JP3956824B2 - 表面実装型圧電発振器ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低背化を最大限に達成するために圧電振動子の下面にIC部品及び球状バンプを搭載し、球状バンプによってマザーボード上に実装するように構成した圧電発振器でありながら、球状バンプとの接続を想定していないマザーボードに対しても実装することができる表面実装型圧電発振器ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の移動体通信機器の普及に伴う低価格化、及び小型化の急激な進展により、これらの通信機器に使用される水晶発振器等の圧電発振器に対しても、低価格化、小型化、及び薄型化の要請が高まっている。
このような要請に対応するために、従来からチップ部品を使用してパッケージ化した表面実装型圧電発振器が種々提案されている。表面実装型圧電発振器としては、底部に実装電極を備えた絶縁基板の表面に形成した配線パターン上に、水晶振動子等の圧電振動子や、発振回路部品及び温度補償回路部品等のチップ部品を搭載し、更にこれらの部品を包囲するように金属キャップを絶縁基板に固定した圧電発振器が知られている。
しかし、このタイプの発振器は、絶縁基板の表面上に全ての部品を並列に搭載する構成であるため、絶縁基板の面積が大きくなり、小型化の要請を満たすことが困難であった。
【0003】
図5は、このような不具合を解消するために、本出願人が提案した表面実装型の圧電発振器(特願2002−026018)の構成を示す縦断面図であり、この圧電発振器100は、圧電振動子101の容器102の底面にIC部品103と、大バンプ104を搭載した構成を備えている。
圧電振動子101は、容器102内の空所に圧電振動素子(圧電基板上に励振電極を形成した素子)110を収容した状態で金属蓋111によって空所を気密封止した構成を備える。容器102は、セラミック、或いはガラスエポキシ等から成る容器本体112と、
金属蓋111から成る。容器本体112は、底板113と、底板113上に固定された環状の外壁114とから一体形成されている。底板113は、2枚のセラミックシート113a、113bからなり、このセラミックシート113a、113bと、外枠114を構成するセラミックとを積層して焼結することにより、容器本体112が形成される。
底板113の底面には底部電極120と、バンプ用パッド122を夫々形成する。底部電極120は小バンプ121を介してIC側電極103aと半田接続される。バンプ用パッド122は、大バンプ104を介して図示しないマザーボード上の配線パターンと半田接続される。
この絶縁基板102は、小型化の要請に応じるために最小化されているので、その裏面におけるIC部品や大バンプの搭載面積も極限られた狭いスペースとなっている。
IC部品103は、発振回路、温度補償回路等を集積した半導体チップを絶縁樹脂等により包摂一体化した構成を備えており、その外面(上面)には半導体チップの各端子から引き出されたIC側電極103aが配置されている。このIC側電極103aを底板113の裏面に設けた底部電極120に半田接続することにより、IC部品103は搭載される。
大バンプ104は、例えば球状の耐熱樹脂に金属メッキ加工を施した電極であり、底板113の裏面のバンプ用パッド122に対して半田接続により固定されている。この大バンプ104を図示しないマザーボード上の配線パターンに半田によって接続することにより、マザーボードに対する圧電発振器の搭載が行われる。
上記の如き構成を備えた圧電発振器においては、底板113の底面に搭載したIC部品103に係数などの設定値を書き込み、周波数や温度補償量を調整するための調整用端子130を設ける場所として、底板113の側面を選定する。即ち、調整用端子130は、
側壁外面に凹所を形成して金属片を埋込み、更に金属片を各底部電極120から伸びる接続導体と導通させた構成を備えている。この調整用端子130に対して横方向から、調整機器から伸びるプローブピン等を当接させることにより、IC部品108内の各種回路に対する設定値の確認、調整を行うことが可能となる。
【特許文献1】
特願2002−026018
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、表面実装用電極としてバンプを使用した圧電発振器は、圧電発振器をメーカーから購入してマザーボード上に搭載する作業を行うアッセンブリメーカーによって好まれないことがある。即ち、平坦な板状の表面実装用電極を備えた圧電発振器を搭載するのに適したマザーボード、マウント設備を標準的に使用するアッセンブリメーカーにとっては、バンプ形状の表面実装用電極は自社の規格に沿わないものとなる。このような場合に、圧電発振器メーカーがバンプの使用を断念して平板状の表面実装用電極を備えた圧電発振器を新たに設計して製造するとすれば、圧電振動子101の底面にIC部品103を搭載することが不可能となるため、図5に示した如き低背化は不可能となる。つまり、図5の圧電発振器にあっては、大バンプ104の直径を利用して底板113とマザーボードとの間に形成される空間を活用して、底板底面にIC部品103を搭載しているため、発振器の全高を低くすることに成功しているが、大バンプを使用できない場合には上記メリットが失われ、低背化に支障が生じることが明らかである。
このように圧電振動子の容器を構成する底板の外底面に直接大径のバンプと、IC部品を搭載することにより、低背化を実現した圧電発振器においては、表面実装用電極としてバンプの使用が制限される場合に対応することができないという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、表面実装用電極としてバンプを使用した圧電発振器を、平板状の表面実装用電極向けに設計されたマザーボード上に搭載することを可能ならしめる表面実装型圧電発振器ユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る表面実装型圧電発振器ユニットは、外底面にパッド電極と底部電極とを有する絶縁容器に圧電振動素子を収容した圧電振動子と、少なくとも発振回路を内蔵したIC部品と、底面側に下パッド電極を設けた基板と、を備えた圧電発振器であって、前記圧電振動子の前記パッド電極と前記基板とを機械的に接続すると共に前記IC部品の配置空間を保つ為の第1の電極部材が前記基板の上面側に配置され、前記IC部品と電気的に接続され、前記IC部品の特性を測定又は調整するための第2の電極部材を、前記圧電振動子の側面方向からみて露出するように、前記容器の前記外底面と前記基板の前記上面との間に配置したことを特徴とする。
圧電振動素子を気密封止した容器の底板の底面に、圧電振動素子上の励振電極や容器の金属蓋と導通する大バンプを接続固定し、且つ大バンプによって形成されるスペースを利用してIC部品を底板底面に配置した圧電発振器は、低背化を図る上で極めて有用である。しかし、表面実装用の電極として大バンプを固定した発振器は、バンプによる実装を想定していないマザーボードやマウント装置を使用する企業にとっては、購入して使用する余地がない。
本発明では、大径の第1の電極部材の下部にシート基板を配置したので、表面実装用電極として大径の第1の電極部材を使用する圧電発振器を、平坦板状の表面実装用電極の使用を予定しているマザーボード上にも搭載することが可能となる。しかも、本発振器の低背化というメリットも同様に維持することができる。
【0006】
また、本発明は、外底面にパッド電極と底部電極とを有する絶縁容器に圧電振動素子を収容した圧電振動子と、少なくとも発振回路を内蔵したIC部品と、上面側に第1の上パッド電極および第2の上パッド電極を設け、底面側に下パッド電極を設けた基板と、を備えた圧電発振器であって、前記圧電振動子の前記パッド電極と前記基板の前記第1の上パッド電極とを電気的および機械的に接続すると共に前記IC部品の配置空間を保つ為の第1の電極部材が、前記基板の前記第1の上パッド電極に配置され、前記IC部品と電気的に接続され、前記IC部品の特性を測定又は調整するための第2の電極部材が、前記基板の前記第2の上パッド電極に配置されたことを特徴とする。
第1の電極部材の数は底部電極の数と同数であり、4個が普通である。このため、半田や導電性接着剤を用いて、基板上の第1の上パッド電極と第1の電極部材とを接続しただけでは十分な固定力を得ることができず、基板が脱落する懸念もなしとしない。
そこで、本発明では底板の底面に調整用端子を設けた場合に、各調整用端子に対して第1の電極部材と同径の第2の電極部材を固定し、且つ基板上にも第2の電極部材と接続される第2の上パッド電極を設けたので、第1及び第2の電極部材群と第1及び第2の上パッド電極群との接続力が大幅に増大することとなる。
また、本発明は、前記第2の電極部材の側面に前記IC部品の調整時に用いる導体端子を当接して前記IC部品を調整可能に構成したことを特徴とする。
また、本発明は、前記第1の電極部材が、バンプ状の電極であることを特徴とする。
第1の電極部材をバンプ状の電極とし、前記基板を、バンプ状の第1の電極部材に固定することにより、圧電発振器ユニットを構築し、表面実装用電極としてバンプを用いるマザーボードに対しては勿論、平坦板状の表面実装用電極を用いるマザーボードに対しても両者兼用で適用することが可能となり、汎用性の高い発振器ユニットを構築することが可能となる。
また、本発明は、前記第2の電極部材が、バンプ状の電極であることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1の電極部材および前記第2の電極部材は、前記基板の前記上面側の周縁部に配置されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記IC部品を前記容器の外底面に導通固定したことを特徴とする。
また、本発明は、前記第2の電極部材を前記容器の前記外底面に固定したことを特徴とする。
また、本発明は、前記容器の前記外底面に調整用端子を備え、前記調整用端子を前記第2の電極部材に導通固定したことを特徴とする。
また、本発明は、前記基板の前記上面または中間層であり、前記IC部品と対面する領域にシールド用の接地パターンを配置したことを特徴とする。
IC部品は外来の電磁波によって誤動作し易い。しかも、本発明の圧電発振器の構造では、IC部品は電磁的には剥き出しの状態にある。そこで、IC部品の直下に位置するシート基板側に接地用の導体膜を形成してシールド効果を発揮したものである。
また、本発明は、前記第1の電極部材及び、前記第2の電極部材が球状の電極であることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1の電極部材及び、前記第2の電極部材が耐熱樹脂に金属メッキ加工を施した構成の電極であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示した実施の形態にもとづいて詳細に説明する。
なお、以下の実施形態では表面実装型圧電発振器の一例として表面実装型水晶発振器を用いて説明する。
図1(a)(b)(c)及び(d)は本発明の一実施形態に係るシート基板の表面側斜視図、裏面図、シート基板を装着した表面実装型水晶発振器(発振器ユニット)の一部断面正面図、及び要部断面図である。
このシート基板50は、矩形の絶縁シート51の四隅の上下両面に夫々上パッド(第1の上パッド電極)52と下パッド53を形成し、更に上下両パッド52、53間を接続導体54によって導通させた構成を備えている。絶縁シート51は、例えばガラスエポキシ系材料、セラミック材料等の薄いシート材や、フレキシブル基板等から構成する。両パッド52、53は、導電性を有した金属膜から構成する。接続導体54は、例えば絶縁シート51の適所、例えば角隅部に設けた切欠き(ビアホール)55内に導電膜を形成することにより、各パッド52、53間を一対一で導通させる。上下のパッド52、53を導通させる構成としては、図示以外の構成、例えばスルーホール等を用いてもよい。
このシート基板50は、図1(c)に示す如く、表面実装型圧電発振器0の底部に位置する全ての大バンプ(第1の電極部材)4に対して半田、導電性接着剤等のバインダを用いて全ての上パッド52を一対一で電気的機械的に固定されることにより、表面実装用圧電発振器ユニット(以下、発振器ユニット、という)60を構築する。この発振器ユニット60にあっては、大バンプ4の下部に接続したシート基板50の下面に設けた下パッド53を、図示しないマザーボード上の配線パターンに半田接続する際の表面実装用電極として利用することとなる。
【0009】
次に、図1(c)に示した発振器ユニット60について説明する。
発振器ユニット60は、圧電発振器0に対してシート基板50を一体化した構成を備えている。
圧電発振器0は、圧電振動子1の容器2の底面にIC部品3と、大バンプ4を搭載した構成を備えている。
圧電振動子1は、容器2内の空所に圧電振動素子(圧電基板上に励振電極を形成した素子)10を収容した状態で金属蓋11によって空所を気密封止した構成を備える。容器2は、セラミック、或いはガラスエポキシ等から成る容器本体12と、金属蓋11から成る。容器本体12は、セラミック等の絶縁材料から成る底板13と、底板13上に固定された環状の外壁14とから一体形成されている。
底板13の底面の中央寄り位置には、底部電極20を形成するとともに、底板13の下面の適所(この例では、四隅)にバンプ用パッド31を夫々形成する。底部電極20は小バンプ21を介してIC側電極3aと半田接続される。バンプ用パッド31は、大バンプ4を介して図示しないマザーボード上の配線パターンと半田接続される。
バンプ用パッド31は例えば底板13の外底面の四隅に設けられ、4つのバンプ用パッド31のうちの2個は、水晶振動素子10上の2つの励振電極と夫々導通されるホット側であり、他の2個のバンプ用パッド31は、金属蓋11と接続されるアース側である。
IC部品3は、発振回路、温度補償回路等を集積した半導体チップを絶縁樹脂等により包摂一体化した構成を備えており、その外面(上面)には半導体チップの各端子から引き出されたIC側電極3aが配置されている。このIC側電極3aを底板13の裏面に設けた底部電極20に半田接続することにより、IC部品3は搭載される。
【0010】
大バンプ4は、例えば球状の耐熱樹脂に金属メッキ加工を施した電極であり、底板13の裏面のバンプ用パッド31に固定されている。この大バンプ4をシート基板50の上面に設けた上パッド52と半田等によって接続することにより、発振器ユニット60を完成する。
これにより、大バンプ4を表面実装用電極として使用する発振器でありながら、平板状の表面実装用電極を使用した発振器の場合と同様の手法にてマザーボード上に搭載することが可能となる。即ち、平板状の表面実装電極専用のマザーボード、或いは平板状の表面実装電極を備えた発振器専用の実装装置を使用するアッセンブリメーカーにおいても、バンプを用いたタイプの発振器を使用することが可能となり、低背化のメリットをも享受することが可能となる。
なお、シート基板50の上パッド52と大バンプ4とを単に半田や導電性接着剤にて接続しただけでは接続強度を十分に確保できないこともある。この場合には大バンプ4からシート基板50が脱落して作動不能に陥る恐れがある。また、マザーボード上にリフロー等によってシート基板50の下パッド53を接続する際に加わる熱によって、上パッド52と大バンプ4とを接続していた半田が再溶融して接続強度の低下をもたらすことも多々ある。従って、シート基板50とIC部品との間、或いはシート基板50と底板13との間を絶縁性接着剤にて接着固定する方法を併用してもよい。
【0011】
次に、図示の如くIC部品3を底板13の下面に搭載した場合には、近接する高周波部品等からの電磁波がIC部品に入来し、誤動作を起こさせる原因となる。このような不具合に対しては、シート基板50の上面であって、IC部品と対面する領域及び/又はその周辺に接地用の導体膜56(図1(a))をベタ状態で形成することが好ましい。接地用の導体膜56は、例えば4つのバンプ用パッド31のうちの接地用のパッドと大バンプ4を介して接続される接地用の上パッド52aと接続することによりシールド効果を確保することができる。接地用の上パッド52aは直下に位置する接地用の下パッドを介してマザーボード上の接地用配線パターンと接続される。
なお、この接地用の導体膜56は、シート基板50の上面のみならず、シート基板の中間層(肉厚内部)に配置してもよい。
上記の如き構成を備えた圧電発振器ユニット60においては、底板13の底面に搭載したIC部品3の特性を測定、調整するための調整用端子40は、底板13の側面に配置される。即ち、調整用端子40は、側壁外面に凹所を形成して金属片を埋込み、更に金属片を各底部電極20から伸びる接続導体と導通させた構成を備えている。この調整用端子40に対して横方向から、調整機器から伸びるプローブピン等を当接させることにより、IC部品5内の各種回路に対する設定値の確認、調整を行うことが可能となる。一方、調整に際しては、各大バンプ4と接続された下パッド53に対して電力供給用、出力用、アース用、周波数検査用の各プローブピンを下側から当接させて通電した状態で調整及び周波数測定を行う必要がある。しかし、調整用端子40に対しては横方向からプローブピンを当接させる一方で、シート基板下面の下パッド53に対しては下側からプローブピンを当接させることになるため、プローブピンの配置、構成が複雑化するだけでなく、接触不良が発生し、測定不良が発生する恐れがある。特に、肉厚の薄い底板13の側面に調整用端子40を配置するため、調整用端子40の面積は極めて小さくなり、プローブピンを正確に当接させることが容易ではなかった。
【0012】
図2(a)及び(b)は上記不具合を解決するための他の実施形態に係る圧電発振器ユニットの構成図、及びシート基板の平面図である。
この実施形態の特徴的な構成は、底板13の下面であって、他の電極と干渉しない位置に比較的大きい面積の調整用端子40を配置する一方で、大バンプ(第1の電極部材)4と固定されたシート基板50の絶縁シート51上の、各調整用端子40と対面する位置に、調整用のプローブピンを差し込むための開口51aを形成した点にある。つまり、各調整用端子40の直下に位置する絶縁シート51の部分を貫通してプローブピン挿入用の開口51aを形成したものである。
これによれば、開口51aから上向きに調整用のプローブピンを差し入れて先端を広い面積の調整用端子40と接触させるので、接触不良や測定不良が発生しにくく、しかもシート基板下面の下パッド53に対しても下側から上向きに夫々の専用プローブピンを当接させることとなるので、プローブピンの配置、構成が単純となり、また接触不良も発生しにくくなり、測定精度が向上する。
【0013】
次に、図3(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る表面実装型圧電発振器ユニットの一部断面正面図、及びシート基板の平面図である。この発振器ユニット60は、調整用端子40を底板13の下面に配置すると共に、大バンプ(第1の電極部材)4と同径の他の大バンプ(調整用大バンプ=第2の電極部材)41を各調整用端子40に半田等により固定し、更に全ての大バンプ4、41の下部をシート基板50の上面に設けた上パッド52、第2の上パッド電極52bに対して夫々半田等によって電気的機械的に接続することによりシート基板50を固定したものである。
これによれば、シート基板50を8個の大バンプ4、41にて固定支持するので、発振器0との間の接続強度が倍増する。
また、プローブピンを用いた調整に際しては、各底部電極20と接続された各大バンプ4と、各調整用端子40と接続された各大バンプ41に対して、横方向からプローブピンを当接させるようにすれば、全てのプローブピンを当接させる方向が同方向となるので、プローブピンの構成の複雑化を避けることができる。なお、図1(a)に示した如き接地用の導体膜56をIC部品3と対面するシート基板上面の領域に設けてシールド効果を確保するようにしてもよい。
【0014】
次に、図3に示した発振器ユニットの構成において、シート基板50を接続せずに大バンプ4を露出させ、この大バンプ4をマザーボード上の配線パターンに実装しようとする場合には、大バンプ4と同レベルに突出する他の大バンプ41が、マザーボード上の他の配線パターンをショートさせる恐れがある。そこで、図4に示した実施形態では、底板13の外底面に凹所65を設けると共に凹所65内に調整用端子40を配置し、凹所65内に大バンプ41の一部を没入させ、半田等を用いて調整用端子40と電気的機械的に固定した。この結果、大バンプ41の突出量は、大バンプ4の突出量よりも少なくなり、十分に底板側へ引っ込んだ状態となる。
このため、シート基板50を接続せずに、大バンプを用いた表面実装を行ったとしても、調整用端子に接続された大バンプ41が短絡等の不具合をもたらす恐れが皆無となる。なお、図1(a)に示した如き接地用の導体膜56をIC部品3と対面するシート基板上面の領域に設けてシールド効果を確保するようにしてもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表面実装用電極としてバンプを使用した圧電発振器を、
平板状の表面実装用電極向けに設計されたマザーボード上に搭載することを可能ならしめるシート基板、及び表面実装型圧電発振器ユニットを提供することができる。また、シート基板を装着しないことにより、バンプを利用した表面実装も可能となるので、汎用性の高い圧電発振器の提供が可能となる。
即ち、本発明に係るシート基板によれば、表面実装用電極としての大バンプの下部にシート基板を後付け可能に構成したので、表面実装用電極として大バンプを使用する圧電発振器を、平坦板状の表面実装用電極の使用を予定しているマザーボード上にも搭載することが可能となる。しかも、本発振器の低背化というメリットも同様に維持することができる。
また、本発明では、調整用端子と対面するシート基板部分に開口を形成し、この開口からプローブピンを挿入するようにしたので、大バンプに対応する下パッドにプローブピンを当接させる方向と同一方向となるので、プローブピンの構成が簡略化できるメリットも生じる。
また、本発明に係る表面実装型圧電発振器ユニットによれば、シート基板を、圧電発振器の表面実装用電極としての大バンプに固定することにより、圧電発振器ユニットを構築し、表面実装用電極としてバンプを用いるマザーボードに対しては勿論、平坦板状の表面実装用電極を用いるマザーボードに対しても両者兼用で適用することが可能となり、汎用性の高い発振器ユニットを構築することができる。
また、本発明に係る表面実装型圧電発振器ユニットによれば、底板の底面に調整用端子を設けた場合に、各調整用端子に大バンプと同径の他の大バンプを固定し、且つシート基板上にも他の大バンプと接続される他の上パッドを設けたので、大バンプ群と上パッド群との接続力が大幅に増大することとなる。
また、本発明は、調整用端子を前記容器の外底面に設けた凹所内に配置し、該凹所内に前記他の大バンプの一部を没入させて調整用端子と電気的機械的に固定したので、圧電発振器からシート基板を取り外して大バンプを露出させ、この大バンプを表面実装用電極として利用する場合に、調整用端子に接続された大バンプがマザーボード上の配線パターンと干渉する恐れがなくなる。
また、本発明は、シート基板の上面であって、IC部品と対面する領域にシールド用の接地パターンを配置したので、シールド効果を発揮させ、IC部品の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)(b)(c)及び(d)は本発明の一実施形態に係るシート基板の表面側斜視図、裏面図、シート基板を装着した表面実装型水晶発振器(発振器ユニット)の一部断面正面図、及び要部断面図。
【図2】 (a)及び(b)は上記不具合を解決するための他の実施形態に係る圧電発振器ユニットの構成図、及びシート基板の平面図。
【図3】 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る表面実装型圧電発振器ユニットの一部断面正面図、及びシート基板の平面図。
【図4】 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る圧電発振器の一部断面正面図、及び底面図。
【図5】 従来例に係る圧電発振器の構成を示す縦断面図。
【符号の説明】
0 圧電発振器、1 圧電振動子、2 容器、3 IC部品、4 大バンプ(第1の電極部材)、10 圧電振動素子、11 金属蓋、12 容器本体、13 底板、20 底部電極、21 小バンプ、31 バンプ用パッド、40 調整用端子、41 調整用大バンプ(第2の電極部材)、50 シート基板、51 絶縁シート、51a 開口、52 上パッド(第1の上パッド電極)、52a 上パッド、52b 第2の上パッド電極、53 下パッド、54 接続導体、55 切欠き(ビアホール)、56 接地用導体膜、60 表面実装用圧電発振器ユニット。
Claims (12)
- 外底面にパッド電極と底部電極とを有する絶縁容器に圧電振動素子を収容した圧電振動子と、
少なくとも発振回路を内蔵したIC部品と、
底面側に下パッド電極を設けた基板と、
を備えた圧電発振器であって、
前記圧電振動子の前記パッド電極と前記基板とを機械的に接続すると共に前記IC部品の配置空間を保つ為の第1の電極部材が前記基板の上面側に配置され、
前記IC部品と電気的に接続され、前記IC部品の特性を測定又は調整するための第2の電極部材を、前記圧電振動子の側面方向からみて露出するように、前記容器の前記外底面と前記基板の前記上面との間に配置したことを特徴とする表面実装型圧電発振器ユニット。 - 外底面にパッド電極と底部電極とを有する絶縁容器に圧電振動素子を収容した圧電振動子と、
少なくとも発振回路を内蔵したIC部品と、
上面側に第1の上パッド電極および第2の上パッド電極を設け、底面側に下パッド電極を設けた基板と、
を備えた圧電発振器であって、
前記圧電振動子の前記パッド電極と前記基板の前記第1の上パッド電極とを電気的および機械的に接続すると共に前記IC部品の配置空間を保つ為の第1の電極部材が、前記基板の前記第1の上パッド電極に配置され、
前記IC部品と電気的に接続され、前記IC部品の特性を測定又は調整するための第2の電極部材が、前記基板の前記第2の上パッド電極に配置されたことを特徴とする表面実装型圧電発振器ユニット。 - 前記第2の電極部材の側面に前記IC部品の調整時に用いる導体端子を当接して前記IC部品を調整可能に構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記第1の電極部材が、バンプ状の電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記第2の電極部材が、バンプ状の電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記第1の電極部材および前記第2の電極部材は、前記基板の前記上面側の周縁部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記IC部品を前記容器の外底面に導通固定したことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記第2の電極部材を前記容器の前記外底面に固定したことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記容器の前記外底面に調整用端子を備え、前記調整用端子を前記第2の電極部材に導通固定したことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記基板の前記上面または中間層であり、前記IC部品と対面する領域にシールド用の接地パターンを配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記第1の電極部材及び、前記第2の電極部材が球状の電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
- 前記第1の電極部材及び、前記第2の電極部材が耐熱樹脂に金属メッキ加工を施した構成の電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の表面実装型圧電発振器ユニット。
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