JP3957964B2 - ロットディスパッチング方法およびロットディスパッチングシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はロットディスパッチング方法とこれのためのシステムに関するものであり、特に、同一なロットに対して複数個の工程が順次に実行される半導体製造環境において、先行工程の結果によって後行工程の工程装備および/または工程条件を可変的に適用するロットディスパッチング方法およびロットディスパッチングシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウェーハを利用する半導体集積回路装置は拡散工程、フォト工程、エッチング工程、酸化工程、薄膜工程、金属工程などのような数多い工程段階を行って作られる。そして、上の工程の遂行順序は製造しようとする半導体集積回路装置の種類によって異に定めることができる。また、定められた工程順序によってウェーハを加工する過程で先行工程の加工結果は後行工程の結果に直接的、または間接的に影響を及ぼす。例えば、フォト工程の正確度はエッチング工程後のウェーハの品質に大きな影響を及ぼす。
【0003】
あわせて、半導体集積回路装置の製造上の一つの特徴は大量生産である大量生産は収益構造と密接な関連があるのである。大量生産のために半導体製造工場は一般的に各工程毎に同一な工程装備を多くの台を投入して同時に並行的に工程を遂行する方式を採用する。
【0004】
このような半導体集積回路の製造環境で、先行工程を遂行したウェーハロットの後行工程へのディスパッチングには品質の向上や生産性の向上のための方法が反映される必要がある。特に、後行工程が先行工程の結果より影響を受ける工程である場合には先行工程と後行工程との間の品質の連関性を最大に活用するロットディスパッチング方法は品質の向上や生産性の向上に肯定的に寄与することができる。
【0005】
ロットディスパッチングと関連して一番目に注目することは先行工程が遂行されたウェーハロットを後行工程にディスパッチングするにおいて多くの台の後行工程用装備の中でどの装備の方にディスパッチングするかということである。後行工程の複数個の工程装備の中では先行工程が遂行されたウェーハの品質水準を同一な品質水準で維持するもの、あるいはもっと悪化させるもの、または反対に改選させるものが存在することができる。同種の工程装備であるとしても、各工程装備が有する性能や特性が必ずしも同一ではなく、実質的な工程品質も異なった結果として表れることは経験的に確認された事実である。特に、半導体製造工程は一般的にウェーハを微細加工するので、工程装備間の些少な特性、または性能の差が工程結果、即ち、ウェーハの品質に大きな影響を及ぼす。従って、複数個の後行工程の装備に対するロットディスパッチングの方法は特別な考慮によって備えられる必要がある。
【0006】
ロットディスパッチングと関連して次に注目するべきのは、先行工程が遂行されたウェーハロットに対して後行工程を遂行することにおいて、ウェーハの品質の向上および生産性の向上のための最適の工程条件を適用する必要があるということである。前記単位工程は夫々独自の工程条件を適用してウェーハを加工する。前記加工条件は例えば、圧力、温度、ガス量などのような多くの工程条件要部に関する条件の組合であると見ることができる。各々の単位工程後のウェーハの品質は当該工程の遂行時に適用された工程条件の適正性より大きな影響を受ける。従って、養護な品質のウェーハとして加工するためには夫々の単位工程の工程条件を最適に適用する必要がある。
【0007】
図1は半導体製造工場で一般的に適用して来たロットディスパッチング方法の概念を例示している。従来のロットディスパッチング方法は工程のレシピ(fixed recipe)であったと評価することができる。
【0008】
そのようなロットディスパッチングにおいて、先行工程の結果と後行工程装備の性能や特性との相関性に対する特別な考慮せず、待機中のロットを使用できる工程装備の中でどの一つにランダムにディスパッチングした。唯、ランダムディスパッチングのときにエンジニアーの経験的な判断が作用されたが、これが品質の向上を保障するかは立証されなかった。このような従来のロットディスパッチング方法は最適の工程品質を保障できる先行工程の工程誤差を後行工程で意図的に減らすこととは距離が遠い。
【0009】
後行工程の工程条件を決定することにおいても従来には先行工程の工程結果と後行工程の工程条件との相関性に対して特別に考慮した固定された一つの工程条件を適用した。もちろん、既存に適用した工程条件が品質や生産性が低下すると評価されると、エンジニアーがその原因を分析して工程条件を少し修正する措置を行ったが、このような工程条件の管理もやはりシステム的な分析に従ったことではなかった。
【0010】
その結果、先行工程の結果と後行工程の工程装備および工程条件が品質や生産性と関連して有する相関性に対するシステム的な分析とそれより得られる最適のロットディスパッチング方法の不在、工程装備の性能の限界、そして先/後行工程の入力要部離散(偶然離散含み)などの理由のために、実際には予測可能である固定的な品質と生産性とを得づらかった。一般的には後行工程後の不良率が先行工程後のよりもっと大きくなる結果を招来した。尚、ディスパッチングする工程装備や工程条件の選択がエンジニアーの施行錯誤などに依存する従来の方式はエンジニアーの変形や工程装備の交替が発生する度に否定的な結果を招来する。これは図1によって確認することができる。例えば、先/後行工程のウェーハロットの品質に対する検査項目がCD(critical dimension)である場合、先行工程後のロットに対するCDの不良率より後行工程後のそれがもっと高く表れることが経験的に確認される。
【0011】
一方、ロットディスパッチング方法に関連して従来の技術の例としては「METHOD AND APPARATUS FOR DISPATCHING LOTS IN A FACTORY」という題目の米国特許第5,841,677号を挙げることができる。この特許はバッチラン(batch run)および/または長い工程時間を必要にする装備を使用して半導体集積回路を製造する場合に適用されることができる最適化土台(optimization−based)のディスパッチングルールを開示する。この特許によると、WIPロットに対して先行工程を完了することに必要な予想待機時間が許容待機時間より大きな場合には、そのロットはすぐに後行工程で処理される。反対の場合には、先行工程の許容ロットが到着するときまで前記WIPロットは後行工程にディスパッチングされなく、前記許容ロットと取り混ぜられて一つのバッチ(batch)になった後に遂行工程にディスパッチングされる。しかし、この特許は前記のようなディスパッチングルールによって先行工程装備を効率的に活用し、ディスパッチングのために待機する時間を最小化することに注目するのみで、先行工程の結果と後行工程の工程装備および工程条件が品質や生産性と関連して有する相関性に対するシステム的な接近に対しては沈黙しているのみである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような従来の技術の問題点を解決するために案出したもので、ロットに対する先行工程の工程結果と複数個の後行工程装備の性能および/または特性との間の相関性のシステム的な分析結果に基づいて先行工程で加工された各ロットをその品質改選に最適である後行工程装備にディスパッチングする方法とこれのためのシステムを提供することを第1の目的にする。
【0013】
本発明は、ロットに対する先行工程の工程結果と後行工程の工程条件との間の相関性のシステム的な分析に基づいて、先行工程で加工された各ロットをその品質改選に最適である工程条件を適用して後行工程にディスパッチングする方法とこれのためのシステムを提供することを第2の目的にする。
【0014】
本発明は、ロットに対する先行工程の工程結果と複数個の後行工程装備の性能および/または特性、そして後行工程の工程条件との間の相関性のシステム的な分析結果に基づいて先行工程で加工された各ロットをその品質状態によって品質改選に最適である後行工程装備にディスパッチングする方法とこれのためのシステムを提供することを第3の目的にする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記第1目的を達成するために、第1工程用の第1工程装備によって加工されてディスパッチング待機中である第1ロットを前記第1工程後に行われ、複数個の第2工程装備を並行運転する第2工程にディスパッチングする方法を提供する。この方法によると、前記第1工程装備によって前記第1ロットの以前に加工された第2ロットの夫々に対する検査項目の計測データと前記第2工程装備の中でどの一つによって加工された前記第2ロットの夫々に対する前記検査項目の計測データとをコンピュータに累積し続ける段階と、前記コンピュータシステムによって、累積された計測データに基づいて前記第1工程装備が前記第1ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を前記検査項目の目標値の方に補償する前記第2工程装備の夫々の工程能力を評価し、評価された前記工程能力によって前記第1ロットの前記複数個の第2工程装備に対するディスパッチングの優先順位を決定する段階と、および前記コンピュータシステムによって決定された前記ディスパッチングの優先順位に基づいて前記第1ロットを先順位の利用できる一つの第2工程装備にディスパッチングする段階とを具備する。
【0016】
さらに、前記方法は前記第1工程装備と前記第2工程装備とによって処理される各ロットに対して前記検査項目を計測し、得られた計測データを前記コンピュータシステムに伝達して前記コンピュータシステムに貯蔵された既存の計測データをアップデートする段階をさらに有することができる。
前記第2工程装備の夫々の工程能力は下記の式のよって算出される前記検査項目のスパンによって代表される。
スパン=A−(R+TG)
【0017】
ここで、前記Aは前記第1ロットに対する前記検査項目の計測値であり、前記TGは前記第2工程での前記検査項目の目標値であり、前記Rは前記第1工程装備と前記第2工程装備との各々で構成される工程装備対の夫々が最近に発生させた所定個数のスキューの代表値であり、前記スキューは同一なロットに対する前記第1工程後の前記検査項目の計測値と前記第2工程後の前記検査項目の計測値との間の偏差である。前記代表値は前記所定個数のスキューの中央値、または平均値で定義されることができる。そして、前記ディスパッチングの優先順位は算出された前記スパンの絶対値が相対的に小さい程度によって決定される。
【0018】
一方、本発明の第1側面による前記ロットディスパッチング方法の実現のためのロットディスパッチングシステムが提供される。このロットディスパッチングシステムは、第1工程と前記第1工程後に行われる第2工程とを有する半導体集積回路デバイスの製造環境で、前記第1工程のよって加工されて待機中である第1ロット前記第2工程にディスパッチングするためのものである。これのために、前記システムは、一つ以上の同一な第1工程用装備を調え、前記第1工程用装備を利用して第2ロットに対して第1工程を行うための第1手段と、複数個の同一な第2工程用装備を調え、前記第2工程用装備を利用して前記第2ロットに対して第2工程を行うための第2手段と、前記第1工程と前記第2工程とで加工された各ロットに対して検査項目を計測するための計測手段と、および制御手段とを有する。前記制御手段は、前記計測手段より伝達された計測データを累積し、累積された計測データに基づいて、前記第1工程装備が前記第1ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を前記検査項目の目標値の方に補償する前記第2工程装備の夫々の工程能力を評価し、評価された前記工程能力によって前記第1ロットの前記複数個の第2工程装備に対するディスパッチングの優先順位を決定し、前記第1ロットを前記ディスパッチングの優先順位に基づいて先順位の使用できる一つの第2工程装備にディスパッチングされるように制御する。
【0019】
一方、前記第2の目的を達成するために、第1工程と前記第1工程後に行われる第2工程とを含める半導体集積回路デバイスの製造環境で、前記第1工程で加工されてディスパッチング待機中である現在のロットを前記第2工程にディスパッチングするための第2ディスパッチング方法が提供される。前記第2ロットディスパッチング方法は、まず、検査項目の値をその大きさによって多数個の等級に区分し、各等級と夫々対応されるお互いに異なった多数個の工程条件を前記第2工程用として準備する段階として、特に前記各工程条件はその工程条件に対応される等級の基準値と前記検査項目の目標値との間の誤差を最小化する補償特性を有する段階と、前記第1工程後の前記現在ロットに対して検査項目を計測する段階と、前記多数個の工程条件の中で前記第2段階で得られた計測値に対応する一つの工程条件を選択する段階と、およびこのように選択された工程条件で前記第2工程を自動設定した後、前記現在ロットを前記第2工程にディスパッチングする段階を有する。
【0020】
前記第2ロットディスパッチング方法は、前記第1工程で加工されたロットの中で前記検査項目の計測値が製品の良/不良を判定する製品規格は満足させるが、前記製品規格よりもっと厳しく設定された管理基準を満足させないロットを前記ロットディスパッチング方法の適用対象として選別する段階とさらに有する。前記管理基準は前記第2工程の後続工程で発生される平均的な工程誤差を考慮して定めることが好ましい。
【0021】
また、前記多数個の工程条件を求めるために、前記第2工程の工程条件をなす工程条件要部の中で前記検査項目に対する工程結果の変化に主な影響を及ぼす一つ以上の工程条件要部を抽出する。抽出された工程条件要部を変数にして前記検査項目の値を調節することができる函数式を決定する。函数式が決定されると、前記各等級に対応する前記誤差を補償する前記変数の値を決定し、前記変数の値を前記工程条件要部の値に設定する。前記函数式の変数になる工程条件要部は前記検査項目に対する前記計測値の離散(dispersion)特性が基準範囲の内である工程条件要部の中で選択されることが好ましい。
【0022】
前記第2ロットディスパッチング方法を行うために、第1工程と前記第1工程後に行われる第2工程とを含める半導体集積回路デバイスの製造工程で、前記第1工程で加工された現在のロットを前記第2工程にディスパッチングするためのロットディスパッチングシステムが提供される。
【0023】
このシステムは前記前記現在ロットに対して検査項目を計測するための計測手段と、前記現在ロットに対して前記第2工程を行うための第2工程装備、そして制御手段を有する。前記制御手段は、前記検査項目の値をその大きさによって多数個の等級に区分し、各等級と夫々対応されるお互いに異なった多数個の工程条件を前記第2工程用として準備し、特に前記各工程条件はその工程条件に対応される等級の基準値と前記検査項目の目標値との間の誤差を最小化する補償特性を有し、前記多数個の工程条件の中で前記計測手段より伝達された計測データの大きさに対応する一つの工程条件を選択し、選択された工程条件で前記第2工程を自動設定した後、前記現在ロットを前記第2工程にディスパッチングするされるように制御する。
【0024】
一方、前記第3の目的を達成するために、第3ロットディスパッチング方法が提供される。この方法は前記第1実施例と前記第2実施例とのロットディスパッチング方法と通合したことである。第1工程用の第1工程装備によって加工され、ディスパッチング待機中である現在のロットを前記第1工程後に行われ、複数個の第2工程装備を並行運転する第2工程にディスパッチングするために、前記第3ロットディスパッチング方法は、前記第1工程装備によって加工された各ロットと前記第2工程装備の夫々によって加工された各ロットとに対して検査項目を計測する一方、前記検査項目の値をその大きさによって区分された多数個の等級の各々に対応するお互いに異なった多数個の工程条件を前記第2工程用として準備する。
【0025】
特に、前記各工程条件はその工程条件に対応する等級の基準値と前記検査項目の目標値との間の誤差を最小化する補償特性を有する。また、この方法は前記現在ロットに対する前記検査項目の計測値が、製品の良/不良を判定する製品規格は満足させるが、前記製品規格よりもっと厳しく設定された管理基準を満足させない第1場合と前記管理基準を満足させる第2場合の中でどの場合に属するかを検査する。この検査に基づいて、前記現在ロットが前記第1場合に属すると、前記多数個の工程条件の中で前記現在ロットに対する前記検査項目の計測値に対応する一つの工程条件を選択し、選択された工程条件で前記第2工程を自動設定した後、前記現在ロットを前記第2工程にディスパッチングする。即ち、前記現在ロットが前記第1場合に当該されると、本発明の第2側面によるロットディスパッチング方法によって前記現在ロットをディスパッチングする。
【0026】
前記現在ロットが前記第2場合に属すると、第1工程装備が前記現在ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を最も小さい値で補償する能力を有する一つの第2工程装備に前記現在ロットをディスパッチングする。先順位である第2工程装備が使用できない場合には後順位の第2工程装備の中で使用できる最先順位の第2工程装備に前記現在ロットをディスパッチングする。即ち、前記現在ロットが前記第2場合に属すると、本発明の第1側面によるロットディスパッチング方法によって前記現在ロットをディスパッチングする。
【0027】
そして、このようなロットディスパッチング方法を行いにとって必要であるシステムが提供される。このシステムは前記第1および第2側面によるシステムの通合的な構成である。このシステム、一つ以上の同一である第1工程用装備を調え、前記第1工程用装備を利用して第2ロットに対して第1工程を行うための第1手段と、複数個の同一な第2工程用装備を調え、前記第2工程用装備を利用して前記第2ロットに対して前記第2工程を行うための第2手段と、前記第1工程と前記第2工程とで加工された各ロットに対して検査項目を計測するための計測手段と、そして制御手段とを有する。
【0028】
この制御手段は、前記計測手段より伝達された計測データを累積する一方、前記検査項目の値をその大きさによって多数個の等級で区分し、各等級に夫々対応するお互いに異なった多数個の工程条件を前記第2工程用として備える。特に前記各工程条件はその工程条件に対応される等級の基準値と前記検査項目の目標値との間の誤差を最小化する補償特性を有する。
【0029】
また、前記制御手段は前記第1ロットに対する前記検査項目の計測値が、製品の良/不良を判定する製品規格は満足させるが、前記製品規格よりもっと厳しく設定された管理基準を満足させない第1場合と、前記管理基準までも満足させる第2場合との中でどちらの方に属するかを判別する。前記制御手段は、判断結果に基づいて、前記第2場合に属すると、前記累積された計測データに基づいて前記第1工程装備が前記第1ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を前記検査項目の目標値の方に補償する前記第2工程装備の夫々の工程能力を評価し、評価された前記工程能力によって前記第1ロットの前記複数個の第2工程装備に対するディスパッチングの優先順位を決定し、前記第1ロットを前記ディスパッチングの優先順位に基づいて先順位の使用できる一つの第2工程装備にディスパッチングされるように制御する。
【0030】
前記現在ロットが前記第1場合に属すると、前記制御手段は前記多数個の工程条件の中で前記計測手段より伝達された計測データの大きさに対応する一つの工程条件を選択し、選択した工程条件で前記第2工程を自動設定した後、前記現在ロットが前記第2工程にディスパッチングされるように制御する
【0031】
【作用】
上述して本発明の第1側面によると、先行工程で処理された各ロットは第2工程装備の中で検査項目の目標値との偏差が最小化されることができる一つの第2工程装備にディスパッチされることができる。これは特定の工程の全ての工程装備が最も効率的に使用されることができる方法である。結果的に、工程能力、工程品質および工程生産性などが著しく改選されることができる。
【0032】
以上のような本発明の第2側面によると、各工程の工程条件を一つのみに適用することではなく、先行工程で加工されたロットの工程品質の等級によって最適の工程条件を弾力的に適用する。前記のような工程条件は検査項目に関する各等級の基準値と目標値との間の誤差を無くすことができるように定義される。従って、先行工程で発生させた品質誤差を後行工程で除去することができる。その結果、各工程で具備している工程装備の能力を極大化して品質向上による原価節減、生産性の向上そして製造期間の減少という効果を収めることができる。
【0033】
本発明の第3側面によると、先行工程で加工されたロットの品質水準と目標品質水準との間の偏差が小さい場合には、最適の後行工程装備にアレンジ(arrange)し、その偏差が大きな場合には最適の後行工程条件を適用して、その偏差の大きさに関係なく、後行工程で加工されたロットは前記目標品質水準に接近されることができる。従って、工程能力の向上、品質改選、生産性の向上および製造期間の短軸などの上昇効果を収めることができる。
【0034】
以上のような本発明の多様な側面は半導体の製造工程の全般にわたって適用されることができ、究極的には工場全体の生産システムの包括的な生産能力を大きく向上させる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。
以下で説明される本発明の多様な実施例と関連して添付された色々の図面は先行工程200がフォト工程であり、後行工程300がエッチング工程である場合を示しているが、これは本発明の理解を高めるための例示に過ぎない。半導体の製造工程において、先行工程と後行工程との可能な組合は非常に多様である。従って、本発明の多様な実施例は半導体の製造工程の全般にわたって組合可能な色々の先後行工程の組合に適用されることができることを前もって明らかにして置く。より大きな効果を得るためには後行工程の結果が先行工程の結果より影響を受ける関係の先後行工程に適用することが好ましい。
【0036】
(第1実施例)
工程装備指定制御システム(Processing Equipment Arrange CONtrol System:PEACONS)
図2は本発明の第1実施例によるロットディスパッチングシステムの概念図である。このシステムは先行工程の結果によって最適の後行工程装備にロットをディスパッチングするためのシステムである。
【0037】
このシステム(PEACONS)は一台以上の先行工程用の装備、例えば、ステッパ210a、210b、210c〜210kと多数の後行工程用の装備、例えば、エッチャー(etcher)310a、310b、310c、〜310mとを含んでいる。また、このシステムは前記先行工程で加工されたロット170bと後行工程で加工されたロット170cとを各工程で設定している検査項目に対して計測をするための検査装備400aと、検査装備400aより提供される計測データと、それ以外の色々の情報に基づいて後行工程300のために待機するロット170bの後行工程装備310a、310b、310c〜310mに対するディスパッチング順序を制御するためのコンピュータシステム100aとを有する。このコンピュータシステム300aの内には自動ディスパッチングシステム−I(Auto Dispatching System−I:ADS−I)という名称のロットディスパッチングを自動に制御するプログラムと必要な基本データとが内蔵されている。
【0038】
ここで、前記検査項目は夫々の単位工程で設定している検査項目として、例えば、臨界寸法(critical dimension:CD)、線幅(line width)、膜厚、反射度、絶縁特性などのような代表的な例を始めとして各工程によって色々の項目が挙げられる。検査項目は一つ、またはその以上である。以下では、本発明の容易な理解のために検査項目がCDであると仮定する。
【0039】
図3は図2のロットディスパッチングシステム(PEACONS)を利用して行われるロットディスパッチング方法の基本的な機能を説明するための流れ図である。
図2と図3とを参照すると、まず、先行工程であるフォト工程200が多くの台の工程装備、即ち、ステッパを同時に稼動していると、フォト工程200のために待機しているウェーハロット170aは1号機からk号機までのステッパで並行的に加工される。フォト工程200で加工された各ロット170bに対して検査用のウェーハサンプルを抽出する。抽出されたウェーハサンプルはCD計測装備400aを利用して検査項目であるCDを計測する。計測装備400aは各ロット毎の計測結果をコンピュータシステム400aに実時間的に伝達する(段階S40)。計測装備400aが伝達する計測結果はロットの識別番号、ステッパの識別番号、CD計測データなどで構成される。例えば、ステッパ1号機210aによって加工されたロット(LOT_1’)に関してはそのロット(LOT_1’)の識別番号として#LOT_2350、ステッパの識別番号として#STEPER_1、そしてCD計測データとして0.25μmなどのデータがコンピュータシステム100aに伝達される。このデータはコンピュータシステム100a内の貯蔵手段(図示せず)に貯蔵される。
【0040】
予めにフォト工程200と計測を済ましたロット170bは後行工程であるエッチング工程300にディスパッチングされるために待機する。待機中であるロット170bの夫々を後行工程装備の中でどの一つに配列するためにコンピュータシステム100aは伝達された計測データをシステム的に分析する。コンピュータシステム100aによって分析の目的は待機中であるロット170bの各々のCD加工状態で判断するとき、各ロットに対してどの号機のエッチング装備が目標CD値に最も近い加工結果を与えることができるかを予測することである。予測結果によって各ロット毎のエッチング装備のディスパッチング優先順位を付ける(段階S50)。そして、各ロット毎の定めたディスパッチング優先順位によって使用できる最優先順位のエッチング装備にそのロットをディスパッチングする(S52a、S52bなど)。これに関する細かい内容は以後に説明する。
【0041】
一方、同一なロットを基準にするときにはフォト工程200後にエッチング工程300が行われる。しかし、同一時間代を基準にして見ると、お互いに異なったロットに対してフォト工程200とエッチング工程300とは同時並行的に進行されることが一般的である。また、エッチング工程300においても、多くの台のエッチング装備310a、310b、310c〜310mが並行に運転される。第1実施例は特にこのような後行工程が並行に運転される工程環境に適用される。
【0042】
エッチング工程300を済ました各ロット170cに対しても同様にCD計測装備400aを利用してCD計測を行われる。CD計測は各ロットよりサンプルとして抽出されたウェーハのみに対して行うことができる。そして、計測結果、即ち、ロットの識別番号、ステッパの識別番号、CD計測データなどはコンピュータシステム100aに実時間で伝達される。例えば、エッチャー2号機310bによって加工されたロットLOT_1に関してはそのロットLOT_1の識別番号として#LOT_2350、エッチャーの識別番号として#ETCHER_2、そしてCD計測データとして0.26μmなどのデータがコンピュータシステム100aに伝達されて貯蔵される(段階S40)。
【0043】
このような過程が反復されながら、コンピュータシステム100aは相当の量のデータを内部の記憶手段(図示せず)に蓄積することができる。蓄積されたデータはコンピュータシステム100aによって後行工程、即ちエッチング工程の各工程装備が有する工程能力を評価する基礎データとして活用される。そして、待機中であるロット170bの夫々のディスパッチング優先順位は評価された工程能力に基礎して決定されることである(段階S50)。
【0044】
これを下の表1を参照して説明する。表1は理解を高めるためにフォト工程装備のステッパが3台、そしてエッチング工程装備のエッチャーが3台である場合を仮定しているが(この仮定はこれからは図2に対しても同様に適用される)、第1実施例はエッチャーが複数台ではなければならないということの以外にはステッパおよびエッチャーの台数に関しては他の制限がない。
【0045】
コンピュータシステム100aは各工程毎で定めている検査項目の種類に関する情報、各工程で稼動中である工程装備に関する情報(例えば、工程装備の識別番号など)、検査項目の目標値の情報TG、計測装備に関する情報などを前もって貯蔵している。この情報は各会社によって異なる場合もある。また、同一の会社内でも例えば、検査項目の種類は各工程によって異なる場合もあり、そして時間によって工程環境が変更されると、それに従って異になる。従って、第1実施例を適用するためには度々上の情報を新しくする必要がある。
【0046】
現在、コンピュータシステム100aでは前記自動ディスパッチングシステム−I(ADS−I)プログラムが実行中であることに仮定する。また、この状態でコンピュータシステム100aがステッパ1号機210aが加工したロットLOT_1’に関してCD計測装備400aより計測結果に関するデータを受入れたと仮定する。コンピュータシステム100aは伝達されたデータを記憶手段に貯蔵する一方、このデータよりロットLOT_1’とLOT_1’を加工した1号機のステッパ210aを認識すると同時に前記LOT_1’に対するCD計測値’an’を認識する。
【0047】
【表1】
【0048】
コンピュータシステム100aは1号機ステッパ210aが最も最近に加工した多数のロットのCD計測値を利用してフォト工程とエッチング工程との各装備対毎のCDスキュー(skew)を算出する、ここで、スキューは次の式1によって計算される。検査項目がCDでなく、他のもの、例えば、線幅である場合にも線幅の計測値に対して次の式1を適用して線幅スキューを算出するば良い。
【0049】
(式1)
CDスキュー=フォト工程後のCD計測値−エッチング工程後のCD計測値
工程装備対毎のCDスキューの算出は次のように具体的に行われる。表1の先行工程欄で、「an-1、an-2、an-3、an-4、an-5、an-6、an-7、an-8、an-9、an-10、an-11、an-12」はステッパ1号機210aによって前記ロットLOT_1’の以前に加工された最近の12個のロットの夫々のCD計測値を意味する。そして、CD計測値「an-12、an-8、an-7、an-4」の夫々に対応する4個のロットはエッチャー1号機310aにディスパッチングされてエッチング加工され、エッチング工程後のこのロットに対するCD計測値は各々「bn-9、bn-8、bn-7、bn-2」で得られたことを意味する。同様に、CD計測値「an-11、an-10、an-5、an-1」の夫々に対応する4個のロットはエッチャー3号機310cによってエッチング加工され、エッチング工程後のこのロットに対するCD計測値は各々「bn-10、bn-5、bn-4、bn-3」で得られたことを意味する。
【0050】
コンピュータシステム100aは、表1のスキュー欄に書かれているように、各装備対毎に前記数式1を利用して記憶手段に貯蔵された当該計測データを読み出してCDに関するスキューを算出する。ここで、各装備対というのは例えば、ステッパ1号機210aに関しては「ステッパ1号機210aとエッチャー1号機310a」、「ステッパ1号機210aとエッチャー2号機310b」、そして「ステッパ1号機210aとエッチャー3号機310c」がこれに相当する。同様に、ステッパ3号機210cに関しては「ステッパ3号機210cとエッチャー1号機310a」、「ステッパ3号機210cとエッチャー2号機310b」、そして「ステッパ3号機210cとエッチャー3号機310c」が上述した装備対を意味する。算出されたCDスキューは再びコンピュータシステム100aの記憶手段に蓄積される。
【0051】
コンピュータシステム100aは上述したような方式でフォト工程200とエッチング工程300とに係る全ての装備対に対してCDスキューを算出する。算出されたCDスキュー値が表1のスキュー欄に例示されている。
【0052】
一方、各装備対毎に算出されたCDスキューは各装備対をなすステッパとエッチャーの工程特性ないし能力に関する相関性を代表する値として評価することができる。CDスキュー値を算出しに利用されたフォト工程200およびエッチング工程300の後の各計測値は同一であるロットに関するものである。例えば、ステッパ1号機210aによって加工された特定のロットがエッチャー1号機310aによって続いて加工された場合、前記CDスキューはステッパ1号機210aによるCDの工程結果をエッチャー1号機310aによってどのように変化されるかを表す。従って、「ステッパ1号機210aとエッチャー1号機310a」に関するCDスキューはエッチャー1号機310aのステッパ1号機210aに対するCDと関連した工程能力ないし工程特性を表すと見ることができる。さらに、CDスキューの算出には最も最近の計測値が利用されたので、上述した工程能力に関する評価は最新の正確な情報になることができる。
【0053】
次に、コンピュータシステム100aは各装備対毎に算出された最近の4個のCDスキューの中で一つの代表値を選定する。CD計測値の偶然離散による不正確性を排除するために前記4個のCDスキュー値の中央値を前記代表値として選択することが好ましい。しかし、代表値を定める基準として中央値の代わりに4個のCDスキュー値の平均値を選択することもできる。また、所定の範囲内に属するCDスキュー値の平均値を代表値として選択することも代表値を定めるもう一つの基準になることもできる。ロット間のCD計測値の離散が大きい場合には中央値の代表性が平均値のそれに比べてもっと優れる。
【0054】
スキュー代表値が定まると、今度は下の式2を利用して各装備対毎にスパン(span)を算出する。スパンは各工程装備対の工程能力が検査項目の目標値に対してどの位の偏差を有するかを表す値である。従って、CDスパンはCD目標値TGに対する各工程装備対の工程能力を予測することができる評価指標であると見ることができる。
表1のスパン欄に書かれた値S1〜S9は式2によって算出された各装備対毎のスパンを表す。
【0055】
(式2)
スパン=A−(R+TG)
ここで、前記Aは各ステッパによって加工されてエッチング工程にディスパッチング待機中であるロット170bの夫々に対するCD計測値であり、前記表1では「an」、「cn」、「en」で表示されている。前記TGはエッチング工程300での検査項目、即ち、CDの目標値である。そして、前記Rは各装備対毎の最近に算出された所定個数のスキューの代表値である。表1では前記代表値を選定するためのスキューの母集合の元素個数を4個に限定しているが、これは例示に過ぎず、その個数は多様に定めることができる。
【0056】
次に、コンピュータシステム100aは算出されたスパン値の絶対値を基準にして後行工程の装備、即ちエッチャーをソート(sort)する。ソートは各ステッパ毎に各々進行する。従って、ステッパ1号機210aで加工された現在のロットLOT_1’に関するソート範囲はS1、S2、S3になる。また、ソートは昇順(ascending power)、即ちスパンの絶対値が小さい値からソートする。ステッパ2号機210aやステッパ3号機210cによって加工されたロットLOT_2’、LOT_3’の夫々に対しても同じ方式で3台のエッチャーに対するディスパッチングの優先順位を定める。
【0057】
このような方式で先行工程で加工されたロットLOT_1’、LOT_2’、LOT_3’の夫々の後行工程装備に対するディスパッチングの優先順位を定めた後、定めたディスパッチングの優先順位によって前記ロットLOT_1’、LOT_2’、LOT_3’の夫々を後行工程にディスパッチングする(段階S52a、段階S52bなど)。これを具体的に説明すると、次のようである。
【0058】
ディスパッチングしにおいて、コンピュータシステム100aは各ロットを前記ディスパッチングの優先順位で最優先順位の後行工程装備にディスパッチングされるようにする。例えて、現在のロットLOT_1’に関するスパンの絶対値が|S3|<|S1|<|S2|の関係を有すると、前記現在のロットLOT_1’の3台のエッチャーに対するディスパッチングの優先順位はエッチャー3号機、エッチャー1号機、エッチャー2号機の順序である。従って、現在のロットLOT_1’がディスパッチングされる後行工程装備はエッチャー3号機310cである。もしも、エッチャー3号機310cが現在使用できる装備であると、現在のロットLOT_1’はエッチャー3号機310cにディスパッチングされる(段階S52a)。しかし、エッチャー3号機310cが現在使用できない場合には次の順位装備であるエッチャー1号機310aが使用できるかを判断し、それが使用できる場合にはエッチャー1号機310aにディスパッチングし、使用できない場合にはエッチャー2号機310bにディスパッチングする(段階S52b)。
【0059】
同様に、他の現在のロットLOT_3’に関するスパンの絶対値が|S7|<|S8|<|S9|の関係を有すると、前記現在のロットLOT_3’はエッチャー1号機310aが現在使用できると、エッチャー1号機310aにディスパッチングし、使用できないと、使用できるということを前提にしてエッチャー2号機310b、エッチャー3号機310cの順序でディスパッチングする(段階S542b)。
【0060】
上述したような方式でディスパッチングされた各ロットはエッチング工程300の各装備によってエッチング処理される。エッチング工程が完了されると、各ロットのサンプルウェーハに対して計測装備400aを利用してCDに関する工程結果を計測する。エッチング工程の後に計測される要部はCDの以外にも他の検査項目、例えば、線幅、反射度などがさらに含められる。エッチング工程後の計測結果もやはりコンピュータシステム100aに提供される(段階S54a、段階S54bなど)。エッチング工程はそれの後行工程との関係においては先行工程としての地位を有するためである。
【0061】
そして、エッチング工程300の結果がその後続工程(図示せず)の結果に影響を及ぼすかを判断する(段階S56a、段階S56bなど)。即ち、エッチング工程後に不純物の拡散工程が進行されると仮定するとき、エッチング工程の結果が不純物の拡散工程の工程結果に影響を及ぼすかを判断する。影響を及ぼす検査項目はCDではない他の検査項目になることもできる。
【0062】
もし、エッチング工程300の後続工程がエッチング工程の工程品質より影響を受ける関係を有すると、影響を及ぼす検査項目に関するエッチング工程300の後の計測結果はコンピュータシステム100aによって先行工程の計測結果として認識される(段階S58)。
【0063】
その結果、エッチング工程が先行工程になり、不純物の拡散工程が後行工程になって、上述したようにフォト工程からエッチング工程の関係で適用されたディスパッチングの制御方法によってエッチング工程後のロット170cの不純物の拡散工程用の装備に対するディスパッチングを制御する。
【0064】
一方、好ましくは前記段階S40の後に、第1実施例によるディスパッチング方法が適用されるロットを選別する段階(S42、S44、S46)をさらに含めることができる。
これを説明すると、コンピュータシステム100aはエッチング工程200を行ったロット170bの夫々に対してCDの計測結果が製品の良/不良を判定する基準になる製品規格を満足するかを判断する(段階S42)。前記製品規格を満足しないロットは先行工程の性格が再作業が可能な工程である場合には再作業を行い、再作業が不可能な場合には不良品で判定してそのロットを廃棄する(段階S44)。
【0065】
製品規格を満足するロットを第1実施例のディスパッチング方法の適用対象にすることもできるが、その適用対象をより厳しく限定することも好ましい。一般的に、半導体の製造工場は先行工程後に行われる色々の後続工程過程によって不良品が拡大される可能性を考慮して前記製品規格よりもっと厳しく設定された管理基準を用意して品質管理を行っている。従って、このような管理基準を適用する工場の場合には、前記管理基準を満足するロットのみを適用対象のロットとして選別して前記段階S50とその後続段階との適用を受けるようにすることが好ましい(段階S46)。これにあわせて、先行工程の結果、前記製品規格は満足するが、前記管理基準を満足しないロットは後術する本発明の第2実施例によるディスパッチング方法を適用することももう一つの選択になることができる(段階S48)。
【0066】
(第2実施例)
可変工程条件制御システム(VAriable REcipe ControlSystem:VARECS)
第2実施例の適用のための可変工程条件制御システムVARECSは先行工程で加工された夫々のディスパッチング対象のロットに対して検査項目を計測するための計測装備400bと、ディスパッチング対象のロットに対して後行工程を行うための一つ以上の工程装備500と、そして先行工程の工程結果によって後行工程に適用された工程条件を最適に設定するためのコンピュータシステム100とを有する。コンピュータシステム100b内には後行工程の工程条件を最適に制御することに必要である色々の機能を有する自動ディスパッチング‐II(ADS−II)という管理プログラムが内蔵される。以下の場合でも前記第1実施例と同様に理解を高めるために先行工程はフォト工程であり、後行工程はエッチング工程であり、検査項目はCDであると仮定する。
【0067】
第2実施例によると、フォト工程後の各ロットの工程結果によってロットの品質をよりCD目標値TGに近く接近させることができる工程条件を適用して後行工程を行う。従って、後行工程は固定的でなく、先行工程の結果によって可変的ないし弾力的に適用される。以下でこれを具体的に説明する。
【0068】
まず、エッチング工程の工程能力を改選するために多数の工程条件を決定するに活用される関数式fを決定する。エッチング工程の工程結果はフォト工程の工程結果とエッチング工程で適用された工程条件によって決定される。これを次のような関数式fで表現することができる。
【0069】
(式3)
ACI=f(ADI、EP)
ここで、ACIはエッチング工程後のCDの計測値であり、ADIはフォト工程後のCDの計測値であり、EPはエッチング工程の工程条件を決定する要部である。
【0070】
エッチング工程の遂行時にADIは予めに確定された値であるので、ACIを変化させることはエッチング工程の工程条件要部EPである。ACI値を所望する状態に調節するためには工程条件要部EPの値を変更する必要がある。エッチング工程の工程条件要部では色々ある。例えば、チャンバの圧力、内部温度、エッチングガスの量、電力などがあり、その各々がACIに及ぼす影響はお互いに異なる場合もある。従って、ACIを調節するに主な影響を及ぼす工程条件の要部を実験を通じて抽出する。主因子を抽出するとき、考慮しなけらばならないのは主因子の値を変化させることが検査項目であるCDの計測値の離散特性を悪化させないことである。CDの離散特性が良くないというのは、CDの計測値がより不良に変化したロットが増加したことを意味するためである。
【0071】
実験結果、ACI値を調節するための主因子がチャンバの圧力P、エッチングガス量G、そして電力Eで決定された場合に仮定する。主因子は各工程別に異なれ、単位工程内でも主因子は異に定められることもできる。ACIまたはCDのスキュー(ACIは結局CDスキューで代表になれる)はこの主因子を変数にする関数であうるので、次の関数式Fとして表れることができる。
【0072】
(式4)
CD SKEW=F(G,P,E)
チャンバの圧力P、エッチングガス量G、電力Eを多様に変化させる実験とこの実験結果に対する回帰分析方とを通じてCDスキューの平均値を調節することができる関数式Fを抽出する。この関数式は唯一に定めることではない。上述した3個の主因子の中でどの一つのみを変数にする関数式になることもでき、場合によっては上述した3個の主因子の全部を変数にする関数式になることもできる。唯、この関数式は変数値の変更に対してCDスキューの平均値がほぼ線形的に変化されることができる特徴を有することが好ましい。なぜならば、変数に対する関数値の線形特性はCDスキューの変化を予測することができ、予測された値と実際の工程の結果が差を有する場合にもその原因の分析がしやすいためである。
【0073】
実験と回帰分析法とによって最終的に得られた関数式が下の式5のようであると仮定する。この関数式は実際にはエッチング工程と関連して実験と分析、そして検証を通じて得られた関数式の中で一つである。この関数式は電力Eとガス量Gとを適切に変更してCDスキューの平均値を所望する通りに調節することができることを意味する。
【0074】
(式5)
CD SKEW(E、G)=a+bE2+cG2
ここで、a、b、cは夫々常数である。
図7は上の関数式を利用して変数EとGとの値を変更するときに得られるCDスキューの平均値の変化推移を示すグラフである。このグラフは二つの変数E、Gに関する関数値が線形的な関係を有することを示す。図7のグラフでガス量Gを固定する場合にCDスキューの平均値を10[nm]程度アップさせるために電力量Pは1400[W]から1000[W]まで減らさなけらばならないことが分かる。また、電力量Pを1200[W]で固定した状態でガス量Gを14から5まで減らすと、CDスキューの平均値を10[nm]程度減らすことができることが分かる。
【0075】
この関数式を利用すると、次のような多様である工程条件を得ることができる。ここで、フォト工程後のCD目標値TGが0.280[μm]であり、製品規格は0.260[μm](図4でTG‐b)〜0.300[μm](図4でTG+b)であり、管理基準は0.270[μm](図4でTG‐a)〜0.290[μm](図4でTG+a)であると仮定する。
【0076】
フォト工程で加工されたロットの中でCD計測値Mが前記管理基準内であるロット520はエッチング工程で既存に適用して来た第1工程条件を変化させないで、そのままに適用しても良い。ここで、電力Eとガス量Gとに関して既存に適用して来た第1工程条件は夫々1200[W]と10[cm3]であると仮定する。
【0077】
前記CD計測値Mが前記CD目標値TGより大略0.010[μm]以上に小さい場合、即ち、0.260[μm]≦M<0.270[μm]であるロット510bに対してはエッチング工程後のCD計測値M’が前記CD目標値TG、即ち、M+0.010[μm]に近く変化されることができる第2工程条件を適用する必要がある。図7のグラフで前記第2工程条件の一例はガス量Gを15[cm3]に増加させ、電力Eを1000[W]に減らすことである。
【0078】
前記CDMが前記CD目標値TGより大略0.010[μm]以上に大きな場合、即ち、0.290[μm]≦M<0.300[μm]であるロット510aに対してはエッチング工程後のCD計測値M’が前記CD目標値TG、即ち、M‐0.010[μm]に近く移動されることができる第3工程条件を適用する必要がある。図7のグラフで前記第3工程条件の一例はガス量Gを15[cm3]に減らし、電力Eを1400[W]に増加することである。
【0079】
上述ではエッチング工程の工程条件を3種で区分して説明したが、より精密な制御のために工程条件の種類をさらに増やすこともできる。例えば、上ではフォト工程後のCD計測値Mが製品基準は満足するが、管理基準を離れた二つの場合、即ち、0.260[μm]≦M<0.270[μm]と0.290[μm]≦M<0.300[μm]とを夫々一グループとして取り扱ったが、この各グループを0.005[μm]の単位ずつ分割して2グループに細分化して工程条件を準備することもできる。
【0080】
一方、前記CD計測値Mが製品基準を離れるロット525a、525bはこの状態でもう不良品であり、もし、先行工程が再作業が可能な特性を有する工程であると、そのロットは再作業の対象として取り扱う。
表2は以上の説明に基づいてフォト工程後のCD計測値Mの大きさによってエッチング工程で適用する最適の工程条件を整理している。コンピュータシステム100bは、表2のように整理された、エッチング工程にディスパッチングするロットの処理基準に関する基準情報を示している。
【0081】
【表2】
【0082】
上のようにエッチング工程に適用される多様な工程条件に関する基準情報を準備する一方、フォト工程後のCD計測値Mの大きさによって最適の工程条件を選択してエッチング工程の工程環境を制御する自動ディスパッチングシステム‐II(ADS‐II)というプログラムも準備してコンピュータシステム100bに内蔵する。
【0083】
図5は図4のロットディスパッチングシステムVARECSを利用して先行工程の結果によって最適の後行工程条件を適用してロットをディスパッチングするための方法を説明するための流れ図である。
【0084】
まず、各ロットに対して先行工程を行った後、先行工程で定めた検査項目に対して計測装備400bを利用して各ロットを計測する。効率的な計測のために各ロット毎に抽出されたサンプルウェーハに対して計測する。先行工程の上の計測の結果は一般的にCDの目標値TGを中心に図4の左側のグラフのような定規分布曲線を示す。計測より得られた検査項目例えば、CDに関する計測データは各ロットの識別番号と共にコンピュータシステム100bに伝達される(段階S110)。
【0085】
コンピュータシステム100bは伝達されたCD計測値Mが表2に例示された基準情報を参照して当該ロットが前記製品基準を満足させるかを検査する(段階S112)。
検査結果、製品規格を満足させない場合にはそのロットに対して不良判定を下り、もし再作業が可能であると、フォト工程の再作業という判定を下る(段階S113)。
【0086】
延いては、前記検査結果が管理基準を満足させる場合には、そのロットの品質状態がCD目標値TGより大きくない誤差を有するので、この場合には、むりに工程条件を可変までしながらエッチング工程を行う必要はない。唯、小さい誤差としてももっと減らすために前記第1実施例で開示したロットディスパッチング方法(PEACONS)によって最適のエッチング装備に当該ロットをディスパッチングするように制御する(段階S116)。
【0087】
一方、コンピュータシステム100bは当該ロットのCD計測値Mが製品規格は満足させるが、管理基準を満足させない場合には、第2実施例が適用されるロットであると判定する。そして、コンピュータシステム100bは内蔵された基準情報を参照して前記CD計測値Mの大きさによって前記第2工程条件、または、第3工程条件を選択する(段階S118)。工程条件がもっと細分化されている場合にも同様である。
【0088】
その後、コンピュータシステム100bは上で選択された最適の工程条件に関するデータに基づいて当該ロットがディスパッチングされるエッチング工程装備を制御する。そして、最適の工程条件が設定された状態で当該ロットに対してエッチング工程を行う。エッチング工程が終わると、計測装備400bを利用して再びそのロットに対してエッチング工程後の検査項目に対する計測を行う。エッチング工程後の検査項目は必ずしもCDに限定されなく、エッチング工程の後続工程の種類によって多様に設定することができる(段階S120)。
【0089】
一方、本発明の実施例を半導体の製造に関連された全ての工程に拡大して適用することができる。この場合、エッチング工程はその次の工程との関係では先行工程になる。従って、コンピュータシステム100bでは工程結果に対して相関性を有する工程対に関する基準情報を前もって内蔵させて置く。そして、この基準情報を利用してエッチング工程後の検査項目に関する計測結果がその次の工程の工程結果、即ち、ロットの品質に影響を及ぼすかを判断する(段階S122)。
【0090】
判断結果、エッチング工程の工程結果がエッチング工程の後続工程として予定された工程、例えば、不純物の拡散工程に影響を及ぼす場合、コンピュータシステム100bは計測装備400bより伝達されたエッチング工程後の計測データを不純物の拡散工程の先行工程の計測データとして貯蔵する(段階S124)。
【0091】
上述したような第2実施例を適用した結果によると、図4の右側のグラフで例示したように、前記管理基準を満足させるロットの数はフォト工程後520よりエッチング工程後540の方がもっと多くなる。さらには、製品規格と管理基準との間に属するロットの数はフォト工程後510a、510bに比べてエッチング工程後530a、530bの方がもっと少なくなる。エッチング工程後の各ロットのCD値が目標CD値TGにより近く移動したためである。これは製品規格と管理基準との間に属するロット501a、501bを夫々のフォト工程の結果に対応する最適の工程条件を適用してエッチング工程を行う。
【0092】
第3実施例‐工程装備指定制御システム(PEACONS)+可変工程条件制御システム(VARECS)
図6は本発明の第3実施例によるロットディスパッチングシステムの構成を簡略に示す。このシステムは図2のロットディスパッチングシステム(PEACONS)と図4のロットディスパッチングシステム(VARECS)とを通合的に適用するためのものである。
【0093】
このシステムは一つの以上の同一な先行工程装備であるステッパ555と、多数個の後行工程装備であるエッチャー720と、先行と後行工程とが行われたロットを検査項目に関して計測するための計測装備400cと、計測装備400cより伝達された各ロットの計測データと先に説明した色々の基準情報を利用してフォト工程が行われた各ロットに対するエッチング工程のディスパッチング装備と工程条件とを制御するためのコンピュータシステム100cを有する。コンピュータシステム100cは前記第1および第2実施例を通合的に行うことができる自動ロットディスパッチングシステム‐III(ADS‐III)という管理プログラムを内蔵する。
【0094】
このシステムは先行工程の結果によって後行工程の遂行において、最適の工程装備と最適の工程条件とを適用してロットをディスパッチングするためのものである。このシステムを利用したロットディスパッチング方法は当業者であったら、前記第1および第2実施例の開示内容によって容易に理解することができると判断されるので、以下では主な特徴に対して簡略に説明する。
【0095】
フォト工程が行われた各ロットに対して計測装備400を利用して検査項目を計測する。計測結果はコンピュータシステム100cに伝達される。コンピュータ100cは製品規格を満足させないロット610a、610b、製品規格を満足させるが、管理基準を満足させないロット620a、620b、そして管理基準も満足させないロット630aなどで分類する。
【0096】
このような分類によって、コンピュータシステム100cは前記ロット610a、610bを不良で判定し、再作業が可能な場合には再作業で判定し、この判定結果によって再作業などの措置を取る。前記ロット620a、620bは第2実施例によるディスパッチング(VARECS)の適用対象として判定して図5の段階S118とその後続段階によって処理する。延いては、前記ロット630aは前記第1実施例によるディスパッチング方法(PEACONS)の適用対象に判定して図3の段階S50とその後続段階によって処理する。
【0097】
今まで、本発明の特別な実施例に対して説明したが、本発明の根本的な技術思想から外れない多様な変化が可能であることを明らかにして置く。例えば、先行工程と後行工程との組合はフォト工程‐エッチング工程の以外にも半導体の製造工程の全般にわたって多様に存在することができ、本発明はこのような場合をカバーする。そして、後行工程は工程順序で見ると、先行工程の以後に進行されることであると、必ずしも先行工程の真っ直ぐの順序として行われる必要はない。また、検査項目を複数個に設定して適用することもできる。それ故に、添付する特許請求範囲は前記した技術とそれ以外の多様な変形とが全部本発明の精神や範囲に属することを見せる意図を有する。従って、上述した本発明の実施例は説明をするための目的であり、特定の限界や制限を与えるためのことではないということを強調する。
【0098】
【発明の効果】
前記第1実施例をフォト工程とエッチング工程との間で実際に適用した結果によると、エッチング工程後の工程能力(process capability)(Cpk)は著しく向上された。工程能力の向上の程度は適用率を高めるに連れて大きく表れた。例えば、適用率を56%にした場合は工程能力は0.07程度向上され、適用率を95%まで高めた場合には工程能力は0.2程度向上された。また、前記第2実施例を適用した結果によると、平均的に工程能力が0.3以上に改善され、特定の製品基準に対する離脱率が6.2%以上に減少するという効果が表れた。参考に、工程能力Cpkというのは、各工程で作られるロットの品質の状態(品質離散の大きさ)を意味することで、Cpk=(検査項目の工程平均と製品規格限界との距離)/3σで定義される(σ=検査項目の標準偏差)。
【0099】
工程能力の向上結果、ロットの不適合率とスクレープ(scrap)発生率が大きく減少された。その結果、生産性が向上されて原価節減はもちろん、製造期間の短縮に大きな効果が表れた。これを半導体の製造工程の全般にわたって拡大適用しながら、各単位工程での適用率を高めると、上昇(synergy)効果を収めることができる。
【0100】
前記では本発明望ましい実施例を参照して説明したが、当該の技術分野の熟練された当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想と領域より離れない範囲の内で本発明を多様に修正または変更できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のロットディスパッチング方法を説明するための模式図である。
【図2】本発明の第1実施例によるロットディスパッチングシステムを示す模式図である。
【図3】図2のロットディスパッチングシステムを用いたロットディスパッチング方法の流れを示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施例によるロットディスパッチングシステムを示す模式図である。
【図5】図4のロットディスパッチングシステムを用いたロットディスパッチング方法の流れを示す説明図。
【図6】本発明の第3実施例によるロッドディスパッチングシステムを示す模式図である。
【図7】本発明の第2実施例で用いる関数式を表したグラフを示す模式図である。
【符号の説明】
100a、100b、100c コンピュータシステム
170a、170b、170c ロットグループ
200 先行工程装備グループ
300 後行工程装備グループ
400a、400b、400c 検査装備
500、700 後行工程
Claims (27)
- 第1工程用の第1工程装備によって加工されディスパッチング待機中である第1ロットを、前記第1工程後に行われ複数個の第2工程装備を並行運転する第2工程にディスパッチングする方法であって、
前記第1工程装備によって前記第1ロットの以前に加工された第2ロットの夫々に対する検査項目の計測データと前記第2工程装備の中でいずれか一つによって加工された前記第2ロットの夫々に対する前記検査項目の計測データとをコンピュータシステムに累積し続ける第1段階と、
前記コンピュータシステムで、累積された計測データに基づいて前記第1工程装備が前記第1ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を前記検査項目の目標値の方に補償する前記第2工程装備の夫々の工程能力を評価する第2段階と、
評価された前記工程能力によって前記第1ロットの前記複数個の第2工程装備に対するディスパッチングの優先順位を決定する第3段階と、
前記第1ロットを前記ディスパッチングの優先順位に基づいて先順位の利用できる一つの第2工程装備にディスパッチングする第4段階と、
を含むことを特徴とするロットディスパッチング方法。 - 前記第1工程装備によって処理される各ロットに対して前記検査項目を計測する段階と、
前記第2工程装備の夫々によって処理された各ロットに対して前記検査項目を計測する段階と、
前記計測段階から得られた各検査項目に対する計測データを前記コンピュータシステムに伝達して前記コンピュータシステムに貯蔵された既存の計測データをアップデートする段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のロットディスパッチング方法。 - 前記第2工程装備の夫々の工程能力は前記検査項目のスパンによって代表され、前記ディスパッチングの優先順位は算出された前記スパンの絶対値が相対的に小さい程度によって決定され、前記スパンは、前記第1ロットに対する前記検査項目の計測値をA、前記第2工程での前記検査項目の目標値をTG、ならびに前記第1工程装備と前記第2工程装備との各々で構成される工程装置対の各々が直前に発生させた所定個数のスキューの代表値をRとし、前記スキューは同一なロットに対する前記第1工程後の前記検査項目の計測値と前記第2工程後の前記検査項目の計測値との間の偏差であるとすると、
「スパン=A−(R+TG)」で定義されることを特徴とする請求項1記載のロットディスパッチング方法。 - 前記代表値は、前記所定個数のスキューの中央値、または平均値であることを特徴とする請求項3に記載のロットディスパッチング方法。
- 前記第1工程で加工されたロットの中で前記検査項目の計測値が製品の良/不良を判定する製品規格よりもっと厳しく設定された管理基準を満足するロットを適用対象のロットとして選別する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のロットディスパッチング方法。
- 複数個の第1工程装備を並行運転する第1工程と前記第1工程後に実施され複数個の第2工程装備を並行運転する第2工程とを備える半導体集積回路デバイスの製造装置において、前記第2工程装備のいずれか一つにより加工されディスパッチング待機中のいずれかの第1ロットをいずれか一つの第2工程装備にディスパッチングする方法であって、
前記第1工程によって処理された各ロットに対して前記第1工程装備毎に前記検査項目を計測する第1段階と、
前記第2工程によって処理された各ロットに対して前記第2工程装備毎に前記検査項目を計測する第2段階と、
前記第1段階および前記第2段階で得られた計測データを利用して前記第1工程装備および前記第2工程装備より夫々一つずつ抽出して構成される多数の工程装備対の夫々が発生させたこととして同一なロットに対して前記第1工程後の前記検査項目の計測値と前記第2工程後の前記検査項目の計測値との間の偏差として定義される前記検査項目のスキューを算出する第3段階と、
前記工程装備対毎に前記第1ロットに対する前記検査項目の計測値をA、前記第2工程での前記検査項目の目標値をTG、第1ロットを加工した第1工程装備と前記第2工程装備との各々で構成される工程装備対の夫々が直前に発生させた所定個数のスキューの代表値をRとして、スパン=A−(R+TG)からスパンを算出する第4段階と、
前記第1ロットを加工した第1工程装備と前記工程装備対を構成する第2工程装備とを前記スパンの絶対値が相対的に小さい順に優先順位を決定する第5段階と、
前記第1ロットを前記優先順位に基づいて先順位の第2工程装備にディスパッチングする第6段階と、
を含むことを特徴とするロットディスパッチング方法。 - 前記代表値は、前記所定個数のスキューの中央値、または平均値であることを特徴とする請求項6に記載のロットディスパッチング。
- 前記第1工程で加工されたロットの中で前記検査項目の計測値が製品の良/不良を判定する製品規格よりもっと厳しく設定された管理基準を満足するロットを適用対象のロットとして選別する段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のロットディスパッチング方法。
- 前記先順位である第2工程装備が使用できない場合、後順位の第2工程装備の中で使用できる最先順位の第2工程装備に前記第1ロットをディスパッチングすることを特徴とする請求項6に記載のロットディスパッチング方法。
- 前記検査項目は臨界寸法、線幅、膜厚、反射度あるいは絶縁特性のような半導体製造工程に関する品質検査項目の中で一つ以上であることを特徴とする請求項6に記載のロットディスパッチング方法。
- 第1工程と前記第1工程後に行われる第2工程とを含む半導体集積回路デバイスの製造装置において、前記第1工程で加工されてディスパッチング待機中である現在のロットを前記第2工程にディスパッチングする方法において、
検査項目の値をその大きさによって多数個の等級に区分し、各等級と夫々対応する相互に異なる多数個の工程条件を前記第2工程用として準備し、前記各工程条件はその工程条件に対応する等級の基準値と前記検査項目の目標値との間の誤差を最小化する補償特性とする第1段階と、
前記第1工程後の前記現在ロットに対して検査項目を計測する第2段階と、
前記多数個の工程条件の中で前記第2段階で得られた計測値に対応する一つの工程条件を選択する第3段階と、
前記第3段階で選択された工程条件で前記第2工程を自動設定した後、前記現在ロットを前記第2工程にディスパッチングする第4段階と、
を含むことを特徴とするロットディスパッチング方法。 - 前記第1工程で加工されたロットの中で前記検査項目の計測値が製品の良/不良を判定する製品規格を満足し、前記製品規格より厳格に設定された管理基準を満足しないロットを適用対象として選別する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のロットディスパッチング方法。
- 前記多数個の工程条件は、
前記第2工程の工程条件をなす工程条件要部の中で前記検査項目に対する工程結果の変化に主な影響を及ぼす一つ以上の工程条件要部を抽出する段階と、
抽出された工程条件要部を変数にして前記検査項目の値を調節可能な関数式を決定する段階と、
前記各等級に対応する前記誤差を補償する前記変数の値を決定する段階と、
前記変数の値を前記工程条件要部の値に設定する段階と、
から設定されることを特徴とする請求項11に記載のロットディスパッチング方法。 - 前記関数式の変数になる工程条件要部は前記検査項目に対する前記計測値の離散特性が基準範囲の内である工程条件要部から選択されることを特徴とする請求項13に記載のロットディスパッチング方法。
- 前記関数式は、前記変数に対して概略線形性を有することを特徴とする請求項13に記載のロットディスパッチング方法。
- 第1工程用の第1工程装備によって加工され、ディスパッチング待機中である現在のロットを、前記第1工程後に実施され複数個の第2工程装備を並行運転する第2工程にディスパッチングする方法において、
前記第1工程装備によって加工された各ロットと前記第2工程装備の夫々によって加工された各ロットとに対して検査項目を計測する第1段階と、
前記検査項目の値をその大きさによって区分された多数個の等級の各々に対応する相互に異なる多数個の工程条件を前記第2工程用として準備し、前記各工程条件はその工程条件に対する等級の基準値と前記検査項目の目標値との間の誤差の最小化を補償する第2段階と、
前記現在ロットに対する前記検査項目の計測値が、製品の良/不良を判定する製品規格を満足し、前記製品規格より厳格に設定された管理基準を満足しない第1場合と前記管理基準を満足する第2場合のいずれに属するかを検査する第3段階と、
前記現在ロットが前記第1場合に属すると、前記多数個の工程条件の中で前記現在ロットに対する前記検査項目の計測値に対応する一つの工程条件を選択し、選択された工程条件で前記第2工程を自動設定した後、前記現在ロットを前記第2工程にディスパッチングする第4段階と、
前記現在ロットが前記第2場合に属すると、前記第1工程装備が前記現在ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を最も小さい値で補償する能力を有する特定の第2工程装備に前記現在ロットをディスパッチングする第5段階と、
を含むことを特徴とするロットディスパッチング方法。 - 前記第5段階は、
前記第1工程装備によって前記現在ロットより先に加工された以前ロットの夫々に対する前記検査項目の計測データと前記第2工程装備の中である一つによって加工された前記以前ロットの各々に対する前記検査項目の計測データとを累積する段階と、
前記累積された計測データに基づいて前記第1工程装備が前記現在ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を前記検査項目の目標値の方に補償する前記第2工程装備の夫々の工程能力を評価し、評価された前記工程能力によって前記現在ロットの前記複数個の第2工程装備に対するディスパッチングの優先順位を決定する段階と、
前記現在ロットを前記ディスパッチングの優先順位に基づいて先順位の使用できる一つの第2工程装備にディスパッチングする段階と、
を有することを特徴とする請求項16に記載のロットディスパッチング方法。 - 先順位である第2工程装備が使用できない場合、後順位の第2工程装備の中で使用できる最先順位の第2工程装備に前記現在ロットをディスパッチングすることを特徴とする請求項17に記載のロットディスパッチング方法。
- 前記第2工程装備の夫々の工程能力は、前記現在のロットに対する前記検査項目の計測値をA、前記第2工程での前記検査項目の目標値をTG、前記第1工程装備と前記第2工程装備との各々から構成される工程装備対が直前に発生させた所定個数のスキューの代表値をRとし、前記スキューは同一なロットに対する前記第1工程後の前記検査項目の計測値と前記第2工程後の前記検査項目の計測値との間の偏差であるとすると、スパンは、
スパン=A−(R+TG)
で定義され算出された前記検査項目のスパンによって代表され、前記ディスパッチングの優先順位は算出された前記スパンの絶対値が相対的に小さい程度によって決定されることを特徴とする請求項16に記載のロットディスパッチング方法。 - 前記代表値は、中央値、または平均値であることを特徴とする請求項19に記載のロットディスパッチング方法。
- 前記多数個の工程条件は、
前記第2工程の工程条件をなす工程条件要部の中で前記検査項目に対する工程結果の変化に主な影響を及ぼす一つ以上の工程条件要部を抽出する段階と、
抽出された工程条件要部を変数にして前記検査項目の値を調節可能な関数式を決定する段階と、
前記各等級に対応する前記誤差を補償する前記変数の値を決定する段階と、
前記変数の値を前記工程条件要部の値に設定する段階と、
によって定められることを特徴とする請求項16に記載のロットディスパッチング方法。 - 前記関数式は、前記変数に対して概略線形性を有することを特徴とする請求項21に記載のロットディスパッチング方法。
- 第1工程と前記第1工程後に行われる第2工程とを含む半導体集積回路デバイスの製造装置で、前記第1工程によって加工されて待機中の第1ロットを前記第2工程にディスパッチングするシステムにおいて、
一つ以上の同一な第1工程用装備を有し、前記第1工程用装備を利用して第2ロットに対して第1工程を行う第1手段と、
複数個の同一な第2工程用装備を有し、前記第2工程用装備を利用して前記第2ロットに対して第2工程を行う第2手段と、
前記第1工程および前記第2工程で加工された各ロットに対し検査項目を計測するための計測手段と、
前記計測手段より伝達された計測データを累積し、累積された計測データに基づいて、前記第1工程装備が前記第1ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を前記検査項目の目標値へ補償する前記第2工程装備の夫々の工程能力を評価し、評価された前記工程能力によって前記第1ロットの前記複数個の第2工程装備に対するディスパッチングの優先順位を決定し、前記第1ロットを前記ディスパッチングの優先順位に基づいて先順位の第2工程装備にディスパッチングされるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするロットディスパッチングシステム。 - 前記第2工程装備の各々の工程能力は、現在ロットに対する前記検査項目の計測値をA、前記第2工程での前記検査項目の目標値をTG、第1工程装備と第2工程装備との各々で構成される工程設備対が直前に発生させた所定個数のスキューの代表値をR、前記スキューは同一のロットに対する前記第1工程終了後の前記検査項目の計測値と前記第2工程後の前記検査項目の計測値との間の偏差であるとすると、スパン=A−(R+TG)で算出されるスパンにより代表され、前記ディスパッチングの優先順位は算出された前記スパンの絶対値が相対的に小さい程度によって決定されることを特徴とする請求項23に記載のロットスパッチングシステム。
- 第1工程と前記第1工程後に行われる第2工程とを有する半導体集積回路デバイスの製造装置で前記第1工程で加工されてディスパッチング待機中である現在ロットを前記第2工程にディスパッチングするシステムにおいて、
前記現在ロットに対して検査項目を計測するための計測手段と、
前記現在ロットに対して前記第2工程を行うための第2工程装備と、
前記検査項目の値をその大きさによって多数個の等級で区分し、各等級と夫々対応する相互に異なる多数個の工程条件を前記第2工程用として有し、前記各工程条件はその工程条件に対応される等級の基準値と前記検査項目の目標値との間の誤差を最小化する補償特性を有し、前記多数個の工程条件の中で前記計測手段より伝達された計測データの大きさに対応する一つの工程条件を選択し、選択した工程条件で前記第2工程を自動設定した後、前記現在ロットが前記第2工程にディスパッチングされるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするロットディスパッチングシステム。 - 前記多数個の工程条件は、前記第2工程の工程条件をなす工程条件要部の中で前記検査項目に対する工程結果の変化に主な影響を及ぼす一つ以上の工程条件要部を抽出し、抽出された前記工程条件要部を変数にして前記検査項目の値を調節可能な関数式を決定し、前記各等級に対応する前記誤差を補償する前記変数の値を決定し、決定された前記変数の値を前記工程条件要部の値として設定することを特徴とする請求項25に記載のロットディスパッチングシステム。
- 第1工程と前記第1工程後に行われる第2工程とを有する半導体集積回路デバイスの製造装置で前記第1工程で加工されてディスパッチング待機中である第1ロットを前記第2工程にディスパッチングするシステムにおいて、
一つ以上の同一である第1工程用装備を有し、前記第1工程用装備を利用して第2ロットに対して第1工程を行う第1手段と、
複数個の同一な第2工程用装備を有し、前記第2工程用装備を利用して前記第2ロットに対して第2工程を行う第2手段と、
前記第1工程および前記第2工程で加工された各ロットに対して検査項目を計測する計測手段と、
前記計測手段より伝達された計測データを累積し、前記検査項目の値をその大きさによって多数個の等級で区分し、各等級に夫々対応する相互に異なる多数個の工程条件を前記第2工程用として有し、前記各工程条件はその工程条件に対応する等級の基準値と前記検査項目の目標値との間の誤差を最小化する補償特性を有し、前記第1ロットに対する前記検査項目の計測値が製品の良/不良を判定する製品規格を満足し、前記製品規格より厳格な管理基準を満足しない第1場合と、前記管理基準を満足する第2場合のいずれに属するかを判別し、前記第2場合に属すると前記累積された計測データに基づいて前記第1工程装備が前記第1ロットに対して発生させた前記検査項目の目標値に対する偏差を前記検査項目の目標値へ補償する前記第2工程装備の夫々の工程能力を評価し、評価された前記工程能力によって前記第1ロットの前記複数個の第2工程装備に対するディスパッチングの優先順位を決定し、前記第1ロットを前記ディスパッチングの優先順位に基づいて先順位の使用できる一つの第2工程装備にディスパッチングされるように制御し、前記第1場合に属すると前記多数個の工程条件の中で前記計測手段より伝達された計測データの大きさに対応する一つの工程条件を選択し、選択した工程条件で前記第2工程を自動設定した後、前記現在ロットが前記第2工程にディスパッチングされるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするロットディスパッチングシステム。
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