬送方向の上流側における最初の電極から像担持体直下の電極までの範囲において、各電極の延びている方向に関して摩擦を均一化できる。
【0044】
したがって、搬送剤が供給される位置から、像担持体へと搬送される像担持体直下までの範囲において、被覆部材上の摩擦帯電を各電極の延びている方向に関して均一化できる。上記構成によれば、現像剤を、この摩擦帯電が均一化された方向と垂直方向に搬送するので、現像剤を均一に搬送して、現像剤の搬送ムラを生ずることがない。したがって、現像剤の搬送ムラを防止した現像装置を提供できる。
【0045】
また、上記構成において、さらに、現像剤搬送手段は、被覆部材と接する側の表面において、現像剤が被覆部材上に供給される位置から、現像剤を搬送する搬送方向の上流側における最初の電極の位置までの範囲において、凹凸の深さが10μm以下となっている構成であってもよい。また、現像剤搬送手段は、被覆部材と接する側の表面において、最初の電極の位置から像担持体直下の電極の位置までの範囲において、各電極上の領域での上記所定の方向に関する凹凸の深さが10μm以下となっている構成であってもよい。この構成であれば、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦をさらに精度よく均一化して、被覆部材上を搬送される現像剤の搬送ムラを生ずることがない。
【0046】
以上の構成について、より詳細に説明すると以下のようになる。
【0047】
すなわち、上記構成において、被覆部材を現像剤搬送手段に対して移動させるためには、被覆部材を安定的に搬送できるように、被覆部材に一定の張力を付与するテンションを加えることが好ましい。この場合、被覆部材と接している部分の現像剤搬送手段に凸部が存在すると、凸部と被覆部材との間で、局所的に強い摩擦が生じることとなる。
【0048】
一方、現像剤搬送手段上の被覆部材には、現像剤が供給されて、現像剤の層が形成される。この現像剤の層は、被覆部材が現像剤搬送手段に対して例えば現像剤の搬送方向に移動することによって、搬送方向の上流側における最初の現像剤搬送手段の電極上の位置に到達して、進行波電界を受ける。
【0049】
ここで、上述のように現像剤搬送手段の凸部と被覆部材とが摩擦すると、局所的に強い摩擦によって、被覆部材が不均一に摩擦帯電することになる。
【0050】
したがって、被覆部材上に現像剤が供給されて、被覆部材の移動によって現像剤が現像剤搬送手段の最初の電極上の位置に到達するまでにおいて、被覆部材が局所的に強い摩擦を受けると、現像剤と被覆部材との付着力が不均一になる。例えば付着力が低減し、または条件によっては付着力が増加する。このように付着力が不均一となった現像剤の層が、進行波電界を受けて搬送されるので、現像剤の搬送不良が生ずる。なお、現像剤の層が一旦進行波電界を受けると、殆どの現像剤は被覆部材から飛翔するため、この最初の電極の位置よりは、局所的な摩擦の影響を受けにくくなる。
【0051】
したがって、本発明に係る上記の構成によれば、現像剤が局所的な摩擦による影響を受けやすい範囲において、現像剤搬送手段表面の凹凸の深さが100μm以下(望ましくは10μm)であるので、凹凸による現像剤搬送手段と被覆部材との局所的な摩擦を低減できる。よって、被覆部材と現像剤との吸引力を安定させて、安定した現像剤の搬送が可能となり、現像剤の搬送ムラが防止でき、良好な画像を得ることができる。
【0052】
なお、上記現像剤搬送手段においては、表面の凹凸に関して、電極の配置されている位置の表面と、電極が配置されていない領域の表面とにおける、表面の段差及び傾斜の有無については、特に限定するものではない。また、現像に寄与するトナーが搬送される領域については、段差の有無などについては特には限定しない。また進行波電界を発生せしめる、略平行に配置された電極について、電極同士を比較した段差の有無についても特には限定しない。
【0053】
なお、上記現像装置を、以下のように表現することもできる。すなわち、上記現像剤搬送手段と上記被覆部材とが、トナー搬送方向に対して、少なくとも最初に接触する部分から上記現像剤搬送手段の電極の存在しない領域において、上記ベルトと接触する側の上記現像剤搬送手段表面の凹凸が100μm以下(望ましくは10μm)であり、かつトナー搬送方向に対して少なくとも最初の1本目の電極部上の凹凸が100μm以下(望ましくは10μm)である構成の現像装置である、と表現することもできる。また、さらに、トナー搬送方向に対して、少なくとも最初の1本目の電極部から、像担持体直下の電極部の位置までの、表面の凹凸が100μm以下(望ましくは10μm)であってもよい。
【0054】
本発明に係る現像装置は、間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極に電圧が印加されることによって像担持体の静電潜像へと現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、上記現像剤搬送手段の表面を覆い、上記現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材とを備えた現像装置において、上記現像剤搬送手段は、上記被覆部材が移動する際に生ずる上記現像剤搬送手段と上記被覆部材との摩擦を均一化する構造であることを特徴としている。
【0055】
上記現像剤搬送手段の電極に、例えば適切な多相の交流電圧を印加すると、電極が進行波電界を生成する。現像剤搬送手段は、この進行波電界によって、現像剤を像担持体の静電潜像へと搬送する。
【0056】
ここで、現像剤搬送手段には、現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材が被覆されている。なお、被覆部材は、現像剤搬送手段に対して回動可能であってもよい。また、被覆部材は、現像剤の搬送方向に移動する構成であってもよい。
【0057】
上記構成においては、被覆部材上に供給された現像剤に対して、被覆部材の下に配置された現像剤搬送手段が進行波電界を生成して印加する。このため、現像剤と現像剤搬送手段とが直接接触することがない。このため、現像剤搬送手段に現像剤が固着することを防止できる。また、上記被覆部材が現像剤搬送手段に対して移動する構成においては、より確実に、現像剤の固着を防止できる。
【0058】
また、上記構成においては、被覆部材が移動する際に生ずる、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦が均一化される。これは、例えば現像剤搬送手段の、被覆部材と接する側の表面における凹凸の深さを十分に小さなものとすることによって実現できる。このように現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を均一化すれば、被覆部材における摩擦帯電を均一化できる。したがって、被覆部材の帯電の不均一を生じさせないので、帯電ムラを防止できる。よって、搬送ムラを防止した現像装置を提供できる。
【0059】
以上の構成について、より詳細に説明すると以下のようになる。
【0060】
すなわち、上記現像装置は、現像剤搬送手段の表面を覆い、例えば現像剤の搬送方向に回動する被覆部材を備えている。被覆部材上に供給された現像剤に対して、現像剤搬送手段に電圧を印加することによって進行波電界を及ぼし、これによって現像剤を搬送する。この現像装置においては、現像剤搬送手段と被覆部材との局所的、不均一な摩擦が問題となる。
【0061】
これは以下の理由による。被覆部材の表面は、現像剤の搬送前には除電した状態とする一方、現像剤は、例えば予備帯電によってマイナスに帯電された状態となっている。この状態で、現像剤搬送手段と被覆部材との間に相対的に強い摩擦が生じると、被覆部材において強い摩擦を生じた領域はマイナスに帯電する。なお、相対的に強い摩擦とは、例えば現像剤搬送手段の凸部による局所的な強い摩擦に相当する。このように、被覆部材がマイナスに帯電すれば、被覆部材と現像剤との吸引力が低下する。このため、被覆部材上の現像剤が進行波電界を受けると、吸引力の低下した部分の現像剤が、他の領域の現像剤よりも大きく飛翔してしまう。これによって、例えば進行波電界を生じている範囲の外に飛散してしまうこともある。このため、良好な現像剤の搬送を行うことができずに搬送不良となった部分が白抜け状態となり、画質に影響を与えることになる。
【0062】
そこで、上記した本発明に係る現像装置の構成を用いる。これによって、現像剤搬送手段と被覆部材との局所的に強い摩擦を低減し、現像剤の搬送に影響するような摩擦帯電を防止することが可能となる。したがって、現像剤の搬送ムラを防止でき、良好な画像を得ることが可能となる。
【0063】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記現像剤搬送手段は、上記被覆部材と接する側の面に、位置を固定するように配置した、厚さ100μm以下のフィルムシートを備えていることを特徴としている。
【0064】
上記構成において、被覆部材が移動する際には、現像剤搬送手段のフィルムシートと被覆部材とが互いに摩擦する。したがって、このフィルムシートを適切に選択することによって、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を均一化することができる。
【0065】
ここで、例えば上記構成の現像剤搬送手段は、間隔を設けて並べられた複数の電極を有する現像剤搬送用電極基板上に、フィルムシートを設けた構成である。フィルムシートは、現像剤搬送用電極基板に対して位置が固定される。この構成であれば、現像剤搬送用電極基板の表面に凹凸があったとしても、フィルムシートによってその凹凸を無くして、局所的、不均一な摩擦の発生を抑えることができる。
【0066】
なお、上記構成の現像装置において、被覆部材上において生ずる電界を、少なくとも現像剤搬送手段の電極の延びる方向に関して均一化するためには、以下のようにすればよい。すなわち、例えば、被覆部材と現像剤搬送手段との摩擦を均一化する。または例えば、現像剤搬送手段の電極によって現像剤搬送手段の表面に生ずる電界を均一化する。ここで、上述の本発明に係る現像装置は、特に、被覆部材と現像剤搬送手段との摩擦の影響が大きい場合に、これを均一化することができる。したがって、このような場合に特に好適に用いることができる。
【0067】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板は、上記課題を解決するために、基材上に間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極を覆うように表面保護層を備えた現像剤搬送用電極基板において、上記表面保護層は、表面の凹凸の深さが100μm以下であることを特徴としている。
【0068】
上記現像剤搬送用電極基板は、現像装置に備えられて用いられる。現像剤搬送用電極基板の電極に適切な電圧が印加されると、進行波電界を生じて現像剤を像担持体の静電潜像へと搬送する。すなわち、現像剤搬送用電極基板は、現像装置の現像剤搬送手段として機能する。
【0069】
上記構成によれば、現像装置において、現像剤搬送手段を被覆して現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材が備えられている場合に、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を均一化することができる。したがって、現像装置の被覆部材の不均一な摩擦帯電を防止して、現像剤の搬送ムラを生じさせない。
【0070】
また、上記構成において、さらに、現像剤搬送用電極基板は、表面保護層の表面の凹凸の深さが10μm以下である構成も好ましい。この構成であれば、現像剤搬送用電極基板を現像剤搬送手段として用いる場合に、被覆部材との摩擦をさらに精度よく均一化して、被覆部材上を搬送される現像剤の搬送ムラを生じさせない。
【0071】
なお、上記現像剤搬送手段は、例えば以下のような構成であってもよい。すなわち、例えば基材としてのベースフィルムに銅箔を接着し、この銅箔をエッチングして電極を形成し、この電極を覆うように絶縁被覆による表面保護層を設けた構成であってもよい。
【0072】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板は、上記課題を解決するために、基材上に間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極を覆うように表面保護層を備えた現像剤搬送用電極基板において、上記電極は、所定の方向に延びた形状で配置されており、上記表面保護層の表面は、上記の電極上の領域での上記所定の方向に関する凹凸の深さが100μm以下であることを特徴としている。
【0073】
上記現像剤搬送用電極基板は、現像装置に備えられて用いられる。現像剤搬送用電極基板の電極に適切な電圧が印加されると、進行波電界を生じて現像剤を像担持体の静電潜像へと搬送する。すなわち、現像剤搬送用電極基板は、現像装置の現像剤搬送手段として機能する。
【0074】
上記構成によれば、現像装置において、現像剤搬送手段を被覆して現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材が備えられている場合に、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を、上述の所定の方向に関して均一化できる。この場合には、現像剤を、この摩擦帯電が均一化された方向と垂直方向に搬送するので、現像剤を均一に搬送して、現像剤の搬送ムラを生ずることがない。したがって、現像装置の被覆部材の不均一な摩擦帯電を防止して、現像剤の搬送ムラを生じさせない。
【0075】
また、上記構成において、さらに、上記表面保護層の表面は、上記の電極上の領域での上記所定の方向に関する凹凸の深さが10μm以下である構成も好ましい。この構成であれば、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦をさらに精度よく均一化して、被覆部材上を搬送される現像剤の搬送ムラを生ずることがない。
【0076】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板は、上記課題を解決するために、基材上に間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極を覆うように表面保護層を備えた現像剤搬送用電極基板において、上記基材が、変形しにくいブロック部材からなる固体基板であることを特徴としている。
【0077】
ここで、ブロック部材とは、ガラス、プラスチックなどの難変形体を意味する。すなわち、ブロック部材は、フレキシブルでなく、変形しにくい固体である。
【0078】
上記構成によれば、ブロック部材は、例えばフィルムのようなフレキシブルな部材と比較して表面の平坦性を高くすることが容易なため、基材の表面精度を向上できる。したがって、現像剤搬送用電極基板の加工精度も向上することができ、現像剤搬送基板の表面保護層の凹凸も軽減することができる。
【0079】
また、ブロック部材は、成型工程などにより平坦化が容易である。また、電極を形成する工程での変形を少なくできる。また、電極を形成する際の、メッキ、蒸着、スパッタ等の製膜方法において、電極を容易に平坦化できる。これによって、平坦な現像剤搬送用電極基板(くし型電極)を形成できる。
【0080】
この構成であれば、上記現像剤搬送用電極基板を現像装置の現像剤搬送手段として用いて、現像剤搬送手段を被覆する被覆部材上の現像剤を搬送する場合に、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を均一化できる。
【0081】
また、上記構成においては、変形しにくいブロック部材上に設けられた電極を保護するように、表面保護層が形成されている。
【0082】
したがって、ブロック部材を精度よく平坦に加工することによって電極を平坦にできるので、電極に電圧が印加されたときに表面保護層上に生ずる電界を、電極の延びている方向に均一にすることができる。この構成によっても、上記現像剤搬送用電極基板を現像装置の現像剤搬送手段として用いて、現像剤搬送手段を被覆する被覆部材上の現像剤を搬送する場合に、被覆部材上に生ずる電界を均一にすることができる。
【0083】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、複数の電極を有する現像剤搬送手段と、上記現像剤搬送手段の表面を覆い、上記現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材とを備えた現像装置において、上記現像剤搬送手段として、上述のいずれかの現像剤搬送用電極基板を用いていることを特徴としている。
【0084】
上記現像装置は、上述のいずれかの現像剤搬送用電極基板を現像剤搬送手段として用いるので、例えば現像剤搬送用電極基板と被覆部材との摩擦を均一化して、被覆部材の帯電状態を均一化できる。また、被覆部材上に生ずる電界を、少なくとも現像剤搬送用電極基板の電極が延びている方向に関して均一化できる。したがって、被覆部材上の現像剤の搬送ムラを防止した現像装置を提供できる。
【0085】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板の製造方法は、上記課題を解決するために、基材上に間隔を設けて並べられた複数の電極を覆うための表面保護層を設ける表面保護工程を含む現像剤搬送用電極基板の製造方法において、上記表面保護層の表面を、凹凸の深さが100μm以下となるまで研磨する研磨工程を含んでいることを特徴としている。
【0086】
上記製造方法においては、例えば基材上に導電性薄膜を接着し、この導電性薄膜をエッチングして電極を形成する。基材上の電極の形成方法は、この構成に限るものではなく、どのようなものであってもよい。そして、基材上の電極を覆うように、表面保護層を設ける。さらにこの表面保護層の表面を、凹凸の深さが100μm以下となるように研磨する。
【0087】
上記構成によれば、表面保護層の表面は、凹凸の深さが100μm以下となるので、表面保護層を設ける保護工程において、それほど厳密な加工精度は要求されない。したがって、現像剤搬送用電極基板を容易に製造することができ、例えば製造のコストを削減することができる。
【0088】
また、上記構成によれば、製造された現像剤搬送用電極基板の表面保護層の表面は、凹凸の深さが100μm以下となる。したがって、現像剤搬送用電極基板を現像装置の現像剤搬送手段として用いる場合に、この現像剤搬送手段を被覆する被覆手段との摩擦を均一化して、現像装置の被覆手段の帯電を均一化することができる。したがって、被覆手段上を搬送される現像剤の搬送ムラを生じさせない。
【0089】
ここで、従来の現像剤搬送用電極基板は、例えば、ベースフィルム(基材)上の銅箔をエッチングし、エッチングして形成した電極上に絶縁被覆(表面保護層)を形成することによって製造される。絶縁被覆を形成する場合には、電極の上に接着層、プラスチック材からなるカバーコートを用い、高温下で押圧することによって製造していた。しかしながら、このような従来の方式では、例えば機械的な圧力を加えることによる影響などのため、製造される現像剤搬送用電極基板上に局部的に凸部が生じる。すなわち、現像剤搬送用電極基板の表面が、不均一な凹凸を有するものとなる。
【0090】
そこで、本発明の上記構成においては、さらに研磨工程を設けて、表面を研磨することによって凸部を削る。したがって、凹凸のない現像剤搬送用電極基板を得ることができる。
【0091】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板の製造方法は、上記課題を解決するために、基材上に間隔を設けて並べられた複数の電極を覆うための表面保護層を設ける表面保護工程を含む現像剤搬送用電極基板の製造方法において、上記表面保護工程が、コーティング剤を用いて上記電極をコーティングすることによって上記表面保護層を形成するコーティング工程であることを特徴としている。
【0092】
上記製造方法においては、例えば基材上に導電性薄膜を接着し、この導電性薄膜をエッチングして電極を形成する。基材上の電極の形成方法は、この構成に限るものではなく、どのようなものであってもよい。そして、基材上の電極を覆うように、コーティング剤を用いて電極をコーティングすることによって表面保護層を設ける。
【0093】
ここで、従来の現像剤搬送用電極基板は、例えば、ベースフィルム(基材)上の銅箔をエッチングし、エッチングして形成した電極上に絶縁被覆(表面保護層)を形成することによって製造される。絶縁被覆を形成する場合には、電極の上に接着層、プラスチック材からなるカバーコートを用い、高温下で押圧することによって製造していた。しかしながら、このような従来の方式では、例えば機械的な圧力を加えることによる影響などのため、製造される現像剤搬送用電極基板上に局部的に凸部が生じる。すなわち、現像剤搬送用電極基板の表面が、不均一な凹凸を有するものとなる。
【0094】
一方、本発明の上記構成によれば、現像剤搬送用電極基板の製造において圧力を与えず、また高温下での押圧をすることがないので、表面に凹凸を生ずることがない。したがって、現像剤搬送用電極基板を現像装置の現像剤搬送手段として用いる場合に、この現像剤搬送手段を被覆する被覆手段との摩擦を均一化して、現像装置の被覆手段の帯電を均一化することができる。したがって、被覆手段上を搬送される現像剤の搬送ムラを生じさせない。
【0095】
また、上記構成によれば、表面保護層の形成に接着層が不要となるので、現像剤搬送用電極基板の製造が容易になるとともに、製造コストを低減できる。
【0096】
なお、コーティング方法としては、スピンコート、ディッピング、印刷、スプレー法、蒸着重合法などがあるが、特に限定されない。また、コーティング材料としては、このようなコーティングに使用される絶縁性樹脂材料を好適に用いることができる。
【0097】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、複数の電極を有する現像剤搬送手段と、上記現像剤搬送手段の表面を覆い、上記現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材とを備えた現像装置において、上記現像剤搬送手段として、上述のいずれかの製造方法によって製造された現像剤搬送用電極基板を用いていることを特徴としている。
【0098】
上記現像装置は、上述のいずれかの製造方法によって製造された現像剤搬送用電極基板を現像剤搬送手段として用いるので、例えば現像剤搬送用電極基板と被覆部材との摩擦を均一化して、被覆部材の帯電状態を均一化できる。したがって、被覆部材上の現像剤の搬送ムラを生じさせない。
【0099】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上述のいずれかの現像装置を備えていることを特徴としている。
【0100】
上記構成によれば、画像形成装置が、上述した現像剤の搬送ムラを防止できる現像装置を備えており、現像剤を適切に像担持体の静電潜像へと搬送できるので、印刷品位が低下することのない、安定して動作する画像形成装置を提供できる。
【0101】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
【0102】
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、感光体ドラム(像担持体)2、帯電部3、露光部4、現像装置5、転写部6、クリーニング部7、除電部8、および定着装置9を備えている。
【0103】
画像形成装置1は、記録媒体としての印刷シート(PPC用紙等)Pに印刷をするためのものである。
【0104】
円筒状の感光体ドラム2は、光導電層10と導電性基体11とを含んでおり、導電性基体11上に光導電層10が形成された構成である。導電性基体11は、例えばアルミニウムなどで製作された金属ドラムである。光導電層10は、導電性基体11の外周面に、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン(Se)や有機光半導体(OPC)などを薄膜状に形成したものである。なお、感光体ドラム2の構成はこの構成に限るものではなく、特に限定されない。
【0105】
帯電部3は、感光体ドラム2の表面(光導電層10)を所定の電位に帯電するためのものである。帯電部3としては、例えばタングステンワイヤなどの導電線、金属性のシールド板、グリッド板からなるコロナ帯電器や帯電ローラ、帯電ブラシなどの構成が挙げられるが、特に限定されない。
【0106】
露光部4は、書き込み手段であり、画像情報に基づいて、例えばレーザ光などの光によって、帯電している感光体ドラム2の表面上に画像を書き込む。これによって、感光体ドラム2上に静電潜像を形成する。露光部4としては、例えば半導体レーザや発光ダイオードなどが挙げられるが、特に限定されない。
【0107】
現像装置5は、トナー(現像剤)Tによって、感光体ドラム2の表面の静電潜像を、現像剤像として現像するためのものである。この現像装置5は、非接触方式の現像装置である。また、現像装置5は、現像剤搬送手段、現像剤搬送用電極基板としての搬送部材18を備えている。また、現像装置5は、被覆部材としての無端ベルト22を有している。また、現像装置5は、ケーシング14に備えられたトナーTを補給部材16から搬送部材18および無端ベルト22に供給し、搬送部材18によってトナーTを感光体ドラム2へと搬送する。現像装置5は、トナーTを確実に搬送して、トナーTの搬送ムラを防止できる。この現像装置5の詳細な構成については後述する。
【0108】
転写部6は、感光体ドラム2上の現像剤像を、印刷シートPに転写するためのものである。この転写部6と感光体ドラム2との間は、印刷シートPを搬送するための搬送路となっている。転写部6としては、例えば、コロナ転写器、転写ローラ、転写ブラシなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0109】
クリーニング部7は、感光体ドラム2の表面に残留しているトナーTや紙粉などを除去するためのものである。クリーニング部7としては、クリーニングブレードなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0110】
除電部8は、感光体ドラム2の表面に残留している電位を除去するためのものである。除電部8としては除電ランプなどが挙げられるが、特に限定されない。
【0111】
定着装置9は、搬送される印刷シートPに現像剤を定着させるためのものであり、上下一対の定着部材12・13を備えている。この定着装置9は、感光体ドラム2と転写部6との間の搬送路において、転写部6の下流側に配置されている。
【0112】
上記構成の画像形成装置1が、電子写真プロセスとしての印刷を行う際には、感光体ドラム2に原稿像の静電潜像、あるいはホストコンピュータ(図示せず)からのデータに対応した画像の静電潜像を形成し、その静電潜像を現像装置5によって現像(可視化)し、印刷シートP上に転写して画像形成を行う。
【0113】
より詳細には以下の通りである。上記構成の各部材は、感光体ドラム2を中心として、その周囲に、帯電部3、露光部4、現像装置5、転写部6、クリーニング部7及び除電部8がこの順で配置されている。感光体ドラム2は、帯電部3から上記各部材4〜8の配置順と同じ、図2に示す矢印D1方向に回転可能となっている。
【0114】
まず、感光体ドラム2の表面(光導電層10)は、帯電部3によって所定の電位となるまで帯電される。所定電位まで帯電された感光体ドラム2の表面は、感光体ドラム2の回転によって露光部4の位置に到達する。
【0115】
感光体ドラム2には、露光部4によって、画像情報に基づいた画像が表面上に書き込まれ、感光体ドラム2上に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム2の表面は、その感光体ドラム2の回転によって現像装置5の位置に到達する。感光体ドラム2の表面の静電潜像は、現像装置5によって、現像剤像として現像される。
【0116】
トナーTを担持した状態の感光体ドラム2の表面は、この感光体ドラム2の回転によって転写部6の位置に到達する。感光体ドラム2の表面上のトナーTは、転写部6によって印刷シートP上に転写される。感光体ドラム2から印刷シートP上に転写されたトナー像は、定着装置9によって印刷シートP上に定着される。
【0117】
一方、トナー像が転写された後の感光体ドラム2の表面は、この感光体ドラム2の回転によってクリーニング部7の位置まで到達する。クリーニング部7によって、感光体ドラム2の表面に残留しているトナーTや紙粉などが除去される。
【0118】
クリーニング部7によってクリーニングされた感光体ドラム2の表面は、この感光体ドラム2の回転によって除電部8の位置まで到達する。感光体ドラム2の表面に残留している電位が除電部8によって除去される。上述した一連の動作によって一回の画像形成が終了する。
【0119】
ここで、現像装置5の詳細な構成について説明する。
【0120】
現像装置5は、図2に示すように、ケーシング14、ミキシングパドル15、補給部材16、規制部材17、搬送部材18、支持部材19、回収部材20を含んでいる。また、現像装置5は、無端ベルト22、ベルト駆動部材23、駆動補助部材24、クリーニングブレード25、および隔壁部材26をふくんでいる。
【0121】
また、現像装置5の搬送部材18には、多相交流電源(電源)21a及び現像バイアス直流電源(電源)21bが接続されている。この電源は、画像形成装置1の外部の電源であってもよいし、また例えば画像形成装置1に備えた図示しない変換装置を用いて外部からの入力電圧を変換することによって実現されるものであってもよい。
【0122】
ケーシング14は、内部にトナーTを収容するためのケースである。また、ケーシング14は、現像装置5を構成する他の部材が取り付けられ、これらの部材を支持する。ミキシングパドル15は、ケーシング14内に収容されているトナーTを混合する。
【0123】
補給部材16は、ケーシング14内に収容されているトナーTを搬送部材18へと供給する部材である。補給部材16は、搬送部材18上の無端ベルト22に対して、後述する線圧力で当接した状態で設けられている。補給部材16の圧接力はバネ等によって与えられる。また、補給部材16には、規制部材17が当接している。
【0124】
なお、補給部材16の材質は特に限定されるものではないが、例えばシリコン、ウレタン、EPDM(エチレン−プロピレン−メチレン共重合体)などのソリッドゴム、発泡ゴムなどが挙げられる。また、補給部材16は、これらの材質に、カーボンブラックやイオン導電剤を添加することによって導電性を付与した構成であってもよい。この場合には、補給部材16に電圧を印加することもできる。これによって、トナーTを帯電させることもできる。
【0125】
規制部材17は、補給部材16の表面上に形成されるトナーTの層厚を規制するためのものである。
【0126】
搬送部材18は、感光体ドラム2に形成された静電潜像へとトナーTを搬送するためのものである。この搬送部材18は、進行波電界を用いてトナーTを搬送する。
【0127】
搬送部材18は、図3に示すように、感光体ドラム2の現像領域Wに対向して略平面を形成するようなベルト形状となっている。なお、図1に示すように、本実施形態の搬送部材18は緩やかな曲面形状であるが、図3においては簡単のため、平面状に示している。搬送部材18上の無端ベルト22と感光体ドラム2とは、現像ギャップGだけ隔たっている。搬送部材18は、図3に示すように、矢印D2方向にトナーTを移動させる。
【0128】
なお、本実施形態では、搬送部材18として緩やかな曲面状のものを示しているが、搬送部材18の形状はこれに限定されるものではない。例えば、略平面状のものであっても構わない。ただし、緩やかな曲面状であれば、無端ベルト22の回転を容易にできる。搬送部材18の詳細な構成については後述する。
【0129】
図2に戻ると、支持部材19は、ベルト形状の搬送部材18を、感光体ドラム2の現像領域Wに対向させる状態を保持する部材である。支持部材19の構成は特に限定されない。例えば、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene:アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂などを挙げることができる。
【0130】
回収部材20は、感光体ドラム2上の静電潜像の現像に寄与しないトナーTを回収してケーシング14内に戻すためのものである。回収部材20の材質は、特に限定されないが、例えば補給部材16と同様のものを使用できる。
【0131】
無端ベルト22は、搬送部材18の表面(図示しない感光体ドラム2との対向面を含む)を覆うように設けられている。ベルト駆動部材23は、無端ベルト22を移動させるためのものである。
【0132】
無端ベルト22は、搬送部材18の周方向を覆うように設けられており、ケーシング14内に設けられたベルト駆動部材23によって、トナーTの搬送方向D2に所定の周速度で移動(回動)される。すなわち、無端ベルト22は、搬送部材18に対して移動可能となっている。
【0133】
このように、無端ベルト22が所定の周速度で移動することによって、搬送部材18の表面が常に刷新される。したがって、この表面上での帯電、及びトナーTの固着を防止できる。
【0134】
無端ベルト22の駆動速度は、トナーTの搬送速度よりも低速に設定することが好ましい。より詳細には、ほぼ静止しているとみなされるレベルに制御されることが好ましく、例えば、無端ベルト22の駆動速度を、進行波発生電極を用いたトナーTの搬送速度に対して、10分の1ないし100分の1程度に設定することが好ましい。
【0135】
なお、無端ベルト22の速度は、例えば赤外線センサを2つ設け、各々でトナーTの到達した時間を検知する方法、あるいは高速ビデオカメラを用いて測定する方法を採用して制御すればよい(例えばIS&Ts(The Society for Imaging Science and Technology) NIP 15:1999 International Conference on Digital Printing Technologies、p.262-265 参照)。
【0136】
無端ベルト22には、搬送部材18の表面に対し密着した状態となるように一定の張力が付与されている。無端ベルト22の表面上においては、進行波発生電極により形成される進行波電界(電界カーテン)が、均一に作用するようになっている。
【0137】
無端ベルト22の材料としては、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化エチレンプロプレン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの有機絶縁材料や、シリコン、イソプレン、ブタジエンなどのゴム材料を挙げることができる。
【0138】
また、無端ベルト22の厚みは、搬送部材18の電極間ピッチλ(図3参照)にもよるが、5μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmがよい。
【0139】
ベルト駆動部材23としては、SUS(ステンレス)または鉄などの金属ローラ部材や、これを芯金にしてその表面にゴム、フィルムやスポンジなどの部材を被覆したものが用いられる。
【0140】
また、駆動補助部材24は、無端ベルト22の回動をスムーズにするためのものである。駆動補助部材24は、無端ベルト22を介してベルト駆動部材23と当接するように設けられている。無端ベルト22は、ベルト駆動部材23と駆動補助部材24にて挟み込まれた状態となっており、ベルト駆動部材23との接触性が高く、高い駆動力を得る構造となっている。
【0141】
駆動補助部材24としては、ベルト駆動部材23と同様に、SUSまたは鉄などの金属ローラ部材や、これを芯金にしてその表面にゴム、フィルムやスポンジなどの部材を被服したものを挙げることができる。
【0142】
また、駆動補助部材24の形状は、ローラ状だけでなく、板状あるいは角状であってもよい。さらに、駆動補助部材24には、ベルト駆動部材23に対して加圧当接させるための加圧手段(図示せず)が設けられていてもよい。その加圧手段としては、例えば板ばねやコイルばねなど、押付け力を付与できるものを挙げることができる。
【0143】
また、駆動補助部材24の回動機構としては、無端ベルト22との接触による従動回転機構、ギヤまたはプーリーとベルトにてベルト駆動部材23の駆動源に連結する連結駆動機構などを挙げることができる。また、図示はしないが、駆動補助部材24には別の駆動源を設けてもよい。
【0144】
また、駆動補助部材24を電気的に接地することにより、無端ベルト22の表面に帯電した電位を除電することができる。すなわち、駆動補助部材24は、電気的に接地することによって、ベルト除電機構として機能する。
【0145】
クリーニングブレード25は、無端ベルト22上に付着したトナーTを除去するためのクリーニング部材である。クリーニングブレード25は、無端ベルト22を介してベルト駆動部材23に当接するように設けられている。クリーニングブレード25は、ケーシング14の一部に固定されている。クリーニングブレード25の材質としては、SUS、ニッケルコートを施した鉄、ウレタンまたはシリコンゴムなどが挙げられる。
【0146】
クリーニングブレード25は、無端ベルト22上に残留したトナーTをかき取り、無端ベルト22表面をクリーニングするとともに、ケーシング14のトナー蓄積部14aにトナーTを戻す。
【0147】
隔壁部材26は、ケーシング14において、無端ベルト22側とトナー蓄積部14a側とを隔てるためものである。これによって、クリーニングブレード25と補給部材16との間に存在する無端ベルト22に、トナーTが付着しないようにできる。したがって、無端ベルト22のクリーニングをより有効に行える。
【0148】
なお、上記構成の現像装置5において、補給部材16、無端ベルト22及び搬送部材18の位置関係は、補給部材16及び搬送部材18の弾性率を調整して制御してもよい。さらに、補給部材16に所定の適切な値の電圧を印加することによって、トナーTを帯電させる機能を補給部材16に付加してもよい。あるいは、補給部材16の前段に、例えば薄板状のブレードを設けてトナーTを帯電させてもよい。なお、このブレードの材料としては、補給部材16と同じものが使用可能である。
【0149】
ここで、搬送部材18は、後述する進行波発生電極が、図3に示す現像領域Wを含むように配置されている。この現像領域Wは、トナーTが感光体ドラム2へと供給される領域である。また、搬送部材18は、図1に示すように、現像装置5における上下方向に対して若干傾斜して配置されている。また、支持部材19は、ベルト形状の搬送部材18が上記配置を保持できるように、トナーTを搬送する表面とは反対側の表面に設けられている。
【0150】
また、搬送部材18の下方端部には、搬送部材18上の無端ベルト22の表面を搬送されるトナーTを供給するための補給部材16が設けられている。搬送部材18の上方端部に、この表面のトナーTをケーシング14内部に回収するための回収部材20を設けている。なお、本実施形態では、回収部材20が搬送部材18上の無端ベルト22の表面に回転可能に接触している形態としているが、これに限定されるものではなく、非接触の形態や、回動しない形態であってもよい。
【0151】
また、多相交流電源21aは、進行波発生電極18bに電圧を印加する電源である。現像バイアス直流電源21bも、進行波発生電極18bに電圧を印加する電源である。これらの電源については後述する。
【0152】
上記構成の現像装置5において、ケーシング14内にてミキシングパドル15にて撹拌されているトナーTは、規制部材17にて規制される層厚で、補給部材16から搬送部材18上の無端ベルト22に供給される。支持部材19にて支持される搬送部材18は、現像領域Wにて感光体ドラム2にトナーTを供給する。搬送部材18上の無端ベルト22に残存したトナーTは、回収部材20にて回収されて、ケーシング14内に戻される。
【0153】
ここで、搬送部材18の詳細な構成について説明する。
【0154】
本実施形態の搬送部材18は、図4に示すように、ブロック部材からなる固体基板27に、複数の電極18bを備えた構成である。ここで、ブロック部材とは、ガラス、プラスチックなどの難変形体を意味する。すなわち、ブロック部材は、フレキシブルでなく、変形しにくい固体である。
【0155】
搬送部材18は、この固体基板27に、トナー搬送方向D2と垂直方向に延びた、長尺状の電極18bを複数有している。この電極18bは、進行波電界を生成する進行波発生電極18bである。この進行波発生電極18bは、銅箔などの導体から構成され、固体基板27上に一定距離で間隔を設けて配置されている。本実施形態においては、トナー搬送方向D2における電極間のピッチは508μmとする。また、トナー搬送方向D2における電極の幅を127μmとする。
【0156】
また、この進行波発生電極18bは、図3に示すように、多相交流電源21a、現像バイアス直流電源21bに接続されている。これらの電源から電圧が印加されると、進行波発生電極18bは進行波電界を生成する。これによって、搬送部材18は、補給部材16から無端ベルト22上に供給されるトナーTを、感光体ドラム2の静電潜像へと搬送する。
【0157】
また、進行波発生電極18bは、絶縁層からなる基材18a上に備えられている。ここで、この基材18aが、上述の固体基板27に相当する。本実施形態の進行波発生電極18bは、4本を1組として複数組が順次連続して配設されている。この搬送部材18の無端ベルト22と接する側の表面において、進行波発生電極18bは、表面保護層18cによって覆われている。
【0158】
より詳細には、本実施形態の搬送部材18は、図5に示すように、基材(ベースフィルム)18a、進行波発生電極18b、表面保護層(カバーコート)18cに加えて、接着層18d、18eを含んでいる。なお、図5においては、図4に示す搬送部材18のAA’切断面を示している。
【0159】
この搬送部材18は、例えば以下のように製造される。基材18a上に接着層18dを設けて、銅箔の薄膜を接着する。そして、この銅箔の薄膜をエッチングして、進行波発生電極18bを形成する。接着層18d上の進行波発生電極18bに対して、接着層18eを被覆するように設ける。その接着層18eに表面保護層18cを接着する。
【0160】
ここで、この搬送部材18は、表面保護層18cの形成時には、例えば図5に示す研磨部18fを含む形状となっている。本実施形態においては、搬送部材18の表面の凹凸の深さを、例えば100μm以下にするように、また望ましくは10μm以下にするように、搬送部材18の表面保護層18cを研磨する。これによって、研磨部18fが研磨されて、例えば表面の凹凸の深さが10μm以下である表面保護層18cを有する搬送部材18が得られる。なお、研磨の具体的な方法としては、凹凸の深さが10μm以下である状態を得ることができるものであれば、どのような方法であってもよい。
【0161】
このように、表面を平坦化すれば、例えば図3に示す無端ベルト22と搬送部材18との間での摩擦が均一化される。すなわち、局所的、不均一な強い摩擦の発生が抑えられ、良好なトナー搬送が可能となる。このように、搬送部材18は、無端ベルト22が移動する際に生ずる搬送部材18と無端ベルト22との摩擦を均一化する構造である。また、進行波発生電極18bに電圧が印加されたときに、進行波発生電極18bの延びている方向に関して均一な電界を、無端ベルト22上において生成することができる。
【0162】
ここで、搬送部材18の具体例を挙げると、例えば、基材18aを厚さ25μmのポリイミドとし、進行波発生電極18bを厚さ18μmの銅とし、表面保護層18cを厚さ25μmのポリイミドとする。
【0163】
この場合、進行波発生電極18bは、約50dpi(dot per inch)〜300dpi、すなわち約500μm〜85μmのピッチの間隔を保って互いに平行に配置される、幅40μm〜250μm程度の微小電極とする。本実施形態においては、上述のように電極間のピッチを508μmとし、電極の幅を127μmとする。
【0164】
また、図6に示すように、搬送部材18は無端ベルト22と接するようになっている。ここで、図6においては、簡単のために、無端ベルト22と搬送部材18とを離間した状態で示しているが、実際には無端ベルト22と搬送部材18とはほぼ密着状態となっている。この構成で、無端ベルト22は、位置が固定された搬送部材18に対して、トナー搬送方向D2に微速で回動する。
【0165】
また、搬送部材18は、図6の位置Y0における示す進行波発生電極18bよりも搬送方向D2の上流側において、表面の凹凸の深さが10μm以下である。このY0における進行波発生電極18bは、搬送方向D2の上流側における最初の進行波発生電極18bである。ここで、トナーTは、例えば搬送部材18が位置する領域の無端ベルト22上に供給され、無端ベルト22がトナー搬送方向D2に微速で回転することによって、最初の進行波発生電極18bに到達する。また、トナーTは、搬送部材18が位置する領域よりもさらに搬送方向D2の上流側において、無端ベルト22上に供給されてもよい。したがって、搬送部材18は、トナーTが無端ベルト22に供給される位置から、トナーTの搬送方向D2の上流側における最小の進行波発生電極18bの位置までの範囲において、表面の凹凸の深さが10μm以下となっている。これによって、トナーTが摩擦の影響を受けやすい範囲において、局所的、不均一な摩擦を低減することができ、安定したトナー搬送が可能となる。
【0166】
また、図6の位置Y0における進行波発生電極18bの位置から、位置Y1における進行波発生電極18bの位置までの範囲において、各進行波発生電極18b上の搬送部材18の表面は、進行波発生電極18bの延びている方向についての凹凸の深さが10μm以下となっている。なお、位置Y1における進行波発生電極18bは、感光体ドラム2直下の位置の進行波発生電極18bである。また、位置Y0から位置Y1までは、搬送部材18に沿って20mm程度の距離である。これによって、トナーTが、感光体ドラム2に搬送されるまでに、摩擦の影響を受ける範囲において、局所的、不均一な摩擦を低減することができ、安定したトナー搬送が可能となる。また、搬送部材18の表面は、上述の範囲以外についても、進行波発生電極18bの延びている方向についての凹凸の深さが10μm以下となっている。
【0167】
ここで、トナー搬送を行うには、各進行波発生電極18bに、多相交流電源21a・現像バイアス直流電源21bから進行波生成のための電圧を印加する。
【0168】
より詳細には、多相交流電源21aは進行波発生電極18bに時間変化する電圧を印加する。多相交流電源21aは、4本を一組とした進行波発生電極18bに対して、例えば図7に示すように、90度(π/2)の位相差を付与した電圧V1〜V4(4相の交流電圧)をそれぞれ印加する。現像バイアス直流電源21bも、進行波発生電極18bに時間変化しない電圧を印加する。
【0169】
このように、進行波発生電極18bに、多相交流電源21aから上述のような電圧が印加されると、搬送部材18の表面に平行となる方向に進行波電界が生成される。また、この進行波電界の進行方向は、搬送部材18の進行波発生電極18bの延びている方向と垂直方向となる。この進行波電界によって、補給部材16から供給されるトナーTが、現像領域Wまで搬送される。例えば、トナーTは、それぞれの進行波発生電極18bの上をジャンプして、順次、図3に示す搬送方向D2へと進む。トナーTが負に帯電している場合には、トナーTは、図7に示す電圧がHighとなるタイミングにて搬送部材18に引き寄せられる。なお、進行波発生電極18bには、現像バイアス直流電源21bからのバイアス電圧も印加されている。
【0170】
ここで、感光体ドラム2の静電潜像は、正に帯電している。また、現像領域Wまで搬送されたトナーTは、進行波電界に応じて移動するタイミングにて感光体ドラム2の静電潜像へと移動する。
【0171】
なお、本実施形態では、4本の進行波発生電極18bを1組とし、これら各組の進行波発生電極18bに対して、例えば図7に示すような電圧波形の4相の交流電圧を印加し、進行波発生電極18b上に進行波電界を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、3本の進行波発生電極を1組として、3相の交流電圧を印加しても構わない。
【0172】
また、上記電圧波形はサイン波や台形波などでもよく、電圧値の範囲としては100V〜3kV程度が好ましい。また、周波数の範囲としては100Hz〜5kHzが好ましい。ただし、これらの電圧値や周波数については、進行波発生電極18bの形状、トナーTの搬送速度、トナーTの使用材料などによって適正値を設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0173】
ここで、上述のような進行波発生電圧を印加した場合の、搬送部材18上の無端ベルト22の様子を図8に示す。
【0174】
ここで、仮想的に、無端ベルト22と搬送部材18とが、図8に示すX点にて、局所的に強い摩擦を生ずる場合を考える。すなわち、図8は、搬送部材18上の仮想的な凸部によって無端ベルト22との摩擦を生ずる場合の一例を示すものである。この場合、無端ベルト22と搬送部材18とが摩擦されると、無端ベルト22がマイナスに摩擦帯電するため、無端ベルト22上のマイナス帯電されたトナーTを離反させてしまう。この場合には、良好なトナー搬送を行うことができない。
【0175】
次に、このような局所的な摩擦帯電による搬送の乱れについて、図9を参照してさらに詳しく説明する。
【0176】
図9は、無端ベルト22と搬送部材18との摩擦が不均一となった場合に、トナー搬送の乱れが生ずることを説明するための図である。
【0177】
図9の上段には、無端ベルト22と搬送部材18と示す。図9の上段では、紙面に垂直方向がトナー搬送方向D2となっている。ここでは、搬送部材18に対して、表面凹凸の不均一による影響を調べるために、表面上に所定の深さの凹部(溝)を形成し、表面上に段差を形成した。図9における溝の幅は1〜5mmとする。位置X1には10μmの深さの溝を形成した。位置X2には20μmの深さの溝を形成した。また、位置X3には、10μmの段差を形成した上で、片側が10μm、他方の側が20μmとなる深さの溝を形成した。
【0178】
この構成において、上述のような進行波発生電圧を印加して、トナー搬送の乱れを観測した結果を、図9の下段に示す。図9の下段の縦軸は、相対的なトナー量を示すものである。このように、搬送部材18の表面に深さが一定以上の凹凸が存在すると、表面の溝の部分でトナー搬送量が増加することが分かる。例えば、位置X1のような溝深さが10μmの溝においては、溝がない領域と搬送量がほぼ同じになった。一方、位置X2、X3のような溝深さが20μmの溝においては、溝がない領域と比較してトナー搬送量が増加した。
【0179】
ここで、本実施形態の搬送部材18は、上述のように、表面の凹凸の深さが10μm以下となっている。したがって、トナー搬送を均一にして、搬送ムラを生じさせない。
【0180】
以上のように、本実施形態に係る現像装置5は、複数の進行波発生電極18bを有する搬送部材18と、搬送部材18の表面を覆い、搬送部材18に対して移動可能な無端ベルト22とを有している。搬送部材18の、無端ベルト22と接する側の表面は、凹凸の深さが10μm以下となっている。このため、無端ベルト22との摩擦を均一化することができ、無端ベルト22上に生ずる電界を均一化して、無端ベルト22上で搬送されるトナーTの搬送ムラを生じさせない。
【0181】
なお、上述の実施の形態においては、現像剤搬送用電極基板としての搬送部材18が、ブロック部材からなる固体基板27に複数の電極(進行波発生電極)18bを備えた構成について説明したが、この固体基板27は、ブロック部材に限るものではない。例えば搬送部材18の表面の凹凸を所望の精度とすることができるならば、搬送部材18を、柔らかいフィルムの上にプリント配線をしたFPC(Flexible Print Cable)として形成してもよい。ただし、ブロック部材を用いれば、変形しにくいので、所望の精度の凹凸を容易に得ることができる。
【0182】
また、上述の実施の形態においては、無端ベルト22と接する側の、搬送部材18の表面の凹凸の深さが10μm以下である構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。搬送部材18には、無端ベルト22が均一に密着できる程度の大きなうねりがあってもよい。例えば、搬送部材18の表面において、10mm程度以上の範囲で滑らかに変化する溝であれば、深さが100μmであってもよい。すなわち、搬送部材18は、表面の凹凸の深さが100μm以下であって、無端ベルト22が均一に密着する構成であってもよい。このように、現像装置5においては、無端ベルト22が浮いた状態になるような、搬送部材18の表面の局所的な溝(凹)あるいは凸が問題となる。
【0183】
なお、上述の実施の形態においては、現像剤搬送用電極基板としての搬送部材18について説明したが、本発明に係る現像剤搬送用電極基板はこの構成に限るものではなく、例えば図10に示すような搬送部材28であってもよい。また、本発明に係る現像装置、画像形成装置は、搬送部材18の代わりに搬送部材28を備えた構成であってもよい。
【0184】
搬送部材28は、搬送部材18と同様の構成の基材(ベースフィルム)28a、進行波発生電極28b、表面保護層(カバーコート)28c、接着層28d、28eに加えて、フィルムシート28fを被覆した構成である。
【0185】
このフィルムシート28fは、例えば厚さ50μmのポリイミドフィルムである。フィルムシート28fは、搬送部材28と無端ベルト22との間に配置される。また、フィルムシート28fは、図2に示す支持部材19と同様の支持部材に固定されている。すなわち、フィルムシート28fは、搬送部材28の他の部材に対して固定されている。
【0186】
この構成によれば、無端ベルト22は、フィルムシート28fと摩擦する。無端ベルト22とフィルムシート28fとの摩擦は、例えばフィルムシート28fの厚み、材質を適切なものに選択すれば、均一なものにできる。すなわち、例えば、厚さが100μm以下の50μmであるフィルムシート28fを用いる。また例えばフィルムシート28fとしてポリイミドフィルムを用いる。したがって、無端ベルト22が、搬送部材28の凹凸によって、局所的、不均一な強い摩擦を受けることがない。よって、良好なトナー搬送を実現できる。
【0187】
また、フィルムシート28fは、ポリイミドフィルムであるので、摩擦に強く、耐久性がある。
【0188】
なお、このフィルムシート28fは、厚みが大きすぎる場合には、電源からの電圧によってフィルムシート28f上に十分な強度の電界を生じさせることができない。このため、例えば100μm以下の厚みであることが好ましい。
【0189】
また、本発明に係る現像剤搬送用電極基板は、上述の構成に限るものではなく、例えば図11に示す搬送部材30であってもよい。また、本発明に係る現像装置、画像形成装置は、搬送部材18の代わりに搬送部材30を備えた構成であってもよい。
【0190】
この搬送部材30は、図11に示すように、基材(ベースフィルム)30a、進行波発生電極30b、表面保護層(カバーコート、コーティング剤)30c、および接着層30dを備えている。
【0191】
この搬送部材30は、例えば以下のように形成される。基材30a上に接着層30dを形成し、さらにその上に銅箔の薄膜を形成する。そして、この銅箔の薄膜をエッチングして、進行波発生電極30bを形成する。接着層30d上の進行波発生電極30bに対して、表面保護層30cを形成する。
【0192】
あるいは、銅箔の形成に関し、基材上に銅箔を蒸着やスパッタ等の気相プロセスで形成しても良いし、またメッキ等の液相プロセスで形成しても構わない。この場合、接着層30dは不要となる。
【0193】
すなわち、この搬送部材30においては、エッチングされた導体(進行波発生電極30b)の上面には接着層を設けず、コーティング剤を用いて導体を直接コーティングすることによって、表面保護層30cを形成する。これによって、絶縁性と可撓性とを維持するようになっている。この構成は、生産性がよく低価格で実現可能である。
【0194】
なお、表面保護層30cのコーティング材料としては、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、POM(ポリアセタール)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の絶縁性樹脂材料が適する。コーティング方法としては、スピンコート、ディッピング、印刷、スプレー法、蒸着重合法などがある。本発明はこれに限定されるものではない。
【0195】
ここで、従来の技術として説明した特開平2−15694号公報には、オーバーコートの接着に接着層を用いずに樹脂を充填する点が記載されている。しかしながら、上記公報記載の構成と、上述の本発明の構成とは、樹脂成分が異なる。また、本願は現像剤搬送用電極基板に関するものであり、表面の凹凸を無くして摩擦を均一化することを目的とするものであり、従来の構成とは目的、効果が相違する。
【0196】
ここで、従来の現像剤搬送部材の一例について、図12に基づいて説明する。従来の現像剤搬送部材31は、図12に示すように、ベースフィルム31a、電極31b、カバーコート31c、および接着層31d、31eを含んでいる。
【0197】
この現像剤搬送部材31は、例えば以下のように形成される。ベースフィルム31aは、絶縁性と可撓性を併せ持つプラスチックベースフィルムである。このベースフィルム31a上に接着層31dを形成し、さらにその上に銅箔の薄膜を形成する。例えば、ベースフィルム31a上の接着層31dに対して、銅箔のような導電性材料を張り合わせる。そして、この銅箔の薄膜をエッチングして、配線パターンとなる電極31bを形成する。接着層31d上の電極31bに対して、接着層31eを被覆する。その接着層31eに、外的環境(温度、湿度、腐食性ガス、物理的な外力)等から保護するためのカバーコート31cを接着する。
【0198】
また、現像剤搬送部材31が耐熱性を必要とする場合には、ポリイミドフィルムをベースフィルム31aとして用いる。このベースフィルム31aに対して、銅箔などの導電性材料を、NBR若しくはポリアミドなどで変性した変性エポキシ樹脂、又は熱硬化型アクリル樹脂などの接着剤からなる接着層31dによって接着する。その後、この銅箔の薄膜をエッチングして、電極31bを形成する。接着層31d上の電極31bに対して、上述の接着層31dと同様の材質の接着層31eを被覆する。その接着層31eにカバーコート31cを接着する。
【0199】
このように、従来の現像剤搬送部材31は、FPCとして形成されていた。この場合には、表面の凹凸の深さが十分に小さくならない。すなわち、カバーコート31cを圧着する際に、現像剤搬送部材31の表面に凹凸を生じてしまう。したがって、トナー搬送の不均一を生じて、高品質の印刷を行うことができなかった。
【0200】
また、本願発明者による特開2002−91160号公報には、現像剤搬送部材の電極に電圧を印加することによって、現像剤を担持する搬送路が帯電する可能性のある点が記載されている。また、現像剤との接触等によって、現像剤を担持する搬送路が帯電する可能性がある点が記載されている。また、このように搬送路が帯電すると、電界カーテンの形成が不安定となる虞れがある点が記載されている。また、搬送路が帯電すると、搬送路に現像剤が固着する虞れがあり、現像剤の搬送が妨げられる点についても記載されている。
【0201】
しかしながら、被覆部材としてのベルトを用いる場合に、この被覆部材上における電界の不均一によって、搬送ムラが生ずる可能性がある点については認識がなかった。
【0202】
すなわち、従来においては、例えば上述のFPCである現像剤搬送部材31を用いており、凹凸の深さが大きいものを用いていた。また、現像剤搬送部材31の表面は研磨していなかった。また、現像剤搬送部材31を形成する際に用いる基板に、変形しにくいブロック部材を用いていなかった。また、現像剤搬送部材31を形成する際に用いる表面保護層をコーティングによって形成することが無かった。
【0203】
一方、本願においては、被覆部材上における電界の不均一を無くして、搬送ムラを防止するという課題を新たに発見した。また、被覆部材上における電界の不均一を生ずる原因の一つとして、例えば被覆部材と現像剤搬送手段との摩擦の不均一による場合があることを見出した。そこで、上述のように、摩擦の不均一を解消して、搬送ムラを防止した現像装置を提案するものである。
【0204】
以上のように、本発明は、潜像担持体(像担持体)上に形成される静電潜像を現像剤などによって現像する現像装置、及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。また、特に、進行波電界を用いて現像剤を搬送する機構を備えている現像装置および画像形成装置に関する。
【0205】
なお、静電潜像としては、種々の形式のものが可能である。例えば、所定の電荷を付与して帯電させた像担持体上に光情報を書き込んだものであってもよい。また、例えばイオンフロー方式のように、誘電体上に直接静電電荷潜像を形成するものであってもよい。また、例えばトナージェット方式のように、複数の開口部を有する電極に任意の電圧を印加することによって空間に静電潜像を形成し、これによって現像剤を印刷シートに飛翔させて、直接画像形成を行うことも可能である。
【0206】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0207】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0208】
【発明の効果】
本発明に係る現像装置は、以上のように、現像剤搬送手段の電極は、所定の方向に延びた形状で配置されており、上記現像剤搬送手段は、上記電極に電圧が印加されると、被覆部材上において、上記所定の方向に関して均一な電界を生成する構成である。
【0209】
それゆえ、所定の方向に均一な電界を、この方向と垂直方向に順次進行させるので、現像剤の搬送ムラが生ずることがなく、搬送ムラを防止した現像装置を提供できるという効果を奏する。
【0210】
本発明に係る現像装置は、以上のように、現像剤搬送手段は、被覆部材と接する側の表面における凹凸の深さが100μm以下である構成である。
【0211】
それゆえ、被覆部材が現像剤搬送手段に対して移動する際に生ずる、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を十分に均一化して、被覆部材と現像剤との吸引力を安定させて、現像剤の搬送ムラを防止した現像装置を提供できるという効果を奏する。
【0212】
本発明に係る現像装置は、以上のように、現像剤搬送手段の電極は、所定の方向に延びた形状で配置されており、上記現像剤搬送手段は、被覆部材と接する側の表面において、現像剤が上記被覆部材上に供給される位置から、上記現像剤を搬送する搬送方向の上流側における最初の上記電極の位置までの範囲において、凹凸の深さが100μm以下であるとともに、上記最初の電極の位置から上記像担持体直下の上記電極の位置までの範囲において、上記の各電極上の領域での上記所定の方向に関する凹凸の深さが100μm以下である構成である。
【0213】
それゆえ、現像剤が局所的な摩擦による影響を受けやすい範囲において、凹凸による現像剤搬送手段と被覆部材との局所的、不均一な摩擦を低減できるという効果を奏する。
【0214】
それゆえ、搬送方向の上流側における最初の電極から像担持体直下の電極までの範囲において、摩擦を均一化して、現像剤の搬送ムラを防止した現像装置を提供できるという効果を奏する。
【0215】
本発明に係る現像装置は、現像剤搬送手段は、被覆部材が移動する際に生ずる上記現像剤搬送手段と上記被覆部材との摩擦を均一化する構造である構成である。
【0216】
それゆえ、被覆部材が移動する際に生ずる、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦が均一化されるので、被覆部材における摩擦帯電を均一化して、搬送ムラを防止した現像装置を提供できるという効果を奏する。
【0217】
本発明に係る現像装置は、以上のように、上記構成において、上記現像剤搬送手段は、上記被覆部材と接する側の面に、位置を固定するように配置した、厚さ100μm以下のフィルムシートを備えている構成である。
【0218】
それゆえ、フィルムシートを適切に選択して、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を均一化することによって、局所的、不均一な摩擦の発生を抑えて、搬送ムラを防止した現像装置を提供できるという効果を奏する。
【0219】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板は、以上のように、表面保護層は、表面の凹凸の深さが100μm以下である構成である。
【0220】
それゆえ、現像剤搬送用電極基板を現像剤搬送手段として用いる現像装置において、現像剤搬送手段を被覆して現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材が備えられている場合に、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を均一化することができるので、現像剤の搬送ムラを生じさせないという効果を奏する。
【0221】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板は、以上のように、電極は、所定の方向に延びた形状で配置されており、表面保護層の表面は、上記の電極上の領域での上記所定の方向に関する凹凸の深さが100μm以下である構成である。
【0222】
それゆえ、現像剤搬送用電極基板を現像剤搬送手段として用いる現像装置において、現像剤搬送手段を被覆して現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材が備えられている場合に、現像剤搬送手段と被覆部材との摩擦を上述の所定の方向に関して均一化して、現像剤を均一に搬送して、現像剤の搬送ムラを生ずることがないという効果を奏する。
【0223】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板は、以上のように、基材が、変形しにくいブロック部材からなる固体基板である構成である。
【0224】
それゆえ、基材の表面精度を向上できるので、現像剤搬送基板の表面保護層の凹凸を軽減できるという効果を奏する。
【0225】
本発明に係る現像装置は、以上のように、現像剤搬送手段として、上述のいずれかの現像剤搬送用電極基板を用いている構成である。
【0226】
それゆえ、被覆部材上の現像剤の搬送ムラを防止した現像装置を提供できるという効果を奏する。
【0227】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板の製造方法は、以上のように、表面保護層の表面を、凹凸の深さが100μm以下となるまで研磨する研磨工程を含んでいる構成である。
【0228】
それゆえ、現像剤搬送用電極基板を現像装置の現像剤搬送手段として用いる場合に、この現像剤搬送手段を被覆する被覆手段との摩擦を均一化して、現像装置の被覆手段の帯電を均一化することによって、被覆手段上を搬送される現像剤の搬送ムラを生じさせないという効果を奏する。
【0229】
本発明に係る現像剤搬送用電極基板の製造方法は、以上のように、表面保護工程が、コーティング剤を用いて電極をコーティングすることによって表面保護層を形成するコーティング工程である構成である。
【0230】
それゆえ、現像剤搬送用電極基板の製造において圧力を与えず、また高温下での押圧をすることがないので、表面に凹凸を生ずることがなく、現像剤搬送用電極基板を現像装置の現像剤搬送手段として用いる場合に、この現像剤搬送手段を被覆する被覆手段との摩擦を均一化して、現像装置の被覆手段の帯電を均一化することができるという効果を奏する。
【0231】
本発明に係る現像装置は、以上のように、現像剤搬送手段として、上述のいずれかの製造方法によって製造された現像剤搬送用電極基板を用いている構成である。
【0232】
それゆえ、被覆部材上の現像剤の搬送ムラを防止した現像装置を提供できる。
【0233】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、上述のいずれかの現像装置を備えている構成である。
【0234】
それゆえ、現像剤を適切に像担持体の静電潜像へと搬送できるので、印刷品位が低下することのない、安定して動作する画像形成装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略の断面図である。
【図2】上記画像形成装置に含まれる、本発明に係る現像装置の一例を示す概略の断面図である。
【図3】上記現像装置の一部を説明するための概略の平面図である。
【図4】上記現像装置の図3に示す構成の一部を示す概略の平面図である。
【図5】図4に示す構成のA−A’における断面図である。
【図6】上記現像装置の他の一部を説明するための概略の断面図である。
【図7】上記現像装置に対して印加する電圧の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】上記現像装置におけるトナー搬送の様子を説明するための概略の平面図である。
【図9】上記現像装置におけるトナー搬送の様子を説明するための説明図である。
【図10】本発明に係る現像装置の他の一例における一部を示す概略の断面図である。
【図11】本発明に係る現像装置のさらに他の一例における一部を示す概略の断面図である。
【図12】従来の現像装置の一例における一部を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 感光体ドラム(像担持体)
5 現像装置
16 補給部材
18、28、30 搬送部材(現像剤搬送手段、現像剤搬送用電極基板)
18a、28a、30a 基材(固体基板)
18b、28b、30b 進行波発生電極(電極)
18c、28c 表面保護層
18d、28d、30d 接着層
18e、28e 接着層
19 支持部材
21a 多相交流電源
21b 現像バイアス直流電源
22 無端ベルト(被覆部材)
27 固体基板
28f フィルムシート
30c 表面保護層(コーティング剤)
T トナー(現像剤)
Claims (6)
- 間隔を設けて並べられた複数の電極を有する現像剤搬送手段と、上記現像剤搬送手段の表面を覆い、上記現像剤搬送手段に対して移動可能な被覆部材とを備え、上記電極に電圧を印加することによって上記被覆部材における上記現像剤搬送手段と接する側の面とは反対側の面に供給される現像剤を像担持体の静電潜像へと搬送する現像装置において、
上記現像剤搬送手段は、上記被覆部材と接する面に配置されたフィルムシートを備えていることを特徴とする現像装置。 - 上記フィルムシートは、厚さ100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 上記現像剤搬送手段の上記電極は、所定の方向に延びた形状で配置されており、
上記現像剤搬送手段は、上記電極に電圧が印加されると、上記被覆部材上において、上記所定の方向に関して均一な電界を生成することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 上記現像剤搬送手段は、上記被覆部材と接する側の表面における凹凸の深さが100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 上記現像剤搬送手段の上記電極は、所定の方向に延びた形状で配置されており、
上記現像剤搬送手段は、上記被覆部材と接する側の表面において、
上記現像剤が上記被覆部材上に供給される位置から、上記現像剤を搬送する搬送方向の上流側における最初の上記電極の位置までの範囲において、凹凸の深さが100μm以下であるとともに、
上記最初の電極の位置から上記像担持体直下の上記電極の位置までの範囲において、上記の各電極上の領域での上記所定の方向に関する凹凸の深さが100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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