JP3957448B2 - 水冷式凝縮器の清掃具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、水冷式凝縮器の冷却用配管に挿入されて使用される水冷式凝縮器の清掃具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10及び図11は、従来の水冷式凝縮器の清掃具を示す図で、図10は清掃具による清掃状態を概念的に説明する図、図11は図10の清掃具によって清掃される水冷式凝縮器が設けられた空気調和設備を概念的に示す図である。図において、1は冷却塔、2は冷却水管路、3は冷却水管路2に設けられた水冷式凝縮器、4は水冷式凝縮器3に対応して設けられた圧縮機、5は冷却水管路2に設けられたポンプである。
【0003】
6は水冷式凝縮器3における冷却水入り口弁、7は水冷式凝縮器3における冷却水出口弁、8は水冷式凝縮器3の内部に並列に設けられた多数の冷却用配管、9は冷却水管路2の冷却水出口弁7と水冷式凝縮器3の間に設けられた排水弁、10は冷却用配管8に挿入されるブラシ、11はブラシ10に接続されたピアノ線からなる弾性可撓条体、12はブラシ10及び弾性可撓条体11によって構成された清掃具である。
【0004】
従来の水冷式凝縮器の清掃具は上記のように構成され、次に述べるようにして冷却用配管8内部が清掃される。すなわち、ポンプ5を含む空気調和設備を停止して冷却水入り口弁6及び冷却水出口弁7を全閉する。そして、排水弁9を開放して冷却用配管8内の冷却水を排水し、図示が省略してあるが水冷式凝縮器3の端面の蓋を取り外す。この状態で、図10に示すように清掃具12のブラシ10を冷却用配管8に挿入して弾性可撓条体11を抜き差し操作し、冷却用配管8内の異物を除去する清掃作業が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の水冷式凝縮器の清掃具による清掃作業では、細い弾性可撓条体11を作業員が両手で把持して、ブラシ10を冷却用配管8に抜き差しする操作が行われる。この操作は図10に示すように弾性可撓条体11が歪曲するため、一度に押し込むことができる長さが短く、また細い弾性可撓条体11を強く握って押し込む操作が必要である。このため、疲労し易く困難な作業となり清掃作業能率が低いという問題点があった。
【0006】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、水冷式凝縮器の冷却用配管内を容易に清掃できる水冷式凝縮器の清掃具を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る水冷式凝縮器の清掃具においては、管体からなり、水冷式凝縮器の冷却用配管内に摺動自在に挿入される挿入ガイド棒と、挿入ガイド棒の後端部に連結され、所定の太さを有する把手棒と、把手棒の挿入ガイド棒寄りの外周面に設けられ、挿入ガイド棒の中空部に連通した引き出し孔と、先端にブラシが連結され、後端が、挿入ガイド棒の前端から挿入ガイド棒の中空部に挿入されて引き出し孔から把手棒の外部に引き出されることにより、把手棒と一緒に把持される弾性可撓条体からなる清掃体とが設けられる。
【0008】
また、この発明に係る水冷式凝縮器の清掃具においては、把手棒に着脱自在に装着された挿入ガイド棒が設けられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図9は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1は清掃具の縦断面図、図2は図1の清掃補助具の斜視図、図3は図2の把手棒の縦断面図、図4は図2の挿入ガイド棒の縦断面図、図5は図1の清掃具の使用状態を説明する図で、水冷式凝縮器の冷却用配管を縦断して示す図、図6は図1の清掃具の他の使用状態を説明する図5相当図、図7は図1の清掃具によって清掃される水冷式凝縮器の正面図、図8は図7の要部を破断して示す図、図9は図8の横断面図である。
【0010】
なお、図1〜図9の他は空気調和設備等が前述の図11と同様に設けられている。図において、3は冷却水管路2に設けられた水冷式凝縮器、6は水冷式凝縮器3における冷却水入り口弁、7は水冷式凝縮器3における冷却水出口弁、8は水冷式凝縮器3の内部に並列に設けられた多数の冷却用配管、9は冷却水管路2の冷却水出口弁7と水冷式凝縮器3の間に設けられた排水弁である。
【0011】
13は水冷式凝縮器3の長手端面に設けられた蓋で、ボルト及びナットからなる締結具14によって水冷式凝縮器3本体に締結されている。15は清掃補助具で、管体からなり継ぎ手16の一側に締結されて継ぎ手16寄りに引き出し孔17が設けられた把手棒18及び継ぎ手16の反把手棒18側にねじ込まれたフレアーナット19によって把手棒18の継ぎ手16に連結された管体製の挿入ガイド棒20によって構成されている。
【0012】
なお、把手棒18は人間工学的に握り易い太さに製作されている。21は清掃体で、水冷式凝縮器3の冷却用配管8に挿入されるブラシ22が先端に連結されて、挿入ガイド棒20に前端から摺動自在に挿入されて把手棒18の引き出し孔17から引き出されたピアノ線等の弾性材料によって製作された弾性可撓条体23によって構成されている。また、24は清掃補助具15及び清掃体21によって構成された清掃具である。
【0013】
上記のように構成された水冷式凝縮器の清掃具において、次に述べるようにして冷却用配管8内部が清掃される。すなわち、ポンプ5を含む空気調和設備を停止して冷却水入り口弁6及び冷却水出口弁7を全閉する。そして、排水弁9を開放して冷却用配管8内の冷却水を排水し、水冷式凝縮器3の端面の蓋13を取り外す。
【0014】
この状態で、図1に示す清掃具24における清掃補助具15の把手棒18と清掃体21の弾性可撓条体23を作業員が一緒に把持して、図5に示すように清掃補助具15のブラシ22及び挿入ガイド棒20の前端側を冷却用配管8の開口部内に挿入する。そして、図5に示す状態で作業員が把手棒18と弾性可撓条体23を一緒に把持したまま、抜き差し操作して冷却用配管8内に付着している異物を排除する。
【0015】
次いで、図5に示す状態において弾性可撓条体23のみを手から放して、把手棒18だけを図6に示すように冷却用配管8から引き出す。なお、このときにブラシ22は冷却用配管8内面に挟圧状態で接触しているので、ブラシ22が冷却用配管8の開口端方向に移動することはない。
【0016】
そして、図6に示す状態において清掃具24における清掃補助具15の把手棒18と清掃体21の弾性可撓条体23を作業員が一緒に把持して、清掃補助具15の挿入ガイド棒20を再び冷却用配管8内に挿入する。これによって、ブラシ22が前回よりも冷却用配管8の奥側に移動し、この状態で再び把手棒18と弾性可撓条体23を一緒に把持したまま抜き差し操作して、前回よりも奥側の冷却用配管8内に付着している異物を排除する。
【0017】
そして、このような異物を排除操作を繰り返して、ブラシ22が冷却用配管8の他端の開口部に到達するまで冷却用配管8内が清掃される。また、並列に配置された他の冷却用配管8も同様な操作によって清掃される。このように、清掃具24を使用した清掃作業においては、清掃補助具15の把手棒18と清掃体24の弾性可撓条体23を作業員が一緒に把持して、清掃補助具15と清掃体21を抜き差しする操作が行われる。
【0018】
したがって、ブラシ22によって冷却用配管8内を容易に摺擦することができ、少ない労力によって能率よく清掃できて作業能率を向上することができる。なお、清掃終了後に水冷式凝縮器3の端面の蓋13が装着され、冷却水入り口弁6を全開する。この状態で排水弁9が開放されているので、水冷式凝縮器3に通水して異物を排水弁9から流出させて冷却用配管8内が洗浄される。この後に、排水弁9を閉塞して冷却水出口弁7を全開する。これによって、空気調和設備が運転可能状態に復帰する。
【0019】
実施の形態2.
図1〜図9の実施の形態の構成を応用して容易に次に述べるような水冷式凝縮器の清掃具を実現することができる。そして、前述の図1〜図9の実施の形態における作用と共に、次に述べる作用を得ることができる。すなわち、フレアーナット19によって把手棒18の継ぎ手16に、挿入ガイド棒20が締結される。このため、挿入ガイド棒20を把手棒18に容易に着脱することができる。
【0020】
したがって、数種類の適宜な長さの挿入ガイド棒20を準備する。そして、水冷式凝縮器3の冷却用配管8長さの相違、清掃作業現場の作業スペースの状況、すなわち挿入ガイド棒20の引き抜き余裕等に応じて適当な長さの挿入ガイド棒20を把手棒18に装着する。これによって、さらに清掃作業を容易化できて作業能率を向上することができる。
【0021】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、管体からなり、水冷式凝縮器の冷却用配管内に摺動自在に挿入される挿入ガイド棒と、挿入ガイド棒の後端部に連結され、所定の太さを有する把手棒と、把手棒の挿入ガイド棒寄りの外周面に設けられ、挿入ガイド棒の中空部に連通した引き出し孔と、先端にブラシが連結され、後端が、挿入ガイド棒の前端から挿入ガイド棒の中空部に挿入されて引き出し孔から把手棒の外部に引き出されることにより、把手棒と一緒に把持される弾性可撓条体からなる清掃体とにより清掃具を構成したものである
。
【0022】
これによって、清掃補助具の把手棒と清掃体の弾性可撓条体を作業員が一緒に把持して、清掃補助具と清掃体を一緒に抜き差しする操作によって清掃作業が行われる。したがって、ブラシによって冷却用配管内を容易に摺擦することができ、少ない労力によって能率よく清掃できて作業能率を向上する効果がある。
【0023】
また、この発明は以上説明したように、挿入ガイド棒を把手棒に着脱自在に装着したものである。
【0024】
これによって、清掃補助具の把手棒と清掃体の弾性可撓条体を作業員が一緒に把持して、清掃補助具と清掃体を一緒に抜き差しする操作によって清掃作業が行われる。したがって、ブラシによって冷却用配管内を容易に摺擦することができ、少ない労力によって能率よく清掃できて作業能率を向上する効果がある。
また、長さの異なる挿入ガイド棒を準備して、水冷式凝縮器の冷却用配管長さの相違、清掃作業現場の作業スペースの状況、すなわち挿入ガイド棒の引き抜き余裕等に応じて適当な長さの挿入ガイド棒を把手棒に装着する。これによって、さらに清掃作業を容易化できて作業能率を向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す清掃具の縦断面図。
【図2】 図1の清掃補助具の斜視図。
【図3】 図2の把手棒の縦断面図。
【図4】 図2の挿入ガイド棒の縦断面図。
【図5】 図1の清掃具の使用状態を説明する図で、水冷式凝縮器の冷却用配管を縦断して示す図。
【図6】 図1の清掃具の他の使用状態を説明する図で、図5相当図。
【図7】 図1の清掃具によって清掃される水冷式凝縮器の正面図。
【図8】 図7の要部を破断して示す図。
【図9】 図8の横断面図。
【図10】 従来の水冷式凝縮器の清掃具を示す図で、清掃具による清掃状態を概念的に説明する図。
【図11】 図10の清掃具によって清掃される水冷式凝縮器が設けられた空気調和設備を概念的に示す図。
【符号の説明】
3 水冷式凝縮器、8 冷却用配管、15 清掃補助具、17 引き出し孔、18 把手棒、20 挿入ガイド棒、21 清掃体、22 ブラシ、23 弾性可撓条体。
Claims (2)
- 管体からなり、水冷式凝縮器の冷却用配管内に摺動自在に挿入される挿入ガイド棒と、
上記挿入ガイド棒の後端部に連結され、所定の太さを有する把手棒と、
上記把手棒の前記挿入ガイド棒寄りの外周面に設けられ、上記挿入ガイド棒の中空部に連通した引き出し孔と、
先端にブラシが連結され、後端が、上記挿入ガイド棒の前端から上記挿入ガイド棒の中空部に挿入されて上記引き出し孔から上記把手棒の外部に引き出されることにより、上記把手棒と一緒に把持される弾性可撓条体からなる清掃体と
を備えた水冷式凝縮器の清掃具。 - 挿入ガイド棒を、把手棒に着脱自在に装着されたものとしたことを特徴とする請求項1記載の水冷式凝縮器の清掃具。
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